JP2002235759A - 転がり軸受 - Google Patents

転がり軸受

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JP2002235759A
JP2002235759A JP2001366501A JP2001366501A JP2002235759A JP 2002235759 A JP2002235759 A JP 2002235759A JP 2001366501 A JP2001366501 A JP 2001366501A JP 2001366501 A JP2001366501 A JP 2001366501A JP 2002235759 A JP2002235759 A JP 2002235759A
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raceway
rolling bearing
radius
curvature
less
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JP2001366501A
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English (en)
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Yoichiro Sugimori
庸一郎 杉森
Toshio Sumiya
寿夫 住谷
Michiharu Naka
道治 中
Takashi Ogawa
隆司 小川
Yasuhisa Terada
康久 寺田
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NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温環境における運転起動時の軸受初期音響
(保持器音)に優れ、かつフレッチング損傷(磨耗)の
低減と軸受トルク低減とを図った転がり軸受を提供す
る。 【解決手段】 内輪軌道の断面形状の曲率半径及び外輪
軌道の断面形状の曲率半径が転動体の外径の51.0%
以上60.0%未満である転がり軸受に、分子構造中に
極性基を有する潤滑油と無極性潤滑油とを混合してなる
基油に、長径部の長さが少なくとも3μmである長繊維
状物を含む金属石けん系増ちょう剤を配合したグリース
組成物を封止してなることを特徴とする転がり軸受。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般産業用に使用
される各種モータ用転がり軸受に関し、特に低温時の保
持器音の改善、フレッチング損傷(摩耗)及び軸受トル
クの低減を図った転がり軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】一般産業用として、例えば空気調整装置
(以下、「エアコンディショナー」と称する)用の駆動
用モータ装置が挙げられる。このエアコンディショナー
は近年、高性能化や多機能化が進み、例えばインバータ
制御により、高速運転により急速冷却して短時間で室内
温度を下げた後は、低速運転で部屋の温度を一定に維持
することが行われている。それに伴って低速運転時に
は、空気の吹き出し音や、モータの回転音等を抑えた低
騒音運転が要求されている。しかし、低速運転時には装
置内部の冷却効率が低下してモータに組み込まれた転が
り軸受の温度は100〜120℃前後まで上昇すること
があり、また潤滑による油膜厚の確保が難しくなり、軸
受に封入したグリースが劣化しやすくなる。そして、劣
化が進行すると騒音が発生する。
【0003】また、エアコンディショナーに使用される
室外機においては、冬季等の低温環境下における運転起
動時の軸受初期音響(保持器音)が問題になることがあ
る。
【0004】更に、エアコンディショナーに使用される
モータ装置は、転がり軸受が組み込まれた状態でモータ
メーカーからエンドユーザーへトラックにより長距離輸
送されることがある。この様な輸送においてはトラック
が道路の細かな凹凸を拾い、それが繰り返し加えられる
衝撃荷重となって転がり軸受に伝わる。それにより、転
がり軸受の転動体と軌道面とが微小接触を繰り返し、軌
道面にフレッチング損傷(摩耗)が発生して騒音を引き
起こすことがある。
【0005】一方で、上記した高性能化・多機能化と同
時に環境規制にも配慮し、モータからの発熱を抑制する
ために小型化、低出力化が促進されている。このため、
これらの用途に使用される転がり軸受では、トルク特性
が重要な機能として求められている。転がり軸受の動摩
擦トルクは、転がり接触面の微少滑りによる摩擦、軸受
内の滑り接触部における滑り摩擦、グリースの粘性抵抗
が原因で発生する。このうちグリースの粘性抵抗は、基
油の動粘度およびグリースのちょう度に影響を受けるこ
とが知られている。従って、基油の動粘度は流体潤滑膜
が形成された際の油のせん断抵抗によるため、この動粘
度の低減が転がり軸受の動摩擦トルクを低減させる上で
大きな解決策となる。また、グリースのちょう度は軸受
回転時、軸受内部でせん断を受ける際のチャネリング性
に関わるため、このちょう度を低減することも効果的で
ある。
【0006】しかしながら、基油の動粘度を低減させる
と、上記したように、エアコンディショナーのモータで
は、インバータ制御により比較的低速で運転されること
があるために油膜厚の確保が難しくなる。また、一般に
動粘度が低い油は耐熱性が低く、音響耐久性に問題が出
てくる。一方、グリースのちょう度を低減させることは
増ちょう剤の配合量の増加を招くため、グリース中の基
油の量が相対的に少なくなり、またグリースの機械的せ
ん断の抵抗力が高まるため、結果として軸受潤滑面への
基油の供給量が減り、潤滑性を長期にわたり安定に維持
することができなくなる。
【0007】このように基油動粘度及びグリースちょう
度の低減には限度があり、上記した用途の転がり軸受で
は、40℃における基油動粘度が10〜500mm2
s、グリースのちょう度がNLGI No.2〜3グレー
ド、もしくは増ちょう剤配合量として5〜20質量%の
範囲のグリースが適当とされている。また、特に低騒音
特性、即ち音響耐久性が要求されるモータでは、エステル
を基油とし、これに脂肪酸リチウム塩を増ちょう剤とし
て配合したグリースが一般に使用されている。これは、
エステル油が鉱油に比べて耐熱性が高く、その分子構造
中に極性基を有しており、この極性基が金属表面への吸
