JP3167517U - 両面リバーシブルガーゼ生地体 - Google Patents
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Abstract
【課題】両主面に正像図柄を織成することにより表裏の区別を不要とした取り扱いを可能として使い勝手の向上を図る両面リバーシブルガーゼ生地体を提供する。【解決手段】適宜の図柄を織成し表裏面を構成する第1ガーゼ生地体部2と第2ガーゼ生地体部3とを止め糸4を介して一体に織成する。第1ガーゼ生地体部2に織成した第1図柄8が第1の主面側から正像図柄として識別されるとともに第2ガーゼ生地体部3に織成した第2図柄10も第2の主面側から正像図柄として識別されることにより、リバーシブル態様のガーゼ生地体を構成する。【選択図】図4
Description
本考案は、ガーゼ生地の両面に正像模様を織成してなる両面リバーシブルガーゼ生地体に関する。
ガーゼ生地は、甘撚りの糸を用いて粗く織った生地であり、織り目が大きく、ふんわりと柔らかく、肌触りや通気性がよいといった特徴を有しており、各種タオル製品や乳幼児用の衣服生地等、様々な製品に用いられている。ガーゼ生地は、一般に無地で織成されるが、用途によっては柄物生地の要求も大きい。
柄物ガーゼ生地は、プリント柄が主流であり、また染めや生成り等によっても織成される。柄物ガーゼ生地は、例えば二重ガーゼ織、平織り朱子或いは斜紋織等の生成りにより柄を表現することも可能ではあるが、いずれの方法でも柄が表裏面において反転して織成されるいわゆるかがみ柄となってしまう。
例えば、特許文献1には、ジャカード織機を用いてタテ糸とヨコ糸を交互に絡めて複層の多重ガーゼを織成するに際して、ガーゼ構成糸のタテ糸やヨコ糸中に異なるデザイン糸を混入し、ガーゼ生地を織成しつつデザイン糸を表面や中間或いは裏面に織り込むことにより適宜の柄を織成する多重ガーゼのデザイン織成法が記載されている。かかるデザイン織成法においては、点や線の集合或いはすかしにより創作力豊かなデザインを施すことが可能であるが、表裏面に形成される柄がかがみ柄となる。
また、特許文献2には、無撚糸又は撚糸を用いた経糸と緯糸により第1組織織と第2組織織とを織成する際に経糸と緯糸とを表裏交替させることにより表側模様層と裏側模様層とを構成する多重ガーゼ織物が記載されている。多重ガーゼ織物は、表裏面に適宜の模様を形成した柔らかな風合で、肌に心地よい生地であることから、各種用途に用いられる。しかしながら、かかる多重ガーゼ織物においても、表裏面に形成される模様がかがみ模様となる。
ところで、例えばホテルや旅館等においては、使用された大量のバスタオルやバスマット等のタオル製品が、一般に業者により回収されて洗濯、乾燥或いは除菌等の処理を施した後に折り畳んで袋詰めした状態で納品するクリーニング処理システムが構築されて利用が図られている。かかるクリーニング処理システムにおいては、洗濯から袋詰めまでの一連の作業について自動化による効率化が図られている。
納品されるタオル製品には、ホテル名等のロゴが外部からでも視認できるように位置決めした状態で袋詰めされていなければならない。したがって、クリーニング処理システムにおいては、上述したようにタオル製品が片面模様の仕様であることから、折畳み工程の前工程において、ロゴを位置合わせする手作業による工程が必要となり処理効率を低下させていた。このように大量に取り扱われるタオル製品については、リバーシブル態様での使用が可能な両面模様の要求が極めて大きい。タオル製品においては、多層構造により両面に模様を形成することが可能となるが、高価となるとともに、分厚くかつ重くなって取り扱いが不便となり、また乾燥等の時間もかかってしまうことからいわゆる業務用としては適さない。
柄物ガーゼ生地は、上述したタオル製品ばかりでなく柔らかな肌触り等の特徴から各種衣料品にも用いられるために、多色化や適宜の図柄が織成される。柄物ガーゼ生地は、上述した形態により表裏を自由に変えるいわゆるリバーシブル態様の適用が困難であった。
したがって、本考案は、両主面に正像図柄を織成することにより表裏の区別を不要とした取り扱いを可能として使い勝手の向上を図る両面リバーシブルガーゼ生地体を提供することを目的とする。
上述した目的を達成する本考案にかかる両面リバーシブルガーゼ生地体は、ガーゼ織機によって、適宜の図柄を織成し表裏面を構成する第1ガーゼ生地体部と第2ガーゼ生地体部とを止め糸を介して一体に織成する。両面リバーシブルガーゼ生地体は、第1ガーゼ生地体部に織成した第1図柄が第1の主面側から正像図柄として識別されるとともに、第2ガーゼ生地体部に織成した第2図柄も第2の主面側から正像図柄として識別されることにより、いわゆるリバーシブル態様のガーゼ生地体を構成する。
また、両面リバーシブルガーゼ生地体は、第1ガーゼ生地体部と第2ガーゼ生地体部とを、それぞれ異色糸により縦縞・横縞に織成する。これにより、両面リバーシブルガーゼ生地体は、多色の色柄模様の第1図柄と第2図柄を織成する。
