JPH07140302A - 反射防止被膜の製造方法 - Google Patents

反射防止被膜の製造方法

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JPH07140302A
JPH07140302A JP5291685A JP29168593A JPH07140302A JP H07140302 A JPH07140302 A JP H07140302A JP 5291685 A JP5291685 A JP 5291685A JP 29168593 A JP29168593 A JP 29168593A JP H07140302 A JPH07140302 A JP H07140302A
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Japan
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film
boiling point
coating
azeotropic
metal alkoxide
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JP5291685A
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Yosuke Tajima
陽介 田島
Miyuki Miyazaki
幸 宮崎
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 被膜の強度を低下させることなく、均一な微
細な多孔を表面に開口させた反射防止被膜の製造方法を
提供する。 【構成】 金属アルコキシド(例、メチルトリメトキシ
シラン)、水および親水性有機溶媒(例、イソプロパノ
ール)を混合して得られた金属アルコキシド重縮合物
(例、重量平均分子量3,000)溶液と、該親水性有
機溶媒に可溶で、沸点が200℃以上であって共沸温度
が200℃未満となる共沸混合物をつくりうる高沸点化
合物( 例、ベラトロール) とからなる塗料組成物を、基
材に塗布、加熱硬化して被膜を形成した後、上記高沸点
化合物と共沸温度が200℃未満となる共沸混合物を形
成しうる溶媒(例、エチレングリコール)中で加熱して
前記高沸点化合物を抽出することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、窓ガラス、フレームな
どの建築材料、テレビモニターなどの家電材料、眼鏡レ
ンズや機器メーターフードなどに好適に使用される反射
防止被膜の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光学部品、眼鏡、ディスプレー装置など
に被覆される反射防止被膜としては、単層または複数層
からなるものが知られているが、単層および2層からな
るものは、残存反射率が大きく、効率が悪く、屈折率の
異なる3層を重層したものが好ましいと言われている。
しかし、3層を重層させるのは、公知の真空蒸着法、デ
ィップコーティング法等いずれの方法でも、煩雑である
とともに生産性が低いという欠点があった。
【0003】そこで、一般的に基材の屈折率がns 、単
層膜の屈折率がnの場合の反射率Rは、ns >nのと
き、極小値として(ns −n2 2 /(ns +n2 2
をとることが知られている。このRは、n2 =ns のと
き、すなわちn=ns 1/2 のときが最小となる関数だか
ら、単層膜の屈折率nがns 1/2 に近いほど反射率は低
減される。更に、一般に基材がガラス(ns =1.51
程度)やポリメチルメタクリレート(ns =1.49程
度)なので、単層膜の目標屈折率nは1.23となる。
従って、単層膜で反射率を低減させる為には、その単層
膜の屈折率が1.23に限りなく近い低屈折率のものが
より好ましいことになる。
【0004】単層で反射防止性能を発現させる方法とし
ては、 金属アルコキシド溶液を加水分解してゾルとし、この
ゾルを透光性基材に塗布、所定温度で放置しウエットゲ
ル膜とし、該ウエットゲル膜を200℃までの加熱温度
下で、該加熱温度以上の沸点を有する非水溶媒(例え
ば、流動パラフィンまたはシリコンオイル)中に浸漬し
た状態で加熱乾燥した後、アセトンで洗浄してドライゲ
ル膜とすることにより、基材表面上に多孔質ゲルまたは
多孔質ガラスからなる透光性の均一な光反射防止被膜を
製造する方法(特開昭62−226840号公報)、
【0005】シランカップリング剤、各種の酸化物ゾ
ルおよびエポキシ樹脂を溶媒中に含むコーティング液で
