JP3166203B2 - 基板上に微細凹凸パターンを形成する方法 - Google Patents

基板上に微細凹凸パターンを形成する方法

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JP3166203B2 JP13393691A JP13393691A JP3166203B2 JP 3166203 B2 JP3166203 B2 JP 3166203B2 JP 13393691 A JP13393691 A JP 13393691A JP 13393691 A JP13393691 A JP 13393691A JP 3166203 B2 JP3166203 B2 JP 3166203B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、微細凹凸パターン付基
板の製造方法に関し、特に光ディスク基板、グレーティ
ングレンズ、回折格子等に使用するのに適した微細パタ
ーン付基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光ディスク用基板等に用いられる
螺旋状の微細な溝付基板を製造する方法として、基板上
に金属有機化合物を含む溶液の可塑性塗布膜を形成した
後、プレス型を押し当てて該塗布膜上にプレス型の凸形
状に対応する凹形状を転写し、その後該塗布膜を焼成し
て固化させる微細パターン付基板の製造方法が、例えば
特開昭62−102455号公報、、特開昭62−22
5273号公報、特開昭63−158168号公報に開
示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記微細凹凸パターン
付基板の製造方法において、有機高分子樹脂製の型を用
いてプレス成形を行った場合、基板と型との全面接合性
が良好になり、光ディスク基板等に用いる微細凹凸パタ
ーン付基板を簡単な操作により作製できる利点を有する
ものの、型が押圧により変形するので転写される微細凹
凸パターンの真円度やパターン形状が劣化し、高品質の
微細凹凸パターン付基板が製造できないという問題点が
あった。
【0004】特に基板と樹脂製の型との全面接合性を向
上させるために、該型の裏面にさらにゴムシートのよう
な弾性体を設けると、転写される微細凹凸パターンの真
円度やパターン形状が特に劣化し、高品質の微細凹凸パ
ターン付基板が製造できないという大きな問題点があっ
た。
【0005】また、塗布膜と型を接合した後、該塗布膜
の硬化を促進することを目的として加熱を行うような場
合、得られる微細パターンの真円度やパターン形状が基
板外周部で大きく劣化し、大口径の基板全面に、高品質
の微細パターンを形成できないといったきわめて重大な
問題点があった。
【0006】本発明は、転写された凹凸パターンの特性
劣化の原因が、第1に樹脂製プレス型と塗布膜付基板の
接合工程において該プレス型がプレス圧力によって不均
一に弾性変形すること、第2に該型の裏面に塗布膜と型
とを全面に亙って均一に接合させるためにゴムシートの
ような弾性体を設置するとき、該弾性体がプレス圧力で
弾性変形を起こし、この変形が型の変形を大きく助長す
ること、第3に塗布膜の硬化を促進することを目的とし
て加熱を行う場合、塗布膜付き基板と型、型と弾性体、
または弾性体とプレス上部との間の熱膨張率差に起因す
る摩擦力が不均一に作用し、型の不均一な変形が生じる
ことにあることに鑑みなされたもので、すなわち転写に
より得られる微細凹凸パターンの特性劣化の原因が機械
的、熱的要因による型の不均一な弾性変形が原因である
ことに鑑みなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、基板上及び/
または微細な凹凸パターンを有する有機樹脂製型上に、
加水分解または重縮合し得る金属有機化合物と有機高分
子化合物からなる増粘剤とを含む溶液を用いて塗布膜を
