JP3165760B2 - 新規化合物 - Google Patents

新規化合物

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JP3165760B2
JP3165760B2 JP08372093A JP8372093A JP3165760B2 JP 3165760 B2 JP3165760 B2 JP 3165760B2 JP 08372093 A JP08372093 A JP 08372093A JP 8372093 A JP8372093 A JP 8372093A JP 3165760 B2 JP3165760 B2 JP 3165760B2
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隆 小早川
常好 谷澤
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  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)
  • Furan Compounds (AREA)
  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)
  • Indole Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フオトクロミック作用
を有する新規化合物、およびその利用に関する。更に詳
しくは、太陽光もしくは水銀灯の光のような紫外線を含
む光の作用により無色から着色した形態に変化し、その
変化が可逆的であり、しかも優れた耐久性を有する新規
化合物、およびその利用に関する。
【0002】
【従来の技術】フォトクロミズムとは、ここ数年来注目
をひいてきた現象であって、ある化合物に太陽光あるい
は水銀灯の光のような紫外線を含む光を照射すると速や
かに色が変わり、光の照射をやめて暗所におくと元の色
にもどる可逆作用のことである。この性質を有する化合
物は、フォトクロミック化合物と呼ばれ従来から色々の
構造の化合物が合成され提案されてきたが、その構造に
は特別な共通の骨格は認められない。
【0003】こうした背景にあって、特開平2−281
54号公報に示される下記一般式
【0004】
【化5】
【0005】で表されるフルギド化合物又はフルギミド
化合物は、一般的状態では安定な無色を呈しているが、
太陽光もしくは紫外線の照射を受けると直ちに発色し、
その照射をやめると無色にもどり、かつこれらの変色を
耐久性よく繰り返すため、優れたフォトクロミック性を
有する化合物である。ここで、上記フルギド化合物又は
フルギミド化合物において、
【0006】
【化6】
【0007】としては、芳香族炭化水素基や不飽和複素
環基が示され、R1 としては、炭化水素基や複素環基が
示され、Xとしては、水素原子が特定の基で置換されて
いても良いイミノ基や酸素原子が示されている。また、
【0008】
【化7】
【0009】は、それぞれ置換基を有していてもよいノ
ルボルニリデン基またはアダマンチリデン基とされてい
るが、該ノルボルニリデン基としては、具体的には、2
−ノルボリデン基しか示されていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記したフルギド化合
物又はフルギミド化合物は、前記した通り、着色と消色
とを可逆的に繰り返す耐久性等の点で優れたフォトクロ
ミック化合物であるが、さらに光を照射して発色させた
後の退色速度について、より向上したフォトクロミック
化合物を開発することが望まれていた。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、光の照射
を止めたときの退色速度のより向上したフォトクロミッ
ク化合物を得ることを目的として研究を重ねた結果、新
規な化合物の創製に成功し、且つ該化合物が上記の目的
を達成することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記一般式〔I〕
