JP2017080056A - ハイブリッドシーツ - Google Patents
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Abstract
Description
このシーツは、敷布団を覆うように方形状に成形され、裏面におけるいずれかの一側縁に沿って設けられ前記敷布団の側端部が収まる袋部と、表面における前記一側縁と対向する他側縁に沿って設けられ内側を向く開口から手が挿入される第1差込袋部とを備え、前記第1差込袋部は前記敷布団の裏側に折返して差し込まれるようにしている。
更に、特許文献1のシーツは、必須とする第1差込袋部の中に、わざわざ手のひらを挿入し込まなくてはならず、かえってシーツ掛け作業の手間が増える。
特許文献1以外のシーツについても、そのシーツが略矩形状であれば、病院内等における当該シーツの取換え時には、2名の担当者が前後について(寝具の長手方向における各端部について)取替えを行う必要があり、非常に手間がかかる。
これと同時に、織物部2と伸縮部3で、寝具Sの長手方向Tの各端部を入れる袋部4を形成することで、この袋部4の一部を構成する伸縮部3が伸縮するため、各袋部4に寝具Sの各端部を入れ易く、シーツ1の掛け作業(取替え作業)の負担が低減され(「シーツ掛け作業の負担低減」)。詳解すれば、シーツ1の一方の袋部4を、寝具Sの長手方向Tの一端に引っ掛けた後、寝具Sの長手方向Tの他端側に、シーツ1の他方の袋部4を引っ掛けることが出来るため、取替え作業を省力化でき、画期的なシーツとなる。
つまり、「シーツの防縮」と「シーツ掛け作業の負担低減」の両立が可能となる。
尚、本発明における「略同一方向」とは、例えば、織物部2の緯糸2bがシーツ1の長手方向T1と完全に同一方向に向いている場合などだけでなく、織物部2の緯糸2bが、シーツ1の長手方向T1に対して、所定角度(−10°以上10°以下)を成す向きも含む。
更に、伸縮部3を編物で構成しても良い。
<全体構成>
図1〜7には、本発明に係るシーツ1が示されており、このシーツ1は、寝具S(寝具Sの表面SA)を覆うものである。
そこで、まずは、このシーツ1自体が覆う寝具Sについて述べる。
図7に示したように、寝具Sは、その使用者が寝る際に使用するものであって、上述したシーツ1によって(その表面SAを)覆われる。
寝具Sの形状は、特に限定されるものではないが、通常、使用者の寝る方向が長手方向(縦方向)Tとなっており、この長手方向Tを有した略矩形状(平面視で略矩形状)や、略楕円形状(平面視で略楕円形状)でも良い。
寝具Sは、何れの構成であっても良いが、例えば、敷布団やベッドだけでなく、毛布、枕などのほか、マット類やコタツの敷布団など寝転がることが出来るもの全てを含む。
以下、寝具Sは、主に、平面視で略矩形状であるとして述べる。
図1〜7に示したように、このような寝具Sを覆うシーツ1は、織物部2と伸縮部3の両方を同時に有していることが特徴であり、このことから、「ハイブリッド」なシーツであるとも言える。
このシーツ1の長手方向(縦方向)T1の各端部(一端部と他端部)には、寝具Sの長手方向(縦方向)Tの各端部(一端部と他端部)を入れる袋部(縦袋部)4が、少なくとも形成されている。
シーツ1は、寝具Sを覆うものであれば、何れの構成でも良いが、例えば、寝具Sの表面SA全体を覆うだけでなく、寝具Sの表面SAの一部分だけを覆うものでも良いく、寝具Sをシーツ1内に入れるための開口10を有していても良い。
シーツ1の形状(平面視形状)は、長手方向T1を有していれば、特に限定はないが、寝具Sの平面視形状のように、例えば、略矩形状であったり、略楕円形状、略円形状、略正方形状など何れの形状であっても良い。
以下、シーツ1も、主に、平面視で略矩形状であるとして述べる。