さらに、両面リバーシブルガーゼ生地体は、第1ガーゼ生地体部と第2ガーゼ生地体部とを、異なる色の経糸と緯糸により織成する。これにより、両面リバーシブルガーゼ生地体は、多色の図柄模様からなる第1図柄と第2図柄を織成する。
以上のように構成された本考案にかかる両面リバーシブルガーゼ生地体によれば、中間空気層を有する2層ガーゼ生地に織成されることから、ふんわりと柔らかい肌触り感や吸水特性或いは通気特性や速乾特性等のガーゼ生地の特徴が一層発揮される。両面リバーシブルガーゼ生地体によれば、ガーゼ生地において表裏主面からそれぞれ正像として識別される第1図柄と第2図柄を織成することから、表裏の区別を不要とした取り扱いが可能な様々なタオル製品に展開可能である。
以下、本考案の実施の形態として図面に示した両面リバーシブルガーゼタオル(以下、リバーシブルタオルと略称する)1について詳細に説明する。リバーシブルタオル1は、織機により織布された原反を所定の大きさに裁断、縁止め等の適宜の仕上げ処理を施して形成したフェイスタオルである。なお、実施の形態として示したリバーシブルタオル1は、例えばおしぼり、バスタオル、ハンドタオル、マフラータオル、スポーツタオル或いはバスローブ等の各種のタオル製品に広く適用される。また、本考案は、タオル製品に限定されず、例えばベビー肌着、パジャマ或いはカジュアルなシャツ等の様々な衣料品にも使用される。
リバーシブルタオル1は、ジャカード織機によるガーゼ織を施して表裏面に適宜の図柄を織布したタオルである。リバーシブルタオル1は、図1(A)に示す第1ガーゼ生地体部(第1生地体部)2と同図(B)に示す第2ガーゼ生地体部(第2生地体部)3とを止め糸4(図4参照)により重ね合わせ状態で一体化してなる。リバーシブルタオル1は、幅方向の両側部位に全長に亘って縁止め5を施すとともに、長さ方向の両側部位に端止め6を施して縦房を形成してなる。なお、縦房は、後述する織糸を用いることにより、多色で形成される。
リバーシブルタオル1には、図1に示すように、全面に第1地模様7を施した第1生地体部2側の所定位置に第1図柄8が形成される。リバーシブルタオル1には、図2に示すように、全面に第2地模様9を施した第2生地体部3側の所定位置に第2図柄10が形成される。リバーシブルタオル1は、第1生地体部2の第1図柄8と第2生地体部3の第2図柄10とが、それぞれの主面から正像として識別される図柄に形成される。したがって、リバーシブルタオル1は、第1生地体部2と第2生地体部3が、表裏に区別されない、いわゆるリバーシブル態様で使用することが可能である。
リバーシブルタオル1は、第1図柄8や第2図柄10が、適宜の絵柄や模様或いは文字等を含み、第1生地体部2と第2生地体部3の主面にそれぞれ正像として識別される図柄で相対して形成される。リバーシブルタオル1は、第1図柄8や第2図柄10が、それぞれ主面から正像として識別されればよく、互いに同一或いは異なる図柄であってもよく、さらに色違い図柄であってもよい。
リバーシブルタオル1は、図3に示すように、同一番手の異なる色の緯糸11(例えば2色1組の緯糸11A、11C)と、同一番手の経糸12によって第1生地体部2を織布する。リバーシブルタオル1は、第1生地体部2側の緯糸11A、11Bとは異なる色で同一番手の緯糸11(例えば2色1組の緯糸11B、11D)と、同一番手の経糸12によって第2生地体部3を織布する。リバーシブルタオル1は、例えば4色1組の緯糸11と、4色1組の経糸12(12A〜12D)とにより第1生地体部2と第2生地体部3を縦縞・横縞で形成することにより、8色までの色柄表現で織成されることが可能である。
リバーシブルタオル1は、ジャカード織機の制御部に第1地模様7や第1図柄8或いは第2地模様9や第2図柄10を形成するパターンデータを記憶させ、プログラム処理により緯糸11に対する経糸12の打ち込み動作を制御しながら織布する。リバーシブルタオル1は、第1地模様7に第1図柄8を形成した第1生地体部2と第2地模様9に第2図柄10を形成した第2生地体部3を織成する。
リバーシブルタオル1は、図4に示すように緯糸11Aと緯糸11Cにプログラム制御を行いながら経糸12の打ち込みを行って緯糸11Aと緯糸11C間で適宜浮沈させることにより、第1図柄8を有する図1(A)に示す第1生地体部2を織布する。リバーシブルタオル1は、緯糸11Bと緯糸11Dにプログラム制御を行いながら経糸12の打ち込みを行って緯糸11Bと緯糸11D間で適宜浮沈させることにより、第2図柄10を有する同図(B)に示す第2生地体部3を織布する。
リバーシブルタオル1は、内層において第1生地体部2と第2生地体部3間に止め糸4を掛け合わせて一体化する。リバーシブルタオル1は、止め糸4が、第1生地体部2と第2生地体部3の表面から外部に露出されないようにして緯糸11と経糸12の適宜の位置に掛け合わされる。リバーシブルタオル1は、第1生地体部2と第2生地体部3間に中間空気層が形成される。
