JP2899245B2 - 加熱転写マーク - Google Patents

加熱転写マーク

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JP2899245B2 JP11436896A JP11436896A JP2899245B2 JP 2899245 B2 JP2899245 B2 JP 2899245B2 JP 11436896 A JP11436896 A JP 11436896A JP 11436896 A JP11436896 A JP 11436896A JP 2899245 B2 JP2899245 B2 JP 2899245B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱転写マークに
関し、さらに詳しくは、車両、家具、自動販売機、スポ
ーツ用品等に使用されるプラスチック成形品を含む被着
体に図柄等を施すために使用される加熱転写マークに関
する。
【0002】
【従来の技術】特定のエポキシ樹脂を配合した接着性樹
脂組成物を転写インク層に使用する加熱転写シート(特
公平7−119147号公報)が提案されている。この
加熱転写シートは、経時変化による劣化がなく、耐候性
に優れ、特に曲面への粘着性に優れているという利点を
有するものであるが、上記接着性樹脂組成物は、感熱性
接着剤であって常温では接着性を有していないため、被
着体に粘着させた後に60〜120℃の温度に加熱して
接着させるという、いわゆる予備加熱工程を必要とする
ものである。
【0003】また、台紙に塗布した水溶性糊層上に、尿
素樹脂またはメラミン樹脂に飽和ポリエステル系合成樹
脂を混合して調整した熱硬化性樹脂材料による第1フイ
ルム層、オフセット印刷による印刷絵柄層、第2フイル
ム層およびラッカーフイルム層を設けて、陶磁器、ガラ
ス、ホウロウ等の窯業製品等に焼付ける低温焼付転写紙
(特公昭54−30325号公報)が提案されている。
しかしながら、この方法は、焼付温度が120〜240
℃と高温であるために、例えば、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリスチレン、塩化ビニル、アクリル樹脂お
よびABS樹脂等の耐熱性の低いプラスチック材料に使
用すると、これらのプラスチック材料は溶解または変型
してしまうという問題があり、また、その焼付け温度を
低くすると、熱硬化性樹脂の硬化が不十分となるため、
経時によりマークの割れ、収縮、浮き上がり等の問題が
発生する。
【0004】さらに、着色インク層上に転写した後剥離
可能なカバーコート層を積層し、この着色インク層とカ
バーコート層との間に着色顔料を含まない媒体のみの層
(クリヤー層)を介在させた構成とすることにより、ク
リヤー塗装工程を削減し作業工程を向上させる焼付け型
の転写マーク(実公平4−10073号公報)が提案さ
れている。この方法は、台紙上に水溶性樹脂層が形成さ
れているものであり、使用時には、水または水を含む有
機溶剤中に浸漬して接着剤層及び糊層を溶解して被着体
に接着するものであるが、被着体と接着剤との界面に存
在する気泡および水の除去が困難なものであり、したが
って、残存する気泡や水は焼付け後にフクレの発生原因
となるという欠点がある。
【0005】着色顔料を含む合成樹脂層に、当該樹脂の
粘着により被着体に接着させる常温硬化型の転写マーク
(特公平7−85943号公報)が提案されている。こ
の技術は、常温硬化であるために焼付工程を省略できる
という利点を有しているが、上記のような焼付による残
存した気泡や水による顕著なフクレの発生を防止するこ
とはできない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
における上記した実情に鑑みてなされたものである。す
なわち、本発明の目的は、常温貼り付けが容易であり、
しかも室温に短時間放置するだけで貼り付け時に残存し
た空気および水が消滅してフクレの原因を除去した仮接