着性を高めて摩耗特性を良好にし、音響耐久性を向上さ
せる作用を有することによる。更に、フレッチング損傷
(磨耗)の低減が要求される場合には、油膜形成性の高い
比較的高粘度の基油を使用することが有効とされてい
る。
【0008】また、内輪軌道及び外輪軌道の断面形状の
曲率半径は、荷重や回転速度等に応じて種々の設計がな
されているが、通常は内輪軌道の曲率半径及び外輪軌道
の曲率半径とも玉径の52%に設定されている。これ
は、JIS規格の「転がり軸受の動定格荷重及び定格寿
命の計算方法 解説」(JIS B 1518−199
2)の解説表2 軌道溝の半径及び減少係数に単列深溝
玉軸受の動定格荷重の計算に、断面形状の曲率半径とし
て転動体直径の52%が示されていることによる。尚、
本出願人による軸受カタログにおいても、動定格荷重及
び静定格荷重等を内輪軌道及び外輪軌道の各断面形状の
曲率半径として転動体直径の52%を用いて計算してい
る。このように、内輪軌道及び外輪軌道の各断面形状の
曲率半径として転動体直径の52%を用いるのが一般的
である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、エア
コンディショナーの高性能・多機能化要求と、環境規制
配慮に伴って組み込まれる転がり軸受の仕様にも更なる
音響特性の改善、フレッチング損傷(摩耗)の低減、低
トルク化が求められており、今後もこのような要求が高
まることは十分に予測される。
【0010】本発明は、このような状況に鑑みてなされ
たものであり、特に、低温環境における運転起動時の軸
受初期音響(保持器音)特性に優れ、かつフレッチング
損傷(磨耗)の低減と軸受トルク低減とを図った転がり
軸受を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は以下の転がり軸受を提供する。 (1)内周面に外輪軌道を有する外輪と、外周面に内輪
軌道を有する内輪と、外輪軌道と内輪軌道との間に転動
自在に設けた複数個の転動体と、複数個の転動体を転動
自在に保持する保持器とを備え、外輪軌道と内輪軌道と
の間の空間内にグリースを封入した転がり軸受におい
て、前記グリースが分子構造中に極性基を有する潤滑油
と無極性潤滑油とを混合してなる基油に、長径部の長さ
が少なくとも3μmである長繊維状物を含む金属石けん
系増ちょう剤を配合したグリース組成物であるととも
に、前記内輪軌道の断面形状の曲率半径及び前記外輪軌
道の断面形状の曲率半径が前記転動体の外径の51.0
%以上60.0%未満であることを特徴とする転がり軸
受。 (2)内周面に外輪軌道を有する外輪と、外周面に内輪
軌道を有する内輪と、外輪軌道と内輪軌道との間に転動
自在に設けた複数個の転動体と、複数個の転動体を転動
自在に保持する保持器とを備え、外輪軌道と内輪軌道と
の間の空間内にグリースを封入した転がり軸受におい
て、前記グリースが分子構造中に極性基を有する潤滑油
と無極性潤滑油とを混合してなる基油に、長径部の長さ
が少なくとも3μmである長繊維状物を含む金属石けん
系増ちょう剤を配合したグリース組成物であるととも
に、前記内輪軌道の断面形状の曲率半径が前記転動体の
外径の50.5%以上56%以下で、前記外輪軌道の断
面形状の曲率半径が前記転動体の外径の53.0%以上
58.0%以下であることを特徴とする転がり軸受。
【0012】本発明の転がり軸受においては、上記した
特定のグリース組成物を用いることにより、軸受トルク
を低減することができる。即ち、グリース組成物の増ち
ょう剤が長径部の長さが3μm以上の長繊維状物を含む
ため、この長繊維状物が軸受回転時の剪断で配向性を示
し、それにより軸受トルクが低減される。この軸受トル
ク低減効果は、基油の無極性潤滑油との組み合わせによ
ってさらに増す。また、基油に、分子構造中に極性基を
有する潤滑油(以下「極性基含有潤滑油」という)が配
合されているため、この極性基含有潤滑油が、従来の極
性基を有する基油(例えばエステル油)と同様に作用し
て、軸受回転部の接触面に優先的に吸着して吸着膜を形
成し、表面摩擦特性を改善して軸受トルクを低減する。
更に、この極性基含有潤滑油が、金属石けんのミセル構
造からなる長繊維状物と相互作用を示し、特に長繊維状
物同士の結合力を弱め、軸受回転時におけるグリースの
剪断抵抗を低減して軸受トルクを更に低減する。このこ
とにより、転動体外径に対する内・外輪軌道の断面形状
の曲率半径を52%より小さくしても、この値が51%
以上であれば従来の仕様より優れた動トルク特性が得ら
れる。
【0013】また、内・外輪軌道の断面形状の曲率半径
を転動体の外径の51.0%以上60.0%未満、もし
くは内輪軌道の断面形状の曲率半径が転動体の外径の5
0.5%以上56%以下で、かつ外輪軌道の断面形状の
曲率半径が転動体の外径の53.0%以上58.0%以
下に規定したことにより、転動体の転動面と内・外輪軌
道面との接触部に存在する弾性変形量が少なくなる。即
ち、ヘルツの接触楕円が小さくなり、差動すべりを軽減
し、軸受トルクの低減を図れる。また、輸送時に繰り返
し加えられる衝撃荷重に対して、内・外輪軌道面に発生
するフレッチング損傷(磨耗)を低減することができ、音
響耐久性を改善できる。内・外輪軌道の断面形状の曲率
半径が上記の各上限を超える場合、接触楕円部分での最
大ヘルツ接触圧力が過大になり、内・外輪軌道の転がり
疲れ寿命を低下させて、音響や剥離寿命の面で不利とな
る。また、外輪軌道の断面形状の曲率半径を内輪軌道の
断面形状の曲率半径以上とすることにより、玉の転動面
と内輪軌道及び外輪軌道との接触面圧を小さくすること
ができる。
【0014】更にまた、本発明の転がり軸受では、外輪
と内輪との相対回転時に外輪軌道及び内輪軌道と転動体
の軌道面との間に作用する摩擦を低減させて、転がり軸
受の内部での発熱を抑えることができる。その結果、内
部に封入したグリース組成物の劣化を抑制して、転がり
軸受の音響耐久性向上が図れる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の転がり軸受に関し
て図面を参照して詳細に説明する。
【0016】本発明において、転がり軸受自体の構造に
は、後述される内・外輪軌道の断面形状の曲率半径と、
転動体の外径との寸法関係以外は制限が無く、例えば図
1に示すような転がり軸受とすることができる。図示さ
れる転がり軸受は、外周面に内輪軌道1を有する内輪2
と、内周面に外輪軌道3を有する外輪4とを同心に配置
し、内輪軌道1と外輪軌道3との間に、複数個の転動体