【0012】
【化8】
【0013】{式中
【0014】
【化9】
【0015】は、それぞれ置換基を有していてもよい2
価の芳香族炭化水素基または2価の不飽和複素環基 R1 は、それぞれ置換基を有していてもよい1価の炭化
水素基または1価の複素環基
【0016】
【化10】
【0017】は、それぞれ置換基を有していてもよい7
−ノニリデン基またはビシクロ〔3.3.1〕9−ノニ
リデン基 Xは、酸素原子 基>N−R2 基>N−A1−B1−(A2m−(B2n−R3 基>N−A3−A4 または 基>N−A3−R4 を示す (ここで、R2は、水素原子、アルキル基またはアリー
ル基、A1,A2 およびA3は、同一もしくは異なり、ア
ルキレン基,アルキリデン基,シクロアルキレン基また
はアルキルシクロアルカン−ジイル基、B1およびB
2は、同一もしくは異なり、
【0018】
【化11】
【0019】mおよびnは、それぞれ独立して0または
1を示すが、mが0の時はnは0である R3 は、それぞれ置換基を有していてもよいアルキル
基,ナフチル基またはナフチルアルキル基、A4は、置
換基を有していてもよいナフチル基、R4は、ハロゲン
原子,シアノ基またはニトロ基を示す)}で表される化
合物である。
【0020】本発明における前記一般式〔I〕におい
て、
【0021】
【化12】
【0022】の基は、芳香族炭化水素基または不飽和複
素環基であって、これらの基は多くとも5個、好ましく
は3個までの置換基を有していてもよい。芳香族炭化水
素基としては、炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜
14個を有するものであり、かかる芳香族炭化水素環を
形成する環の例としては、ベンゼン環,ナフタレン環,
フエナンスレン環が挙げられる。
【0023】また、不飽和複素環基としては、窒素原
子、酸素原子および硫黄原子の如きヘテロ原子の少なく
とも1種を1個含む5員環または6員環の単環複素環基
或いはこれらにベンゼン環またはシクロヘキセン環が縮
合した形の縮合複素環基が示される。かかる複素環基を
形成している環としては、例えばピロール環,ピリジン
環,キノリン環,イソキノリン環などの含窒素複素環;
フラン環,ベンゾフラン環,ピラン環などの含酸素複素
環;チオフエン環,ベンゾチオフエン環などの含硫黄複
素環が挙げられる。
【0024】前述したように、
【0025】
【化13】
【0026】で示される芳香族炭化水素基または不飽和
複素環基には、多くとも5個、好ましくは3個までの置
換基が含有されていてもよい。かかる置換基の例として
はフッ素,塩素,臭素,沃素の如きハロゲン原子;ヒド
ロキシル基;シアノ基;ニトロ基;アミノ基;カルボキ
シル基;メチルアミノ基,ジエチルアミノ基の如き炭素
数1〜4のアルキルアミノ基;メチル基,エチル基,プ
ロピル基,t−ブチル基の如き炭素数1〜4の低級アル
キル基;トリフルオロメチル基;2−クロロエチル基な
どのハロゲン原子を1〜3個有するハロゲン化低級アル
キル基;メトキシ基,エトキシ基,t−ブトキシ基の如
き炭素数1〜4の低級アルコキシ基;フエニル基,ナフ
チル基,トルイル基の如き炭素数6〜10のアリール
基;フエノキシ基,1−ナフトキシ基の如き炭素数6〜
14のアリールオキシ基;ベンジル基,フエニルエチル
基,フエニルプロピル基の如き炭素数7〜15のアラル
キル基;ベンジルオキシ基,フエニルプロポキシ基の如
き炭素数7〜15のアラルコキシ基および炭素数1〜4
のアルキルチオ基などが挙げられる。これらの置換基
は、同種であっても異種であってもよく、また位置は特
に制限されない。
【0027】上記
【0028】
【化14】
【0029】は、ハロゲン原子,ニトロ基,シアノ基,
アミノ基,炭素数1〜4のアルキルチオ基,炭素数1〜
4のアルキル基及び炭素数1〜4のアルコキシ基よりな
る群から選ばれた原子または基の少なくとも1個によっ
て、それぞれの場合に置換されていてもよい2価の芳香
族炭化水素基または2価の不飽和複素環基であるのが好
ましい。
【0030】また、上記
【0031】
【化15】