基材をコーティングし、硬化させた後、酸性またはアル
カリ性物質の水溶液中に浸漬させて膜中の酸化物ゾルを
選択的に溶解させ、多孔質膜化をする方法(特開平1−
312501号公報)、
【0006】モノアルキルトリアルコキシシラン、ポ
リエーテルおよび有機溶媒からなるコーティング液を基
材に塗布し、硬化させた後、膜中のポリエーテルを有機
溶媒で溶出させるか、または有機成分を熱分解により除
去して多孔質膜化をする方法(特開平3−199043
号公報)などが提案されてきた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の提案には、以下の問題点があった。上記の方法は、
硬化収縮による気孔率の低下が大きく、多孔化の程度が
低く、屈折率の低下が不十分である。また、洗浄時のア
セトンのような有機溶媒によって塗膜が膨潤し剥離が起
こる等で塗膜強度も低くなってしまう。上記の方法
は、酸化物ゾルの溶解量が小さく溶出処理に時間がかか
る。また、処理液の濃度を上げると塗膜の劣化が起こ
り、塗膜強度が低くなる。上記の方法は、ポリエーテ
ルを有機溶媒で溶出させる方法には、ポリエーテルの有
機溶媒に対する溶解量が小さく有機溶媒中の浸漬時間が
長くかかり、且つ、塗膜が膨潤し剥離が起こる等で塗膜
強度も低くなってしまう。また有機成分を熱分解により
除去する方法においては、熱処理温度が350℃のよう
に高くなり、膜の脆化が起こり、且つ膜内に残存する有
機成分の変性による着色が起こり、製品外観面での不具
合が生じる。
【0008】本発明の目的は、被膜の強度を低下させる
ことなく、均一な微細な多孔を表面に開口させた反射防
止被膜の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に使用される塗料
組成物は、金属アルコキシド、水および親水性有機溶媒
を混合して得られた金属アルコキシド重縮合物溶液と、
該親水性有機溶媒に可溶で、沸点が200℃以上であっ
て共沸温度が200℃未満となる共沸混合物をつくりう
る高沸点化合物とからなる。
【0010】上記金属アルコキシド重縮合物溶液は、下
記一般式で表される金属アルコキシドを加水分解し、こ
の加水分解物をモノマーとして重縮合して得られたプレ
ポリマーの親水性有機溶媒の溶液である。
【0011】Rn −M−(OR' )m-n 式中、Mは金属、Rはアルキル基またはフェニル基であ
る。上記アルキル基としては、アミノ基、エポキシ基、
ビニル基および/またはメルカプト基を有していてもよ
く且つ主鎖が炭素数6以下の炭素鎖であるアルキル基が
好ましい。R' はアルキル基であり、炭素数5以下のア
ルキル基が好ましい。また、mは金属Mの配位数、nは
0≦n≦m−1の整数である。
【0012】上記一般式で示される金属アルコキシドに
おいて、金属Mとしては例えばSi、Al、Zr、Ti
などが好適に例示されるが、金属Mはこれらに限定され
るものではない。金属MがSiである金属アルコキシド
は、加水分解反応が急激に進行しないため調製し易く、
特に好ましい。また更なる耐久性の向上を指向して、数
種の異種金属アルコキシド同士を組合せて使用すること
も有効である。基Rは、塗膜が硬化する時に過度に硬化
収縮が起こることを防止する機能を果たすものである。
基Rの主鎖の炭素数が大きくなると硬化収縮は減少する
が硬化後の膜硬度が低下してしまうために、この炭素数
が大き過ぎることは好ましくない。基Rの主鎖の炭素数
は6以下であることが好ましい。
【0013】硬化後の膜硬度を調整するために、基Rの
数(n)の異なる金属アルコキシドを配合することも有
効である。さらにR部分にアミノ基、エポキシ基、ビニ
ル基および/またはメルカプト基を有する金属アルコキ
シドを用いてこれらを複合させたり、少量の有機樹脂を
低収縮剤として添加し重縮合物を変性させることも有効
である。
【0014】OR' 部分は加水分解して、分解生成物同
士が重縮合したり基材との接着に関与する。加水分解の
速度や加水分解時に副生するアルコール(R' OH)の
揮発除去のし易さから、基R' としては炭素数5以下の
アルキル基が好ましい。OR' の数(m−n)は、プレ
ポリマーの架橋点の数や接着点の数を決定するもので、
この数が大きいとモノマーの接着性は良くなるが架橋度
が上がりすぎ、逆にこの数が小さいと架橋度が上がらず
膜硬度が低くなってしまう。したがって、この数は目的
とする膜硬度に合わせて適宜に調節することが好まし
い。
【0015】上記のように数(m−n)を調整するため
に、数(m−n)の異なる複数のモノマーを配合するこ
とも有効である。
【0016】金属アルコキシドの例として、メチルトリ
メトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、γ−ア
ミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラ
ン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、メチルトリエトキシシラン、テトラブトキシジル
コニウム、テトラブトキシチタニウム、トリブトキシア
ルミニウムなどが挙げられる。
【0017】プレポリマーとしての上記重縮合物は、成
膜性のし易さから、ポリスチレン換算重量平均分子量で
500〜100,000のものが好ましく、特に1,0
00〜30,000のものが好ましい。重量平均分子量
500以下の重縮合物では膜硬度は上がるがクラックを
生じ易く、逆に重量平均分子量が100,000以上に
なると密着性や膜硬度が低下し易い。
【0018】上記金属アルコキシド重縮合物溶液の調製
は、金属アルコキシドに水を加え、室温〜80℃程度の
温度で目的の重量平均分子量になるまで加熱処理して加
水分解し重合させることによって行う。
【0019】この重縮合の反応溶媒としては、後述する
粘度調整用の水および親水性有機溶媒の一部または全部
が使用される。
【0020】重合温度と処理時間はモノマーの純度、使
用する重合触媒(後述の硬化促進剤と同じ)などによっ
て適宜設定でき、予めゲル浸透クロマトグラフィ測定に
より各処理条件下における重合度(重量平均分子量)の
検量線を作成しておいて、目的の重合度(重量平均分子
量)が得られるまで重合を行うことが好ましい。
【0021】本発明に使用される水および親水性有機溶
媒は、金属アルコキシド重縮合物が層分離を起こさない
ように粘度調整の為にも使用する。金属アルコキシド重
縮合物溶液の粘度は、塗布のし易さから、水および親水
性溶媒をプレポリマー100重量部に対して1〜10,
000重量部配合することによって、10〜150c
P、特に20〜120cPに調整するのが好ましい。ま
た、親水性有機溶媒は、硬化時の揮発除去のし易さか
ら、炭素数6以下の低級アルコールもしくは酢酸メチ
ル、酢酸エチルが好ましい。
【0022】本発明に使用される、該親水性有機溶媒に
可溶で、沸点が200℃以上であって共沸温度が200
℃未満となる共沸混合物をつくりうる高沸点化合物とし
ては、例えば、ニトロベンゼン(沸点210.9℃)、
o−ニトロトルエン(沸点221.7℃)、3,4−キ
シレノール(沸点226.8℃)、ベラトロール(沸点
205.5℃)、サフロール(沸点235.9℃)、エ
ストラゴール(沸点215.6℃)、ボルネオール(沸
点213.4℃)、シトロネラール(沸点208℃)、
メントン(沸点209.5℃)、メントール(沸点21
6.4℃)等が挙げられる。
【0023】上記の高沸点化合物は、単独もしくは組合
せで使用される。
【0024】本発明で使用される塗料組成物において、
上記の高沸点化合物は、金属アルコキシド重縮合物10
0重量部に対して10〜70重量部が好ましく、25〜
50重量部が特に好ましい。上記の高沸点化合物が少な
いと、被膜表面の見かけの屈折率を低下させるのに必要
十分量の微細多孔が開口せず、多くなると、被膜の空隙
率が大きくなりすぎ膜強度が低下してしまう。
【0025】本発明で使用される塗料組成物に、硬化促
進剤を加えて硬化速度を向上させ硬化温度の低下を指向
することも好ましい。硬化促進剤はシラノール縮合用に
一般に使用されるものであって、例えば酢酸ナトリウ
ム、蟻酸カリウムなどのカルボン酸アルカリ金属塩や、
ジメチルアミンアセテート、エタノールアミンアセテー
トなどのアミンカルボキシレートや、酢酸テトラメチル
アンモニウムなどの第4級アンモニウムカルボキシレー
トや、ナフテン酸スズなどのカルボン酸金属塩や、トリ
エタノールアミン、ピリジンなどのアミン類や、水酸化
ナトリウム、水酸化アンモニウムなどのアルカリ水酸化
物や、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−エ
チレンジアミノプロピルトリメトキシシランなどのアミ
ン系シランカップリング剤や、アルミニウムアセチルア
セトネートなどのアルミニウムキレートなどが、単独も
しくは組合せで使用される。
【0026】これら硬化促進剤の配合量は硬化条件によ
って適宜選択されるが、組成物中の金属アルコキシド重
縮合物100重量部に対して0.05〜0.5重量部使
用するのが好ましい。
【0027】本発明の反射防止被膜の製造方法は、上記
の塗料組成物を、基材に塗布、加熱硬化して被膜を形成