である玉5、5を転動自在に設けて成る。また、内輪軌
道1及び外輪軌道3は共に深溝型としており、玉5、5
は保持器6に設けたポケット7、7内に転動自在に保持
されている。
【0017】また、保持器6は、波形プレス保持器と呼
ばれるもので、金属板材をプレス成形により波形で円環
状に形成した一対の素子8,8を組み合わせて成る。両
素子8,8は、それぞれの円周方向複数個所に、各ポケ
ット7,7を構成するための略半円筒状の凹部9,9を
形成している。そして、この1対の素子8,8同士をこ
れら各凹部9,9から外れた部分で突き合わせ、これら
各部分を複数のリベット10により結合固定して円環状
で円周方向複数個所にポケット7,7を有する保持器6
としている。また、各凹部9,9の内面中間部は、各玉
5,5の転動面の曲率半径よりも僅かに大きな曲率半径
を有する、断面円弧状の球状凹面としている。
【0018】また、図2に示すような、冠型保持器と呼
ばれる保持器11を使用することもできる。この保持器
11は、合成樹脂等により造られた円環状の主部12の
円周方向複数個所に、各玉5,5を転動自在に保持する
ポケット7,7を有する。合成樹脂としては、ポリアミ
ド樹脂、ポリアセタール樹脂、フェノール樹脂、ポリプ
ロピレン樹脂、ポリフェニルサルファイド樹脂等が使用
可能であり、補強剤としてガラス繊維等を適量添加して
もよい。また、各ポケット7,7は、主部12に互いに
間隔を空けて配置された1対の弾性片13,13の片側
面と、主部12の軸方向(図2の左右方向)片面(図2
の右面)でこの1対の弾性片13,13の間部分に設け
られた球面状の凹面部14,14とから構成される。弾
性片13,13の片側面及び凹面部14,14の曲率半
径は、何れも玉5の転動面の曲率半径より僅かに大き
い。
【0019】何れの保持器6、11を使用する場合で
も、内輪2の外周面と外輪4の内周面との間に存在する
空間部分にグリースを充填して、これら内輪2と外輪4
との相対回転が円滑に行われるようにする。そして、転
がり軸受に振動や騒音が生じないようにすると共に、焼
き付け等の故障を防止する。そのために、外輪4の両端
部内周面に、円環状のシール板やシールド板等の密封板
(図示省略)を装着して前記空間部分の両端開口を塞
ぎ、この空間部分から潤滑剤が漏洩したり、あるいはこ
の空間部分内に塵芥等の異物が侵入するのを防止する。
また、内輪2、外輪4や玉5,5、更には各保持器6、
11の表面には、金属製部材の防錆や寿命の延長等を考
慮して、潤滑油が薄く塗布される。
【0020】上記の転がり軸受において、内輪軌道1及
び外輪軌道3の断面形状の曲率半径を、玉5の外径(即
ち、直径)の51.0%以上60.0%未満とする。こ
のような寸法規定により、前述の長繊維状物を含む増ち
ょう剤と、極性基含有潤滑油と無極性潤滑油とを基油と
して含むグリースのトルク低減効果と、内輪軌道1及び
外輪軌道3と玉5の転動面との接触部に存在する弾性変
形量が少なくなり、ヘルツの接触楕円が小さくなって差
動すべりを軽減する効果との相乗効果により、軸受トル
クの低減を図ることができる。また、輸送時に繰り返し
加えられる衝撃荷重に対して、内輪軌道1及び外輪軌道
3に発生するフレッチング損傷(磨耗)を低減することが
でき、音響耐久性を改善できる。これに対し、特に、内
輪軌道1及び外輪軌道3の断面形状の曲率半径を玉5の
直径の60.0%以上にすると、接触楕円部分での最大
ヘルツ接触圧力が過大になり、内輪軌道1及び外輪軌道
3の転がり疲れ寿命を低下させて、音響や剥離寿命の面
で不利となる。
【0021】内輪軌道1及び外輪軌道3の断面形状の曲
率半径の好ましい範囲は、玉5の直径の51.5%以上
58.0%以下であり、また内輪軌道1の断面形状の曲
率半径が玉5の直径の50.5%以上56.0%以下
で、かつ外輪軌道3の断面形状の曲率半径が玉5の直径
の53.0%以上58.0%以下であることが好まし
い。更に、外輪軌道3の断面形状の曲率半径を内輪軌道
1の断面形状の曲率半径より大きくすることにより、玉
5の転動面と内輪軌道の接触面圧が小さくなるととも
に、玉5の転動面と外輪軌道3との接触面圧との差が小
さくなり好ましい。
【0022】とりわけ、内輪軌道1の断面形状の曲率半
径を玉5の直径の51.0%以上56%以下とし、かつ
外輪軌道3の断面形状の曲率半径を玉5の直径の52.
5%以上58.0%以下とすることが好ましく、軸受ト
ルクの低減、フレッチング損傷(磨耗)の低減及び音響耐
久性の改善をより一層図ることができる。この場合も、
外輪軌道3の断面形状の曲率半径を内輪軌道1の断面形
状の曲率半径以上とすることが好ましい。
【0023】本発明の転がり軸受に使用されるグリース
組成物を構成する基油は、極性基含有潤滑油と無極性潤
滑油との混合油である。極性基含有潤滑油としては、エ
ステル構造を有する潤滑油またはエーテル構造を有する
潤滑油が好適である。
【0024】エステル構造を有する潤滑油としては、特
に制限はないが、二塩基酸と分岐アルコールとの反応か
ら得られるジエステル油、炭酸エステル油、芳香族系三
塩基酸と分岐アルコールとの反応から得られる芳香族エ
ステル油、一塩基酸と多価アルコールとの反応から得ら
れるポリオールエステル油等を好適に挙げることができ
る。これらは、単独でも複数種を併用してもよい。以下
にそれぞれの好ましい具体例を例示する。
【0025】ジエステル油としては、ジオクチルアジペ
ート(DOA)、ジイソブチルアジペート(DIB
A)、ジブチルアジペート(DBA)、ジブチルセバケ
ート(DBS)、ジオクチルセバケート(DOS)、メ
チル・アセチルリシノレート(MAR−N)等が挙げら
れる。
【0026】芳香族エステル油としては、トリオクチル
トリメリテート(TOTM)、トリデシルトリメリテー
ト(TDTM)、テトラオクチルピロメリテート(TO
PM)等が挙げられる。
【0027】ポリオールエステル油としては、以下に示
す多価アルコールと一塩基酸とを適宜反応させて得られ
るものなどが挙げられる。多価アルコールと反応させる
一塩基酸は、単独でも複数種を併用してもよい。更に、
多価アルコールと二塩基酸・一塩基酸の混合酸とのオリ
ゴエステルであるコンプレックスエステルとして用いて
もよい。多価アルコールとしては、トリメチロールプロ
パン(TMP)、ペンタエリスリトール(PE)、ジペ
ンタエリスリトール(DPE)、ネオペンチルグリコー
ル(NPG)、2−メチル−2−プロピル−1,3−プ
ロパンジオール(MPPD)などが挙げられる。一塩基