シーツ1の厚みも、何れの値でも良いが、例えば、0.05mm以上4.00mm以下、好ましくは0.08mm以上2.00mm以下、更に好ましくは0.10mm以上1.00mm以下であっても良い。
シーツ1全体の重量も、何れの値でも良いが、例えば、100g以上300g以下、好ましくは120g以上280g以下、更に好ましくは150g以上250g以下であっても良い。
図1〜3、5〜7に示したように、織物部2は、経糸2aと緯糸2bを備えていて、これら経糸2aと緯糸2bを織成して作られたシート状物である。
この織物部2の糸2a、2bのうち、緯糸2bは、後述するように、当該シーツ1の長手方向T1と略同一方向に向くように配設されている(織物部2の緯取り)。
織物部2のシーツ1における位置も、特に限定はないが、例えば、シーツ1における長手方向T1の略中央に、織物部2が位置し、この織物部2の長手方向T2(シーツ1の長手方向T1)の両端に、上述した伸縮部3が位置していても良い。
織物部2は、その長手方向(縦方向)T2の各端部が、伸縮部3と袋部4を形成できるのであれば、何れの形状(平面視形状)・構成でも良いが、例えば、寝具Sやシーツ1の平面視形状と略同一の形状である底2cと、この底2cの長手方向T2の各端部に形成されたマチ(縦マチ)2dを備えていても良い。
以下、織物部2の底2cも、主に、平面視で略矩形状であるとして述べる。
尚、織物部2の底2cも、当該底2cが覆う寝具Sに近い側を裏面(底面)2B側とし、寝具Sから遠く露出する側を表面2A側とする。
更に、このマチ(縦マチ)2dは、シーツ1に上述した横袋部11が形成されている場合には、この横袋部11を形成する横マチ2eと連続し、一体のマチ2deとなっていても良い。
更に、略台形状のマチdeは、その下底の各端部において、当該下底から上底方向に向けて真っ直ぐ延びる段差2fを有していても良く、この段差2fの高さは、何れの値でも良いが、例えば、後述する縫い代2gと略同一の値であっても構わない。
このような織物部2は、底2cやマチ2dの周縁に亘って、縫い代2gを設けていても良く、その縫い代2gの幅も、何れの値でも良いが、例えば、0.5cm以上3.0cm以下、好ましくは0.8cm以上2.3cm以下、更に好ましくは1.2cm以上1.8cm以下(1.5cmなど)であっても良い。
織物部2の目付M2 も、何れの値でも良いが、例えば、50g/m2 以上250g/m2 以下、好ましくは80g/m2 以上220g/m2 以下、更に好ましくは100g/m2 以上200g/m2 以下であっても良い。
織物部2の色 (特に織物部2の底2cの表面2Aの色)は、白や黄色みがかった色など何れの色であっても良い。
その他、織物部2は、表面2A側、裏面2B側で色が異なっていても、同色であっても構わない。
図5に示されたように、織物部2で用いられる経糸2aや緯糸2bは、その素材などについて特に限定はないが、例えば、ポリエステル繊維(テトロン(登録商標)など)とコットン(綿)の混紡糸(T/C)をはじめ、その他、ポリエチレンテレフタレート(PET)や、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル繊維、ナイロン(ポリアミド)繊維、コットン(綿)や、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系繊維、レーヨン繊維、キュプラ繊維、アセテート繊維、ポリアクリロニトリル(PAN)を主成分とするアクリル繊維、ポリビニルアルコール(PVA)繊維(ビニロン繊維)、ポリウレタン(PU)繊維、ガラス繊維、絹、麻などであり、これらを単独又は組み合わせものであっても良い。
織物部2における経糸2aや緯糸2bの繊度(総繊度)も、特に限定はない。
これにより、洗濯によるシーツ(特にシーツ1の長手方向(縦方向)T1)の縮みを抑制できるため、繰り返し洗濯をしても、シーツ1を寝具S(特に縦方向)にしっかりフィットし、寝具Sを十分に覆うことが可能となる(「シーツの防縮」)。
