JP3166396B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JP3166396B2
JP3166396B2 JP8753693A JP8753693A JP3166396B2 JP 3166396 B2 JP3166396 B2 JP 3166396B2 JP 8753693 A JP8753693 A JP 8753693A JP 8753693 A JP8753693 A JP 8753693A JP 3166396 B2 JP3166396 B2 JP 3166396B2
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pressure
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気信号によって圧力
発生素子に圧力が発生し、この圧力によってインク滴を
飛翔させ、記録紙等の被記録材上にインク像を形成する
プリンタ等の画像記録装置に関し、更に詳細にはインク
ジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録装置は、ノンインパ
クトで低騒音、多色インクの使用によりカラー出力も可
能といった特徴を有し、近年急速に普及している。この
インクジェット記録装置は、各々印画、印字に適した記
録特性、例えば吸湿性やにじみ性を持つ用紙やOHPシ
ートを推奨する被記録材として指定しており、それ以外
の被記録材には、品質が異なるといった課題を有してい
た。例えば、PPC用紙でも再生紙はにじみ易くドット
径も大きくなる、又専用紙でも表面に塗工されたコート
材の種類によってドット径は異なる、更にOHPシート
はにじみにくく、ドット径が小さくなる等の傾向があっ
た。
【0003】上記課題に対して、例えば特開昭57−1
38950号公報では、被記録材の記録特性に応じて、
印加電圧を制御することでノズル径を制御し、インク吐
出量を制御するといった技術が考案されている。また、
特開平2−3327号公報及び特開平4−33470号
公報では、被記録材のにじみ率を検知する手段または、
被記録材の種類を識別する手段を有し、検知及び識別結
果によって補正パラメータの変更を行い、カラー出力時
のマスキング係数を切り換える技術が考案されている。
また、特開平3−248851号公報では、被記録材の
種類に応じてインクジェットヘッドと被記録材のギャッ
プを変化させ、インク滴の被記録材に付着する時の速度
を制御することでドット径を制御するといった技術が考
案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
57−138950号公報に開示される技術では、イン
ク吐出量を制御するために、複数の制御電源を用いる、
又は増幅回路を構成する必要がありコストアップにつな
がる、或は制御数に限界があるといった課題を有してい
た。更に印加電圧を制御しノズル径を変動した場合、イ
ンク吐出量と共に吐出速度も変動するため、例えば双方
行駆動時に印字品質に影響を及ぼすといった課題も有し
ていた。また、特開平2−3327号公報及び特開平4
−33470号公報に開示される技術では、ドット径で
の制御が不可能なために特に低濃度部分に於いて吸湿性
やにじみ性に対して完全に対応できない、更には単色印
字等への適用が出来ないといった課題を有していた。特
開平3−248851号公報に開示される技術では、ギ
ャップを大きくすることで付着時の速度は低下するもの
の、インク滴の飛翔安定性が低下する、或は被記録材へ
の記録位置精度が低下する等といった課題がある。
【0005】本発明はこうした課題を解決するもので、
その目的は複数の電源等を用いる事なく、低コストで一
定のインク吐出速度を維持しながらインク吐出量を制御
するものであり、それによって被記録材の記録特性に合
致したドット径が得られ、如何なる被記録材にも優れた
品質で印画、印字可能なインクジェット記録装置を提供
するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
ヘッド記録装置は、インクを吐出するノズルと、これに
連通する圧力室と、前記圧力室に圧力を発生させる圧力
発生素子と、前記圧力発生素子に電圧を印加する電圧印
加手段を有するインクジェットヘッドを用いるインクジ
ェット記録装置に於て、前記圧力室の容積を拡大してイ
ンクを圧力室に充填する第1の段階と、前記圧力室の容
積を収縮してインクを吐出する第2の段階を有し、被記
