JP2003334949A - 液体噴射ヘッドの固有振動周期測定方法、及び固有振動周期測定装置、並びに、液体噴射ヘッド、及び液体噴射装置 - Google Patents

液体噴射ヘッドの固有振動周期測定方法、及び固有振動周期測定装置、並びに、液体噴射ヘッド、及び液体噴射装置

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JP2003334949A JP2002359286A JP2002359286A JP2003334949A JP 2003334949 A JP2003334949 A JP 2003334949A JP 2002359286 A JP2002359286 A JP 2002359286A JP 2002359286 A JP2002359286 A JP 2002359286A JP 2003334949 A JP2003334949 A JP 2003334949A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡便で精度良く測定できる固有振動周期測定
方法を提供する。 【解決手段】 圧力室内の液体に圧力振動を励起させる
励振要素、及び、該励振要素よりも後に発生されてノズ
ル開口からインク滴を吐出させる吐出要素とを含み、励
振要素から吐出要素までの時間間隔を第1時間間隔に設
定した第1評価パルスと時間間隔を第1時間間隔よりも
長い第2時間間隔に設定した第2評価パルスとを圧電振
動子へ供給することで、第1評価パルスTP1に対応す
る第1インク量量IwSと第2評価パルスTP2に対応
する第2インク量IwLとを測定し、測定された第1イ
ンク量と第2インク量からインク量比を取得する。この
インク量比に基づき、圧力室内のインクに関する固有振
動周期を決定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット式
記録装置、ディスプレー製造装置、電極形成装置、或い
は、バイオチップ製造装置等に用いられ、各種の液体を
液滴として吐出可能な液体噴射ヘッドに係り、圧力室内
に収容された液体の固有振動周期を測定する方法及び装
置、並びに、測定された固有振動周期に基づいて駆動信
号の波形を定める液体噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液体を液滴の状態で吐出可能な液体噴射
ヘッドを有する液体噴射装置としては、例えば、インク
滴を吐出して記録紙上に画像等を記録する画像記録装
置、液状の電極材を基板上に吐出して電極を形成する電
極形成装置、生体試料を吐出してバイオチップを製造す
るバイオチップ製造装置、或いは、所定量の試料を容器
に吐出するマイクロピペットが提案されている。
【0003】上記の液体噴射ヘッドは、液滴を吐出させ
るにあたり、圧力室内に収容された液体の圧力変動を利
用している。この液体噴射ヘッドでは、圧力変動に伴っ
て圧力室内の液体には圧力室内が恰も音響管であるかの
ように振る舞う圧力振動が励起される。この圧力振動の
周期は、液体噴射ヘッドの種類毎に定まるので固有振動
周期とも呼ばれる。そして、この固有振動周期は、同種
の液体噴射ヘッド同士の間でもばらつきが生じ得る。こ
れは、液体噴射ヘッドを構成する部品の寸法や取付精度
にばらつきが生じてしまうからである。この固有振動周
期のばらつきによって、液滴の吐出特性、例えば、液滴
の吐出量や飛行速度がばらついてしまう。これは、同一
の駆動信号で駆動した場合、液体圧力の変化が固有振動
周期に応じて異なり、液滴吐出時点におけるメニスカス
(ノズル開口で露出している液体の自由表面)の位置や
移動速度が相違するからである。
【0004】このような事情に基づき、液体噴射ヘッド
の固有振動周期を測定し、その測定結果に基づいて駆動
信号を構成する各波形要素を制御する装置が提案されて
いる。固有振動周期の測定方法は種々提案されている
が、測定に長時間要すると生産性の低下を招く。この点
を考慮し、励振信号から吐出信号までの時間間隔を異な
らせた3種の評価パルスを用い、各評価パルスに対応す
る液体吐出量に基づいて液体噴射ヘッドを複数のTcラ
ンクに分類する方法が提案されている(例えば、特許文
献1参照。)。この方法では、1つの液体噴射ヘッドに
ついて吐出液体量の測定を3回行えば足りるので、測定
作業を効率良く行うことができ、量産に適する。
【0005】
【特許文献1】特開2002−154212号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、さらな
る生産性の向上を図るには、固有振動周期の測定を一層
効率化する必要がある。また、液滴の吐出量や飛行速度
をより高い精度で制御すべく、その液体噴射ヘッドの固
有振動周期そのものを測定することが望まれている。
【0007】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その主たる目的は、固有振動周期の測定
を一層効率化すると共に、固有振動周期の測定精度を向
上させることにある。また、他の目的は、液滴の吐出量
や飛行速度をより高い精度で制御することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために提案されたものであり、ノズル開口に連通
すると共に液体を収容可能な圧力室と、該圧力室に液体
を供給する液体供給口と、前記圧力室内の液体に圧力変
動を生じさせる圧力発生素子とを備えた液体噴射ヘッド
の前記圧力室内に収容された液体に対する固有振動周期
を測定する固有振動周期測定方法において、圧力室内の
液体に圧力振動を励起させる励振要素、及び、該励振要
素よりも後に発生されてノズル開口から液滴を吐出させ
る吐出要素とを含み、励振要素から吐出要素までの時間
間隔を第1時間間隔に設定した第1評価パルスと前記時
間間隔を第1時間間隔よりも長い第2時間間隔に設定し
た第2評価パルスとを圧力発生素子へ供給することで、
第1評価パルスに対応する第1液体量と第2評価パルス
に対応する第2液体量とを測定する液体量測定工程と、
該測定された第1液体量と第2液体量から液体量比を取
得する液体量比取得工程と、該液体量比に基づき、圧力
室内の液体に関する固有振動周期を決定する固有振動周
期決定工程とを経ることを特徴とする。
【0009】また、本発明は、ノズル開口に連通すると
共に液体を収容可能な圧力室と、該圧力室に液体を供給
する液体供給口と、前記圧力室内の液体に圧力変動を生
じさせる圧力発生素子とを備えた液体噴射ヘッドの前記
圧力室内に収容された液体に対する固有振動周期を測定
する固有振動周期測定装置において、圧力室内の液体に
圧力振動を励起させる励振要素、及び、該励振要素より
も後に発生されてノズル開口から液滴を吐出させる吐出
要素とを含み、励振要素から吐出要素までの時間間隔を
第1時間間隔に設定した第1評価パルスと前記時間間隔
を第1時間間隔よりも長い第2時間間隔に設定した第2
評価パルスとを発生し、圧力発生素子に供給可能な駆動
手段と、前記第1評価パルスに対応する第1液体量と第
2評価パルスに対応する第2液体量とを測定する液体量
測定手段と、液体量測定手段によって測定された第1液
体量と第2液体量から液体量比を取得する液体量比取得
手段と、該液体量比取得手段が取得した液体量比に基づ
き、圧力室内の液体についての固有振動周期を決定する
固有振動周期決定手段とを備えることを特徴とする。
【0010】これらの発明によれば、第1液体量と第2
液体量の液体量比を用いているので、1つの液体噴射ヘ
ッドに対して液体量の測定が2回で済む。このため、簡
便であり製造ラインの自動化への対応も容易である。従
って、生産性を落とすことなく液体噴射へッドを製造で
き、量産に適する。さらに、固有振動周期と液体量比と
は高い相関関係を有しているので、その液体噴射ヘッド
の固有振動周期を精度良く決定できる。
【0011】前記発明において、励振要素から吐出要素
までの時間間隔を段階的に変えた複数の測定用信号を、
最大固有振動周期の液体噴射ヘッドと最小固有振動周期
の液体噴射ヘッドとに供給することで、最大周期液体量
変動曲線と最小周期液体量変動曲線とを予め取得し、前
記固有振動周期の増加に伴って吐出液体量が増加する増
加時間範囲内に前記吐出要素が供給されるように、第1
時間間隔及び第2時間間隔の一方を設定すると共に、固
有振動周期の増加に伴って吐出液体量が減少する減少時
間範囲内に前記吐出要素が供給されるように、第1時間
間隔及び第2時間間隔の他方を設定することが好まし
い。なお、「最大固有振動周期」とは液体噴射ヘッドの
製造上生じ得る最大値の固有振動周期である。また、
「最小固有振動周期」とは液体噴射ヘッドの製造上生じ
得る最小値の固有振動周期である。また、「測定用信
号」とは、液体量変動曲線(励振要素から吐出要素まで
の時間間隔と吐出液量との相関関係を示す曲線)を取得
するために圧力発生素子に供給される信号である。この
発明によれば、固有振動周期が増加側(或いは減少側)
に順次変化すると、第1液体量と第2液体量の一方は増
加し他方は減少する。このため、固有振動周期の単位変
化量に対する液体量比の変化量を、他の設定よりも大き
くすることができる。その結果、固有振動周期を高い精
度で決定できる。
【0012】前記発明において、前記増加時間範囲を、
最大周期液体量変動曲線におけるピーク点から最小周期
液体量変動曲線における直近のボトム点までの範囲に設
定し、前記減少時間範囲を、最大周期液体量変動曲線に
おけるボトム点から最小周期液体量変動曲線における直
近のピーク点までの範囲に設定することが好ましい。
【0013】前記発明において、前記励振要素から吐出
要素までの時間間隔を段階的に変えた複数の測定用信号
を標準固有振動周期を有する液体噴射ヘッドに供給する
ことで、標準周期液体量変動曲線を予め取得し、前記第
1時間間隔及び第2時間間隔を、標準周期液体量変動曲
線における単位時間当たりの液体量の変化が最大となる
タイミングで吐出要素が供給される間隔に設定すること
が好ましい。さらに、前記増加時間範囲と減少時間範囲
とを、互いに隣り合う時間範囲に定めることが好まし
い。なお、「標準固有振動周期」とはその液体噴射ヘッ
ドにおける設計値通りの固有振動周期である。この発明
によれば、固有振動周期の変化幅に対する液体量比の変
化幅を可及的に広げることができ、液体量比から固有振
動周期を高い精度で決定できる。
【0014】前記発明において、励振要素から吐出要素
までの時間間隔を段階的に変えた複数の測定用信号を、
最大固有振動周期の液体噴射ヘッドと最小固有振動周期
の液体噴射ヘッドとに供給することで、最大周期液体量
変動曲線と最小周期液体量変動曲線とを予め取得し、前
記第1時間間隔及び第2時間間隔は、吐出要素の供給タ
イミングが、最大周期液体量変動曲線のピーク点から直
近の最小周期液体量変動曲線のピーク点までの範囲内と
なる間隔に設定されていることが好ましい。
【0015】この発明によれば、測定対象となる液体噴
射ヘッドの液体量変動曲線は、最大周期液体量変動曲線
と最小周期液体量変動曲線の間に存在する。このため、
液体量比取得工程で取得された液体量比に基づき、圧力
室内の液体についての固有振動周期を極めて高い精度で
決定できる。
【0016】前記発明において、前記励振要素から吐出
要素までの時間間隔を段階的に変えた複数の測定用信号
を標準固有振動周期を有する液体噴射ヘッドに供給する
ことで、標準周期液体量変動曲線を予め取得し、該標準
周期液体量変動曲線のボトム点に対応する励振要素から
吐出要素までの時間間隔を標準時間間隔とすると共に、
前記第1時間間隔と第2時間間隔の中央値を該標準時間
間隔に一致させることが好ましい。この発明において、
前記第1時間間隔を標準時間間隔から標準固有振動周期
の1/4を減じた時間間隔に設定し、第2時間間隔を標
準時間間隔に標準固有振動周期の1/4を加えた時間間
隔に設定することが好ましい。
【0017】前記発明において、前記励振要素の電位差
を、前記吐出要素の電位差の90%以上に設定すること
が好ましく、95%以上に設定することがより好まし
い。
【0018】前記発明において、液体量比取得工程で取
得された液体量比が判断基準範囲内か否かを判定する液
体量比判定工程と、前記判断基準範囲を越えていると判
定された場合に、第1評価パルスと第2評価パルスの少
なくとも一方を再設定する評価パルス再設定工程と、該
評価パルス再設定工程で再設定された新たな評価パルス
を用いて液体量を測定する液体量再測定工程と、該液体
量再測定工程で測定された液体量を用いて液体量比を再
取得する液体量比再取得工程とを、前記固有振動周期決
定工程に先立って行うことが好ましい。この発明では、
固有振動周期が設計値から大きく外れた液体噴射ヘッド
であっても、その固有振動周期を精度良く測定すること
ができる。
【0019】前記発明において、前記評価パルス再設定
工程は、前記液体量比取得工程で取得された液体量比
を、仮の標準振動周期を示す情報として用い、第1評価
パルスと第2評価パルスの両方を再設定することが好ま
しい。また、前記発明において、前記評価パルス再設定
工程は、第1評価パルスと第2評価パルスの一方を再設
定し、前記液体量比再取得工程は、新たな評価パルスに
対応する液体量と既測定の液体量とを用いて新たな液体
量比を取得することが好ましい。具体的には、前記評価
パルス再設定工程にて、決定された固有振動周期が許容
判断基準範囲未満の場合に前記第1評価パルスの時間間
隔を第1時間間隔よりも短い第3時間間隔に再設定し、
決定された固有振動周期が許容判断基準範囲よりも長か
った場合に前記第2評価パルスの時間間隔を第2時間間
隔よりも長い第4時間間隔に再設定する。
【0020】前記発明において、前記固有振動周期決定
工程では、前記固有振動周期を、液体量比と固有振動周
期の相関関係とに基づいて決定することが好ましい。こ
の場合において、前記液体量比と固有振動周期の相関関
係を、液体量比を変数とする一次式によって定めること
が好ましい。具体的には、前記一次式は、複数設定され
た液体量比の範囲毎に傾き及び切片が与えられることが
好ましい。さらに、この範囲は、標準固有振動周期に対
応する標準液体量比よりも小さい側の第1範囲と、標準
液体比以上の第2範囲とから構成される。また、この範
囲は、標準固有振動周期に対応する標準液体量比を含む
第3範囲と、第3範囲よりも小さい側の第4範囲と、第
3範囲よりも大きい側の第5範囲とから構成される。こ
れらの発明によれば、液体量比に基づいて固有振動周期
を精度良く決定できる。
【0021】前記発明において、前記液体量測定工程で
は、圧力発生素子に対して10kHz以下の低周波数で
第1評価パルス及び第2評価パルスを供給することが好
ましい。さらには、5kHz以下の低周波数で第1評価
パルス及び第2評価パルスを供給することがより好まし
い。この発明によれば、液滴を安定した状態で吐出させ
ることができ、液滴の重量をより精度良く測定すること
ができる。
【0022】前記発明において、測定環境の温度を測定
する環境温度測定工程と、測定された環境温度に基づい
て固有振動周期を補正する固有振動周期補正工程とを行
うことが好ましい。なお、この発明において「固有振動
周期の補正」とは、液体量を補正することによって固有
振動周期を補正する場合と、決定された固有振動周期を
直接的に補正する場合の両方を含む。この発明によれ
ば、測定環境の温度に応じて液体の粘性が変化しても精
度良く固有振動周期を決定することができる。
【0023】前記発明において、液体供給口、圧力室及
びノズル開口のうちの少なくともいずれかの寸法情報を
取得する寸法情報取得工程と、取得された寸法情報に基
づいて固有振動周期を補正する固有周期補正工程とを行
うことが好ましい。なお、この発明において「固有振動
周期の補正」とは、液体量を補正することによって固有
振動周期を補正する場合と、決定された固有振動周期を
直接的に補正する場合の両方を含む。
【0024】前記発明において、前記液体は、描画用の
色材を含有するインクであることが好ましい。
【0025】また、前記発明で決定された固有振動周期
は、その固有振動周期を示す固有情報(数値情報や液体
量比を示す液体量比情報)の形態で情報付与媒体(固有
情報記憶手段や表記部材)に記録され、液体噴射ヘッド
に付与される。そして、液体噴射ヘッドに付与された固
有情報は波形設定手段に参照され、波形設定手段はこの
固有情報に基づいて駆動信号の波形形状を適正化する。
さらに、駆動信号発生手段は波形形状が適正化された駆
動信号を発生し、この駆動信号は圧力発生素子に供給さ
れる。具体的には、前記駆動信号は圧力発生素子に供給
される駆動パルスを有するものであり、この駆動パルス
を、液滴を吐出させるための吐出要素を含む複数の波形
要素によって構成する。そして、前記波形設定手段は、
前記固有情報に基づき、調整対象となる波形要素の制御
因子を定める。この発明によれば、適正化された駆動信
号によって圧力発生素子を駆動するので、液滴の吐出量
や飛行速度をより高い精度で制御することができる。
【0026】上記発明において、前記制御因子を波形要
素の発生時間とし、前記波形設定手段は、調整対象とな
る波形要素の発生時間を定めるにあたり、前記固有情報
に応じて変動する第1補正時間を調整対象となる波形要
素の基準発生時間に加算する構成が好ましい。さらに、
前記波形設定手段は、装置が使用される環境温度に応じ
て変動する第2補正時間を前記基準発生時間に加算する
ことで、調整対象となる波形要素の発生時間を定める構
成が好ましい。この発明によれば、演算によって波形要
素の発生時間を容易に定めることができる。なお、この
