JP3166559B2 - 電磁接触器の電磁石装置 - Google Patents
電磁接触器の電磁石装置Info
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Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01H—ELECTRIC SWITCHES; RELAYS; SELECTORS; EMERGENCY PROTECTIVE DEVICES
- H01H50/00—Details of electromagnetic relays
- H01H50/16—Magnetic circuit arrangements
- H01H50/163—Details concerning air-gaps, e.g. anti-remanence, damping, anti-corrosion
-
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Landscapes
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、可動接触子の投入駆
動に電磁石を用いる電磁接触器の電磁石装置に関し、よ
り詳しくは、可動接触子を保持する可動接触子支えに連
結された可動鉄心を吸引する固定鉄心が、これらの鉄心
を収容する電磁接触器固定フレームの周壁下端面を閉鎖
する底板に立設，固定される脚部鉄心と，脚部鉄心の反
底板側端部に固定されて可動鉄心に吸引力を作用させる
ポールピースとを用いて構成される電磁接触器の電磁石
装置に関する。
動に電磁石を用いる電磁接触器の電磁石装置に関し、よ
り詳しくは、可動接触子を保持する可動接触子支えに連
結された可動鉄心を吸引する固定鉄心が、これらの鉄心
を収容する電磁接触器固定フレームの周壁下端面を閉鎖
する底板に立設，固定される脚部鉄心と，脚部鉄心の反
底板側端部に固定されて可動鉄心に吸引力を作用させる
ポールピースとを用いて構成される電磁接触器の電磁石
装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】この種電磁石装置を備えた電磁接触器と
して、従来広く用いられている橋絡形電磁接触器構成の
一例を図５に示す。この例では、電磁接触器は、開閉接
触部１と電磁石装置２とからなり、開閉接触部１は上部
ケース３の上側外部に設けられ、一端に固定接点４ａ、
他端に端子ねじ４ｂを有する２つのコ字状固体接触子４
が両固定接点４ａ，４ａを内側にして上部ケース３の上
面に取り付けられている。この相対する固定接触子４−
４の間には可動接触子支え５が上部ケース３と下部ケー
ス１３とからなる固定フレームに収納された電磁石装置
２の可動鉄心６にピン７により連結され上下方向へ滑動
自在にされている。可動接触子支え５には２つの固定接
触子４−４に取り付けられた固定接点４ａ−４ａ間を橋
絡可能とする可動接点８ａ−８ａを有する可動接触子８
が接触ばね９を介して取りつけられている。この固定接
触子４と可動接触子８とが形成する開閉接触部１は消孤
カバー１０により覆われる。上部ケース３と，下部ケー
ス１３とからなる固定フレームに収納される電磁石装置
２は、強磁性材からなる底板１６と，底板１６に固定さ
れてコイル１１が嵌め込まれ脚部鉄心１５と，脚部鉄心
１５の可動鉄心６側端面に固定されるポールピース１４
とからなり、この可動鉄心６がポールピース１４に吸
引，釈放されることにより可動接触子支え５が上下方向
に滑動する。
して、従来広く用いられている橋絡形電磁接触器構成の
一例を図５に示す。この例では、電磁接触器は、開閉接
触部１と電磁石装置２とからなり、開閉接触部１は上部
ケース３の上側外部に設けられ、一端に固定接点４ａ、
他端に端子ねじ４ｂを有する２つのコ字状固体接触子４
が両固定接点４ａ，４ａを内側にして上部ケース３の上