【0032】が、上記した各置換基の1〜3個によって
それぞれの場合に置換されていてもよい炭素数6〜14
のアリール基または窒素原子,酸素原子及び硫黄原子を
1個含有する5員環または6員環の単環複素環基或いは
該複素環基にベンゼン環またはシクロヘキセン環が縮合
した縮合複素環基であるのは一層好ましい。
【0033】さらに上記
【0034】
【化16】
【0035】が、2価のベンゼン環,複素原子を1個含
有する5員環または6員環の単環複素環またはこの複素
環にベンゼン環或いはシクロヘキセン環が縮合した形の
縮合複素環であるものが好ましい。これらベンゼン環,
単環複素環または縮合複素環には、前記した置換基が1
〜2個含まれているものも同様に好ましい態様である。
【0036】前記一般式〔I〕におけるR1 は、それぞ
れ置換基を有していてもよい1価の炭化水素基または1
価の複素環基である。
【0037】かかるR1 の炭化水素基としては脂肪族,
脂環族または芳香族炭化水素のいずれであってもよい
が、具体例としては、メチル基,エチル基,プロピル
基,ブチル基の如き炭素数1〜20、好ましくは1〜6
のアルキル基;フエニル基,トルイル基,キシリル基,
ナフチル基の如き炭素数6〜14のアリール基;ベンジ
ル基,フエニルエチル基,フエニルプロピル基,フエニ
ルブチル基の如き炭素数1〜10、好ましくは1〜4の
アルキレン基を有するアラルキル基が好適である。また
1 の複素環基としては、窒素原子,酸素原子および硫
黄原子の如きヘテロ原子の少なくとも1種を1〜3個、
好ましくは1または2個含む5員環または6員環の単環
複素環基或いはこれにベンゼンが縮合した縮合複素環基
が好ましい。かかる複素環基の具体例としては、前記
【0038】
【化17】
【0039】の定義において説明した不飽和複素環基の
例示の他にさらに飽和のピペリジン環,ピペラジン環,
モルホリン環,ピロジリン環,インドリン環,クロマン
環などの飽和複素環基を挙げることができる。
【0040】前記したR1 の炭化水素基または複素環基
には置換基を有していても特に差支えない。かかる置換
基は、炭化水素基または複素環基に対し、多くとも5
個、好ましくは3個まで含有することが好ましく、置換
基の具体例としては、前記
【0041】
【化18】
【0042】において説明したものと同じ置換基を例示
することができる。
【0043】上記R1 として好ましいのは、ハロゲン原
子,炭素数1〜4のアルコキシ基またはフエニル基で置
換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基;ハロ
ゲン原子または炭素数1〜4のアルコキシ基で置換され
ていてもよい炭素数6〜10のアリール基;または窒素
原子,酸素原子及び硫黄原子を1〜3個、殊に1個含有
する5員環または6員環の単環複素環基或いは該複素環
基にベンゼン環が縮合した縮合複素環基、殊に単環複素
環基である。
【0044】さらに上記R1 として特に好ましいのは、
炭素数1〜6のアルキル基、炭素数7〜10のアラルキ
ル基または炭素数6〜10のアリール基である。
【0045】本発明における前記一般式〔I〕におい
て、
【0046】
【化19】
【0047】は、それぞれ置換基を有していてもよい7
−ノルボルニリデン基または、ビシクロ〔3.3.1〕
9−ノニリデン基を意味する。ここで7−ノルボルニリ
デン基は下記式
【0048】
【化20】
【0049】で表され、また、ビシクロ〔3.3.1〕
9−ノニリデン基は下記式であらわされる。
【0050】
【化21】
【0051】上記式は、いずれも置換基を有さない7−
ノルボルニリデン基およびビシクロ〔3.3.1〕9−
ノニリデン基の骨格構造を示したものである。同じノル
ボルニリデン基或いはビシクロ〔3.3.1〕ノニリデ
ン基であっても、結合手を持つ炭素原子が上記式で示す
特定の位置にないものである場合、得られる化合物は、
フォトクロミック化合物として充分な退色速度を有して
いないものとなる。これら7−ノルボルニリデン基また
はビシクロ〔3.3.1〕9−ノニリデン基は、上記式
