JP3167037B2 - 絵付け用転写基材及び絵付け転写部材及び絵付け転写方法 - Google Patents
絵付け用転写基材及び絵付け転写部材及び絵付け転写方法Info
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- JP3167037B2 JP3167037B2 JP18657391A JP18657391A JP3167037B2 JP 3167037 B2 JP3167037 B2 JP 3167037B2 JP 18657391 A JP18657391 A JP 18657391A JP 18657391 A JP18657391 A JP 18657391A JP 3167037 B2 JP3167037 B2 JP 3167037B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、陶磁器、ガラス、ホウ
ロウ等のセラミックス製品の表面に、絵付けを行うに好
適な転写基材、転写部材及び絵付け転写方法に関する。
ロウ等のセラミックス製品の表面に、絵付けを行うに好
適な転写基材、転写部材及び絵付け転写方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、陶磁器等に絵付けを行う際一般的
に使用されている絵付け用転写基材としては、吸水性の
良い紙を台紙とし、その上に再湿潤性糊料を塗布したも
のがある。また、特開昭52−8309号公報記載のよ
うに、吸水性台紙と再湿潤性糊料の代わりに天然高分子
を主成分とした水溶性フィルム一層で転写基材としたも
のもある。
に使用されている絵付け用転写基材としては、吸水性の
良い紙を台紙とし、その上に再湿潤性糊料を塗布したも
のがある。また、特開昭52−8309号公報記載のよ
うに、吸水性台紙と再湿潤性糊料の代わりに天然高分子
を主成分とした水溶性フィルム一層で転写基材としたも
のもある。
【0003】これらを使用した転写方法としては、絵付
け用転写基材上にスクリーン印刷等により陶磁器等に転
写しようとする絵柄を印刷し、その上にセルロース系樹
脂等のカバーコートを行い転写部材を作成する。次に、
転写しようとする絵柄にあわせて台紙ごとカッティング
する。このカッティングされた転写部材を水中に浸漬す
ることにより、再湿潤性糊料を含む絵柄及び絵柄に積層
されたカバーコートが分離できる状態になるため、再湿
潤性糊料を含む絵柄及びカバーコートを一体として台紙
からスライドさせながら剥離し、陶磁器等の表面に貼り
付け、高温にて焼成すると再湿潤性糊料、カバーコート
及びインク中のメジウムが燃えて消失し、絵柄のみが陶
磁器等の表面に焼き付けられる。
け用転写基材上にスクリーン印刷等により陶磁器等に転
写しようとする絵柄を印刷し、その上にセルロース系樹
脂等のカバーコートを行い転写部材を作成する。次に、
転写しようとする絵柄にあわせて台紙ごとカッティング
する。このカッティングされた転写部材を水中に浸漬す
ることにより、再湿潤性糊料を含む絵柄及び絵柄に積層
されたカバーコートが分離できる状態になるため、再湿
潤性糊料を含む絵柄及びカバーコートを一体として台紙
からスライドさせながら剥離し、陶磁器等の表面に貼り
付け、高温にて焼成すると再湿潤性糊料、カバーコート
及びインク中のメジウムが燃えて消失し、絵柄のみが陶
磁器等の表面に焼き付けられる。
【0004】これらの作業の印刷、転写、焼成の工程
は、同一の作業所で全て行うということは少なく、通常
個々の熟練者を必要とするため、それぞれを個々の作業
所に外注することが多い。
は、同一の作業所で全て行うということは少なく、通常
個々の熟練者を必要とするため、それぞれを個々の作業
所に外注することが多い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような絵付け転写
方法の印刷工程で、特に多色印刷する際に、通常、一色
印刷したのち乾燥機等で乾燥させ、乾燥後次の色を印刷
をするという工程を繰り返す。このとき、転写用基材が
伸縮を繰り返しているうちに、既に印刷されている絵柄
や基材上の糊料がクラッキングをおこすことがある。絵
柄がクラッキングをおこすと転写された後もひび割れた
ままの絵柄になってしまうため好ましくなく、また基材
上の糊料がクラッキングをおこすと水スライド転写の際
のスライドを阻害する。
方法の印刷工程で、特に多色印刷する際に、通常、一色
印刷したのち乾燥機等で乾燥させ、乾燥後次の色を印刷
をするという工程を繰り返す。このとき、転写用基材が
伸縮を繰り返しているうちに、既に印刷されている絵柄
や基材上の糊料がクラッキングをおこすことがある。絵
柄がクラッキングをおこすと転写された後もひび割れた
ままの絵柄になってしまうため好ましくなく、また基材
上の糊料がクラッキングをおこすと水スライド転写の際
のスライドを阻害する。
【0006】また、同色の印刷を複数の印刷物について
まとめて行い、後日に次の色をまとめて印刷するという
経日工程で行われることもあり、一つの印刷物の印刷に
何日もかかることが多かった。そのため、日時の経過と
共に温湿度も変化し、前回印刷を行った温湿度と同様な
環境で次の印刷を行うことはかなり難しく、温湿度の影
響で転写用基材が伸縮し、一色印刷するごとに絵柄がず
れてしまうため、温湿度を調節しながら印刷を行わなく
てはならない、また温湿度を調節しても一定時間放置し
てからでないと絵柄が合わない、などという欠点があっ
た。
まとめて行い、後日に次の色をまとめて印刷するという
経日工程で行われることもあり、一つの印刷物の印刷に
何日もかかることが多かった。そのため、日時の経過と
共に温湿度も変化し、前回印刷を行った温湿度と同様な