発明において、第1補正時間及び第2補正時間は、正数
及び負数が含まれる。
【0027】上記発明において、前記調整対象となる波
形要素は、液滴吐出後におけるメニスカスの振動抑制に
係わる振動抑制要素であることが好ましい。例えば、圧
力室を膨張させることで液滴吐出後における圧力室内の
液体圧力の変動を緩和する膨張制振要素と、前記吐出要
素と膨張制振要素との間に発生される一定電位の制振ホ
ールド要素とを備えた駆動パルスにおいては、前記波形
設定手段は、前記固有情報に応じて制振ホールド要素の
発生時間を定める。また、圧力室を収縮させることで液
滴吐出後における圧力室内の液体圧力の変動を吸収する
収縮制振要素を備えた駆動パルスにおいては、前記波形
設定手段は、前記固有情報に応じて収縮制振要素の発生
時間を定める。この発明によれば、振動抑制要素の適正
化により、液滴吐出後のメニスカスの振動を速やかに収
束させることができ、高周波駆動時における液滴の吐出
特性を安定化できる。なお、「メニスカス」とは、ノズ
ル開口で露出している液体の自由表面を意味する。
【0028】上記発明において、前記調整対象となる波
形要素は、吐出要素と膨張要素との間に発生される一定
電位の膨張ホールド要素であることが好ましい。また、
固有情報に応じて駆動信号の中間電位を定める構成であ
ることが好ましい。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。なお、以下の説明では、液体噴射
装置の一種であるインクジェット式プリンタ(以下、単
にプリンタという)を例に挙げる。このプリンタは、画
像記録装置の一種であり、インクジェット式記録へッド
(液体噴射ヘッドの一種,以下、記録へッドという。)
から液体状のインク(液体の一種)を液滴の状態で吐出
させ、記録紙等の印刷記録媒体上に文字や画像を記録す
る。
【0030】まず、図1及び図2に基づき、記録へッド
1の構造について説明する。例示した記録へッド1は、
複数の圧電振動子2、固定板3、及び、フレキシブルケ
ーブル4等をユニット化した振動子ユニット5と、この
振動子ユニット5を収納可能なケース6と、ケース6の
先端面に接合される流路ユニット7を備えている。
【0031】ケース6は、振動子ユニット5を収納し固
定するための収納空部8を内部に形成した合成樹脂製の
ブロック状部材である。この収納空部8は、ケース6の
高さ方向を貫通する空部であり、収納される振動子ユニ
ット5の数と同じ数だけ設けられる。そして、振動子ユ
ニット5は、圧電振動子2の先端面を収納空部8の先端
側開口に臨ませた状態で収納され、固定板3が収納空部
8を区画するケース6内壁面に接着されている。
【0032】圧電振動子2は、圧力発生素子の一種であ
り、入力された電気エネルギーに応じて変形する電気機
械変換素子の一種でもある。本実施形態の圧電振動子2
は、30μm〜100μm程度の極めて細い幅の櫛歯状
に切り分けられている。また、この圧電振動子2は、圧
電体と内部電極とを交互に積層して構成された積層型の
圧電振動子であり、圧電体と内部電極との間の電位差に
応じ、電界方向と直交する方向に伸縮する。各圧電振動
子2は、所謂片持ち梁の状態で固定板3上に取り付けら
れている。即ち、各圧電振動子2の基端側部分を固定板
3上に接合することで、自由端部分を固定板3の縁より
も外側に突出させている。そして、各圧電振動子2の先
端面は、それぞれ流路ユニット7の島部9に接合されて
いる。また、フレキシブルケーブル4は、固定板3とは
反対側となる基端側部分の表面で、各圧電振動子2と電
気的に接続されている。
【0033】流路ユニット7は、図2に示すように、流
路形成基板10を間に挟んでノズルプレートを流路形成
基板10の一方の表面に配置し、弾性板12をノズルプ
レート11とは反対側となる他方の表面に配置して接着
することで構成されている。
【0034】上記のノズルプレート11は、ドット形成
密度に対応したピッチで複数のノズル開口13を列状に
開設したステンレス鋼製の薄いプレートである。本実施
形態では、180dpiのピッチで96個のノズル開口
13を開設し、これらのノズル開口13によってノズル
列を構成する。そして、このノズル列を、インク供給源
毎、例えば、インクカートリッジ毎に複数列形成する。
【0035】上記の流路形成基板10は、ノズルプレー
ト11の各ノズル開口13と同じピッチで圧力室14と
なる空部及びインク供給口15となる溝部を複数形成す
ると共に、共通インク室16となる空部を形成した板状
の部材である。この流路形成基板10は、例えばシリコ
ンウエハーをエッチング加工したり、ニッケル等の金属
板をプレス加工することにより作製されている。本実施
形態では、この流路形成基板10を、シリコンウエハー
のエッチング加工によって作成している。上記の圧力室
14は、ノズル開口13の列設方向(ノズル列方向)に
対して直交する方向に細長い室である。インク供給口1
5は、共通インク室16と圧力室14との間を連通する
流路幅の狭い溝である。また、圧力室14内における共
通インク室16から最も離れた位置には、ノズル開口1
3と圧力室14とを連通するためのノズル連通口17を
板厚方向に貫通させた状態で設けている。
【0036】弾性板12は、支持板18の表面に弾性体
膜19を積層した二重構造である。本実施形態では、ス
テンレス製の支持板18の表面にPPS(ポリフェニレ
ンサルファイド)やPI(ポリイミド)製の樹脂フィル
ムを弾性体膜19としてラミネートしている。そして、
この弾性板12には、圧力室14の一方の開口面を封止
するダイヤフラム部20が設けられると共に、共通イン
ク室16の一方の開口面を封止するコンプライアンス部
21が設けられている。そして、ダイヤフラム部20
は、圧力室14に対応した部分の支持板18を環状にエ
ッチング加工することで作製され、弾性体膜19のみの
弾性部22と圧電振動子2が接合される島部9とが設け
られている。また、コンプライアンス部21は、共通イ
ンク室16に対応する部分の支持板18をエッチング加
工で除去し、弾性体膜19のみとしている。
【0037】上記構成の記録へッド1では、振動子電位
に応じて圧電振動子2が素子長手方向に伸縮し、圧力室
14の容積が変化する。例えば、放電によって振動子電
位を下降させると圧電振動子2は伸張し、島部9がノズ
ルプレート11側に押圧される。この島部9の押圧によ
って、ダイヤフラム部20の弾性部22が変形して圧力
室14は収縮する。一方、充電によって振動子電位を上
昇させると圧電振動子2は収縮し、島部9が圧電振動子
2側に引っ張られる。この島部9の移動によって圧力室
14は膨張する。
【0038】このような圧力室14の容積変化によって
圧力室14内のインク圧力が変動する。即ち、インク圧
力は、圧力室14の収縮によって上昇し、圧力室14の
膨張によって下降する。従って、圧力室14の容積を制
御することで、ノズル開口13からインク滴を吐出させ
ることができる。例えば、膨張によって圧力室14内を
負圧化し、インク供給口15を通じて圧力室14内にイ
ンクを充填する。インクの充填後に圧力室14を急激に
収縮させると、圧力室14内のインクが加圧されるの
で、ノズル開口13からインク滴を吐出させることがで
きる。
【0039】次に、この記録へッド1の製造工程につい
て説明する。この製造工程は、各構成部品から記録へッ
ド1を組み立てる組立工程と、組立後の記録へッド1に
ついて圧力室14内のインク圧力についての固有振動周
期Tcを測定する測定工程と、測定工程で得られた固有
振動周期Tcを示す情報(固有情報)を記録へッド1に
付与する情報付与工程とからなる。
【0040】上記の組立工程では、それぞれ別個に作製
されたケース6、振動子ユニット5、及び、流路ユニッ
ト7から記録へッド1を組み立てる。この組立工程で
は、まず、ケース6の先端面に流路ユニット7を接合す
る。この接合は、例えば、接着剤を用いて行う。ケース
6と流路ユニット7とを接合したならば、振動子ユニッ
ト5をケース6の収納空部8内に収納し固定する。この
場合、まず、振動子ユニット5を治具で支持して移動さ
せ、収納空部8内に挿入する。そして、圧電振動子2の
先端面を弾性板12の島部9に当接させた状態で位置決
めする。位置決めをしたならば、この位置決め状態で固
定板3の背面とケース6の内壁との間に接着剤を注入し
て振動子ユニット5を接着する。
【0041】記録へッド1を組み立てたならば測定工程
に移行する。この測定工程では、インク量の測定を行う
インク量測定工程と、このインク量測定工程で得られた
インク量に基づき、インク量比を取得するインク量比取
得工程と、圧力室14内のインクの固有振動周期Tcを
決定する固有振動周期決定工程とを順に行う。そして、
これらの各工程は、図3に示す固有振動周期測定装置を
用いて行われる。
【0042】例示した固有振動周期測定装置は、圧電振
動子2を駆動可能な駆動手段の一種である評価パルス発
生回路31(圧電振動子2を駆動するための評価パルス
TPを発生する評価パルス発生手段とも表現できる。)
と、液体量測定手段の一種である電子天秤32(重量計
測装置,重量計測手段とも表現できる。)と、これらの
評価パルス発生回路31及び電子天秤32に対して電気
的に接続され、液体量比取得手段及び固有振動周期決定
手段の一種としても機能する制御部33とを備えてい
る。この制御部33は、CPU33a,ROM33b,
RAM33c,及び情報記憶部33d(例えばEEPR
OM)等を備えている。
【0043】インク量測定工程は、本発明における液体
量測定工程の一種である。本実施形態のインク量測定工
程では、評価パルス発生回路31と記録へッド1とを電
気的に接続し、評価パルス発生回路31が発生した評価
パルスTPを圧電振動子2に供給して記録へッド1から
インク滴を吐出させる。そして、吐出させたインク滴の
重量を電子天秤32で測定する。
【0044】このインク量測定工程において評価パルス
発生回路31は、図4に示すように、励振要素PS1か
ら吐出要素PS3までの時間間隔Pwh1を第1時間間
隔にした第1評価パルスTP1と、この時間間隔Pwh
1を第1時間間隔よりも長い第2時間間隔にした第2評
価パルスTP2とをそれぞれ圧電振動子2に供給し、第
1評価パルスTP1に対応する第1インク量IwSと第
2評価パルスTP2に対応する第2インク量IwLとを
測定する。なお、これらの評価パルスTP1,TP2に
ついては、後で詳しく説明する。
【0045】また、これらの評価パルスTP1,TP2
を用いた場合、記録へッド1から吐出されるインク滴
は、1滴が十数ピコリットル(pL)程度の少量とな
る。このため、1滴の重量も十数ナノグラム(ng)程
度であり、1滴毎に正確な重量を測定することは困難で
ある。そこで、電子天秤32でインク滴の重量を測定す
る際には、複数のインク滴を各ノズル開口13から吐出
させ、その総重量を測定する。例えば、総吐出回数が1
00,000回となるように各ノズル開口13からイン
ク滴を吐出させ、全体の重量を測定する。
【0046】この場合において、これらの評価パルスT
P1,TP2は、10kHz以下の低周波数にて、特に
は5kHz以下の低周波数にて、圧電振動子2に供給さ
れることが好ましい。これは、10kHzよりも高い高
周波数で評価パルスTP1,TP2を圧電振動子2に供
給すると、吐出されるインク量が、周波数変動の影響を
受けて変動してしまう虞があるためである。評価パルス
の供給周期とインク量の関係を図5に示す。
【0047】そして、制御部33は、測定されたインク
重量を第1インク量IwS或いは第2インク量IwLと
して取得する。この場合において、制御部33は、測定
されたインク重量をそのまま第1インク量IwS或いは
第2インク量IwLとして取得してもよい。また、測定
されたインク重量を総吐出回数で除算した1滴のインク
重量を、第1インク量IwS或いは第2インク量IwL
として取得してもよい。なお、吐出されたインク量が判
れば良いので、吐出されたインク滴を捕集し、その容積
を測定してもよい。
【0048】また、インク量比取得工程は、本発明にお
ける液体量比取得工程の一種である。本実施形態では、
電子天秤32から受信した第1インク量IwSと第2イ
ンク量IwLの重量情報に基づき、制御部33がインク
量比(第1インク量IwS/第2インク量IwL,液体
量比の一種)を演算する。即ち、制御部33は、インク
量比取得手段(液体量比取得手段の一種)として機能し
ており、演算結果をインク量比として取得する。
【0049】また、固有振動周期決定工程は、予め取得
しておいたインク量比と固有振動周期Tcの相関関係に
基づき、測定対象となる記録ヘッド1の固有振動周期T
cを決定する。即ち、制御部33は、取得したインク量
比をこの相関関係にあてはめることで固有振動周期Tc
を決定する。従って、制御部33は、固有振動周期決定
手段としても機能する。なお、本実施形態において、こ
のインク量比と固有振動周期Tcの相関関係を示す情報
(相関関係情報)は、上記のROM33b、又は、情報
記憶部33dに記憶されている。
【0050】以下、これらのインク量測定工程、インク
量比取得工程、及び固有振動周期Tc取得工程につい
て、詳細に説明する。
【0051】まず、インク量測定工程について説明す
る。このインク量測定工程で使用する評価パルスTP
は、上記したように、図4に示す形状のパルス信号であ
る。即ち、評価パルスTPは、基準電位としての中間電
位Vmから最大電位Vhまで一定勾配で電位を上昇させ
る励振要素PS1と、励振要素PS1に続いて発生され
て最大電位Vhを維持する第1ホールド要素PS2と、
第1ホールド要素PS2に続いて発生されて最大電位V
hから最低電位VLまで一定の急勾配で電位を下降させ
る吐出要素PS3と、吐出要素PS3に続いて発生され
て最低電位VLを維持する第2ホールド要素PS4と、
最低電位VLから中間電位Vmまで一定勾配で電位を上
昇させる制振要素PS5とから構成されている。
【0052】上記の励振要素PS1は、圧力室14内の
インクに圧力振動を励起させる要素である。この励振要
素PS1が圧電振動子2に供給されると、詳しくは、励
振要素PS1を供給し、その後最大電位Vhを維持する
と、圧力室14は、中間電位Vmに対応する基準容積か
ら最大電位Vhに対応する最大容積まで膨張する。この
最大電位Vhが供給されている期間において、圧力室1
4は最大容積を維持する。この容積変化によって圧力室
14内のインク圧力は、例えば図6(a)に示すように
変動する。即ち、圧力室14が膨張されると、圧力室1
4内のインク圧力は定常状態よりも低くなる。そして、
励振要素PS1の供給が終了すると、続いて、インク供
給口15を通じて圧力室14内にインクが流入する等に
よって圧力室14内のインク圧力は上昇し、定常状態よ
りも高くなる。その後、圧力室14内のインク圧力は降
下し、定常状態よりも低くなる。その結果、この励振要
素PS1が圧電振動子2に供給されると、圧力室14内
のインクには固有振動周期Tcの圧力振動が励起され
る。
【0053】この励振要素PS1の発生時間Pwc1、
即ち、圧電振動子2への供給時間は、固有振動周期Tc
の圧力振動を励起させ得る時間に設定される。そして、
圧力振動を効率よく励起させるという目的からすれば、
この時間Pwc1は、圧力室14内におけるインクの固
有振動周期Tcの設計値以下に設定されることが好まし
く、設計値の1/2以下に設定されるのがより好まし
い。なお、本実施形態の記録へッド1では固有振動周期
Tcの設計値が7.2μsであるので、励振要素PS1
の発生時間Pwc1をその略1/2に相当する3.5μ
sに設定している。
【0054】吐出要素PS3は、圧力室14を急激に収
縮させることでインクを加圧し、ノズル開口13からイ
ンク滴を吐出させる要素である。この吐出要素PS3が
圧電振動子2に供給されると、圧力室14は、最大電位
Vhに対応する最大容積から最低電位VLに対応する最
小容積まで急激に収縮される。この圧力室14の急激な
収縮に伴い、圧力室14内のインク圧力が急激に上昇
し、ノズル開口13からはインク滴が吐出される。そし
て、この吐出要素PS3の発生時間Pwd1は、インク
滴を吐出させるために必要な圧力が得られる時間に設定
される。この発生時間Pwd1は、圧電振動子2を用い
た記録へッド1の場合、好ましくは、圧電振動子2の固
有振動周期Taの設計値に設定される。本実施形態にお
いて、固有振動周期Taの設計値が固有振動周期Tcの
略1/2であることから、発生時間Pwd1は、励振要
素PS1の発生時間Pwc1と同じ長さに設定されてい
る。
【0055】第1ホールド要素PS2は、励振要素PS
1の終端から吐出要素PS3の始端までを同電位で接続
する要素であり、励振要素PS1から吐出要素PS3ま
での時間間隔、言い換えれば、吐出要素PS3の供給タ
イミングを規定する。そして、この第1ホールド要素P
S2の時間幅Pwh1を変化させると、吐出されるイン
ク量が変化する。これは、励振要素PS1の供給によっ
て圧力室14内のインクに固有振動周期Tcの圧力振動
が生じるためである。
【0056】以下、この点について説明する。上記の励
振要素PS1を圧電振動子2へ供給して振動子電位を最
大電位Vhで維持すると、図6(a)に模式的に示すよ
うに、圧力室14内のインク圧力は、その記録へッド1
の固有振動周期Tcで周期的に上下動する。そして、こ
のインク圧力の周期的な変動によってメニスカス(即
ち、ノズル開口で露出しているインクの自由表面)の状
態も変化する。例えば、圧力室14内のインクが定常圧
力の場合には、図6(b)に示すように、メニスカスM
はノズル面(ノズルプレート11の外側表面)と略同一
