JP3086708B2 - 光ディスク用樹脂組成物およびそれを用いた光ディスク - Google Patents

光ディスク用樹脂組成物およびそれを用いた光ディスク

Info

Publication number
JP3086708B2
JP3086708B2 JP03045080A JP4508091A JP3086708B2 JP 3086708 B2 JP3086708 B2 JP 3086708B2 JP 03045080 A JP03045080 A JP 03045080A JP 4508091 A JP4508091 A JP 4508091A JP 3086708 B2 JP3086708 B2 JP 3086708B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
resin composition
substrate
optical disk
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP03045080A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04211454A (ja
Inventor
征三郎 清水
茂 真竹
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP03045080A priority Critical patent/JP3086708B2/ja
Publication of JPH04211454A publication Critical patent/JPH04211454A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3086708B2 publication Critical patent/JP3086708B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Silicon Polymers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、情報記録等に用いられ
る光ディスク用樹脂組成物およびそれを用いた光ディス
クに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の光学記録媒体(光ディスク)の基
板材料としては、ガラス、アクリル樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂、エポキシ樹脂、ポリオレフィン樹脂等が用い
られる。
【0003】一般に、光ディスクは、高密度な記録を達
成するために光学的案内溝やピット等が形成された基板
と、基板上に形成された下地層、記録層、反射層等から
構成される。そのような基板は通常以下に示すような4
つの方法により作製されている。
【0004】第1の方法は、案内溝の形状に対応する凸
部を形成したスタンパを備えた金型内に溶融した樹脂を
射出して固化させる、射出成形による方法である。この
方法に使用される樹脂としては、アクリル樹脂、ポリカ
ーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂等の熱可塑性樹脂
が用いられる。
【0005】この第1の方法は量産性に優れるが、次の
ような問題がある。第1の方法で得られた光ディスク
は、光学特性である複屈折が不均一であり、基板の厚さ
の不均一から基板の変形、面振れが起こる。また、樹脂
自体に通気性、吸湿性があることから下地層や記録層の
劣化、基板の変形が起こる。また、例えば、このような
基板上にスパッタリングにより下地層や記録層を形成す
る際、これらの樹脂の耐熱性が低いために基板が軟化
し、基板と下地層との密着性を低下させる。これによ
り、下地層上に形成された記録層にしわやクラックが発
生する。しかも、これらの樹脂には、通常スタンパ等と
の剥離性を向上するために内部剥離剤が添加されている
ため、基板と下地層との密着性が一層低下する。さら
に、第1の方法を行う装置は非常に大型である。
【0006】第2の方法は、金型内にスタンパとガラス
や透明樹脂からなる透明基板とを所定の間隔をおいて設
置し、両者の間に紫外線硬化性樹脂を流し込み、透明基