環境で次の印刷を行うことはかなり難しく、温湿度の影
響で転写用基材が伸縮し、一色印刷するごとに絵柄がず
れてしまうため、温湿度を調節しながら印刷を行わなく
てはならない、また温湿度を調節しても一定時間放置し
てからでないと絵柄が合わない、などという欠点があっ
た。
【0007】次に転写工程であるが、絵柄及びカバーコ
ートの施された転写紙を水中に浸漬して再湿潤性糊料を
含む絵柄及びカバーコートを基材より分離できる状態に
する工程、再湿潤性糊料を含む絵柄及びカバーコートを
台紙よりスライドさせ陶磁器等の表面に貼り付ける工程
の際、未だ人の手で行われているものがかなり多い。こ
の作業は、水中へ手を漬けなくてはならないため、作業
者の手が荒れるなどの問題で作業者が敬遠したがる作業
の一つであり、さらに水中に浸漬することにより再湿潤
性糊料が多量に流れてしまい転写紙の接着力が低下する
という問題があった。この問題は特に低温の冬場の作業
において著しいため、被転写物である陶磁器等を暖めて
から転写しなくてはならなかった。
ートの施された転写紙を水中に浸漬して再湿潤性糊料を
含む絵柄及びカバーコートを基材より分離できる状態に
する工程、再湿潤性糊料を含む絵柄及びカバーコートを
台紙よりスライドさせ陶磁器等の表面に貼り付ける工程
の際、未だ人の手で行われているものがかなり多い。こ
の作業は、水中へ手を漬けなくてはならないため、作業
者の手が荒れるなどの問題で作業者が敬遠したがる作業
の一つであり、さらに水中に浸漬することにより再湿潤
性糊料が多量に流れてしまい転写紙の接着力が低下する
という問題があった。この問題は特に低温の冬場の作業
において著しいため、被転写物である陶磁器等を暖めて
から転写しなくてはならなかった。
【0008】これらを改良する技術として特開昭62−
68799号公報に記載されるように、プラスチックフ
ィルム上に絵柄を印刷し、絵柄上に嫌気硬化粘着剤を塗
布し、プラスチックフィルムごと絵柄をカッティングし
て被転写材に接着した後、プラスチックフィルムを除去
する絵付け転写方法が提案されている。しかし、この方
法で多色印刷する際には、印刷時に見る方向と転写時に
見る方向が表裏逆になるため、転写後に上側にくる色を
先に印刷しなくてはならず、できあがりの絵柄が確認し
にくい等の問題もあった。さらにこの転写紙の一番の問
題は、転写工程の貼り付ける作業において、それ以前の
技術では水が付着しているために動かせる性質(水スラ
イド)を利用して位置合わせを行なっていたが、嫌気硬
化粘着剤により貼り付けるため、一回貼り付けると動か
ず位置合わせが困難になるということである。これらの
作業は、従来行われている作業と著しく異なるため、作
業者には受け入れ難いものであった。
68799号公報に記載されるように、プラスチックフ
ィルム上に絵柄を印刷し、絵柄上に嫌気硬化粘着剤を塗
布し、プラスチックフィルムごと絵柄をカッティングし
て被転写材に接着した後、プラスチックフィルムを除去
する絵付け転写方法が提案されている。しかし、この方
法で多色印刷する際には、印刷時に見る方向と転写時に
見る方向が表裏逆になるため、転写後に上側にくる色を
先に印刷しなくてはならず、できあがりの絵柄が確認し
にくい等の問題もあった。さらにこの転写紙の一番の問
題は、転写工程の貼り付ける作業において、それ以前の
技術では水が付着しているために動かせる性質(水スラ
イド)を利用して位置合わせを行なっていたが、嫌気硬
化粘着剤により貼り付けるため、一回貼り付けると動か
ず位置合わせが困難になるということである。これらの
作業は、従来行われている作業と著しく異なるため、作
業者には受け入れ難いものであった。
【0009】本発明は、上記の欠点を解消するためにな
されたものであって、印刷工程において温湿度による伸
縮によりクラッキングをおこしたり絵柄がずれてしまう
ことがなく、印刷時に見る方向と転写時に見る方向が表
裏逆にならず印刷を行える転写基材、転写部材及び転写
方法を提供するものである。また転写工程において、部
材を水中に浸漬することなく絵柄部分を転写することが
でき、また基材ごとカッティングすることなく転写を行
うことができる。しかも転写部材を水中に浸漬すること
なく位置決めを容易にし、冬場の作業においても転写部
材の糊料の接着性が低下せず、作業者の作業を容易にし
作業の質も改善する転写基材、転写部材及び転写方法を
提供するものである。
されたものであって、印刷工程において温湿度による伸
縮によりクラッキングをおこしたり絵柄がずれてしまう
ことがなく、印刷時に見る方向と転写時に見る方向が表
裏逆にならず印刷を行える転写基材、転写部材及び転写
方法を提供するものである。また転写工程において、部
材を水中に浸漬することなく絵柄部分を転写することが
でき、また基材ごとカッティングすることなく転写を行
うことができる。しかも転写部材を水中に浸漬すること
なく位置決めを容易にし、冬場の作業においても転写部
材の糊料の接着性が低下せず、作業者の作業を容易にし
作業の質も改善する転写基材、転写部材及び転写方法を
提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の絵付け用転写基材は、上層に被転写体に転
写する絵柄及び前記絵柄を被覆するカバーコートが設け
られる絵付け用転写基材において、プラスチックフィル
ム上の全面に前記プラスチックフィルムより剥離可能な
水溶性高分子化合物層を積層したもの、またはプラスチ
ックフィルム上の全面に前記プラスチックフィルムより
剥離可能な粘着剤層及び水溶性高分子化合物層を順次積
層したものである。
め、本発明の絵付け用転写基材は、上層に被転写体に転
写する絵柄及び前記絵柄を被覆するカバーコートが設け
られる絵付け用転写基材において、プラスチックフィル
