JP4110475B2 - 低通気度寝装資材 - Google Patents

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本発明は寝装資材に関するものであり、詳しくには掛け布団、敷き布団、布団側生地、毛布側生地、シーツ、枕カバー、ベッドカバー等に有用な低通気度繊維資材に関するものであり、特に高級中綿充填材として広く認識されている羽毛の吹出しや羽毛の経年劣化による粉塵発生、ダニの進入や流出等を抑制する高密度、低通気度、更にはソフトな触感、マイルドな光沢感を実現させた寝装資材に関する。
従来より綿などの天然繊維、レーヨンなどの再生繊維、セルロースアセテートなどの半合成繊維、ポリエステルなどの合成繊維を単体使用或いは交織した寝装資材が多数提案、上市されている。特に布団側生地については中綿充填材の吹き出しを抑制すべく高密度織物とした上でダウンプルーフ加工(プラストカレンダー処理)とすることが望ましい。
ダウンプルーフ加工することによって低通気度化し中綿の吹き出しが抑制出来るが、結果人工的な表面光沢が生じたり、風合いが偏平化、ペーパーライクなものとなってしまい品位が悪くなるという問題が生じるため、線圧や温度などカレンダー条件に制約がある。
このため低カレンダー条件にて高密度織物の低通気度を実現すべくマイクロファイバーを用いた高密度織物が多数提案されており、中でもフィブリル化型複合繊維フィラメントを用いた高密度織物は割繊後の繊維フィブリル化によって低通気度を達成、光沢も抑制され寝装資材として良好なものとなる。(例えば、特許文献1、2参照。)
特開平9−170137号公報 特開平9−176931号公報
フィブリル化型複合繊維フィラメントは分割割繊することによってマイクロファイバーとなるが割繊状態を均一にコントロールし難く、通気度ムラや染着差が生じやすい。またマイクロファイバーは断面二次モーメントが小さく留まるために張り、腰感に乏しい風合いとなってしまう。更にフィブリル化型複合繊維フィラメントを割繊・極細化する場合は通常、物理的作用と化学的作用を併用して実施するが有機溶媒を使用する場合が多く、有機溶媒残存による皮膚障害等の問題がある。有機溶媒を使用せず健康にも留意した製造工程を経て生産されるものであり、且つダウンプルーフ加工をマイルドな条件にしても低通気度を達成出来、然も従来のような品位、性能低下のない高密度織物素材が強く要望されている。
本発明はかかる従来技術の課題を背景になされたものであって、ダウンプルーフ加工によるプラストカレンダーロール線圧や同表面温度をマイルド条件として風合い及び外観品位を損ねずに低通気度を実現させた寝装資材の提供を課題とするものである。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至ったもので、偏平度が3以上7以下、単繊維繊度が0.3デシテックス以上2.0デシテックス以下の偏平断面ポリエステルマルチフィラメント糸を経糸及び/又は緯糸の少なくとも一部分に使用しダウンプルーフ加工によるプラストカレンダーロール押圧にて偏平断面糸の長辺が織物表面に略並行となるよう反転させることによって低通気性を実現させることに着目した。即ち、本発明は以下の構成よりなる。
1.天然繊維、再生繊維、半合成繊維、合成繊維から選択される少なくとも1種類からなり、織物一完全組織の経糸及び/又は緯糸の最大浮き数が4本以下で、1cm当りの経糸本数及び緯糸本数の合算値が115本/cm以上230本/cm以下である朱子織物であり、経糸及び/又は緯糸の少なくとも一部分に偏平度が3以上7以下、単繊維繊度が0.3デシテックス以上2.0デシテックス以下の偏平断面ポリエステルマルチフィラメントを含むことを特徴とする低通気度寝装資材。
