JP3166264B2 - 潤滑剤及びテープカセット - Google Patents
潤滑剤及びテープカセットInfo
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- JP3166264B2 JP3166264B2 JP1121092A JP1121092A JP3166264B2 JP 3166264 B2 JP3166264 B2 JP 3166264B2 JP 1121092 A JP1121092 A JP 1121092A JP 1121092 A JP1121092 A JP 1121092A JP 3166264 B2 JP3166264 B2 JP 3166264B2
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- tape cassette
- rollers
- tape
- roller
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、軸とプラスチ
ックローラ摺動部などに用いる、ゴム・プラスチック用
潤滑剤に適用して好適な潤滑剤に関し、また、これを使
用するテープカセットに関する。
ックローラ摺動部などに用いる、ゴム・プラスチック用
潤滑剤に適用して好適な潤滑剤に関し、また、これを使
用するテープカセットに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、各機械構造中のプラスチックギ
ヤ、軸とプラスチックローラ摺動部などには、ゴム・プ
ラスチック用潤滑剤が多く使用されてきたが、この潤滑
剤を決定する上で、始動トルク、運動トルク、耐久性な
どの特性が重要なポイントとなっていた。
ヤ、軸とプラスチックローラ摺動部などには、ゴム・プ
ラスチック用潤滑剤が多く使用されてきたが、この潤滑
剤を決定する上で、始動トルク、運動トルク、耐久性な
どの特性が重要なポイントとなっていた。
【0003】潤滑剤選定の目安としては、まず初めに初
期トルク値が重要であり、つぎに耐久性の検討を行う場
合が多い。市販されているゴム・プラスチック潤滑剤に
ついて、このような検討を行うと、まず初期トルクにつ
いては、多種の品種でさまざまなトルク値の潤滑剤が供
給されており、初期トルク値のみで潤滑剤選定を行うと
すれば容易に決定することができる。
期トルク値が重要であり、つぎに耐久性の検討を行う場
合が多い。市販されているゴム・プラスチック潤滑剤に
ついて、このような検討を行うと、まず初期トルクにつ
いては、多種の品種でさまざまなトルク値の潤滑剤が供
給されており、初期トルク値のみで潤滑剤選定を行うと
すれば容易に決定することができる。
【0004】一方、テープカセットの構造中、軸とプラ
スチックローラ摺動部などには、ゴム・プラスチック用
潤滑剤が多く使用されている。
スチックローラ摺動部などには、ゴム・プラスチック用
潤滑剤が多く使用されている。
【0005】このテープカセットの走行耐久性を確保す
るためには、優れた潤滑剤を使用することが大きなポイ
ントとなっている。
るためには、優れた潤滑剤を使用することが大きなポイ
ントとなっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た方法によって潤滑剤を選び、その耐久性を検討して行
くと、連続運動でのトルク劣化、環境変化によるトルク
劣化などが発生してしまい、この結果、最適な潤滑剤の
選定が非常に困難となってくる。
た方法によって潤滑剤を選び、その耐久性を検討して行
くと、連続運動でのトルク劣化、環境変化によるトルク
劣化などが発生してしまい、この結果、最適な潤滑剤の
選定が非常に困難となってくる。
【0007】また、逆に耐久性に優れた潤滑剤を選んで
も、初期トルクが高すぎたり、低すぎたりして、必要な
トルクを得ることが非常にむずかしくなるといった問題
点があった。
も、初期トルクが高すぎたり、低すぎたりして、必要な
トルクを得ることが非常にむずかしくなるといった問題
点があった。
【0008】一方、テープカセットのテンション、トル
クは、この潤滑剤の特性に大きく左右され、潤滑剤の種
類によっては、長時間走行や悪環境走行において、その
特性が大きく損なわれるものがあり、使用する潤滑剤の
特性を十分考慮しなければならないといった問題点があ