ム上の全面に前記プラスチックフィルムより剥離可能な
水溶性高分子化合物層を積層したもの、またはプラスチ
ックフィルム上の全面に前記プラスチックフィルムより
剥離可能な粘着剤層及び水溶性高分子化合物層を順次積
層したものである。
【0011】さらに本発明の絵付け転写部材は、プラス
チックフィルム上に水溶性高分子化合物層を積層し、前
記水溶性高分子化合物層上に転写する絵柄を設け、さら
に前記絵柄を被覆するカバーコートを部分的に積層した
もの(1)、またはプラスチックフィルム上に粘着剤層
及び水溶性高分子化合物層を順次積層し、前記水溶性高
分子化合物層上に転写する絵柄を設け、さらに前記絵柄
を被覆するカバーコートを部分的に積層したもの(2)
である。
チックフィルム上に水溶性高分子化合物層を積層し、前
記水溶性高分子化合物層上に転写する絵柄を設け、さら
に前記絵柄を被覆するカバーコートを部分的に積層した
もの(1)、またはプラスチックフィルム上に粘着剤層
及び水溶性高分子化合物層を順次積層し、前記水溶性高
分子化合物層上に転写する絵柄を設け、さらに前記絵柄
を被覆するカバーコートを部分的に積層したもの(2)
である。
【0012】また、絵付け用転写部材(1)を用いた絵
付け転写方法は(A)プラスチックフィルム上に水溶性
高分子化合物層を積層して転写基材を作成し、前記水溶
性高分子化合物層上に被転写体に転写する絵柄を積層
し、前記絵柄を含んだ前記水溶性高分子化合物層上の前
記絵柄部分を覆うようにカバーコートを施して絵付け転
写部材を作成する工程と、(B)前記絵付け転写部材を
水洗して前記カバーコートの非存在部分の前記水溶性高
分子化合物層を溶解または膨潤させて除去し、前記プラ
スチックフィルム上に絵付け転写部を作成する工程と、
(C)前記絵付け転写部を前記プラスチックフィルムか
ら剥離し、前記被転写体に転写する工程とを順次行うも
のであり、絵付け用転写部材(2)を用いた絵付け転写
方法は(A)プラスチックフィルム上に粘着剤層、水溶
性高分子化合物層を順に積層して転写基材を作成し、前
記水溶性高分子化合物層上に被転写体に転写する絵柄を
積層し、前記絵柄を含んだ前記水溶性高分子化合物層上
の前記絵柄部分を覆うようにカバーコートを施して絵付
け転写部材を作成する工程と、(B)前記絵付け転写部
材を水洗して前記カバーコートの非存在部分の前記粘着
剤層及び前記水溶性高分子化合物層を溶解または膨潤さ
せて除去し、前記プラスチックフィルム上に絵付け転写
部を作成する工程と、(C)前記絵付け転写部を前記プ
ラスチックフィルムから剥離し、前記被転写体に転写す
る工程とを順次行うものである。
付け転写方法は(A)プラスチックフィルム上に水溶性
高分子化合物層を積層して転写基材を作成し、前記水溶
性高分子化合物層上に被転写体に転写する絵柄を積層
し、前記絵柄を含んだ前記水溶性高分子化合物層上の前
記絵柄部分を覆うようにカバーコートを施して絵付け転
写部材を作成する工程と、(B)前記絵付け転写部材を
水洗して前記カバーコートの非存在部分の前記水溶性高
分子化合物層を溶解または膨潤させて除去し、前記プラ
スチックフィルム上に絵付け転写部を作成する工程と、
(C)前記絵付け転写部を前記プラスチックフィルムか
ら剥離し、前記被転写体に転写する工程とを順次行うも
のであり、絵付け用転写部材(2)を用いた絵付け転写
方法は(A)プラスチックフィルム上に粘着剤層、水溶
性高分子化合物層を順に積層して転写基材を作成し、前
記水溶性高分子化合物層上に被転写体に転写する絵柄を
積層し、前記絵柄を含んだ前記水溶性高分子化合物層上
の前記絵柄部分を覆うようにカバーコートを施して絵付
け転写部材を作成する工程と、(B)前記絵付け転写部
材を水洗して前記カバーコートの非存在部分の前記粘着
剤層及び前記水溶性高分子化合物層を溶解または膨潤さ
せて除去し、前記プラスチックフィルム上に絵付け転写
部を作成する工程と、(C)前記絵付け転写部を前記プ
ラスチックフィルムから剥離し、前記被転写体に転写す
る工程とを順次行うものである。
【0013】
【作用】本発明の絵付け用転写基材は、水溶性高分子化
合物層から剥離しやすいプラスチックフィルムを用いて
いるため、絵付け用転写基材から作成される絵付け転写
部材は水中へ浸漬させずとも転写部材からプラスチック
フィルムを簡単に剥離することで、絵柄を容易に転写す
ることができるものである。
合物層から剥離しやすいプラスチックフィルムを用いて
いるため、絵付け用転写基材から作成される絵付け転写
部材は水中へ浸漬させずとも転写部材からプラスチック
フィルムを簡単に剥離することで、絵柄を容易に転写す
ることができるものである。
【0014】また、プラスチックフィルムに接した面か
らプラスチックフィルムを通して水溶性高分子化合物層
に水が滲み込むことがない。従って、水に不溶のカバー
コートを絵柄部分にのみ被覆すれば、絵付け転写部材を
水洗、乾燥することにより、絵柄を含んだカバーコート
の被覆された部分の水溶性高分子化合物層にはカバーコ
ート側からもプラスチックフィルム側からも染み込まな
いため溶解されず、カバーコートの存在しない部分の水
溶性高分子化合物層及び粘着剤層(水溶性)だけを溶解
して、カバーコートを施した絵柄のみを転写基材上に残
すことができる。そのため絵柄にあわせて基材ごとカッ
ティングすることなく転写を行なうことができる。
らプラスチックフィルムを通して水溶性高分子化合物層
に水が滲み込むことがない。従って、水に不溶のカバー
コートを絵柄部分にのみ被覆すれば、絵付け転写部材を
水洗、乾燥することにより、絵柄を含んだカバーコート
の被覆された部分の水溶性高分子化合物層にはカバーコ
ート側からもプラスチックフィルム側からも染み込まな
いため溶解されず、カバーコートの存在しない部分の水