面に取り付けられている。この相対する固定接触子４−
４の間には可動接触子支え５が上部ケース３と下部ケー
ス１３とからなる固定フレームに収納された電磁石装置
２の可動鉄心６にピン７により連結され上下方向へ滑動
自在にされている。可動接触子支え５には２つの固定接
触子４−４に取り付けられた固定接点４ａ−４ａ間を橋
絡可能とする可動接点８ａ−８ａを有する可動接触子８
が接触ばね９を介して取りつけられている。この固定接
触子４と可動接触子８とが形成する開閉接触部１は消孤
カバー１０により覆われる。上部ケース３と，下部ケー
ス１３とからなる固定フレームに収納される電磁石装置
２は、強磁性材からなる底板１６と，底板１６に固定さ
れてコイル１１が嵌め込まれ脚部鉄心１５と，脚部鉄心
１５の可動鉄心６側端面に固定されるポールピース１４
とからなり、この可動鉄心６がポールピース１４に吸
引，釈放されることにより可動接触子支え５が上下方向
に滑動する。
【０００３】このような構成において、コイル１１の励
磁を断ち、可動鉄心６を復帰ばね１２の力でポールピー
ス１４から釈放させると、可動接触子支え５は可動接点
８ａを固定接点４ａから引離し、電磁接触器を開成す
る。ここで再びコイル１１に通電し、ポールピース１４
が可動鉄心６を吸引すると、可動接点８ａは固定接点４
ａに接触し、電磁接触器を閉成する。
磁を断ち、可動鉄心６を復帰ばね１２の力でポールピー
ス１４から釈放させると、可動接触子支え５は可動接点
８ａを固定接点４ａから引離し、電磁接触器を開成す
る。ここで再びコイル１１に通電し、ポールピース１４
が可動鉄心６を吸引すると、可動接点８ａは固定接点４
ａに接触し、電磁接触器を閉成する。
【０００４】ところで、図５に示すような構造の電磁石
装置においては、コイル１１の励磁を断っても、鉄心内
の残留磁束によって吸引力が残り、復帰ばね１２の力に
よっても、可動鉄心６がポールピース１４から釈放しな
い問題が発生する可能性がある。そこで、従来は、図５
のように、可動鉄心６のポールピース１４と対向する側
の面６ａに、ステンレスなどの非磁性板２４をろう付け
や抵抗溶接などで接合し貼り付けることによりこの問題
を解決していた。
装置においては、コイル１１の励磁を断っても、鉄心内
の残留磁束によって吸引力が残り、復帰ばね１２の力に
よっても、可動鉄心６がポールピース１４から釈放しな
い問題が発生する可能性がある。そこで、従来は、図５
のように、可動鉄心６のポールピース１４と対向する側
の面６ａに、ステンレスなどの非磁性板２４をろう付け
や抵抗溶接などで接合し貼り付けることによりこの問題
を解決していた。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このように、
非磁性板を可動鉄心の磁極面に設けるようにすると、電
磁接触器の閉路動作終端でポールピースと可動鉄心磁極
面の非磁性板とが衝突し、この衝突の繰返しにより非磁
性板に変形が生じたり、損傷が生じたりする。そして、
これらの変形や損傷は、非磁性板が、防塵の目的で閉鎖
された固定フレーム内で電磁接触器の高頻度開閉動作に
より電磁石コイルから発生する熱による高温雰囲気中で
高頻度衝突による発熱を伴いながら使用されるために、
通常の開閉機器の場合と比べて生じやすい。このため、
変形や損傷を小さくするためには、非磁性板として厚み
の厚いものを用いる必要が生じるが、可動鉄心の吸引ス
トロークが小さいために、厚みの厚い非磁性板を用いる
と、ポールピース可動鉄心磁極面との間隔が広がり、所
要吸引力が得られなくなり、非磁性板の厚みにおのずか
ら限界が生じ、許容厚みは、電磁接触器の場合、０．５
ｍｍ前後以下である。このため、非磁性板を可動鉄心の
磁極面に固定するのに、上述のように、ろう付けや抵抗
溶接等の固定方法を用いてた。しかし、この方法では、
ろう材を構成する銀の単価が非常に高いことや、接合す
る際に炉が必要であったりして接合に時間がかかり、電
磁接触器のコストアップの要因となるという問題があっ
