JP2004090357A - 液体噴射ヘッド用駆動パルスの駆動電圧決定方法、及び、液体噴射ヘッド用駆動パルスの駆動電圧決定装置 - Google Patents

液体噴射ヘッド用駆動パルスの駆動電圧決定方法、及び、液体噴射ヘッド用駆動パルスの駆動電圧決定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】駆動パルスの駆動電圧値をより適正な値に設定する。
【解決手段】駆動電圧決定装置は、駆動電圧が異なる2種類の測定用駆動パルスを発生する駆動信号発生回路34と、記録ヘッド1から吐出されたインク滴の量を測定可能な電子天秤32及び重量取得部36と、測定用駆動パルスの駆動電圧とその駆動電圧に対応するインク滴の吐出量との相関関係から適正駆動電圧を決定すると共に、駆動信号発生回路34や電子天秤32等を制御可能な主制御部37とを備える。主制御部37は、インク滴吐出量の測定に先立って駆動信号発生回路34を制御し、複数の駆動パルスを記録ヘッド1の圧電振動子に供給する。
【選択図】   図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット式記録装置用の記録ヘッド、ディスプレー製造装置用の色材噴射ヘッド、電極形成装置用の電極材噴射ヘッド、或いは、バイオチップ製造装置用の有機物噴射ヘッド等の液体噴射ヘッドに係り、この液体噴射ヘッドの圧力発生素子に供給される駆動パルスの駆動電圧決定方法及び駆動電圧決定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液体噴射ヘッドは液体を液滴の状態で吐出可能なものであり、代表的なものとして、インクジェット式プリンタやインクジェット式プロッタ等の画像記録装置に用いられ、液体状のインクを吐出する記録ヘッドがある。この他にも、液晶ディスプレー等のカラーフィルタを製造するディスプレー製造装置に用いられ、R(Red)・G(Green)・B(Blue)の液体状色材を吐出する色材噴射ヘッド、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレーやFED(面発光ディスプレー)等の電極を形成する電極形成装置に用いられ、液体状の電極材料を吐出する電極材噴射ヘッド、及び、バイオチップ(生物化学素子)を製造するバイオチップ製造装置に用いられ、液体状の生体有機物を吐出する有機物噴射ヘッド等がある。
【0003】
この液体噴射ヘッドの一種に、圧力室とノズル開口とを連通し、圧力室内の液体に生じた圧力変動を利用してノズル開口からインク滴を吐出させるように構成したものがある。この液体噴射ヘッドでは、各圧力室に対応させて圧電振動子等の圧力発生素子を設け、この圧力発生素子に駆動パルスを供給することで圧力室内の液体に圧力変動を生じさせる。即ち、駆動パルスを供給することでインク滴を吐出させる。この駆動パルスは、使用する圧力発生素子の種類によって様々な形状に設定されるが、どのような形状であろうとも駆動電圧(最大電位から最低電位までの電位差を意味する。以下同様。)を精度良く定めることが肝要である。これは、駆動電圧の大きさによって吐出される液滴の量が変わってしまうからである。また、駆動電圧の最適値はその噴射ヘッド毎に異なるので、一律に同じ値を設定することはできない。これは、部品の寸法精度や取付時の位置精度等に起因して駆動電圧の最適値が変動するからである。従って、駆動電圧の最適値は各噴射ヘッド毎に決定する必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
駆動電圧を決定するには、例えば、駆動電圧が異なる2種類の測定用駆動パルスをそれぞれ別個に圧力発生素子に供給し、各測定用駆動パルスに対応する液滴の吐出量(液体量ともいう。)を取得する。そして、駆動電圧を一方の軸に液体量を他方の軸にそれぞれ設定すると共に測定結果をプロットして検量線を作成し、この検量線から規定量に対応する駆動電圧を取得する(例えば、特願2001−204385号)。
【0005】
ところで、圧力発生素子の中には、駆動パルスの供給直後と駆動パルスの連続的に供給した後とで、同じ波形形状の駆動パルスを供給しても吐出される液体量が変動するものがあることが判った。例えば、圧電振動子は、駆動パルスの供給直後における液体量よりも、駆動パルスを暫く供給した後の液体量の方が多くなる特性を有する。そして、従来は、この吐出量の変化について特に考慮していなかったので、液体量測定時における圧力発生素子の状態によっては、適正値からずれた駆動電圧に設定されてしまう可能性があった。これにより、装置の使用状態において、吐出される液体量が正規の値からずれてしまう可能性があった。また、この種の液体噴射ヘッドには、吐出液体量が異なる複数の噴射モードで液滴を吐出可能なものもある。例えば、画像記録装置用の記録ヘッドでは、高速記録モードにおいて40pL(ラージドット)−26pL(ミドルドット)−13pL(スモールドット)からなる3種類のインク滴を吐出可能であり、高解像度記録モードにおいて11pL(ラージドット)−6pL(ミドルドット)−2pL(スモールドット)からなる3種類のインク滴を吐出可能なものがある。このような液体噴射ヘッドでは、圧力発生素子の状態差による吐出量変動の度合いが噴射モードによって差があることも判った。言い換えれば、圧力発生素子の状態の差が液体量の変動に大きく反映される噴射モードと、圧力発生素子の状態に差があっても吐出される液体量に差が見られない噴射モードがあることが判った。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、駆動パルスの駆動電圧値をより適正な値にすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1に記載のものは、駆動パルス発生手段から発生された測定用駆動パルスを液体噴射ヘッドの圧力発生素子へ連続的に供給することで複数の液滴をノズル開口から吐出させ、吐出させた液滴の量を液滴量測定手段によって測定する吐出量測定工程を、駆動電圧が異なる2種類以上の測定用駆動パルス毎に行い、
その後、適正電圧決定工程にて、前記測定された測定用駆動パルス毎の液滴量に基づき、駆動パルスの適正駆動電圧を演算手段によって決定する液体噴射ヘッド用駆動パルスの駆動電圧決定方法であって、
前記吐出量測定工程に先立って前記圧力発生素子に駆動パルスを連続的に供給して圧力発生素子を作動させる準備工程を行うことを特徴とする液体噴射ヘッド用駆動パルスの駆動電圧決定方法である。
ここで、「測定用駆動パルス」とは、測定対象となる駆動パルスを基準とし、この駆動パルスを駆動電圧に応じて電圧軸方向に拡縮した形状の駆動パルスである。
【0008】
請求項2に記載のものは、前記準備工程が、液滴を吐出させるための駆動パルスを供給して液滴を棄て打ちする棄て打ち工程であることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射ヘッド用駆動パルスの駆動電圧決定方法である。
【0009】
請求項3に記載のものは、駆動パルス発生手段から発生された測定用駆動パルスを液体噴射ヘッドの圧力発生素子へ連続的に供給することで複数の液滴をノズル開口から吐出させ、吐出された液滴の量を液滴量測定手段によって測定する吐出量測定工程を、駆動電圧が異なる2種類以上の測定用駆動パルスについて行い、