溶性高分子化合物層及び粘着剤層(水溶性)だけを溶解
して、カバーコートを施した絵柄のみを転写基材上に残
すことができる。そのため絵柄にあわせて基材ごとカッ
ティングすることなく転写を行なうことができる。
【0015】
【実施例】図1に示すように、本発明の絵付け用転写部
材1は、プラスチックフィルム2上に水溶性高分子化合
物層3を積層させた本発明の絵付け用転写基材4上に、
絵柄6を積層し絵柄6を被覆するカバーコート7を積層
した構造であり、また図2に示すように本発明の絵付け
用転写部材5はプラスチックフィルム2上に粘着剤層
8、水溶性高分子化合物層3を順次積層させた本発明の
絵付け用転写基材9上に、絵柄6を積層し絵柄6を被覆
するカバーコート7を積層した構造である。
材1は、プラスチックフィルム2上に水溶性高分子化合
物層3を積層させた本発明の絵付け用転写基材4上に、
絵柄6を積層し絵柄6を被覆するカバーコート7を積層
した構造であり、また図2に示すように本発明の絵付け
用転写部材5はプラスチックフィルム2上に粘着剤層
8、水溶性高分子化合物層3を順次積層させた本発明の
絵付け用転写基材9上に、絵柄6を積層し絵柄6を被覆
するカバーコート7を積層した構造である。
【0016】以下、本発明の絵付け用転写部材の各構成
体について説明する。図1及び図2のプラスチックフィ
ルム2は、温湿度に対する伸縮の少ないものであり、多
色刷りのため温湿度が変化した日に重ねて絵柄を形成し
ても絵柄がずれることがない。また、この上に積層され
る水溶性高分子化合物層3または粘着剤層8が簡単に剥
離できるものである。例として、ポリエステル、ポリプ
ロピレン、ポリエチレン等、公知の方法にて製造された
フィルムが使用できる。このプラスチックフィルムは無
色透明であっても良いが、絵柄の色調や印刷位置の確認
のため不透明な白色プラスチックフィルムが好ましく使
用される。白色プラスチックフィルムは、発泡させたも
のや白色顔料練り込みのものもあるが、透明プラスチッ
クフィルムに白色不透明化の為のコーティングを行った
ものを使用してもよい。
体について説明する。図1及び図2のプラスチックフィ
ルム2は、温湿度に対する伸縮の少ないものであり、多
色刷りのため温湿度が変化した日に重ねて絵柄を形成し
ても絵柄がずれることがない。また、この上に積層され
る水溶性高分子化合物層3または粘着剤層8が簡単に剥
離できるものである。例として、ポリエステル、ポリプ
ロピレン、ポリエチレン等、公知の方法にて製造された
フィルムが使用できる。このプラスチックフィルムは無
色透明であっても良いが、絵柄の色調や印刷位置の確認
のため不透明な白色プラスチックフィルムが好ましく使
用される。白色プラスチックフィルムは、発泡させたも
のや白色顔料練り込みのものもあるが、透明プラスチッ
クフィルムに白色不透明化の為のコーティングを行った
ものを使用してもよい。
【0017】水溶性高分子化合物層3としては、水に対
して溶解あるいは膨潤するものである。また、絵柄6及
びカバーコート7は平面性良く積層できることが必要で
あり、そのために水溶性高分子化合物層3はプラスチッ
クフィルム2に平滑に積層されていることが望ましい。
さらに、絵柄6及びカバーコート7との必要な接着性を
保持できるものであり、また、これらを被転写体の陶磁
器等の表面から脱落せずに滞留するものである。加えて
転写工程において陶磁器等の表面で水スライドし、位置
合わせが行なえるものが好ましい。例として、ポリビニ
ルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、
酢酸ビニル系共重合体等の合成高分子化合物やでんぷん
類、セルロース類等の半合成高分子化合物、天然高分子
化合物等が挙げられ、これらの1種または2種以上を混
合したものが使用される。また、顔料、ブロッキング防
止剤等の種々の添加剤を混入しても良い。
して溶解あるいは膨潤するものである。また、絵柄6及
びカバーコート7は平面性良く積層できることが必要で
あり、そのために水溶性高分子化合物層3はプラスチッ
クフィルム2に平滑に積層されていることが望ましい。
さらに、絵柄6及びカバーコート7との必要な接着性を
保持できるものであり、また、これらを被転写体の陶磁
器等の表面から脱落せずに滞留するものである。加えて
転写工程において陶磁器等の表面で水スライドし、位置
合わせが行なえるものが好ましい。例として、ポリビニ
ルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、
酢酸ビニル系共重合体等の合成高分子化合物やでんぷん
類、セルロース類等の半合成高分子化合物、天然高分子
化合物等が挙げられ、これらの1種または2種以上を混
合したものが使用される。また、顔料、ブロッキング防
止剤等の種々の添加剤を混入しても良い。
【0018】また、水溶性高分子化合物層3において、
プラスチックフィルム2との接着力が調節できない場合
に、水溶性高分子化合物層3とプラスチックフィルム2
との間に設けられる粘着剤層8は、転写工程において陶
磁器等の表面で水スライドし、位置合わせが行なえるよ
うに水溶性または水膨潤性であることが好ましい。水溶
性または水膨潤性の粘着剤としては、天然または合成の
水溶性高分子化合物、または親水性の大きな高分子化合
物を主成分として、必要に応じて可塑剤、多価アルコー
ルおよびそれらの誘導体を粘着付与剤として混入させた
ものが使用できる。主成分として使用される水溶性高分
子化合物の例としてはポリビニルアルコール、ポリビニ
ルピロリドン、ポリアクリルアミド、アクリル酸共重合
体、ポリビニルメチルエーテル等、親水性高分子化合物
の例としてはアクリル酸共重合体等があげられる。
プラスチックフィルム2との接着力が調節できない場合