った。
クは、この潤滑剤の特性に大きく左右され、潤滑剤の種
類によっては、長時間走行や悪環境走行において、その
特性が大きく損なわれるものがあり、使用する潤滑剤の
特性を十分考慮しなければならないといった問題点があ
った。
【0009】なお、現在、テープカセットの回転摺動部
に使用されている潤滑剤は、基油となる潤滑油に増ちょ
う剤などを配合したグリースが多い。このグリースに固
体潤滑剤を配合しているタイプもあり、耐久性、極圧性
を向上させているが、固体潤滑剤の配合量は5%〜10
%と少ないのが通常である。なお、ここで「%」は「重
量%」を意味し、以下の文章および表中においても同様
である。
に使用されている潤滑剤は、基油となる潤滑油に増ちょ
う剤などを配合したグリースが多い。このグリースに固
体潤滑剤を配合しているタイプもあり、耐久性、極圧性
を向上させているが、固体潤滑剤の配合量は5%〜10
%と少ないのが通常である。なお、ここで「%」は「重
量%」を意味し、以下の文章および表中においても同様
である。
【0010】本発明はこのような課題に鑑みてなされた
ものであり、初期トルクの調整を容易に行うことがで
き、かつ、長時間の使用においても初期性能を維持でき
る優れた潤滑剤を得ることを目的とする。また、本発明
は必要初期テンション及びトルク特性を満足し、かつ、
走行耐久性においてもその特性を維持する優れたテープ
カセットを得ることを目的とする。
ものであり、初期トルクの調整を容易に行うことがで
き、かつ、長時間の使用においても初期性能を維持でき
る優れた潤滑剤を得ることを目的とする。また、本発明
は必要初期テンション及びトルク特性を満足し、かつ、
走行耐久性においてもその特性を維持する優れたテープ
カセットを得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明潤滑剤は、合成油
を基油とするグリースに少なくとも固体潤滑剤を20%
〜50%配合したものである。また、本発明テープカセ
ットは、例えば図1に示すように、ドライブローラ部1
及びコーナローラ部2、3のうち、少なくともコーナロ
ーラ部2、3に、合成油を基油とするグリースに少なく
とも固体潤滑剤を20%〜50%配合した潤滑剤を、使
用したものである。
を基油とするグリースに少なくとも固体潤滑剤を20%
〜50%配合したものである。また、本発明テープカセ
ットは、例えば図1に示すように、ドライブローラ部1
及びコーナローラ部2、3のうち、少なくともコーナロ
ーラ部2、3に、合成油を基油とするグリースに少なく
とも固体潤滑剤を20%〜50%配合した潤滑剤を、使
用したものである。
【0012】
【作用】本発明潤滑剤によれば、低分子量四フッ化エチ
レン樹脂を20%〜50%の範囲でグリースに配合する
ことにより、初期トルクの調整を容易に行うことがで
き、かつ、長時間の使用においても初期性能を維持でき
る優れた潤滑剤を得ることができる。また、本発明テー
プカセットによれば、グリースに低分子量四フッ化エチ
レン樹脂を20%〜50%の高比率で配合した潤滑剤を
テープカセットの回転摺動部に使用することにより、必
要初期テンション及びトルク特性を満足し、しかも、走
行耐久性においてもその特性を維持する優れたテープカ
セットを得ることができる。
レン樹脂を20%〜50%の範囲でグリースに配合する
ことにより、初期トルクの調整を容易に行うことがで
き、かつ、長時間の使用においても初期性能を維持でき
る優れた潤滑剤を得ることができる。また、本発明テー
プカセットによれば、グリースに低分子量四フッ化エチ
レン樹脂を20%〜50%の高比率で配合した潤滑剤を
テープカセットの回転摺動部に使用することにより、必
要初期テンション及びトルク特性を満足し、しかも、走
行耐久性においてもその特性を維持する優れたテープカ
セットを得ることができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の潤滑剤及びテープカセットの
実施例について図1を参照して説明する。
実施例について図1を参照して説明する。
【0014】本例を説明するに当たって、その概要を述
べると以下の通りである。
べると以下の通りである。
【0015】まず、潤滑剤の運動トルク劣化を防ぎ、適
正初期トルクを確保するため、予め運動トルク劣化の比