酸としては、主にC4〜C16の一価脂肪酸が用いられ、
具体的には酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、エ
ナント酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、
ラウリン酸、ミステリン酸、パルミチン酸、牛脂脂肪
酸、ステアリン酸、カプロレイン酸、パルミトレイン
酸、ペトロセリン酸、オレイン酸、エライジン酸、アス
クレピン酸、バクセン酸、ソルビン酸、リノール酸、リ
ノレン酸、サビニン酸、リシノール酸等が挙げられる。
【0028】炭酸エステル油としては、直鎖または分岐
アルキル基のC6〜C30が挙げられる。
【0029】また、エーテル構造を有する潤滑油として
は、例えば(ジ)アルキルジフェニルエーテル油、
(ジ)アルキルポリフェニルエーテル油、ポリアルキレ
ングリコール油等を挙げることができる。
【0030】上記各極性基含有潤滑油は、単独で用いて
もよいし、複数種を併用してもよい。また、トルク特性
および音響耐久性を考慮すると、中でもポリオールエス
テル油、芳香族エステル油が好ましい。
【0031】一方、無極性潤滑油としては、鉱油、合成
炭化水素油、あるいはこれらの混合油を用いることがで
きる。鉱油の例としては、パラフィン系鉱油、ナフテン
系鉱油等を挙げることができる。また、合成炭化水素油
の例としては、ポリ−α−オレフィン油等を挙げること
ができる。中でも、音響耐久性を考慮すると、合成炭化
水素油が好ましい。
【0032】上記極性基含有潤滑油と無極性潤滑油と
は、極性基含有潤滑油が基油全量の5質量%以上70質
量%以下、特に10質量%以上70質量%以下を占める
ように配合することが好ましい。極性基含有潤滑油の配
合量が5質量%未満では、音響耐久性およびトルク低減
に十分な効果が得られない。本発明の転がり軸受に用い
るグリース組成物は、予め無極性潤滑油の中で長繊維状
物を含む金属石けん系増ちょう剤を合成し、溶解した
後、ゲル体を作製し、このゲル体と極性基含有潤滑油と
を混合して調製される。従って、極性基含有潤滑油の配
合量が70質量%を超えると、無極性潤滑油の量が少な
すぎて長繊維状の金属石けん系増ちょう剤の合成に悪影
響が出てくる。
【0033】また、極性基含有潤滑油と無極性潤滑油と
を配合してなる基油の動粘度は、従来と同様の10mm
2/s(40℃)以上500mm2/s(40℃)以下の
範囲で構わないが、上記の製造方法を円滑に行う上で、
極性基含有潤滑油として2000mm2/s(40℃)
以上100000mm2/s(40℃)以下の高粘度極
性基含有潤滑油を含むことが好ましい。また、増ちょう
剤として長繊維状物を含むことによりトルクの低減がで
きるので、フレッチング特性を高めるにはトルク特性に
影響を与えない範囲で基油の動粘度は高い方が望まし
く、25mm2/s(40℃)以上500mm2/s(4
0℃)以下、特に50mm2/s(40℃)以上500
mm2/s(40℃)以下であることが好ましい。
【0034】更に、40℃における動粘度が10mm2
/s以上150mm2/s未満である低粘度極性基含有
潤滑油と、40℃における動粘度が150mm2/s以
上2000mm2/s未満である極性基含有潤滑油と、
40℃における動粘度が2000mm2/s以上100
000mm2/s以下の高粘度極性基含有潤滑油とを適
宜組み合わせて使用することが好ましい。特に、低粘度
極性基含有潤滑油と中粘度極性基含有潤滑油と高粘度極
性基含有潤滑油の3種を混合して使用することが好まし
く、その際、高粘度極性基含有潤滑油の含有量を基油全
量の5質量%以上30質量%以下とすることが好まし
い。また、低粘度極性基含有潤滑油は、ポリオ−ルエス
テル油、ジエステル油及びエーテル油から選択される少
なくとも1種であることが好ましい。
【0035】本発明の転がり軸受に使用されるグリース
組成物を構成する増ちょう剤は、長径部の長さが少なく
とも3μmである長繊維状物を含む金属石けん系増ちょ
う剤である。金属石けんとしては、1価および/または
2価の有機脂肪酸または有機ヒドロキシ脂肪酸と、金属
水酸化物とを合成して得られる有機脂肪酸金属塩または
有機ヒドロキシ脂肪酸金属塩が好ましい。金属石けんの
合成に用いる有機脂肪酸としては、特に限定されない
が、ラウリン酸(C12)、ミスチリン酸(C14)、パル
ミチン酸(C16)、マルガン酸(C17)、ステアリン酸
(C18)、アラキジン酸(C20)、ベヘン酸(C22)、
リグノセリン酸(C24)、牛脂脂肪酸等が挙げられる。
また、有機ヒドロキシ脂肪酸としては、9−ヒドロキシ
ステアリン酸、10−ヒドロキシステアリン酸、12−
ヒドロキシステアリン酸、9,10−ジヒドロキシステ
アリン酸、リシノール酸、リシノエライジン酸等が挙げ
られる。一方、金属水酸化物としては、アルミニウム、
バリウム、カルシウム、リチウム、ナトリウム等の水酸
化物が挙げられる。
【0036】上記有機脂肪酸または有機ヒドロキシ脂肪
酸と、金属水酸化物との組み合わせは特に限定されるも
のではないが、ステアリン酸、牛脂脂肪酸またはヒドロ
キシステアリン酸(特に12−ヒドロキシステアリン
酸)と、水酸化リチウムとの組み合わせが、軸受性能に
優れることから好ましい。また、必要に応じて複数種を
併用することもできる。
【0037】長繊維状物を含む金属石けん系増ちょう剤
を含有するグリース組成物を得るには、上記の有機脂肪
酸または有機ヒドロキシ脂肪酸と、金属水酸化物とを、
基油成分である無極性潤滑油中で反応させ、生成物を極
性基含有潤滑油と混合すればよい。生成条件は特に制限
されることはないが、一例として次の生成方法を例示す
る。
【0038】先ず、合成炭化水素油(無極性潤滑油)中に
ヒドロキシステアリン酸を溶解し、水酸化リチウムと反
応させてリチウム石けんを製造する。これを210℃以
上に加温し、リチウム石けんを極性基含有潤滑油中に溶
解する。次いで、一旦200℃で約60分保持し、その
後140℃まで1℃/分の速度でゆっくり冷却する。そ
して、140℃以下になった時点で、140℃に加熱し
た追加基油(合成炭化水素油+極性基含有潤滑油)を加
え、3段ロールミルをかけ、目的の長繊維状のリチウム
石けんを含有するグリースが得られる。
【0039】尚、増ちょう剤量は従来のグリース組成物
と同様の5質量%以上20質量%以下で構わず、有機脂
肪酸またはヒドロキシ脂肪酸、金属水酸化物の配合量を
適宜選択する。
【0040】グリース組成物には長繊維状の金属石けん
系増ちょう剤が含まれるが、その割合は増ちょう剤全量