板を通してこの樹脂に紫外線を照射して樹脂を硬化固着
させることにより案内溝やピット等を基板に転写して形
成する、いわゆる2P法と呼ばれる方法である。この方
法に使用される紫外線硬化性樹脂としては、アクリル系
樹脂、エポキシ樹脂等が用いられる。
【0007】この2P法は射出成形法よりも量産性に劣
る。また、この方法によれば、紫外線硬化性樹脂の未露
光部にモノマー等の低分子成分である未反応物が残留す
るため、これを洗浄により除去しなければならない。し
かも、この未反応物は洗浄しても残留する。このような
基板上にスパッタリングで記録層を形成する際、樹脂の
未反応物や低分子量物が蒸発し、記録層の形成を妨害し
て成膜に時間がかかる。また、蒸発した樹脂の未反応物
や低分子量物が装置内部に付着するため、装置の保守を
頻繁に行う必要がある。また、硬化した樹脂の耐熱性が
低い場合には、上記と同様に記録層にしわやクラックが
発生する。2P法で作製した基板は注意深く扱って膜形
成を行えば記録層のしわやクラックの発生を防止するこ
とができるが、長時間経過すると記録層にしわやクラッ
クが発生してしまう。
【0008】第3の方法は、所定の形状の凸部を有する
スタンパを金型内に設置し、金型のキャビティーにエポ
キシ系樹脂等の反応性樹脂を注入し、これを反応させて
硬化する、注型による方法である。
【0009】この注型法では、反応性樹脂の反応時に生
じる内部歪による光学特性の低下を防ぐために長時間の
硬化を必要とするので、量産性が悪い。また、この方法
では、スタンパ等との剥離性を向上させるために、樹脂
中の極性基を減少させたり、樹脂に内部離型剤を添加す
るため、基板と記録層との密着性が低下する。また、硬
化した樹脂の耐熱性が低い場合には、上記と同様に記録
層にしわやクラックが 発生する。
【0010】第4の方法は、ガラス基板上にレジスト層
を形成し、そのレジスト層に直接グルーブやピットの情
報を記録するか、またはガラス基板上にレジスト層を形
成し、マスクを用いて露光し、現像を行ってグルーブや
ピットを形成する部分のレジスト層を除去し、その後そ
のレジスト層をマスクとしてガラスをエッチングするこ
とによりガラス基板に直接グルーブやピットを形成する
方法である。この方法は優れた特性を発揮する基板を得
ることができるが、製造が複雑であり、かつ量産性が悪
い。
【0011】このように、従来使用されている樹脂組成
物を用いて上記のような方法により光ディスク基板を製
造すると、基板上に形成される記録層等にしわやクラッ
クが発生し、これにより光ディスクの記録特性が低下す
る。また、たとえ、優れた記録特性を発揮させることが
できる基板を得ることができたとしても、量産性が非常
に悪い。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる点に鑑
みてなされたものであり、量産性に優れ、形成される記
録層等にしわやクラックを発生させることのない光ディ
スク用の樹脂組成物および優れた光学特性を発揮できる
光ディスクを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段および作用】本発明は、
(a)第1の成分であるR1 (CH2 n SiX3 (R
1 はビニル基、1,3−ジブタジエニル基、グリシドキ
シ基、およびメタクリロキシ基から選ばれた官能基であ
り、Xはハロゲン、水酸基、イソシアネート基、および
炭素原子数が6以下のアルコキシ基から選ばれた官能基
であり、nは0〜5である。)5〜15モル%と、第2
の成分であるR2 SiY3 (R2 はフェニル基またはメ
チル基であり、Yはハロゲン、イソシアネート基、およ
び炭素原子数が6以下のアルコキシ基から選ばれた官能
基である。)30〜50モル%と、第3の成分である以
下の化学式の化合物45〜60モル%(シロキシ単位に
して)とを反応させてなるシリコーン樹脂と、(b)硬
化触媒とからなる樹脂組成物を提供する。
【0014】(R3 、R4 はメチル基、エチル基、ビニ
ル基、1,3−ジブタジエニル基、グリシドキシ基、メ
タクリロキシ基、およびフェニル基から選ばれた官能基
であり、Xはハロゲン、水酸基、イソシアネート基、お
よび炭素原子数が6以下のアルコキシ基から選ばれた官
能基であり、mは4〜100であり、lは0〜10であ
る。)
【0015】また、本発明は、透明基板と、上記の樹脂