その後、適正電圧決定工程にて、前記測定された測定用駆動パルス毎の液滴量に基づき、駆動パルスの適正駆動電圧を演算手段によって決定する液体噴射ヘッド用駆動パルスの駆動電圧決定方法であって、
前記液体噴射ヘッドは、液滴吐出量が異なる複数の噴射モードで動作可能であり、
前記吐出量測定工程及び適正電圧決定工程を、液滴吐出量の少ない噴射モードから順に行うことを特徴とする液体噴射ヘッド用駆動パルスの駆動電圧決定方法である。
【0010】
請求項4に記載のものは、優先順位記憶手段に記憶された噴射モード毎の優先順位を示す優先順位情報に基づいて駆動電圧の決定対象となる噴射モードを認識することを特徴とする請求項3に記載の液体噴射ヘッド用駆動パルスの駆動電圧決定方法である。
【0011】
請求項5に記載のものは、駆動電圧が異なる複数種類の測定用駆動パルスを発生可能な駆動パルス発生手段と、
噴射ヘッドから吐出された液滴の量を測定可能な液滴量測定手段と、
測定用駆動パルスの駆動電圧とその駆動電圧に対応する液滴量との相関関係から適正駆動電圧を決定する演算手段と、
上記駆動パルス発生手段、液滴量測定手段、及び演算手段を制御可能な制御手段とを備え、
駆動パルス発生手段が発生した測定用駆動パルスを前記噴射ヘッドの圧力発生素子へ供給することでノズル開口から液滴を吐出させ、吐出された液滴の量を前記液滴量測定手段で測定し、測定用駆動パルス毎の液滴量から演算手段によって駆動パルスの適正駆動電圧を決定する液体噴射ヘッド用駆動パルスの駆動電圧決定装置であって、
前記制御手段は、液滴量の測定に先立って前記駆動パルス発生手段を制御し、複数の駆動パルスを前記圧力発生素子に供給することを特徴とする液体噴射ヘッド用駆動パルスの駆動電圧決定装置である。
【0012】
請求項6に記載のものは、前記制御手段が、前記ノズル開口から液滴を吐出すべく設定された条件で駆動パルスを供給することを特徴とする請求項5に記載の液体噴射ヘッド用駆動パルスの駆動電圧決定装置である。
【0013】
請求項7に記載のものは、駆動電圧が異なる複数種類の測定用駆動パルスを発生可能な駆動パルス発生手段と、
噴射ヘッドから吐出された液滴の量を測定可能な液滴量測定手段と、
測定用駆動パルスの駆動電圧とその駆動電圧に対応する液滴量との相関関係から適正駆動電圧を決定する演算手段と、
上記駆動パルス発生手段、液滴量測定手段、及び演算手段を制御可能な制御手段とを備え、
駆動パルス発生手段が発生した測定用駆動パルスを前記噴射ヘッドの圧力発生素子へ供給することでノズル開口から液滴を吐出させ、吐出された液滴の量を前記液滴量測定手段で測定し、測定用駆動パルス毎の液滴量から演算手段によって駆動パルスの適正駆動電圧を決定する液体噴射ヘッド用駆動パルスの駆動電圧決定装置であって、
前記液体噴射ヘッドは、液滴吐出量が異なる複数の噴射モードで動作可能であり、
前記制御手段は、適正駆動電圧の決定を液滴吐出量の少ない噴射モードから順に行うことを特徴とする液体噴射ヘッド用駆動パルスの駆動電圧決定装置である。
【0014】
請求項8に記載のものは、前記噴射モード毎の優先順位を示す優先順位情報を記憶する優先順位記憶手段を設け、
前記制御手段は、前記優先順位記憶手段に記憶された優先順位情報に基づいて駆動電圧の決定対象となる噴射モードを認識することを特徴とする請求項7に記載の液体噴射ヘッド用駆動パルスの駆動電圧決定装置である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明は、インクジェット式プリンタ等の画像記録装置に用いられるインクジェット式記録へッド(本発明の液体噴射ヘッドの一種,以下記録ヘッドという。)を例に挙げて行う事にする。
【0016】
まず、図1に基づいて記録ヘッド1の構成について説明する。例示した記録ヘッド1は、複数の圧電振動子2、固定板3、及び、フレキシブルケーブル4等をユニット化した振動子ユニット5と、この振動子ユニット5を収納可能なケース6と、ケース6の先端面に接合される流路ユニット7とを備えている。
【0017】
ケース6は、収納空部8を形成した合成樹脂製のブロック状部材である。本実施形態ではこのケース6をエポキシ系樹脂の成型によって作製している。収納空部8は、振動子ユニット5を収納するための空部であり、振動子ユニット5は固定板3を収納空部8の壁面に接着することで収納固定されている。この収納状態において、圧電振動子2の先端面は収納空部8の先端側開口に臨み、後述するように、流路ユニット7の島部9に接合されている。また、このケース6には、取付面側からリザーバ10までの間を連通するインク供給路11を、ケース6の高さ方向を貫通させて設けている。そして、このインク供給路11は、取付面側でインク供給針12(図6参照)と液密状態で連通している。
【0018】
圧電振動子2は、本発明の圧力発生素子の一種であり、電気機械変換素子の一種でもある。本実施形態の圧電振動子2は、30μm〜100μm程度の極めて細い幅に切り分けられた櫛歯状に形成されている。そして、各圧電振動子2は、自由端部を固定板3の縁よりも外側に突出させた片持ち梁の状態で取り付けられている。この圧電振動子2は、圧電体と内部電極とを交互に積層して構成された積層型の圧電振動子2であって、電界方向に直交する縦方向に伸縮可能な、言い換えれば、素子の長手方向に振動可能なタイプの圧電振動子である。従って、圧電振動子2は、充電により自由端部が振動子長手方向に収縮し、放電により自由端部が素子長手方向に収縮する。また、フレキシブルケーブル4は、振動子基端部にて各圧電振動子2と電気的に接続されている。
【0019】
流路ユニット7は、ノズルプレート15を流路形成基板16の一方の表面に配置し、弾性板17をノズルプレート15とは反対側となる他方の表面に配置して接着等によって一体化することで構成されている。ノズルプレート15は、ドット形成密度に対応したピッチで複数のノズル開口18を列状に開設したステンレス鋼製の薄いプレートである。本実施形態では、180dpiのピッチで96個のノズル開口18を穿設し、これらのノズル開口18によってノズル列を構成している。流路形成基板16は、ノズルプレート15の各ノズル開口18に対応させて圧力室19となる空部を隔壁で区画した状態で複数形成すると共に、インク供給口20およびリザーバ10となる空部を形成した板状の部材である。この流路形成基板16は、例えばシリコンウエハーをエッチング加工したり、ニッケル等の金属板を塑性加工することで作製される。圧力室19は、ノズル開口18の列設方向(ノズル列方向)に対して直交する方向に細長い室であり、偏平な凹室で構成されている。そして、リザーバ10から遠い圧力室19の長手方向一端には板厚方向を貫通させてノズル連通口21を設け、圧力室19とノズル開口18との間を連通する。また、インク供給口20は圧力室19の長手方向他端とリザーバ10との間に形成された溝状部であり、その流路幅は圧力室19よりも十分に狭く設けられる。弾性板17は、ステンレス等の支持板22上にPPS(ポリフェニレンサルファイド)等の樹脂フィルムからなる弾性体膜23をラミネート加工した二重構造であり、圧力室19の一方の開口面を封止するダイヤフラム部とリザーバ10一方の開口面を封止するコンプライアンス部とを備えている。そして、ダイヤフラム部は、圧力室19に対応した部分の支持板22を環状にエッチング加工することで作製され、環内に島部9を形成している。また、コンプライアンス部は、リザーバ10に対応する部分の支持板22をエッチング加工で除去して弾性体膜23だけにすることで作製されている。
【0020】