に、水溶性高分子化合物層3とプラスチックフィルム2
との間に設けられる粘着剤層8は、転写工程において陶
磁器等の表面で水スライドし、位置合わせが行なえるよ
うに水溶性または水膨潤性であることが好ましい。水溶
性または水膨潤性の粘着剤としては、天然または合成の
水溶性高分子化合物、または親水性の大きな高分子化合
物を主成分として、必要に応じて可塑剤、多価アルコー
ルおよびそれらの誘導体を粘着付与剤として混入させた
ものが使用できる。主成分として使用される水溶性高分
子化合物の例としてはポリビニルアルコール、ポリビニ
ルピロリドン、ポリアクリルアミド、アクリル酸共重合
体、ポリビニルメチルエーテル等、親水性高分子化合物
の例としてはアクリル酸共重合体等があげられる。
【0019】しかし、水洗を行なうことなく転写部の水
溶性高分子化合物層3及び粘着剤層8を絵柄にあわせて
カッティングを行ない剥離して使用する場合(この場
合、基材はカッティングしない。)は、カバーコートの
施されていない部分の水溶性高分子化合物層3及び粘着
剤層8を水洗により除去する必要はなく、この場合の粘
着剤層8は必ずしも水溶性または水膨潤性でなくとも良
い。
溶性高分子化合物層3及び粘着剤層8を絵柄にあわせて
カッティングを行ない剥離して使用する場合(この場
合、基材はカッティングしない。)は、カバーコートの
施されていない部分の水溶性高分子化合物層3及び粘着
剤層8を水洗により除去する必要はなく、この場合の粘
着剤層8は必ずしも水溶性または水膨潤性でなくとも良
い。
【0020】これらの転写基材4及び9の水溶性高分子
化合物層3上に絵柄6を積層し、さらに絵柄6を被覆す
るカバーコート7を積層して本発明の絵付け用転写部材
1及び5を形成する。絵柄6及びカバーコート7の積層
方法はスクリーン印刷等の印刷またはコーティングで行
なわれる。次に、本発明の絵付け用転写部材を使用した
絵付け転写方法を説明する。
化合物層3上に絵柄6を積層し、さらに絵柄6を被覆す
るカバーコート7を積層して本発明の絵付け用転写部材
1及び5を形成する。絵柄6及びカバーコート7の積層
方法はスクリーン印刷等の印刷またはコーティングで行
なわれる。次に、本発明の絵付け用転写部材を使用した
絵付け転写方法を説明する。
【0021】図3に絵付け用転写部材5を用いた一連の
転写方法を示す。絵付け用転写部材5を用いて陶磁器、
ガラス、ホウロウ等のセラミックス製品である被転写体
(図示せず)に絵柄を転写する場合、図3(a)に示す
ように、カバーコート7は絵付け用転写基材9の水溶性
高分子化合物層3上の全面に積層せずに、絵柄6部分の
みを被覆して転写部材5を得る。
転写方法を示す。絵付け用転写部材5を用いて陶磁器、
ガラス、ホウロウ等のセラミックス製品である被転写体
(図示せず)に絵柄を転写する場合、図3(a)に示す
ように、カバーコート7は絵付け用転写基材9の水溶性
高分子化合物層3上の全面に積層せずに、絵柄6部分の
みを被覆して転写部材5を得る。
【0022】得られた転写部材5を水洗することによ
り、カバーコート7の非存在部分から水が水溶性高分子
化合物層3に浸透して、水溶性高分子化合物層3及び粘
着剤層8を溶解、除去して転写部10を形成する(図3
(b))。その後乾燥する。転写部10をプラスチック
フィルム2より剥離し(図3(c))、被転写体に転写
する。尚、転写において粘着剤層8には、必ずしも水を
付着させる必要は無いが、粘着剤層8に少量の水を付着
させることにより、粘着剤層8の水スライド性を利用し
た位置合わせが可能となるため、水を付着させることが
好ましい。
り、カバーコート7の非存在部分から水が水溶性高分子
化合物層3に浸透して、水溶性高分子化合物層3及び粘
着剤層8を溶解、除去して転写部10を形成する(図3
(b))。その後乾燥する。転写部10をプラスチック
フィルム2より剥離し(図3(c))、被転写体に転写
する。尚、転写において粘着剤層8には、必ずしも水を
付着させる必要は無いが、粘着剤層8に少量の水を付着
させることにより、粘着剤層8の水スライド性を利用し
た位置合わせが可能となるため、水を付着させることが
好ましい。
【0023】粘着剤層8を設けない転写部材1を用いた
絵付け転写方法の場合は、図4に示すように、水溶性高
分子化合物層3上の絵柄部分にのみカバーコート7を施
し、転写部材1を水洗することにより、転写部11を形
成し、転写部11をプラスチックフィルム2より剥離し
て被転写体に転写する。被転写体への貼り付けには、水
溶性高分子化合物層3に少量の水を付着させ貼り付ける
ことにより行われる。水を付着させて被転写体へ付着さ
せると共に、水スライド性を利用して位置合わせが可能
となる。
絵付け転写方法の場合は、図4に示すように、水溶性高
分子化合物層3上の絵柄部分にのみカバーコート7を施
し、転写部材1を水洗することにより、転写部11を形
成し、転写部11をプラスチックフィルム2より剥離し
て被転写体に転写する。被転写体への貼り付けには、水
溶性高分子化合物層3に少量の水を付着させ貼り付ける
ことにより行われる。水を付着させて被転写体へ付着さ
せると共に、水スライド性を利用して位置合わせが可能
となる。
【0024】以下、更に詳細な実施例を説明する。 実施例1 厚さ100μmのプラスチックフィルム(ルミラー T
60:東レ(株)製)上に、下記処方の水溶性高分子化
合物層用塗工液を乾燥膜厚5μmとなるよう塗工し、絵
付け用転写基材を得た。
60:東レ(株)製)上に、下記処方の水溶性高分子化
合物層用塗工液を乾燥膜厚5μmとなるよう塗工し、絵
付け用転写基材を得た。
【0025】 水溶性高分子化合物層用塗工液 ・ゴーセノール GH−17(日本合成化学工業(株)製) 10重量部 ・水 90重量部 得られた絵付け用転写基材と、従来の紙ベースの転写基