位置で静止する。そして、インク圧力が定常圧力よりも
高い場合には、図6(c)に示すように、メニスカスM
はノズル面よりも外側(インク滴の吐出側)に隆起した
状態となる。一方、インク圧力が定常圧力よりも低い場
合には、図6(d)に示すように、メニスカスMはノズ
ル面よりも奥側(圧力室14側)に引き込まれた状態と
なる。
【0057】そして、吐出されるインク量は、吐出要素
PS3の供給タイミングにおけるメニスカスMの状態に
よって定められる。例えば、図6(b)に示す状態、即
ち、メニスカスの定常状態で吐出要素PS3が供給され
た場合のインク量を基準にすると、図6(c)に示すメ
ニスカスの隆起状態では、定常状態からの隆起分だけイ
ンク量が基準よりも増加する。一方、図6(d)に示す
メニスカスの引き込み状態では、定常状態から引き込ま
れた分だけインク量が基準よりも減少する。
【0058】これは、励振要素PS1の供給による圧力
室14内のインクの振動エネルギーよりも、圧電振動子
2から加えられるエネルギーの方が十分に大きいからと
考えられる。即ち、圧電振動子2からの圧力変動がイン
クの圧力振動よりも十分に大きければ、インク滴吐出時
における圧力室14の収縮速度や収縮量に関し、インク
の圧力振動の影響は殆ど受けず、メニスカスMの位置の
差がインク量の差となって現れると考えられる。
【0059】そして、図6(a)に示すように、メニス
カスMの状態は圧力室14内のインク圧力の変動に伴っ
て周期的に変化する。このため、第1ホールド要素PS
2の時間間隔Pwh1をt1に設定するとメニスカスM
が定常状態となって基準インク量のインク滴が吐出され
る。また、この時間間隔Pwh1をt2に設定するとメ
ニスカスMが隆起状態となって基準のインク量よりも多
い量のインク滴が吐出される。さらに、この時間間隔P
wh1をt3に設定するとメニスカスMが引き込み状態
となるので、基準のインク量よりも少ない量のインク滴
が吐出される。従って、各評価パルスTP1,TP2を
用いてインク量を測定すると、第1ホールド要素PS2
の時間間隔に応じたインク量が得られる。
【0060】ところで、上記の記録へッド1では、振動
子ユニット5や流路ユニット7の寸法精度や取付精度等
の累積公差によって、圧力室14内におけるインクの固
有振動周期Tcにばらつきが生じる。また、この固有振
動周期Tcが同じであったとしても、各圧電振動子2か
ら発生される力(押圧力や引っ張り力)が振動子ユニッ
ト5毎にばらつく。そして、固有振動周期Tcがばらつ
いた場合には、図8に示すように、インクの圧力変動周
期が時間軸方向に伸縮し、これに伴いメニスカスMの振
動周期も時間軸方向に伸縮する。このため、吐出される
インク量も、メニスカスMの振動周期と同期して変動す
る。その結果、吐出要素PS3の供給タイミングを一定
にしたとしても、その記録へッド1の固有振動周期Tc
に応じて吐出されるインク量が相違する。また、圧電振
動子2からの力が変化した場合には、図7に示すよう
に、インク量の変動周期は同じであるが、吐出されるイ
ンク量が相違する。以下、これらの点について説明す
る。
【0061】まず、固有振動周期Tcの違いによって吐
出されるインク量が変動する点について説明する。以下
の説明では、設計値通りの固有振動周期Tcを有する標
準の記録へッドと、製造上生じ得る最大の固有振動周期
Tcの記録へッドと、製造上生じ得る最小の固有振動周
期Tcの記録へッドの3種類の記録へッド1を例に挙げ
て説明することにする。
【0062】なお、以下の説明においては、便宜上、設
計値通りの固有振動周期Tcを標準固有振動周期Tcs
tdといい、この標準固有振動周期Tcstdを有する
記録へッド1を標準周期記録へッドという。そして、製
造上生じ得る最大の固有振動周期Tcを最大固有振動周
期Tcmaxといい、この最大固有振動周期Tcmax
を有する記録へッド1を最大周期記録へッドという。ま
た、製造上生じ得る最小の固有振動周期Tcを最小固有
振動周期Tcminといい、この最小固有振動周期Tc
minを有する記録へッド1を最小周期記録へッドとい
う。
【0063】また、組立後の記録へッド1から標準周期
記録へッド、最大周期記録へッド、及び最小周期記録へ
ッドを選別するには、その固有振動周期Tcを別方法で
測定する必要がある。この固有振動周期Tcの測定は、
例えば、インク量変動曲線における変動周期を測定する
ことで行う。
【0064】ここで、インク量変動曲線とは、図7の下
半に、実線、二点鎖線、点線で示された曲線であって、
第1ホールド要素PS2の時間間隔Pwh1と吐出され
るインク量との関係を示す曲線である。このインク量変
動曲線は、例えば、上記の時間間隔Pwh1を微小ステ
ップ単位で段階的に異ならせた複数種類の評価パルスT
P毎に測定用信号を構成し、各測定用信号を用いてイン
ク量の測定を行うことで得られる。例示したインク量変
動曲線では、時間間隔Pwh1が長くなる程にインク量
が周期的に増減する。そして、このインク量変動曲線
は、次式(1)によって近似することができる。
【0065】 Iw=A×sin{2π(t/Tc)+α}+O … (1) この式(1)において、Iwはインク滴(液滴)重量,
Aは振動重量振幅,αは初期位相項,Oはベース重量で
ある。なお、上記Aは、吐出要素PS3の電位差A(図
4参照)に対応する。
【0066】図7及び図8から判るように、このインク
量変動曲線の変動周期は、その記録へッド1における固
有振動周期Tcに相当する。即ち、標準周期記録へッド
では、圧力室14内のインク圧力、メニスカスMの位
置、及び、インク量は、それぞれ、図8に実線で示すよ
うに、標準固有振動周期Tcstdで周期的に変動す
る。そして、最大周期記録へッドでは、圧力室14内の
インク圧力、メニスカスMの位置、及び、インク量は、
それぞれ、図8に二点鎖線で示すように、最大固有振動
周期Tcmaxで周期的に変動する。また、最小周期記
録へッドでは、圧力室14内のインク圧力、メニスカス
Mの位置、及び、インク量は、それぞれ、図8に点線で
示すように、最小固有振動周期Tcminで周期的に変
動する。
【0067】このため、インク量変動曲線における隣り
合う2つのボトム点同士、或いは、ピーク点同士の時間
間隔を測定することにより、その記録へッド1の固有振
動周期Tcが測定できる。なお、以下の説明において
は、便宜上、標準周期記録へッドのインク量変動曲線を
標準周期インク量変動曲線(標準周期液体量変動曲線の
一種)という。同様に、最大周期記録へッドのインク量
変動曲線を最大周期インク量変動曲線(最大周期液体量
変動曲線の一種)といい、最小周期記録へッドのインク
量変動曲線を最小周期インク量変動曲線(最小周期液体
量変動曲線の一種)という。
【0068】そして、記録へッド1の固有振動周期Tc
が相違すると、第1ホールド要素PS2の発生時間Pw
h1を固定しても吐出されるインク量が相違する。例え
ば、第1ホールド要素PS2の発生時間Pwh1をt4
に設定した場合には、最大周期記録へッドにおけるイン
ク量Iwa3は、標準周期記録へッドにおけるインク量
Iwa2よりも多くなる。一方、最小周期記録へッドに
おけるインク量Iwa1は、標準周期記録へッドにおけ
るインク量Iwa2よりも少なくなる。また、第1ホー
ルド要素PS2の発生時間Pwh1をt5に設定した場
合には、最大周期記録へッドにおけるインク量Iwb3
は標準周期記録へッドのインク量Iwb2よりも少なく
なり、最小周期記録へッドにおけるインク量Iwb1は
標準周期記録へッドのインク量Iwb2よりも多くな
る。
【0069】次に、圧電振動子2からの力が変化した場
合について説明する。この場合には、上記したように、
インク量の変動周期は同じであるが、吐出されるインク
量が相違する。例えば、標準的な力の圧電振動子2を有
する振動子ユニット5を用いた場合には、図7に実線の
インク量変動曲線で示すように、吐出されるインク量が
周期的に変化する。そして、標準よりも強い力の圧電振
動子2を有する振動子ユニット5を用いた場合には、図
7に点線で示すように、インク量変動曲線は、標準的な
振動子ユニット5によるインク量変動曲線よりも全体的
に上昇すると共に、その上昇分に比例してインク量の変
動幅も広くなる。反対に、標準よりも弱い力の圧電振動
子2を有する振動子ユニット5を用いた場合には、図7
に二点鎖線で示すように、インク量変動曲線は、標準的
な振動子ユニット5によるインク量変動曲線よりも全体
的に下降すると共に、その下降分に比例してインク量の
変動幅も狭くなる。従って、圧電振動子2からの力が相
違した場合にも、固有振動周期Tcが相違した場合と同
様に、第1ホールド要素PS2の発生時間Pwh1を固
定したとしても吐出されるインク量が相違する。
【0070】以上から、第1ホールド要素PS2の発生
時間Pwh1を一定時間に固定した場合、吐出されるイ
ンク量は、その記録へッド1におけるインクの固有振動
周期Tcに応じて変化するが、振動子ユニット5の特性
等によっても変化することが判る。このため、1つの評
価パルスTPのみを用いてインク量を測定した場合に
は、インク量の設計値からの差は判るが、その差が固有
振動周期Tcの差に起因するものなのか、振動子ユニッ
ト5の特性差に起因するものなのかは判断できない。
【0071】そこで、本実施形態では、インク量測定工
程にて第1インク量IwSと第2インク量IwLを測定
し、インク量比測定工程にてこれらの第1インク量Iw
Sと第2インク量IwLとからインク量比(IwS/I
wL)を求め、固有振動周期決定工程にてこのインク量
比と固有振動周期Tcの相関関係から測定対象の記録へ
ッド1の固有振動周期Tcを決定するようにした。以
下、この点について説明する。
【0072】振動子ユニット5の特性が相違する複数の
インク量変動曲線同士の間では、上記したように、ベー
スレベル(例えば平均インク量)の変動に比例してその
振幅が変化する。また、各インク量変動曲線の振動周期
は、振動子ユニット5の特性に拘わらず揃っている。こ
のため、上記のインク量比は、固有振動周期Tcが同じ
であればベースレベルが変動しても略一定値となる。こ
れに対して、固有振動周期Tcが相違する複数のインク
量変動曲線は、固有振動周期Tcの差によって時間軸方
向に伸縮する。このため、固有振動周期Tcが相違する
場合、インク量比は固有振動周期Tcに応じて変化す
る。
【0073】例えば、図7に示すように、振動子ユニッ
ト5の特性が相違する場合には、第1ホールド要素PS
2の発生時間Pwh1をt6として測定したインク量I
wc1,Iwc2,Iwc3と、この発生時間Pwh1
をt7として測定したインク量Iwd1,Iwd2,I
wd3の間では、次式(2)の関係が成立する。
【0074】 Iwc1/Iwd1=Iwc2/Iwd2=Iwc3/Iwd3 … (2)
【0075】また、これらのインク量Iwd1,Iwd
2,Iwd3と、第1ホールド要素PS2の発生時間P
wh1をt8として測定したインク量Iwe1,Iwe
2,Iwe3との間では、次式(3)の関係が成立す
る。
【0076】 Iwd1/Iwe1=Iwd2/Iwe2=Iwd3/Iwe3 … (3)
【0077】同様に、これらのインク量Iwc1,Iw
c2,Iwc3と、インク量Iwe1,Iwe2,Iw
e3との間では、次式(4)の関係が成立する。
【0078】 Iwc1/Iwe1=Iwc2/Iwe2=Iwc3/Iwe3 … (4)
【0079】一方、固有振動周期Tcが相違する場合に
は、図8に示すように、第1ホールド要素PS2の発生
時間Pwh1をt4及びt5に設定してそれぞれインク
量を測定すると、即ち、最小周期記録へッドに対応する
インク量Iwa1,Iwb1と、標準周期記録へッドに
対応するインク量Iwa2,Iwb2と、最大周期記録
へッドに対応するインク量Iwa3,Iwb3とを測定
すると、次式(5)の関係が成立する。
【0080】 Iwa1/Iwb1<Iwa2/Iwb2<Iwa3/Iwb3 … (5)
【0081】これらのインク量Iwa1、Iwa2、及
び、Iwa3に関し、Iwa1はIwa2よりも少な
く、Iwa2はIwa3よりも少ない。そして、Iwa
1は最小固有振動周期Tcminにおけるインク量であ
り、Iwa3は最大固有振動周期Tcmaxにおけるイ
ンク量であるので、発生時間Pwh1をt4に設定した
場合のインク量は、固有振動周期Tcが増加する程に増
加している。一方、Iwb1、Iwb2、及び、Iwb
3に関し、Iwb1はIwb2よりも多く、Iwb2は
Iwb3よりも多い。そして、Iwb1は最小固有振動
周期Tcminにおけるインク量であり、Iwb3は最
大固有振動周期Tcmaxにおけるインク量であるの
で、発生時間Pwh1をt5に設定した場合のインク量
は、固有振動周期Tcが増加する程に減少するといえ
る。従って、第1ホールド要素PS2の発生時間Pwh
1をt4及びt5に設定して取得したインク量比(Iw
a/Iwb)は、その記録へッド1におけるインクの固
有振動周期Tcと1対1に対応する。
【0082】以上の説明から明らかなように、インク量
比取得工程で取得する第1インク量IwSと第2インク
量IwLのインク量比は、振動子ユニット5の特性差等
に起因するインク量のばらつきについては無効化し、圧
力室14内におけるインクの固有振動周期Tcの差に応
じて変動するパラメータとなる。従って、このインク量
比(IwS/IwL)と固有振動周期Tcの相関関係を
予め取得しておくことで、組立後の記録へッド1のイン
ク量(即ち、インク量比)からその記録へッド1におけ
る固有振動周期Tcが決定できる。
【0083】この場合において、上記励振要素PS1の
電位差が大きい程、つまり、励振要素PS1の電位勾配
が急峻である程、インク量変動曲線における振幅が大き
くなるという知見が得られた。これは、励振要素PS1
の電位差が大きい程にメニスカスMの振幅が大きくなる
からと考えられる。例えば、図9に示すように、吐出要
素PS3の電位差Aに対する励振要素PS1の電位差B
の比(B/A,図4参照)に関し、35%に設定した場
合と95%に設定した場合とを比較すると、95%に設
定した場合の方がインク量の変化が顕著になっている。
このように、インク量の変化が顕著であると、固有振動
周期Tcの僅かな違いをインク量比で表すことができ
る。このため、固有振動周期Tcの検出感度を向上させ
ることができて好ましい。そして、この実験結果から、
吐出要素PS3の電位差Aに対する励振要素PS1の電
位差Bの比に関し、90%以上となっていることが好ま
しく、95%以上となっていることがより好ましいとい
える。
【0084】また、固有振動周期Tcを取得する際に用
いる2種類の評価パルスTP1,TP2に関し、各評価
パルスTP1,TP2における第1ホールド要素PS2
の時間間隔Pwh1(第1時間間隔,第2時間間隔)、
即ち、吐出要素PS3の供給タイミングは任意に設定で
きる。しかし、この第1ホールド要素PS2の時間間隔
Pwh1の選択の仕方によって固有振動周期Tcの検出
精度が相違する。例えば、第1時間間隔と第2時間間隔
との差を比較的小さく設定すると、固有振動周期Tcの
変化量に対するインク量比の変化量も小さくなり、検出
感度が低くなってしまう。
【0085】本実施形態では、図10に示すように、吐
出要素PS3の供給タイミングが最大周期インク量変動
曲線のピーク点から直近の最小周期インク量変動曲線の
ピーク点までの範囲となるように、時間間隔Pwh1
(第1時間間隔,第2時間間隔)を設定する。言い換え
れば、最大周期インク量変動曲線における2つの隣り合
うピーク点同士の間に属し、且つ、最小周期インク量変
動曲線における2つの隣り合うピーク点同士の間に属す
る重複範囲に時間間隔Pwh1を設定する。この範囲に
時間間隔Pwh1を設定すると、測定対象となる記録へ
ッド1のインク量変動曲線は、最大周期インク量変動曲
線と最小周期インク量変動曲線の間に存在する。このた
め、インク量比(IwS/IwL)からその記録へッド
1における固有振動周期Tcを高精度に定めることがで
きる。
【0086】さらに詳しくは、上記範囲内において、標
準周期インク量変動曲線のボトム点で吐出要素PS3が
供給される時間間隔Pwh1(時間間隔t9)を標準時
間間隔とし、第1時間間隔をこの標準時間間隔から標準
固有振動周期Tcstdの1/4を減じた時間間隔に設
定すると共に、第2時間間隔をこの標準時間間隔に標準
固有振動周期Tcstdの1/4を加えた時間間隔に設
定する。この設定により、第1時間間隔と第2時間間隔
の中央値を標準時間間隔に一致させている。
【0087】このように設定すると、標準固有振動周期
Tcstdを有する記録へッド1については、第1評価
パルスTP1に対応するインク量IwSと第2評価パル
スTPに対応するインク量IwLとが略等しくなり、イ
ンク量比(IwS/IwL)は値1.000に近くな
る。そして、標準固有振動周期Tcstdよりも短い固
有振動周期Tcを有する記録へッド1については、イン
ク量IwSがインク量IwLよりも小さくなり、インク
量比は値1.000よりも小さくなる。また、標準固有
振動周期Tcstdよりも長い固有振動周期Tcを有す
る記録へッド1については、インク量IwSがインク量
IwLよりも大きくなり、インク量比は値1.000よ
りも大きくなる。
【0088】なお、標準時間間隔と第1時間間隔の差、
及び標準時間間隔と第2時間間隔の差は、上記の例に限
らず適宜に設定することができる。少なくとも標準固有
振動周期Tcの0.1倍(0.1Tcstd)程度の差
があれば、固有振動周期Tcを好適に測定できる。
【0089】次に、インク量比(IwS/IwL)から