の水素原子が置換基により置換されていてもよく、その
数は1個またはそれ以上であってもよい。置換基を有す
る場合、その種類,数及び位置は、目的および用途によ
って任意に選択される。また複数の置換基を有する場
合、同一の置換基であってもよく、また異種の置換基で
あってもよい。
【0052】上記7−ノルボルニリデン基またはビシク
ロ〔3.3.1〕9−ノニリデン基の置換基としては、
例えば、ヒドロキシ基;メチルアミノ基,ジエチルアミ
ノ基等の炭素数1〜4のアルキルアミノ基;メトキシ
基,エトキシ基,tert−ブトキシ基等の炭素数1〜
4のアルコキシ基;ベンジルオキシ基等の炭素数7〜1
5のアラルコキシ基;フエノキシ基,1−ナフトキシ基
等の炭素数6〜14のアリールオキシ基;メチル基,エ
チル基,t−ブチル基等の炭素数1〜4の低級アルキル
基;フッ素,塩素,シュウ素等のハロゲン原子;シアノ
基;カルボキシル基;エトキシカルボニル等の炭素数2
〜10のアルコキシカルボニル基;トリフルオロメチル
基等の炭素数1または2のハロゲン置換アルキル基;ニ
トロ基;フエニル基,トルイル基等の炭素数6〜10の
アリール基,フエニルエチル基,フエニルプロピル基等
の炭素数7〜9のアラルキル基等が挙げられる。
【0053】これら置換基の好ましい例としては、ハロ
ゲン原子,ヒドロキシ基,炭素数1〜4のアルキル基,
炭素数1〜4のアルコキシ基,炭素数2〜10のアルコ
キシカルボニル基,炭素数7〜9のアラルキル基または
炭素数6〜10のアリール基である。
【0054】本発明における前記一般式〔I〕において
Xは、酸素原子(−0−),基>N−R2,基>N−A1
−B1−(A2m−(B2n−R3,基>N−A3−A4
または 基>N−A3−R4を示す。
【0055】一般式〔I〕において、
【0056】
【化22】
【0057】が置換基を有していてもよい7−ノルボル
ニリデン基またはビシクロ〔3.3.1〕9−ノニリデ
ン基であり且つXが基>N−A1−B1−(A2m−(B
2n−R3,基>N−A3−A4または基>N−A3
4,特に基>N−A3−R4または基>N−A1−B1
(A2m−(B2n−R3(但し、R3はハロゲン原子,
シアノ基およびニトロ基よりなる群から選ばれた1〜3
個の原子又は基で置換されていてもよい炭素数1〜10
のアルキル基である)であるのが、得られる化合物のフ
ォトクロミック性の耐久性の点からより好ましい。
【0058】一般式〔I〕中のXが、上記した基>N−
1−B1−(A2m−(B2n−R3 がナフチル基また
はナフチルアルキル基である場合、および基>N−A3
−A4で場合は、R3又はR4で示されるナフチル基とイ
ミド基(>N−)との間にはさまれた主鎖の原子数が3
〜7個の範囲であることが、フォトクロミック作用の耐
久性に優れた化合物が得られるために好ましい。
【0059】次に、上記XにおけるR2,R3,R4
1,A2,A3,A4,B1,B2,m およびnの定義に
ついて詳細説明する。
【0060】R2 は、水素原子,アルキル基またはアリ
ールを示し、該アルキル基としては、例えばメチル基,
エチル基,プロピル基,n−,iso− またはter−ブチル
基,ペンチル基,ヘキシル基,オクチル基,デシル基な
どが挙げられるが、これらの中で炭素数1〜20のも
の、さらに炭素数が1〜10のものが好ましい。また該
アリール基としては、例えばフエニル基,トリル基また
はナフチル基等の炭素数6〜10のものがあげられる。
【0061】A1,A2 およびA3は、互いに同一であっ
てもよく異なっていてもよく、アルキレン基,アルキリ
デン基,シクロアルキレン基またはアルキルシクロアル
カン−ジイル基であることができる。これらの具体例と
しては、例えば、メチレン基,エチレン基,プロピレン
基,ブチレン基,トリメチレン基,テトラメチレン基ま
たは2,2−ジメチルトリメチレン基などの炭素数1〜
10のアルキレン基;エチリデン基,プロピリデン基ま
たはイソプロピリデン基などの炭素数2〜10のアルキ
リデン基;シクロヘキシレン基の如き炭素数3〜10の
シクロアルキレン基;2−メチルシクロヘキサン−α,
1−ジイル基
【0062】
【化23】