の30質量%以上を占めることが好ましく、それより少
ないと軸受トルクの低減に十分な効果が得られない。ま
た、長繊維状の金属石けん系増ちょう剤の長径部が長く
なりすぎると、回転時に転がり軸受の接触面に入り込ん
だときの振動が大きくなり、特に初期音響特性に悪影響
を及ぼすため、長径部の上限としては10μmが好まし
いといえる。また、短径部の長さは特に制限されるもの
ではないが、通常は1μm未満である。長繊維状の金属
石けん系増ちょう剤の長径部及び短径部の寸法は、上記
した反応条件を適宜選択することにより制御可能であ
る。
【0041】尚、上記において合成されたグリース組成
物において、金属石けん系増ちょう剤の長径部の長さお
よび短径部の長さを測定するには、例えばグリース組成
物をヘキサン等の溶剤に分散、希釈し、コロジオン膜を
張った銅製メッシュに付着させ、透過型電子顕微鏡を用
いて6000〜20000倍程度の倍率にて観察して行
うことができる。図3(A)は顕微鏡写真の一例(実施
例1によるグリース組成物)であるが、長径部の長さが
3μm以上である長繊維状物が生成していることがわか
る。
【0042】また、グリース組成物には、上記した基油
及び増ちょう剤以外に、カルボン酸またはカルボン酸塩
を添加することが好ましい。カルボン酸またはカルボン
酸塩を添加することにより、吸着膜を形成して、表面摩
擦特性を改善し、軸受トルク低減を更に効果的なものと
する。そして、音響耐久性の改善となる。尚、カルボン
酸としては、例えばオレイン酸、ナフテン酸、コハク酸
等を挙げることができる。コハク酸化合物としては、ア
ルケニルコハク酸が好ましく、コハク酸誘導体として
は、例えばアルキルコハク酸エステル、アルキルコハク
酸エーテル、アルケニルコハク酸エステル、アルケニル
コハク酸エーテル等を挙げることができる。また、その
添加量は、全体としてグリース組成物全量の10質量%
以下とするのが適当である。
【0043】更に、グリース組成物には、その好ましい
特性を損なわない限り、酸化防止剤、防錆剤、金属不活
性化剤、油性剤、極圧剤、摩耗防止剤、粘度指数向上剤
等を単独または2種以上組み合わせて添加することがで
きる。これらは何れも公知のもので構わない。例えば、
酸化防止剤としては、アミン系、フェノール系、イオウ
系、ジチオリン酸亜鉛等を使用できる。防錆剤として
は、石油スルフォネート、ジノニルナフタレンスルフォ
ネート、ソルビタンエステル等を使用できる。金属不活
性化剤としては、ベンゾトリアゾールや亜硝酸ソーダ等
を使用できる。油性剤としては、脂肪酸、植物油等を使
用できる。粘度指数向上剤としては、ポリメタクリレー
ト、ポリイソブチレン、ポリスチレン等を使用できる。
これらの添加剤は、単独または2種以上組み合わせて添
加することができ、その添加量は全体としてグリース組
成物全量の20質量%以下とすることが好ましい。
【0044】また、グリース組成物の混和ちょう度は、
250以上330以下であることが好ましい。即ち、従
来のNLGI No.2〜No.3の範囲から、ちょう
度が大きい方にシフトしたほうが低トルクとなる。但
し、ちょう度が大きくなりすぎるとグリースが柔らかく
なりすぎるので、ちょう度250以上330以下である
ことが望ましい。
【0045】上記の如く構成される転がり軸受は、軸受
単体で内部すきまを有するときに特に優れた低トルクや
音響特性、耐フッチング性が得られる。転がり軸受で
は、転動体と内輪軌道及び外輪軌道とが接触する接触楕
円の個々での半径差に起因する差動すべりや、アキシア
ル荷重が負荷されて接触角がある状態で生じるスピンす
べりもトルク及び音響特性に影響する。このスピンすべ
りによるトルク増大は、軸受単体で内部すきまを有する
転がり軸受がアキシアル方向の予圧や外部からのアキシ
アル荷重を受けて回転時に接触角を有する状態で回転す
る場合には必然的に生ずる。即ち、本発明は、軸受単体
に内部すきまを有する転がり軸受に特に有効となる。
【0046】
【実施例】本発明を実施例及び比較例に基づいて、更に
説明する。尚、本発明は以下の実施例に限定されるもの
ではない。
【0047】(実施例1〜11、比較例1〜5)表1、
表2及び表3に、実施例1〜11、比較例1〜5のグリ
ース組成及び性状を示した。尚、リチウム石けんと基油
の総量を950gとし、これに添加剤(カルボン酸、酸
化防止剤、防錆剤、金属不活性剤等)50gを加えて総
量1000gのグリース組成物としてある。また、基油
(極性基含有潤滑油と無極性潤滑油との混合油)の動粘
度(40℃)を同表に併記した。調製方法は、各無極性
潤滑油中にヒドロキシステアリン酸を溶解し、水酸化リ
チウムと反応させてリチウム石けんを生成し、これを2
10℃以上に加温して各極性基含有潤滑油中に溶解した
後、一旦200℃で約60分保持し、その後140℃ま
で1℃/分の速度で冷却し、次いで140℃以下になっ
た時点で140℃に加熱した追加基油(合成炭化水素油
+極性基含有潤滑油)を加え、3段ロールミルをかけて
グリース組成物を得た。
【0048】そして、実施例1及び比較例5のグリース
組成物をヘキサンに分散、希釈し、コロジオン膜を張っ
た銅製メッシュに付着させ、透過型電子顕微鏡を用いて
6000倍の倍率にて観察した。図3(A)に実施例1
のグリース組成物、また図3(B)に比較例5のグリー
ス組成物の顕微鏡写真を示すが、実施例1のグリース組
成物には長径部の長さが3μm以上のリチウム石けんが
含まれていることがわかる。
【0049】また、各グリース組成物を下記に示す各試
験軸受に適用し、(1)軸受動トルク試験、(2)軸受
保持器音測定、(3)フレッチング試験及び(4)軸受
音響耐久試験に供した。
【0050】試験軸受において、内輪軌道及び外輪軌道
の断面形状の曲率半径の玉の直径に対する割合(以下
「溝R」という)は以下の通りである。 実施例1:内輪軌道の溝R=51.75%、外輪軌道の
溝R=53.0% 実施例2:内輪軌道の溝R=51.0%、外輪軌道の溝
R=53.0% 実施例3:内輪軌道の溝R=52.5%、外輪軌道の溝
R=54.5% 実施例4:内輪軌道の溝R=53.0%、外輪軌道の溝
R=55.0% 実施例5:内輪軌道の溝R=56.0%、外輪軌道の溝
R=58.0% 実施例6:内輪軌道の溝R=51.0%、外輪軌道の溝
R=51.0% 実施例7:内輪軌道の溝R=59.0%、外輪軌道の溝
R=59.75% 実施例8〜11(何れも同じ):内輪軌道の溝R=51.
0%、外輪軌道の溝R=53.0% 比較例1〜5(何れも同じ):内輪軌道の溝R=52.