固有振動周期Tcを決定する工程、即ち、固有振動周期
決定工程について説明する。
【0090】ここで、図11は、固有振動周期Tcを縦
軸に、インク量比を横軸にそれぞれ設定し、複数の記録
へッド1について固有振動周期Tcとインク量比の関係
を示した図である。この図11から、固有振動周期Tc
とインク量比とは高い相関関係があることが判る。即
ち、固有振動周期Tcが設計値よりも短ければ短いほど
インク量比の値は小さくなり、固有振動周期Tcが設計
値よりも長ければ長いほどインク量比の値は大きくな
る。また、固有振動周期Tcが設計値(7.2μs)に
近ければ近いほどインク量比は値1.000に近づく。
【0091】さらに、この図11より、固有振動周期T
cとインク量比の相関関係は、インク量比を変数とする
一次式によって表せることが判る。言い換えれば、固有
振動周期Tcとインク量比との関係は、直線状の検量線
で表すことができる。この場合において、インク量比の
全範囲を単一の一次式で近似することもできる。しか
し、この例では、インク量比の値1.000(標準イン
ク量比に相当)を境に、インク量比の小さい側と大きい
側とで有意の差がみられる。このため、値1.000よ
りも小さい側の範囲(第1範囲に相当)と、値1.00
0以上の範囲(第2範囲に相当)とに分けて一次式を設
定することが好ましい。例えば、値1.000よりも小
さい側の範囲を符号LA1の検量線に相当する一次式で
近似し、値1.000以上の範囲を符号LA2の検量線
に相当する一次式で近似する。このように、複数範囲毎
に一次式(LA1,LA2)を設定すると、単一の一次
式で近似した場合よりも精度よく固有振動周期Tcを取
得できる。
【0092】なお、この観点からすれば、図12に示す
ように、インク量比の範囲を、値1.000を中心と
し、値0.950以上であって値1.050未満に設定
された標準範囲(第3範囲に相当)と、この標準範囲よ
りも小さい側の範囲(第4範囲に相当)と、標準範囲よ
りも大きい側の範囲(第5範囲に相当)とに分け、各範
囲毎に一次式(検量線LB1〜LB3)を設定してもよ
い。このようにすれば、より高い精度で固有振動周期T
cを取得できる。
【0093】このように、インク量比(IwS/Iw
L)と固有振動周期Tcが高い相関関係を有しているの
で、いくつかのサンプルを用いて一次式(検量線LA1
〜LA2,検量線LB1〜LB3)を予め設定し、制御
部33のROMやEEPROMに記憶させておくこと
で、インク量比から固有振動周期Tcを簡便に取得でき
る。即ち、制御部33(固有振動周期決定手段)は、上
記の一次式にインク量比を代入する演算を行うことで、
その記録へッド1における固有振動周期Tcを取得でき
る。そして、この方法では、インク量比が固有振動周期
Tcに1対1に対応しているので、固有振動周期Tcを
精度良く取得できる。
【0094】組立後の記録へッド1について固有振動周
期Tcを測定したならば、情報付与工程に移行し、得ら
れた固有振動周期Tcを表す情報(固有情報)を記録へ
ッド1に付与する。
【0095】この情報付与工程では、例えば、得られた
固有振動周期Tcの値を固有情報とし、図13(a)に
示すように、固有振動周期Tcの値を文字やバーコード
等の光学的に読み取り可能な態様で粘着シール35(表
記部材の一種)に表記し、この粘着シール35をケース
表面(例えば、側面)に貼設する。また、図13(b)
に示すように、記録へッド1内に設けたROM等の情報
記憶素子36(固有情報記憶手段の一種)に記憶させて
もよい。即ち、固有振動周期Tcを表す固有情報は、粘
着シール35や情報記憶素子36等の情報付与媒体を介
して記録へッド1に付与される。なお、上記したよう
に、インク量比が固有振動周期Tcと1対1に対応して
いるので、上記の固有情報としてはインク量比の値を用
いることもできる。
【0096】以上説明した製造方法によれば、第1ホー
ルド要素PS2の発生時間Pwh1が異なる2種類の評
価パルスTP1,TP2を用いてインク量の測定を行う
ことで、その記録へッド1における固有振動周期Tcを
測定できる。そして、このインク量測定は簡便であり、
自動化への対応も容易であるので、量産に適する。
【0097】ところで、上記した第1実施形態では、標
準周期インク量変動曲線のボトム点に対応する標準時間
間隔(時間間隔t9,図10参照。)を基準とし、この
標準時間間隔から規定時間短い第1時間間隔、及び規定
時間長い第2時間間隔を用いてインク量IwS,Iw
L、及びインク量比(IwS/IwL)を取得する構成
について説明したが、本発明はこの構成に限定されるも
のではない。例えば、固有振動周期Tcの増加に伴って
インク量が増加する増加時間範囲内で吐出要素PS3が
供給されるように、第1時間間隔及び第2時間間隔の一
方を設定し、且つ、固有振動周期Tcの増加に伴ってイ
ンク量が減少する減少時間範囲内で吐出要素PS3が供
給されるように、第1時間間隔及び第2時間間隔の他方
を設定してもよい。
【0098】以下、このように構成した第2実施形態に
ついて説明する。なお、インク量比を用いることで振動
子ユニット5の特性差等に起因するインク量のばらつき
の影響は無視できるため、以下の説明では振動子ユニッ
ト5の特性差等に起因するインク量のばらつきは考慮し
ないことにする。
【0099】図14は、図8のインク量変動曲線におけ
る符号Xで示す領域を拡大して示した図である。この図
14において、点線は最小周期インク量変動曲線であ
り、二点鎖線は最大周期インク量変動曲線である。ま
た、実線は標準周期インク量変動曲線である。さらに、
この例では、最小周期記録へッドと標準周期記録へッド
の中間の固有振動周期Tcを有する記録へッド1(便宜
上、第1中間記録へッドという。)のインク量変動曲線
を破線で示し、最大周期記録へッドと標準周期記録へッ
ドの中間の固有振動周期Tcを有する記録へッド1(便
宜上、第2中間記録へッドという。)のインク量変動曲
線を一点鎖線で示している。
【0100】また、この図14において、最大周期イン
ク量変動曲線における1番目のピーク点をタイミングp
1とし、最小周期インク量変動曲線における1番目のボ
トム点をタイミングp2としている。そして、最大周期
インク量変動曲線における1番目のボトム点をタイミン
グp3とし、最小周期インク量変動曲線における2番目
のピーク点をタイミングp4としている。この例では、
上記の増加時間範囲は、タイミングp1以上であってタ
イミングp2以下の時間範囲X1となり、上記の減少時
間範囲は、タイミングp3以上であってタイミングp4
以下の時間範囲X2となる。
【0101】この増加時間範囲内に属するタイミングp
5でのインク量Iwf1〜Iwf5を比較すると次の関
係が成立する。即ち、固有振動周期Tcが最も短い最小
周期記録へッドのインク量Iwf1が最も少なく、固有
振動周期Tcが2番目に短い第1中間記録へッドのイン
ク量Iwf2が2番目に少なく、標準周期記録へッドの
インク量が3番目に少なくなる。また、固有振動周期T
cが2番目に長い第2中間記録へッドのインク量Iwf
4が2番目に多く、固有振動周期Tcが最も長い最大周
期記録へッドのインク量Iwf5が最も多くなる。そし
て、これらのインク量Iwf1〜Iwf5の関係は、タ
イミングp1からp2の範囲で同じように成立する。言
い換えると、各インク量変動曲線は、タイミングp1か
らp2の範囲内では交差しない。従って、このタイミン
グp1からp2の範囲内では、吐出要素PS3の供給タ
イミングを固定すると、記録へッド1の固有振動周期T
cの増加に伴ってインク量が増加する。
【0102】一方、減少時間範囲内に属するタイミング
p6でのインク量Iwg1〜Iwg5を比較すると次の
関係が成立する。即ち、固有振動周期Tcが最も短い最
小周期記録へッドのインク量Iwg1が最も多く、固有
振動周期Tcが2番目に短い第1中間記録へッドのイン
ク量Iwg2が2番目に多く、標準周期記録へッドのイ
ンク量が3番目に多い。また、固有振動周期Tcが2番
目に長い第2中間記録へッドのインク量Iwg4が2番
目に少なく、固有振動周期Tcが最も長い最大周期記録
へッドのインク量Iwg5が最も少ない。そして、これ
らのインク量Iwg1〜Iwg5の関係は、タイミング
p3からp4の範囲で同じように成立する。即ち、各イ
ンク量変動曲線は、タイミングp3からp4の範囲内で
は交差しない。従って、このタイミングp3からp4の
範囲内では、吐出要素PS3の供給タイミングを固定す
ると、記録へッド1の固有振動周期Tcの増加に伴って
インク量が減少する。
【0103】そして、第1評価パルスTP1における吐
出要素PS3の供給タイミング(第1供給タイミング)
を増加時間範囲内に設定し、第2評価パルスTP2にお
ける吐出要素PS3の供給タイミング(第2供給タイミ
ング)を減少時間範囲内に設定すると、換言すれば、イ
ンク量変動曲線における同一次数のボトム範囲が第1供
給タイミングと第2供給タイミングの間に存在するよう
に設定すると、算出したインク量比からその記録へッド
1の固有振動周期Tcを高い精度で取得することができ
る。
【0104】即ち、インク量比は、第1評価パルスTP
1の第1インク量IwSが分子となり、第2評価パルス
TP2の第2インク量IwLが分母となっている。この
ため、固有振動周期Tcが増加する程に第1インク量I
wSは増加し第2インク量IwLは減少することにな
る。反対に、固有振動周期Tcが減少する程に第1イン
ク量IwSは減少し第2インク量IwLは増加すること
になる。その結果、固有振動周期Tcの変化幅に対する
インク量比の変化幅を、後述する比較例よりも大きくす
ることができ、インク量比からその記録へッド1におけ
る固有振動周期Tcを高い精度で取得することができ
る。
【0105】例えば、第1評価パルスTP1における吐
出要素PS3の供給タイミングをタイミングp2とし、
第2評価パルスTP2における吐出要素PS3の供給タ
イミングをタイミングp3とした場合には、図15に示
すように、固有振動周期Tcの変化幅が約6.6μs〜
8.5μsの範囲であるのに対し、インク量比の変化幅
が約0.850〜1.150になる。そして、この範囲
内においては、実線で示すように、固有振動周期Tcと
インク量比の相関関係は、インク量比を変数とする一次
式(符号LCで示す検量線)で表すことができる。この
ように、固有振動周期Tcの変化幅に対してインク量比
の変化幅が十分に広いため、インク量比からその記録へ
ッド1における固有振動周期Tcを高い精度で取得する
ことができる。なお、この例に用いた記録へッド1は、
固有振動周期Tcの設計値が7.5μsである。
【0106】ところで、この図15の相関関係を取得す
る際に用いた各評価パルスTP1,TP2に関し、その
吐出要素PS3の供給タイミングp2,p3は、何れも
インク量変動曲線のボトム点に近い側であった。そし
て、これらの供給タイミングp2,p3は、固有振動周
期Tcの変化幅に対するインク量の変化幅が、増加時間
範囲や減少時間範囲内において比較的小さいタイミング
である。
【0107】例えば、この供給タイミングp2を供給タ
イミングp5と比較すると、供給タイミングp5では最
小固有振動周期Tcminから最大固有振動周期Tcm
axまで固有振動周期Tcが変化すると、インク量がI
wf1からIwf5まで変化する。これに対して、供給
タイミングp2では、固有振動周期Tcが最小固有振動
周期Tcminから最大固有振動周期Tcmaxまで変
化すると、インク量がIwh1からIwh5まで変化す
る。そして、図から明らかなように、インク量Iwf5
とIwf1の差はインク量Iwh5とIwh1の差より
も大きい。また、供給タイミングp1では、最小固有振
動周期Tcminから最大固有振動周期Tcmaxまで
固有振動周期Tcが変化すると、インク量がIwi1か
らIwi5まで変化する。そして、その変化幅は、供給
タイミングp5でのインク量Iwf1からIwf5まで
の差よりも小さい。
【0108】以上から、増加時間範囲内及び減少時間範
囲内において、吐出要素PS3の供給タイミングに最適
値があることを意味する。以下、この最適値について説
明する。
【0109】図16は、上記の増加時間範囲(p1以上
p2以下)におけるインク量の変化を、固有振動周期T
cが相違する上記5種類の記録へッド1毎に示した図で
あり、図17は、上記の減少時間範囲(p3以上p4以
下)におけるインク量の変化を上記5種類の記録へッド
1毎に示した図である。図16において、タイミングp
12は、標準周期インク量変動曲線(実線)における単
位時間当たりのインク量の変化が最大となるタイミング
である。そして、タイミングp11はタイミングp1と
p12の中間のタイミングであり、タイミングp13は
タイミングp12とp2の中間のタイミングである。ま
た、図17において、タイミングp22は、標準周期イ
ンク量変動曲線(実線)における単位時間当たりのイン
ク量の変化が最大となるタイミングである。そして、タ
イミングp21はタイミングp3とp22の中間のタイ
ミングであり、タイミングp23はタイミングp22と
p4の中間のタイミングである。
【0110】これらの図より明らかなように、増加時間
範囲においては、各インク量変動曲線は、タイミングp
12におけるインク量の変化幅(Iwj5−Iwj1)
が最も大きい。同様に、減少時間範囲においては、各イ
ンク量変動曲線は、タイミングp22におけるインク量
の変化幅(Iwk1−Iwk5)が最も大きい。従っ
て、増加時間範囲では吐出要素PS3の供給タイミング
をタイミングp12に設定することで、固有振動周期T
cの増減に伴うインク量の増減幅を最大にできる。一
方、減少時間範囲では吐出要素PS3の供給タイミング
をタイミングp22に設定することで、固有振動周期T
cの増減に伴うインク量の増減幅を最大にできる。その
結果、固有振動周期Tcの変化幅に対するインク量比の
変化幅を可及的に大きくすることができ、インク量比か
らその記録へッド1における固有振動周期Tcをより高
い精度で取得できる。
【0111】なお、この場合、第1評価パルスTP1及
び第2評価パルスTP2を設定するにあたり、標準周期
インク量変動曲線を取得する必要がある。この標準周期
インク量変動曲線は、上記したように、励振要素PS1
から吐出要素PS3までの時間間隔を変えた複数の評価
パルスTPを測定用信号として用い、この測定用信号を
標準周期記録へッドに供給することで測定できる。
【0112】次に、比較例として、上記の増加時間範囲
及び減少時間範囲外の時間範囲を用いた場合について説
明する。ここでは、上記の増加時間範囲X1と減少時間
範囲X2とに挟まれた範囲X3、即ち、タイミングp2
よりも遅くタイミングp3よりも早い範囲(以下、ボト
ム範囲という。)を例に挙げて説明する。
【0113】図18は、このボトム範囲内におけるにお
けるインク量の変化を、固有振動周期Tcが相違する上
記5種類の記録へッド1毎に示した図である。そして、
この図18に示すように、ボトム範囲内には、インク量
と固有振動周期Tcとが1対1に対応しないタイミング
がある。例えば、タイミングp31を吐出要素PS3の
供給タイミングにすると、標準周期記録へッドと最小周
期記録へッドとがほぼ同じインク量Iwm1となる。さ
らに、第1中間記録へッドのインク量Iwm2は、上記
のインク量Iwh1よりも少なくなっている。このこと
は、最小固有振動周期Tcminから標準固有振動周期
Tcstdまでの範囲内では、インク量が固有振動周期
Tcの増加に伴って一旦減少してから上昇するという逆
転現象が生じていることを意味する。従って、測定対象
の記録へッド1がこの範囲内の固有振動周期Tcを有す
る場合には、測定されたインク量に対する固有振動周期
Tcが2つ存在することになる。
【0114】同様に、上記のタイミングp31よりも少
し遅いタイミングp33を吐出要素PS3の供給タイミ
ングにした場合には、標準周期記録へッドと第2中間記
録へッドとがほぼ同じインク量Iwn3となり最も少な
い。さらに、最大周期記録へッドと第1中間記録へッド
とがほぼ同じインク量Iwn4となる。このため、第1
中間記録へッドの固有振動周期Tcから最大周期記録へ
ッドの最大固有振動周期Tcmaxまでの広い範囲でイ
ンク量の逆転現象が生じ、1つのインク量に対する固有
振動周期Tcが2つ存在することになる。
【0115】従って、吐出要素PS3の供給タイミング
をこのボトム範囲内に設定すると、1つのインク量に対
する固有振動周期Tcが2つ存在するタイミング同士を
用いることになり、測定精度を高めるという点で好まし
くない。さらに、この範囲内は、インク量変動曲線のボ
トム点付近であるので、固有振動周期Tcの増加量に対
するインク量の増減量が少ない。この点でも、測定精度
を高め難くなるので好ましくない。
【0116】その結果、2つの評価パルスTP1,TP
2における吐出要素PS3の供給タイミングをこのボト
ム範囲内に設定した場合には、固有振動周期Tcの変化
幅に対するインク量比の変化幅が、上記実施形態よりも
小さくなり、固有振動周期Tcの測定精度が低下する。
例えば、第1評価パルスTP1における吐出要素PS3
の供給タイミングをタイミングp32とし、第2評価パ
ルスTP2における吐出要素PS3の供給タイミングを
タイミングp33とした場合には、図19に符号LDの
検量線で表される一次式のように、固有振動周期Tcの
変化幅が約6.6μs〜8.5μsの範囲であるのに対
し、インク量比の変化幅が約0.960〜1.070に
なる。
【0117】これを、図15の例、即ち、上記した増加
時間範囲及び減少時間範囲を用いた例と比較すると、固
有振動周期Tcの変化幅は両方とも約6.6μs〜8.