【0063】4−メチルシクロヘキサン−α,1−ジイ
ル基
【0064】
【化24】
【0065】の如き炭素数6〜10のアルキルシクロア
ルカン−ジイル基が挙げられる。A1およびA2 として
は、特に炭素数1〜6のアルキレン基,炭素数2〜6の
アルキリデン基,炭素数3〜6のシクロアルキレン基,
炭素数6〜7のアルキルシクロアルカン−ジイル基が好
ましい。
【0066】B1およびB2は、互いに同一であってもよ
く、また異なっていてもよく、下記群の7つの結合基か
ら選ばれる。
【0067】
【化25】
【0068】mおよびnは、それぞれ独立して0または
1を示すが、0を示すときは−(A2m−または−(B
2n−は、結合手を意味する。また、mが0の時はnも
0を表す。
【0069】R3 は、それぞれ置換基を有していてもよ
いアルキル基,ナフチル基またはナフチルアルキル基を
示す。上記のアルキル基の炭素数は特に制限されない
が、1〜10であることが好ましく、また、ナフチルア
ルキル基のアルキル基の炭素数は1〜4が好ましい。
【0070】上記した各基の置換基は特に制限されない
が、上記アルキル基は、ハロゲン原子,シアノ基および
ニトロ基よりなる群から選ばれた1〜3個の原子または
基で置換されていてもよく、また上記ナフチル基または
ナフチルアルキル基はハロゲン原子,シアノ原子,ニト
ロ基,炭素数1〜3のアルキルアミノ基,炭素数1〜3
のアルキル基及び炭素数1〜3のアルコキシ基よりなる
群から選ばれた1〜3個の原子または基で置換されてい
てもよい。上記のR3 で示されるアルキル基としては、
前記R2 において例示したアルキル基と同様のものを使
用することができる。またナフチルアルキル基として
は、ナフチルメチル基,ナフチルエチル基,ナフチルプ
ロピル基またはナフチルブチル基等を挙げることができ
る。
【0071】A4 は、置換基を有してしてもよいナフチ
ル基を示す。置換基の種類は特に制限されないが、該ナ
フチル基はハロゲン原子,シアノ基,ニトロ基,炭素数
1〜3のアルキルアミノ基,炭素数1〜3のアルキル基
および炭素数1〜3のアルコキシ基よりなる群から選ば
れた1〜3個の原子または基で置換されていてもよい。
またR4はハロゲン原子,シアノ基またはニトロ基を表
わす。
【0072】前記したR3およびA4の定義において、ハ
ロゲン原子としてはフッ素,塩素または臭素を挙げるこ
とができる。
【0073】本発明において、好適に使用できる前記一
般式〔I〕で示される化合物を示すと、次のような化合
物を例示することができる。
【0074】(1)6,7−ジヒドリド−N−メトキシ
カルボニルメチル−4−メチルスピロベンゾ〔5,6−
b〕チオフェンジカルボキシイミド−7,7’−ビシク
ロ〔2.2.1〕ヘプタン (2)N−シアノメチル−6,7−ジヒドリド−4−メ
チルスピロベンゾ〔5,6−b〕チオフェンジカルボキ
シイミド−7,7’−ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン (3)2−ブロモ−6,7−ジヒドリド−4−メチル−
N−(β−ナフチルエチル)スピロベンゾ〔5,6−
b〕チオフェンジカルボキシイミド−7,9’−ビシク
ロ〔3.3.1〕ノナン (4)2−ブロモ−6,7−ジヒドリド−4−メチルス
ピロベンゾ〔5,6−b〕チオフェンジカルボキシアン
ハイドライド−7,9’−ビシクロ〔3.3.1〕ノナ
ン (5)N−クロロメチル−3−メトキシ−6−メチル−
8,9−ジヒドリドスピロジベンゾ〔5,6−b:d〕
チオフェンジカルボキシイミド−7,7’−ビシクロ〕
〔2.2.1〕ヘプタン (6)N−アセトニル−6,7−ジヒドリド−2,4−
ジフェニルスピロベンゾ〔5,6−b〕チオフェンジカ
ルボキシイミド−7,7’−ビシクロ〔2,2,1〕ヘ
プタン (7)1’−クロロ−N−(3−オキソブチル−2−イ
ル)−6,7−ジヒドリド−4−フェニルスピロベンゾ
〔5,6−b〕チオフェンジカルボキシイミド−7,
7’−ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン (8)N−シアノメトキシメチル−1’,4’−ジクロ