組成物を硬化することにより透明基板上に形成された凹
凸パターンを有する樹脂組成物層と、樹脂組成物層上に
形成された記録層とを具備する光ディスクを提供する。
【0016】本発明の樹脂組成物によれば、シリコーン
樹脂の3つの成分がそれぞれ所定量で配合されているの
で、樹脂組成物を硬化させた場合、その硬化物がスタン
パに形成された凹凸を転写するために適当な硬度を持
ち、しかもスタンパとの優れた離型性を発揮する。この
ため、凹凸を転写した後の樹脂組成物層に欠陥や変形が
発生することを防止できる。さらに、スタンパに形成さ
れた凹凸を樹脂組成物層に転写すると同時に樹脂組成物
を硬化することができるので、生産効率が上がり量産に
適応することができる。また、転写と同時に樹脂組成物
の硬化を行うことにより、優れた平面性を有する、すな
わち平滑な樹脂組成物層を得ることができる。
【0017】また、本発明の樹脂組成物を用いて得られ
た光ディスクは、硬化された樹脂組成物層が優れた平面
性を有するので、その上に形成された記録層等にしわや
クラック等が発生することを充分に防止できる。したが
って、この光ディスクは優れた光学特性を発揮すること
ができる。
【0018】本発明の樹脂組成物中のシリコーン樹脂の
第1成分であるR1 (CH2 n SiX3 の含有量は、
5〜15モル%に設定する。第1成分の含有量が5モル
%未満であると、透明基板上に形成される硬化した樹脂
組成物層が柔らかくなる。また、第1成分の含有量が1
5モル%を超えると、透明基板上に形成される硬化した
樹脂組成物層が堅くなり、脆くなる。このため、いずれ
の場合とも望ましい形状のピットを硬化した樹脂組成物
層に形成することができない。特に好ましくは、第1成
分の含有量が9〜12モル%の範囲である。
【0019】化学式R1 (CH2 n SiX3 におい
て、R1 はビニル基、1,3−ジブタジエニル基、グリ
シドキシ基、およびメタクリロキシ基から選ばれた官能
基であり、Xはハロゲン、水酸基、イソシアネート基、
および炭素原子数が6以下のアルコキシ基から選ばれた
官能基であり、nは0〜5である。なお、炭素原子数が
6以下のアルコキシ基としては、エトキシ基、メトキシ
基、イソプロポキシ基等が挙げられる。この中で、R1
がビニル基、Xがエトキシ基、nが0である、すなわち
ビニルトリエトキシシランが好ましい。
【0020】本発明の樹脂組成物中のシリコーン樹脂の
第2成分であるR2 SiY3 の含有量は、30〜50モ
ル%に設定する。第2成分の含有量が30モル%未満で
あると、透明基板上に形成される硬化した樹脂組成物層
が柔らかくなる。第2成分の含有量が50モル%を超え
ると、透明基板上に形成される硬化した樹脂組成物層が
堅くなり、脆くなる。このため、いずれの場合とも、望
ましい形状のピットを光ディスク基板に形成することが
できない。特に好ましくは、第2成分の含有量が35〜
45モル%の範囲である。
【0021】化学式R2 SiY3 において、R2 はフェ
ニル基またはメチル基であり、Yはハロゲン、イソシア
ネート基、および炭素原子数が6以下のアルコキシ基か
ら選ばれた官能基である。なお、R2 SiY3 には、R
2 がフェニル基の化合物とR2 がメチル基の化合物との
混合物を用いてもよいが、この場合、R2 がフェニル基
の化合物は少なくとも16モル%であることが好まし
い。これは、R2 がフェニル基の化合物が16モル%未
満であると得られる硬化物が脆くなるからである。この
中で、R2 がフェニル基、Yが塩素である、すなわちフ
ェニルトリクロロシランが好ましい。これは、フェニル
トリクロロシランを用いることにより硬化後の樹脂組成
物が適度の堅さを保持することができ、樹脂組成物を透
明基板上に塗布し、乾燥した場合に得られた塗膜がタッ
クフリー状態となるからである。さらに、フェニルトリ
クロロシランの配合量は、シリコーン樹脂中35〜45
モル%であることが好ましい。
【0022】本発明の樹脂組成物中のシリコーン樹脂の
第3成分である以下の化学式の化合物の含有量は、シロ
キシ単位にして45〜60モル%に設定する。第3成分
の含有量が45モル%未満であると、硬化した樹脂組成
物とスタンパとの離型が悪く、離型の際に硬化した樹脂
組成物がスタンパの凸部に残る。また、第3成分の含有
量が60モル%を超えると、硬化した樹脂組成物が柔ら