5μsである。しかし、インク量比の変化幅に関し、図
13の例では約0.850〜1.150の範囲で変動す
るが、図19の例では約0.960〜1.070の範囲
でしか変動しない。このため、増加時間範囲及び減少時
間範囲を用いることで、測定対象の記録へッド1におけ
る固有振動周期Tcをより高い精度で測定できることが
判る。
【0118】そして、インク量比取得工程では、上記し
たように、測定工程で測定した第1インク量IwSと第
2インク量IwLからインク量比を求め、固有振動周期
決定工程では、求めたインク量比を固有振動周期Tcと
インク量比との相関関係にあてはめることで、その記録
へッド1における固有振動周期Tcを決定する。さら
に、情報付与工程では、決定した固有振動周期Tcの情
報を情報付与媒体を介して記録へッド1に付与する。
【0119】図15の例で説明すると、その記録へッド
1におけるインク量比が0.950であった場合には固
有振動周期Tcは7.25μsと判定し、インク量比が
0.990であった場合には固有振動周期Tcは7.5
μsと判定する。
【0120】以上説明したようにこの第2実施形態で
も、第1ホールド要素PS2の発生時間Pwh1が異な
る2種類の評価パルスTP1,TP2を用いてインク量
の測定を行うことで、その記録へッド1における固有振
動周期Tcを測定できる。そして、このインク量測定は
簡便であり、自動化への対応も容易であるので、量産に
適する。さらに、この実施形態では、吐出要素PS3の
供給タイミングに関し、第1評価パルスTP1は増加時
間範囲内に設定し、第2評価パルスTP2は減少時間範
囲内に設定しているので、測定対象の記録へッド1につ
いて固有振動周期Tcを精度良く測定することができ
る。
【0121】なお、増加時間範囲と減少時間範囲の組み
合わせに関し、上記実施形態の組み合わせに限られな
い。例えば、増加時間範囲に関し、図8に符号Yで示す
ように、最大周期インク量変動曲線における2番目のピ
ーク点から最小周期インク量変動曲線における2番目の
ボトム点までの範囲としても良い。この場合、第1評価
パルスTP1における吐出要素PS3の供給タイミング
が減少時間範囲内に設定され、第2評価パルスTP2に
おける吐出要素PS3の供給タイミングが増加時間範囲
内に設定されることになる。そして、このように構成し
た場合にも、上記実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0122】なお、増加時間範囲と減少時間範囲の組み
合わせは、互いに隣り合う時間範囲であることが好まし
い。これは、増加時間範囲と減少時間範囲の組み合わせ
が2周期以上時間軸方向に離隔すると、後側の時間範囲
において、最小固有振動周期Tcminと最大固有振動
周期Tcmaxとの差(変化幅)が大きくなり過ぎ、ま
た、減衰によってインク量の変化幅も小さくなり過ぎて
しまい、固有振動周期Tcの測定精度が低下する虞があ
るためである。
【0123】ところで、上記各実施形態では、インク量
比(IwS/IwL)を取得するための検量線(一次
式)は、1種類の第1評価信号TP1及び第2評価信号
TP2によって作成されていた。このため、測定対象と
なる記録へッド1の固有振動周期Tcが設計値から大き
く外れている場合には、決定された固有振動周期Tcの
精度が低くなってしまう。これは、検量線には最適な測
定範囲があるからである。このような記録へッド1は、
通常、不良品として扱われる。しかし、生産性向上のた
めには、このような記録へッド1であっても、固有振動
周期Tcを精度良く測定してプリンタに搭載することが
求められている。
【0124】この場合において、インク量比取得工程で
取得されたインク量比が判断基準範囲を越えていると判
定された場合に、第1評価信号と第2評価信号の少なく
とも一方を再設定すると、検量線による測定範囲を変え
ることができる。このため、固有振動周期Tcが設計値
から大きく外れている記録へッド1であってもプリンタ
に搭載することができる。以下、このように構成した第
3実施形態について説明する。
【0125】この第3実施形態では、図20に示すよう
に、検量線LE1〜LE3に対応する3種類の一次式を
用いて固有振動周期Tcとインク量比の相関関係を表し
ている。具体的には、標準固有振動周期Tc用の一次式
(便宜上、第1の一次式LE1という。)と、標準固有
振動周期Tcよりも短い固有振動周期Tc用の一次式
(便宜上、第2の一次式LE2という。)と、標準固有
振動周期Tcよりも長い固有振動周期Tc用の一次式
(便宜上、第3の一次式LE3という。)によって固有
振動周期Tcとインク量比の相関関係を表している。な
お、第1の一次式LE1は、インク量比取得工程で取得
されたインク量比が判断基準範囲内であった場合に用い
られる相関関係を表している。そして、第2の一次式L
E2は、取得されたインク量比が判断基準範囲を超えて
小さかった場合に用いられる相関関係を表している。ま
た、第3の一次式LE3は、取得されたインク量比が判
断基準範囲を超えて大きかった場合に用いられる相関関
係を表している。
【0126】本実施形態において第1の一次式LE1
は、第1評価パルスTP1の時間間隔Pwh1(第1時
間間隔)を3.5μsに、第2評価パルスTPの時間間
隔Pwh1(第2時間間隔)を7μsにそれぞれ設定
し、これらの評価パルスTP1,TP2を固有振動周期
Tcが異なる複数の記録へッド1に供給して得られたイ
ンク量(インク量比)に基づいて定められている。ま
た、第2の一次式LE2は、第1評価パルスTP1の時
間間隔Pwh1(第1時間間隔)を2.7μsに、第2
評価パルスTPの時間間隔Pwh1(第2時間間隔)を
5.7μsにそれぞれ設定し、これらの評価パルスTP
1,TP2を固有振動周期Tcが異なる複数の記録へッ
ド1に供給して得られたインク量(インク量比)に基づ
いて定められている。同様に、第3の一次式LE3は、
第1評価パルスTP1の時間間隔Pwh1(第1時間間
隔)を4.3μsに、第2評価パルスTPの時間間隔P
wh1(第2時間間隔)を8.3μsにそれぞれ設定
し、これらの評価パルスTP1,TP2を固有振動周期
Tcが異なる複数の記録へッド1に供給して得られたイ
ンク量(インク量比)に基づいて定められている。な
お、本実施形態における標準固有振動周期Tcstd
(固有振動周期Tcの設計値)は、6.8μsである。
【0127】以下、本実施形態における測定工程につい
て説明する。この測定工程では、まず、第1の一次式L
E1の取得時に使用した評価パルスTP1,TP2(第
1時間間隔=3.5μs,第2時間間隔=7μs)をそ
れぞれ圧電振動子2に供給することにより、ノズル開口
13から所定数のインク滴を吐出させる。そして、この
インク滴を捕集して電子天秤32で重量を測定し、基準
となる第1インク量IwSと第2インク量IwLを得る
(インク量測定工程)。基準の第1インク量IwSと第
2インク量IwLを測定したならば、制御部33は、電
子天秤32から取得したこれらの第1インク量IwS及
び第2インク量IwLからインク量比(IwS/Iw
L)を演算によって取得する(インク量比取得工程)。
【0128】インク量比を取得したならば、制御部33
は、このインク量比が判断基準範囲内にあるか、判断基
準範囲を超えているかを判定する(インク量比判定工
程,液体量比判定工程の一種)。本実施形態では、判断
基準範囲が0.9〜1.1である。このため、取得した
インク量比が0.9以上1.1以下の範囲内にあれば、
制御部33(液体量比判定手段)は、判断基準範囲内に
あると判定する。そして、取得したインク量比が0.9
よりも小さかった場合、制御部33は、インク量比が判
断基準範囲を超えて小さいと判定する。同様に、取得し
たインク量比が1.1よりも大きかった場合、制御部3
3は、インク量比が判断基準範囲を超えて大きいと判定
する。
【0129】ここで、インク量比が判断基準範囲内にあ
ると判定された場合には、制御部33(固有振動周期決
定手段)は、第1の一次式LE1を用いて測定対象とな
る記録へッド1の固有振動周期Tcを決定する(固有振
動周期決定工程)。この場合には、上記した各実施形態
と同様の手順で固有振動周期Tcが決定される。即ち、
制御部33は、取得したインク量比を第1の一次式LE
1に代入することで固有振動周期Tcを決定する。
【0130】一方、インク量比が判断基準範囲を超えて
小さいと判定された場合には、制御部33(評価パルス
再設定手段)は、第1評価パルスTPと第2評価パルス
TPの両方を再設定する。具体的には、第2の一次式L
E2の取得時に使用した評価パルスTP1,TP2(第
1時間間隔=2.7μs,第2時間間隔=5.7μs)
に設定する(評価パルス再設定工程)。
【0131】評価パルスTPを再設定したならば、制御
部33は、再設定された新たな評価パルスTP1,TP
2を圧電振動子2に供給する。そして、電子天秤32
は、新たな第1インク量IwS及び第2インク量IwL
を測定する(液体量再測定工程の一種であるインク量再
測定工程。)。なお、このインク量再測定工程における
具体的動作は、上記のインク量取得工程と同様であるの
で、その説明は省略する。
【0132】新たな第1インク量IwS及び第2インク
量IwLを測定したならば、制御部33(液体量比再取
得手段)は、これらの第1インク量IwS及び第2イン
ク量IwLに基づいてインク量比(IwS/IwL)を
再取得する(液体量比再取得工程の一種であるインク量
比再取得工程)。
【0133】インク量比を再取得したならば、制御部3
3(固有振動周期決定手段)は、第2の一次式LE2を
用いて測定対象となる記録へッド1の固有振動周期Tc
を決定する(固有振動周期決定工程)。この場合にも、
上記した各実施形態と同様の手順で固有振動周期Tcが
決定される。即ち、制御部33は、再取得したインク量
比を第2の一次式LE2に代入することで固有振動周期
Tcを決定する。
【0134】なお、インク量比が判断基準範囲を超えて
大きいと判定された場合も、同様の手順によって固有振
動周期Tcが決定される。簡単に説明すると、まず、評
価パルス再設定工程にて、制御部33は、第1評価パル
スTP1の時間間隔Pwh1(第1時間間隔)を4.3
μsに設定すると共に、第2評価パルスTP2の時間間
隔Pwh1(第2時間間隔)を8.3μsに設定する。
次に、インク量再測定工程に移行し、制御部33及び電
子天秤32によって、新たな第1インク量IwS及び第
2インク量IwLが測定される。そして、インク量比再
取得工程に移行し、制御部33によって、新たな第1イ
ンク量IwS及び第2インク量IwLからインク量比が
再取得される。最後に、固有振動周期決定工程に移行
し、制御部33は、取得したインク量比と第3の一次式
LE3とから測定対象となる記録へッド1の固有振動周
期Tcを決定する。
【0135】本実施形態の構成では、固有振動周期Tc
の設計値を基準とする評価パルスTP1,TP2でイン
ク量比を取得し、このインク量比が判断基準範囲(許容
範囲)から外れていた場合、即ち、測定対象となる記録
へッド1の固有振動周期Tcが設計値から大きく外れて
いた場合には、その固有振動周期Tcに適した評価パル
スTP1,TP2でインク量比を再取得する。そして、
再取得されたインク量比を、対応する一次式(第2の一
次式LE2,第3の一次式LE3)にあてはめて固有振
動周期Tcを決定する。このため、固有振動周期Tcが
設計値から大きく外れた記録へッド1であっても、その
固有振動周期Tcを精度良く測定することができる。
【0136】なお、この実施形態では、インク量比が判
断基準範囲を超えていると判定された場合、第1評価パ
ルスTPと第2評価パルスTPの両方が再設定される
が、本発明は、この構成に限定されるものではない。例
えば、インク量比が判断基準範囲を超えていると判定さ
れた場合、第1評価パルスTPと第2評価パルスTPの
何れか一方を再設定する構成としてもよい。
【0137】例えば、基準の評価パルスTP1、TP2
で取得されたインク量比が判断基準範囲を超えて小さい
と判定された場合、制御部33は、評価パルス再設定工
程にて、時間間隔Pwh1の短い側である第1評価パル
スTP1を再設定する。即ち、制御部33は、この第1
評価パルスTP1の第1時間間隔を標準よりも短い時間
(上記の例では2.7μs)に設定する。反対に、判断
基準範囲を超えて大きいと判定された場合には、制御部
33は、時間間隔Pwh1の長い側である第2評価パル
スTP2を再設定する。即ち、制御部33は、この第1
評価パルスTP1の第1時間間隔を標準よりも長い時間
(上記の例では8.3μs)に設定する。
【0138】次に、インク量再測定工程では、制御部3
3及び電子天秤32は、再設定された評価パルスTPに
ついてインク量を測定する。また、インク量比再取得工
程では、再設定された評価パルスTPのインク量と、再
設定されなかった評価パルスTPのインク量とを用いて
インク量比を再取得する。
【0139】インク量比を再取得したならば、上記の実
施形態と同様の手順で固有振動周期Tcを決定する(固
有振動周期決定工程)。なお、この場合における一次式
に関し、第2の一次式LE2は、第1時間間隔を2.7
μsにした評価パルスTP1と第2時間間隔を7μsに
した評価パルスTP2とによって作成される。また、第
3の一次式LE3は、第1時間間隔を3.5μsにした
評価パルスTP1と第2時間間隔を8.3μsにした評
価パルスTP2とによって作成される。
【0140】そして、この実施形態の構成でも、上記実
施形態と同様に、固有振動周期Tcが設計値から大きく
外れた記録へッド1であっても、その固有振動周期Tc
を精度良く測定することができる。
【0141】なお、上記構成は、第1実施形態のように
評価パルスTP1,TP2の時間間隔Pwh1を、標準
時間間隔(時間間隔t9)からの差で規定するようにし
た実施形態にも同様に適用できる。この場合、制御部3
3は、インク量比取得工程で取得されたインク量比(I
wS/IwL)を、仮の標準振動周期Tcstdを示す
情報として用い、標準時間間隔を再設定する。そして、
再設定された標準時間間隔を基準として第1評価パルス
TPと第2評価パルスTPの両方を再設定する。
【0142】ところで、発生時間Pwh1とインク重量
(インク量)との相関関係は、環境温度に依存して変化
する。これは、環境温度に応じてインクの粘度が変動す
るためと考えられる。即ち、図21に例示するように、
インクの粘度が高いほど、インク滴の吐出量が減少する
ことが確認できている。従って、測定温度が変化し得る
環境下で固有振動周期Tcの測定を行う場合を考慮する
と、測定環境の温度に応じて固有振動周期Tcの情報を
補正できる構成が好ましい。
【0143】この場合、例えば、図3に示すように、記
録へッド1に設けられたサーミスタ37(温度検出手段
の一種)によって測定環境の温度を測定し、測定結果
(温度情報)を制御部33に入力する(環境温度測定工
程)。そして、制御部33は、決定された固有振動周期
Tcの値をこの温度情報に基づいて補正する(固有振動
周期補正工程)。これにより、測定環境が標準温度(例
えば、測定装置の仕様で指定された環境温度)から外れ
ざるを得ない環境下であっても、精度良く固有振動周期
Tcを測定できる。
【0144】なお、測定された温度情報に応じて吐出さ
れたインク量を補正してもよい。この場合、例えば、サ
ーミスタ38(温度検出手段の一種,図3参照)を電子
天秤32に対して電気的に接続する。電子天秤32は、
測定したインク重量の値をこのサーミスタ38からの測
定結果(温度情報)に基づいて補正する(環境温度測定
工程,固有振動周期補正工程)。そして、制御部33
は、補正したインク重量の値に基づいてインク量比を取
得し、固有振動周期Tcを決定する。この構成でも精度
良く固有振動周期Tcを測定できる。
【0145】また、発生時間Pwh1とインク重量(イ
ンク量)との相関関係は、インク供給口15、圧力室1
4、ノズル開口13のうちの少なくともいずれかの寸法
に依存して変化し得る。例えば、図22に例示するよう
に、ノズル開口13の開口径に関し、開口径が20μm
の記録へッド1と21μmの記録へッド1とでは、20
μmの記録へッド1の方がインク量が少し多くなること
が確認できている。これは、他の因子、インク供給口1
5、圧力室14についても同様と考えられるので、寸法
に対してインク量の情報を補正できる構成が好ましい。
【0146】この場合、例えば、キーボードやバーコー
ドリーダ等の各種入力装置(図示せず)を制御部33に
対して電気的に接続し、この入力装置を通じて測定対象
となる記録へッド1の寸法情報を制御部33に入力す
る。そして、制御部33は、決定された固有振動周期T
cの値をこの寸法情報に基づいて補正する(固有振動周
期補正工程)。また、寸法情報に基づいてインク量を補
正してもよい。この場合には、上記の入力装置を電子天
秤32に対して電気的に接続し、この入力装置を通じて
測定対象となる記録へッド1の寸法情報を制御部に入力
する。そして。電子天秤32は、インク重量の測定値
(第1インク量IwS,第2インク量IwL)をこの寸
法情報に基づいて補正する(固有振動周期補正工程)。
これにより、記録へッド1の固有振動周期Tcを精度良
