JP2007031859A - 表裏の区別がない織物 - Google Patents

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Abstract

【課題】意匠性に富み、洗濯業者やホテル、公共施設の従業員の負担を少なくする、新規な意匠柄を持つ織物を提供し、広幅化の要求にも対応可能な表裏の区別のない織物の提供すること。
【解決手段】経糸又は緯糸の最大浮き本数が2本以上7本以下である綾織又は朱子織組織を基本組織とし、前記基本組織及び前記基本組織の裏組織とが交互配列されて組み合わされてなる一完全組織を有する織物であって、前記一完全組織を構成する基本組織と基本組織の裏組織との部位の総数が8以上120以下である格子柄が織物全面に配されており、基本組織を形成する綾織又は朱子織組織の稜線が表組織と裏組織で対称になるように組合せられた表裏の区別がない織物。
【選択図】図1

Description

本発明はシーツや寝具カバーなど寝装、及びカーテンやテーブルクロスなど生活資材用途等の各種布製品に用いられる織物に関して、特に表裏の意匠柄の区別がなく使用が可能な織物に関する。
ホテルや公共施設等のシーツや布団カバー、ピロケース、ベッドカバーなど寝装寝具類及びテーブルクロスやシートカバー類に供する織物として従来より綿及び綿混織物が好適に使用されている。これらのアイテムは使用された後に洗濯業者が回収して洗濯処理、アイロン掛けを施した後、再び使用に供されるという循環サイクルをたどる。
従来は平織、若しくはそれに刺繍等を施したもの又はジャガード開口装置等を用いて複雑な変化意匠柄を施したもの、又は捺染プリントによる意匠柄を施したもの等が主体であった。しかしながら平織で製織したものは意匠性に乏しく、刺繍を施したものやジャガード開口装置等を用いて複雑な変化意匠柄を施したもの、捺染プリントを施したもの等は表裏の区別があり、洗濯処理後のアイロン掛けの際、表裏のチェックを行なう必要があり、洗濯業者の負担が大きいものであった。またホテルや公共施設等の従業員もベッドメーキングやテーブルメーキングの際に表裏を確認しながら作業をする必要があり大変手間が掛かるものであった。
従来から表裏の区別のない織物の代表として昼夜市松組織などの意匠柄が知られているが、該昼夜市松組織は単純な繰返柄であり決して意匠性に富むものとは言えないし、オリジナリティーに乏しいものであった。リバーシブル織物も知られているが、上記のような用途に適用できるものではない(例えば、特許文献1参照。)。また昨今、寝具カバーやシーツ等の生地広幅化の要求が強くなってきているが織機の機械幅には制約があり、やむを得ず途中より縫製連結して生地製品としているものが数多い。ところが、柄ジョイントがずれていたりするなど審美性や品位、取扱性等の面で決して好ましいものにはなっていない。
特開平6−57523号公報
本発明は係る従来の問題を解決し、意匠性に富み、洗濯業者やホテル、公共施設の従業員の負担を少なくする、新規な意匠柄を持つ織物を提供することを課題とするものであり、更には広幅化の要求にも対応可能な表裏の区別のない織物の提供を課題とする。
即ち、本発明は以下の構成よりなる。
1. 経糸又は緯糸の最大浮き本数が2本以上7本以下である綾織又は朱子織組織を基本組織とし、前記基本組織及び前記基本組織の裏組織とが交互配列されて組み合わされてなる一完全組織を有する織物であって、前記一完全組織を構成する基本組織と基本組織の裏組織との部位の総数が8以上120以下である格子柄が織物全面に配されており、基本組織を形成する綾織又は朱子織組織の稜線が表組織と裏組織で対称になるように組合せられたことを特徴とする表裏の区別がない織物。