着が可能となり、さらに加熱硬化させることにより密着
性が著しく向上する加熱転写マークを提供することにあ
る。
【0007】本発明の他の目的は、プラスチック樹脂成
形品を軟化または変形させることなく、低温焼付けが可
能な加熱転写マークを提供することにある。また、本発
明の他の目的は、オーバーコートクリヤーを塗布しない
用途にも使用可能な耐摩耗性の優れた加熱転写マークを
提供することにある。さらに、本発明の他の目的は、被
着体の曲面に大きな絵柄を貼付できる加熱転写マークを
提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の加熱転写マーク
は、基材シート上に、感熱性接着剤層、着色インク層、
透明樹脂層および保護フィルム層をスクリーン印刷によ
り順次積層してなる加熱転写マークであって、該感熱性
接着剤層中の感熱性接着剤が、ポリウレタン樹脂、ポリ
エステル樹脂およびアクリル樹脂から選ばれる少なくと
も1種の主成分樹脂100重量部にメラミン樹脂5〜1
00重量部を配合してなり、かつ常温接着性を有するこ
とを特徴とする。
【0009】上記感熱性接着剤は、通常60℃以上で加
熱硬化することができるものである。また、上記保護フ
ィルム層中の樹脂成分が、アクリル樹脂、塩化ビニル樹
脂および塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂から選ば
れる少なくとも1種の主成分樹脂100重量部に可塑剤
10〜30重量部を配合してなり、常温で伸び率30%
以上であるものを用いることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の加熱転写マークに
ついて詳細に説明する。図1は、本発明における加熱転
写マークの代表的な層構成を示す模式的断面図である。
図2は、本発明における加熱転写マークの他の層構成を
示す模式的断面図である。図1〜2において、1は基材
シート、2は水溶性樹脂層、3は感熱性接着剤層、4は
着色インク層、5は透明樹脂層、6は保護フィルム層で
あり、この順に積層されることにより加熱転写マークが
形成される。
【0011】基材シート1としては、感熱性接着剤層と
剥離可能な公知のシート状物であれば如何なるものでも
使用できるが、具体的には、市販されている紙、布、箔
等の各種の台紙、ポリエチレン、塩化ビニル樹脂、ポリ
エステル樹脂等の樹脂材料をフイルム状に成形されたプ
ラスチックシート等、または、それらの表面をワック
ス、パラフィン、シリコーン油等を用いて剥離処理した
もの等が挙げられる。上記基材シートの上面には、必要
に応じて、デキストリン等の水溶性糊料を用いて形成さ
れる水溶性樹脂層2が設けられる。
【0012】本発明において、感熱性接着剤層3は、ポ
リウレタン樹脂、ポリエステル樹脂またはアクリル樹脂
から選ばれる少なくとも1種の主成分樹脂100重量部
に、メラミン樹脂5〜100重量部が配合された樹脂組
成物を用いることが必要であり、かつ、常温において接
着性を有していることが重要である。上記主成分樹脂と
して使用するポリウレタン樹脂としては、ポリエステル
ポリオール系、アクリルポリオール系等のポリウレタン
であって、そのOH価が5〜100の範囲のものであ
り、具体的には、商品名:ニッポラン(日本ポリウレタ
ン工業)、バーノック(大日本インキ工業)、レザミン
(大日精化)等が例示できる。
【0013】ポリエステル樹脂としては、飽和ポリエス
テル樹脂、アルキド樹脂等であって、その軟化点(T
g)が40℃以下であり、かつ、そのOH価が5〜10
0の範囲のものであり、具体的には、商品名:バイロン
300、バイロン500(東洋紡社製)、スタフィック
スPLC(富士写真フィルム社製)、エリーテルUE3
400、3220(ユニチカ社製)、ヒタロイド、エス
ペル(日立化成社製)等が例示できる。また、アクリル
樹脂としては、熱可塑性アクリル樹脂、熱硬化性アクリ
ル樹脂等であって、そのOH価が5〜100の範囲のも
のであり、具体的には、商品名:ダイヤナール(三菱レ