0%、外輪軌道の溝R=52.0%
【0051】(1)軸受動トルク試験 図4に示す測定装置30を用いて軸受動トルク測定を行
った。この測定装置30において、試験軸受31は2個
一組で、エアースピンドル32に連結する軸33に予圧
用ウエーブワッシャ34を用いて装着される。また、試
験軸受31はエアースピンドル32とともに水平に置か
れ、糸35を介して荷重変換機36が吊るされており、
荷重変換機36の出力がX−Yレコーダ37により記録
される。
【0052】試験は、試験軸受31として、鉄保持器を
備えた内径φ15mm、外径φ35mm、幅11mm、内部す
きま11〜25μmの非接触ゴムシール付き転がり軸受
を用い、これに実施例1〜11、比較例1〜5の各グリ
ース組成物を0.7g封入し、アキシアル荷重39.2
Nとし、1400min-1で内輪回転させて動トルクを
測定した。測定結果を前記表1、表2中に動トルクとし
て示した。尚、表1、表2及び表3において、×印は、
従来エアコンファンモータ用に使用されているグリース
組成物が封入された転がり軸受の動トルクを100%
(基準値)とした時に、試験軸受31の動トルクが80
%以上であること、△印は基準値の60%以上で80%
未満であること、○印は基準値の40%以上で60%未
満であること、◎印は基準値の40%未満であることを
それぞれ表わしている。軸受動トルク試験は、○印、即
ち基準値の60%未満の場合を合格とした。表1、表2
及び表3から、実施例1〜11において、良好なトルク
特性が得られることがわかる。
【0053】また、従来の内輪軌道の溝R=52.0
%、外輪軌道の溝R=52.0%の軸受を用いて、グリ
ース組成物中の極性基含有潤滑油の配合比率、基油動粘
度及び増ちょう剤の長繊維状物の配合割合について、軸
受動トルク測定より検証した。
【0054】(1−1極性基含有潤滑油の配合比率の検
証)実施例2に従ってポリオールエステルの配合比率を
変えてグリース組成物を調製し、上記軸受動トルク測定
を行った。測定は、回転開始5分経過後に行った。結果
を図5に示すが、ポリオールエステルを5質量%以上、
特に10質量%以上配合することにより、極めて良好な
トルク特性が得られることがわかる。
【0055】(1−2基油動粘度の検証)実施例2及び
比較例4に従って基油動粘度を変えてグリース組成物を
調製し、上記軸受動トルク測定を行った。測定は、回転
開始5分経過後に行った。結果を図6に示すが、実施例
2のグリース組成物を適用した試験軸受では、設定した
基油の動粘度の全範囲(25〜200mm2/s、40
℃)において一様に軸受動トルクが低く、極めて良好な
トルク特性が得られることがわかる。特に、動粘度50
mm2/s(40℃)以上において、実施例2と実施例
4の差が顕著に表れている。
【0056】(1−3増ちょう剤における長繊維状物の
配合割合の検証)実施例2に従ってリチウム石けんの長
繊維状物の配合割合を変えてグリース組成物を調製し、
上記軸受トルク測定を行った。測定は、回転開始5分経
過後に行った。結果を図7に示すが、長繊維状物の配合
割合として、30質量%以上であれば軸受トルクを低く
抑えることができることがわかる。
【0057】(1−4内輪軌道の断面形状の曲率半径の
有効性の検証)外輪軌道の断面形状の曲率半径が玉の直
径の53.0%と一定で、内輪軌道の断面形状の曲率半
径をそれぞれ調整した試験軸受に、実施例2のグリース
組成物を封入し、上記軸受動トルク測定を行った。測定
は、回転開始5分経過後に行った。結果を図8に示す
が、内輪軌道の断面形状の曲率半径が玉の直径の51.
0%以上であれば、軸受動トルクを低く抑えられること
がわかる。特に好ましくは、トルク比率が40%未満と
なっている、51.5%以上58.0%以下であるとい
える。
【0058】尚、内輪軌道の断面形状の曲率半径が玉の
直径の50.5%のとき、トルク比率が「○」の基準値
である60%より若干小さくなっている。これは、この
ときの外輪軌道の断面形状の曲率半径が玉の直径の5
3.0%であり、内輪軌道の断面形状の曲率半径と外輪
軌道の断面形状の曲率半径との組み合わせで、動トルク
が小さく抑えられたことによる。即ち、内輪軌道の断面
形状の曲率半径及び外輪軌道の断面形状の曲率半径が玉
の直径の51.0%以上60%未満の範囲外でも、内輪
軌道の断面形状の曲率半径が玉の直径の50.5%以上
で、かつ外輪軌道の断面形状の曲率半径が玉の直径の5
3.0%以上の場合は、低トルク特性が得られる。軸受
トルクは、内輪と転動体及び外輪と転動体の接触面積
や、接触時のすべりが影響する。通常は、内輪軌道の断
面形状の曲率半径及び外輪軌道の断面形状の曲率半径が
小さいほど転動体との接触面積が大きく、トルクが大き
くなる傾向にあり、本発明によれば、内輪軌道の断面形
状の曲率半径及び外輪軌道の断面形状の曲率半径のそれ
ぞれの大きさを考慮して、結果としてトルクを小さくす
ることができる。
【0059】(2)軸受保持器音測定 試験は、試験軸受31として、鉄保持器を備えた内径φ
15mm、外径φ35mm、幅11mm、内部すきま11〜2
5μmの非接触ゴムシール付き転がり軸受を用い、これ
に実施例1〜11、比較例1〜5の各グリース組成物を
0.7g封入し、アキシアル荷重39.2Nとし、14
00min-1で内輪回転させ、周波数分析器を用いて0
℃及び+20℃における保持器音を測定した。測定結果
を表1、表2及び表3中に保持器音として示した。尚、
表1、表2において、○印は保持器音の発生なし、△印
は保持器音ややあり、×印は保持器音が大きいことをそ
れぞれ表わしている。表1、表2から、実施例1〜11
では保持器音が発生しないことがわかる。
【0060】(3)フレッチング試験 図9に示す測定装置40を用いて、フレッチング試験を
行った。この測定装置40において、試験軸受41は外
輪ハウジング42および軸43を介して装着されてい
る。加振器44を用い、繰り返し周波数50Hzで変動
荷重を試験軸受41に作用させた。試験は、試験軸受4
1として、鉄保持器を備えた内径φ15mm、外径φ35
mm、幅11mm、内部すきま11〜25μmの非接触ゴム
シール付き転がり軸受を用い、これに実施例1〜11、
比較例1〜5の各グリース組成物を0.7g封入し、ア
キシアル荷重で20〜1500Nまで変動させ、5×1
5回繰り返してフレッチング試験を行った。試験後の
試験軸受41を下記の評価基準により軸受の音響特性を
調べた。
【0061】軸受の音響特性は、アンデロンメータを用
いて行い、各グリース組成物を封入した直後の軸受アン
デロン値と、5×105回のフレッチング試験後の軸受
のアンデロン値とを比較してアンデロン値の上昇値を基
準として音響特性の判定を行った。尚、フレッチング試
験後の試験軸受を分解し、軸受軌道面の摩耗損傷状態を
観察してみると、摩耗痕が深くはっきり観察できる軸受
は、音響特性の低下(アンデロン上昇値が大)が大き
く、一方摩耗痕がほとんど確認できない軸受は、音響特
性の低下(アンデロン上昇値がなし)がなく、軸受軌道
面の摩耗損傷状態と、音響特性は相関性があることを確
認している。
【0062】判定結果を表1、表2及び表3中にフレッ
チング(音響特性)として示した。表1、表2におい
て、×印は、従来エアコンファンモータ用に使用されて
いるグリース組成物が封入された転がり軸受の音響特性
(アンデロン上昇値)を100%(基準値)とした時
に、試験軸受41の音響特性が75%以上であること、
△印は基準値の50%以上で75%未満であること、○