2.フラジール形法による通気度が初期値2cm/(cm・秒)以下、同洗濯1回後が4cm/(cm・秒)以下であることを特徴とする上記第1に記載の低通気度寝装資材。
3.生地目付が80g/m以上120g/m以下、引裂強度が9.8N以上であることを特徴とする上記第1又は第2に記載の低通気度寝装資材。
4.経糸が綿を含む紡績糸、緯糸が合成繊維マルチフィラメント糸であり、経糸繊度が英式綿番手表示で50番以上120番以下、緯糸が50デシテックス以上200デシテックス以下であることを特徴とする上記第1〜第のいずれかに記載の低通気度寝装資材。
本発明による低通気度寝装資材は従来比マイルドなダウンプルーフ加工条件を採用しても防ダニ・防塵特性、中綿吹出抑制効果が期待出来る低通気度を示すものとなり、尚且つ人工的な光沢感が生じず風合いも偏平化することがないので外観品位や風合い・触感も良好な掛け布団、敷き布団、布団側生地、毛布側生地、シーツ、枕カバー、ベッドカバー等の用途に好適な低通気度寝装資材を得ることが可能となる。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明の低通気度寝装資材は天然繊維、再生繊維、半合成繊維、合成繊維から選択される少なくとも1種類の素材を用いて製織されるものでありシルク、綿、レーヨン、キュプラ、ポリノジック、セルロースアセテート、プロミックス、ポリエステル等々が好ましく例示される。製織に使用する織機は特に限定されるものではなく公知の織機が使用出来るが、特にエアジェットルーム、レピアルーム、プロジェクタイルルームの使用が好ましい。
また、経糸及び/又は緯糸の少なくとも一部分に偏平度が3以上7以下の偏平断面ポリエステルマルチフィラメントを含むことが低通気度を達成する上でも有効である。該偏平断面ポリエステルマルチフィラメントの偏平度が3未満では通気度を低く抑えることが出来ず、7を超過する高偏平度では紡糸延伸時の切れ毛羽やループを引き起こし易く、工程操業性に支障を来す。より好ましくは偏平度が4以上6以下の範囲であり、必要に応じて仮撚等の捲縮加工や空気交絡処理、流体攪乱処理、撚糸等を適宜組み合わせて施すことも可能である。
該偏平断面ポリエステルマルチフィラメント糸は通常溶融紡糸法によってスリットノズルを用いて生産する方法で得ることが出来る。勿論、複数成分の重合体を用いた複合紡糸法により一部を溶解、膨潤、収縮させ、及び物理的作用を併用することによっても得ることが可能であるが、溶剤の生地残存による皮膚障害、健康障害や処理廃液の環境に及ぼす影響を考慮すると好ましいとは言えず、直接溶融紡糸法によるものがより好ましい。単繊維繊度は0.3デシテックス以上2.0デシテックス以下、より好ましくは0.3デシテックス以上1.5デシテックス以下であることが好ましい。単繊維繊度が0.3デシテックス未満の偏平断面糸は上記直接溶融紡糸によっては商用的に生産が困難であり、2.0デシテックスを超過する繊度では偏平断面糸を用いても低通気度を得ることが出来ない。
また、フラジール形法による通気度は初期値2cm3/(cm2・秒)以下、1回洗濯後4cm3/(cm2・秒)以下、より好ましくは初期値1cm3/(cm2・秒)以下、1回洗濯後2cm3/(cm2・秒)以下であることが好ましい。該通気度が初期値2cm3/(cm2・秒)を超過する範囲では使用中の揉みや歪み等の物理的作用によって中綿が吹き出し易くなり外観品位を損ねるほか、中綿充填物の飛散及びそれによる呼吸器疾患等、人体への障害を誘発する可能性もあり好ましい範囲ではない。また生地の通気度は洗濯や使用による揉み効果によって増加する傾向にあり1回洗濯後の通気度が4cm3/(cm2・秒)を超過する範囲となれば防ダニ・防塵性、中綿吹出防止性が悪化してしまい寝装資材用途として好ましいものにはならない。