材との湿度伸縮率の比較を表1に示す。
材との湿度伸縮率の比較を表1に示す。
【0026】得られた絵付け転写基材の水溶性高分子化
合物層上に、黒色陶磁器絵付け用インキにて絵柄をスク
リーン印刷した。これを室温にて一昼夜乾燥させた後、
次の色用の絵柄を緑色陶磁器絵付け用インキにてスクリ
ーン印刷を行ったところ、絵柄がずれること無く良好に
印刷できた。次に、乾燥後の絵柄上にアクリル樹脂にて
カバーコートを行い絵付け転写部材を得た。
合物層上に、黒色陶磁器絵付け用インキにて絵柄をスク
リーン印刷した。これを室温にて一昼夜乾燥させた後、
次の色用の絵柄を緑色陶磁器絵付け用インキにてスクリ
ーン印刷を行ったところ、絵柄がずれること無く良好に
印刷できた。次に、乾燥後の絵柄上にアクリル樹脂にて
カバーコートを行い絵付け転写部材を得た。
【0027】得られた絵付け転写部材を水道水にて水洗
することにより、カバーコートの非印刷部分の水溶性高
分子化合物層を溶解、除去し、これを乾燥させた。次
に、水溶性高分子化合物層を含んだカバーコート被覆絵
柄部分をプラスチックフィルムから剥離し、少量の水を
水溶性高分子化合物層に付着させ、被転写体に転写し
た。
することにより、カバーコートの非印刷部分の水溶性高
分子化合物層を溶解、除去し、これを乾燥させた。次
に、水溶性高分子化合物層を含んだカバーコート被覆絵
柄部分をプラスチックフィルムから剥離し、少量の水を
水溶性高分子化合物層に付着させ、被転写体に転写し
た。
【0028】このときのプラスチックフィルムと水溶性
高分子化合物層の剥離性は良好であり、また水溶性高分
子化合物層、絵柄及びカバーコートの層間相互の接着も
良好で、水スライドを利用した位置決めも容易に行うこ
とができた。 実施例2 厚さ125μmの白色プラスチックフィルム(ルミラー
X20:東レ(株)製)上に、下記処方の粘着剤層用
塗工液を乾燥膜厚2μmとなるよう塗工し、乾燥後、さ
らに下記処方の水溶性高分子化合物層用塗工液を乾燥膜
厚10μmとなるよう塗工し、絵付け用転写基材を得
た。
高分子化合物層の剥離性は良好であり、また水溶性高分
子化合物層、絵柄及びカバーコートの層間相互の接着も
良好で、水スライドを利用した位置決めも容易に行うこ
とができた。 実施例2 厚さ125μmの白色プラスチックフィルム(ルミラー
X20:東レ(株)製)上に、下記処方の粘着剤層用
塗工液を乾燥膜厚2μmとなるよう塗工し、乾燥後、さ
らに下記処方の水溶性高分子化合物層用塗工液を乾燥膜
厚10μmとなるよう塗工し、絵付け用転写基材を得
た。
【0029】 粘着剤層用塗工液 ・モビニール S−71(ヘキスト合成(株)製) 10重量部 ・水 90重量部 水溶性高分子化合物層用塗工液 ・ゴーセノール GH−17(日本合成化学工業(株)製) 10重量部 ・水 90重量部 得られた絵付け用転写基材と、従来の紙ベースの転写基
材との湿度伸縮率の比較を表1に示す。
材との湿度伸縮率の比較を表1に示す。
【0030】得られた絵付け用転写基材の水溶性高分子
化合物層上に、黒色陶磁器絵付け用インキにて絵柄をス
クリーン印刷した。これを室温にて一昼夜乾燥させた
後、次の色用の絵柄を緑色陶磁器絵付け用インキにてス
クリーン印刷を行ったところ、絵柄がずれること無く良
好に印刷できた。次に、乾燥後の絵柄上にアクリル樹脂
にてカバーコートを行い絵付け転写部材を得た。
化合物層上に、黒色陶磁器絵付け用インキにて絵柄をス
クリーン印刷した。これを室温にて一昼夜乾燥させた
後、次の色用の絵柄を緑色陶磁器絵付け用インキにてス
クリーン印刷を行ったところ、絵柄がずれること無く良
好に印刷できた。次に、乾燥後の絵柄上にアクリル樹脂
にてカバーコートを行い絵付け転写部材を得た。
【0031】得られた絵付け転写部材を水道水にて水洗
することにより、カバーコートの非印刷部分の水溶性高
分子化合物層及び粘着剤層を溶解、除去し、これを乾燥
させた。次に、水溶性高分子化合物層を含んだカバーコ
ート被覆絵柄部分をプラスチックフィルムから剥離し、
少量の水を粘着剤層に付着させ、被転写体に転写させ
た。
することにより、カバーコートの非印刷部分の水溶性高
分子化合物層及び粘着剤層を溶解、除去し、これを乾燥
させた。次に、水溶性高分子化合物層を含んだカバーコ
ート被覆絵柄部分をプラスチックフィルムから剥離し、
少量の水を粘着剤層に付着させ、被転写体に転写させ
た。
【0032】このときのプラスチックフィルムと粘着剤
層の剥離性は良好であり、また粘着剤層、水溶性高分子
化合物層、絵柄及びカバーコートの層間相互の接着も良
好で、水スライドを利用した位置決めも容易に行うこと
ができた。 実施例3 厚さ125μmの片面粗面化プラスチックフィルム(ミ
クロトレースLM:(株)きもと製)の平滑面上に、下
記処方の水溶性高分子化合物層用塗工液を乾燥膜厚5μ
mとなるよう塗工し、絵付け用転写基材を得た。
層の剥離性は良好であり、また粘着剤層、水溶性高分子
化合物層、絵柄及びカバーコートの層間相互の接着も良
好で、水スライドを利用した位置決めも容易に行うこと
ができた。 実施例3 厚さ125μmの片面粗面化プラスチックフィルム(ミ
クロトレースLM:(株)きもと製)の平滑面上に、下
記処方の水溶性高分子化合物層用塗工液を乾燥膜厚5μ
mとなるよう塗工し、絵付け用転写基材を得た。
【0033】 水溶性高分子化合物層用塗工液 ・ゴーセノール GH−17(日本合成化学工業(株)製) 5重量部 ・ビニゾール JK−15(大同化成工業(株)製) 30重量部 (固形分:30wt%) ・水 65重量部 得られた絵付け用転写基材と、従来の紙ベースの転写基
材との湿度伸縮率の比較を表1に示す。
材との湿度伸縮率の比較を表1に示す。