た。
非磁性板を可動鉄心の磁極面に設けるようにすると、電
磁接触器の閉路動作終端でポールピースと可動鉄心磁極
面の非磁性板とが衝突し、この衝突の繰返しにより非磁
性板に変形が生じたり、損傷が生じたりする。そして、
これらの変形や損傷は、非磁性板が、防塵の目的で閉鎖
された固定フレーム内で電磁接触器の高頻度開閉動作に
より電磁石コイルから発生する熱による高温雰囲気中で
高頻度衝突による発熱を伴いながら使用されるために、
通常の開閉機器の場合と比べて生じやすい。このため、
変形や損傷を小さくするためには、非磁性板として厚み
の厚いものを用いる必要が生じるが、可動鉄心の吸引ス
トロークが小さいために、厚みの厚い非磁性板を用いる
と、ポールピース可動鉄心磁極面との間隔が広がり、所
要吸引力が得られなくなり、非磁性板の厚みにおのずか
ら限界が生じ、許容厚みは、電磁接触器の場合、０．５
ｍｍ前後以下である。このため、非磁性板を可動鉄心の
磁極面に固定するのに、上述のように、ろう付けや抵抗
溶接等の固定方法を用いてた。しかし、この方法では、
ろう材を構成する銀の単価が非常に高いことや、接合す
る際に炉が必要であったりして接合に時間がかかり、電
磁接触器のコストアップの要因となるという問題があっ
た。
【０００６】本発明の目的は、非磁性板を磁極面に固定
することなく残留磁束の低減が可能であり、かつこの残
留磁束の低減を安価に達成できる電磁石装置の構造を提
供することである。
することなく残留磁束の低減が可能であり、かつこの残
留磁束の低減を安価に達成できる電磁石装置の構造を提
供することである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明においては、本発明が対象とした冒頭記載の
構成による電磁石装置すなわち、可動接触子を保持する
可動接触子支えに連結された可動鉄心を吸引する固定鉄
心が、これらの鉄心を収容する電磁接触器固定フレーム
の周壁下端面を閉鎖する底板に立設，固定される柱状の
脚部鉄心と，脚部鉄心の反底板側端部に固定されて可動
鉄心に吸引力を作用させるポールピースとを用いて構成
される電磁接触器の電磁石装置を、請求項１に記載のご
とく、固定鉄心の磁路の一部が遮断された装置とする。
に、本発明においては、本発明が対象とした冒頭記載の
構成による電磁石装置すなわち、可動接触子を保持する
可動接触子支えに連結された可動鉄心を吸引する固定鉄
心が、これらの鉄心を収容する電磁接触器固定フレーム
の周壁下端面を閉鎖する底板に立設，固定される柱状の
脚部鉄心と，脚部鉄心の反底板側端部に固定されて可動
鉄心に吸引力を作用させるポールピースとを用いて構成
される電磁接触器の電磁石装置を、請求項１に記載のご
とく、固定鉄心の磁路の一部が遮断された装置とする。
【０００８】具体的には、固定鉄心を、請求項２に記載
のごとく、底板に強磁性板を用いて構成し、磁路の遮断
位置を、脚部鉄心とポールピースとの間およびまたは脚
部鉄心と底板との間とするか、請求項３に記載のごと
く、底板に非磁性板を用いて底板と脚部鉄心との間に強
磁性板を挿入して固定鉄心を構成し、磁路の遮断位置を
脚部鉄心とポールピースとの間およびまたは脚部鉄心と
強磁性板との間およびまたは強磁性板内とする。
のごとく、底板に強磁性板を用いて構成し、磁路の遮断
位置を、脚部鉄心とポールピースとの間およびまたは脚
部鉄心と底板との間とするか、請求項３に記載のごと
く、底板に非磁性板を用いて底板と脚部鉄心との間に強
磁性板を挿入して固定鉄心を構成し、磁路の遮断位置を
脚部鉄心とポールピースとの間およびまたは脚部鉄心と
強磁性板との間およびまたは強磁性板内とする。
【０００９】そして、これら遮断位置での磁路の遮断
を、請求項４に記載のごとく、非磁性材によるコーティ
ング層あるいはめっき層で行うようにすれば極めて好適
である。なお、固定鉄心を非磁性板からなる底板と脚部
鉄心との間に強磁性板を挿入して構成するものでは、強