ーヨン社製)、SKダイン(綜研化学社製)、アクリデ
ィク(大日本インキ工業社製)等が例示できる。
【0014】本発明において、上記主成分樹脂に配合す
るメラミン樹脂としては、耐候性の観点からすると、メ
チル化メラミン樹脂、ブチル化メラミン樹脂、メチルブ
チル混合エーテル化メラミン樹脂等を用いることが好ま
しい。さらに、感熱性接着剤層には、P−トルエンスル
ホン酸等の酸触媒を適宜添加することができる。この添
加により、樹脂の架橋硬化反応は一層促進され、転写マ
ークと被転写体との強固な接着状態を一層強固なものと
することができる。感熱性接着剤層3をスクリーン印刷
で形成するには、塗布膜の厚さは3〜50μmの範囲と
することが好ましい。3μm以下では接着性、特に初期
接着性が低下し、一方、50μm以上では表面平滑性に
劣るものとなり、また経済的でない。
【0015】着色インク層4としては、公知の市販され
ている着色または無着色の印刷インキの殆どが使用可能
である。具体的には、例えば、飽和ポリエステル樹脂、
アルキド樹脂等のポリエステル樹脂、ポリウレタン樹
脂、熱可塑性および熱硬化性のアクリル樹脂、塩化ビニ
ル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、セルロ
ース樹脂、エポキシ樹脂等をビヒクルとし、例えば、ポ
リエステル樹脂100重量部に着色顔料10〜200重
量部を混入することにより、図柄の形成材料とする。ま
た、アルミニウム、銅等の金属粉末、再帰反射性のガラ
ス粉末、ホログラム層を有するフィルムを細片したもの
や、反射性金属薄膜層を有するフィルムを細片したグリ
ッター等の一種または二種以上を適宜添加することによ
りメタリック調の図柄を形成することも可能である。こ
れらは着色層に限らず保護フィルム層を除く各層に適宜
添加することができる。
【0016】本発明においては、透明樹脂層5は、主
に、必要により設けられるオーバーコート層との接着性
を向上させるか、保護フィルム層6との剥離性を向上さ
せるか、あるいはオーバーコート層を設けない場合には
着色インク層4の保護等、を目的として設けられるもの
である。この透明樹脂層5を形成する材料としては、オ
ーバーコート層がウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキ
シ樹脂、フッ素樹脂等の塗料で形成されている場合に
は、オーバーコート層との接着性を高めるために、透明
樹脂層5には、微粒子シリカ、硫酸バリウム等の透明体
質顔料を添加することができる。また、保護フィルム層
6との剥離性を高めるには、透明樹脂層5に、シリコー
ン系の消泡剤やレベリング剤またはスリップ剤等の公知
の印刷用添加剤を添加することができる。また、着色イ
ンク層4を保護するためには、例えば、重ね印刷(複数
回印刷を行うこと)を行って透明樹脂層5を形成するこ
とにより、耐擦傷性、耐擦過性の向上を図ることができ
る。
【0017】本発明の保護フィルム層6は、飽和ポリエ
ステル樹脂、アルキド樹脂等のポリエステル樹脂、塩化
ビニル樹脂または塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂
100重量部に、フタル酸エステル系、アジピン酸エス
テル系、アゼライン酸エステル系等のプラスチック用可
塑剤を、単独でまたは2種以上を併用して10〜30重
量部配合したものを用いて形成することが好ましい。ま
た、保護フィルム層は、曲面構造の被着体との追従性お
よび良好な剥離性の確保等から、常温において、伸び率
が30%以上であるものが好ましく、より好ましくは3
0〜500%の範囲である。保護フィルム層の伸び率が
30%以下のものでは、曲面構造の被着体との追従性が
著しく損なわれ、また、保護フィルム層を剥がすとき
に、割れやすく、綺麗に剥がすことが困難である。一
方、その伸び率が500%以上のものでは、ハンドリン
グ、貼り付け等において絵柄が歪む等の問題があり、こ
れを防ぐために層厚に形成すると作業上好ましくなく、