形成し、その後該基板と該型を押圧して該型の凸形状に
対応した凹形状を塗布膜に形成し、その後該塗布膜を硬
化することにより基板上に固化した微細凹凸パターンを
形成する方法において、該凹形状の形成を減圧された雰
囲気中での高プレス圧力の押圧により行い、該硬化を引
き続き減圧した雰囲気中または大気圧中で低プレス圧力
で行うことを特徴とする基板上に固化した微細凹凸パタ
ーンを形成する方法である。
【0008】本発明においては接合押圧をまず高プレス
圧力で行い、その後塗布膜が硬化する前に型が塗布膜か
ら剥離しない程度にまでプレス圧力を低減して、該押圧
により変形した該型の形状を元に復元させた状態で該塗
布膜の硬化を行う。塗布膜の硬化は、減圧した雰囲気中
で行ってもよく、大気中で行ってもよい。大気中で行う
場合は、型を離型した状態で塗布膜には約1kgf/c
2の圧力がかかっているので、型を除去して表面に型
のパターンが転写された塗布膜付基板を大気中に放置す
ることにより行うことができる。
【0009】本発明に用いることができる基板として
は、用途に応じてガラス、セラミックス、金属、プラス
チック等任意の材質の基板を用いることができる。中で
もガラスは、塗布膜との付着力、光学的性質、機械的性
質、化学的性質、価格等の点から好まれて使用される。
本微細パターン付基板を光ディスク用基板として用いる
場合は、化学強化により機械的強度を向上させることが
可能なナトリウム、リチウム等アルカリ金属を含んだソ
ーダ石灰ガラス、アルカリアルミノシリケートガラス等
が特に好まれて使用される。
【0010】また有機高分子樹脂からなる型の材質とし
ては、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、アセチルセルロー
ス樹脂、フッソ系樹脂、ポリメタクリレート樹脂、ポリ
カーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレン
樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレー
ト樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリスチレン
樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリアクリルニトリル樹
脂、ポリビニルケトン及びこれらの群の組合せからなる
樹脂が挙げられる。中でも寸法精度の面から、光反応硬
化性樹脂を上記樹脂板とニッケル製スタンパーの間に展
開し露光する方法(2P法)で作製される樹脂製の型、
射出成形法で作製される樹脂製の型、キャスト法による
樹脂製の型が好まれて使用される。
【0011】凹凸パターンとしては種々の形状のものを
形成でき、例えば光ディスク用の案内溝、ピットとして
使用可能な1μm程度の幅を持ちその深さが50〜20
0nmの微細パターン、回折格子やグレーティングレン
ズとして使用可能な数100nmの形状の規則的なパタ
ーンなどを形成することができる
【0012】本発明に用いる金属有機化合物は、重縮合
あるいは架橋反応が起こることによって溶液の粘性を上
昇させるような化合物であればとくに限定されない。例
えば、Si(OCH34,Si(OC254,Ti
(OC374,Ti(OC494,Zr(OC37
4,Zr(OC494,Al(OC373Al(O
4 9 3 NaOC25等のM(OR)n(MはS
i,Ti,Zr,Ca,Al,Na,Pb,B,Sn,
Ge等の金属、Rはメチル、エチル等のアルキル基、n
は1〜4の整数)で示される通常ゾルゲル法と呼ばれる
方法に用いられる金属アルコラート、キレート錯体、−
Cl,−COOH,−COOR,−NH2,化学式1、
化学式2などの重縮合あるいは架橋反応を行う官能基を
含む金属有機合物等。
【0013】
【化1】
【0014】
【化2】
【0015】が例示できる。なかでも金属アルコラート