尚、緯取をした織物部2(シーツ1)は、短手方向(横方向、幅方向)Y2の縮みを考慮して、例えば、短手方向Y1(Y2)が100cmのシーツ1の場合には、短手方向Y1を110cmとして製造するなど、目標とする短手方向Y1の長さ(幅)に対して、1%以上20%以下、好ましくは3%以上17%以下、更に好ましくは7%以上13%以下だけ幅広としても良い。
表1を交えての詳細は、後述する。
図1、2、4〜7に示した如く、伸縮部3は伸縮可能なシート状物であって、伸縮可能であれば、どのような構成・素材であっても良いが、例えば、編物、織物、不織布等であったり、合成樹脂製のシート状物(フィルム、シート)でも構わない。
伸縮部3が持つ伸縮性は、編組織や織組織などその構成・構造によって発揮されても良いし、伸縮部3の素材そのものの伸縮性に起因しても良い。
この他、経糸のみで編成された経編であれば、筬1枚を用いるシングル・コード編や、筬2枚を用いるダブル・コード編や、筬3枚を用いるトリプル・コード編などでも良く、これらのコード編以外では、デンビー編(トリコット編とも言う。詳しくは、シングル・デンビー編、ダブルデンビー編等)や、バンダイク編(アトラス編とも言う。詳しくは、シングル・バンダイク編、ダブル・バンダイク編等)、糸抜き編(レース編)、パイル編など何れの経編組織であっても構わない。
このような織物や編物、不織布である伸縮部3を構成する糸(繊維)の素材も、特に限定はないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)や、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル繊維、ナイロン(ポリアミド)繊維、コットン(綿)などであり、これらを単独又は組み合わせて(ポリエステル繊維(テトロン(登録商標)など)とコットン(綿)の混紡糸(T/C)として)用いられても良い。
この他、伸縮部3が伸縮可能なシート状物であれば、それを構成する合成樹脂に敢えて言及すると、ポリエチレンテレフタレート(PET)や、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル樹脂、ナイロン(ポリアミド)樹脂、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂、アセテート樹脂、ポリアクリロニトリル(PAN)を主成分とするアクリル樹脂、ポリビニルアルコール(PVA)樹脂(ビニロン樹脂)、ポリウレタン(PU)樹脂などであり、これらを単独又は組み合わせて用いられても良い。
伸縮部3における経糸又は緯糸の繊度(総繊度)も、特に限定はない。
以下、伸縮部3は、主に、編物(特に丸編(緯編))であるとして述べる。
伸縮部3は、織物部2と袋部(縦袋部)4を形成するのであれば、何れの形状(平面視形状)・構成でも良いが、例えば、シーツ1の短手方向(横方向)Y1に亘って設けられていても良い。
又、伸縮部3は、織物部2における底2cの短辺やマチ(縦マチ)2dと合わさって袋部(縦袋部)4を形成するシート3aと、このシート3aにおける開口10側に設けられるバインダ3bを備えていても良い。
以下、伸縮部3のシート3aは、主に、平面視で略台形状であるとして述べる。
又、略台形状のシート3aは、その上底において、略三日月状等に切り欠かれていても良く、その切欠き深さも、何れの値でも良いが、例えば、4cm以上30cm以下、好ましくは8cm以上25cm以下、更に好ましくは12cm以上20cm以下(16cmなど)でも構わない。
更に、略台形状のシート3aにおいて、下底と脚が成す間の角度も、何れの値でも良いが、例えば、40°以上70°以下、好ましくは45°以上65°以下、更に好ましくは50°以上60°以下(55°など)でも構わない。