ロ−4,5−ジヒドリド−7−メチルスピロベンゾ
〔6,5−b〕チオフェンジカルボキシイミド−7,
7’−ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン (9)N−(5−シアノ−3,3−ジメチル−2−オキ
ソペンチル)−7,8−ジヒドリド−1’−メトキシ−
5−メチルスピロジベンゾ〔5,6−b:d〕フランジ
カルボキシイミド−7,7’−ビシクロ〔2.2.1〕
ヘプタン (10)N−(N−メチル−3−オキソヘキシル)−
6,7−ジヒドリド−1,1’,4−トリメチルスピロ
インドール−7,7’−ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタ
ン (11)N−(2−メチルシアノエチル)−1’−ブチ
ル−3,4−ジヒドリド−5,7−ジメトキシ−1−フ
ェニルスピロナフタレンジカルボキシイミド−4,7’
−ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン (12)N−シアノメチル−6,7−ジヒドリド−4−
メチルスピロベンゾ〔5,6−b〕チオフェンジカルボ
キシイミド−7,7’−ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタ
ン (13)1−フェニル−3,4−ジヒドリド−5,7−
ジメトキシ−N−(α−ナフチルメチル)スピロナフタ
レンジカルボキシイミド−7,7’−ビシクロ〔2.
2.1〕ヘプタン (14)3,4−ジヒドリド−1−メチル−N−(β−
ナフチルメチル)スピロジベンゾ〔5,6−b:d〕チ
オフェンジカルボキシイミド−7,7’−ビシクロ
〔2.2.1〕ヘプタン (15)2−ブロモ−3,4−ジヒドリド−7−メチル
スピロベンゾ〔6,5−b〕チオフェンジカルボキシア
ンハイドライド−4,9−ビシクロ〔3.3.1〕ノナ
ン (16)7,8−ジヒドリド−9−エチル−3,3’,
5−トリメチルカルバゾ−ルジカルボキシアンハイドラ
イド−8,9’−ビシクロ〔3.3.1〕ノナン(1
7)8,9−ジヒドリド−N−(p−メチルフェニル)
−6−メチルスピロジベンゾ〔5,6−b:d〕チオフ
ェンジカルボキシイミド−7,9’−ビシクロ〔3.
3.1〕ノナン (18)N−エチル−3,4−ジヒドリド−1−メチル
−5,6,7−トリメトキシスピロナフタレンジカルボ
キシイミド−4,9’−ビシクロ〔3.3.1〕ノナン (19)6,7−ジヒドリド−4−(2−フリル)−2
−メチル−5’−フェニルスピロベンゾ〔5,6−b〕
チオフェンジカルボキシアンハイドライド−7,9’−
ビシクロ〔3.3.1〕ノナン 本発明の前記した一般式〔I〕で示される化合物は、一
般に常温で淡黄色の固体として存在し、また一般に次の
(a)〜(c)のような手段で一般式〔I〕の化合物で
あることを確認できる。
【0075】(a)プロトン核磁気共鳴スペクトル(
H−NMR)を測定することにより、分子中に存在する
プロトンの種類と個数を知ることができる。すなわち、
δ7〜8ppm付近にアロマティックなプロトンに基づく
ピーク,δ1.2〜2.5ppm付近に7−ノルボルニリデ
ン基又は、ビシクロ〔3.3.1〕9−ノニリデン基に
由来するプロトンに基づく幅広いピーク,δ1.2〜4.
0ppm付近にR1がアルキル基の場合に該アルキル基に基
づくピークが現れる。また、それぞれのδピーク強度を
相対的に比較することにより、それぞれの結合基のプロ
トンの数を知ることができる。
【0076】(b)元素分析によって炭素,水素,窒
素,イオウ,ハロゲンの各重量%を求めることができ
る。さらに、認知された各元素の重量%の和を100か
ら減ずることにより、酸素の重量%を算出することがで
きる。従って、相当する生成物の組成を決定することが
できる。
【0077】(c)13C−核磁気共鳴スペクトル(13
−NMR)を測定することにより、分子中に存在する炭
素の種類を知ることができる。δ27〜52ppm 付近に
7−ノルボルニリデン基,又は、ビシクロ〔3.3.