印は基準値の25%以上で50%未満であること、◎印
は25%未満であることをそれぞれ表わしている。フレ
ッチング試験は、○印、即ち基準値の50%未満の場合
を合格とした。表1、表2から、実施例1〜11のグリ
ース組成物において、フレッチング特性が優れているこ
とがわかる。
【0063】(4)軸受音響耐久試験 図10に示すモータ実機耐久試験機を用いて、軸受音響
耐久試験を行った。このモータ実機耐久試験機は、ハウ
ジング20内に入れた2個一対の試験軸受21を、コイ
ル22を介してDC電源23の動力にて回転させるもの
である。試験軸受21として、合成樹脂製の保持器を備
えた内径φ8mm、外径φ22mm、幅7mm、内部す
きま8〜25μmで、上記した内輪軌道の溝R及び外輪
軌道の溝Rを備えた非接触金属シール付き転がり軸受を
用いた。これに実施例1〜11、比較例1〜5の各グリ
ース組成物を0.16g封入した。試験軸受21は、各
グリース組成物毎に8個ずつ用意し、上記モータ実機耐
久試験機に装着(アキシアル荷重約39.2N)した。
そして、モータ実機耐久試験機を120℃に調整された
恒温槽中に収納し、300min-1及び5600min
-1で、1000時間内輪回転させた。1000時間後に
試験軸受21を取り出し、下記評価基準により軸受の音
響特性を調べた。
【0064】軸受の音響測定は、アンデロンメータを用
いて行い、各グリース組成物を封入した直後の軸受アン
デロン値と、1000時間内輪回転後の軸受アンデロン
値とを比較して音響特性の判定を行った。判定結果を、
表1、2及び表3に音響特性として示した。表1、表2
及び表3において、○印は音響特性の低下なし、△印は
音響特性の低下ややあり、×印は音響特性の低下あり、
をそれぞれ表わしている。表1から、実施例7において
は音響特性の低下がややあるものの、各実施例とも満足
できる音響特性が得られることがわかる。
【0065】
【表1】
【0066】
【表2】
【0067】
【表3】
【0068】(実施例12〜27、比較例6〜10)実
施例1〜11及び比較例1〜5に順じ、表4〜表7に示
す配合にてグリース組成物を調製した。尚、用いたポリ
αオレフィン油Aの動粘度は33mm2/s(40
℃)、ポリαオレフィン油Bの動粘度は60mm2/s
(40℃)、ポリαオレフィン油Cの動粘度は100m
2/s(40℃)、鉱油の動粘度は130mm2/s
(40℃)、ジエステル油の動粘度は12mm2/s
(40℃)、ポリオールエステル油Aの動粘度は760
mm2/s(100℃)、ポリオールエステル油Bの動
粘度は33mm2/s(40℃)、ポリオールエステル
油Cの動粘度は200mm2/s(40℃)、アルキル
ジフェニルエーテル油Aの動粘度は100mm2/s
(40℃)、アルキルジフェニルエーテル油Bの動粘度
は67mm2/s(40℃)である。また、基油(極性
基含有潤滑油と無極性潤滑油との混合油)の動粘度(4
0℃)を同表に併記した。
【0069】そして、各グリース組成物を用いて上記の
(1)軸受動トルク試験、(2)軸受保持器音測定、
(3)フレッチング試験及び(4)軸受音響耐久試験を
行った。それぞれの結果を、同様の判定基準により表4
〜表7に示した。尚、使用した試験軸受の内輪軌道の溝
R及び外輪軌道の溝Rは以下の通りである。 実施例12:内輪軌道の溝R=51.75%、外輪軌道
の溝R=53.0% 実施例13:内輪軌道の溝R=51.5%、外輪軌道の
溝R=52.5% 実施例14:内輪軌道の溝R=53.0%、外輪軌道の
溝R=53.0% 実施例15:内輪軌道の溝R=53.0%、外輪軌道の
溝R=55.0% 実施例16:内輪軌道の溝R=56.0%、外輪軌道の
溝R=58.0% 実施例17:内輪軌道の溝R=50.5%、外輪軌道の
溝R=53.0% 実施例18:内輪軌道の溝R=59.0%、外輪軌道の
溝R=59.75% 実施例19〜22(何れも同じ):内輪軌道の溝R=5
1.0%、外輪軌道の溝R=53.0% 実施例23〜27(何れも同じ):内輪軌道の溝R=5
1.75%、外輪軌道の溝R=53.0% 比較例6〜10(何れも同じ):内輪軌道の溝R=5
2.0%、外輪軌道の溝R=52.0%
【0070】
【表4】
【0071】
【表5】
【0072】
【表6】
【0073】
【表7】
【0074】表4〜表7に示すように、実施例は何れも
比較例に比べて優れた結果が得られている。
【0075】また、実施例1〜実施例27の中で、動ト
ルクが「◎」で、かつ音響特性が「○」のものを選択
し、玉の直径に対する内輪軌道の断面形状の曲率半径及
び外輪軌道の断面形状の曲率半径の下限値及び上限値を
求めると、内輪軌道の断面形状の曲率半径が玉の直径の
51.0%以上56.0%以下で、外輪軌道の断面形状
の曲率半径が玉の直径の52.5%以上58.0%以下
となる。また、内輪軌道の断面形状の曲率半径が玉の直
径の50.5%以上56.0%以下で、外輪軌道の断面
形状の曲率半径が玉の直径の53.0%以上58.0%
以下のときに優れた結果が得られている。
【0076】以上の実施例及び比較例を踏まえ、本発明
において好ましい内輪軌道の断面形状の曲率半径及び外
輪軌道の断面形状の曲率半径と転動体の外径との寸法関
係を図11にまとめて図示する。図中、領域は請求項
1あるいは請求項4の少なくとも何れか一方を満たす範
囲を示し、領域は請求項2あるいは請求項3の少なく
とも何れか一方を満たす範囲、領域は請求項3の範
囲、領域範は請求項3に従属する請求項5の範囲をそれ
ぞれ示しており、低トルク、音響特性、耐フレッチング
性は、領域<領域<領域<領域の順で良好とな
る。また、直線Yは、内輪軌道の断面形状の曲率半径と
外輪軌道の断面形状の曲率半径とが同一の点を結んだも
のであるが、この直線Yの上側、即ち内輪軌道の断面形
状の曲率半径よりも外輪軌道の断面形状の曲率半径が大
きい範囲では、内輪と転動体及び外輪と転動体の接触面
積及び面圧の差が小さくなり、トルク低減及び音響特性
がより良好となる。
【0077】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の転がり軸
受は、内輪軌道及び外輪軌道の断面形状の曲率半径と転
動体の外径との寸法関係を特定し、かつ極性基含有潤滑
油と無極性潤滑油とを混合した基油中に、長径部の長さ
が少なくとも3μmである長繊維状物を含む金属石けん
系増ちょう剤を含有してなるグリース組成物を封入する
ことにより、軸受トルクの低減が図れ、かつ低温環境下
における運転起動時の軸受初期音響(保持器音)特性に
も優れ、更にフレッチング損傷(磨耗)の発生を抑える
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の対象となる転がり軸受の一例を示す、
部分切断斜視図である。
【図2】転がり軸受に組み込む保持器の別例を示す斜視
図である。
【図3】(A)実施例1で得られたグリース組成物及び
(B)比較例5で得られたグリース組成物の電子顕微鏡
写真である。
【図4】実施例において、軸受トルク試験を行うために
使用した測定装置を示す構成概略図である。
【図5】実施例で得られた、極性基含有潤滑油の配合比
率と軸受トルクとの関係を示すグラフである。
【図6】実施例で得られた、基油動粘度と軸受トルクと
の関係を示すグラフである。
【図7】実施例で得られた、増ちょう剤の長繊維状物の
配合割合と軸受トルクとの関係を示すグラフである。
【図8】実施例で得られた、内輪軌道の断面形状の曲率