更に本発明の低通気度寝装資材の一般消費性能を満足させるため、引裂強度は9.8N以上、より好ましくは12.0N以上に保つことが好ましい。該引裂強度が9.8N未満の範囲では使用中の揉みや歪み効果など物理的な作用によって生地自体が裂けて中綿が吹き出す要因となる。引裂強度を向上させるには糸物性の向上や単糸繊度の太繊度化等によって実現し得るが、これらの方法によると織物風合いが粗硬なものとなりドレープ性に乏しいものとなる。尚、後記の実施例中で経方向とは経糸を引裂く方向であり、緯方向とは緯糸を引裂く方向を意味している。本願において引裂強度とは、経方向と緯方向の両者のデータの小さい方のデータを持って定義する。即ち、本願において引裂強度が9.8N以上であると言う場合は、経方向及び横方向の両方向のデータが共に9.8N以上であることを意味している。
また生地目付については80g/m2以上120g/m2以下、より好ましくは90g/m2以上110g/m2以下の範囲である。生地目付が80g/m2未満では薄っぺらくドレープ性に乏しい織物となってしまう他、引裂強度的にも満足し難いものとなる。また120g/m2を超過する範囲では生地が厚く、重くなり過ぎてしまいドレープ性に乏しい、安っぽい織物となる。ドレープ性等の審美性、布団としての取扱い易さ等々を考慮すると80g/m2以上120g/m2以下の範囲で中綿充填材の材質や吹込量に応じて適宜選定することが望ましい。
また本発明の低通気度寝装資材の織物組織として、織物一完全組織の経糸及び/又は緯糸の最大浮き数が4本以下で、五枚朱子や3/1ブロークンサテン等の朱子織であり、上品な光沢感を狙う場合は五枚経朱子組織など、寝装資材の要求特性に応じて適宜設定すればよい。上記織物一完全組織の経糸及び/又は緯糸の最大浮き数が5本以上となればピリングやスナッグ、ヒケ等の欠点を生じさせ易く、外観品位や消費性能的にも好ましくない。
また本発明寝装資材の通気度を低度に抑える為に1cm当りの経糸本数及び緯糸本数の合算値が115本/cm以上230本/cm以下、より好ましくは150本/cm以上230本/cm以下に制御することが望ましい。該合算値が115本/cm未満では通気度が高く留まってしまい、特にフェザーやダウン等羽毛の吹き出しを抑制することが出来ない。また該合算値が230本/cmを著しく超過する範囲では通気度は低く抑えることが可能であるが織物が曲げ難くドレープ性に乏しいものとなってしまい寝装資材として好ましいものにはならない。
また本発明の寝装資材は経糸が天然繊維を含む紡績糸、緯糸が合成繊維マルチフィラメント糸の組み合わせであり、経糸繊度が英式綿番手表示で50番以上120番以下、緯糸が50デシテックス以上200デシテックス以下であることが更に好ましい。経糸の天然繊維を含む紡績糸は通常のリング紡績のほかOE紡績、ジェットスピニングなど革新紡績、その他公知の技術を用いた製糸方法で製造することが出来る。また紡績原材料も短繊維のみならず長繊維をも複合させた特殊紡績も必要に応じて採用することが出来る。経糸に使用する紡績糸は天然繊維を含むものであることが吸湿特性、その他機能性を考慮するとより有効であり、シルクや木綿等が好ましく例示される。
また緯糸は合成繊維マルチフィラメント、より好ましくは偏平断面糸を含む合成繊維マルチフィラメントであることが好ましく、緯糸構成糸を全て該偏平断面糸としてもよい。繊度については経糸繊度が英式綿番手表示で50番以上120番以下、より好ましくは英式綿番手で60番以上100番以下、更に好ましくは80番以上100番以下である。英式綿番手が50番未満の太番手紡績糸では通気度を低く留めることが出来ず、120番を超過する細番手紡績糸では引裂強度が低く留まり何れも消費性能的に満足し得るものにはならない。経糸に用いる紡績糸は紡績単糸使いのみならず双糸や3子撚等としてもよい。特に双糸や3子撚とすると糸条がより均整なものとなり生地品位や強度の点からも有効である。