が好まれて使用される。
【0016】本発明に用いる増粘剤は、上記金属有機化
合物を含む溶液の粘性を増加させ、塗布膜の形成を容易
にする。また該増粘剤は、とりわけ減圧された雰囲気内
で塗布膜を長時間軟らかい状態(適度な粘性状態)に維
持し、凹凸パターンの転写を寸法精度良くおこなわしめ
る。該増粘剤としては、水溶性であり、かつ有機溶媒に
可溶な有機高分子化合物が好まれて使用される。なかで
も、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレンエー
テルグリコール等の鎖状ポリエーテルグリコール類が好
まれて使用される。
【0017】これらポリエチレングリコール、ポリテト
ラメチレンエーテルグリコール等の添加量は、該塗布液
が加熱焼成されて生成される金属酸化物重量の0.01
〜1.8倍程度が好まれる。添加量が0.01倍より少
ないと減圧時に塗布膜が硬化してしまいやすくなり寸法
精度良く転写することが困難となる。また型と基板を接
合した後プレス圧力を低減しても塗布膜が硬すぎるため
型が完全には、元の形状に復帰せず得られる転写パター
ンの寸法精度が向上しない。逆に添加量が1.8倍を越
えると塗布膜が軟らかくなりすぎて、塗布膜の硬化に長
い時間が必要になったり、残留ガスに起因する欠陥の大
きさが大きくなったり、型くずれ等を生じやすくなるの
で好ましくない。
【0018】塗布溶液には、上記金属有機化合物及び増
粘剤のほかに、必要に応じて水、アルコール等の有機溶
媒、酸またはアルカリの加水分解触媒を適宜加えること
ができる。
【0019】本発明における型と基板の接合押圧を行う
ときの圧力は0.00133Pa(パスカル)以下とす
るのが、型と基板の間に残留するガスを十分少なくする
上で好ましく、さらに6.7×10-4Pa以下が好まし
い。本発明においては、接合押圧工程の第1押圧工程
は、塗布膜が硬化する前に高プレス圧力で行う工程であ
る。第1の押圧工程は、型と基板を全面密着させるため
のものであって、全面密着に必要なプレス圧力は、プレ
ス装置の特性、プレス面、型、基板の平坦性、形成する
塗布膜の膜厚、弾性体を裏打ちしてプレスする場合は、
弾性体の種類や厚みを考慮して、その適正値が決定され
る。全ての条件を適正化した場合でも、プレス圧力は、
5kgf/cm2より大きい圧力とすることが好まし
い。
【0020】本発明においては、塗布膜が硬化するとき
には低いプレス圧力状態で行う。塗布膜硬化時のプレス
圧力は、型が基板から塗布膜硬化中に剥離しない必要最
低限の圧力とすることが好ましい。該塗布膜硬化中に型
が剥離しない必要最低圧力は、型、基板の平坦性及び材
質、塗布膜の性質、厚さ等によって決定される。光ディ
スク用の基板への用途を目的として高精度の微細凹凸パ
ターンの転写を行うには、塗布膜硬化時に行う押圧のプ
レス圧力は、5kgf/cm2以下にすることが好まし
い。
【0021】該低プレス圧力状態での塗布膜の硬化は、
加熱しながら行うことができる。加熱温度は、型及び基
板の耐熱温度以下で任意に設定することができるが、型
の繰り返し使用性、型と基板の熱膨張差の観点から10
0℃以下にすることが好ましい。
【0022】
【作用】本発明の微細凹凸パターン付基板の製造方法で
は、型と塗布膜との接合押圧を全面接合が実現できる高
プレス圧力で行い、その後塗布膜が硬化する前に型が基
板から剥離しない程度にまでプレス圧力を低減させるこ
とにより、型形状を元に復元させ、型の不均一な変形が
起きない様な状態で該塗布膜の硬化を低いプレス圧力で
行うようにしている。従って型の機械的変形及び加熱時
の不均一な熱的変形をなくして、型形状を高精度に塗布
膜に転写することができる。
【0023】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づいて説明する。
図1は本発明の基体上に微細パターンを形成する方法の
実施例を説明するための図である。図1(a)は、減圧