又、伸縮部3のシート3aが丸編(緯編)で構成されている場合、シート3aとしての丸編の緯方向が、シーツ1の長手方向(縦方向)T1に対して、何れの方向に向いていても良いが、例えば、シート3aである丸編の緯方向が、当該シーツ1の長手方向(縦方向)T1と略同一方向に向くように配設されていても良い。
このような伸縮部3のシート3aは、上底を除く、下底や両方の脚(上底と下底以外の互いに平行でない一組の対辺)の周縁に亘って、縫い代3cを設けていても良く、その縫い代3cの幅も、何れの値でも良いが、例えば、上述した織物部2の縫い代2gのように、0.5cm以上3.0cm以下、好ましくは0.8cm以上2.3cm以下、更に好ましくは1.2cm以上1.8cm以下(1.5cmなど)であっても良い。
尚、伸縮部3のシート3aが丸編(緯編)で構成されている場合、シート3aとしての丸編の経方向が、当該シーツ1の長手方向(縦方向)T1と略同一方向に向くように配設されていても構わない。
この略帯状のバインダ3bの大きさも、特に限定はないが、例えば、シート3aの伸びに合わせて決定したり、より具体的には、長さが55cm以上105cm以下、好ましくは65cm以上95cm以下、更に好ましくは75cm以上85cm以下(82cmなど)で、幅が1cm以上20cm以下、好ましくは2cm以上15cm以下、更に好ましくは4cm以上10cm以下(6cmなど)であっても良い。
更に、伸縮部3のバインダ3bが丸編で構成されていると同時に、当該バインダ3bの長手方向T3bが当該シーツ1の短手方向(横方向)Y1と略同一方向に向くように配設されている(バインダ3bの長手方向T3bが伸縮部3のシート3aにおける開口10側の端縁に沿って設けられる)場合には、バインダ3bとしての丸編の緯方向が、シーツ1の長手方向(縦方向)T1に対して、何れの方向に向いていても良いが、例えば、バインダ3bとしての丸編の緯方向が、当該シーツ1の短手方向(横方向)Y1と略同一方向に向くように配設されていても良い。
尚、伸縮部3のバインダ3bが丸編(緯編)で構成されている場合、バインダ3bとしての丸編の経方向が、バインダ3bの長手方向T3bと略同一方向に向くように配設されていたり、当該シーツ1の長手方向(縦方向)T1と略同一方向に向くように配設されていても構わない。
又、ここまで述べてきた丸編(緯編)を伸縮部3のシート3aやバインダ3bに用いた場合、シート3aやバインダ3bとしての丸編の緯方向に伸縮し易いと言える。
伸縮部3の目付M3 も、何れの値でも良いが、例えば、50g/m2 以上250g/m2 以下、好ましくは80g/m2 以上220g/m2 以下、更に好ましくは100g/m2 以上200g/m2 以下であっても良い。
伸縮部3の色 (特に伸縮部3の表面3Aの色)も、織物部2と同様で、白や黄色みがかった色など何れの色であっても良い。
その他、伸縮部3は、表面3A側、裏面3B側で色が異なっていても、同色であっても構わない。
図1、2、6、7に示した如く、袋部4は、上述した織物部2と伸縮部3で、寝具Sの長手方向Tの各端部を入れるものであって、この袋部4が、当該シーツ1の長手方向T1の各端部にそれぞれ形成されている。
袋部4は、寝具Sの長手方向Tの各端部を入れられるのであれば、その形状・構成について、特に限定はないが、例えば、織物部2の長手方向T2の各端辺(織物部2の長手方向T2の各端部における短手方向Y2の辺(短辺))2hと、伸縮部3の一辺(略台形状のシート3aにおける下底)3dが合わさって、当該袋部4の底4aが形成されていても良い。
この底4aに加えて、織物部2における略直角三角形状の各マチ(縦マチ)2dの斜辺2iと、伸縮部3(シート3a)における各脚3eがそれぞれ合わさることで、織物部2と伸縮部3を袋状に形成して、当該袋部4を形成していても良い。