磁性板内での磁路の遮断は、請求項５に記載のごとく、
空隙により行うようにしてもよい。
を、請求項４に記載のごとく、非磁性材によるコーティ
ング層あるいはめっき層で行うようにすれば極めて好適
である。なお、固定鉄心を非磁性板からなる底板と脚部
鉄心との間に強磁性板を挿入して構成するものでは、強
磁性板内での磁路の遮断は、請求項５に記載のごとく、
空隙により行うようにしてもよい。
【００１０】
【作用】このように、固定鉄心の磁路の一部が遮断され
た電磁石装置とすることにより、電磁石コイルへの通電
停止後の鉄心内の残留磁束を固定鉄心磁路の遮断部で低
減することができる。これにより、磁極面に非磁性板を
接合する必要がなくなり、可動鉄心吸引時の衝突を可動
鉄心とポールピースとの直接衝突とすることができる。
可動鉄心，ポールピースともに材料にはコスト面から通
常、ＪＩＳ規格の構造用鋼材が用いられ、材質的に硬
く、またポールピースは厚みを十分厚くしても磁極面の
対向間隔は広がらないので必要な吸引力が保持され、ポ
ールピースを十分厚くして衝撃時の変形や損傷を防止す
ることができる。
た電磁石装置とすることにより、電磁石コイルへの通電
停止後の鉄心内の残留磁束を固定鉄心磁路の遮断部で低
減することができる。これにより、磁極面に非磁性板を
接合する必要がなくなり、可動鉄心吸引時の衝突を可動
鉄心とポールピースとの直接衝突とすることができる。
可動鉄心，ポールピースともに材料にはコスト面から通
常、ＪＩＳ規格の構造用鋼材が用いられ、材質的に硬
く、またポールピースは厚みを十分厚くしても磁極面の
対向間隔は広がらないので必要な吸引力が保持され、ポ
ールピースを十分厚くして衝撃時の変形や損傷を防止す
ることができる。
【００１１】そして、固定鉄心磁路の遮断位置を、底板
に強磁性板を用いて固定鉄心を構成する場合には、脚部
鉄心とポールピースとの間およびまたは脚部鉄心と底板
との間とし、底板に非磁性板を用いて底板と脚部鉄心と
の間に強磁性板を挿入して固定鉄心を構成する場合に
は、脚部鉄心とポールピースとの間およびまたは脚部鉄
心と強磁性板との間およびまたは強磁性板内とすること
により、遮断位置が固定鉄心の各構成部材の端部とな
り、磁路の遮断が部材への加工を必要とすることなく可
能となる。
に強磁性板を用いて固定鉄心を構成する場合には、脚部
鉄心とポールピースとの間およびまたは脚部鉄心と底板
との間とし、底板に非磁性板を用いて底板と脚部鉄心と
の間に強磁性板を挿入して固定鉄心を構成する場合に
は、脚部鉄心とポールピースとの間およびまたは脚部鉄
心と強磁性板との間およびまたは強磁性板内とすること
により、遮断位置が固定鉄心の各構成部材の端部とな
り、磁路の遮断が部材への加工を必要とすることなく可
能となる。
【００１２】そして、上記各位置での磁路の遮断を、非
磁性材によるコーティング層あるいはめっき層で行うよ
うにすることにより、固定鉄心の各構成部材表面にコー
ティング層あるいはめっき層を形成して磁路の遮断を行
うことができ、磁路の遮断を安価に行うことができる。
また、底板に非磁性板を用いて底板と脚部鉄心との間に
強磁性板を挿入して固定鉄心を構成する場合には、固定
鉄心磁路の遮断を、脚部鉄心を外れた位置で強磁性板を
分割して空隙により行うようにすれば、部材のコーティ
ングやめっきが不要となり、さらに安価に磁路の遮断を
行うことができる。
磁性材によるコーティング層あるいはめっき層で行うよ
うにすることにより、固定鉄心の各構成部材表面にコー
ティング層あるいはめっき層を形成して磁路の遮断を行
うことができ、磁路の遮断を安価に行うことができる。
また、底板に非磁性板を用いて底板と脚部鉄心との間に
強磁性板を挿入して固定鉄心を構成する場合には、固定
鉄心磁路の遮断を、脚部鉄心を外れた位置で強磁性板を
分割して空隙により行うようにすれば、部材のコーティ
ングやめっきが不要となり、さらに安価に磁路の遮断を
行うことができる。