された雰囲気内で下部プレス台5上に塗布膜2が被覆さ
れたドーナッツ状円盤の形をしたガラス基板1が載置さ
れ、その上に有機樹脂製の型3および裏打ちゴム4が載
置されている状態を示す。図1(b)は上部プレス台を
押し下げ、型3の3a面に設けられた凹凸パターンを塗
布膜2に忠実に転写するために、高圧力でプレスしてい
る状態を示す。この状態では型3と裏打ちゴム4はガラ
ス基板1の円周方向とは直角の方向に微小量変形してお
り、凹凸パターンもその影響を受け微小量変形してい
る。図(c)は、その後プレス圧力を低下したことによ
り、型3と裏打ちゴム4のが図1(a)の状態に復元さ
れた状態を示し、この状態で塗布膜の変形もなくなる。
そして塗布膜の硬化が行われる。以上は減圧された雰囲
気中で行われる。
【0024】本発明においては、図1(b)の工程の
後、減圧した雰囲気およびプレスを解除して、塗布膜2
が設けられた基板1を大気中に取りだし、図1(d)に
示す状態で塗布膜を硬化することもできる。
【0025】実施例1 シリコンテトラエトキシド0.05モルを秤量し、これ
にモル比で5倍のエタノールと6倍の水(1wt%のH
Clを含む)を加え、室温で30分間かくはんした。こ
の溶液に体積で2倍のエタノールを加えて希釈し、さら
に平均分子量600のポリエチレングリコール(PE
G)を、最終生成物であるSiO2に対する重量比で
(PEG)/(SiO2)=0.1となるように加え均
一に溶かしたものを塗布溶液とした。
【0026】この塗布溶液を用いてスピンコート法によ
り、外径130mm、厚さ1.2mmの化学強化ガラス
製のディスク基板上に厚さ0.3μmの塗布膜を形成し
た。次いで、この塗布膜付ガラス基板を真空プレス装置
中にいれ、約0.00133Paまで減圧した。そして
この塗布膜付ガラス基板へ、峰高さ0.09μm、峰幅
0.7μm、峰間隔1.6μmのスパイラル状の峰部を
半径25mmから60mmの範囲に有する外径130m
m、厚さ1.2mmのポリカーボネート製光ディスク用
ランドグルーブ型を接合し、ついで外径150mm、4
mm厚の裏打ちシリコンゴムシートを設置し、プレス圧
力50kgf/cm2で押圧した。
【0027】2分後プレス圧力を3kgf/cm2に低
減しこのままの状態で放置し、24時間後真空プレス槽
内を大気圧にし、離型を行った。離型後の微細凹凸パタ
ーン付ガラス基板を大気中でクリーンオーブンを用いて
350℃で15分間の焼成を行った。この焼成操作によ
り、塗布膜はエタノール及び水分等が飛散したガラス体
類似の約0.2μm厚の非晶質膜となっていた。
【0028】上記操作により作製された溝付きガラスデ
ィスクの表面をSEMで観察したところ、溝深さ約0.
075μm、溝幅約0.7μm、溝間隔約1.6μmの
良好な溝形状が全面に得られており、型のプレス圧力に
よる変形に起因した溝真円度の劣化や、溝形状の不整は
観察されなかった。さらにこの溝付ガラスディスクの電
気信号評価を行ったところ、ポリカーボネート基板と同
等のノイズレベルをディスク全面にわたって示した。
【0029】ポリカーボネート型の代わりに光反応硬化
性樹脂をエポキシ基板とニッケル製スタンパーの間に展
開し露光する方法(2P法)で作製した2P/エポキシ
型を用いて同様の微細パターン転写を行った場合も、ま
た射出成形ポリオレフィン製型を用いた場合も同様の良
好な結果が得られた。
【0030】また裏打ちシリコンゴムシートの厚みを
0.8mmにして同様の微細パターン転写を行った場合
も、裏打ちゴムシートなしで同様の微細パターン転写を
行った場合も同様の良好な結果が得られた。
【0031】実施例2 実施例1と同じ塗布溶液、同じ手順により型と基板の接
合を0.00133Paの減圧した雰囲気下で、プレス
圧力50kgf/cm2で行った。接合から2分後プレ
ス圧力を3kgf/cm2に低減しこのままの状態で基
板加熱を行った。加熱条件は、60℃−10分、80℃
−10分、100℃−10分の3通り行った。所定の加