かくなり、硬化した樹脂組成物がスタンパの凸部に付着
する。いずれの場合にも樹脂組成物層に望ましくない形
状のピットが形成される。特に好ましくは、第3成分の
含有量が45〜53モル%の範囲である。
【0023】上記の化学式において、R3 、R4 はメチ
ル基、エチル基、ビニル基、1,3−ジブタジエニル
基、グリシドキシ基、メタクリロキシ基、およびフェニ
ル基から選ばれた官能基であり、Xはハロゲン、水酸
基、イソシアネート基、および炭素原子数が6以下のア
ルコキシ基から選ばれた官能基であり、mは4〜100
であり、lは0〜10である。この中で、R3 およびR
4 がメチル基、Xが塩素、m+lが7〜24である、末
端ジクロロポリシロキサンが好ましい。
【0024】本発明の樹脂組成物中の硬化触媒として
は、ベンゾイルパーオキシド、ジt−ブチルパーオキシ
ド、ジクミルパーオキシド等の有機過酸化物が用いられ
る。樹脂組成物中の触媒の含有量は、シリコーン樹脂に
対して1〜5重量%であることが好ましい。これは、触
媒の含有量が樹脂組成物に対して1重量%未満であると
シリコーン樹脂の硬化に長時間を要し、5重量%を超え
ると硬化物が堅すぎてクラックを生じるからである。こ
れらの硬化触媒の添加量を調節することにより樹脂組成
物の硬化時間を制御することができる。
【0025】本発明の樹脂組成物は、次のようにして得
られる。まず、上述した3つの成分を適量配合して配合
物を得るか、必要に応じて3つの成分をそれらの成分に
不活性であるトルエン、キシレン等の溶媒に溶解して溶
液を得る。
【0026】次に、この配合物もしくは溶液に加水分解
するために充分な量の水を加えて共加水分解してシラノ
ール化合物を得る。なお、シラン類の組成により、あら
かじめ配合物または溶液に補助加水分解剤としてメタノ
ール、エタノール、プロパノール等のアルコールを添加
する。
【0027】次いで、共加水分解により生成した酸を水
により洗浄した後、オルガノポリシロキサン濃度が5〜
70重量%、望ましくは20〜50重量%となるように
トルエン、キシレン等の溶媒量を調節する。得られた溶
液を常温〜160℃の温度で脱水縮合させる。この場
合、オルガノポリシロキサン濃度が70重量%を超える
と、脱水縮合により水酸基が目的の量まで減少する前に
内容物がゲル化を起こす。また、オルガノポリシロキサ
ン濃度が5重量%未満では脱水縮合に時間がかかるので
経済的でない。この場合、分子の再配列(すなわち、分
子が脱水縮合をしないで他の分子と結合すること)を起
さない温和な条件で、例えば溶媒にトルエンを用いた場
合はトルエンの還流温度で、生成縮合水を系外に除去す
る。このようにして、ケイ素に結合する水酸基の樹脂中
の濃度を0.1重量%以下にする。脱水縮合に使用され
る触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
水酸化セシウム等の強塩基性を示すアルカリ金属水酸化
物、(CH34 NOH、(C4 9 4 NOH、(C
3 3 6 5 CH2 NOH等の水酸化第4級アンモ
ニウム化合物、(C4 9 4 POH等の水酸化第4級
ホスホニウム化合物等が用いられる。これらの触媒は、
シラノール化合物に対して0.01〜1重量%添加する
ことが好ましい。これは、これらの触媒をシラノール化
合物に対して1重量%を超えて添加するとシラノール化
合物のシロキサン結合を切断してしまうからである。
【0028】次いで、上記触媒を塩酸、硫酸、リン酸等
の鉱物酸、蟻酸、酢酸、プロピオン酸等の有機酸、また
はトリクレジルホスフェート等で中和して失活させ、そ
れにより生成した塩を瀘別する。水酸化第4級アンモニ
ウム化合物や水酸化第4級ホスホニウム化合物を触媒に
使用した場合は、これらの触媒を熱分解により失活させ
ることもできる。このようにして得られたシリコーン樹
脂に硬化触媒を添加することにより本発明の樹脂組成物
を得ることができる。
【0029】次に、本発明の樹脂組成物を用いて光ディ
スクを作製する場合について説明する。まず、ガラス等
の透明基板の表面上に本発明の樹脂組成物をスピンナー
等の塗布手段により厚さ5〜100μmに塗布した後、
乾燥させる。
【0030】その後、120〜200℃にあらかじめ加
熱した所定のピットパターンを有するスタンパに透明基
板を圧着する。この状態で0.5〜5分間樹脂組成物の