本発明の低通気度寝装資材を得るに際し、染色加工の任意工程にてカレンダー処理を施すことが望ましい。該カレンダー処理はカレンダーロールとペーパーロールの線圧やカレンダーロール表面温度、カレンダー処理時間等、処理条件によって目潰し状態が異なるが、過度にカレンダーロール表面温度を高くし過ぎると染料ブリード等による染色堅牢度の低下や表面の光沢ギラツキによる表面品位低下を引き起こしてしまう。該カレンダー処理条件については特に限定するものでなく、大略の条件として線圧100〜300N/cm、カレンダーロール表面温度120〜180℃、生地処理速度10〜30m/分程度であるが、織物組織や構成素材、生地厚さ等々に応じて適宜設定すればよい。
特に本発明の寝装資材は偏平断面ポリエステルマルチフィラメントを使用している為、カレンダー押圧によって偏平部の長辺がカレンダー面に沿って整列し易くなることにより低通気度を実現するものであり、従来比でカレンダー押圧や温度条件を緩和させることが出来、嫌味な光沢感や生地のペーパーライク化を抑制しつつ低通気度、ソフトな触感、適度なドレープ性を実現することが可能となる。尚、エンボスロールは立体的な凹凸意匠柄を付与し生地の差別化、高級感を与える上でも有効であるが、エンボス柄の凹凸部分が通気度大となり、中綿充填材の吹き出しが部分的に生じやすくなり好ましくない。
生地染色方法についても無地染、捺染問わず公知の技術を用いて実施することが出来る。例えば無地染の場合はサーモゾル染色のような連続染色の他、液流染色のようなバッチ染色、捺染の場合はフラットスクリーンやロータリースクリーンの他、インクジェット等も好適な方法として挙げられる。また必要に応じて帯電防止剤、制菌加工剤、抗菌加工剤、防黴加工剤、難燃加工剤、消臭加工剤その他機能加工剤を染色加工の任意の工程にて処方することが出来る。処理方法としては染色加工後に処方するパッドスチームキュア法、パッドドライキュア法等、若しくは染色同時吸尽法等が好ましく例示される。
以下、実施例を用いて本発明を更に詳細に説明する。尚、本文中及び実施例中の特性値は下記に示す方法で測定、評価されるものである。また言うまでもないが本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
(通気度) JIS L−1096 A法(フラジール形法)に準じて評価した。
(引裂強度) JIS L−1096 D法(ペンジュラム法)に準じて評価した。
(生地目付) 生地試料を経緯糸に沿って10cm×10cm角に切出し、電子天秤を用いて重量(g)を小数点第4位まで秤量した値に100を乗じて生地目付(g/m2)とする。生地試料5枚の秤量値平均を以ってその測定値とする。
(偏平度) 偏平断面繊維試料の断面に関して光学顕微鏡を用いて1000倍に拡大した写真を撮影し、単糸断面の長辺/短辺の比を測定し求めた。尚、単糸20本の平均値を以ってその測定値とした。
(洗濯処理) JIS L−0217 103法に準じて実施した。
(実施例1)
経糸として英式面番手200番双糸の綿/レーヨン混精紡糸、緯糸にポリエステルセミダル偏平断面50デシテックス36フィラメント(偏平度5.0)を用いて五枚経朱子(左上がり4/1・3飛び)に製織し織物生機を得た。該織物生機を両面ガス毛焼きを拡布状態にて実施した後、連続して拡布状態で精練、糊抜き及び塩素漂白を実施しシリンダーロール、ショートループドライヤーで乾燥を施した。次いでヒートセッターで雰囲気温度190℃条件で布目矯正しつつ中間セットを実施した。引き続きロータリースクリーン捺染機を使用し反応染料及び分散染料を用いた16色のプリント柄を配し発色及び洗浄実施後、拡布状態でシリンダーロール、ネットコンベアドライヤーで乾燥した後、染色生地を布目矯正装置及びクロスガイダーを装着したプラストカレンダー装置(由利ローラー社製)でカレンダー処理を施した。因みにカレンダーロール表面温度140℃、線圧120N/cm、生地供給速度10m/分の条件で織物裏面がカレンダーロール面になるよう片面のみに1回処理した。