1〕9−ノニリデン基の炭素に由来するピーク,δ15
〜35ppm付近にR1がアルキル基の場合に該アルキル基
の炭素に基づくピーク,δ110〜150ppm 付近に芳
香族炭化水素基又は不飽和複素環基の炭素に基づくピー
ク,δ160〜170ppm 付近に>C=0の炭素に基づ
くピークが現れる。
【0078】本発明の前記一般式〔I〕の化合物は、如
何なる方法により製造されたものでもよく、その製造方
法の種類を問わない。しかし以下に好ましく且つ代表的
な方法を説明するが、本発明はそれらの方法に限定を受
けるものではない。
【0079】プロセスA;このプロセスAは、下記一般
式〔II〕
【0080】
【化26】
【0081】(式中
【0082】
【化27】
【0083】
【化28】
【0084】およびR1は、前記一般式〔I〕における
定義と同じ)で表わされる化合物を環化させるか、或い
は前記一般式〔II〕で表わされる化合物と下記一般式
〔III−a〕,〔III−b〕,〔III−c〕または〔III−
d〕、 H2N−R2 〔III−a〕 H2N−A1−B1−(A2m−(B2n−R3 〔III−b〕 H2N−A3−A4 〔III−c〕 H2N−A3−R4 〔III−d〕 (式中 R2,R3,R4,A1,A2,A3,A4,B1,B
2,m およびnは、前記一般式〔I〕における定義と同
じ)で表わされるアミン化合物とを反応せしめ、次いで
環化せしめることを特徴とする下記一般式〔I〕
【0085】
【化29】
【0086】(式中
【0087】
【化30】
【0088】
【化31】
【0089】R1およびXは、前記一般式〔I〕におけ
る定義と同じ)で表わされる化合物の製造方法である。
【0090】このプロセスAにおいて、上記一般式〔I
I〕の酸無水物を環化反応に供することによって、本発
明における一般式〔I〕においてXが酸素原子に相当す
る化合物が得られる。また前記一般式〔II〕の酸無水物
と上記〔III−a〕〜〔III−d〕のアミン化合物を反応
させ、次いで環化反応を行うことによって、Xが酸素原
子以外のイミド環を有する本発明の目的とする一般式
〔I〕の化合物を得ることができる。
【0091】このプロセスAにおける反応は、溶媒中で
行うのが好ましく、その溶媒としては、非プロトン系極
性溶媒例えばN−メチルピロリドン,ジメチルホルムア
ミド,テトラヒドロフラン,1,4−ジオキサンなどが
挙げられる。
【0092】上記一般式〔II〕の酸無水物を直接環化さ
せる場合、或いはこの酸無水物と上記アミン化合物を反
応させた後環化させる場合、いずれの場合の環化反応も
同じ条件で実施することができる。この環化反応は、例
えば160〜220℃の温度に加熱するか、この加熱と
紫外線照射を組み合わせるか、或いはルイス酸触媒と接
触させる方法が好適に採用される。ルイス酸触媒として
は、公知の化合物、例えばSnCl4,TiCl4,Sb
Cl5,AlCl3等が何ら制限なく使用し得る。ルイス
酸触媒の使用量も特に制限されないが、環化反応を行う
べき化合物1モルに対して、通常0.001〜1モルの
範囲で用いることが好ましい。
【0093】また、プロセスAにおいて、一般式〔II〕
の酸無水物と一般式〔III−a〕〜〔III−d〕のアミン
化合物とを反応させる場合、その反応割合は広い範囲か
ら採用されるが、一般にはモル比で1:10〜10:
1、好ましくは1:5〜5:1の範囲が好適である。
【0094】上記の反応は、通常は温度が25〜160
℃,時間が1〜24時間の条件で行われる。反応終了
後、溶媒を除去し、塩化アセチルや無水酢酸等の脱水剤
で脱水し、さらに得られた化合物の環化反応を前記条件
下で行なうことによって、本発明の化合物〔I〕を得る
ことができる。