また、保護フィルム用のインク溶剤がマークの性能に悪
影響を及ぼす場合がある。
【0018】保護フィルム層6は、図1に示すように、
転写マークの感熱性接着剤層3、着色インク層4および
透明樹脂層5の端面も含めて、これら各層の全体を被覆
させるように形成させることが好ましい。しかし、転写
マークが単一図柄である等の場合には、図2に示すよう
に、感熱性接着剤層3、着色インク層4および透明樹脂
層5と同形状とし、これらの表面のみを被覆することも
できる。また、本発明の構成は、曲面Rが大きい3次曲
面に転写するとき、従来においてはシワが発生して貼付
が困難であった曲面構造の被着体にも容易に貼ることが
できるという利点を有する。
【0019】本発明の加熱転写マークは、それぞれ上記
した層形成材料を用いて、台紙等の基材シート1上に、
必要に応じて水溶性樹脂層2を設け、感熱性接着剤層
3、着色インク層4、透明樹脂層5および保護フィルム
層6を順次スクリーン印刷することにより得ることがで
きる。また、上記した各層中には、消泡剤、レベリング
剤、粘度調整剤、希釈溶剤、充填剤、スリップ剤等の公
知のインク用添加剤を適宜添加することができる。
【0020】以下、本発明の加熱転写マークを貼付する
方法について説明する。まず、加熱転写マークを使用す
るには、転写マークを水に浸漬することにより基材シー
トを剥がし、感熱性接着剤層3を被着体に当接し、スキ
ージ等を用いて水を押出しながら圧接させる。従来の加
熱転写マークでは、さらに適宜の温度で予備加熱する工
程を付加することにより、接着および、水または空気抜
きを行うことが不可欠であった。ところが一方、本願発
明の感熱性接着剤は、常温接着性を有するために従来の
予備加熱を行うことなく接着され、しかも、そのまま1
5〜30分間室温で放置すると感熱性接着剤層と被着体
との間に残存した空気および水が消滅する。さらに、上
記放置時間を短縮させるには、室温放置に代えて電子レ
ンジ等のマイクロ波を5〜60秒間照射することにより
短時間で接着および、水または空気抜きを行うことがで
きる。
【0021】次に、上記圧接を行った後、保護フィルム
層6を剥がして、感熱性接着剤層3、着色インク層4お
よび透明樹脂層5のみを被着体上に残すことにより、マ
ークの転写は完了する。さらに、その転写が完了した
後、必要に応じて、感熱性接着剤層3、着色インク層4
および透明樹脂層5を被覆して、透明または半透明のオ
ーバーコート層(図示せず)を形成することができる。
オーバーコート層の形成材料としては、ウレタン樹脂、
アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂等を有する塗
料を用いることができる。
【0022】オーバーコート層の形成は、通常、その塗
料の焼付条件に従って行われるものであるが、それ以外
の焼付条件としては下記の条件で行うことが好ましい。 1)熱風循環加熱装置等を用いる場合には、加熱温度は
60℃以上、好ましくは60〜110℃の範囲、より好
ましくは60〜80℃の範囲で焼付けることにより、完
全に熱硬化が行われて所望の転写が得られる。この加熱
温度は、被着体の材質にもよるが、60℃以下では十分
な接着性が発現しにくく、また、110℃以上では被着
体の変形が発生する場合がある。加熱時間は、被着体の
接着性、軟化温度等に応じて適宜設定されるものである
が、一般に10〜180分間の範囲であることが好まし
い。 2)電子レンジ等のマイクロ波で加熱する場合には、例
えば、2,450MHzの周波数を発生する電子レンジ
は、水分を効率よく加熱して揮散させることができるた
め、10〜60秒間の照射により短時間で転写マークを
被着体に仮着させることができる。
【0023】加熱転写マークを貼付する方法として、従
来の粘着ラベルでは、塩化ビニル、ウレタンフィルム等
を支持体とし、これに感圧性粘着剤を塗設したものであ
るため、フィルムの持つ伸縮性の乏しさから曲面への追
従性に劣り、3次曲面への貼り付けに際しラベル面積に
限度があった。これに対し、本発明における保護フィル