2. 綿繊維が全構成繊維重量の60重量%以上を占め、JIS L−1058 D−1法(ダメージ棒法)によるスナッグが4級以上であり、JIS L−1096 シングルタング法による経方向及び緯方向の引裂強度が30N以上であることを特徴とする第1に記載の表裏の区別がない織物。
3. 一完全組織において、基本組織及び基本組織の裏組織の占める面積が同一であり、一完全組織の経方向及び/又は緯方向の長さが5cm以上15cm以下であって、一完全組織の輪郭が略正方形形状となる経糸密度及び緯糸密度を有することを特徴とする上記第1又は第2に記載の表裏の区別がない織物。
4. 生地幅が200cm以上350cm以下であり、織物の緯糸方向を縫製品の縦方向として用いることを特徴とする上記第1〜第3のいずれかに記載の表裏の区別がない織物。
尚、ここでいう縫製品とはベッドカバーやベッドシーツ、テーブルクロス等を指し、例えばベッドカバーやベッドシーツ等寝装品の縦方向とは就寝時、人体に沿う方向を指すものであり、長方形のテーブルクロスでは短い辺の方向を指すものである。即ち、ベッドの幅がキングサイズ等の大きなものであっても、ベッドの幅方向に織物の経方向として生地を裁断すれば、途中で生地をつなぎ合わせて縫製しなくともよいこととなる。また、長方形のテーブルクロスの場合、長い辺の方向に生地の経方向を合わせて裁断すれば、サイズに関係なく、途中で継ぎ目のないテーブルクロスが得られることとなる。
本発明によれば、織物の表組織と裏組織とを、複雑ではあるが規則的に交互配列させ、従来の市松模様とは異なる意匠性に富んだ織物とする。また一完全組織を略正方形形状とすることにより、織物を経方向、緯方向のいずれの使用にも対応させることを可能とする。
また、本発明によれば非常に変化に富む意匠柄を有するにも係らず表裏の区別がないので洗濯業者やホテル、公共施設の従業員の負担を少なく留めることが可能となる。また、表裏の区別がない効果により生地の傷みや汚れ付着も比較的少なく留まり、従来の生地対比で商品寿命を延ばすことができる。即ち使用、回収、洗濯の循環サイクルの回数を増加させることができ、コスト面でも好ましい態様である。更には織物の緯糸方向を縫製品の縦方向として用いることによって、例えばホテル向けキングサイズのベッドシーツ用にも中途に縫製ジョイント部を設けることなく縫製対応が可能となるなど、消費者の更なる広幅化要求にも応えることができる。
本発明の織物一完全組織における経糸又は緯糸の最大浮き本数は2本以上7本以下、より好ましくは2本以上5本以下である。最大浮き本数が7本を超過するとスナッギングや糸引けを生じさせ易く、取扱性が極端に悪くなる。また最大浮き本数が2本未満、即ち1本では単なる平織りとなってしまう。織物一完全組織を構成する基本組織は例えば2/1斜文など三枚綾、2/2斜文、3/1斜文、3/1破れ斜文など四枚綾、3/2斜文、4/1斜文、2・1/1・1斜文など五枚綾、5/1斜文、4/2斜文、1・3/1・1斜文など六枚綾、2飛び4/1朱子、3飛び4/1朱子、2飛び3/2朱子、3飛び3/2朱子など五枚朱子、3飛び7/1朱子など八枚朱子のような公知のものが用いられる。勿論、朱子織などは経朱子、緯朱子何れも好ましく用いられるし、斜文織についても然りである。より好ましくは表組織と裏組織の見え方が、より異なってみえるものが好ましく、経糸と緯糸の浮き数に差があるものが更に好ましい。
本発明の織物は基本となる織組織の表裏を交互配列することによって意匠柄を得るものであるが、該織物一完全組織の組織変化部位の総数が8以上120以下であることが好ましい。該組織変化部位の総数が8未満では単純な繰返柄にしかならず意匠性に欠け、120を超過する範囲では複雑になり過ぎてしまい、反って汚くみえてしまう。