く測定できる。
【0147】次に、上記の手順で測定された固有振動周
期Tcの使用方法について説明する。ここで、図23
は、プリンタの電気的構成を説明するブロック図であ
る。
【0148】まず、プリンタの構成について説明する。
例示したプリンタは、プリンタコントローラ41とプリ
ントエンジン42とを備えている。プリンタコントロー
ラ41は、ホストコンピュータ(図示せず)等からの印
刷データ等を受信するインターフェース43と、各種デ
ータの記憶等を行うRAM44と、各種データ処理のた
めの制御ルーチン等を記憶したROM45と、CPU等
からなる制御部46と、発振回路47と、記録へッド1
へ供給する駆動信号を発生する駆動信号発生回路48
と、印刷データをドット毎に展開することで得られた記
録データや駆動信号等をプリントエンジン42に送信す
るためのインターフェース49とを備えている。
【0149】また、プリントエンジン42は、記録へッ
ド1と、キャリッジ機構51と、紙送り機構52とから
構成されている。そして、記録へッド1は、記録データ
がセットされるシフトレジスタ53と、シフトレジスタ
53にセットされた記録データをラッチするラッチ回路
54と、電圧増幅器として機能するレベルシフタ55
と、圧電振動子2に対する駆動信号の供給を制御するス
イッチ回路56と、圧電振動子2とを備えている。な
お、上記の記録へッド1には情報記憶素子36が備えら
れている。この情報記憶素子36は、固有情報記憶手段
の一種であり、上記の固有情報が記憶されている。そし
て、この情報記憶素子36は制御部46と電気的に接続
されている。これにより、制御部46は、情報記憶素子
36に格納された固有情報(固有振動周期Tcを表す情
報)を適宜読み出すことができる。
【0150】また、固有情報を粘着シール35等の表記
部材によって表記し、この表記部材を記録へッド1に貼
設した場合には、スキャナーやラインセンサ等の情報読
取装置61(情報読取手段)やキーボードやタッチパネ
ル等の情報入力装置62(情報入力手段)によって固有
情報が制御部46に送信される。例えば、固有情報がバ
ーコード等の機械的に読み取り可能な情報であった場合
には、情報読取装置61を用いて固有情報を読み取り、
制御部46に送信する。また、固有情報がアルファベッ
トや数字等によって構成されたコード情報であった場合
には、情報入力装置62によってコード情報を入力し、
制御部46に送信する。そして、制御部46は、受信し
た固有情報を不揮発性の情報記憶部(例えばEEPRO
M,固有情報記憶手段の一種,図示せず)に記憶する。
【0151】上記の制御部46は主制御手段として機能
し、ROM45に記憶された動作プログラムに基づいて
プリンタの各部を制御する。そして、駆動信号発生回路
48は、制御部46によって定められた波形形状の駆動
信号COMを発生する。即ち、この駆動信号発生回路4
8は、駆動信号発生手段の一種として機能する。駆動信
号発生回路48から発生される駆動信号COMは、駆動
パルス(インク滴を吐出させるために必要な波形要素を
複数有するパルス信号)を印刷周期中に少なくとも1つ
含んでおり、印刷周期単位で繰り返し発生される。そし
て、この駆動信号COM(駆動パルス)は、上記のスイ
ッチ回路56を介して、圧電振動子2へ選択的に供給さ
れる。
【0152】また、制御部46は波形設定手段としても
機能し、情報記憶素子36に記憶された固有情報(波形
設定情報)に基づいて波形要素の制御因子を定める。こ
れにより、駆動パルスの波形形状を、使用される記録へ
ッド1の固有振動周期Tcに応じて適正化する。なお、
制御因子とは、制御対象となる波形要素を定めるための
条件であり、例えば発生時間や電位差がある。この制御
因子は、その波形要素が定められれば良いので、発生時
間と電位差の組み合わせに限られるものではない。例え
ば、発生時間と電位勾配の組み合わせであっても良い。
そして、本実施形態では、後述するように、この制御因
子を波形要素の発生時間に設定している。
【0153】次に、駆動信号発生回路48が発生する駆
動信号COMの具体例と、固有情報に基づく駆動信号C
OMの適正化(駆動パルスの適正化)について説明す
る。
【0154】図24に例示した第1駆動信号COM1
は、波形形状を同一にしたノーマルドット駆動パルスを
複数一連に接続した信号である。即ち、この第1駆動信
号COM1は、印刷周期Tの最初に発生される第1ノー
マルドット駆動パルスDP1と、この第1ノーマルドッ
ト駆動パルスDP1に続いて発生される第2ノーマルド
ット駆動パルスDP2と、第2ノーマルドット駆動パル
スDP2に続いて発生される第3ノーマルドット駆動パ
ルスDP3とを備えており、これらの各ノーマルドット
駆動パルスDP1〜DP3を印刷周期T毎に繰り返し発
生する。
【0155】これらの各ノーマルドット駆動パルスDP
1〜DP3は、単独でインク滴を吐出可能な駆動パルス
であり、中間電位VMから最大電位VPまでインク滴を
吐出させない程度の一定勾配で電位を上昇させる膨張要
素P11と、最大電位VPを所定時間保持する膨張ホー
ルド要素P12と、最大電位VPから最低電位VLまで
急勾配で電位を下降させる吐出要素P13と、最低電位
VGを所定時間保持する制振ホールド要素P14と、最
低電位VGから中間電位VMまで電位を上昇させる膨張
制振要素P15とから構成されている。なお、これらの
膨張要素P11〜膨張制振要素P15が、このノーマル
ドット駆動パルスDP1〜DP3における波形要素に相
当する。そして、各ノーマルドット駆動パルスDP1〜
DP3が圧電振動子2に供給される毎に、ノーマルドッ
トを形成し得る量、例えば、13pL程度のインク滴が
ノズル開口13から吐出される。
【0156】この第1駆動信号COM1では、ドットパ
ターンデータがスモールドットのデータであった場合に
第2ノーマルドット駆動パルスDP2のみを圧電振動子
2に供給する。また、ミドルドットのデータであった場
合に第1ノーマルドット駆動パルスDP1と第3ノーマ
ルドット駆動パルスDP3とを圧電振動子2に供給し、
ラージドットのデータであった場合に各ノーマルドット
駆動パルスDP1〜DP3を圧電振動子2に供給する。
【0157】そして、制御部46(波形設定手段)は、
その記録へッド1の固有情報(測定された固有振動周期
Tc)に応じて駆動信号発生回路48(駆動信号発生手
段)を制御し、メニスカスMの振動抑制に係わる波形要
素の制御因子を定める。この例では、制振ホールド要素
P14の発生期間Pwh12を定め、併せて、隣り合う
ノーマルドット駆動パルスDP1〜DP3同士の間隔P
dis1〜Pdis3を定める。
【0158】この制振ホールド要素P14の発生期間P
wh12は、インク滴吐出後における膨張制振要素P1
5の供給開始タイミングを規定する。即ち、この発生期
間Pwh12を設計値よりも短く設定すると膨張制振要
素P15が早めのタイミングで供給され、設計値よりも
長く設定すると膨張制振要素P15が遅めのタイミング
で供給される。そして、装着された記録へッド1の固有
振動周期Tcが標準固有振動周期Tcstdよりも短い
場合には膨張制振要素P15を早めのタイミングで供給
し、標準固有振動周期Tcstdよりも長い場合には膨
張制振要素P15を遅めのタイミングで供給する。この
構成により、膨張制振要素P15をその記録へッド1に
適したタイミングで供給でき、メニスカスMの振動を効
果的に(速やかに)収束させることができる。
【0159】従って、制振ホールド要素P14の発生時
間Pwh12に関し、測定された固有振動周期Tcが標
準固有振動周期Tcstdに等しい場合には、この発生
期間Pwh12も設計値に設定する。そして、測定され
た固有振動周期Tcが標準固有振動周期Tcstdより
も短い場合には、発生時間Pwh12を設計値よりも短
く設定し、標準固有振動周期Tcstdよりも長い場合
には、発生時間Pwh12を設計値よりも長く設定す
る。
【0160】この発生時間Pwh12の設定は、テーブ
ル情報を用いることで行うことができる。例えば、測定
された固有振動周期Tcと発生時間Pwh12の関係を
示すテーブル情報をプリンタコントローラ41のROM
45や不揮発性の情報記憶部(例えばEEPROM,固
有情報記憶手段の一種,図示せず)に記憶し、制御部4
6によって発生時間Pwh12を取得させる。即ち、制
御部46は、このテーブル情報と情報記憶素子36の固
有情報とに基づき、発生時間Pwh12を設定する。
【0161】この場合において、発生時間Pwh12の
変更ステップは、決定された固有振動周期Tcに応じて
細かく設定することができる。例えば、発生時間Pwh
12の調整代が設計値を中心に±1μsである場合、変
更ステップを設計値よりも短い側に20ステップ(即
ち、0.05μs間隔)及び長い側に20ステップ(即
ち、0.05μs間隔)まで細かく設定できる。従っ
て、その記録へッド1に最適な発生時間Pwh12を高
い精度で設定できる。
【0162】また、本実施形態では、制御因子が波形要
素(制振ホールド要素P14)の発生時間であるので、
固有情報に応じて変動する第1補正時間を、調整対象と
なる波形要素の基準発生時間に加算することで、この波
形要素の発生時間を定めることができる。この場合にお
いて、プリンタが使用される環境温度に応じて変動する
第2補正時間を、波形要素の基準発生時間に加算する
と、調整対象となる波形要素の発生時間をより精度良く
定めることができる。
【0163】例えば、制御部46は、次式(6)〜
(8)に示す計算式に基づいて発生時間Pwh12を定
めることができる。
【0164】 Pwh12=BT+RT1+RT2 … (6) RT1=(Tc−Tcstd)×a … (7) RT2=b×(t−ta)/(tb−ta) … (8) なお、上記各式において、Pwh12は制振ホールド要
素の発生時間,BTは基準発生時間、RT1は第1補正
時間、RT2は第2補正時間、Tcは測定された固有振
動周期、Tcstdは標準固有振動周期、aは第1補正
係数、bは第2補正係数、tは測定温度、taは温度範
囲の上限値、tbは温度範囲の下限値である。
【0165】また、ノーマルドット駆動パルス同士の間
隔Pdis1〜Pdis3は、制振ホールド要素P14
の発生時間Pwh12に併せて変更される。これは、記
録周期Tは一定であるため、単に制振ホールド要素P1
4の発生時間Pwh12を変更しただけでは不都合が生
じ得るからである。
【0166】例えば、発生時間Pwh12を設計値より
も短く設定した場合には、第3ノーマルドット駆動パル
スDP3の発生終了時から次記録周期における第1ノー
マルドット駆動パルスDP1の発生開始時までの間隔P
dis1が、他の間隔Pdis2,Pdis3よりも長
くなる。この間隔の違いによりインク滴の着弾間隔に差
が生じ、ベタ記録の場合(塗りつぶしの場合)等におい
て色むらの原因となる。従って、この場合には、発生時
間Pwh12が短くなった分だけ間隔Pdis1〜Pd
is3を長く設定し、ノーマルドット駆動パルス同士の
間隔を揃える。
【0167】一方、発生時間Pwh12を設計値よりも
長く設定した場合には、第3ノーマルドット駆動パルス
DP3の発生終了時が記録周期Tの発生終了時点を越え
てしまう。この場合、第3ノーマルドット駆動パルスD
P3の膨張制振要素P15が途中で切れてしまうことに
なる。従って、この場合には、発生時間Pwh12が長
くなった分だけ間隔Pdis1〜Pdis3を短く設定
し、ノーマルドット駆動パルス同士の間隔を揃えつつ各
ノーマルドット駆動パルスDP1〜DP3を記録周期T
内に収める。
【0168】また、制御部46(波形設定手段)によ
り、その記録へッド1の固有情報に応じて、膨張ホール
ド要素P12の発生時間Pwh11を変更するようにし
てもよい。この場合には、吐出要素P13の供給タイミ
ングにおけるメニスカスMの状態を、固有振動周期Tc
の違いに拘わらず揃えることができる。これにより、イ
ンク滴の吐出量を揃えることができ、ひいては画質の向
上が図れる。
【0169】また、制御部46(波形設定手段)によ
り、その記録へッド1の固有情報に応じて、第1駆動信
号COM1の中間電位VM(基準電位)を変えてもよ
い。例えば、固有振動周期Tcが標準固有振動周期Tc
stdよりも短い記録へッド1では、圧力室14内のイ
ンクの運動エネルギーが、標準固有振動周期Tcstd
の記録へッド1における運動エネルギーよりも大きいと
考えられる。反対に、固有振動周期Tcが標準固有振動
周期Tcstdよりも長い記録へッド1では、圧力室1
4内のインクの運動エネルギーが、標準固有振動周期T
cstdの記録へッド1における運動エネルギーよりも
小さいと考えられる。
【0170】そして、中間電位VMは、膨張要素要素P
11の電位差、即ち、圧力室14の膨張しろ(代)を規
定する。このため、中間電位VMを設計値よりも低く設
定することで圧力室14の膨張代が増え、圧力室14内
のインクに付与される運動エネルギーをその分だけ高く
できる。反対に、中間電位VMを設計値よりも高くする
ことにより圧力室14の膨張代が減り、圧力室14内の
インクに付与される運動エネルギーをその分だけ低くで
きる。
【0171】従って、固有振動周期Tcが設計値よりも
短い記録へッド1については中間電位VMを設計値より
も高く設定し、固有振動周期Tcが設計値よりも長い記
録へッド1については中間電位VMを設計値よりも低く
設定することにより、固有振動周期Tcに応じてばらつ
くインクの運動エネルギーを均一化でき、インク滴の吐
出特性を揃えることができる。
【0172】次に、図25に例示した第2駆動信号CO
M2について説明する。この第2駆動信号COM2は、
メニスカスMを微振動させる微振動パルスVP1と、こ
の微振動パルスVP1の後に発生され、マイクロドット
を形成し得る極く少量のインク滴をノズル開口13から
吐出させるマイクロドット駆動パルスDP4と、ミドル
ドットを形成し得る少量のインク滴をノズル開口13か
ら吐出させるミドルドット駆動パルスDP5とを含み、
これらの各パルスVP1,DP4,DP5を印刷周期T
毎に繰り返し発生する。
【0173】この第2駆動信号COM2では、インク滴
を吐出させない場合に微振動パルスVP1のみを選択し
て圧電振動子2に供給し、ドットパターンデータがマイ
クロドットのデータであった場合にマイクロドット駆動
パルスDP4のみを圧電振動子2に供給する。また、ミ
ドルドットのデータであった場合にミドルドット駆動パ
ルスDP5のみを圧電振動子2に供給し、ラージドット
のデータであった場合にマイクロドット駆動パルスDP
4とミドルドット駆動パルスDP5とを圧電振動子2に
供給する。
【0174】なお、この第2駆動信号COM2における
各インク滴のインク量は、対応する第1駆動信号COM
1のインク滴のインク量よりも少ない。即ち、マイクロ
ドット駆動パルスDP4の供給によって吐出されるイン
ク量は、第2ノーマルドット駆動パルスDP2の供給に
よって吐出されるインク量よりも少ない。そして、ミド
ルドット駆動パルスDP5の供給によって吐出されるイ
ンク量は、2つのノーマルドット駆動パルスDP1,D
P3によって吐出される合計のインク量よりも少ない。
さらに、マイクロドット駆動パルスDP4及びミドルド
ット駆動パルスDP5の供給によって吐出される合計の
インク量は、3つのノーマルドット駆動パルスDP1〜
DP3の供給によって吐出される合計のインク量よりも
少ない。
【0175】上記の微振動パルスVP1は、最低電位V
Gから微振動膨張電位VEまで、インク滴を吐出させな
い程度の比較的緩やかな電位勾配で電位を上昇させる微
振動膨張要素P21と、微振動膨張要素P21に続いて
発生されて微振動膨張電位VEを所定時間維持する微振
動ホールド要素P22と、微振動ホールド要素P22に
続いて発生されて微振動膨張電位VEから最低電位VG
まで比較的緩やかな電位勾配で電位を下降させる微振動
収縮要素P23とから構成される。そして、この微振動
パルスVP1が圧電振動子2に供給されると、インク滴
が吐出されない程度の圧力変動が圧力室14内のインク
に生じ、メニスカスMが微振動する。これにより、ノズ
ル開口13付近のインク増粘が防止される。
【0176】マイクロドット駆動パルスDP4は、最低
電位VGから最大電位VPまで比較的急峻な勾配で電位
を上昇させる引き込み要素P24と、引き込み要素P2
4に続いて発生されて最大電位VPを極く短時間維持す
る引き込みホールド要素P25と、最大電位VPから吐
出電位VFまで比較的急峻な勾配で電位を下降させる吐
出要素P26と、吐出電位VFを極く短い時間維持する
吐出ホールド要素P27と、吐出電位VFから最低電位
VGまで比較的緩やかな電位勾配で電位を下降させる収
縮制振要素P28とから構成される。そして、このマイ
クロドット駆動パルスDP4が圧電振動子22に供給さ
れると、上記したように極く少量のインク滴が吐出され
る。
【0177】ミドルドット駆動パルスDP5は、インク
滴を吐出する吐出パルスP1とこの吐出パルスP1の後
に発生されてインク滴吐出後におけるメニスカスMの振
動を抑制する制振パルスP2とを備える。
【0178】吐出パルスP1は、最低電位VGから第2
最大電位VP´までインク滴を吐出させない程度の勾配