録材の被記録材の記録特性に応じて、前記第1の段階に
おける圧力室の容積拡大速度を任意に可変させることを
特徴とする。
【0007】また、前記電圧印加手段が定電圧であっ
て、前記被記録材の記録特性に応じて、前記圧力発生素
子を駆動する電圧印加電圧の立ち下がり時間或は、立ち
上がり時間を可変することによって前記第1の段階にお
ける圧力室の容積拡大速度を変化させる手段を有するこ
とを特徴とする。
【0008】
【作用】本発明のインクジェット記録装置は、印加電圧
を変化させずに、インク吐出速度を変化させることな
く、インク吐出量だけを自在に可変することによって、
被記録材の記録特性に合致したドット径が得られ、如何
なる被記録材にも優れた品質での印画、印字可能なイン
クジェット記録装置を低コストで提供できる。
【0009】
【実施例】以下に本発明の実施例の詳細を図面を参照し
て説明する。
【0010】まず、印加電圧を変化させずに、インク吐
出速度を一定に保ちながら、インク吐出量だけを自在に
可変する駆動実施例について説明する。
【0011】図1は、本発明の実施例を示すインクジェ
ットヘッドの構造説明図である。
【0012】図1に示す2は、複数のノズル1を形成し
たノズル形成基板である。ノズル1の開口面積とノズル
形成基板2の厚さは、インク吐出特性に大きな影響を及
ぼす。ノズル1の形成方法としては精密プレス法、ニッ
ケルの電鋳法、または、シリコンウエハのエッチング加
工等が挙げられ高精度に形成することができる。このノ
ズル形成基板2と貼り合わされる流路基板3は、圧力室
4、セグメントインク供給路5、共通インク室6、及び
インク供給パイプ7の連通口を形成して成る部材であ
る。流路基板3がノズル形成基板2と貼り合わされる際
は、吐出効率を高めるためにノズル1が圧力室4の中央
部に位置するように接合する必要がある。こうして形成
される圧力室4、セグメントインク供給路5、共通イン
ク室6には、インクが満たされる。
【0013】流路基板3の底面には、ベース基板8上に
配列される圧力発生素子10が、それぞれの圧力室4に
対応して接合される。図1に示す、圧力発生素子10
に、駆動回路27からのセグメント信号25と、共通信
号26が印加されると、圧力室4の容積が減少し圧力が
高められ、ノズル1からインクを吐出する。
【0014】図2(a)及び(b)はインクジェットヘ
ッドを駆動する電圧波形と圧力発生素子の変位挙動を示
す関係図である。
【0015】図3(a)は圧力室の容積が収縮している
状態、(b)は圧力室の容積が拡大している状態を示す
説明図である。ノズル1にはインクの表面張力によって
メニスカス17が形成されている。圧力発生素子10
は、電圧が印加されると、図3(a)に示すように矢印
δの変位方向に膨張し、圧力室の容積を収縮させ、一方
電圧が印加されていない状態では図3(b)に示すよう
に定常状態になり、圧力室の容積を相対的に拡大させ
る。
【0016】図2(a)に於て、電圧波形21の立ち下
がり(放電)時間T1と、立ち上がり(充電)時間T2
が、圧力発生素子の固有振動周期Taより小さい場合、
圧力発生素子10の変位挙動22は、過度的な振動挙動
を示す。このような場合、圧力室4内に残留振動が発生
し、図3に示すメニスカス17が振動することによって
インクの吐出が不安定になってしまう。しかしながら、
図2(b)に示すように、圧力発生素子10に印加され
る電圧波形21の立ち下がり時間T1と、立ち上がり時
間T2を、圧力発生素子10の固有振動周期Taより大
きく設定することによって、圧力発生素子10は過度的
な振動挙動を示さなくなるので、圧力室4、及びメニス
カス17も残留振動を発生しなくなり、インクの吐出を
安定的に維持することができる。
【0017】図3に示した圧力発生素子10とは逆に、
電圧が印加されることによって収縮し、圧力室4の容積
を拡大させ、一方電圧が印加されていない状態では定常
状態になり、圧力室4の容積を相対的に収縮する特性を
有する圧力発生素子10を用いた場合は、図2に示す電
圧波形21と変位挙動22は上下に反転するが、本質的
なT1、T2とTaの関係は同様であり、T1、T2≧
Taの関係を有することによってインクの吐出を安定的
に維持することができる。
【0018】尚、圧力発生素子10の固有振動周期Ta
は、式1のように示される。
【0019】
【数1】
【0020】ここで、Lは図3に示す圧力発生素子10
の変位方向の長さ、ρは圧力発生素子10の密度、Eは
圧力発生素子10のヤング率、λは振動モードによって
異なる圧力発生素子10の振動数係数であり、図3に示
すように一端固定の縦振動を用いた圧力発生素子10に