【００１３】
【実施例】図１は本発明の第１の実施例による電磁石装
置の全体構造を示す断面図であり、図２はその固定鉄心
の斜視図を示す。これらの図において、図５と同一の部
材には同一符号を付して説明を省略する。これらの図に
おいて、固定鉄心は、ポールピース１４，脚部鉄心１５
およびＪＩＳ規格の構造用鋼板からなる底板１６で構成
されており、構造的には図５に示した従来品と基本的に
変わらない。しかし、ポールピース１４，脚部鉄心１５
および底板１５の少なくともいずれか１つには非磁性
材、例えばＣｕ，Ｚｎ等のめっき、または樹脂等のコー
ティングが施されている。これにより、これらの部材の
当接面には非磁性材の層が介在し、固定鉄心の磁路が遮
断されて磁気ギャップが形成され、従来のステンレス板
のような非磁性板を必要としない。そして、めっき層ま
たはコーティング層の厚さを、これら処理を施す部材に
より適宜に選定することにより、低コストで必要な残留
磁束低減効果を得ることができる。例えば、これらの処
理を脚部鉄心のみに施すようにすると、磁路の遮断位置
は脚部鉄心の両端面２個所となるか、電磁石コイル通電
中の全磁束は、底板側では脚部鉄心の周面からも多くの
割合が出入りするため、底板側の処理層はこの出入りを
妨げることが少なく、処理層の厚さは吸引力に大きい影
響を与えないが、ポールピース側ではポールピースの面
積が小さいために全磁束に近い磁束量が処理層を通過す
るので、処理層を薄くして吸引力を確保する必要があ
る。しかし、電磁石コイルへの通電停止後の残留磁束は
磁束量が小さいために全磁束が底板側とポールピース側
の端面を通過するようになり、残留磁束の低減が脚部鉄
心の両面で行われ、処理層を厚くせずとも残留磁束を効
果的に低減させることができる。処理層が薄いと、めっ
き層ではめっき時間が少なくてすみ、またコーティング
層では樹脂等の塗布回数が少なくてすむので、処理コス
トが低減する。
置の全体構造を示す断面図であり、図２はその固定鉄心
の斜視図を示す。これらの図において、図５と同一の部
材には同一符号を付して説明を省略する。これらの図に
おいて、固定鉄心は、ポールピース１４，脚部鉄心１５
およびＪＩＳ規格の構造用鋼板からなる底板１６で構成
されており、構造的には図５に示した従来品と基本的に
変わらない。しかし、ポールピース１４，脚部鉄心１５
および底板１５の少なくともいずれか１つには非磁性
材、例えばＣｕ，Ｚｎ等のめっき、または樹脂等のコー
ティングが施されている。これにより、これらの部材の
当接面には非磁性材の層が介在し、固定鉄心の磁路が遮
断されて磁気ギャップが形成され、従来のステンレス板
のような非磁性板を必要としない。そして、めっき層ま
たはコーティング層の厚さを、これら処理を施す部材に
より適宜に選定することにより、低コストで必要な残留
磁束低減効果を得ることができる。例えば、これらの処
理を脚部鉄心のみに施すようにすると、磁路の遮断位置
は脚部鉄心の両端面２個所となるか、電磁石コイル通電
中の全磁束は、底板側では脚部鉄心の周面からも多くの
割合が出入りするため、底板側の処理層はこの出入りを
妨げることが少なく、処理層の厚さは吸引力に大きい影
響を与えないが、ポールピース側ではポールピースの面
積が小さいために全磁束に近い磁束量が処理層を通過す
るので、処理層を薄くして吸引力を確保する必要があ
る。しかし、電磁石コイルへの通電停止後の残留磁束は
磁束量が小さいために全磁束が底板側とポールピース側
の端面を通過するようになり、残留磁束の低減が脚部鉄
心の両面で行われ、処理層を厚くせずとも残留磁束を効
果的に低減させることができる。処理層が薄いと、めっ
き層ではめっき時間が少なくてすみ、またコーティング
層では樹脂等の塗布回数が少なくてすむので、処理コス
トが低減する。
【００１４】図３は本発明の第２の実施例による電磁石
装置の全体構造を示す断面図であり、図４は固定鉄心部
の構造を示す斜視図である。この実施例では、底板１６