熱が終了した時点で真空プレス槽内を大気圧にし、離型
を行った。離型後の微細パターン付ガラス基板を大気中
でクリーンオーブンを用いて350℃で15分間の焼成
を行った。この焼成操作により、塗布膜はエタノール及
び水分等が飛散して実施例1の場合と同様ガラス体類似
の約0.2μm厚の非晶質膜となっていた。
【0032】上記操作により作製された溝付きガラスデ
ィスクのそれぞれの表面をSEMで観察したところ、溝
深さ約0.075μm、溝幅約0.7μm、溝間隔約
1.6μmの良好な溝形状がいずれの条件で成形を行っ
たものについても基板全面に得られており、型のプレス
圧力による変形に起因した溝真円度の劣化や、溝形状の
不整は観察されなかった。さらにこの溝付ガラスディス
クの電気信号評価を行ったところ、実施例1で得られた
溝付ガラス基板と同様、使用したポリカーボネート型と
同等の低いノイズレベルをディスク全面にわたって示し
た。
【0033】ポリカーボネート型の代わりに光反応硬化
性樹脂をエポキシ基板とニッケル製スタンパーの間に展
開し露光する方法(2P法)で作製した2P/エポキシ
型を用いて微細パターン転写を行った場合も、射出成形
ポリオレフィン製型を用いた場合もそれぞれ使用した型
と同様基板特性が得られた。
【0034】また裏打ちシリコンゴムシートの厚みを
0.8mmにして微細パターン転写を行った場合も、裏
打ちゴムシートなしで微細パターン転写を行った場合も
同様の良好な結果が得られた。
【0035】実施例3 実施例1で用いた溶液において、ポリエチレングリコー
ルの添加量をSiO2に対する重量比の0.3倍に増加
させた溶液と0.625倍に増加させた2つの塗布溶液
を調製した。
【0036】これら溶液を用い、実施例1と同じ手順に
より4mm厚のシリコンゴムシートを裏打ちした型と基
板の接合を0.00133Paの減圧雰囲気下、プレス
圧力50kgf/cm2で行った。接合から2分後、真
空槽内を大気圧にもどし、その後、プレスを中止し大気
中に取り出した。ポリカーボネート製の型は、大気圧に
よって約1kgf/cm2の圧力で基板に押合されてい
ることになる。ポリエチレングリコール添加量が0.3
倍の塗布溶液を用いた場合も、0.625倍の塗布溶液
を用いた場合も、大気中に取りだした後も、型と基板は
全面密着していた。基板と型を密着させたままでクリー
ンオーブンを用いて大気中で熱処理を行った。熱処理条
件は、60℃−15分、80℃−15分、100℃−1
5分の3通り行った。所定の熱処理が終了した時点で離
型を行った。離型後の微細パターン付ガラス基板をさら
に大気中350℃で15分間の最終焼成を行った。この
焼成操作により、塗布膜はエタノール及び水分等が飛散
して、実施例1の場合と同様ガラス体類似の約0.2μ
m厚の非晶質膜となっていた。
【0037】ポレエチレングリコールの添加量が0.3
倍の塗布溶液を用い、上記操作により作製された溝付き
ガラスディスクのそれぞれの表面をSEMで観察したと
ころ、溝深さ約0.07μm、溝幅約0.7μm、溝間
隔約1.6μmの良好な溝形状がいずれの熱処理条件で
成形を行ったものについても基板全面に得られており、
型のプレス圧力による変形に起因した溝真円度の劣化
や、溝形状の不整は観察されなかった。さらにこの溝付
ガラスディスクの電気信号評価を行ったところ、先の実
施例1で得られた溝付ガラス基板と同様、ポリカーボネ
ート基板と同等のノイズレベルをディスク全面にわたっ
て示した。
【0038】また、ポリエチレングリコールの添加量が
0.625倍の塗布溶液を用い、上記操作により作製さ
れた溝付きガラスディスクそれぞれの表面をSEMで観
察したところ、溝深さ約0.058μm、溝幅約0.7
μm、溝間隔約1.6μmの良好な溝形状がいずれの熱
処理条件で成形を行ったものについても基板全面に得ら
れており、型のプレス圧力による変形に起因した溝真円
度の劣化や、溝形状の不整は、観察されなかった。さら