【0034】得られた絵付け用転写基材の水溶性高分子
化合物層上に、黒色陶磁器絵付け用インキにて絵柄をス
クリーン印刷した。これを室温にて一昼夜乾燥させた
後、次の色用の絵柄を緑色陶磁器絵付け用インキにてス
クリーン印刷を行ったところ、絵柄がずれること無く良
好に印刷できた。次に、乾燥後の絵柄上にアクリル樹脂
にてカバーコートを行い絵付け転写部材を得た。得られ
た絵付け転写部材は裏面が粗面になっているため、転写
部材を重ねて放置してもブロッキングを起こすことがな
く良好であった。
化合物層上に、黒色陶磁器絵付け用インキにて絵柄をス
クリーン印刷した。これを室温にて一昼夜乾燥させた
後、次の色用の絵柄を緑色陶磁器絵付け用インキにてス
クリーン印刷を行ったところ、絵柄がずれること無く良
好に印刷できた。次に、乾燥後の絵柄上にアクリル樹脂
にてカバーコートを行い絵付け転写部材を得た。得られ
た絵付け転写部材は裏面が粗面になっているため、転写
部材を重ねて放置してもブロッキングを起こすことがな
く良好であった。
【0035】得られた絵付け転写部材を水道水にて水洗
することにより、カバーコートの非印刷部分の水溶性高
分子化合物層を溶解、除去し、これを乾燥させた。次
に、水溶性高分子化合物層を含んだカバーコート被覆絵
柄部分をプラスチックフィルムから剥離し、少量の水を
水溶性高分子化合物層に付着させ、被転写体に転写させ
た。
することにより、カバーコートの非印刷部分の水溶性高
分子化合物層を溶解、除去し、これを乾燥させた。次
に、水溶性高分子化合物層を含んだカバーコート被覆絵
柄部分をプラスチックフィルムから剥離し、少量の水を
水溶性高分子化合物層に付着させ、被転写体に転写させ
た。
【0036】このときのプラスチックフィルムと水溶性
高分子化合物層の剥離性は良好であり、また水溶性高分
子化合物層、絵柄及びカバーコートの層間相互の接着も
良好で、水スライドを利用した位置決めも容易に行うこ
とができた。
高分子化合物層の剥離性は良好であり、また水溶性高分
子化合物層、絵柄及びカバーコートの層間相互の接着も
良好で、水スライドを利用した位置決めも容易に行うこ
とができた。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の絵付け用転写基材から作成される絵付け用転写部材
によればプラスチックフィルム上に水溶性高分子化合物
層を積層させ絵柄及び絵柄を被覆してカバーコートを積
層した構造、またはプラスチックフィルム上に粘着剤
層、水溶性高分子化合物層を順次積層させ絵柄及び絵柄
を被覆してカバーコートを積層した構造を有し、温湿度
による伸縮が殆どないため、印刷工程において、特に多
色印刷に使用する際に、印刷、乾燥の工程を繰り返して
も絵柄がずれてしまうことが極めて少なく、そのため、
温湿度を調節しながら印刷を行う等の非常にわずらわし
い作業を行わなくてすみ、作業を大幅に改善できるもの
である。また、表裏逆に印刷しなくてもよいため、絵柄
の確認が容易である。さらに、カバーコートを絵柄部分
にのみ被覆させて、絵柄の存在しない部分にはカバーコ
ートを積層していないため、水溶性高分子化合物層に
は、プラスチックフィルムの接着面からは水が浸透せず
にカバーコートの非存在部分の水溶性高分子化合物層及
び粘着剤層が水洗され、絵柄のみにカバーコートが施さ
れた転写部をプラスチックフィルム上に残すことができ
る。そのため、カッティングを行なわなくてもよい。
明の絵付け用転写基材から作成される絵付け用転写部材
によればプラスチックフィルム上に水溶性高分子化合物
層を積層させ絵柄及び絵柄を被覆してカバーコートを積
層した構造、またはプラスチックフィルム上に粘着剤
層、水溶性高分子化合物層を順次積層させ絵柄及び絵柄
を被覆してカバーコートを積層した構造を有し、温湿度
による伸縮が殆どないため、印刷工程において、特に多
色印刷に使用する際に、印刷、乾燥の工程を繰り返して
も絵柄がずれてしまうことが極めて少なく、そのため、
温湿度を調節しながら印刷を行う等の非常にわずらわし
い作業を行わなくてすみ、作業を大幅に改善できるもの
である。また、表裏逆に印刷しなくてもよいため、絵柄
の確認が容易である。さらに、カバーコートを絵柄部分
にのみ被覆させて、絵柄の存在しない部分にはカバーコ
ートを積層していないため、水溶性高分子化合物層に
は、プラスチックフィルムの接着面からは水が浸透せず
にカバーコートの非存在部分の水溶性高分子化合物層及
び粘着剤層が水洗され、絵柄のみにカバーコートが施さ
れた転写部をプラスチックフィルム上に残すことができ
る。そのため、カッティングを行なわなくてもよい。
【0039】更に転写工程においても、従来敬遠されて
いた転写紙を水中に浸漬して台紙から絵柄を取除く作業
を行わず、位置決めを容易にし、冬場の作業においても
被転写体への接着力が低下せず、従来行っていた作業者
の作業を著しく改善するものである。
いた転写紙を水中に浸漬して台紙から絵柄を取除く作業
を行わず、位置決めを容易にし、冬場の作業においても
被転写体への接着力が低下せず、従来行っていた作業者
の作業を著しく改善するものである。
【図1】本発明の絵付け用転写基材及び絵付け用転写部
材の一実施例を示す断面図
材の一実施例を示す断面図
【図2】本発明の絵付け用転写基材及び絵付け用転写部
材の他の実施例を示す断面図
材の他の実施例を示す断面図
【図3】(a)図2に示す絵付け用転写部材を用いた絵
付け転写方法を示す断面図 (b)図2に示す絵付け用転写部材を用いた絵付け転写
方法を示す断面図 (c)図2に示す絵付け用転写部材を用いた絵付け転写
方法を示す断面図
付け転写方法を示す断面図 (b)図2に示す絵付け用転写部材を用いた絵付け転写
方法を示す断面図 (c)図2に示す絵付け用転写部材を用いた絵付け転写