硬化を促進させた後、スタンパと透明基板を引き離して
光ディスク基板を取り出す。これにより、スタンパ表面
のピットに対応する凹凸が転写されてなる樹脂組成物層
が光ディスク基板上に形成される。
【0031】その後、得られた光ディスク基板上にスパ
ッタリング等の通常使用されている手段で記録層を形成
する。また、光ディスクの記録感度を高めるために、必
要に応じて基板の上に下地層あるいは記録層の下に反射
層を設けてもよい。さらに、記録層を保護するために、
記録層上に保護層を設ける。このようにして、本発明の
光ディスクが得られる。
【0032】なお、透明基板と本発明の樹脂組成物から
なる層との密着性を向上させるために、透明基板をあら
かじめR1 (CH2 n SiX3 (R1 はビニル基、
1,3−ジブタジエニル基、グリシドキシ基、およびメ
タクリロキシ基から選ばれた官能基であり、Xはハロゲ
ン、イソシアネート基、および炭素原子数が6以下のア
ルコキシ基から選ばれた官能基であり、nは0〜5であ
る。)等のシランカップリング剤で処理することが好ま
しい。この場合、シランカップリング剤による処理は、
シランカップリング剤の蒸気で行ってもよいしシランカ
ップリング剤の溶液で行ってもよい。
【0033】
【実施例】以下、本発明の効果を確認するために行った
実施例について説明する。 実施例1
【0034】フェニルトリクロロシランを642g、ビ
ニルトリエトキシシランを125g、および末端ジクロ
ロポリシロキサン(平均重合度m=15)を233g配
合して配合物を調製し、これをトルエン500gに溶解
してトルエン溶液を得た。
【0035】次いで、トルエン1000gと水1500
gとからなる混合液中に前記トルエン溶液を15分で滴
下して、トルエン溶液を加水分解した。この溶液を静置
して分離させた後に水溶液留分を除去した。残存したト
ルエン留分を洗浄して、トルエン留分中の酸を除去し
た。次いで、このトルエン留分に水酸化カリウムをトル
エン留分の固形分に対して0.05重量%添加し、これ
をトルエンの還流温度すなわち110℃で1時間加熱し
て水酸基が0.1重量%以下であるオルガノポリシロキ
サン溶液を得た。このとき、加水分解の際に生成される
縮合水は還流中に系外に除去された。このオルガノポリ
シロキサン溶液を酢酸で中和し、過剰のトルエンを濃縮
して除去した後、瀘過して生成塩を除去し、オルガノポ
リシロキサン溶液の不揮発分を55重量%とした。この
溶液に不揮発分に対して2.5重量%のジクミルパーオ
キシドを添加して本発明の樹脂組成物を得た。
【0036】一方、直径が3.5インチである光ディス
ク用ガラス基板を150℃、0.1g/lのビニルトリ
エトキシシラン蒸気の存在下で15分処理した。処理後
のガラス基板の表面上に得られた樹脂組成物をスピンナ
ーを用いて塗布し、その後このガラス基板を100℃、
10分乾燥して平均塗布厚さ10μmの塗布基板を作製
した。
【0037】次に、あらかじめ180℃に加熱したディ
スク基板作製装置(図示せず)の基板台に得られた基板
を設置した。装置内を15Torr以下に減圧した後、装置
内にエアーを吹き込んで基板台を上昇させて5kg/cm2
の圧力で基板の塗布面をスタンパに圧着した。その状態
で1分間保持して、樹脂組成物の硬化を促進させながら
スタンパのピットパターンを樹脂組成物層に転写した。
その後、装置内を常圧に戻して装置から基板を取り出し
た。以上のようにして、基板100枚を作製した。
【0038】この100枚のそれぞれの基板について、
転写したピットパターンの欠陥、樹脂組成物層中の気泡
の発生、および樹脂組成物層の損傷を調べ、そのような
欠陥のある基板の数を下記表1に示した。
【0039】欠陥が確認されなかったすべての基板に1
50℃、0.1g/lのビニルエトキシシランの蒸気雰
囲気において15分間の処理を施し、処理後の基板上に
スパッタリングにより記録層を形成して光ディスクを作
製した。この光ディスクを95℃、80%RHにおいて
8時間、−20℃において8時間を1サイクルとした温
度サイクル試験に供した。その結果、試験に供したすべ
ての光ディスクは、記録層の欠陥や損傷がなかった。 実施例2〜11、比較例1〜4
【0040】フェニルトリクロロシラン、ビニルトリエ
トキシシラン、および末端ジクロロポリシロキサン(平
均重合度m=13〜14)の配合量を下記表1に示すよ