較的少ないグリースを選定し、これに固体潤滑剤を配合
して、初期トルクの調整を行うことを検討したものであ
る。
正初期トルクを確保するため、予め運動トルク劣化の比
較的少ないグリースを選定し、これに固体潤滑剤を配合
して、初期トルクの調整を行うことを検討したものであ
る。
【0016】検討の結果、まず固体潤滑剤として、低分
子量四フッ化エチレン樹脂を、前述で選定した基となる
グリースに配合することにより、基となるグリースが持
っている耐久性特性を劣化させることなく、初期トルク
を調整することができた。
子量四フッ化エチレン樹脂を、前述で選定した基となる
グリースに配合することにより、基となるグリースが持
っている耐久性特性を劣化させることなく、初期トルク
を調整することができた。
【0017】また、固体潤滑剤の配合量は、従来、5%
〜10%が普通であるが、この程度の配合量では、初期
トルクの調整は非常に困難であった。そこで、初期トル
クを調整可能にするため、配合量を種々検討し、20%
〜50%の配合量が適当であることを確認した。もちろ
ん、固体潤滑剤を20%〜50%配合した場合でも基と
なるグリースの耐久性にはほとんど影響がなかった。
〜10%が普通であるが、この程度の配合量では、初期
トルクの調整は非常に困難であった。そこで、初期トル
クを調整可能にするため、配合量を種々検討し、20%
〜50%の配合量が適当であることを確認した。もちろ
ん、固体潤滑剤を20%〜50%配合した場合でも基と
なるグリースの耐久性にはほとんど影響がなかった。
【0018】一方、通常用いられている固体潤滑剤であ
るMoS2などを基となるグリースに20%〜50%配
合すると基となるグリースの基本特性を大きく害する可
能性があると考えられるが、低分子量四フッ化エチレン
樹脂を使用することにより、この様な弊害を発生させる
ことなく、20%〜50%配合が可能となった。
るMoS2などを基となるグリースに20%〜50%配
合すると基となるグリースの基本特性を大きく害する可
能性があると考えられるが、低分子量四フッ化エチレン
樹脂を使用することにより、この様な弊害を発生させる
ことなく、20%〜50%配合が可能となった。
【0019】次に、具体的な内容について説明する。
【0020】潤滑剤の製造 本例で用いた潤滑剤は以下の方法で製造した。本例で用
いたグリースは、合成油を基油とし、合成油としては、
ポリ−α−オレフィン系合成油を用いた。また、増ちょ
う剤としては、リチウム石けんを用いた。このグリース
に低分子量四フッ化エチレン樹脂(以下、PTFEとい
う。)を配合した。PTFEの配合量は、25%、30
%、および35%とし、各々を表1に示すように、実施
例1、実施例2、及び実施例3とした。なお、PTFE
の分子量は100万程度であり、また、PTFEの粒子
径は1μm以下である。
いたグリースは、合成油を基油とし、合成油としては、
ポリ−α−オレフィン系合成油を用いた。また、増ちょ
う剤としては、リチウム石けんを用いた。このグリース
に低分子量四フッ化エチレン樹脂(以下、PTFEとい
う。)を配合した。PTFEの配合量は、25%、30
%、および35%とし、各々を表1に示すように、実施
例1、実施例2、及び実施例3とした。なお、PTFE
の分子量は100万程度であり、また、PTFEの粒子
径は1μm以下である。
【0021】グリースとPTFEとの混合は、2軸プラ
ネタリーミキサーを使用し、2回行った。第1回目の混
合は、減圧下、25±5℃、1時間とし、第2回目の混
合は、減圧下、25±5℃、2時間とした。
ネタリーミキサーを使用し、2回行った。第1回目の混
合は、減圧下、25±5℃、1時間とし、第2回目の混
合は、減圧下、25±5℃、2時間とした。
【0022】この他、本例では市販のグリースも用いた
(表1参照)。それぞれの商品名は下記の通りである。 比較例1 X5−6020 (ダウコーニング
社製) 比較例3 GPL223 (デュポン社製) 比較例4 G30M (信越シリコン社
製) なお、比較例2としては、上述で製造したグリースにお
いてPTFEを配合していないものとした。
(表1参照)。それぞれの商品名は下記の通りである。 比較例1 X5−6020 (ダウコーニング
社製) 比較例3 GPL223 (デュポン社製) 比較例4 G30M (信越シリコン社
製) なお、比較例2としては、上述で製造したグリースにお