ここで、袋部4は、寝具Sの縦方向(長手方向)Tの各端部を入れる(包む)ものであるため、「縦袋部4」であるとも言える。
図1、2、6、7に示した如く、開口10は、シーツ1の裏面1B側における略中央に形成されており、織物部2における略台形状のマチ(横マチ2e)2deにおける上底側と、伸縮部3におけるバインダ3b側によって形成される。
この開口10から寝具S全体(長手方向Tの各端部や、短手方向Yの各端部を含む)がシーツ1内部に入ることとなる。
開口10は、寝具Sがシーツ1内部に入るのであれば、何れの形状(平面視形状)であっても良いが、例えば、略トラック状(2つの略半円弧の間に略矩形状が位置する形状)や、楕円形状であっても良い。
図1、2に示した如く、横袋部11は、シーツ1の短手方向Y1(織物部2の短手方向Y2)の各端部に設けられていても良く、横袋部11は、寝具Sの短手方向Yの各端部を入れることとなる。
横袋部11は、縦袋部4と異なり、上述した織物部2(特に、織物部2における横マチ2e)だけで形成されている。
又、この横袋部11と縦袋部4の内部が連結していれば、これらの袋部4、11は、寝具Sの周端部全体を入れる(包む)周袋部であるとも言える。
図1(b)や図5に示した如く、縫糸12は、織物部2と伸縮部3(シート3a、バインダ3b)を合わせて縫製したり、織物部2と伸縮部3における開口10の縁(開口縁)を縫製したりする際に用いる。
縫糸12は、上述の縫製に用いられるのであれば、その素材・繊度は何れでも良いが、例えば、織物部2(身生地)を縫製する際には、60/3(60番手3本引き揃え)でポリエステル繊維(PET繊維など)100%のスパン糸などでも良く、伸縮部3を縫製する際には、ポリエステル繊維(PET繊維など)100%のウーリー糸などであっても構わない。
又、織物部2と伸縮部3の接合部(例えば、織物部2の各端部(端辺2i付近)と伸縮部3の下底3dとの接合部(袋部4の底4a)や、織物部2のマチ(縦マチ)2dの斜辺と伸縮部3(シート3a)の脚3eとの接合部)については、例えば、本縫い後、0.7cm幅でオーバーロックを施し、その後、シーツ1の表面1A側(織物部2の表面2A側、伸縮部3の表面3A側)から0.5cm幅の押えステッチ仕上げをしても良い。
図7に示すように、シーツ1は、その長手方向(縦方向)T1の一端(上端)側に、シーツ1の一方の袋部4を引っ掛けた後、寝具Sの長手方向Tの他端(下端)側に、シーツ1の他方の袋部4を引っ掛けるように使用しても良い。
これにより、この袋部4の一部を構成する伸縮部3が伸縮するため、各袋部4に寝具Sの各端部を入れ易く、従来であれば、病院内等における当該シーツの取換え時には、2名の担当者(取替者)が前後について(寝具の長手方向における各端部について)取替えを行う必要があったが、1人で取換えが可能となり、取替え作業を省力化でき、画期的なシーツとなる。
更に加えて、本発明に係るシーツ1の防縮性について、以下の試験を行った。
この試験1では、本発明に係るシーツ1として、織物部2の緯糸2bを当該シーツ1の長手方向(縦方向)T1と略同一方向に向けて配設した(緯取の)ものを実施例とし、織物部2の緯糸2bを当該シーツ1の短手方向(横方向)Y1と略同一方向に向けて配設した(経取の)ものを比較例1と、この比較例1に従来の防縮加工を施したものを比較例2とした。
尚、実施例について詳解すれば、200cmを必要な長さとした場合、織幅を85〜90インチ(例えば、218.5cm)として織り、加工後、79インチ(約200cm)に仕上げる。
シルケット工程(マーセライズ工程)とは、水酸化ナトリウム溶液(NaOH、28°Be(例えば、重ボーメ度)以上35°Be以下)の低温浴に浸漬後、経緯方向に緊張を加える。そこで、経糸・緯糸の繊維(特に、綿の繊維)が揃い、収縮も抑えられる工程である。