方法を示す断面図
【図4】図1に示す絵付け用転写部材を用いた絵付け転
写方法を示す断面図
写方法を示す断面図
1、5・・・転写部材 2・・・・・プラスチックフィルム 3・・・・・水溶性高分子化合物層 4、9・・・転写基材 6・・・・・絵柄 7・・・・・カバーコート 8・・・・・粘着剤層 10、11・・・転写部
Claims (6)
- 【請求項1】 被転写体に転写される絵柄を有する転写部
材であって、 プラスチックフィルム上の全面に水溶性高
分子化合物層を積層し、前記水溶性高分子化合物層上に
転写すべき絵柄を部分的に設け、さらに前記絵柄を被覆
するカバーコートを部分的に積層したことを特徴とする
絵付け転写部材。 - 【請求項2】 被転写体に転写される絵柄を有する転写部
材であって、 プラスチックフィルム上の全面に粘着剤
層、水溶性高分子化合物層を順に積層し、前記水溶性高
分子化合物層上に転写すべき絵柄を部分的に設け、さら
に前記絵柄を被覆するカバーコートを部分的に積層した
ことを特徴とする絵付け転写部材。 - 【請求項3】 請求項1記載の絵付け転写部材の転写基材
であって、 プラスチックフィルム上の全面に前記プラス
チックフィルムより剥離可能な水溶性高分子化合物層を
積層したことを特徴とする絵付け用転写基材。 - 【請求項4】 請求項2記載の絵付け転写部材の転写基材
であって、 プラスチックフィルム上の全面に前記プラス
チックフィルムより剥離可能な粘着剤層及び水溶性高分
子化合物層を順次積層したことを特徴とする絵付け用転
写基材。 - 【請求項5】(A)プラスチックフィルム上の全面に水
溶性高分子化合物層を積層して転写基材を作成し、前記
水溶性高分子化合物層上に被転写体に転写すべき絵柄を
部分的に積層し、前記絵柄を含んだ前記水溶性高分子化
合物層上に前記絵柄を覆うように部分的にカバーコート
を施して絵付け転写部材を作成する工程と、 (B)前記絵付け転写部材を水洗して前記カバーコート
の非存在部分の前記水溶性高分子化合物層を溶解または
膨潤させて除去し、前記プラスチックフィルム上に絵付
け転写部を作成する工程と、 (C)前記絵付け転写部を、前記水溶性高分子化合物層
と前記プラスチックフィルムとの界面を剥離することに
より前記プラスチックフィルムから剥離し、前 記水溶性
高分子化合物層を介して前記被転写体に転写する工程と
を順次行うことを特徴とする絵付け転写方法。 - 【請求項6】(A)プラスチックフィルム上の全面に粘
着層、水溶性高分子化合物層を順に積層して転写基材を
作成し、前記水溶性高分子化合物層上に被転写体に転写
すべき絵柄を部分的に積層し、前記絵柄を含んだ前記水
溶性高分子化合物層上に前記絵柄を覆うように部分的に
カバーコートを施して絵付け転写部材を作成する工程
と、 (B)前記絵付け転写部材を水洗して前記カバーコート
の非存在部分の前記粘着層及び前記水溶性高分子化合物
層を溶解または膨潤させて除去し、前記プラスチックフ
ィルム上に絵付け転写部を作成する工程と、 (C)前記絵付け転写部を前記粘着層と前記プラスチッ
クフィルムとの界面を剥離することにより前記プラスチ
ックフィルムから剥離し、前記粘着層を介して前記被転
写体に転写する工程とを順次行うことを特徴とする絵付
け転写方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18657391A JP3167037B2 (ja) | 1991-07-25 | 1991-07-25 | 絵付け用転写基材及び絵付け転写部材及び絵付け転写方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18657391A JP3167037B2 (ja) | 1991-07-25 | 1991-07-25 | 絵付け用転写基材及び絵付け転写部材及び絵付け転写方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0524395A JPH0524395A (ja) | 1993-02-02 |
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Family
ID=16190904
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18657391A Expired - Fee Related JP3167037B2 (ja) | 1991-07-25 | 1991-07-25 | 絵付け用転写基材及び絵付け転写部材及び絵付け転写方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3167037B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6008754B2 (ja) * | 2013-01-25 | 2016-10-19 | 一郎 末松 | カラーラベルの製造方法 |
CN111962315A (zh) * | 2020-08-17 | 2020-11-20 | 中山市泰拓数码科技有限公司 | 一种形成透气图样的数码烫画方法 |
-
1991
- 1991-07-25 JP JP18657391A patent/JP3167037B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0524395A (ja) | 1993-02-02 |
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---|---|---|---|
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