於ては1.875である。
【0021】このように、Taは圧力発生素子10の形
状と物理定数から比較的容易に決定でき、T1、T2
も、Taに対して大きくとることで安定したインクの吐
出が可能となる。
【0022】図4は本発明のインクジェット記録装置の
駆動に際しての電圧波形21と圧力室内の容積変化挙動
23、及びメニスカスレベル24の挙動を示す関係図で
ある。
【0023】図5は、本発明の実施例を説明するインク
ジェットヘッドの部分拡大図である。図5に於て図1及
び図3に示される圧力発生素子10は、より具体的な積
層圧電素子20として示されている。この積層圧電素子
20は、セグメント電極15と圧電材料層13と共通電
極16によって構成され、電圧を印加することで積層方
向に膨張し(d33効果)、積層方向と直行方向に収縮す
る(d31効果)特性を有している。
【0024】以下に図4及び図5を参照して、d33効果
を用いたインクジェット記録装置の基本駆動方法を説明
する。
【0025】時間t0〜t1は定常状態である。図4に示
されるように、この状態において、電圧レベルはVhに
あるので、図5に示す積層圧電素子20は、破線Aに示
すような変形挙動を示しており、圧力室4の容積変化2
3は、相対的に圧力室4の容積が収縮した状態であるC
0のレベルにある。また、図4に示すメニスカスレベル
24はインクの表面張力によって保持される定常レベル
M0に維持されている。
【0026】時間t1〜t2は、本インクジェット記録装
置の駆動方法の第1の工程である。図4に示すようにこ
の状態において、電圧波形21はVLに示すレベルまで
立ち下がり時間T1で放電され、圧力室4の容積変化2
3はC1のレベルまで変化し、圧力室4の容積を拡大
し、圧力室4内の圧力を減圧する。この時、メニスカス
17は圧力室4内部方向へ、図4に示すメニスカスレベ
ル24はM1に示すレベルまで引き込まれる。
【0027】時間t2〜t3は本インクジェット記録装置
の駆動方法の第2の工程である。図4に示されるよう
に、この状態において、電圧波形21はVLに示すレベ
ルに維持されるので、圧力室4の容積変化23も圧力室
の容積を拡大した状態であるC1のレベルに維持され
る。この時、圧力室4内にはノズル1方向に向かうイン
クの慣性流れが発生し、メニスカス17は定常レベルM
0に戻ろうとする。
【0028】時間t3〜t4は本インクジェット記録装置
の駆動方法の第3の工程である。図4に示されるよう
に、この状態において、電圧波形21は再びVhに示す
レベルまで、立ち上がり時間T2で充電され、圧力室4
の容積変化23をC0のレベルまで変化させ、圧力室4
の容積を収縮し、圧力室4内を加圧するので、メニスカ
ス17はインク吐出方向へ強く押し出され、インク滴が
飛翔する。この時のインク吐出量は、ほぼ図4に示す斜
線部Sの面積に相当する。
【0029】以上のように、時間t1〜t4の3工程によ
って本インクジェット記録装置の基本駆動方法は構成さ
れている。
【0030】しかしながら、第1の工程と第3の工程に
おいて、図4の破線31に示されるように、電圧波形の
立ち下がり時間T1と立ち上がり時間T2が圧力室に満
たされるインクの固有振動周期Tcより小さい場合は、
破線33に示す圧力室4の体積変化のように振動的な挙
動を発生し、破線34に示すようなメニスカスレベルの
乱れが発生しインク吐出を不安定にする要因となる。す
なわち、図4に示す電圧波形21の様に、T1、T2≧
Tcの関係を有する場合は、インクの吐出を安定的に維
持し、高印字品質を実現することができる。
【0031】また、d31効果を用いたインクジェットヘ
ッドの駆動方法については、図4に示す電圧波形21の
み上下に反転するが、本質的なT1、T2とTcの関係
はd33効果を用いた場合と同様であり、T1、T2≧T
cの関係を有することによって高印字品質を実現するこ
とが可能である。
【0032】圧力室4に満たされるインクの固有振動周
期Tcは、式2のように示される。
【0033】
【数2】
【0034】ここで、Mnはノズル1のイナータンス、
Miはインク供給路のイナータンス、Ciはインクのコ
ンプライアンス、Ccは圧力室4のコンプライアンスで
ある。
【0035】また、Mn、Mi、Ci、Ccは以下のよ
うに式3から式6によって定義されている。
【0036】
【数3】
【0037】ここで、ρはインクの密度、S(x)は図5
に示すノズル形成基板2の厚さXに於けるノズルの断面
積、kはノズル形状によって決定される非定常解を考慮
した比例定数である。
【0038】
【数4】