リバーシブルタオル1は、第1生地体部2において、緯糸11Aと緯糸11Cに対して経糸12を規則的に浮沈させることにより地部位である縦縞、横縞の第1地模様7を形成する。リバーシブルタオル1は、第2生地体部3において、緯糸11Bと緯糸11Dに対して経糸12を規則的に浮沈させることにより地部位である縦縞、横縞の第2地模様9を形成する。リバーシブルタオル1は、第1生地体部2と第2生地体部3において、色違いの縦横縞からなる第1地模様7と第2地模様9を形成する。
リバーシブルタオル1は、図3に示すように等ピッチで配列された4本の緯糸11A〜11Dを1領域として、4本の経糸12A〜12Dを選択的に打ち込んで掛け合わせが行われる。リバーシブルタオル1は、緯糸11と経糸12の組み合わせにより、第1生地体部2と第2生地体部3の表面においてそれぞれ独立した多色の第1図柄8と第2図柄10を織成する。リバーシブルタオル1は、第1生地体部2を構成する緯糸11A、11Cと第2生地体部3を構成する緯糸11B、11Dに対して経糸12A〜12Dが相互に制限されることなく掛け合わされる。したがって、リバーシブルタオル1は、第1生地体部2と第2生地体部3を独立して織成することにより、表裏主面からそれぞれ正像として識別される第1図柄8と第2図柄10を形成する。
図3は、上述したリバーシブルタオル1の要部組織図あり、同図(A)及び同図(B)に区分して示す第1生地体部2と第2生地体部3における各緯糸11に対する各経糸12の掛け合わせ状態を示している。同図において、×印で示す部位では緯糸11に対して経糸12が掛け合わされ、○印で示す部位では緯糸11に対して経糸12がフリーな状態を示している。
以上のように構成されるリバーシブルタオル1は、中間空気層を有する2層のガーゼタオル地を基本構成とすることから、ふんわりと柔らかい肌触り感や吸水特性或いは通気特性や速乾特性等のガーゼ生地の特徴が一層発揮される。リバーシブルタオル1は、第1生地体部2に形成した第1図柄8と第2生地体部3に形成した第2図柄10がそれぞれ正像として識別されることから、表裏の区別を不要とした取り扱いを可能とする。リバーシブルタオル1は、例えばホテル等において大量に使用されるタオル類に適用することにより、宿泊者等に高級感を感じさせる。リバーシブルタオル1は、使用後のクリーニング処理において表裏の区別を不要として折畳みや袋詰の作業を行うことが可能であることから、自動化の対応も可能とする。
なお、本考案は、上述した実施の形態として示したリバーシブルタオルに限定されず、実用新案登録請求の範囲に記載した各構成についてその技術範囲を逸脱しない範囲で適宜変更、展開されることは勿論である。
1 両面リバーシブルガーゼタオル(リバーシブルタオル)、2 第1生地体部(第1ガーゼ生地体部)、3 第2生地体部(第2ガーゼ生地体部)、4 止め糸、5 縁止め、6 端止め、7 第1地模様、8 第1図柄、9 第2地模様部、10 第2図柄、11 緯糸、12 経糸
Claims (2)
- 織機により、図柄を織成してなる第1ガーゼ生地体部と第2ガーゼ生地体部とを止め糸を介して表裏一体に織成し、
上記第1ガーゼ生地体部に織成した第1図柄が第1生地体部側から正像図柄として識別されるとともに、上記第2ガーゼ生地体部に織成した第2図柄が第2主面部側から正像図柄として識別される両面リバーシブルガーゼ生地体。 - 上記第1ガーゼ生地体部と上記第2ガーゼ生地体部は、それぞれ異色糸で縦縞・横縞に織成することにより、異なる色柄の上記第1図柄と上記第2図柄を織成する請求項1に記載の両面リバーシブルガーゼ生地体。
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JP6322778B1 (ja) * | 2017-02-15 | 2018-05-09 | ソンウォルビナジェイエスシーSongwol Vina Jsc. | 多重ガーゼ織物及びその製造方法 |
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2011
- 2011-02-14 JP JP2011000724U patent/JP3167517U/ja not_active Expired - Lifetime
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WO2018150763A1 (ja) * | 2017-02-15 | 2018-08-23 | ソンウォルビナジェイエスシー | 多重ガーゼ織物及びその製造方法 |
JP2018131723A (ja) * | 2017-02-15 | 2018-08-23 | ソンウォルビナジェイエスシーSongwol Vina Jsc. | 多重ガーゼ織物及びその製造方法 |
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