JP3020804U - 転写マーク - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】転写時における印刷インク層の上面からの剥離
が容易かつ円滑な成膜フィルム層を有して印刷インク層
の表面の仕上りが格段に良好な常温乾燥型転写マークを
提供する。 【解決手段】表面に水溶性糊層２を有する台紙１上に着
色顔料を混在せしめてなる印刷インク層３，４を形成
し、その最上段に合成樹脂製の成膜フィルム層５を積層
してなる転写マーク。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、印刷インク層の転写後における表面の仕上りが良好な常温乾燥型転 写マークに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の常温乾燥型の転写マークは、水溶性糊層を有する台紙上に着色顔料を混 在してなる印刷インク層を一層又は二層以上の数層を形成し、最上段に、カバー コート層として、印刷により樹脂薄膜を形成し、印刷インク層を被写体の圧着後 カバーコート層を剥離するのが常法であった。 しかしながら、印刷により形成される樹脂薄膜は印刷インク層の上面に付着し やすく、剥離工程の際、インク層の上面が十分に乾燥硬化等していないことが多 い場合、カバーコート層とインク層とが付着しようとする傾向が大となり、結果 的にインク層の上面の肌を荒らし、美観を損ずる等の欠点があった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、敍上の実状に鑑み、常温乾燥型の転写マークにおける印刷インク層 の最上面の粗面化を防止し、剥離工程におけるカバーコート層とインク層との付 着傾向を可能な限り回避するために従来の印刷により形成される樹脂薄膜の代り に、合成樹脂製の成膜フィルムを載置して、上記の粗面化防止及び付着傾向の回 避を達成してなる転写マークを提供することをその目的とするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、 ａ．表面に水溶性糊層を有する台紙上に着色顔料を混在せしめてなる印刷イン ク層を一層又は二層以上形成し、 ｂ．最上段の合成樹脂製の成膜フィルム層を積層してなり、 ｃ．転写後に該フィルム層を剥離せしめる ｄ．転写マーク をその要旨として成立するものである。

【０００５】

【考案の実施の形態】

図１は、本考案に係る転写マークの断面的説明図、図２は、従来の他の常温乾 燥型の転写マークの断面的説明図である。

【０００６】 まず、図２について従来の常温乾燥型の転写マークを説明すると、台紙１１の 表面には、水溶性糊層１２が設けられ、さらに、その上面に、単色又は多色の印 刷インク層が、例えば本例の如く符号１３，１４の二層が形成される。通常印刷 層は一層又は二層以上形成される。インク層１３，１４は、常温で乾燥硬化する 合成樹脂を媒体とし、これに着色顔料が混在せしめられている。

【０００７】 従来のこの種の転写マークでは、印刷インク層の最上面に、カバーコート層１ ５が形成される。カバーコート層１５は、印刷により樹脂薄膜を形成するもので 、印刷インク層の上面の乾燥を待って剥離する。而して、この層を欠除すると、 印刷インク層が直接空気中に曝露することとなって、インク層の劣化が促進され 、外傷を受け易く、しかも、耐久性を損ずることとなって適当でないためである 。しかし、カバーコート層が十分乾燥していない場合等の剥離では、カバーコー ト層と印刷インク層上面とが相互に付着する傾向が大であり、この結果インク層 の最上面の肌を荒らし、美観を著しく損なう等の欠点を生じていた。

【０００８】 本願は、剥離用物として、上述の欠点を生じなく、あらかじめ既に成膜化され ているフィルム即ち成膜フィルムをカバーコート層の代りに利用するものである 。 図１において、台紙１の表面には、水溶性糊層２が設けられ、その上面には単 色又は多色の着色顔料を混在せしめてなる印刷インク層３，４（本例では二層で あるが、三層以上又は一層でもよい）が形成されるところまでは従来例と同じで ある。印刷インク層の上面に紫外線防護用のトップ層が印刷により形成されるこ ともある。

【０００９】 本考案では、成膜フィルム層５が印刷インク層の最上面に設けられるのが特徴 となっている。成膜フィルム層５は塩ビフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポ リエチレンフィルム、セロファン、防湿セロファンのいずれかが通常１枚物で使 用される。

【００１０】

【考案の効果】

本考案は以上の構成に基づくもので、常温乾燥型であって、印刷インク層の最 上面に成膜フィルム層を設けてなる転写マークであり、従来のカバーコート層を 形成せしめるものと比較して印刷インク層からの乾燥時剥離が常に円滑に行われ 、また印刷インク層との付着が皆無であるので、該インク層の上面を粗面化等し て荒らすことが全くなくマークの美観を格段に良好にし、しかも剥離作業が極め て容易に実施できる等多くの利点を有するものであり、優れた考案である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る転写マークの断面的説明図であ
る。

【図２】従来の他の常温乾燥型の転写マークの断面的説
明図である。

【符号の説明】

１ 台紙 ２ 水溶性糊層 ３ 印刷インク層 ４ 印刷インク層 ５ 成膜フィルム層 １１ 台紙 １２ 水溶性糊層 １３ 印刷インク層 １４ 印刷インク層 １５ カバーコート層

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 表面に水溶性糊層を有する台紙上に着色
   顔料を混在せしめてなる印刷インク層を一層又は二層以
   上形成し、最上段に合成樹脂製の成膜フィルム層を積層
   してなり、転写後に該フィルム層を剥離せしめることを
   特徴とする転写マーク。
2. 【請求項２】 成膜フィルムが、塩ビフィルム、ポリプ
   ロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、或いは、セ
   ロファン、防湿セロファンのいずれかである請求項１に
   記載の転写マーク。