いてPTFEを配合していないものとした。
【0023】
【表1】
【0024】駆動力特性及び張力特性の評価 表2の比較例1〜比較例4は、現在市販されているグリ
ース及び上述のPTFEを配合していないグリースの性
能を、後述する方法で評価した結果である。市販されて
いるグリース等は多様であるが、表からわかるように、
各評価項目を全て満足する製品がないことを示してい
る。
ース及び上述のPTFEを配合していないグリースの性
能を、後述する方法で評価した結果である。市販されて
いるグリース等は多様であるが、表からわかるように、
各評価項目を全て満足する製品がないことを示してい
る。
【0025】表2の実施例1〜実施例3は、本例の潤滑
剤の検討結果であり、各評価項目について評価したもの
である。実施例1〜実施例3は、上述したように、比較
例2のグリースにPTFEを高比率で配合したものであ
る。表2からわかるように、PTFEを高比率で配合す
ることで、各特性をすべて満足でき、かつ、初期駆動力
及び初期張力については、PTFEの配合率を変更する
ことでコントロールすることができる。
剤の検討結果であり、各評価項目について評価したもの
である。実施例1〜実施例3は、上述したように、比較
例2のグリースにPTFEを高比率で配合したものであ
る。表2からわかるように、PTFEを高比率で配合す
ることで、各特性をすべて満足でき、かつ、初期駆動力
及び初期張力については、PTFEの配合率を変更する
ことでコントロールすることができる。
【0026】
【表2】
【0027】ここで、表2の測定結果をについて、各評
価項目ごとに詳細に説明する。
価項目ごとに詳細に説明する。
【0028】初期駆動力及び初期張力 表2における初期駆動力の欄の値は、常温での測定結果
である。試験方法は、SUSピンに潤滑剤を均一に塗布
し、そこへPOMローラを差し込み、ゴムベルトを掛た
のち駆動力を測定した。測定は、ドライブローラにおい
て駆動力を計測することにより行った。また、潤滑剤
は、ドライブローラ部および2個のコーナローラ部に使
用した(図1参照)。表2に示すように、PTFEの配
合率をコントロールすることで初期駆動力を任意に設定
することができた。ここで、初期駆動力は、70〜11
0gの範囲にあることが望ましい。また、初期張力の測
定は、図1に示すように、テープテンションピックアッ
プ7により測定した。ここで、初期張力は、40〜80
g の範囲にあることが望ましい。
である。試験方法は、SUSピンに潤滑剤を均一に塗布
し、そこへPOMローラを差し込み、ゴムベルトを掛た
のち駆動力を測定した。測定は、ドライブローラにおい
て駆動力を計測することにより行った。また、潤滑剤
は、ドライブローラ部および2個のコーナローラ部に使
用した(図1参照)。表2に示すように、PTFEの配
合率をコントロールすることで初期駆動力を任意に設定
することができた。ここで、初期駆動力は、70〜11
0gの範囲にあることが望ましい。また、初期張力の測
定は、図1に示すように、テープテンションピックアッ
プ7により測定した。ここで、初期張力は、40〜80
g の範囲にあることが望ましい。
【0029】長時間使用耐久性および悪環境使用特性 長時間使用耐久性は、5℃〜45℃のそれぞれの悪環境
で、測定を10日間行い、潤滑剤の特性劣化による駆動
力及び張力の変化を評価したものである。5℃〜45℃
悪環境については、恒温そうを3つ用意し、それぞれを
5℃、23℃(常温)、45℃にセットし、そのなかで
10日間連続測定を行い、耐久性を評価した。表中の符
号について説明する。○は、張力が40g〜80gの範
囲内にあり、駆動力の変化がないものである。△は、張
力が40g〜80gの範囲内にあり、駆動力の変化が小
さいものである。▲は、張力が40g〜80gの範囲か
ら外れてしまい、駆動力の変化が大きいものである。×
は、張力が40g〜80gの範囲から大きく外れてしま
い、駆動力の変化も非常に大きいものである。ここで、
○〜△が望ましく、▲〜×は劣化が著しいもの、または
測定不能なものである。表2に示すように、PTFEを
配合していないもの(比較例2)とPTFEを配合した
もの(実施例1〜実施例3)とを比較してみると、長時
間使用耐久性には影響が認められず、混合前の潤滑特性
と同等であることがわかる。悪環境使用特性は、潤滑剤