で電位を上昇させる充填要素P29と、充填要素P29
に続いて発生されて第2最大電位VP´を所定時間維持
する充填ホールド要素P30と、第2最大電位VP´か
ら最低電位VGまで比較的急峻な勾配で電位を下降させ
る吐出要素P31とから構成される。なお、第2最大電
位VP´は、最大電位VPよりも低く吐出電位VFより
も高い電位に設定される。制振パルスP2は、最低電位
VGから制振電位VDまで、インク滴を吐出させない程
度の比較的緩やかな電位勾配で電位を上昇させる膨張制
振要素P32と、膨張制振要素P32に続いて発生され
て制振電位VDを所定時間維持する制振ホールド要素P
33と、制振ホールド要素P33に続いて発生されて制
振電位VDから最低電位VGまで比較的緩やかな電位勾
配で電位を下降させる収縮復帰要素P34とから構成さ
れる。そして、このミドルドット駆動パルスDP5で
は、これらの吐出パルスP1と制振パルスP2との間を
定電位のパルス接続要素P35で接続している。
【0179】このミドルドット駆動パルスDP5が圧電
振動子2に供給されると、上記したように少量のインク
滴が吐出される。そして、このミドルドット駆動パルス
DP5では、吐出パルスP1の供給によってノズル開口
13からインク滴が吐出され、制振パルスP2の供給に
よってインク滴吐出直後における圧力室14内のインク
の圧力変動が吸収される。
【0180】そして、制御部46(波形形状設定手段)
は、その記録へッド1の固有情報に応じて駆動信号発生
回路48(駆動信号発生手段)を制御し、メニスカスM
の振動抑制に係わる波形要素の制御因子を定める。この
例では、収縮制振要素P28の発生時間Pwdμ2、及
び、パルス接続要素P35の発生時間Pwhm2を変更
する。
【0181】まず、収縮制振要素P28の発生時間Pw
dμ2について説明する。この発生時間Pwdμ2は収
縮制振要素P28による圧力室14の収縮速度を規定す
る。従って、発生時間Pwdμ2を設計値よりも短くす
ると圧力室14の収縮速度が設計値よりも速くなり、発
生時間Pwdμ2を設計値よりも長くすると圧力室14
の収縮速度が設計値よりも遅くなる。
【0182】そして、収縮制振要素P28の発生時間P
wdμ2に関し、固有情報が示す固有振動周期Tcが標
準固有振動周期Tcstdであった場合には、この発生
時間Pwdμ2も設計値に設定する。そして、この固有
振動周期Tcが標準固有振動周期Tcstdよりも短い
場合には、発生時間Pwdμ2を設計値よりも短く設定
する。一方、この固有振動周期Tcが標準固有振動周期
Tcstdよりも長い場合には、発生時間Pwdμ2を
設計値よりも長く設定する。このようにすると、収縮制
振要素P28を固有振動周期Tcに応じて最適化でき、
この固有振動周期Tcに応じて変化するインク滴吐出後
のインクの運動エネルギーを効率良く吸収できる。
【0183】なお、この収縮制振要素P28の発生時間
Pwdμ2の変更は、上記した第1駆動信号COM1と
同様にして行うことができる。例えば、固有振動周期T
cと発生時間Pwdμ2の関係を規定するテーブル情報
を用意し、このテーブル情報を制御部46に参照させる
ことで発生時間Pwdμ2を定めることができる。この
場合において、制御因子は波形要素の発生時間であるの
で、基準発生時間に第1補正時間と第2補正時間を加算
することで発生時間Pwdμ2を定めてもよい。
【0184】また、この収縮制振要素P28の発生時間
Pwdμ2を設計値から変えた場合には、併せて、マイ
クロドット駆動パルスDP4の終端とミドルドット駆動
パルスDP5(吐出パルスP1)の始端とを最低電位V
Gで接続する定電位要素P36の発生時間Pwhμ3も
変更する。即ち、発生時間Pwdμ2を設計値よりも短
く設定した場合には定電位要素P36の発生時間をPw
hμ3をその分長く設定し、発生時間Pwdμ2を設計
値よりも長く設定した場合には定電位要素P36の発生
時間をPwhμ3をその分短く設定する。これにより、
マイクロドット駆動パルスDP4の終端とミドルドット
駆動パルスDP5の間隔、詳しくは、吐出要素P26と
吐出要素P31の間隔を一定にすることができ、インク
滴の着弾位置のばらつきを防止できる。
【0185】次に、パルス接続要素P35の発生時間P
whm2について説明する。この発生時間Pwhm2
は、ミドルドット駆動パルスDP5における膨張制振要
素P32の供給開始タイミングを規定する。即ち、上記
したノーマルドット駆動パルスDP1〜DP3における
制振ホールド要素P14と同様な機能を有する。従っ
て、この発生時間Pwhm2に関し、固有情報が示す固
有振動周期Tcが標準固有振動周期Tcstdであった
場合には、この発生時間Pwhm2も設計値に設定す
る。そして、この固有振動周期Tcが標準固有振動周期
Tcstdよりも短い場合には、Pwhm2を設計値よ
りも短く設定する。一方、この固有振動周期Tcが標準
固有振動周期Tcstdよりも長い場合には、Pwhm
2を設計値よりも長く設定する。その結果、膨張制振要
素P32をその記録へッド1に適したタイミングで供給
でき、メニスカスMの振動を効果的に収束させることが
できる。
【0186】次に、図26に例示した第3駆動信号CO
M3について説明する。この第3駆動信号COM3は、
上記の第2駆動信号COM2と同じく、微振動パルスV
P1(P21〜P23)、マイクロドット駆動パルスD
P4(P24〜P28)、ミドルドット駆動パルスDP
5(P29〜P35)とを含み、これらの各パルスVP
1,DP4,DP5を印刷周期T毎に繰り返し発生す
る。これらの各パルスは、各波形要素の電位差や時間幅
に多少の相違があるものの上記した第2駆動信号COM
2の各パルスと同等なものであるので、その詳細な説明
は省略する。
【0187】この第3駆動信号COM3では、記録へッ
ド1の往路走査時と復路走査時とでこれらの駆動パルス
の発生順序を入れ替えている。即ち、記録へッド1の往
路走査時において駆動信号発生回路48は、(a)に示
すように、印刷周期の開始時からミドルドット駆動パル
スDP5を発生し、次にマイクロドット駆動パルスDP
4を発生し、最後に微振動パルスVP1を発生する。一
方、記録へッド1の復路走査時において駆動信号発生回
路48は、(b)に示すように、印刷周期の開始時から
マイクロドット駆動パルスDP4を発生し、次に微振動
パルスVP1を発生し、最後にミドルドット駆動パルス
DP5を発生する。
【0188】そして、制御部46(波形形状設定手段)
は、その記録へッド1の固有情報に応じて駆動信号発生
回路48(駆動信号発生手段)を制御し、メニスカスM
の振動抑制に係わる波形要素の制御因子を定める。この
例では、上記した第2駆動信号COM2と同様に、収縮
制振要素P28の発生時間Pwdμ2、パルス接続要素
P35の発生時間Pwhm2を変更する。
【0189】なお、固有情報(測定された固有振動周期
Tc)に基づく駆動パルスの適正化は、上記した各駆動
パルスに限定されるものではない。即ち、種々の駆動パ
ルスについて適正化することができる。例えば、図27
に示すマイクロドット駆動パルスDP6についても固有
情報に基づく適正化が行える。
【0190】このマイクロドット駆動パルスDP6は、
最低電位VGから第1最大電位VP1までインク滴を吐
出させない程度の勾配で電位を可及的に上昇させる引き
込み要素P41と、第1最大電位VP1を極く短時間保
持する引き込みホールド要素P42と、第1最大電位V
P1から吐出電位VFまで可及的急勾配で電位を下降さ
せる吐出要素P43と、吐出電位VFを極く短時間維持
する第1吐出ホールド要素P44と、吐出電位VFから
第2最大電位VP2まで可及的急勾配で電位を上昇させ
る吐出引き込み要素P45と、第2最大電位を極く短時
間維持する第1制振ホールド要素P46と、第2最大電
位から制振電位VBまで一定勾配で電位を下降させる第
1制振要素P47と、制振電位VBを所定時間維持する
第2制振ホールド要素P48と、制振電位VBから最低
電位VGまで一定勾配で電位を下降させる第2制振要素
P49とから構成されている。
【0191】このマイクロドット駆動パルスDP6が圧
電振動子2に供給されると、ノズル開口13からはマイ
クロドットに対応する極く少量のインク滴が吐出され
る。なお、このマイクロドット駆動パルスDP6の供給
によって吐出されるインク滴の量は、上記したマイクロ
ドット駆動パルスDP4のの供給によって吐出されるイ
ンク滴の量よりも少ない。
【0192】そして、制御部46(波形形状設定手段)
は、その記録へッド1の固有情報に応じて駆動信号発生
回路48(駆動信号発生手段)を制御し、メニスカスM
の振動抑制に係わる波形要素の制御因子を定める。この
例では、第1制振ホールド要素P46の発生時間Pwh
3を変更して適正化する。この適正化により、インク滴
吐出直後におけるメニスカスMの振動を速やかに収束さ
せることができ、高周波駆動を行った場合に、インク滴
の吐出量や飛行速度等を安定化することができる。
【0193】以上説明したように、上記各実施形態にお
いて、制御部46は、固有情報に基づいて駆動パルスD
P1〜DP6を構成する波形要素(例えば、制振ホール
ド要素P14,吐出ホールド要素P27)の制御因子
(例えば、発生時間)を変更する。そして、この固有情
報は、インク量比(IwS/IwL)に基づいて取得さ
れているので、その記録へッド1の固有振動周期Tcを
高い精度で表している。従って、圧力室14内のインク
の固有振動周期Tcが個々の記録へッド1同士の間でば
らついたとしても、その記録へッド1に適した波形形状
の駆動信号COMで駆動することができる。その結果、
製造段階における固有振動周期Tcのばらつきを補正で
き、各記録へッド1におけるインク滴の吐出特性を揃え
ることができる。
【0194】ところで、本発明は、上記の各実施形態に
限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づ
いて種々の変更が可能である。
【0195】まず、固有情報に応じて変更される波形要
素に関し、上記実施形態では、インク滴吐出後における
メニスカスMの振動抑制に係わる波形要素として、制振
ホールド要素P14、収縮制振要素P28、パルス接続
要素P35などを例に挙げて説明したが、他の波形要素
を変更してもよい。例えば、インク滴の飛行特性に影響
を及ぼす波形要素、例えば、ノーマルドット駆動パルス
DP1〜DP3の膨張要素P11や、ミドルドット駆動
パルスDP5の充填ホールド要素P30を変更してもよ
い。
【0196】また、上記の固有情報に代えて、インク量
比を表すインク量比情報(本発明の波形設定情報の一
種)を記録へッド1に付与してもよい。そして、制御部
46は、情報記憶素子36に記憶される等したインク量
比情報に基づき、駆動パルスに対する波形変更を同様に
行う。
【0197】また、圧力発生素子は、圧電振動子2に限
られるものではなく、他の素子を用いてもよい。例え
ば、発熱素子を用いてもよい。また、磁歪素子や静電ア
クチュエータ等の電気機械変換素子も用いることができ
る。
【0198】また、上記実施形態では、固有振動周期T
c(インク量比)を記録へッド1の全体で測定していた
が、これをノズル列毎に測定するようにしてもよい。こ
の場合には、各ノズル列毎に固有振動周期Tcが付与さ
れるので、きめ細かな制御が実現できる。
【0199】また、以上は、液体噴射装置の一種である
インクジェット式プリンタを例に挙げて説明したが、本
発明は他の液体噴射装置にも適用することができる。例
えば、液晶ディスプレー等のカラーフィルタを製造する
ディスプレー製造装置,有機EL(Electro Luminescen
ce)ディスプレーやFED(面発光ディスプレー)等の
電極を形成する電極製造装置,バイオチップ(生物化学
素子)を製造するチップ製造装置,極く少量の試料溶液
を正確な量供給するマイクロピペットにも適用すること
ができる。そして、ディスプレー製造装置では、色材噴
射ヘッドからR(Red)・G(Green)・B(Blue)の各
色材の溶液を吐出する。また、電極製造装置では、電極
材噴射ヘッドから液状の電極材料を吐出する。チップ製
造装置では、生体有機物噴射ヘッドから生体有機物の溶
液を吐出する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 記録ヘッドの構造を説明する断面図である。
【図2】 流路ユニットの構造を説明する要部拡大断面
図である。
【図3】 固有振動周期測定装置を説明するブロック図
である。
【図4】 評価パルス発生回路から発生される評価パル
スの説明図である。
【図5】 評価パルスの供給周期とインク量の関係を説
明する図である。
【図6】 (a)は、励振要素を供給した際における圧
力室の圧力変動及びメニスカスの位置を説明する図、
(b)〜(d)は、励振要素を供給した際におけるメニ
スカスの位置を説明する図である。
【図7】 メニスカスの位置とインク量の関係を説明す
る図である。
【図8】 固有振動周期が相違する複数の記録ヘッドに
関する圧力室の圧力変動、メニスカスの位置、インク量
の関係を説明する図である。
【図9】 励振要素の電位差を変えた場合における発生
時間Pwh1とインク量の関係を説明する図である。
【図10】 第1評価パルス及び第2評価パルスの設定
を説明する図である。
【図11】 複数の記録へッドについて固有振動周期T
cとインク量比の関係を示した図であり、相関関係を2
つの一次式で近似した例である。
【図12】 複数の記録へッドについて固有振動周期T
cとインク量比の関係を示した図であり、相関関係を3
つの一次式で近似した例である。
【図13】 固有情報を付与する情報付与媒体を説明す
る図であり、(a)は粘着シールによる態様を示し、
(b)は情報記憶素子による態様を示す。
【図14】 図8におけるX部を拡大した図である。
【図15】 複数の記録へッドについて固有振動周期T
cとインク量比の関係を示した図であり、相関関係を一
次式で近似した例である。
【図16】 固有振動周期の相違に伴うインク量の違い
を説明する図であり、増加時間範囲を拡大して示した図
である。
【図17】 固有振動周期の相違に伴うインク量の違い
を説明する図であり、減少時間範囲を拡大して示した図
である。
【図18】 比較例を説明する図であり、ボトム範囲に
おける固有振動周期毎のインク量の違いを説明する図で
ある。
【図19】 比較例における固有振動周期Tcとインク
量比の関係を示した図である。
【図20】 3種類の一次式を用いて固有振動周期Tc
とインク量比の相関関係を近似した例である。
【図21】 測定環境の温度(インク粘度)が変化した
場合における発生時間Pwh1とインク量の関係を説明
する図である。
【図22】 ノズル開口の径が変化した場合における発
生時間Pwh1とインク量の関係を説明する図である。
【図23】 プリンタの構成を説明するブロック図であ
る。
【図24】 駆動信号発生回路から発生される第1駆動
信号を説明する図である。
【図25】 駆動信号発生回路から発生される第2駆動
信号を説明する図である。
【図26】 (a),(b)は、駆動信号発生回路から
発生される第3駆動信号を説明する図である。
【図27】 マイクロドット駆動パルスの他の例を説明
する図である。
【符号の説明】
1…インクジェット式記録ヘッド,2…圧電振動子,3
…固定板,4…フレキシブルケーブル,5…振動子ユニ
ット,6…ケース,7…流路ユニット,8…収納空部,
9…島部,10…流路形成基板,11…ノズルプレー
ト,12…弾性板,13…ノズル開口,14…圧力室,
15…インク供給口,16…共通インク室,17…ノズ
ル連通口,18…支持板,19…弾性体膜,20…ダイ
ヤフラム部,21…コンプライアンス部,22…弾性
部,31…評価パルス発生回路,32…電子天秤,33
…固有振動周期測定装置の制御部,35…粘着シール,
36…情報記憶素子,37,38…サーミスタ,41…
プリンタコントローラ,42…プリントエンジン,43
…インターフェース,44…RAM,45…ROM,4
6…制御部,47…発振回路,48…駆動信号発生回
路,49…インターフェース,51…キャリッジ機構,
52…紙送り機構,53…シフトレジスタ,54…ラッ
チ回路,55…レベルシフタ,56…スイッチ回路,6
1…情報読取装置,62…情報入力装置
フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願2002−70656(P2002−70656) (32)優先日 平成14年3月14日(2002.3.14) (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 高橋 智明 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 (72)発明者 田中 良一 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 (72)発明者 西田 圭介 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EB29 EB30 EB59 EC42 FA04 KD10 2C057 AL14 AL26 AM21 AM22 AP82 AR04 AR16 BA03 BA14