うにしたこと以外は実施例1と同様にして樹脂組成物を
得た。
【0041】次いで、これらの樹脂組成物を実施例1と
同様にしてそれぞれガラス基板に塗布してスタンパのピ
ットパターンが転写されてなる樹脂組成物層を基板上に
形成した。このようにして得られたそれぞれ100枚の
基板について実施例1と同様にして転写したピットパタ
ーンの欠陥、樹脂組成物層中の気泡の発生、および樹脂
組成物層の損傷を調べ、欠陥のある基板の数を下記表1
に併記した。
【0042】欠陥が確認されなかったすべての基板に記
録層を形成して光ディスクを作製した。この光ディスク
を95℃、80%RHにおいて8時間、−20℃におい
て8時間を1サイクルとした温度サイクル試験に供し
た。その結果、試験に供したすべての光ディスクは、記
録層の欠陥や損傷がなかった。
【0043】
【表1】
【0044】表1から明らかなように、本発明の樹脂組
成物を用いて得られた光ディスク基板(実施例1〜1
1)は、いずれも樹脂組成物層に欠陥がほとんど発生し
なかった。これに対して、本発明の範囲外の配合量の樹
脂組成物を用いて得られた光ディスク基板(比較例1〜
4)は、樹脂組成物層に欠陥があるものが多かった。
【0045】以上説明したように、本発明の樹脂組成物
を使用して得られた基板は、その上に形成される記録層
等にしわやクラックが発生することを防止できる。この
ため、そのようにして得られた光ディスクは、優れた光
学特性を発揮できる。
【0046】
【発明の効果】以上説明した如く、本発明の光ディスク
用樹脂組成物は、量産性に優れ、形成される記録層等に
しわやクラックを発生させることのないものである。ま
た、本発明の光ディスクは、優れた光学特性を発揮でき
るものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G11B 7/24 533 G11B 7/24 533 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 83/04 C08G 77/04 C08K 5/541 C08L 83/06 C08L 83/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)化学式R1 (CH2 nSiX3
    (R1 はビニル基、1,3−ジブタジエニル基、グリシ
    ドキシ基、およびメタクリロキシ基から選ばれた官能基
    であり、Xはハロゲン、水酸基、イソシアネート基、お
    よび炭素原子数が6以下のアルコキシ基から選ばれた官
    能基であり、nは0〜5である。)により表わされる第
    1の成分5〜15モル%と、化学式R2 SiY3 (R2
    はフェニル基またはメチル基であり、Yはハロゲン、イ
    ソシアネート基、および炭素原子数が6以下のアルコキ
    シ基から選ばれた官能基である。)で表わされる第2の
    成分30〜50モル%と、以下の化学式により表わされ
    る第3の成分45〜60モル%(シロキシ単位にして)
    とを反応させてなるシリコーン樹脂と、(b)硬化触媒
    と、からなる光ディスク用樹脂組成物。 (R3 、R4 はメチル基、エチル基、ビニル基、1,
    3−ジブタジエニル基、グリシドキシ基、メタクリロキ
    シ基、およびフェニル基から選ばれた官能基であり、X
    はハロゲン、水酸基、イソシアネート基、および炭素原
    子数が6以下のアルコキシ基から選ばれた官能基であ
    り、mは4〜100であり、lは0〜10である。)
  2. 【請求項2】 透明基板と、請求項1記載の樹脂組成物
    を硬化することにより前記透明基板上に形成された凹凸
    パターンを有する樹脂組成物層と、前記樹脂組成物層上
    に形成された記録層と、を具備する光ディスク。
JP03045080A 1990-03-29 1991-03-11 光ディスク用樹脂組成物およびそれを用いた光ディスク Expired - Fee Related JP3086708B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03045080A JP3086708B2 (ja) 1990-03-29 1991-03-11 光ディスク用樹脂組成物およびそれを用いた光ディスク