にこの溝付ガラスディスクの電気信号評価を行ったとこ
ろ、実施例1で得られた溝付ガラス基板と同様、使用し
たポリカーボネート型と同等の低いノイズレベルをディ
スク全面にわたって示した。
【0039】いずれの塗布溶液を用いた場合も、ポリカ
ーボネート型の代わりに光反応硬化性樹脂をエポキシ基
板とニッケル製スタンパーの間に展開し露光する方法
(2P法)で作製した2P/エポキシ型を用いて微細パ
ターン転写を行っても、射出成形ポリオレフィン製型を
用いても同様の良好な結果が得られた。
【0040】またいずれの塗布溶液を用いた場合も、裏
打ちシリコンゴムシートの厚みを0.8mmにして転写
を行っても、裏打ちゴムシートなしで微細パターン転写
を行っても同様の良好な結果が得られた。
【0041】実施例4 シリコンテトラエトキシド0.042モルを秤量し、こ
れにモル比で4倍のエタノールと4倍の水(3wt%の
HClを含む)を加え、室温で15分間かくはんした。
この溶液にチタニウムテトラノルマルブトキシド0.0
09モルをエタノールで希釈した溶液を徐々に加え、同
じく室温で15分間かくはんした。この溶液に体積で2
倍のエタノールを加えて希釈し、さらに分子量600の
ポリエチレングリコール(PEG)を、加熱焼成後の最
終生成物であるSiO2+TiO2に対する重量比で(P
EG)/(SiO2+TiO2)=0.3となるように加
え均一に溶かしたものを塗布溶液とした。
【0042】この塗布溶液を用いて実施例1と同様の手
順で微細凹凸パターンの転写を行った。上記操作により
作製された溝付きガラスディスクの表面をSEMで観察
したところ、溝深さ約0.069μm、溝幅約0.7μ
m、溝間隔約1.6μmの良好な溝形状が全面に得られ
ており、型のプレス圧力による変形に起因した溝真円度
の劣化や、溝形状の不整は、観察されなかった。さらに
この溝付ガラスディスクの電気信号評価を行ったとこ
ろ、使用したポリカーボネート型と同等の低いノイズレ
ベルをディスク全面にわたって示した。
【0043】実施例5 実施例4と同一の塗布溶液を用い、実施例2と同様の手
順で基板とポリカーボネート製ランドグルーブ型の接合
を行った。接合から2分後プレス圧力を3kgf/cm
2に低減しこのままの状態で基板加熱をプレス台下部の
シースヒーターを用いて行った。加熱条件は、60℃−
10分、80℃−10分、100℃−10分の3通り行
った。所定の加熱が終了した時点で真空プレス槽内を大
気圧にし、離型を行った。離型後の微細パターン付ガラ
ス基板を大気中でクリーンオーブンを用いて350℃で
15分間の焼成を行った。
【0044】上記操作により作製された溝付きガラスデ
ィスクの表面をSEMで観察したところ、実施例4で得
られた微細パターン付基板同様溝深さ約0.69μm、
溝幅約0.7μm、溝間隔約1.6μmの良好な溝形状
が全面に得られており、型のプレス圧力による変形に起
因した溝真円度の劣化や、溝形状の不整は観察されなか
った。さらにこの溝付ガラスディスクの電気信号評価を
行ったところ、使用したポリカーボネート型と同等の低
いノイズレベルをディスク全面にわたって示した。
【0045】比較例1 実施例1と同じ塗布溶液を用いて実施例1と同様の手順
即ち0.00133Paの減圧雰囲気下プレス圧力50
kgf/cm2で、4mm厚のゴムシートを裏打ちした
ポリカーボネート製型を用いて、ランドグルーブ型の転
写を行った。今度は、押圧のプレス圧力は途中で低減さ
せることなく、プレス圧力50kgf/cm2のままの
状態で放置し、24時間後真空プレス槽内を大気圧に
し、離型を行った。離型後の微細パターン付ガラス基板
を大気中でクリーンオーブンを用いて350℃で15分
間の焼成を行った。この焼成操作により、塗布膜はエタ
ノール及び水分等が飛散してガラス体類似の約0.2μ
m厚の非晶質膜となっていた。
【0046】上記操作により作製された溝付きガラスデ
ィスクの表面をSEMで観察したところ、溝深さ約0.