【0039】ここで、ρはインクの密度、S(l)は図5
に示すインク供給路長さlに於ける供給路の断面積、k
は供給路形状によって決定される非定常解を考慮した比
例定数、nはノズルに対する供給路の数(本実施例にお
いては2)である。
【0040】
【数5】
【0041】ここで、vは圧力室4の体積、ρはインク
の密度、cはインクの音速である。
【0042】
【数6】
【0043】ここで、ΔVは単位圧力あたりの圧力室の
変形体積、P0は単位圧力である。
【0044】このように決定されるインクの固有振動周
期Tcが小さい程、インクの吐出間隔を狭めることで、
高速印字が可能となる。
【0045】また、図5に示すベース基板8は、剛体で
あることが理想であり、具体的には音響インピーダンス
(ヤング率×比重)が大きいことが望ましい。よって、
図5に示すように、積層圧電素子20の一端が、積層圧
電素子20のヤング率と比重に対して同等以上のヤング
率と比重を有するベース基板8に保持することによっ
て、圧力室4に対して効率よく圧力を伝達することがで
きる。
【0046】図6は、本発明の実施例によるインクジェ
ット記録装置の駆動方法を説明する立ち下がり時間(放
電時間)T1に対するインク吐出速度50とインク吐出
量60の特性図である。
【0047】 図7は、本発明の実施例によるインクジ
ェット記録装置の駆動方法を説明する立ち下がり時間
(放電時間)T1に対するインク滴の飛翔形態を示すモ
デル図である。尚、この図は積層圧電素子20に電圧が
印加されてから一定の時間が経過した状態を示してい
る。
【0048】立ち下がり時間(放電時間)T1は最低T
aより、大きい事が前提であるが、図6に示す領域Iの
ようにT1だけを可変することによってインク吐出速度
50を変化させることなくインク吐出量60だけを変化
させることができる。
【0049】具体的には図7に示すように立ち下がり時
間T1が、8(μs)〜20(μs)まで変化し、圧力
室4の拡大速度を変化させることによって、インク吐出
速度50を変化させることなくインク吐出量だけを増減
させることができる。インク吐出速度50は、むしろ圧
力室4の容積収縮速度に相関があり、圧力室4の容積拡
大速度は圧力室4へインクを供給する量(慣性流れ量)
に相関があることが実験で確認されている。被記録材上
に転写されるドット径はインク吐出量の3乗根に比例す
ると仮定すれば、例えばインク量を8倍変化させること
によって、ドット径を2倍変化させることができる。本
発明のインクジェット記録装置の特徴はこうした現象を
積極的に利用して、駆動回路が発生する印加電圧を変え
ることなく、インク吐出量を制御するものである。
【0050】次に被記録材の記録特性を把握する手段に
ついて説明する。手段としては、例えば像形成に先立っ
て被記録材の画像記録領域外に孤立ドットのテストプリ
ントを行い、そのドット径を装置内に設けた発行素子で
照明し、CCDセンサ等の受光素子アレイで測定するこ
とで対応が可能である。
【0051】また例えば被記録材を記録装置に補充し、
記録を行う前の時点で、図8(a)〜(c)に示すよう
に、先に説明した駆動方法によりベタパターンをドット
径の異なるように複数パターン印画させ、適切なドット
径となる条件を使用者に設定させる事でも対応が可能で
ある。具体的には、記録装置の解像度当りの単位長さY
に対して、(a)の様にドット径28が小さい場合は、
ベタパターンでの被覆不良が発生し好ましくない。ま
た、(c)の様にドット径28が大きすぎる場合は、特
にベタパターンでのインク乾燥不良や文字等での太りに
よる品質不良につながる。概ね(b)の状態の様に被覆
不良が無くなった状態が好ましい。
【0052】また更には記録装置内に予め各被記録材に
適したドット径となるような条件を記録させ、使用者が
設定することでの対応も可能である。
【0053】図9は、本発明の実施例によるインクジェ
ット記録装置を説明する駆動回路の部分説明図である。
Tr1からTr3は立ち下がり時間(放電時間)T1の
大きさを制御するトランジスタである。Tr0がONで
あり、Tr1からTr4がすべてOFFであれば、電流
Ic1が流れ、積層圧電素子20に電流が流れる。この
時、抵抗素子R0と積層圧電素子20の静電容量値によ
って決定される立ち上がり時間(充電時間)T2にて積
層圧電素子20に、電荷が充電される。その後、Tr0
がOFFになり、Tr1からTr4のいずれかがONに
なると、電流Ic2が流れて、積層圧電素子20に充電さ
れた電荷が放電される。Tr1〜Tr4のON、OFF
制御は先に説明した被記録材の記録特性結果によって、