した後、前記高沸点化合物と共沸温度が200℃未満と
なる共沸混合物を形成しうる溶媒中で加熱して前記高沸
点化合物を抽出することを特徴とする。
【0028】上記基材としては、特に制約はなく、例え
ば、ガラスやプラスチックなどが挙げられ、特にガラス
が好ましい。ガラスとしては、例えば、シリカガラス、
ソーダ石灰ガラス、鉛ガラス、ホウケイ酸ガラス、アル
ミノケイ酸塩ガラスなどが挙げられる。
【0029】プラスチックとしては、例えば、ポリカー
ボネート、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポ
リスチレン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリプ
ロピレン、ポリエチレン、ABS樹脂、ポリエーテルス
ルホン、ポリエーテルエーテルケトン、スチレン/アク
リロニトリル共重合体、メタクリレート/スチレン共重
合体などが挙げられる。
【0030】基材の形状は、特に限定されず、例えば、
平材状、レンズ状曲面、エンボス様ランダムテクスチャ
ー、棒状、その他各種の形状に成形されたものなどであ
ってよい。
【0031】基材の表面は、好ましくは、上記塗料用組
成物の塗布前に洗浄される。金属酸化物層が設けられる
場合は、該金属酸化物層の被覆の前に洗浄される。この
洗浄は、基材表面の油脂成分などの汚れを除去するため
に、洗剤および蒸留水、基材を冒さない有機溶剤などを
用いて行われる。プラズマ処理を行うことも有効であ
る。
【0032】上記の塗料組成物を、基材に塗布する方法
は、刷毛塗り、ディッピング法、スピンコーティング、
スプレー法なども有効である。
【0033】塗布膜厚は、硬化時の収縮を考慮して硬化
処理後に1〜50μm、特に3〜15μmになるように
調整することが好ましい。
【0034】上記塗布後、加熱硬化するが、加熱硬化と
は、塗膜を硬化し、且つ金属アルコキシド重縮合物を基
材に強固に結合させるための、塗布層の乾燥のことであ
る。
【0035】乾燥は、加熱乾燥や若干加熱しながらの減
圧乾燥によって行う。加熱乾燥と減圧乾燥を併用すると
加熱時間の短縮が可能である。塗布直後は多量の溶媒成
分が残存しているため、乾燥工程に先立って風乾を行う
のがよい。例えば、希釈溶媒としてエタノールを用いた
場合、室温であれば約1時間風乾を行う。乾燥温度は、
塗膜自体を十分硬化させるとともに、前記高沸点化合物
を塗膜中に含有させるために、100〜200℃程度が
好ましい。乾燥時間は乾燥温度によるが、通常、150
℃で30〜60分程度の処理で十分である。あまり高い
温度での乾燥ができない場合は処理時間を長くする。例
えば、乾燥温度40℃では少なくとも1昼夜程度その温
度を保つ。
【0036】次に、上記加熱硬化して被膜を形成した
後、前記高沸点化合物と共沸温度が200℃未満となる
共沸混合物を形成しうる溶媒中で、上記高沸点化合物を
抽出する。この溶媒としては、上記高沸点化合物の種類
によってそれぞれ異なり、例えば、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、グリセロール、ジプロピレ
ングリコール等が挙げられる。特に、エチレングリコー
ル(沸点197.4℃)が好ましい。以下、表1に、各
種の高沸点化合物とエチレングリコールとの共沸混合物
の、共沸温度と共沸比率を示す。
【0037】
【表1】
【0038】上記抽出の温度は、150〜200℃が好
ましい。抽出方法は、基材を上記抽出溶液中へ浸漬した
り、ソックスレー連続抽出器等で洗い流す方法等、特に
は限定されない。抽出に際して、超音波振動を併用する
のが好ましい。また、抽出後、ベンゼン等で表面を洗浄
するのが好ましい。
【0039】
【作用】本発明で使用される前記高沸点化合物は、液状
なので分散性がよく、また、沸点が200℃以上と高く
被膜の硬化時の高温において安定であり、該高沸点化合
物を含有した状態で十分に塗膜を硬化できるので、該高
沸点化合物を共沸する溶剤中で抽出、除去すると均一な
微細多孔が形成される。また、該高沸点化合物を抽出・
除去するに際して、金属アルコキシドの重縮合物を溶解
したり膨潤したりしないので、被膜の強度が低下しな
い。
【0040】
【実施例】つぎに、本発明を具体的に説明するために、
その実施例およびこれとの比較を示すための比較例をい
くつか挙げ、さらに得られた反射防止被膜の性能試験結
果を示した。
【0041】実施例1 メチルトリメトキシシラン:イソプロパノール:水=1
00:150:40(重量部)の割合の金属アルコキシ
ド混合溶液を70℃で5時間攪拌して、プレポリマーと
して重量平均分子量3,000(ゲル浸透クロマトグラ