また、本発明の織物一完全組織における表組織、裏組織の占める面積は同一であることが好ましい。何れかの面積が多くを占めていると表裏の区別があるものとなってしまう他、製織の際の経糸張力が部位によって極端に変動しパッカリングなどの不具合を生じさせてしまうため、好ましくない。更に織物一完全組織の経方向及び/又は緯方向の長さが5cm以上15cm以下で該織物一完全組織からなる意匠柄が略正方形形状であることが好ましい。経方向及び/又は緯方向の長さが5cm未満では極端な小柄となってしまいインパクトに欠けてしまう。また15cmを超過する大柄では柄がはっきりし過ぎてしまい汎用性に乏しいものとなる。より好適な範囲としては6cm〜10cm程度が好ましく使用される。また、略正方形形状とは、四角形の縦横の長い方の辺が他方の短い方の辺の1.3倍以下であること言い、より好ましくは1.2倍以下であり、更に好ましくは1.15倍以下である。もちろん1.0倍(正方形)は最も好ましいものと言える。
本発明の表裏の区分のない織物はシーツやピロケース、ベッドカバーなど寝装寝具類及びテーブルクロスやシートカバー類に好適に用いられる。故に触感や通気性、吸湿性等の機能を考慮すると綿繊維を高混率で使用することが好ましく、全構成繊維重量の60重量%以上、より好ましくは70重量%以上、更に好ましくは80重量%以上が綿繊維で構成されているものが好ましい。綿繊維以外の構成繊維については、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリロ二トリル、ポリオレフィン等の合成繊維のほか、リネンやラミー、ウール、シルク等の天然繊維、ポリノジック、レーヨンその他、モダール(R)やテンセル(R)の如きセルロース系再生繊維やセルロースアセテート、プロミックスなど半合成繊維等を必要に応じて適宜組合せて使用しても良いし、綿繊維100重量%であっても勿論構わない。綿繊維の混率が60重量%未満では吸湿特性に乏しく、寝装寝具用途等を考えた場合あまり好ましくない。
また本発明のスナッグ特性がJIS L−1058 D−1法(ダメージ棒法)による評価で4級以上、より好ましくは4.5級以上であることが好ましい。上記スナッグ特性が4級未満では使用時の表面摩擦等により、織物表面より構成原糸が飛び出して露出して捩れやスナールを形成したり、ヒケを誘発するなど外観品位の低下を引き起こし易くなり好ましい条件とは言い難い。また引裂強度についてはJIS L−1096 シングルタング法による評価で経方向及び緯方向の双方向に30N以上、より好ましくは35N以上が望ましい。該引裂強度が30N未満であると使用、洗濯処理を繰り返すことによる耐久性が不十分になる場合があり、あまり好ましくない。尚、本発明において、経方向の引裂強度とは、生地を経方向に引き裂く方向(緯糸を引き裂いて行く方向)の強度を意味し、緯方向の引裂強度とは、生地を緯方向に引き裂く方向(経糸を引き裂いて行く方向)の強度を意味する。
また本発明の表裏の区別のない織物を構成する綾織又は朱子織の稜線が表組織と裏組織で逆になるよう組合ることが望ましい。表組織と裏組織の稜線を同じ方向とするとトルクが相殺されず、生地の取扱性が悪化する他、織物外観品位的にも好ましいものには仕上がらない。
また得られる意匠柄は略正方形形状となるように経糸密度、緯糸密度を調整して製織、加工することが好ましい。更に生地幅は200cm以上350cm以下、より好ましくは220cm以上320cm以下である。生地幅方向を例えばベッドの長手方向(人体に沿う方向)として用いることによって超広幅化への対応も可能である。このような使用態様では経緯の寸法がほぼ同一になるような略正方形形状の組合せとすることがより好ましい。また、それ以上の広幅生地を要求される場合においては縫製連結部を可能な限り少なく、審美性を損なわないようにすることができる。縫製連結部を少なくすれば、生地末端処理も少なく留めることができ、生地のホツレや縫製連結部による凸部も少なくなり好ましい。
本発明の織物に供する供給糸の紡績方法、製糸方法については何ら限定されるものでなくリング精紡、ローター精紡、MVSの如き革新紡績方法、長繊維束と複合させた各種複合紡績法など公知の何れの方法によってもよい。