圧力室容積拡大速度可変回路29によって決定される。
具体的にR1からR4が同じ特性の抵抗素子であり、T
r1だけがONで、Tr2、Tr3、Tr4がOFFの
ときの立ち下がり時間T1を4とすると、Tr1とTr
2だけをONにすれば、立ち下がり時間T1は2にな
り、Tr1からTr4をすべてONにすれば立ち下がり
時間T1は1になる。こうした駆動回路によって、立ち
下がり時間T1を容易に設定することができる。
【0054】以上にわたり、被記録材の記録特性に応じ
て圧力室の容積拡大速度を任意に可変させることで、印
加電圧及びインク吐出速度を変化させることなく、イン
ク吐出量だけを自在に可変させ、被記録材の記録特性に
合致したドット径が得られるインクジェット記録装置に
ついて説明したが、本インクジェット記録装置は単色記
録の他、カラー記録にも適用できる。
【0055】
【発明の効果】以上説明して明らかな様に本発明のイン
クジェット記録装置は、被記録材の記録特性に応じて前
記第1の段階における圧力室の容積拡大速度を任意に可
変させることで、印加電圧及びインク吐出速度を変化さ
せることなく、インク吐出量だけを自在に可変すること
によって、被記録材の記録特性に合致したドット径が得
られ、如何なる被記録材にも優れた品質での印画、印字
可能なインクジェット記録装置を低コストで提供できる
効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット記録装置のヘッド要部
を示す構造説明図である。
【図2】本発明のインクジェット記録装置のヘッドを駆
動する電圧波形と圧力発生素子の変位挙動を示す関係図
である。
【図3】本発明のインクジェット記録装置のヘッドに於
て、(a)は圧力室の容積が収縮している状態、(b)
は圧力室の容積が拡大している状態を示す説明図であ
る。
【図4】本発明のインクジェット記録装置のヘッドを駆
動する電圧波形と圧力室内の体積変化挙動、及びメニス
カス挙動を示す関係図である。
【図5】本発明の実施例を示すヘッド要部の拡大図であ
る。
【図6】本発明の実施例による第1のインクジェットヘ
ッド駆動方法を説明する立ち下がり時間(放電時間)T
1に対するインク吐出速度とインク吐出量の特性図であ
る。
【図7】 本発明の実施例による第1のインクジェット
ヘッド駆動方法を説明する立ち下がり時間(放電時間)
T1に対するインク滴の飛翔形態を示すモデル図であ
る。
【図8】(a)から(c)は本発明の実施例におけるド
ット転写状態を説明する概略図である。
【図9】本発明の実施例によるインクジェットヘッド駆
動方法を説明する駆動回路の部分説明図である。
【符号の説明】
1 ノズル 2 ノズル形成基板 3 流路基板 4 圧力室 8 ベース基板 10 圧力発生素子 20 積層圧電素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/045 B41J 2/055 B41J 2/205

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを吐出するノズルと、これに連通
    する圧力室と、前記圧力室に圧力を発生させる圧力発生
    素子と、前記圧力発生素子に電圧を印加する電圧印加手
    段を有するインクジェットヘッドを用いるインクジェッ
    ト記録装置において、 前記圧力室の容積を拡大してインクを圧力室に充填する
    第1の段階と、前記圧力室の容積を収縮してインクを吐
    出する第2の段階を有し、被記録材の記録特性に応じ
    て、前記第1の段階における圧力室の容積拡大速度を任
    意に可変させることを特徴とするインクジェット記録装
    置。
  2. 【請求項2】 前記電圧印加手段が定電圧であって、前
    記被記録材の記録特性に応じて、前記圧力発生素子を駆
    動する電圧印加電圧の立ち下がり時間或は、立ち上がり
    時間を可変することによって前記第1の段階における圧
    力室の容積拡大速度を変化させる手段を有することを特
    徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置。
JP8753693A 1993-04-14 1993-04-14 インクジェット記録装置 Expired - Lifetime JP3166396B2 (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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