075μm、溝幅約0.7μm、溝間隔約1.6μmの
良好な溝形状が全面に得られていた。しかしながらこの
溝付ガラスディスクの電気信号評価を行ったところ、基
板外周部にいくほどトラッキング特性が悪くなり、半径
方向瞬時加速度が大きくなった。ポリカーボネート基板
の特性に比較すると悪い特性であった。
【0047】接合時のプレス圧力を50kgf/cm2
から12.5kgf/cm2にすると特性は、改善され
たが、使用したポリカーボネート型の特性に比較すると
悪い特性であった。
【0048】接合時の裏打ちシリコンゴムシートの厚み
を変化させても特性は、改善されなかった。本比較例に
おいて良好な特性が得られなかった理由は、プレス圧力
によって裏打ちシリコンゴムシート及びポリカーボネー
ト製型が不均一な弾性変形を起こし、その状態で微細パ
ターンが転写されたためである。
【0049】比較例2 実施例1の塗布溶液を用いて実施例1と同様の手順即ち
0.00133Paの減圧雰囲気下プレス圧力50kg
f/cm2で、4mm厚のシリコンゴムシートを裏打ち
したポリカーボネート製型を用いて、ランドグルーブ
の転写を行った。押圧のプレス圧力を途中で低減させる
ことなくプレス圧力50kgf/cm2のままとし、基
板加熱をプレス台下部のシースヒータを用いて行った。
加熱条件は実施例2と同様、60℃−10分、80℃−
10分、100℃−10分の3通り行った。所定の加熱
が終了した時点で真空プレス槽内を大気圧にし、離型を
行った。離型後の微細パターン付ガラス基板を大気中で
クリーンオーブンを用いて350℃で15分間の焼成を
行った。この焼成操作により、塗布膜はエタノール及び
水分等が飛散してガラス体類似の約0.2μm厚の非晶
質膜となっていた。上記操作により作製された溝付きガ
ラスディスクの表面をSEMで観察したところ、大部分
は、溝深さ約0.075μm、溝幅約0.7μm、溝間
隔約1.6μmの良好な溝形状が得られていたが、外周
部に行くほど塗布膜に対して水平方向に作用する力に起
因するような溝形状の欠陥、不整、転写不良部分が観察
された。この溝付きガラスディスクの電気信号評価を行
ったところ、基板外周部にいくほど顕著にノイズレベル
が高くなり、トラッキング特性が悪くなり、半径方向瞬
時加速度が大きくなり光ディスクに対する準JIS規格
値(6m/sec2、1800rpm)を超えてい
た。この結果は、ポリカーボネート基板の特性に比較す
ると非常に悪い特性であった。またその特性は、型接合
中に高い温度で加熱を行ったものほど悪かった。
【0050】本比較例において良好な特性が得られなか
った理由は、プレス圧力及び加熱によって裏打ちシリコ
ンゴムシート及びポリカーボネート製型が不均一な熱膨
張及び弾性変形を起こし、その状態で微細パターンが転
写されたことあるいは微細パターン自体に応力がかかっ
たこと、あるいはその両者であると考えられた。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば型の不均一な変形をなく
して、型本来の形状を高精度に塗布膜に転写することが
できる。従って特性の優れた、光ディスク用基板や回折
格子用の微細凹凸パターンを分歩り良く安価に作製する
ことができる。
【0052】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法の実施例を説明するための図であ
る。
【符号の説明】
1・・・基板、2・・・塗布膜、3・・・有機樹脂製
型、4・・・裏打ちゴムシート、5・・・下部プレス
台、6・・・上部プレス台
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−225273(JP,A) 特開 昭63−158168(JP,A) 特開 昭62−203101(JP,A) 特開 平1−119545(JP,A) 特開 昭63−153746(JP,A) 特開 平2−305612(JP,A) 特開 平3−189938(JP,A) 特開 平3−79314(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 5/18

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上及び/または微細な凹凸パターンを
    有する有機樹脂製型上に、加水分解または重縮合し得る
    金属有機化合物と有機高分子化合物からなる増粘剤とを
    含む溶液を用いて塗布膜を形成し、その後該基板と該型
    を押圧して該型の凸形状に対応した凹形状を塗布膜に形
    成し、その後該塗布膜を硬化することにより基板上に固
    化した微細凹凸パターンを形成する方法において、該凹
    形状の形成を減圧された雰囲気中での高プレス圧力の押
    圧により行い、該硬化を引き続き減圧した雰囲気中また
    は大気圧中で低プレス圧力で行うことを特徴とする基板
    上に固化した微細凹凸パターンを形成する方法。
  2. 【請求項2】該高プレス圧力が5kgf/cm2よりも
    大きく、該低プレス圧力が5kgf/cm2以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載の方法。 【0001】
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