の環境変化に対する特性変化を評価したものである。ま
ず、常温で駆動力を測定し、次に、各悪環境で同様に駆
動力を測定して、その変化と駆動力値を評価した。ここ
で、各悪環境とは、5℃、23℃(常温)、45℃の温
度条件のことである。表中の符号の意味する内容は、長
時間使用耐久性のそれと同じである。表2からもわかる
ように、PTFEを配合していないもの(比較例2)が
▲であるのに対して、PTFEを配合したもの(実施例
1〜実施例3)は全て○となっており、悪環境使用特性
が著しく向上している。
で、測定を10日間行い、潤滑剤の特性劣化による駆動
力及び張力の変化を評価したものである。5℃〜45℃
悪環境については、恒温そうを3つ用意し、それぞれを
5℃、23℃(常温)、45℃にセットし、そのなかで
10日間連続測定を行い、耐久性を評価した。表中の符
号について説明する。○は、張力が40g〜80gの範
囲内にあり、駆動力の変化がないものである。△は、張
力が40g〜80gの範囲内にあり、駆動力の変化が小
さいものである。▲は、張力が40g〜80gの範囲か
ら外れてしまい、駆動力の変化が大きいものである。×
は、張力が40g〜80gの範囲から大きく外れてしま
い、駆動力の変化も非常に大きいものである。ここで、
○〜△が望ましく、▲〜×は劣化が著しいもの、または
測定不能なものである。表2に示すように、PTFEを
配合していないもの(比較例2)とPTFEを配合した
もの(実施例1〜実施例3)とを比較してみると、長時
間使用耐久性には影響が認められず、混合前の潤滑特性
と同等であることがわかる。悪環境使用特性は、潤滑剤
の環境変化に対する特性変化を評価したものである。ま
ず、常温で駆動力を測定し、次に、各悪環境で同様に駆
動力を測定して、その変化と駆動力値を評価した。ここ
で、各悪環境とは、5℃、23℃(常温)、45℃の温
度条件のことである。表中の符号の意味する内容は、長
時間使用耐久性のそれと同じである。表2からもわかる
ように、PTFEを配合していないもの(比較例2)が
▲であるのに対して、PTFEを配合したもの(実施例
1〜実施例3)は全て○となっており、悪環境使用特性
が著しく向上している。
【0030】総合評価 表2の結果から、初期駆動力=70〜110g、初期張
力=40〜80g、長時間使用耐久性=○〜△、および
悪環境使用特性=○〜△の範囲内にあることを、すべて
満足することが望ましいが、実施例1〜実施例3はすべ
ての項目について満足していることが認められた。
力=40〜80g、長時間使用耐久性=○〜△、および
悪環境使用特性=○〜△の範囲内にあることを、すべて
満足することが望ましいが、実施例1〜実施例3はすべ
ての項目について満足していることが認められた。
【0031】以上総括すると、低分子量四フッ化エチレ
ン樹脂(PTFE)を20%〜50%の範囲でグリース
に配合することにより、初期駆動力及び初期張力の調整
を容易に行うことができ、かつ、長時間の使用において
も初期性能を維持できる優れた潤滑剤を得ることができ
た。すなわち、運動トルクの調整を容易にし、同時に長
時間の使用においても初期性能を充分保持し続ける潤滑
剤を得ることができた。従って、いままで非常に困難で
あった潤滑剤の設定が非常に容易になった。また、グリ
ースと低分子量四フッ化エチレン樹脂との混合は比較的
簡単な設備で可能となり、潤滑剤の製造も容易になっ
た。
ン樹脂(PTFE)を20%〜50%の範囲でグリース
に配合することにより、初期駆動力及び初期張力の調整
を容易に行うことができ、かつ、長時間の使用において
も初期性能を維持できる優れた潤滑剤を得ることができ
た。すなわち、運動トルクの調整を容易にし、同時に長
時間の使用においても初期性能を充分保持し続ける潤滑
剤を得ることができた。従って、いままで非常に困難で
あった潤滑剤の設定が非常に容易になった。また、グリ
ースと低分子量四フッ化エチレン樹脂との混合は比較的
簡単な設備で可能となり、潤滑剤の製造も容易になっ
た。
【0032】一方、グリースに低分子量四フッ化エチレ
ン樹脂を20%〜50%の高比率で配合した潤滑剤をテ
ープカセットの回転摺動部に使用することにより、必要
初期駆動力及び初期張力を満足し、しかも、走行耐久性
においてもその特性を維持する優れたテープカセットを
得ることができた。これにより、各悪環境走行におい
て、テンション及びトルク特性がきわめて安定し、従っ