をステンレスからなる非磁性板とし、底板１６と脚部鉄
心１５との間に強磁性板２５が挿入されている。強磁性
板２５は両脚部鉄心１５，１５の中間位置で２分割さ
れ、ここで固定鉄心の磁路が遮断される。具体的な遮断
方法は、２枚の強磁性板２５ａ，２５ａを、この両者の
間に小空隙が形成されるようにねじ２３を用いて底板１
６とともに脚部鉄心１５に共締めするか、強磁性板２５
ａ，２５ａの少なくとも一方にめっきあるいはコーティ
ング処理を施し、両者を突き合わせて底板１６とともに
脚部鉄心１５に共締めする。
装置の全体構造を示す断面図であり、図４は固定鉄心部
の構造を示す斜視図である。この実施例では、底板１６
をステンレスからなる非磁性板とし、底板１６と脚部鉄
心１５との間に強磁性板２５が挿入されている。強磁性
板２５は両脚部鉄心１５，１５の中間位置で２分割さ
れ、ここで固定鉄心の磁路が遮断される。具体的な遮断
方法は、２枚の強磁性板２５ａ，２５ａを、この両者の
間に小空隙が形成されるようにねじ２３を用いて底板１
６とともに脚部鉄心１５に共締めするか、強磁性板２５
ａ，２５ａの少なくとも一方にめっきあるいはコーティ
ング処理を施し、両者を突き合わせて底板１６とともに
脚部鉄心１５に共締めする。
【００１５】
【発明の効果】本発明においては、電磁接触機の電磁石
装置を以上の構造のものとしたので、以下に記載する効
果が得られる。請求項１記載の構造では、本発明が対象
とした、冒頭記載の構成による電磁石装置を、固定鉄心
の磁路の一部が遮断されている装置としたので、電磁石
コイルの励磁遮断後に電磁石の鉄心内に残る残留磁束の
低減が固定鉄心磁路中の遮断部で行われ、磁極面に非磁
性板を接合する必要がなくなり、可動鉄心吸引時の衝突
を可動鉄心とポールピースとの直接衝突とすることがで
き、ポールピースの厚さを自由に厚くすることができる
ため、磁極面の変形や損傷が生じない電磁石装置とする
ことができた。
装置を以上の構造のものとしたので、以下に記載する効
果が得られる。請求項１記載の構造では、本発明が対象
とした、冒頭記載の構成による電磁石装置を、固定鉄心
の磁路の一部が遮断されている装置としたので、電磁石
コイルの励磁遮断後に電磁石の鉄心内に残る残留磁束の
低減が固定鉄心磁路中の遮断部で行われ、磁極面に非磁
性板を接合する必要がなくなり、可動鉄心吸引時の衝突
を可動鉄心とポールピースとの直接衝突とすることがで
き、ポールピースの厚さを自由に厚くすることができる
ため、磁極面の変形や損傷が生じない電磁石装置とする
ことができた。
【００１６】請求項２記載の構造では、底板に強磁性板
を用いて固定鉄心を構成し、磁路の遮断位置を脚部鉄心
とポールピースとの間およびまたは脚部鉄心と底板との
間とし、請求項３記載の構造では、底板に非磁性板を用
いて底板と脚部鉄心との間に強磁性板を挿入して固定鉄
心を構成し、磁路の遮断位置を脚部鉄心とポールピース
との間およびまたは脚部鉄心と強磁性板との間およびま
たは強磁性板内としたので、遮断位置が固定鉄心の各構
成部材の端部となり、磁路の遮断が部材への加工を必要
とすることなく可能となり、磁路の遮断を安価に行うこ
とができた。
を用いて固定鉄心を構成し、磁路の遮断位置を脚部鉄心
とポールピースとの間およびまたは脚部鉄心と底板との
間とし、請求項３記載の構造では、底板に非磁性板を用
いて底板と脚部鉄心との間に強磁性板を挿入して固定鉄
心を構成し、磁路の遮断位置を脚部鉄心とポールピース
との間およびまたは脚部鉄心と強磁性板との間およびま
たは強磁性板内としたので、遮断位置が固定鉄心の各構
成部材の端部となり、磁路の遮断が部材への加工を必要
とすることなく可能となり、磁路の遮断を安価に行うこ
とができた。
【００１７】請求項４記載の構造では、磁路の一部を遮
断する非磁性コーティング層あるいはめっき層を、固定
鉄心の各構成部材表面のコーティング処理あるいはめっ
き処理により形成することができるので、磁路の遮断を