半径の玉径に対する割合と軸受トルクとの関係を示すグ
ラフである。
【図9】実施例において、フレッチング試験を行うため
に使用した測定装置を示す構成概略図である。
【図10】実施例において、軸受音響耐久試験を行うた
めに使用した測定装置を示す構成概略図である。
【図11】本発明において好ましい、内輪軌道の断面形
状の曲率半径の転動体外径に対する比率と、内輪軌道の
断面形状の曲率半径の転動体外径に対する比率との関係
を示すグラフである。
【符号の説明】
1 内輪軌道 2 内輪 3 外輪軌道 4 外輪 5 玉 6 保持器 7 ポケット 8 素子 9 凹部 10 リベット 11 保持器 12 主部 13 弾性片 14凹部 20 ハウジング 21 試験軸受 22 コイル 23 ロータ 30 トルク試験用測定装置 31 試験軸受 32 エアースピンドル 33 軸 34 予圧用ウエーブワッシャ 35 糸 36 荷重変換器 37 X−Yレコーダ 40 フレッチング試験用測定装置 41 試験軸受 42 ハウジング 43 軸 44 加振器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中 道治 神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号 日本精工株式会社内 (72)発明者 小川 隆司 神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号 日本精工株式会社内 (72)発明者 寺田 康久 神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号 日本精工株式会社内 Fターム(参考) 3J101 AA02 AA32 AA42 AA52 AA62 BA53 BA54 BA55 CA11 EA64 FA01 FA35 GA28

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内周面に外輪軌道を有する外輪と、外周
    面に内輪軌道を有する内輪と、外輪軌道と内輪軌道との
    間に転動自在に設けた複数個の転動体と、複数個の転動
    体を転動自在に保持する保持器とを備え、外輪軌道と内
    輪軌道との間の空間内にグリースを封入した転がり軸受
    において、前記グリースが分子構造中に極性基を有する
    潤滑油と無極性潤滑油とを混合してなる基油に、長径部
    の長さが少なくとも3μmである長繊維状物を含む金属
    石けん系増ちょう剤を配合したグリース組成物であると
    ともに、前記内輪軌道の断面形状の曲率半径及び前記外
    輪軌道の断面形状の曲率半径が前記転動体の外径の5
    1.0%以上60.0%未満であることを特徴とする転
    がり軸受。
  2. 【請求項2】 前記内輪軌道の断面形状の曲率半径及び
    前記外輪軌道の断面形状の曲率半径が、前記転動体の外
    径の51.5%以上58.0%以下であることを特徴と
    する請求項1記載の転がり軸受。
  3. 【請求項3】 前記内輪軌道の断面形状の曲率半径が前
    記転動体の外径の51.5%以上56.0%以下で、前
    記外輪軌道の断面形状の曲率半径が前記転動体の外径の
    52.5%以上58.0%以下であることを特徴とする
    請求項1記載の転がり軸受。
  4. 【請求項4】 内周面に外輪軌道を有する外輪と、外周
    面に内輪軌道を有する内輪と、外輪軌道と内輪軌道との
    間に転動自在に設けた複数個の転動体と、複数個の転動
    体を転動自在に保持する保持器とを備え、外輪軌道と内
    輪軌道との間の空間内にグリースを封入した転がり軸受
    において、前記グリースが分子構造中に極性基を有する
    潤滑油と無極性潤滑油とを混合してなる基油に、長径部
    の長さが少なくとも3μmである長繊維状物を含む金属
    石けん系増ちょう剤を配合したグリース組成物であると
    ともに、前記内輪軌道の断面形状の曲率半径が前記転動
    体の外径の50.5%以上56%以下で、前記外輪軌道
    の断面形状の曲率半径が前記転動体の外径の53.0%
    以上58.0%以下であることを特徴とする転がり軸
    受。
  5. 【請求項5】 前記外輪軌道の曲率半径が、前記内輪軌
    道の曲率半径よりも大きいことを特徴とする請求項1〜
    4の何れか1項に記載の転がり軸受。
  6. 【請求項6】 前記長繊維状物の長径部の長さが、10
    μm以下であることを特徴とする請求項1〜5の何れか
    1項に記載の転がり軸受。
  7. 【請求項7】 前記長繊維状物の含有量が、金属石けん
    系増ちょう剤全量の30質量%以上であることを特徴と
    する請求項1〜6の何れか1項に記載の転がり軸受。
  8. 【請求項8】 前記極性基を有する潤滑油の含有量が、
    基油全量の5質量%以上70質量%以下であることを特
    徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の転がり軸
    受。
  9. 【請求項9】 前記基油の40℃における動粘度が、1
    0mm2/s以上500mm2/s以下であることを特徴
    とする請求項1〜8の何れか1項に記載の転がり軸受。
  10. 【請求項10】 前記基油が、40℃における動粘度が
    2000mm2/s以上100000mm2/s以下であ
    る極性基を有する潤滑油を含有することを特徴とする請
    求項9に記載の転がり軸受。
  11. 【請求項11】 前記基油が、40℃における動粘度が
    10mm2/s以上150mm2/s未満である極性基を
    有する潤滑油を含有することを特徴とする請求項10に
    記載の転がり軸受。
  12. 【請求項12】 前記基油が、40℃における動粘度が
    150mm2/s以上2000mm2/s未満である極性
    基を有する潤滑油を含有することを特徴とする請求項1
    0または11に記載の転がり軸受。
  13. 【請求項13】 前記基油中の、40℃における動粘度
    が2000mm2/s以上100000mm2/s以下で
    ある極性基を有する潤滑油の含有量が、基油全量の5質
    量%以上30質量%以下であることを特徴とする請求項
    10〜12の何れか1項に記載の転がり軸受。
  14. 【請求項14】 前記40℃における動粘度が10mm
    2/s以上150mm2/s未満である極性基を有する潤
    滑油が、ポリオールエステル油、ジエステル油及びエー
    テル油の少なくとも1種であることを特徴とする請求項
    11〜13の何れか1項に記載の転がり軸受。
  15. 【請求項15】 前記金属石けんが、有機脂肪酸金属塩
    または有機ヒドロキシ脂肪酸金属塩であることを特徴と
    する請求項1〜14の何れか1項に記載の転がり軸受。
  16. 【請求項16】 前記グリース組成物の混和ちょう度
    が、250以上330以下であることを特徴とする請求
    項1〜15の何れか1項に記載の転がり軸受。
  17. 【請求項17】 軸受単体で内部すきまを有することを
    特徴とする請求項1〜16の何れか1項に記載の転がり
    軸受。
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