て、ドライブローラ及びコーナローラが一定の負荷で回
転することが認められ、長時間使用においても、その安
定状態を維持するテープカセットを得ることができた。
また、特に高温下でのトルク劣化が小さく、当り波形の
良好なテープカセットを得ることができた。
ン樹脂を20%〜50%の高比率で配合した潤滑剤をテ
ープカセットの回転摺動部に使用することにより、必要
初期駆動力及び初期張力を満足し、しかも、走行耐久性
においてもその特性を維持する優れたテープカセットを
得ることができた。これにより、各悪環境走行におい
て、テンション及びトルク特性がきわめて安定し、従っ
て、ドライブローラ及びコーナローラが一定の負荷で回
転することが認められ、長時間使用においても、その安
定状態を維持するテープカセットを得ることができた。
また、特に高温下でのトルク劣化が小さく、当り波形の
良好なテープカセットを得ることができた。
【0033】なお、本発明は上述の実施例に限らず本発
明の要旨を逸脱することなく種々の構成を採り得ること
はもちろんである。
明の要旨を逸脱することなく種々の構成を採り得ること
はもちろんである。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
初期駆動力及び初期張力の調整を容易に行うことがで
き、かつ、長時間の使用においても初期性能を維持でき
る優れた潤滑剤を得ることができた。すなわち、運動ト
ルクの調整を容易にし、同時に長時間の使用においても
初期性能を充分保持し続ける潤滑剤を得ることができ
た。また、本発明によれば、必要初期駆動力及び初期張
力特性を満足し、しかも、走行耐久性においてもその特
性を維持する優れたテープカセットを得ることができ
た。これにより、各悪環境走行において、テンション及
びトルク特性がきわめて安定し、従って、ドライブロー
ラ及びコーナローラが一定の負荷で回転することが認め
られ、長時間使用においても、その安定状態を維持する
テープカセットを得ることができるという利益が得られ
る。
初期駆動力及び初期張力の調整を容易に行うことがで
き、かつ、長時間の使用においても初期性能を維持でき
る優れた潤滑剤を得ることができた。すなわち、運動ト
ルクの調整を容易にし、同時に長時間の使用においても
初期性能を充分保持し続ける潤滑剤を得ることができ
た。また、本発明によれば、必要初期駆動力及び初期張
力特性を満足し、しかも、走行耐久性においてもその特
性を維持する優れたテープカセットを得ることができ
た。これにより、各悪環境走行において、テンション及
びトルク特性がきわめて安定し、従って、ドライブロー
ラ及びコーナローラが一定の負荷で回転することが認め
られ、長時間使用においても、その安定状態を維持する
テープカセットを得ることができるという利益が得られ
る。
【図1】本例のテープカセットの構成を示す線図であ
る。
る。
1 ドライブローラ 2、3 コーナローラ 4、5、6 軸 7 テープテンションピックアップ 8 テープ 9 ドライブベルト
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C10M 107:38) C10N 40:06 40:18 50:10 (56)参考文献 特開 昭61−113694(JP,A) 特開 昭59−155497(JP,A) 特開 昭62−190290(JP,A) 特開 平2−16193(JP,A) 特開 平3−217496(JP,A) 特開 昭55−82196(JP,A) 特開 昭62−270698(JP,A) 特開 昭63−255861(JP,A) 特開 昭61−87287(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C10M 101/00 - 177/00 C10N 40:14 - 40:18 C10N 50:10 G11B 23/087 511
Claims (7)
- 【請求項1】 テープカセットの内部に金属ピンによっ
て軸支される樹脂性回転ローラが配され、上記金属ピン
と上記樹脂性回転ローラの摺動面に供される潤滑剤であ
って、 上記潤滑剤は、ポリαオレフィン系 合成油を基油とし、
増稠剤を配合するグリースに少なくともフッ素樹脂から
なる固体潤滑剤を20重量%〜50重量%配合したこと