安価に行うことができた。請求項５記載の構造では、固
定鉄心を、非磁性の底板と強磁性の脚部鉄心との間に強
磁性板を挿入して構成して強磁性板内に固定鉄心磁路の
遮断位置を設ける場合に遮断位置で強磁性板を２分割し
て空隙を形成し、この空隙で磁路の遮断を行うようにし
たので、部材へのコーティングやめっきが不要となり、
さらに安価に磁路の遮断を行うことができた。
断する非磁性コーティング層あるいはめっき層を、固定
鉄心の各構成部材表面のコーティング処理あるいはめっ
き処理により形成することができるので、磁路の遮断を
安価に行うことができた。請求項５記載の構造では、固
定鉄心を、非磁性の底板と強磁性の脚部鉄心との間に強
磁性板を挿入して構成して強磁性板内に固定鉄心磁路の
遮断位置を設ける場合に遮断位置で強磁性板を２分割し
て空隙を形成し、この空隙で磁路の遮断を行うようにし
たので、部材へのコーティングやめっきが不要となり、
さらに安価に磁路の遮断を行うことができた。
【図１】本発明の第１の実施例による電磁石装置の全体
構造を示す断面図
構造を示す断面図
【図２】図１に示した電磁石装置の要部構造を示す斜視
図
図
【図３】本発明の第２の実施例による電磁石装置の全体
構造を示す断面図
構造を示す断面図
【図４】図３に示した電磁石装置の要部構造を示す斜視
図
図
【図５】従来例による電磁石装置の全体構造を示す断面
図
図
【符号の説明】１ 開閉接触部２ 電磁石装置 ４ 固定接触子 ５ 可動接触子支え ６ 可動鉄心 ７ ピン ８ 可動接触子 １１ コイル １２ 復帰ばね １４ ポールピース １５ 脚部鉄心 １６ 底板 １７ 固定鉄心 １８ 非磁性板 １９ 非磁性板 ２０ ねじ ２１ 非磁性板 ２２ 非磁性板 ２４ 非磁性板 ２５ 強磁性板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−136148（ＪＰ，Ａ) 特開 平２−10621（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−171023（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) H01H 50/00 - 50/92
Claims (5)
- 【請求項１】可動接触子を保持する可動接触子支えに連
結された可動鉄心を吸引する固定鉄心が、これらの鉄心
を収容する電磁接触器固定フレームの周壁下端面を閉鎖
する底板に立設，固定される柱状の脚部鉄心と，脚部鉄
心の反底板側端部に固定されて可動鉄心に吸引力を作用
させるポールピースとを用いて構成される電磁接触器の
電磁石装置において、固定鉄心の磁路の一部が遮断され
ていることを特徴とする電磁接触器の電磁石装置。 - 【請求項２】請求項１に記載のものにおいて、磁路の一
部が遮断された固定鉄心は、底板に強磁性板を用いて構
成され、磁路の遮断位置を脚部鉄心とポールピースとの
間およびまたは脚部鉄心と底板との間としていることを
特徴とする電磁接触器の電磁石装置。 - 【請求項３】請求項１に記載のものにおいて、磁路の一
部が遮断された固定鉄心は、底板に非磁性板を用いると
ともに底板と脚部鉄心との間に強磁性板を挿入して構成
され、磁路の遮断位置を脚部鉄心とポールピースとの間
およびまたは脚部鉄心と強磁性板との間およびまたは強
磁性板内としていることを特徴とする電磁接触器の電磁
石装置。 - 【請求項４】請求項１，２，３のいずれかの項に記載の
ものにおいて、固定鉄心の磁路の一部の遮断は、非磁性
材によるコーティング層またはめっき層により行ってい
ることを特徴とする電磁接触器の電磁石装置。 - 【請求項５】請求項３に記載のものにおいて、強磁性板
内に遮断部が位置する固定鉄心磁路の遮断は空隙により
行っていることを特徴とする電磁接触器の電磁石装置。