製織方法及び開口装置についても何ら限定されるものでないが、織機としてはエアージェットルーム、レピアルーム、プロジェクタイルルームが好適である。開口装置はドビー開口装置及びジャガード開口装置が好ましく用いられる。ドビー開口対比でジャガード開口の方がより複雑な意匠柄を付与することが可能である。汎用性に富むドビー開口装置で得られる意匠柄、とりわけ広く汎用的に用いられている16枚や24枚ドビー開口装置を搭載した織機で製織可能な意匠柄とすると比較的安価に製織することができる。
本発明の織物は使用する繊維や用途に応じて漂白・晒し加工、シルケット加工、液体アンモニア加工、気相ホルムアルデヒド架橋加工、防汚や撥水など各種樹脂による機能加工、蛍光増白処理など特に制限されるものでなく、公知の染色・整理加工を施すことができる。また上記加工についても吸尽、パッドドライ、パッドスチーム、パッドドライキュア、パッドスチームキュア、スプレーなど公知の処理方法を用いることができる。また更に布団側生地として用いる場合はプラストカレンダー加工、シュライナーカレンダー加工、サンフォライズ仕上げ、リグメル仕上げなど各種処理を施すこともできる。
以下に本発明を実施例により説明する。
(実施例1)
綿コーマ紡績糸80番単糸(74デシテックス相当)を経糸に、綿コーマ紡績糸60番単糸(98デシテックス相当)を用い、組織は表組織3/1左上がり斜文、裏組織1/3右上がり斜文を基本組織とした(経糸及び緯糸の最大浮き本数は何れも3本)。図1に示す構成に製織し、公知の処方を用いて毛焼、糊抜き、精練漂白、プレセット、染色、仕上セット、シュライナーカレンダー処理を行ない織物を得た。得られた織物生地幅は228cmであった。該織物一完全組織の組織変化部位の総数は8であり、一完全組織の長さを経方向10cm、緯方向12cmとなるように経糸及び緯糸の本数を規定した。織物の密度は経緯それぞれ185本/インチ、107本/インチであった。意匠性に富み、表裏やタテヨコの区別なく使用でき、スナッグ4.5級、引裂強度が経35N、緯42Nであり生地物性としても寝装寝具用途として問題のないものに仕上がっていた。得られた生地の緯方向をベッドシーツの縦方向とし、縦200cm×横230cmのキングサイズベッドシーツ用に裁断、縫製した。縁かがり以外は縫製部分が無く、一枚生地で縫製が可能となり品位や意匠的にも好ましいものとなった。
(実施例2)
ポリエステル/綿混コーマ紡績糸100番単糸(59デシテックス相当・混率はポリエステル/綿=20/80(重量比))を経糸に、ポリエステル/綿混コーマ紡績糸80番単糸(74デシテックス相当・混率はポリエステル/綿=20/80)を用い、組織は表組織3/1破れ斜文、裏組織1/3破れ斜文(表組織とは稜線が逆方向)を基本組織とした(経糸及び緯糸の最大浮き本数は何れも3本)。図2に示す構成に製織し、公知の処方を用いて毛焼、糊抜き、精練漂白、プレセット、染色、仕上セット、シュライナーカレンダー処理を行ない織物を得た。得られた織物の生地幅は228cmであった。図2において織物一完全組織の組織変化部位の総数は104であり、一完全組織の長さを経方向10cm、緯方向10cmとなるように経糸及び緯糸の本数を規定した。織物の密度は経緯それぞれ200本/インチ、120本/インチであった。意匠性に富み、表裏やタテヨコの区別なく使用でき、スナッグ4.5級、引裂強度が経31N、緯38Nであり生地物性としても寝装寝具用途として問題のないものに仕上がっていた。得られた生地の緯方向を縦方向とし縦200cm×横230cmのキングサイズベッドシーツ用に裁断、縫製した。縁かがり以外は縫製部分が無く、一枚生地で縫製が可能となり品位や意匠的にも好ましいものとなった。
(実施例3)
綿コーマ紡績糸60番単糸(98デシテックス相当)を経糸に、綿コーマ紡績糸60番単糸(98デシテックス相当)を用い、組織は表組織2/2左上がり斜文、裏組織は2/2右上がり斜文を基本組織とした(経糸及び緯糸の最大浮き本数は何れも2本)。図3に示す構成に製織し公知の処方を用いて毛焼、糊抜き、精練漂白、プレセット、染色、仕上セット、シュライナーカレンダー処理を行って織物を得た。得られた織物の生地幅は205cmであった。図3において織物一完全組織の組織変化部位の総数は40であり、一完全組織の長さを経方向9cm、緯方向10cmとなるように経糸及び緯糸の本数を規定した。織物の密度は経緯それぞれ170本/インチ、106本/インチであった。意匠性に富み、表裏やタテヨコの区別なく使用でき、スナッグ4.5級、引裂強度が経35N、緯43Nであり生地物性としても寝装寝具用途として問題のないものに仕上がっていた。得られた生地の緯方向をベッドシーツの縦方向とし、縦200cm×横200cmのキングサイズベッドシーツ用に裁断、縫製した。縁かがり以外は縫製部分が無く、一枚生地で縫製が可能となり品位や意匠的にも好ましいものとなった。
(実施例4)
綿コーマ紡績糸60番単糸(98デシテックス相当)を経糸に、綿コーマ紡績糸60番単糸(98デシテックス相当)を用い、組織は表組織2/2左上がり斜文、裏組織2/2右上がり斜文を基本組織とした(経糸及び緯糸の最大浮き本数は何れも2本)。図4に示す構成に製織し、公知の処方を用いて毛焼、糊抜き、精練漂白、プレセット、染色、仕上セット、シュライナーカレンダー処理を行ない織物を得た。得られた織物の生地幅は205cmであった。図4において織物一完全組織の組織変化部位の総数は12であり、一完全組織の長さを経方向12cm、緯方向15cmとなるように経糸及び緯糸の本数を規定した。織物の密度は経緯それぞれ172本/インチ、108本/インチであった。意匠性に富み、表裏やタテヨコの区別なく使用でき、スナッグ4.5級、引裂強度が経35N、緯43Nであり生地物性としても寝装寝具用途として問題のないものに仕上がっていた。得られた生地の緯方向をベッドシーツの縦方向とし、縦200cm×横200cmのキングサイズベッドシーツ用に裁断、縫製した。縁かがり以外は縫製部分が無く、一枚生地で縫製が可能となり品位や意匠的にも好ましいものとなった。
(比較例1)
綿コーマ紡績糸80番単糸(74デシテックス相当)を経糸に、綿コーマ紡績糸60番単糸(98デシテックス相当)を用い、組織は表組織3/1左上がり斜文、裏組織1/3左上がり斜文を基本組織とした(経糸及び緯糸の最大浮き本数は何れも3本)他は実施例1同様の方法で織物を得た。得られた織物の生地幅は227cm、一完全組織の長さを経方向10cm、緯方向12cmとなるように経糸及び緯糸の本数を規定した。織物の密度は経緯それぞれ185本/インチ、106本/インチであり、意匠性に富み、表裏やタテヨコの区別なく使用でき、スナッグ4.5級、引裂強度が経33N、緯40Nであり生地物性、品位としては問題のないものに仕上がった。ところが、表組織と裏組織の稜線が同一方向であるため、表裏の光沢差、見え方の差が小さく留まりインパクトに欠けるものであった。また実施例1と比較しローリングし易く、取扱し難い傾向であった。得られた生地の緯方向をべッドシーツの縦方向とし、縦200cm×横230cmのキングサイズベッドシーツ用に裁断、縫製した。縁かがり以外は縫製部分が無く、一枚生地で縫製が可能となったが、実施例1と比較しローリングし易く、取扱し難い傾向で作業性を考慮すると好ましいものにはならなかった。
(比較例2)