を特徴とするテープカセットの回転ローラ用潤滑剤。 - 【請求項2】 テープカセットの内部に金属ピンによっ
て軸支される樹脂性回転ローラが配され、上記金属ピン
と上記樹脂性回転ローラの摺動面に供される潤滑剤であ
って、 上記潤滑剤は、ポリαオレフィン系合成油を基油とし、
増稠剤を配合するグリースに少なくともフッ素樹脂から
なる固体潤滑剤を25重量%〜35重量%配合したこと
を 特徴とするテープカセットの回転ローラ用潤滑剤。 - 【請求項3】 上記増稠剤はリチウム石けんであること
を 特徴とする上記請求項1または2記載のテープカセッ
トの回転ローラ用潤滑剤。 - 【請求項4】 上記フッ素樹脂は低分子量四フッ化エチ
レン樹脂であって、粒子径を1μm以下としたことを 特
徴とする上記請求項1または2記載のテープカセットの
回転ローラ用潤滑剤。 - 【請求項5】 テープ状記録媒体を回転可能に収容し、
金属ピンによって軸支されるドライブローラ及びコーナ
ローラを内部に配するとともに、上記ドライブローラ及
び上記コーナローラに掛け回されるドライブベルトによ
って上記テープ状記録媒体を駆動するテープカセットに
おいて、 上記軸支される ドライブローラ部及び上記コーナローラ
部のうち、少なくとも上記コーナローラ部に、ポリαオレフィン系 合成油を基油とする増稠剤を配合す
るグリースに少なくともフッ素樹脂からなる固体潤滑剤
を20重量%〜50重量%配合した潤滑剤を、使用した
ことを特徴とするテープカセット。 - 【請求項6】 テープ状記録媒体を回転可能に収容し、
金属ピンによって軸支されるドライブローラ及びコーナ
ローラを内部に配するとともに、上記ドライブローラ及
び上記コーナローラに掛け回されるドライブベルトによ
って上記テープ状記録媒体を駆動するテープカセットに
おいて、 上記軸支されるドライブローラ部及び上記コーナローラ
部のうち、少なくとも上記コーナローラ部に、 ポリαオレフィン系合成油を基油とする増稠剤を配合す
るグリースに少なくともフッ素樹脂からなる固体潤滑剤
を25重量%〜35重量%配合した潤滑剤を、使用した
ことを 特徴とするテープカセット。 - 【請求項7】 上記フッ素樹脂は低分子量四フッ化エチ
レン樹脂であって、粒子径を1μm以下としたことを 特
徴とする上記請求項5または6記載のテープカセット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1121092A JP3166264B2 (ja) | 1992-01-24 | 1992-01-24 | 潤滑剤及びテープカセット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1121092A JP3166264B2 (ja) | 1992-01-24 | 1992-01-24 | 潤滑剤及びテープカセット |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05202376A JPH05202376A (ja) | 1993-08-10 |
JP3166264B2 true JP3166264B2 (ja) | 2001-05-14 |
Family
ID=11771640
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1121092A Expired - Fee Related JP3166264B2 (ja) | 1992-01-24 | 1992-01-24 | 潤滑剤及びテープカセット |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3166264B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP5182541B2 (ja) * | 2006-03-08 | 2013-04-17 | 株式会社ジェイテクト | ステアリング装置 |
-
1992
- 1992-01-24 JP JP1121092A patent/JP3166264B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05202376A (ja) | 1993-08-10 |
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