フィで測定。ポリスチレン換算値)の金属アルコキシド
重縮合物を得た。この金属アルコキシド重縮合物溶液
に、ベラトロールを前記金属アルコキシド重縮合物溶液
中の金属アルコキシド重縮合物100重量部に対し25
重量部配合し、硬化促進剤としてγ−アミノプロピルト
リメトキシシランを同じく0.1重量部配合して超音波
振動をかけて均一に分散させ塗料組成物を調製した。
【0042】基材としてスライドガラス(NAKARA
I社製、商品名「S−2111」、76mm×26mm
×1mm)を用い、これをメタノール洗浄、酸洗浄、蒸
留水洗浄処理で表面を清浄にして使用した。これに上記
塗料組成物をキャスティングにより膜厚が2μmになる
ように塗布し、150℃オーブン中で60分間加熱処理
して被膜を形成した後、エチレングリコール溶液中に浸
漬し180℃で加熱しながら超音波振動をかけてベラト
ロールを抽出し、ベンゼンで洗浄して反射防止被膜を製
造した。
【0043】表2に実施例1の内容を纏めて示した。
【0044】実施例2、3 金属アルコキシド重縮合物の種類とその重量平均分子
量、高沸点化合物の種類とその使用量、加熱硬化時の温
度と時間並びに共沸溶媒と抽出時の温度を、表2のよう
に変えたことの他は、実施例1と同様にして反射防止被
膜を製造した。
【0045】比較例1 特開平3−199043号公報に従って、モノメチルト
リエトキシシラン17.83g、エタノール13.82
g、1−ブタノール22.24gを混合し均一溶液とし
た。この溶液に、水10.8g、リン酸0.49gを加
え、更に60分間攪拌した。この溶液に、エタノール1
3.82g、1−ブタノール22.24g、ポリエチレ
ングリコール3.30gを加え、更に10分間混合し試
験液とした。この溶液に実施例1と同様のスライドガラ
スを浸漬しゆっくりと引き上げ、室温で10分乾燥後エ
タノール中に浸漬し、超音波振動をかけてポリエチレン
グリコールを溶出させ反射防止被膜を製造した。
【0046】比較例2 特開昭62−226840号公報に従って、トリエトキ
シシラン10ml、水5ml、1.0規定塩酸0.1m
lを混合攪拌し、これに0.1規定水酸化アンモニウム
を加えて、pH5に調整し塗布液とした。この塗布液を
実施例1と同様のスライドガラス上に流しだし、常温で
30分間乾燥後の膜厚が2μmのウエットゲル膜を形成
した。80℃に加熱した流動パラフィン中に、このウエ
ットゲル膜塗装品を24時間浸漬し、アセトンで洗浄
後、120℃で1時間乾燥し反射防止被膜を製造した。
【0047】性能試験 実施例および比較例で得られた反射防止被膜について、
以下の方法で性能試験を行った。 反射防止性 屈折率の測定によって評価した。測定は、自動エリプソ
メーター(溝尻光学工業所製、DVA−36LP)を用
いて行った。 膜強度 乾燥した木綿性サラシを使用し、これに500g/cm
2 の荷重をかけて往復1000回、反射防止被膜上を摺
動させ、試験後に400〜700nmの全光線透過率
(%)を測定し、試験前後の全光線透過率の変化量(試
験前の全光線透過率−試験後の全光線透過率)によって
評価した。評価結果を表2に示した。
【0048】
【表2】
【0049】
【発明の効果】本発明の反射防止被膜の製造方法は上述
の通りであり、被膜の強度を低下させることなく、均一
な微細な多孔を表面に開口させた反射防止被膜を製造で
きる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属アルコキシド、水および親水性有機
    溶媒を混合して得られた金属アルコキシド重縮合物溶液
    と、該親水性有機溶媒に可溶で、沸点が200℃以上で
    あって共沸温度が200℃未満となる共沸混合物をつく
    りうる高沸点化合物とからなる塗料組成物を、基材に塗
    布、加熱硬化して被膜を形成した後、上記高沸点化合物
    と共沸温度が200℃未満となる共沸混合物を形成しう
    る溶媒中で加熱して前記高沸点化合物を抽出することを
    特徴とする反射防止被膜の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7081272B2 (en) 2001-12-14 2006-07-25 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Coating composition for forming low-refractive index thin layers
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