ム層を含めた構成は、伸縮性、柔軟性に優れていること
から、従来の転写マークに比べて著しい曲面追従性を有
し、極めて大きな面積の図柄を曲面に貼ることができ
る。また、従来のものでは、上記したとおり、3次曲面
の被着体に大きな面積の図柄を形成できなかったため、
被着体をマスキングテープ等を用いて塗り分けする工程
を必須としていたが、当該部分に本発明の加熱転写マー
クを用いることにより塗り分け工程を大幅に省略できる
という利点がある。
【0024】以下、本発明と従来例とにおいて、被着体
の曲面に大きな面積の図柄を形成する工程を、図面を用
いて対比説明する。 (従来例)図3は、従来の転写マークを使用して被着体
にA色及びB色を有する図柄を設ける工程を説明するた
めの模式図であり、次の工程からなっている。 (1)A色を全体に塗装し、焼付ける。 (2)B色部分の周縁に沿ってマスキングテープを貼
り、その外周のA色部分を紙等で覆う(マスキング工
程)。 (3)B色部分を塗装し、焼付ける。 (4)マスキングテープ及びその外周の紙等を剥がす。 (5)上記マスキング塗装により生じた段差、塗料のた
れ等を研磨、修正する。 (6)B色部分に粘着ラベルを貼る。 (7)保護シートを剥がす。 (8)オーバーコートを塗装し、焼付る。ただし、工程
(8)において、オーバーコートの塗装は省略すること
ができる。
【0025】(本発明例)図4は、本発明の加熱転写マ
ークを使用して、被着体にA色およびB色を有する図柄
を設ける工程を説明するための模式図であり、次の工程
からなっている。 (1)A色を全体に塗装し、焼付ける。 (2)B色部分に転写マーク(予めB色+図柄等を備え
ている)を貼る。 (3)保護シートを剥がす。 (4)オーバーコートを塗装し、焼付ける。ただし、工
程(4)において、オーバーコートの塗装は省略するこ
とができる。上記のとおり、本発明の転写マークは、従
来のものに比べてその貼り付け工程を大幅に短縮するこ
とができるという利点がある。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお、実施例および比較例において、「部」は「重
量部」を意味する。 実施例1〜4および比較例1〜2 基材シートとして、デキストリンを塗布した紙からなる
台紙(厚さ0.2mm、43×29cm)を用いて、次
のようにして加熱転写マークを作成した。 1)上記台紙上に、接着剤として、下記表1に示すそれ
ぞれの主成分樹脂100重量部にメチル化メラミン樹脂
(スパーベッカミンL−105−60、大日本インキ社
製)30重量部を配合し、さらにその樹脂組成物に、印
刷用添加剤としてシリコーン系消泡剤(CARE20、
セイコーアドバンス社製)5重量部を添加した。得られ
た樹脂組成物を、#180メッシュのスクリーン版にて
印刷することにより感熱接着剤層を形成した。 2)次に、得られた感熱接着剤層上には、白インク(S
G700、セイコーアドバンス社製)を用いて#180
メッシュのスクリーン版にて印刷し、着色インク層を形
成した。 3)次に、その着色インク層上には、クリヤーインク
(SG700メジュウム、セイコーアドバンス社製)を
用いて#180メッシュのスクリーン版にて印刷し、透
明樹脂層を形成した。 4)次に、その透明樹脂層上には、アクリル樹脂(ダイ
ヤナールBR106、三菱レーヨン社製)100重量部
に、ジオクチルフタレート(DOP)20重量部、シリ
コーン系消泡剤(CARE20、セイコーアドバンス社
製)5重量部およびキシロール150重量部を混合撹拌
し、得られた溶液を用いて#40メッシュのスクリーン
版にて印刷し、保護フィルム層を形成させることによ
り、加熱転写マークを作成した。
【0027】(評価方法)「粘着性」は、上記方法で得
られた加熱転写マークを室温で1日乾燥させた後、その
加熱転写マークを水槽に入れて台紙から剥がし、指触タ
ックにより、粘着性の有無を評価した。○は粘着性あ
り、また、×は粘着性なしを意味する。「転写性」は、
ABS樹脂塗装板上に、台紙から剥がした転写マークの
感熱接着剤層面を当接すると、その接着剤の常温接着性
により仮接着する。次いで、ゴム製のスキージを用いて
スキーズし、水分を除去しながら接着させる。これを、
30分室温に放置した後、保護フィルム層を剥がして評
価した。○は転写性が良好であり、また、×は転写性が
不良であることを意味する。「密着性」は、60分間8
0℃に加熱保持した後、室温に戻し、ニチバン製セロテ
ープを用いて、テープテスト(1mm角、10×10
個)を行い、剥がれた碁盤目の数を数えることにより接
着性の評価を行った。それらの結果を表1に示す。
【0028】
【表1】 なお、感熱接着剤層の主成分樹脂として、比較例1のポ
リエステル樹脂(バイロン200)および比較例2のア
クリル樹脂(ダイヤナールBR50)を用いた接着剤
は、常温接着性を有しないものである。
【0029】実施例5〜11および比較例3〜5 実施例1において、感熱接着剤層の接着剤主成分樹脂と
しては、ポリエステル樹脂(エスペル1320、日立化
成社製、Tg:−5℃)100重量部を用い、これに配
合するメラミン樹脂としては、下記表2に示す各種メラ
ミン樹脂およびその重量部を用いて感熱接着剤層を形成
したこと以外は、すべて実施例1と同様にして、加熱転
写マークを作成した。
【0030】(評価方法)「転写性」は、上記方法で得
られた加熱転写マークを室温で1日乾燥させた後、その
加熱転写マークを水槽に入れて台紙から剥がして、AB
S樹脂塗装板上に貼りつけ、次いで、ゴム製のスキージ
を用いてスキーズし、水分を除去しながら接着させる。
これを、30分間室温に放置した後、保護フイルム層を
剥がして評価した。○は転写性が良好であり、×は転写
性が不良であることを意味する。「密着性」は、60℃
および80℃に、各60分間加熱保持した後、室温に戻
し、ニチバン製セロテープを用いて、テープテスト(1
mm角、10×10個)を行い、剥がれた碁盤目の数を
数えることにより接着性の評価を行った。また、「気泡
の発生」については、目視により評価した。それらの結
果を表2に示す。
【0031】
【表2】 表2によれば、感熱接着剤層の主成分樹脂100重量部
に添加するメラミン樹脂としては、5〜100重量部の
範囲のものが良好な接着性の転写マークを得ることがで
きる。メラミン樹脂を配合していない比較例3およびメ
ラミン樹脂を過剰量配合している比較例4、5では、気
泡が発生したのに対し、メラミン樹脂を5〜100重量
部配合した実施例は、いずれも気泡の発生がなく、速や
かに水分および空気が除去されていることを確認するこ
とができる。また、メラミン樹脂としては、メチル化メ
ラミン樹脂、ブチル化メラミン樹脂、メチルブチル混合
エーテル化メラミン樹脂のいずれを使用しているものも
良好な密着性を有する加熱転写マークを得ることができ
る。
【0032】実施例12〜14および比較例6〜7 1)実施例1に用いたものと同様の台紙上に、接着剤と
して、ポリエステル樹脂(エスペル1312、Tg:1
0℃、日立化成社製)100重量部に、ブチル化メラミ
ン樹脂(スパーベッカミンL−127−60、大日本イ
ンキ社製)40重量部を配合し、さらにその樹脂組成物
に、印刷用添加剤としてシリコーン系消泡剤(CARE
20、セイコーアドバンス社製)5重量部を添加した。
得られた樹脂組成物を用い、#180メッシュのスクリ
ーン版にて印刷することより感熱性接着剤層を形成し
た。 2)次に、得られた感熱接着剤層上には、白インク(S
G700、セイコーアドバンス社製)を用いて#180
メッシュのスクリーン版にて印刷し、着色インク層を形
成した。 3)次に、その着色インク層上には、ポリエステル樹脂
(エスペル1312、日立化成社製、Tg:10℃)を
用いて#180メッシュのスクリーン版にて印刷し、透
明樹脂層を形成した。 4)次に、その透明樹脂層上には、下記表3に示す各種
の保護フイルム層主成分樹脂100重量部に、DOP2
0重量部およびシリコーン系消泡剤(CARE20、セ
イコーアドバンス社製)5重量部を配合し、これを表3
に示すそれぞれの溶剤に溶解させた樹脂溶液を用いて#
40メッシュのスクリーン版にて印刷し、保護フィルム
層を形成することにより、加熱転写マークを作成した。
【0033】(評価方法)「転写性」は、上記方法で得
られた加熱転写マークを室温で1日乾燥させた後、その
加熱転写マークを水槽に入れて台紙から剥がして、AB
S樹脂塗装板上に貼りつけ、次いで、ゴム製のスキージ
を用いてスキーズし、水分を除去しながら接着させる。
これを、30分間室温に放置した後、保護フイルム層を
剥がして評価した。○は転写性が良好であり、×は転写
性が不良であることを意味する。「密着性」は、80℃
に60分間加熱保持した後、室温に戻し、ニチバン製セ
ロテープを用いて、テープテスト(1mm角、10×1
0個)を行い、剥がれた碁盤目の数を数えることにより
接着性の評価を行った。それらの結果を表3に示す。
【0034】
【表3】 表3によれば、保護フィルム層に用いる樹脂材料として
は、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体が良好であることが判明する。
【0035】
【発明の効果】本発明の加熱転写マークは、特定の樹脂
組成物を感熱性接着剤層に用いているので、常温貼り付
けが容易であり、室温に短時間放置することにより貼り
付け時に残存した空気及び水を除去した仮接着が可能で
あって、その後の加熱硬化により密着性が著しく向上す
るものであり、さらに次のような利点を有している。
1)プラスチック成形品の軟化や変形がない低温焼付転
写ができる。2)常温貼り付けした後に、短時間で空気
及び水が除去できるので、速やかに焼付工程に移行でき
るとともに、焼付け後にフクレおよびシワが発生しな
い。3)保護フイルム層の伸び率が大きいため、被着体
の曲面に大きな絵柄が貼れる。4)貼り付け時には、塗
り分け工程が省略できる。5)トップクリヤーの塗布焼
付けを行わない用途にも使用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の加熱転写マークの層構成を示す模式
的断面図である。
【図2】 本発明の加熱転写マークの他の層構成を示す
模式的断面図である。
【図3】 従来の転写マークを使用する貼り付け工程を
説明するための模式図である。
【図4】 本発明の加熱転写マークを使用する貼り付け
工程を説明するための模式図である。
【符号の説明】
1…基材シート、2…水溶性樹脂層、3…感熱性接着剤
層、4…着色インク層、5…透明樹脂層、6…保護フィ
ルム層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI D21H 5/00 B (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B44C 1/17 B32B 27/00 B32B 27/30 B32B 27/30 101 D21H 27/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材シート上に、感熱性接着剤層、着色
    インク層、透明樹脂層および保護フィルム層をスクリー
    ン印刷により順次積層してなる加熱転写マークにおい
    て、該感熱性接着剤層中の感熱性接着剤が、ポリウレタ
    ン樹脂、ポリエステル樹脂およびアクリル樹脂から選ば
    れる少なくとも1種の主成分樹脂100重量部にメラミ
    ン樹脂5〜100重量部を配合してなり、かつ常温接着
    性を有することを特徴とする加熱転写マーク。
  2. 【請求項2】 保護フィルム層中の樹脂成分が、アクリ
    ル樹脂、塩化ビニル樹脂および塩化ビニル−酢酸ビニル
    共重合体樹脂から選ばれる少なくとも1種の主成分樹脂
    100重量部に可塑剤10〜30重量部を配合してな
    り、常温で伸び率30%以上であることを特徴とする請
    求項1に記載の加熱転写マーク。
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