Priority Applications (5)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13902295A JP3166559B2 (ja) | 1994-10-25 | 1995-06-06 | 電磁接触器の電磁石装置 |
| TW084109677A TW312797B (ja) | 1994-10-25 | 1995-09-15 | |
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| KR1019950036566A KR100324157B1 (ko) | 1994-10-25 | 1995-10-23 | 전자접촉기용전자석장치 |
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| JP25860994 | 1994-10-25 | ||
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| CN100380554C (zh) * | 2003-11-27 | 2008-04-09 | 南京全栋电器开关有限公司 | 无噪声低功耗电压控制交直流接触器 |
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| US7061352B2 (en) * | 2004-01-26 | 2006-06-13 | Tzo-Ing Lin | Noise-free low-power consumption wide voltage range DC and AC contactor and remote telephone control system using the same |
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| JP4931983B2 (ja) * | 2009-10-27 | 2012-05-16 | 三菱電機株式会社 | スタータ用電磁スイッチ装置 |
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| KR101513207B1 (ko) * | 2013-11-08 | 2015-04-17 | 엘에스산전 주식회사 | 전자접촉기 |
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| CN110942955B (zh) * | 2018-09-21 | 2022-02-18 | 贵州振华群英电器有限公司（国营第八九一厂） | 一种可增大初始吸力平衡力式继电器磁路结构 |
| KR102427376B1 (ko) * | 2018-10-25 | 2022-07-29 | 미쓰비시덴키 가부시키가이샤 | 전자석, 전자 개폐기, 및 전자석의 제조 방법 |
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| KR940002670B1 (ko) * | 1990-04-27 | 1994-03-28 | 미쯔비시 덴끼 가부시끼가이샤 | 전자 스위치 장치 |
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- 1995-10-05 US US08/539,351 patent/US5680083A/en not_active Expired - Lifetime
- 1995-10-23 KR KR1019950036566A patent/KR100324157B1/ko not_active IP Right Cessation
- 1995-10-25 CN CN95117652A patent/CN1045027C/zh not_active Expired - Fee Related
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