得られた生地の1cm当りの経緯糸本数の合算値は192本/cm、生地目付105g/m2、フラジール形法による通気度が初期値0.40cm3/(cm2・秒)、同洗濯1回後が1.25cm3/(cm2・秒)、引裂強度が経方向14.2N、緯方向13.7Nでありソフトな触感、適度なドレープ性、低通気度を有するものとなった。得られた生地を側生地に用いて羽毛掛け布団を作成したところ、手触りがよく繰返し使用によっても羽毛の吹き出しが確認されず品質、品位的にも良好であり寝装資材用途として好適なものに仕上がった。因みに織物の緯糸方向断面写真を確認すると緯糸を構成する偏平フィラメントが織物表面に略並行に整列し効果的に通気度を低下させていることが確認された。
(実施例2)
実施例1で得られた織物生機を使用し両面ガス毛焼きを拡布状態にて実施した後、連続して拡布状態で精練、糊抜き及び塩素漂白を実施しシリンダーロール、ショートループドライヤーで乾燥を施した。次いでヒートセッターで雰囲気温度190℃条件で布目矯正しつつ中間セットを実施した。引き続き液流染色機を使用し反応染料及び分散染料による染色を実施し十分に湯洗・水洗した後、拡布状態でシリンダーロール、ネットコンベアドライヤーで乾燥し、該染色生地を布目矯正装置及びクロスガイダーを装着したプラストカレンダー装置(由利ロール社製)でカレンダー処理を施した。因みにカレンダーロール表面温度140℃、線圧120N/cm、生地供給速度10m/分の条件で織物裏面がカレンダーロール面になるよう片面のみに1回処理した。
得られた生地の1cm当りの経緯糸本数の合算値は198本/cm、生地目付112g/m2、フラジール形法による通気度が初期値0.35cm3/(cm2・秒)、同洗濯1回後が1.00cm3/(cm2・秒)、引裂強度が経方向14.5N、緯方向13.3Nでありソフトな触感、適度なドレープ性、低通気度を有するものとなった。得られた生地を側生地に用いて羽毛掛け布団を作成したところ、手触りがよく繰返し使用によっても羽毛の吹き出しが確認されず品質、品位的にも良好であり寝装資材用途として好適なものに仕上がった。因みに織物の緯糸方向断面写真を確認すると緯糸を構成する偏平フィラメントが織物表面に略並行に整列し効果的に通気度を低下させていることが確認された。
(比較例1)
緯糸にポリエステルセミダル丸断面50デシテックス18フィラメントを用いた他は実施例1同様の方法で染色加工布を得た。得られた生地の1cm当りの経緯糸本数の合算値は192本/cm、生地目付108g/m2、フラジール形法による通気度が初期値2.02cm3/(cm2・秒)、同洗濯1回後が3.25cm3/(cm2・秒)、引裂強度が経方向14.5N、緯方向13.8Nでありソフトな触感、適度なドレープ性を有するものとなったが通気度が大きく防ダニ・防塵特性や中綿吹出防止に支障となるものであった。得られた生地を側生地に用いて羽毛掛け布団を作成したところ、手触りがよく仕立て映えのするものであったが繰返し使用によって羽毛の吹き出しが確認され品質、品位的に好ましくなく寝装資材用途として好適なものにはならなかった。因みに緯糸断面写真を確認すると緯糸を構成する繊維が丸断面糸である故、繊維間空隙が大きく留まっていた。
(比較例2)