Claims (41)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノズル開口に連通すると共に液体を収容
    可能な圧力室と、該圧力室に液体を供給する液体供給口
    と、前記圧力室内の液体に圧力変動を生じさせる圧力発
    生素子とを備えた液体噴射ヘッドの前記圧力室内に収容
    された液体に対する固有振動周期を測定する固有振動周
    期測定方法において、 圧力室内の液体に圧力振動を励起させる励振要素、及
    び、該励振要素よりも後に発生されてノズル開口から液
    滴を吐出させる吐出要素とを含み、励振要素から吐出要
    素までの時間間隔を第1時間間隔に設定した第1評価パ
    ルスと前記時間間隔を第1時間間隔よりも長い第2時間
    間隔に設定した第2評価パルスとを圧力発生素子へ供給
    することで、第1評価パルスに対応する第1液体量と第
    2評価パルスに対応する第2液体量とを測定する液体量
    測定工程と、 該測定された第1液体量と第2液体量から液体量比を取
    得する液体量比取得工程と、 該液体量比に基づき、圧力室内の液体に関する固有振動
    周期を決定する固有振動周期決定工程とを経ることを特
    徴とする液体噴射ヘッドの固有振動周期測定方法。
  2. 【請求項2】 励振要素から吐出要素までの時間間隔を
    段階的に変えた複数の測定用信号を、最大固有振動周期
    の液体噴射ヘッドと最小固有振動周期の液体噴射ヘッド
    とに供給することで、最大周期液体量変動曲線と最小周
    期液体量変動曲線とを予め取得し、 前記固有振動周期の増加に伴って吐出液体量が増加する
    増加時間範囲内に前記吐出要素が供給されるように、第
    1時間間隔及び第2時間間隔の一方を設定すると共に、
    固有振動周期の増加に伴って吐出液体量が減少する減少
    時間範囲内に前記吐出要素が供給されるように、第1時
    間間隔及び第2時間間隔の他方を設定したことを特徴と
    する請求項1に記載の液体噴射ヘッドの固有振動周期測
    定方法。
  3. 【請求項3】 前記増加時間範囲を、最大周期液体量変
    動曲線におけるピーク点から最小周期液体量変動曲線に
    おける直近のボトム点までの範囲に設定し、 前記減少時間範囲を、最大周期液体量変動曲線における
    ボトム点から最小周期液体量変動曲線における直近のピ
    ーク点までの範囲に設定したことを特徴とする請求項2
    に記載の液体噴射ヘッドの固有振動周期測定方法。
  4. 【請求項4】 前記励振要素から吐出要素までの時間間
    隔を段階的に変えた複数の測定用信号を標準固有振動周
    期を有する液体噴射ヘッドに供給することで、標準周期
    液体量変動曲線を予め取得し、 前記第1時間間隔及び第2時間間隔を、標準周期液体量
    変動曲線における単位時間当たりの液体量の変化が最大
    となるタイミングで吐出要素が供給される間隔に設定し
    たことを特徴とする請求項2又は3に記載の液体噴射ヘ
    ッドの固有振動周期測定方法。
  5. 【請求項5】 前記増加時間範囲と減少時間範囲とを、
    互いに隣り合う時間範囲に定めたことを特徴とする請求
    項2から4の何れかに記載の液体噴射ヘッドの固有振動
    周期測定方法。
  6. 【請求項6】 励振要素から吐出要素までの時間間隔を
    段階的に変えた複数の測定用信号を、最大固有振動周期
    の液体噴射ヘッドと最小固有振動周期の液体噴射ヘッド
    とに供給することで、最大周期液体量変動曲線と最小周
    期液体量変動曲線とを予め取得し、 前記第1時間間隔及び第2時間間隔は、吐出要素の供給
    タイミングが、最大周期液体量変動曲線のピーク点から
    直近の最小周期液体量変動曲線のピーク点までの範囲内
    となる間隔に設定されていることを特徴とする請求項1
    に記載の液体噴射ヘッドの固有振動周期測定方法。
  7. 【請求項7】 前記励振要素から吐出要素までの時間間
    隔を段階的に変えた複数の測定用信号を標準固有振動周
    期を有する液体噴射ヘッドに供給することで、標準周期
    液体量変動曲線を予め取得し、 該標準周期液体量変動曲線のボトム点に対応する励振要
    素から吐出要素までの時間間隔を標準時間間隔とすると
    共に、前記第1時間間隔と第2時間間隔の中央値を該標
    準時間間隔に一致させたことを特徴とする請求項6に記
    載の液体噴射ヘッドの固有振動周期測定方法。
  8. 【請求項8】 前記第1時間間隔は、標準時間間隔から
    標準固有振動周期の1/4を減じた時間間隔であり、第
    2時間間隔は、標準時間間隔に標準固有振動周期の1/
    4を加えた時間間隔であることを特徴とする請求項7に
    記載の液体噴射ヘッドの固有振動周期測定方法。
  9. 【請求項9】 前記励振要素の電位差を、前記吐出要素
    の電位差の90%以上に設定したことを特徴とする請求
    項1から8の何れかに記載の液体噴射ヘッドの固有振動
    周期測定方法。
  10. 【請求項10】 前記励振要素の電位差を、前記吐出要
    素の電位差の95%以上に設定したことを特徴とする請
    求項1から8の何れかに記載の液体噴射ヘッドの固有振
    動周期測定方法。
  11. 【請求項11】 液体量比取得工程で取得された液体量
    比が判断基準範囲内か否かを判定する液体量比判定工程
    と、 前記判断基準範囲を越えていると判定された場合に、第
    1評価パルスと第2評価パルスの少なくとも一方を再設
    定する評価パルス再設定工程と、 該評価パルス再設定工程で再設定された新たな評価パル
    スを用いて液体量を測定する液体量再測定工程と、 該液体量再測定工程で測定された液体量を用いて液体量
    比を再取得する液体量比再取得工程とを、前記固有振動
    周期決定工程に先立って行うことを特徴とする請求項1
    から10の何れかに記載の液体噴射ヘッドの固有振動周
    期測定方法。
  12. 【請求項12】 前記評価パルス再設定工程は、前記液
    体量比取得工程で取得された液体量比を、仮の標準振動
    周期を示す情報として用い、第1評価パルスと第2評価
    パルスの両方を再設定することを特徴とする請求項11
    に記載の液体噴射ヘッドの固有振動周期測定方法。
  13. 【請求項13】 前記評価パルス再設定工程は、第1評
    価パルスと第2評価パルスの一方を再設定し、 前記液体量比再取得工程は、新たな評価パルスに対応す
    る液体量と既測定の液体量とを用いて新たな液体量比を
    取得することを特徴とする請求項11に記載の液体噴射
    ヘッドの固有振動周期測定方法。
  14. 【請求項14】 前記評価パルス再設定工程は、決定さ
    れた固有振動周期が許容判断基準範囲未満の場合に前記
    第1評価パルスの時間間隔を第1時間間隔よりも短い第
    3時間間隔に再設定し、決定された固有振動周期が許容
    判断基準範囲よりも長かった場合に前記第2評価パルス
    の時間間隔を第2時間間隔よりも長い第4時間間隔に再
    設定することを特徴とする請求項13に記載の液体噴射
    ヘッドの固有振動周期測定方法。
  15. 【請求項15】 前記固有振動周期決定工程では、前記
    固有振動周期を、液体量比と固有振動周期の相関関係と
    に基づいて決定することを特徴とする請求項1から14
    の何れかに記載の液体噴射ヘッドの固有振動周期測定方
    法。
  16. 【請求項16】 前記液体量比と固有振動周期の相関関
    係を、液体量比を変数とする一次式によって定めたこと
    を特徴とする請求項15に記載の液体噴射ヘッドの固有
    振動周期測定方法。
  17. 【請求項17】 前記一次式は、複数設定された液体量
    比の範囲毎に傾き及び切片が与えられることを特徴とす
    る請求項16に記載の液体噴射ヘッドの固有振動周期測
    定方法。
  18. 【請求項18】 前記液体量比の範囲は、標準固有振動
    周期に対応する標準液体量比よりも小さい側の第1範囲
    と、標準液体比以上の第2範囲とからなることを特徴と
    する請求項17に記載の液体噴射ヘッドの固有振動周期
    測定方法。
  19. 【請求項19】 前記液体量比の範囲は、標準固有振動
    周期に対応する標準液体量比を含む第3範囲と、第3範
    囲よりも小さい側の第4範囲と、第3範囲よりも大きい
    側の第5範囲とからなることを特徴とする請求項17に
    記載の液体噴射ヘッドの固有振動周期測定方法。
  20. 【請求項20】 前記液体量測定工程は、圧力発生素子
    に対して10kHz以下の低周波数で第1評価パルス及
    び第2評価パルスを供給することを特徴とする請求項1
    から19の何れかに記載の液体噴射ヘッドの固有振動周
    期測定方法。
  21. 【請求項21】 前記液体量測定工程は、圧力発生素子
    に対して5kHz以下の低周波数で第1評価パルス及び
    第2評価パルスを供給することを特徴とする請求項1か
    ら19の何れかに記載の液体噴射ヘッドの固有振動周期
    測定方法。
  22. 【請求項22】 測定環境の温度を測定する環境温度測
    定工程と、測定された環境温度に基づいて固有振動周期
    を補正する固有振動周期補正工程とを行うことを特徴と
    する請求項1から21の何れかに記載の液体噴射ヘッド
    の固有振動周期測定方法。
  23. 【請求項23】 液体供給口、圧力室及びノズル開口の
    うちの少なくともいずれかの寸法情報を取得する寸法情
    報取得工程と、取得された寸法情報に基づいて固有振動
    周期を補正する固有周期補正工程とを行うことを特徴と
    する請求項1から22の何れかに記載の液体噴射ヘッド
    の固有振動周期測定方法。
  24. 【請求項24】 前記液体が描画用の色材を含有するイ
    ンクであることを特徴とする請求項1から23の何れか
    に記載の液体噴射ヘッドの固有振動周期測定方法。
  25. 【請求項25】 ノズル開口に連通すると共に液体を収
    容可能な圧力室と、該圧力室に液体を供給する液体供給
    口と、前記圧力室内の液体に圧力変動を生じさせる圧力
    発生素子とを備え、圧力室内に生じた圧力変動を利用し
    てノズル開口から液滴を吐出可能な液体噴射ヘッドの前
    記圧力室内に収容された液体の固有振動周期を測定する
    固有振動周期測定装置において、 圧力室内の液体に圧力振動を励起させる励振要素、及
    び、該励振要素よりも後に発生されてノズル開口から液
    滴を吐出させる吐出要素とを含み、励振要素から吐出要
    素までの時間間隔を第1時間間隔に設定した第1評価パ
    ルスと前記時間間隔を第1時間間隔よりも長い第2時間
    間隔に設定した第2評価パルスとを発生し、圧力発生素
    子に供給可能な駆動手段と、 前記第1評価パルスに対応する第1液体量と第2評価パ
    ルスに対応する第2液体量とを測定する液体量測定手段
    と、 液体量測定手段によって測定された第1液体量と第2液
    体量から液体量比を取得する液体量比取得手段と、 該液体量比取得手段が取得した液体量比に基づき、圧力
    室内の液体についての固有振動周期を決定する固有振動
    周期決定手段とを備えていることを特徴とする液体噴射
    ヘッドの固有振動周期測定装置。
  26. 【請求項26】 請求項1から24の何れかに記載の固
    有振動周期測定方法で固有振動周期が測定された液体噴
    射ヘッドであって、 前記決定された固有振動周期を固有情報として付与した
    ことを特徴とする液体噴射ヘッド。
  27. 【請求項27】 請求項1から24の何れかに記載の固
    有振動周期測定方法で固有振動周期が測定された液体噴
    射ヘッドであって、 前記取得された液体量比を固有情報として付与したこと
    を特徴とする液体噴射ヘッド。
  28. 【請求項28】 前記固有情報を記憶する固有情報記憶
    手段を備えたことを特徴とする請求項26又は27に記
    載の液体噴射ヘッド。
  29. 【請求項29】 前記固有情報を光学的に読み取り可能
    な態様で表記部材に表記し、該表記部材をケース表面に
    貼設したことを特徴とする請求項26又は27に記載の
    液体噴射ヘッド。
  30. 【請求項30】 圧力発生素子の作動によって圧力室内
    の液体に圧力変動を生じさせることでノズル開口から液
    滴を吐出可能であって、圧力室内の液体についての固有
    振動周期を示す固有情報が付与された液体噴射ヘッド
    と、 圧力発生素子に供給するための駆動信号を発生する駆動
    信号発生手段と、 前記固有情報に基づき駆動信号の波形形状を適正化する
    波形設定手段とを備えた液体噴射装置において、 前記固有情報は、請求項1から24の何れかに記載の固
    有振動周期測定方法によって測定された固有振動周期を
    示す情報であることを特徴とする液体噴射装置装置。
  31. 【請求項31】 前記固有情報は、圧力室内の液体につ
    いての固有振動周期の数値を示す数値情報であることを
    特徴とする請求項30に記載の液体噴射装置。
  32. 【請求項32】 前記固有情報は、前記液体量比を示す
    液体量比情報であることを特徴とする請求項30に記載
    の液体噴射装置。
  33. 【請求項33】 前記固有情報を記憶可能な固有情報記
    憶手段を設け、 前記波形設定手段は、前記固有情報記憶手段に記憶され
    た固有情報に基づいて波形形状を適正化することを特徴
    とする請求項30から32の何れかに記載の液体噴射装
    置。
  34. 【請求項34】 前記駆動信号は圧力発生素子に供給さ
    れる駆動パルスを有し、該駆動パルスを液滴を吐出させ
    るための吐出要素を含む複数の波形要素によって構成
    し、 前記波形設定手段は、前記固有情報に基づき、調整対象
    となる波形要素の制御因子を定めることを特徴とする請
    求項30から33の何れかに記載の液体噴射装置。
  35. 【請求項35】 前記制御因子が波形要素の発生時間で
    あり、 前記波形設定手段は、前記固有情報に応じて変動する第
    1補正時間を、調整対象となる波形要素の基準発生時間
    に加算することで、当該波形要素の発生時間を定めるこ
    とを特徴とする請求項34に記載の液体噴射装置。
  36. 【請求項36】 前記波形設定手段は、装置が使用され
    る環境温度に応じて変動する第2補正時間を前記基準発
    生時間に加算することで、調整対象となる波形要素の発
    生時間を定めることを特徴とする請求項35に記載の液
    体噴射装置。
  37. 【請求項37】 前記調整対象となる波形要素は、液滴
    吐出後におけるメニスカスの振動抑制に係わる振動抑制
    要素であることを特徴とする請求項34から36の何れ
    かに記載の液体噴射装置。
  38. 【請求項38】 前記駆動パルスは、圧力室を膨張させ
    ることで液滴吐出後における圧力室内の液体圧力の変動
    を緩和する膨張制振要素と、前記吐出要素と膨張制振要
    素との間に発生される一定電位の制振ホールド要素とを
    備え、 前記波形設定手段は、前記固有情報に応じて制振ホール
    ド要素の発生時間を定めることを特徴とする請求項35
    から37の何れかに記載の液体噴射装置。
  39. 【請求項39】 前記駆動パルスは、圧力室を収縮させ
    ることで液滴吐出後における圧力室内の液体圧力の変動
    を吸収する収縮制振要素を備え、 前記波形設定手段は、前記固有情報に応じて収縮制振要
    素の発生時間を定めることを特徴とする請求項35から
    37の何れかに記載の液体噴射装置。
  40. 【請求項40】 前記駆動パルスは、圧力室を膨張させ
    ることでメニスカスを圧力室側に引き込む膨張要素と、
    前記吐出要素と膨張要素との間に発生される一定電位の
    膨張ホールド要素とを備え、 前記波形設定手段は、前記固有情報に応じて膨張ホール
    ド要素の発生時間を定めることを特徴とする請求項35
    から37の何れかに記載の液体噴射装置。
  41. 【請求項41】 前記駆動信号は圧力発生素子に供給さ
    れる駆動パルスを有し、該駆動パルスの始終端電位を駆
    動信号における中間電位に設定し、 前記波形設定手段は、前記固有情報に応じて駆動信号の
    中間電位を定めることを特徴とする請求項34に記載の
    液体噴射装置。
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