サンフォライズ工程とは、経方向に引っ張り過ぎた織物(生地)を、一対のラバーロール間に通して高圧をかけ、これらのラバーロール間を通った後、ラバーロールからの圧が解けた瞬間に生地が収縮させる工程である。
尚、本発明における「商業洗濯」とは、リネンサプライ(病院リネンサプライ、リネン製品)等に用いられる連続式洗濯機(例えば、8層式や、10層式、12層式、6層式など)での洗濯を言い、この商業洗濯が8層式(連洗)の場合に各層を例示すれば、1層(時間210秒、洗剤:アルカリ洗剤、温度:設定なし)、2層(210秒、洗剤:なし、温度:80℃)、3層(時間210秒、洗剤:アルカリ洗剤や過酸化水素水、温度:80℃)、4層(210秒、洗剤:なし、温度:80℃)、5層(210秒、洗剤:なし、温度:80℃)、6層(210秒、洗剤:なし、温度:40℃)、7層(210秒、洗剤:なし、温度:設定なし)、8層(210秒、洗剤:なし、温度:設定なし)であり、この8層のあとに、油圧脱水機、乾燥機(5分、半乾)、ロールアイロナーをかけても良い。
又、本発明における「家庭洗濯」とは、JIS−L−0217:1995(例えば、番号103など))に記載された通りの洗い方での洗濯であると共に、当該JISに記載された洗い方に準じる(当該JISに記載された洗い方を準用する)洗い方での洗濯も含む。
一方、比較例1、2を鑑みるに、防縮加工をしていない従来の比較例1であれば、商業洗濯を10回しただけで、シーツの長手方向(縦方向)に8.0%もの縮みが生じ、商業洗濯を50回すれば、15.0%もの大幅な縮みとなり、寝具Sの長手方向(縦方向)Tの寸法にあわず、たとえ袋部を有していてもフィットさせることは出来ない。
又、比較例2については、比較例1に対して、従来の防縮加工をしたものであっても、商業洗濯や家庭洗濯を繰り返すことで、シーツの長手方向(縦方向)について5.0%以上縮むことが分かると共に、商業洗濯を50回行った場合には、12.0%もの縮みが発生している。つまり、非常に高価な防縮加工を施しても、リネン製品など商業洗濯・家庭洗濯を繰り返す際には、十分な防縮効果はない。
従って、緯取をした本発明のシーツ1は、洗濯によるシーツ(特にシーツ1の長手方向(縦方向)T1)の縮みを抑制できるため、繰り返し洗濯をしても、シーツ1を寝具S(特に縦方向)にしっかりフィットし、寝具Sを十分に覆うことが可能となる(「シーツの防縮」)。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。シーツ1などの各構成又は全体の構造、形状、寸法などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することが出来る。
シーツ1は、横袋部11を有さずとも良い。
伸縮部3におけるバインダ3bは、設けられていなくとも良い。
T1 シーツの長手方向(縦方向)
Y1 シーツの短手方向(横方向)
2 織物部
2a 織物部の経糸
2b 織物部の緯糸
3 伸縮部
4 袋部
S 寝具
T 寝具の長手方向(縦方向)
Claims (3)
- 寝具(S)を覆うシーツであって、
経糸(2a)と緯糸(2b)を備えた織物部(2)と、伸縮可能な伸縮部(3)を同時に有し、
これら織物部(2)と伸縮部(3)で、前記寝具(S)の長手方向(T)の各端部を入れる袋部(4)が、当該シーツの長手方向(T1)の各端部に形成され、
前記織物部(2)は、その緯糸(2b)を当該シーツの長手方向(T1)と略同一方向に向けて配設されていることを特徴とするシーツ。 - 前記伸縮部(3)が、当該シーツの短手方向(Y1)に亘って設けられていることを特徴とする請求項1に記載のシーツ。
- 前記伸縮部(3)は編物で構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のシーツ。
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