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2-78817 1990-03-29
JP7881790 1990-03-29
JP03045080A JP3086708B2 (ja) 1990-03-29 1991-03-11 光ディスク用樹脂組成物およびそれを用いた光ディスク

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04211454A JPH04211454A (ja) 1992-08-03
JP3086708B2 true JP3086708B2 (ja) 2000-09-11

Family

ID=26385039

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP03045080A Expired - Fee Related JP3086708B2 (ja) 1990-03-29 1991-03-11 光ディスク用樹脂組成物およびそれを用いた光ディスク

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3086708B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04211454A (ja) 1992-08-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1819844B1 (en) Method for forming anti-reflective coating
US5013788A (en) Liquid coating composition and coating method for forming hard-coat film on plastics
US5242731A (en) Resin composition for an optical disc and an optical disc using it
JPS5989368A (ja) 熱成形性シリコ−ン樹脂被覆組成物及びポリカ−ボネ−ト用の二成分被覆系
WO2001003901A1 (fr) Article a surface irreguliere et son procede de production
JP3086708B2 (ja) 光ディスク用樹脂組成物およびそれを用いた光ディスク
GB2082107A (en) Plastics optical elements which comprise a moulded plastics material coated on one face with a photopolymerized resin
JP2001072442A (ja) 凹凸表面を有する物品の製造方法およびそれによって製造される物品
KR960003291B1 (ko) 광경화형 실리콘 피복제 조성물
JP2758288B2 (ja) 溝付き基板の製法および多層構造体
JPH0693043B2 (ja) 非球面レンズ
JP2538972B2 (ja) 光ディスク基板の製造方法
US20050025442A1 (en) Optical waveguide forming material and method
JP3541152B2 (ja) ハードコート剤および光ディスク
JPS6116815A (ja) 光デイスク基板の製造方法
JP3166203B2 (ja) 基板上に微細凹凸パターンを形成する方法
JP2651359B2 (ja) 耐熱性ケイ素含有重合体の製造方法
JPS63149116A (ja) 注型成形品の製造方法
JPS6192450A (ja) 光学的記録媒体用基板および基板成形方法
JP2000353340A (ja) 光記録媒体
JPH01167315A (ja) 光ディスク基板
WO2009096420A1 (ja) 凹凸パターン形成方法、およびそれを利用した磁気記録媒体の製造方法
JPH07140302A (ja) 反射防止被膜の製造方法
JPH0373056B2 (ja)
JPS60117430A (ja) 光ディスク

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees