JP3054660U - つや消し転写フィルム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 つや消し表面に転写した場合に見切り線がの
こらないような転写フィルムを提供する。 【解決手段】 表面がマット状の第１支持フィルム、該
第１支持フィルムのマット状表面上にコーティングによ
り形成されたマット状第２支持フィルム、該第２支持フ
ィルムの表面上に形成された剥離層、該剥離層上に形成
された絵柄層、および該剥離層と絵柄層とを覆うように
形成された接着剤層を含んでなる転写フィルム。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、つや消し転写フィルムに関し、更に詳しくは、つや消し表面を有す る樹脂製品に絵柄を転写するための転写フィルムに関する。

【０００２】

【従来の技術】

樹脂製品や金属製品の表面に絵柄付けを行う場合、転写フィルムが好ましく使 用される。転写フィルムは、基本的には支持フィルム上に剥離層、絵柄層および 接着剤層をこの順に設けた構造を有しており、接着剤層により転写フィルムを製 品表面に接着し、支持フィルムを剥離層から剥離して、絵柄を製品表面に残すこ とにより、製品表面に絵柄が形成れる。

【０００３】 転写フィルムを製品表面に接着する場合、通常熱ロールにより転写フィルムを 押圧するのであるが、製品表面がつや消しされている場合、熱ロールが最初に転 写フィルムに接触する線上に、支持フィルムの剥離後も見切り線が残る、すなわ ちその線の両側でつや消しの程度が異なって見えるという問題がある。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の目的は、つや消し表面に転写した場合に見切り線がのこらないような 転写フィルムを提供しようとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

この目的は、表面がマット状の第１支持フィルム、該第１支持フィルムのマッ ト状表面上にコーティングにより形成されたマット状第２支持フィルム、該第２ 支持フィルムの表面上に形成された剥離層、該剥離層上に形成された絵柄層、お よび該剥離層と絵柄層とを覆うように形成された接着剤層を含んでなる転写フィ ルムにより達成される。

【０００６】 本考案の転写フィルムの典型的な例の断面図を図１に示す。図１の転写フィル ムは、第１支持フィルム１、第２支持フィルム２、剥離層３、絵柄層４、および 接着剤層５を有している。 通常、接着剤層５の露出表面は、剥離シート（図示せず）により被覆され、使 用する際に剥離シートを取り除いて接着剤層５を露出させ、製品シートに接着す る。

【０００７】 本考案の第１支持フィルムとしては、表面がマット状のフィルム、いわゆるマ ットフィルムであれば、制限なく使用できる。そのようなマットフィルムは、フ ィルム表面をブラスト処理によりマット状にすることにより製造されたマットフ ィルム、または樹脂フィルムの上にコーティングによりマット層（マットコーテ ィング）を形成することにより製造されたマットフィルム、または無機または有 機粉末、好ましくは体質顔料を練り込んだ樹脂から成形されたマットフィルムで あってよい。好ましくは、フィルム表面をブラスト処理によりマット状にするこ とにより製造されたマットフィルムである。

【０００８】 第１支持層の厚さは、特に制限されないが、あまり厚くなると、熱ロールによ る接着が均一に行えない恐れがあるので、通常３０μｍ以下、例えば２５μｍ程 度にする。

【０００９】 本考案の第２支持フィルムは、第１支持フィルムの表面上に、無機または有機 粉末、好ましくは体質顔料を練り込んだ樹脂をコーティングすることにより形成 される。

【００１０】 第２支持フィルムの厚さも特に制限されないが、第１支持層の場合と同じ理由 であまり厚くするのは好ましくない。通常、５μｍ以下、例えば１〜３μｍであ る。

【００１１】 第１および第２支持フィルムを形成する樹脂としては、従来の転写フィルムの 支持フィルムに使用されているものなら、いずれも使用できる。ポリエステル（ 例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなど）、ポ リオレフィン（たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレンなど）、ナイロン、ア セテート樹脂などの合成樹脂が使用できるが、中でもポリエステルフィルム、特 にポリエチレンテレフタレートが好ましい。

【００１２】 剥離層の材料も、従来の転写フィルムに使用されているものでよく、たとえば アクリル系樹脂、炭化水素系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ワックス類などが挙げら れる。剥離層は、これら剥離材を常套の方法、たとえばグラビアコートにより支 持フィルム表面に塗布して形成する。

【００１３】 文字や図形などの絵柄は、剥離層の上に印刷する。印刷インキは、いずれの材 料の上に印刷するかに応じて、適当なものを選択すればよい。印刷機としては、 グラビア印刷機、シルクスクリーン印刷機などが使用できる。絵柄層は、これら 印刷機を単独であるいは併用して形成できる。また、絵柄を多様化する為、蒸着 により金属層を加えてもよい。

【００１４】 最後に、印刷層の上に接着剤層を形成する。接着剤は、従来の転写フィルムに 用いられているものでよく、転写を行う相手基材の材質に応じて選択すればよい 。

【００１５】 本考案の転写フィルムを用いれば、つや消し製品、特に樹脂製品、例えば、容 器、カップなどの表面に絵柄を転写形成した場合、転写されたフィルム部分に熱 ロールの押圧による見切り線が形成されず、外観のよい製品が得られる。

【００１６】 以下、実施例を示し、本考案を具体的に説明する。 実施例１ 第１支持フィルムとして、ポリエチレンテレフタレートフィルム（厚さ２５μ ｍ）を用い、その表面をサンドブラストした。 硬化型メラミン樹脂１００重量部、酸化ケイ素３０重量部を、メチルエチルケ トン１３５重量部およびトルエン１３５重量部の混合溶媒に混合し、第１支持フ ィルムのブラスト面に塗布し、１８０℃で２０秒間加熱・硬化して、厚さ５μｍ の第２支持フィルム層を形成した。 第２支持フィルムの表面に、アクリル樹脂をグラビア印刷し、厚さ１〜２μｍ の剥離層を形成した。 次いで、塩化ゴム系インキを用い、グラビア印刷により厚さ１〜３μｍの絵柄 層を印刷した。 最後に、剥離層および絵柄層を覆うように塩素化ポリプロプレン系樹脂をグラ ビア印刷して厚さ１〜２μｍの接着剤層を形成した。

【００１７】 得られた転写フィルムを、接着剤層を介して、つや消し表面を有するポリプロ ピレン樹脂サンプルの表面に置き、２３０℃に加熱したロール（幅１１０ｍｍ） を、１００ｋｇｆの圧力を加えながら毎秒８ｃｍの速度で、転写フィルム上を移 動させて転写フィルムをサンプル表面に接着させた。 その後、第１支持フィルムおよび第２支持フィルムを剥離層から剥離した。

【００１８】 転写されたフィルムには、見切り線は見られず、フィルム面全体で均一なつや 消し外観を有していた。 また、ＪＩＳ Ｋ−５４００に従って、（碁盤目）剥離試験を行ったところ、 １００／１００であった。即ち、転写されたフィルムは強固にポリプロピレン樹 脂表面に接着されており、全く剥離されなかった。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の転写フィルムの好ましい一態様の断
面図。

【符号の説明】

１…第１支持フィルム、２…第２支持フィルム、３…剥
離層、４…絵柄層、５…接着剤層。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 梧谷 公二 京都府城陽市平川浜道裏51−１ ローヤル 工業株式会社内

Claims (8)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 表面がマット状の第１支持フィルム、該
   第１支持フィルムのマット状表面上にコーティングによ
   り形成されたマット状第２支持フィルム、該第２支持フ
   ィルムの表面上に形成された剥離層、該剥離層上に形成
   された絵柄層、および該剥離層と絵柄層とを覆うように
   形成された接着剤層を含んでなる転写フィルム。
2. 【請求項２】 該第１支持フィルムは、その表面がブラ
   スト処理によりマット状にされたフィルムである請求項
   １に記載の転写フィルム。
3. 【請求項３】 該第１支持フィルムは、樹脂フィルムの
   上にコーティングにより形成されたマット層を有するフ
   ィルムである請求項１に記載の転写フィルム。
4. 【請求項４】 該第１支持フィルムは、粉末を練り込ん
   だ樹脂から成形されたマットフィルムである請求項１に
   記載の転写フィルム。
5. 【請求項５】 該第１支持フィルムは、ポリエステルフ
   ィルムである請求項１〜４のいずれかに記載の転写フィ
   ルム。
6. 【請求項６】 該ポリエステルフィルムは、ポリエチレ
   ンテレフタレートフィルムである請求項５に記載の転写
   フィルム。
7. 【請求項７】 該第２支持フィルムは、ポリエステルフ
   ィルムである請求項１〜４のいずれかに記載の転写フィ
   ルム。
8. 【請求項８】 該ポリエステルフィルムは、ポリエチレ
   ンテレフタレートフィルムである請求項７に記載の転写
   フィルム。