綿コーマ紡績糸80番単糸(74デシテックス相当)を経糸に、綿コーマ紡績糸60番単糸(98デシテックス相当)を用い、組織は表組織3/1左上がり斜文、裏組織1/3右上がり斜文を基本組織とした(経糸及び緯糸の最大浮き本数は何れも3本)。正則昼夜市松組織(図5)に示す組織に製織し、公知の処方を用いて毛焼、糊抜き、精練漂白、プレセット、染色、仕上セット、シュライナーカレンダー処理を行ない織物を得た。得られた織物生地幅は228cmであった。該織物一完全組織の組織変化部位の総数は4であり、一完全組織の長さを経方向6cm、緯方向5.5cmとなるように経糸及び緯糸の本数を規定した。織物の密度は経緯それぞれ185本/インチ、107本/インチであった。意匠性に富み、表裏やタテヨコの区別なく使用でき、スナッグ4.5級、引裂強度が経35N、緯42Nであり生地物性としては問題のないものに仕上がった。得られた生地の緯方向をベッドシーツは縦方向とし、縦200cm×横230cmのキングサイズベッドシーツ用に裁断、縫製した。縁かがり以外は縫製部分が無く、一枚生地で縫製が可能となったがところが柄の意匠性に乏しい繰返し柄であるために、オリジナリティーに欠けるものであった。
実施例1〜4、比較例1、2で使用した図1〜図5の何れもが16枚ドビー開口装置を用い、3/1斜文、3/1破れ斜文、2/2斜文等、四枚柄の基本組織とすると製織が可能である。尚、図1〜図5において右斜線と左斜線で区分している部分は互いに表組織、裏組織の関係にあり、稜線もそれぞれ異なっている。
本発明の織物によれば複雑な意匠柄を有するにも係らず表裏の区別がないために洗濯業者やホテル、公共施設の従業員の負担を少なく留めることが可能となる。また表裏の区別がない効果により生地の傷みや汚れ付着も比較的少なく留まり、従来の生地対比で商品寿命を延ばすことができ、コスト面でも有利なものとなる。
本発明の一完全組織の一態様を示す模式図である。 本発明の一完全組織の他の一態様を示す模式図である。 本発明の一完全組織の他の一態様を示す模式図である。 本発明の一完全組織の他の一態様を示す模式図である。 比較例で用いた織組織を示す模式図である。
符号の説明
1.表組織
2.裏組織
3.表組織
4.裏組織
5.裏組織
6.表組織
7.裏組織
8.表組織

Claims (4)

  1. 経糸又は緯糸の最大浮き本数が2本以上7本以下である綾織又は朱子織組織を基本組織とし、前記基本組織及び前記基本組織の裏組織とが交互配列されて組み合わされてなる一完全組織を有する織物であって、前記一完全組織を構成する基本組織と基本組織の裏組織との部位の総数が8以上120以下である格子柄が織物全面に配されており、基本組織を形成する綾織又は朱子織組織の稜線が表組織と裏組織で対称になるように組合せられたことを特徴とする表裏の区別がない織物。
  2. 綿繊維が全構成繊維重量の60重量%以上を占め、JIS L−1058 D−1法(ダメージ棒法)によるスナッグが4級以上であり、JIS L−1096 シングルタング法による経方向及び緯方向の引裂強度が30N以上であることを特徴とする請求項1に記載の表裏の区別がない織物。
  3. 一完全組織において、基本組織及び基本組織の裏組織の占める面積が同一であり、一完全組織の経方向及び/又は緯方向の長さが5cm以上15cm以下であって、一完全組織の輪郭が略正方形形状となる経糸密度及び緯糸密度を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の表裏の区別がない織物。
  4. 生地幅が200cm以上350cm以下であり、織物の緯糸方向を縫製品の縦方向として用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の表裏の区別がない織物。
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JP2017080056A (ja) * 2015-10-27 2017-05-18 株式会社セス ハイブリッドシーツ

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