緯糸にポリエステルセミダル偏平断面50デシテックス24フィラメント(偏平度8.0)を用いた他は実施例1同様の方法で染色加工布を得た。得られた生地の1cm当りの経緯糸本数の合算値は190本/cm、生地目付110g/m2、フラジール形法による通気度が初期値2.10cm3/(cm2・秒)、同洗濯1回後が3.40cm3/(cm2・秒)、引裂強度が経方向14.1N、緯方向13.0Nでありソフトな触感、適度なドレープ性を有するものとなったが通気度が大きく防ダニ・防塵特性や中綿吹出防止に支障となるものであった。得られた生地を側生地に用いて羽毛掛け布団を作成したところ、手触りがよく仕立て映えのするものとなったが、羽毛の吹き出しが確認され寝装資材用途として好適なものにはならなかった。因みに緯糸断面写真を確認すると偏平度が8.0と極めて高いために織物表面に略並列に整列し難く、該整列が乱れた部分が多数確認された。また表面には偏平断面糸の切れ毛羽やループが確認され、品位的にも良好なものには仕上がらなかった。
(比較例3)
緯糸にポリエステルセミダル丸断面50デシテックス108フィラメントを用いた他は実施例1と同様の方法で染色加工布を得た。得られた生地の1cm当りの経緯糸本数の合算値は192本/cm、生地目付107g/m2、フラジール形法による通気度が初期値0.33cm3/(cm2・秒)、同洗濯1回後が1.02cm3/(cm2・秒)、引裂強度が経方向14.1N、緯方向12.3Nであり低通気度を有するものとなったが、張り腰感に乏しくソフトすぎる風合いを示すものであった。得られた生地を側生地に用いて羽毛掛け布団を作成したところ、非常にソフトな触感を示すものであったが仕立て映えせず寝装資材用途として好適なものには仕上がらなかった。
本発明によれば、水鳥のフェザーやダウンのような吹き出し易い中綿充填材を用いても生地表層部への羽毛吹き出しや経年劣化による粉塵の飛散を防止することが出来る。
また偏平断面マルチフィラメント糸を用いた効果によって、カレンダー押圧や温度条件を従来条件からより緩和させることが出来、嫌味な光沢感や生地のペーパーライク化を抑制しつつ低通気度、ソフトな触感、適度なドレープ性を有する低通気度寝装資材の提供が可能となる。
本発明の実施態様の一例を示す織物の緯断面写真である。 本発明の実施態様の一例を示す織物の表面写真である。 本発明の実施態様の一例を示す織物の裏面写真である。

Claims (4)

  1. 天然繊維、再生繊維、半合成繊維、合成繊維から選択される少なくとも1種類からなり、織物一完全組織の経糸及び/又は緯糸の最大浮き数が4本以下で、1cm当りの経糸本数及び緯糸本数の合算値が115本/cm以上230本/cm以下である朱子織物であり、経糸及び/又は緯糸の少なくとも一部分に偏平度が3以上7以下、単繊維繊度が0.3デシテックス以上2.0デシテックス以下の偏平断面ポリエステルマルチフィラメントを含むことを特徴とする低通気度寝装資材。
  2. フラジール形法による通気度が初期値2cm/(cm・秒)以下、同洗濯1回後が4cm/(cm・秒)以下であることを特徴とする請求項1に記載の低通気度寝装資材。
  3. 生地目付が80g/m以上120g/m以下、引裂強度が9.8N以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の低通気度寝装資材。
  4. 経糸が綿を含む紡績糸、緯糸が合成繊維マルチフィラメント糸であり、経糸繊度が英式綿番手表示で50番以上120番以下、緯糸が50デシテックス以上200デシテックス以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の低通気度寝装資材。
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