上記構成の記録ヘッド1では、圧電振動子2を振動子長手方向に伸長させることで、島部9がノズルプレート15側に押圧される。この押圧によって、ダイヤフラム部を構成する弾性体膜23が変形し、圧力室19が収縮する。また、圧電振動子2を振動子長手方向に収縮させると、弾性体膜23の弾性により圧力室19が膨張する。そして、圧力室19の膨張や収縮によって内部のインク圧力が変動するので、この圧力室19の膨張や収縮を制御することにより、ノズル開口18からインク滴(本発明の液滴の一種)を吐出させることができる。このインク滴の吐出量は、圧電振動子2へ供給する駆動パルスの種類によって変えることができる。また、一記録周期(噴射周期の一種であり、駆動信号の繰り返し単位。)内に配置する駆動パルスの種類や組み合わせを変えることにより、吐出インク量が異なる複数の記録モード(本発明の噴射モードの一種)で画像や文字等を記録できる。
【0021】
本実施形態の記録ヘッド1は、インク量が異なる複数の記録モードで記録が行える。具体的には、最少インク量が13pLで文字等を高速で記録する際に用いられる高速記録モード(VSD1)と、最少インク量が2.5pLで電子画像を比較的高速で記録可能な第1高解像度記録モード(VSD2)と、最少インク量が2.0pLで電子画像を高速記録モードよりも高い解像度で記録可能な第2高解像度記録モード(VSD3)と、最少インク量が1.5pLで電子画像を第2高解像度記録モードよりも高い解像度で記録可能な第3高解像度記録モード(VSD4)からなる4種類の記録モードで記録が行える。
【0022】
以下、各記録モードについて説明する。
【0023】
高速記録モードは、図2に示す第1駆動信号COM1を用いて記録を行う。この第1駆動信号COM1は、波形形状を同一にした3つのノーマルドット駆動パルスDP1が等間隔で配置された(言い換えれば、一定間隔で発生される)一連の信号であり、記録周期T毎に繰り返し発生される。このノーマルドット駆動パルスDP1は、13pLのインク滴をノズル開口18から吐出させるための駆動パルスであり、図7(a)にも示すように、中間電位Vmから第1最高電位Vh1までインク滴を吐出させない程度の一定勾配で電位を上昇させる膨張要素P1と、第1最高電位Vh1を所定時間保持する膨張ホールド要素P2と、第1最高電位Vh1から最低電位VLまで急勾配で電位を下降させる吐出要素P3と、最低電位VLを所定時間保持する制振ホールド要素P4と、最低電位VLから中間電位Vmまで電位を上昇させる制振要素P5とから構成されている。そして、このノーマルドット駆動パルスDP1が圧電振動子2に供給されると、この駆動パルスDP1が供給される毎にノズル開口18からインク滴が吐出される。このノーマルドット駆動パルスDP1において、インク滴の吐出量は駆動電圧VH1の大きさ、即ち、第1最高電位Vh1から最低電位VLまでの電位差の大きさによって変動する。具体的には、駆動電圧VH1が大きくなる程にインク滴の吐出量が増加し、駆動電圧VH1が小さくなる程に吐出量は減少する。
【0024】
この高速記録モードでは、スモールドットの印字データが記録ヘッド1に出力されると、1つのノーマルドット駆動パルスDP1が圧電振動子2に供給され、13pLのインク滴がノズル開口18から吐出される。また、ミドルドットの印字データが記録ヘッド1に出力されると、2つのノーマルドット駆動パルスDP1,DP1が圧電振動子2に供給され、合計で26pLのインク滴がノズル開口18から吐出される。同様に、ラージドットの印字データが記録ヘッド1に出力されると、3つのノーマルドット駆動パルスDP1が圧電振動子2に供給され、合計で約40pLのインク滴がノズル開口18から吐出される。なお、印字データが非記録の場合には、ノーマルドット駆動パルスDP1は圧電振動子2に供給されない。
【0025】
第1高解像度記録モードでは、図3に示す第2駆動信号COM2を用いて記録を行う。この第2駆動信号COM2は、6pL前後のインク滴を吐出させるミドルドット駆動パルスDP2と、2.5pLのインク滴を吐出させる第1スモールドット駆動パルスDP3と、メニスカスを微振動させる第1微振動パルスVP1とを含んでおり、記録周期T毎に繰り返し発生される。そして、この駆動信号COM2は、図3(a)に示す記録ヘッド1の往路走査時に発生される往路駆動信号と、図3(b)に示す記録ヘッド1の復路走査時に発生される復路駆動信号とから構成される。これらの駆動信号は、3つの駆動パルスDP2,DP3,VP1が含まれている点で共通し、これらの駆動パルスDP2,DP3,VP1の記録周期T内における配置(即ち、発生順序)が相違している。即ち、往路駆動信号は、記録周期Tの開始側からミドルドット駆動パルスDP2、第1スモールドット駆動パルスDP3、第1微振動パルスVP1の順で配置されており、復路駆動信号は、第1スモールドット駆動パルスDP3、第1微振動パルスVP1、ミドルドット駆動パルスDP2の順で配置されている。
【0026】
ミドルドット駆動パルスDP2は、図8(a)にも示すように、インク滴を吐出する吐出パルス部(P11〜P13)と、この吐出パルス部の後に発生されてインク滴吐出後におけるメニスカスの振動を抑制する制振パルス部(P14〜P16)と、これらの吐出パルス部と制振パルス部との間を接続するパルス接続要素P17とを備える。吐出パルス部は、最低電位VLから第2最高電位Vh2Lまでインク滴を吐出させない程度の勾配で電位を上昇させる膨張要素P11と、膨張要素P11に続いて発生されて第2最高電位Vh2Lを所定時間維持する膨張ホールド要素P12と、第2最高電位Vh2Lから最低電位VLまで急勾配で電位を下降させる吐出要素P13とから構成される。制振パルス部は、最低電位VLから制振電位Vk1まで、インク滴を吐出させない程度の比較的緩やかな電位勾配で電位を上昇させる制振膨張要素P14と、この制振膨張要素P14に続いて発生されて制振電位Vk1を所定時間維持する制振ホールド要素P15と、この制振ホールド要素P15に続いて発生されて制振電位Vk1から最低電位VLまで比較的緩やかな電位勾配で電位を下降させる制振収縮要素P16とから構成される。そして、パルス接続要素P17は、吐出要素P13の終端と制振膨張要素P14の始端との間を最低電位VLで接続している。このミドルドット駆動パルスDP2が圧電振動子2に供給されると、ノズル開口18からは6pL前後のインク滴が吐出される。このミドルドット駆動パルスDP2において、インク滴の吐出量は駆動電圧VH2Lの大きさ、即ち、第2最高電位Vh2Lから最低電位VLまでの電位差の大きさによって変動する。具体的には、駆動電圧VH2Lが大きくなる程にインク滴の吐出量が増加し、駆動電圧VH2Lが小さくなる程に吐出量は減少する。
【0027】
第1スモールドット駆動パルスDP3は、図9(a)にも示すように、最低電位VLから第3最高電位Vh2Sまで比較的急峻な勾配で電位を上昇させる膨張要素P21と、膨張要素P21に続いて発生されて第3最高電位Vh2Sを極く短い時間維持する膨張ホールド要素P22と、第3最高電位Vh2Sから第1吐出電位Vf1まで急勾配で電位を下降させる吐出要素P23と、第1吐出電位Vf1を極く短い時間維持する吐出ホールド要素P24と、第1吐出電位Vf1から最低電位VLまで比較的緩やかな電位勾配で電位を下降させる収縮制振要素P25とから構成される。この第1スモールドット駆動パルスDP3が圧電振動子2に供給されると、ノズル開口18からは2.5pLのインク滴が吐出される。この第1スモールドット駆動パルスDP3において、インク滴の吐出量は駆動電圧VH2Sの大きさ、即ち、第3最高電位Vh2Sから最低電位VLまでの電位差の大きさによって変動する。具体的には、駆動電圧VH2Sが大きくなる程にインク滴の吐出量が増加し、駆動電圧VH2Sが小さくなる程に吐出量は減少する。
【0028】
そして、この第1高解像度記録モードでは、スモールドットの印字データが記録ヘッド1に出力されると第1スモールドット駆動パルスDP3が圧電振動子2に供給され、2.5pLのインク滴がノズル開口18から吐出される。また、ミドルドットの印字データが記録ヘッド1に出力されるとミドルドット駆動パルスDP2が圧電振動子2に供給され、6pL前後のインク滴がノズル開口18から吐出される。さらに、ラージドットの印字データが記録ヘッド1に出力されると第1スモールドット駆動パルスDP3とミドルドット駆動パルスDP2とが続けて圧電振動子2に供給され、合計11pLのインク滴がノズル開口18から吐出される。なお、非記録の印字データの場合には第1微振動パルスVP1が圧電振動子2に供給され、ノズル開口18付近でのインクの増粘を防止する。
【0029】
第2高解像度記録モードは、図4に示す第3駆動信号COM3を用いて記録を行う。この第3駆動信号COM3は、単独で2pLのインク滴を吐出させることができる2つの第2スモールドット駆動パルスDP4と、これらの第2スモールドット駆動パルスDP4同士の間に配置された前側微振動パルスVP2aと、後側の第2スモールドット駆動パルスDP4よりも後に配置された後側微振動パルスVP2bとを含んでおり、記録周期T毎に繰り返し発生される。
【0030】
第2スモールドット駆動パルスDP4は、図10(a)にも示すように、中間電位Vmから第4最高電位Vh3Sまでインク滴を吐出させない程度の一定勾配で電位を上昇させる引き込み要素P31と、第4最高電位Vh3Sを極く短時間保持する引き込みホールド要素P32と、第4最高電位Vh3Sから第2吐出電位Vf2まで急勾配で電位を下降させる吐出要素P33と、第2吐出電位Vf2を極く短時間保持する吐出ホールド要素P34と、第2吐出電位Vf2から最低電位VLまで比較的緩やかな電位勾配で電位を下降させる収縮制振要素P35と、最低電位VLを所定時間保持する制振ホールド要素P36と、最低電位VLから中間電位Vmまで電位を上昇させる膨張制振要素P37とから構成されている。そして、この第2スモールドット駆動パルスDP4が圧電振動子2に供給されると、ノズル開口18からは、この第2スモールドット駆動パルスDP4が供給される毎に2pLのインク滴が吐出される。この第2スモールドット駆動パルスDP4において、インク滴の吐出量は駆動電圧VH3Sの大きさ、即ち、第4最高電位Vh3Sから最低電位VLまでの電位差の大きさによって変動する。具体的には、駆動電圧VH3Sが大きくなる程にインク滴の吐出量が増加し、駆動電圧VH3Sが小さくなる程に吐出量は減少する。
【0031】
そして、この第2高解像度記録モードではドットのオンオフ制御、即ち、記録或いは非記録からなる2値制御が行われる。従って、この記録モードでは、1記録周期が2ドットの領域に対応しており、噴射ヘッドの走査方向に対して前側の領域にドットを記録する場合には前側の第2スモールドット駆動パルスDP4を圧電振動子2に供給し、後側の領域にドットを記録する場合には後側の第2スモールドット駆動パルスDP4を圧電振動子2に供給する。同様に、前側領域と後側領域の両方にドットを記録する場合には、前側の第2スモールドット駆動パルスDP4と後側の第2スモールドット駆動パルスDP4を両方圧電振動子2に供給する。なお、前側領域と後側領域の何れにも記録しない場合には、前側微振動パルスVP2aの立ち上がり部分と後側微振動パルスVP2bの立ち下がり部分とを圧電振動子2に供給し、メニスカスを微振動させてノズル開口18付近のインク増粘を防止する。
【0032】
第3高解像度記録モードは、図5に示す第4駆動信号COM4を用いて記録を行う。この第4駆動信号COM4は、単独で1.5pLのインク滴を吐出させることができる2つの第3スモールドット駆動パルスDP5と、これらの第3スモールドット駆動パルスDP5同士の間に配置された微振動パルスVP3とを含んでおり、記録周期T毎に繰り返し発生される。
【0033】
第3スモールドット駆動パルスDP5は、図11(a)にも示すように、最低電位VLから第5最大電位Vh4Sまで電位を上昇させる引き込み要素P41と、この第5最大電位Vh4Sを極く短時間保持する引き込みホールド要素P42と、第5最大電位Vh4Sから第3吐出電位Vf3まで急勾配で電位を下降させる吐出要素P43と、第3吐出電位Vf3を極く短時間保持する吐出ホールド要素P44と、第3吐出電位Vf3から第4吐出電位Vf4まで急勾配で電位を上昇させる第2吐出要素P45と、第4吐出電位Vf4を極く短時間保持する第2吐出ホールド要素P46と、第4吐出電位Vf4から収縮電位Vsまで急勾配で電位を下降させる収縮要素P47と、収縮電位Vsを極く短時間保持する収縮ホールド要素P48と、収縮電位Vsから最低電位VLまで電位を下降させる収縮制振要素P49とから構成されている。そして、この第3スモールドット駆動パルスDP5が圧電振動子2に供給されると、ノズル開口18からは、この第3スモールドット駆動パルスDP5が供給される毎に1.5pLのインク滴が吐出される。この第3スモールドット駆動パルスDP5において、インク滴の吐出量は駆動電圧VH4Sの大きさ、即ち、第5最高電位Vh4Sから最低電位VLまでの電位差の大きさによって変動する。具体的には、駆動電圧VH4Sが大きくなる程にインク滴の吐出量が増加し、駆動電圧VH4Sが小さくなる程に吐出量は減少する。
【0034】
そして、この第3高解像度記録モードでも、上記の第2高解像度記録モードと同様に、記録或いは非記録からなる2値制御が行われる。従って、この記録モードでも、噴射ヘッドの走査方向に対して前側の領域にドットを記録する場合には前側の第3スモールドット駆動パルスDP5を圧電振動子2に供給し、後側の領域にドットを記録する場合には後側の第3スモールドット駆動パルスDP5を圧電振動子2に供給する。同様に、前側領域と後側領域の両方にドットを記録する場合には、前側と後側の第3スモールドット駆動パルスDP5を圧電振動子2に供給する。なお、前側領域と後側領域の何れにも記録しない場合には、微振動パルスVP3を圧電振動子2に供給し、メニスカスを微振動させてノズル開口18付近のインク増粘を防止する。
【0035】
ところで、上記の記録ヘッド1は、マイクロメートル単位の極めて微細な構造であるので、振動子ユニット5や流路ユニット7等の各部品をいかに精度良く取り付けたとしても多少のばらつきが生じてしまう。このため、同じ形状の駆動信号(駆動パルス)を圧電振動子2に供給したとしても、ノズル開口18から吐出されるインク滴の量に多少のばらつきが生じてしまう。このような吐出量のばらつきを防止するため、各駆動パルスDP1〜DP5毎に個別に駆動電圧VH1〜VH4Sを設定する。この駆動電圧の設定は実際にインク滴を吐出させることにより行う。例えば、仮の駆動電圧を設定し、この仮駆動電圧でインク滴を規定回数(数万回〜数十万回)だけ吐出させる。この吐出された総インク滴の量を吐出回数で除算して1滴のインク量を算出する。そして、算出したインク量と目標となるインク量との差から実際に使用する駆動電圧の値を決定する。
【0036】
しかし、このような方法を採っても、実際に記録装置に使用してみるとインク量が既定値からずれてしまうことがあった。例えば、駆動パルスの供給開始時点と駆動パルスを繰り返し供給した後とでは、繰り返し供給した後の方が吐出インク量が増えることが判った。そして、従来はこのような吐出量の差を考慮しておらず、駆動パルスの供給開始時点からのインク量に基づいて駆動電圧を設定していたので、実際に使用してみると設計値よりも濃い画像が記録されることがあった。そこで、本実施形態ではこの点に着目し、駆動電圧を決定する際に、インク量の測定に先立って駆動パルスを繰り返し圧電振動子2に供給するようにした。以下、駆動電圧を決定する駆動電圧決定工程について説明する。
【0037】
まず、図6に基づき、駆動電圧決定工程で使用する駆動電圧決定装置について説明する。
【0038】
図6(a)に例示するように、駆動電圧決定装置は、制御装置31と電子天秤32とインクタンク33とから概略構成されている。また、この他に、記録ヘッド1のノズルプレート15の表面(ノズル面)に当接されて記録ヘッド1内の空気やインク液を吸い出すキャッピング機構(図示せず)も設けられている。そして、制御装置31は、駆動信号を発生可能な駆動信号発生回路34と、駆動信号の波形形状を決定するための信号データ等を格納する記憶回路35(フラッシュRAM)と、電子天秤32からの重量データに基づいて吐出インク量を取得する重量取得部36と、ROM,RAM,CPU等を備えると共に駆動信号発生回路34,記憶回路35,重量取得部36と電気的に接続され、これらの各部を制御可能な主制御部37と、主制御部37に電気的に接続されて作業者等によって操作されるスタートスイッチ38とを有する。
【0039】
上記の駆動信号発生回路34は、本発明の駆動パルス発生手段の一種であり、主制御部37による制御の下、信号データによって規定される波形形状の駆動信号COM1〜COM4を発生する。また、駆動信号発生回路34は、信号データに基づいて測定用駆動パルス(少量側測定用駆動パルス,多量側測定用駆動パルス)も発生する。さらに、駆動信号発生回路34は、後述する準備工程(S3,図12参照)で用いられる駆動パルスも発生する。そして、この駆動信号発生回路34は、配線部材39を介して記録ヘッド1に電気的に接続可能であり、発生した駆動信号や駆動パルスを記録ヘッド1に供給することができる。
【0040】
記憶回路35は各種のデータを記憶可能な部分であり、図6(b)に示すように、その一部領域が信号データ格納領域として用いられる。従って、この記憶回路35は、信号データ格納手段の一種として機能する。本実施形態では、この信号データ格納領域に、第1駆動信号COM1(VSD1)の信号データ,第2駆動信号COM2(VSD2)の信号データ,第3駆動信号COM3(VSD3)の信号データと、第4駆動信号COM1(VSD4)の信号データを格納している。また、準備工程で用いる駆動パルスの信号データ等も格納している。さらに、この記憶回路35には、測定順序記憶領域も設けられており、駆動パルスの測定順序を示す測定順序情報を記憶している。
【0041】
重量取得部36は電子天秤32と電気的に接続されており、インク滴吐出後における重量とインク滴吐出前の重量の差から実際に吐出されたインクの重量を取得する。そして、重量取得部36は、演算結果をインク重量情報として主制御部37に送信する。
【0042】
主制御部37は制御手段として機能し、駆動信号発生回路34、電子天秤32及び重量取得部36の動作を制御する。また、主制御部37は演算手段としても機能し、重量取得部36からのインク重量情報に基づき、測定対象とされた駆動パルスの適正電圧を決定する。
【0043】
電子天秤32は、例えばミリグラム単位の重量が精度良く量れるものが用いられる。この電子天秤32には主制御部37からの制御信号が入力されており、測定開始を示す開始信号の受信時における測定重量と、測定終了を示す終了信号の受信時における測定重量とをそれぞれ重量取得部36に出力する。本実施形態において、電子天秤32には、記録ヘッド1から吐出されたインク滴を捕集するためのシャーレ(受け皿)が載せられており、このシャーレには捕集用オイルが貯留されている。即ち、記録ヘッド1はシャーレ内の捕集用オイルに向けてインク滴を吐出する。そして、インク滴が捕集用オイルに着弾すると、比重の違いからインクは少なくとも一部がオイル内に入り込んだ状態となって蒸発が防止される。従って、この捕集用オイルをシャーレ内に貯留することで吐出インク量を精度良く測ることができる。なお、この電子天秤32と上記の重量取得部36は、記録ヘッド1から吐出されたインク滴の量を測定する液滴量測定手段の一種として機能する。
【0044】
上記のインクタンク33は、測定に用いる液体状インクを貯留する部分であり、インク液貯留部の一種である。貯留されるインクとしては、例えば、実際に記録に使用するものと同じインクや測定専用のインクが用いられる。そして、このインクタンク33にはインク液を送出するためのインクチューブ40が設けられている。このインクチューブ40の先端部分は記録ヘッド1のインク供給針12に接続可能に構成されている。従って、このインクチューブ40の先端部分をインク供給針12に接続することで、インクタンク33内と記録ヘッド1とがインクチューブ40を介して連通され、インクが供給可能な状態になる。なお、インク液貯留部としてはインクが貯留可能であればインクタンク33に限らない。例えば、袋状のインクパックであってもよい。
【0045】
次に、図12のフローチャートに基づき、駆動パルスの適正電圧を決定する駆動電圧決定工程について説明する。
【0046】
まず、作業者は記録ヘッド1を装置にセットする。例えば、記録ヘッド1を治具で固定し、配線部材39を記録ヘッド1に取り付け、インクチューブ40の先端部分を記録ヘッド1のインク供給針12に取り付ける。そして、記録ヘッド1を装置にセットしたならば、作業者はスタートスイッチ38を操作する。
【0047】
このスタートスイッチ38の操作によって吸引工程(S1)が行われる。この吸引工程では、装置にセットされた記録ヘッド1内をインク液で満たす。即ち、この吸引工程において、主制御部37はキャッピング機構を制御し、ノズル面をキャッピング機構によって封止した状態でキャップ内を負圧にする。これにより、記録ヘッド1内の空気がノズル開口18から吸い出され、インクタンク33内のインクがインクチューブ40を通じて記録ヘッド1内に流入し、記録ヘッド1内の流路がインクで満たされる。所定時間に亘ってインクを吸引したならば、ノズル面をワイパー部材等によって払拭して清浄な状態にする。
【0048】
この吸引工程が終了したならば、主制御部37(制御手段)は、対象駆動パルスの選択工程(S2)に移行し、適正駆動電圧の設定対象となる駆動パルスを選択する。この選択は、上記したように記憶回路35に格納された測定順序情報に基づいて行われる。本実施形態では、吐出量の多い記録モードの駆動パルスから行う。即ち、1番目の設定対象がノーマルドット駆動パルスDP1であり、2番目が第1スモールドット駆動パルスDP3である。その後は、ミドルドット駆動パルスDP2、第2スモールドット駆動パルスDP4、第3スモールドット駆動パルスDP5の順で設定される。従って、最初の駆動パルスとしてノーマルドット駆動パルスDP1が選択される。
【0049】
電圧決定対象の駆動パルスを選択したならば、準備工程(S3)に移行する。この準備工程で主制御部37(制御手段)は、駆動信号発生回路34を制御して駆動パルスを発生させる。そして、発生させた駆動パルスを各圧電振動子2に繰り返し供給することで、各圧電振動子2を事前に作動させる。本実施形態では、選択された駆動パルスを1万回〜数万回に亘って繰り返し各圧電振動子2に供給する。これにより、各ノズル開口18からインク滴を吐出させる。従って、本実施形態の準備工程は、インク滴を棄て打ちする棄て打ち工程ということができる。ここで、駆動パルスの供給数は測定対象となる記録ヘッド1に応じて変動するが、インク滴の吐出量が安定する回数に設定される。なお、本実施形態では、測定対象となる駆動パルスと同じ波形形状の駆動パルスをこの準備工程で用いたが、この駆動パルスに限定されるものではない。即ち、インク滴の吐出量を安定させることができれば他の形状の駆動パルスを用いてもよい。例えば、準備工程専用の駆動パルスを用いてもよい。また、この準備工程を、インク滴を吐出させない程度に各圧電振動子2を振動させることでこれらの圧電振動子2を加熱する予熱工程としてもよい。
【0050】
準備工程が終了したならば吐出量測定工程(S4)に移行する。この吐出量測定工程は、駆動電圧が異なる2種類の測定用駆動パルスについてインク滴の吐出量を測定する。ここで、測定用駆動パルスとは、測定対象となる駆動パルスを基準とし、この駆動パルスを駆動電圧に応じて電圧軸方向に拡縮した形状の駆動パルスである。例えば、上記のノーマルドット駆動パルスDP1では、駆動電圧VH1を設計値に設定したノーマルドット駆動パルスDP1(図7(a)参照)を基準とし、駆動電圧を設計値よりも小さい駆動電圧VH1Aに設定した少量側ノーマルドット駆動パルスDP1A(本発明の測定量駆動パルスの一種,図7(b)参照)と、駆動電圧を設計値よりも大きい駆動電圧VH1Bに設定した多量側ノーマルドット駆動パルスDP1B(本発明の測定量駆動パルスの一種,図7(c)参照)とを用いて重量の測定を行う。
【0051】
なお、この他の駆動パルスも同様である。例えば、ミドルドット駆動パルスDP2では、駆動電圧を設計値よりも小さい駆動電圧VH2LAに設定した少量側ミドルドット駆動パルスDP2A(図8(b)参照)と、駆動電圧を設計値よりも大きい駆動電圧VH2LBに設定した多量側ミドルドット駆動パルスDP2B(図8(c)参照)とを用い、第1スモールドット駆動パルスDP3では、駆動電圧を設計値よりも小さい駆動電圧VH2SAに設定した少量側第1スモールドット駆動パルスDP3A(図9(b)参照)と、駆動電圧を設計値よりも大きい駆動電圧VH2SBに設定した多量側第1スモールドット駆動パルスDP3B(図9(c)参照)とを用いる。同様に、第2スモールドット駆動パルスDP4では、駆動電圧VH3SAの少量側第2スモールドット駆動パルスDP4A(図10(b)参照)と、駆動電圧VH3SBの多量側第2スモールドット駆動パルスDP4B(図10(c)参照)とを用い、第3スモールドット駆動パルスDP5では、駆動電圧VH4SAの少量側第3スモールドット駆動パルスDP5A(図11(b)参照)と、駆動電圧VH4SBの多量側第3スモールドット駆動パルスDP5B(図11(c)参照)とを用いる。そして、これらの駆動パルスも本発明の測定量駆動パルスの一種である。
【0052】
この吐出量測定工程で主制御部37(制御手段)は、インク滴の吐出直前に電子天秤32に対して開始信号を送信する。電子天秤32は、この開始信号の受信により、信号受信時点における重量情報(シャーレやオイルの重量)を開始時重量情報として重量取得部36に送信する。その後、主制御部37は、駆動信号発生回路34と記録ヘッド1の電気駆動系(図示せず)を制御し、少量側駆動パルス(例えば、少量側ノーマルドット駆動パルスDP1A)を所定回数だけ繰り返し圧電振動子2に供給する。少量側駆動パルスを所定回数供給したならば、主制御部37は、終了信号を電子天秤32に送信する。電子天秤32は、この終了信号の受信により、信号受信時点における重量情報を終了時重量情報として重量取得部36に送信する。重量取得部36は、終了時重量情報と開始時重量情報の差からインク滴の吐出重量を算出し、この吐出重量を示す吐出重量情報を主制御部37に出力する。少量側駆動パルスの吐出重量を測定したならば、同様な手順で多量側駆動パルス(例えば、多量側ノーマルドット駆動パルスDP1B)について吐出重量を測定し、この吐出量測定工程を終了する。
この吐出量測定工程において、先の準備工程(S5)で予め圧電振動子2を作動させておいたので、圧電振動子2は実際の使用時に近い状態になっており吐出重量が安定した状態で測定を行うことができる。
【0053】
吐出量測定工程が終了したならば、適正電圧決定工程(S5)に移行する。この適正電圧決定工程において主制御部37(演算手段)は、測定用駆動パルスの駆動電圧とその駆動電圧に対応するインク滴の吐出重量との相関関係から適正駆動電圧を決定する。例えば、主制御部37は、図13に示すように、少量側測定用駆動パルスの駆動電圧(VHA)及び吐出重量(第1インク量)と多量側測定用駆動パルスの駆動電圧(VHB)及び吐出重量(第2インク量)とからインク滴の重量を変数とする一次式(検量線)を導出し、この一次式から目標インク量となる駆動電圧(適正駆動電圧,VHX)を演算によって決定する。このとき、一次式の基となる吐出重量が実際の使用状態に近い状態で測定されているので、適正駆動電圧をより精度よく設定できる。
【0054】
適正電圧決定工程が終了したならば、全ての駆動パルスについて適正電圧の設定が終了したか否かを確認する(S6)。ここで、全ての駆動パルスについて適正電圧を設定したならばこの駆動電圧決定工程を終了する。一方、適正電圧が設定されていない駆動パルスがある場合には、上記したステップS1に戻ってその駆動パルスに対する設定作業を上記と同様の手順で行う。
【0055】
以上説明したように、本実施形態では、駆動パルスを連続的に供給することで圧電振動子2を作動させる準備工程を、吐出量測定工程よりも前に行っているので、吐出量測定工程で吐出させたインク滴の重量が実際の使用時におけるインク滴の吐出重量に近い量になる。これにより、適正駆動電圧の精度を高めることができる。即ち、実際の使用状態を反映した電圧値に設定することができる。
【0056】
ところで、上記した第1実施形態では、上記の準備工程(S3)を各駆動パルスの測定毎に行う場合について説明したが、圧電振動子2の状態差に起因する吐出重量の変動度合いは、記録モードによって差があることも判った。即ち、圧電振動子2の状態の差がインク滴の吐出重量に大きく反映される記録モードと、圧電振動子2の状態に差があってもインク滴の吐出重量に大きな差が見られない記録モードがあることが判った。次に、この点に着目した第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、圧電振動子2の状態の差がインク滴の吐出重量に影響し難い記録モード、具体的にはインク滴の吐出量の少ない記録モードから順に適正駆動電圧を決定する点に特徴を有する。
【0057】
この第2実施形態において、記録ヘッド1の構成や駆動電圧決定装置の構成は、上記の第1実施形態と同様であるのでその説明は省略する。なお、この第2実施形態において記憶回路35の測定順序格納領域には、吐出重量に影響し難い記録モードからの順序を示す測定順序情報を記憶する。ここで、インク滴の吐出重量が少ない程、駆動パルスの供給開始直後の吐出重量と駆動パルスを継続的に供給した後の吐出重量との差が少ないことが確認できたので、本実施形態の測定順序情報は、1番目が第3高解像度記録モード(VSD4)、2番目が第2高解像度記録モード(VSD3)、3番目が第1高解像度記録モード(VSD2)、及び、4番目が高速記録モード(VSD1)を示す情報によって構成される。そして、このような情報を記憶する測定順序格納領域は、噴射モード毎の優先順位を示す優先順位情報を記憶した優先順位記憶手段の一種である。
【0058】
次に、図14のフローチャートに基づいて、第2実施形態における駆動電圧決定工程について説明する。
【0059】
この第2実施形態においても、作業者は、まず記録ヘッド1を装置にセットする。そして、記録ヘッド1を装置へセットしたならば、作業者はスタートスイッチ38を操作する。このスタートスイッチ38の操作によって吸引工程(S11)が行われる。この吸引工程は、上記第1実施形態と同様であり、キャッピング機構(図示せず)が主制御部37の制御によって作動し、記録ヘッド1内の空気やインクがノズル開口18から吸い出されてヘッド内流路がインクで満たされる。その後、ノズル面をワイパー部材等によって払拭して清浄な状態にする。
【0060】
吸引工程が終了したならば、主制御部37(制御手段)は、対象記録モードの選択工程(S12)に移行し、適正駆動電圧の決定対象となる記録モードを選択する。この選択は、上記したように記憶回路35に格納された測定順序情報に基づいて行われる。従って、一巡目は第3高解像度記録モードが選択され、二巡目は第2高解像度記録モードが選択される。
【0061】
電圧決定対象となる記録モードを選択したならば、吐出量測定工程(S13)に移行する。この吐出量測定工程は、第1実施形態と同様の内容である。即ち、主制御部37(制御手段)はインク滴の吐出直前に電子天秤32に対して開始信号を送信し、電子天秤32は開始信号の受信時点における重量情報を開始時重量情報として重量取得部36に送信する。その後、主制御部37は、少量側駆動パルスを所定回数だけ繰り返し圧電振動子2に供給する。少量側駆動パルスを所定回数供給したならば、主制御部37は終了信号を電子天秤32に送信し、電子天秤32は終了信号の受信時点における重量情報を終了時重量情報として重量取得部36に送信する。そして、重量取得部36は、終了時重量と開始時重量との差からインク滴の吐出重量を算出し、この吐出重量を示す吐出重量情報を主制御部37に出力する。少量側駆動パルスの吐出重量を測定したならば、同様な手順で多量側駆動パルスについて吐出重量を測定し、この吐出量測定工程を終了する。
【0062】
吐出量測定工程が終了したならば、適正電圧決定工程(S14)に移行する。この適正電圧決定工程も第1実施形態の適正電圧決定工程(S5)と同様の内容で行われる。ここで、主制御部37(演算手段)は、測定用駆動パルスの駆動電圧とその駆動電圧に対応するインク滴の吐出重量との相関関係から適正駆動電圧を決定する。即ち、インク滴の重量を変数とする一次式(検量線)を導出し、この一次式から目標インク量となる駆動電圧を演算によって決定する。
【0063】
適正電圧決定工程が終了したならば、全ての記録モードについて適正電圧の設定が終了したか否かを確認する(S15)。ここで、全ての記録モードについて適正電圧を設定したならばこの駆動電圧決定工程を終了する。一方、適正電圧が設定されていない記録モードがある場合には、上記したステップS12に戻ってその記録モードに対する設定作業を上記と同様の手順で行う。
【0064】
このような動作の第2実施形態では、圧電振動子2が十分に作動していない状態、即ち、駆動パルスの供給開始直後の状態では、インク滴の吐出重量の変動が少ない記録モードの適正駆動電圧が設定される。以後は、段階的に吐出重量の変動が生じる記録モードの適正駆動電圧が設定されるが、後に測定される記録モードの方が圧電振動子2の事前の作動回数(振動回数)が多くなる。このため、吐出重量の変動が大きい記録モードであっても、既に行われた測定作業によって、圧電振動子2は十分に作動した状態となっている。従って、この記録モードにおいて、吐出量測定工程での吐出重量が実際の使用時における吐出重量に近い量になり、適正駆動電圧の精度を高めることができる。即ち、実際の使用状態を反映した電圧値に設定することができる。そして、この第2実施形態では、インク滴の棄て打ちといった準備工程(S3)が不要であるので、適正駆動電圧の決定が迅速に行えるという利点を有する。
【0065】
ところで、本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて種々の変形が可能である。
【0066】
例えば、上記各実施形態では、駆動電圧が異なる2種類の測定用駆動パルスを用いてインク滴の吐出重量を測定したが、3種類以上の測定用駆動パルスを用いてもよい。
【0067】
また、上記各実施形態ではインク滴の吐出重量を電子天秤32で測定するように構成した例について説明したが、インク滴の吐出量が判れば重量でなくてもよい。例えば、吐出されたインク滴の容積を測定してもよい。
【0068】
さらに、上記各実施形態では液体噴射ヘッドの一種である記録ヘッド1を例に挙げて説明したが、本発明は他の液体噴射ヘッド、例えば、ディスプレー製造装置用の色材噴射ヘッド、電極形成装置用の電極材噴射ヘッド、或いは、バイオチップ製造装置用の有機物噴射ヘッドにも適用できる。
【0069】
また、圧力発生素子に関し、上記した各実施形態では圧電振動子2を例示したが、これに限定されるものではない。圧力発生素子は、圧力室19内の液体に圧力変動を生じさせ得る素子であればよく、例えば電気機械変換素子の一種である磁歪素子であってもよいし、圧力室19内のインクを突沸させる発熱素子であってもよい。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば以下の効果を奏する。
即ち、液滴量の測定に先立って複数の駆動パルスを供給して圧力発生素子を作動させるようにしたので、液滴量の測定前に圧力発生素子を十分に作動させた状態にすることができ、駆動電圧を、実際の使用状態を反映した値に設定できる。その結果、駆動パルスの駆動電圧値をより適正な値に設定できる。
【0071】
また、適正駆動電圧の決定を液滴吐出量の少ない噴射モードから順に行うようにしたので、複数の噴射モードの内、圧力発生素子の作動回数の多少に拘わらず液滴量が安定している噴射モードについては先に適正駆動電圧が決定され、圧力発生素子の作動回数によって液滴量が変動する噴射モードについては後に適正駆動電圧が決定される。そして、液滴量が変動する噴射モードの測定時においては、先に行われた測定によって圧力発生素子が十分に作動した状態になっているので、駆動電圧を、実際の使用状態を反映した値に設定できる。その結果、駆動パルスの駆動電圧値をより適正な値に設定できる。さらに、圧力発生素子には液滴の吐出に使用する駆動パルスしか供給しないので、測定の迅速化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】記録ヘッドの構造を説明する断面図である。
【図2】第1駆動信号を説明する図である。
【図3】第2駆動信号を説明する図であり、(a)は往路駆動信号を、(b)は復路駆動信号をそれぞれ示す。
【図4】第3駆動信号を説明する図である。
【図5】第4駆動信号を説明する図である。
【図6】(a)は駆動電圧決定装置を説明するブロック図、(b)は記憶回路の一部領域を説明する図である。
【図7】ノーマルドット駆動パルスの説明図であり、(a)は駆動電圧が設計値のノーマルドット駆動パルス(標準パルス)を、(b)は少量側ノーマルドット駆動パルスを、(c)は多量側ノーマルドット駆動パルスをそれぞれ示す。
【図8】ミドルドット駆動パルスの説明図であり、(a)は駆動電圧が設計値のミドルドット駆動パルス(標準パルス)を、(b)は少量側ミドルドット駆動パルスを、(c)は多量側ミドルドット駆動パルスをそれぞれ示す。
【図9】第1スモールドット駆動パルスの説明図であり、(a)は駆動電圧が設計値の第1スモールドット駆動パルス(標準パルス)を、(b)は少量側第1スモールドット駆動パルスを、(c)は多量側第1スモールドット駆動パルスをそれぞれ示す。
【図10】第2スモールドット駆動パルスの説明図であり、(a)は駆動電圧が設計値の第2スモールドット駆動パルス(標準パルス)を、(b)は少量側第2スモールドット駆動パルスを、(c)は多量側第2スモールドット駆動パルスをそれぞれ示す。
【図11】第3スモールドット駆動パルスの説明図であり、(a)は駆動電圧が設計値の第3スモールドット駆動パルス(標準パルス)を、(b)は少量側第3スモールドット駆動パルスを、(c)は多量側第3スモールドット駆動パルスをそれぞれ示す。
【図12】第1実施形態の駆動電圧決定工程を説明するフローチャートである。
【図13】測定用駆動パルスの駆動電圧とその駆動電圧に対応するインク滴の吐出重量との相関関係(一次式)を説明する図である。
【図14】第2実施形態の駆動電圧決定工程を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1…インクジェット式記録ヘッド,2…圧電振動子,3…固定板,4…フレキシブルケーブル,5…振動子ユニット,6…ケース,7…流路ユニット,8…収納空部,9…島部,10…リザーバ,11…インク供給路,12…インク供給針,15…ノズルプレート,16…流路形成基板,17…弾性板,18…ノズル開口,19…圧力室,20…インク供給口,21…ノズル連通口,22…支持板,23…弾性体膜,31…制御装置,32…電子天秤,33…インクタンク,34…駆動信号発生回路,35…記憶回路,36…重量取得部,37…主制御部,38…スタートスイッチ,39…配線部材,40…インクチューブ

Claims (8)

  1. 駆動パルス発生手段から発生された測定用駆動パルスを液体噴射ヘッドの圧力発生素子へ連続的に供給することで複数の液滴をノズル開口から吐出させ、吐出させた液滴の量を液滴量測定手段によって測定する吐出量測定工程を、駆動電圧が異なる2種類以上の測定用駆動パルス毎に行い、
    その後、適正電圧決定工程にて、前記測定された測定用駆動パルス毎の液滴量に基づき、駆動パルスの適正駆動電圧を演算手段によって決定する液体噴射ヘッド用駆動パルスの駆動電圧決定方法であって、
    前記吐出量測定工程に先立って前記圧力発生素子に駆動パルスを連続的に供給して圧力発生素子を作動させる準備工程を行うことを特徴とする液体噴射ヘッド用駆動パルスの駆動電圧決定方法。
  2. 前記準備工程は、液滴を吐出させるための駆動パルスを供給して液滴を棄て打ちする棄て打ち工程であることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射ヘッド用駆動パルスの駆動電圧決定方法。
  3. 駆動パルス発生手段から発生された測定用駆動パルスを液体噴射ヘッドの圧力発生素子へ連続的に供給することで複数の液滴をノズル開口から吐出させ、吐出された液滴の量を液滴量測定手段によって測定する吐出量測定工程を、駆動電圧が異なる2種類以上の測定用駆動パルスについて行い、
    その後、適正電圧決定工程にて、前記測定された測定用駆動パルス毎の液滴量に基づき、駆動パルスの適正駆動電圧を演算手段によって決定する液体噴射ヘッド用駆動パルスの駆動電圧決定方法であって、
    前記液体噴射ヘッドは、液滴吐出量が異なる複数の噴射モードで動作可能であり、
    前記吐出量測定工程及び適正電圧決定工程を、液滴吐出量の少ない噴射モードから順に行うことを特徴とする液体噴射ヘッド用駆動パルスの駆動電圧決定方法。
  4. 優先順位記憶手段に記憶された噴射モード毎の優先順位を示す優先順位情報に基づいて駆動電圧の決定対象となる噴射モードを認識することを特徴とする請求項3に記載の液体噴射ヘッド用駆動パルスの駆動電圧決定方法。
  5. 駆動電圧が異なる複数種類の測定用駆動パルスを発生可能な駆動パルス発生手段と、
    噴射ヘッドから吐出された液滴の量を測定可能な液滴量測定手段と、
    測定用駆動パルスの駆動電圧とその駆動電圧に対応する液滴量との相関関係から適正駆動電圧を決定する演算手段と、
    上記駆動パルス発生手段、液滴量測定手段、及び演算手段を制御可能な制御手段とを備え、
    駆動パルス発生手段が発生した測定用駆動パルスを前記噴射ヘッドの圧力発生素子へ供給することでノズル開口から液滴を吐出させ、吐出された液滴の量を前記液滴量測定手段で測定し、測定用駆動パルス毎の液滴量から演算手段によって駆動パルスの適正駆動電圧を決定する液体噴射ヘッド用駆動パルスの駆動電圧決定装置であって、
    前記制御手段は、液滴量の測定に先立って前記駆動パルス発生手段を制御し、複数の駆動パルスを前記圧力発生素子に供給することを特徴とする液体噴射ヘッド用駆動パルスの駆動電圧決定装置。
  6. 前記制御手段は、前記ノズル開口から液滴を吐出すべく設定された条件で駆動パルスを供給することを特徴とする請求項5に記載の液体噴射ヘッド用駆動パルスの駆動電圧決定装置。
  7. 駆動電圧が異なる複数種類の測定用駆動パルスを発生可能な駆動パルス発生手段と、
    噴射ヘッドから吐出された液滴の量を測定可能な液滴量測定手段と、
    測定用駆動パルスの駆動電圧とその駆動電圧に対応する液滴量との相関関係から適正駆動電圧を決定する演算手段と、
    上記駆動パルス発生手段、液滴量測定手段、及び演算手段を制御可能な制御手段とを備え、
    駆動パルス発生手段が発生した測定用駆動パルスを前記噴射ヘッドの圧力発生素子へ供給することでノズル開口から液滴を吐出させ、吐出された液滴の量を前記液滴量測定手段で測定し、測定用駆動パルス毎の液滴量から演算手段によって駆動パルスの適正駆動電圧を決定する液体噴射ヘッド用駆動パルスの駆動電圧決定装置であって、
    前記液体噴射ヘッドは、液滴吐出量が異なる複数の噴射モードで動作可能であり、
    前記制御手段は、適正駆動電圧の決定を液滴吐出量の少ない噴射モードから順に行うことを特徴とする液体噴射ヘッド用駆動パルスの駆動電圧決定装置。
  8. 前記噴射モード毎の優先順位を示す優先順位情報を記憶する優先順位記憶手段を設け、
    前記制御手段は、前記優先順位記憶手段に記憶された優先順位情報に基づいて駆動電圧の決定対象となる噴射モードを認識することを特徴とする請求項7に記載の液体噴射ヘッド用駆動パルスの駆動電圧決定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010167645A (ja) * 2009-01-22 2010-08-05 Seiko Epson Corp 液体吐出装置、及び、その制御方法
WO2014029115A1 (zh) * 2012-08-20 2014-02-27 深圳市华星光电技术有限公司 液晶滴下装置

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