【0095】上記プロセスAにおいて、出発原料として
使用される前記一般式〔II〕の酸無水物は、例えば下記
方法によって製造することができる。
【0096】すなわち、下記一般式〔IIa〕
【0097】
【化32】
【0098】(式中
【0099】
【化33】
【0100】およびR1は、前記一般式〔I〕における
定義と同じ)で表わされるカルボニル化合物と、下記一
般式〔IIb〕
【0101】
【化34】
【0102】(式中
【0103】
【化35】
【0104】は前記一般式〔I〕における定義と同じで
あり、R5およびR6は同一もしくは異なる炭素数1〜6
のアルキル基を示す。)で表わされるコハク酸ジエステ
ル誘導体とを縮合反応させ、後述する処理を行うことに
よって、前記一般式〔II〕の酸無水物を得ることができ
る。
【0105】前記縮合反応において、一般式〔IIa〕の
カルボニル化合物と前記一般式〔IIb〕のコハク酸ジエ
ステル誘導体との反応割合は、広い範囲でよいが、一般
にはモル比で、1:10〜10:1、好ましくは1:5
〜5:1の範囲である。反応は通常0℃〜110℃、好
ましくは10℃〜100℃の範囲で実施される。また、
反応は溶媒を用いて行うのが適当であり、その溶媒とし
ては、非プロトン系溶媒が望ましく、その例としては、
例えばベンゼン,ジエチルエーテル,トルエン,テトラ
ヒドロフランなどが挙げられる。
【0106】この縮合反応は、一般に水素化ナトリウ
ム,t−ブトキシド,ナトリウムエチラートなどの縮合
剤の存在下に行なわれる。かかる縮合剤は前記一般式
〔IIa〕のカルボニル化合物1モル当り、通常0.1〜
10モルの範囲で使用される。
【0107】反応終了後、得られたジカルボン酸ジエス
テルを遊離のジカルボン酸に変換する。この反応は、そ
れ自体通常知られた塩基の存在下における加水分解反応
の条件が用いられる。例えば、10%エタノール性水酸
化ナトリウム溶液を用いて、0〜80℃の温度で実施さ
れる。
【0108】かくして得られたジカルボン酸は、その自
体公知の方法に従って酸無水物とし前記一般式〔II〕の
酸無水物とすることができる。酸無水物とする反応は、
例えば無水酢酸、塩化アセチルなどの通常よく知られた
試薬を使用することによって行なわれる。
【0109】プロセスB;このプロセスBは、下記一般
式〔IV〕
【0110】
【化36】
【0111】(式中
【0112】
【化37】
【0113】
【化38】
【0114】およびR1は、前記一般式〔I〕における
定義と同じ)で表わされるイミド化合物をアルカリ金属
と反応させ、次いで下記一般式〔V−a〕,〔V−b〕,
〔V−c〕または〔V−d〕 Br−R2 〔V−a〕 Br−A1−B1−(A2m−(B2n−R3 〔V−b〕 Br−A3−A4 〔V−c〕 Br−A3−R4 〔V−d〕 (式中 R2,R3,R4,A1,A2,A3,A4,B1,B
2,m およびnは、前記一般式〔I〕における定義と同
じ)で表わされる臭素化合物とを反応せしめることを特
徴とする下記一般式〔I〕
【0115】
【化39】
【0116】(式中
【0117】
【化40】
【0118】
【化41】
【0119】R1およびXは、前記一般式〔I〕におけ
る定義と同じ。但し、Xは前記一般式〔I〕の定義の中
から酸素原子である場合を除いた基から選ばれる。)で
表わされる化合物の製造方法である。
【0120】このプロセスBで使用されるアルカリ金属
は、金属ナトリウム,金属カリウム及び金属リチウム等
が用いられる。アルカリ金属の反応比率は、一般に上記
一般式〔IV〕で示される化合物1モルに対して1.0〜
10モルの範囲から選択される。また上記一般式〔V−
a〕〜〔V−d〕で示される臭素化合物の反応比率は、
一般にアルカリ金属を反応させて得られた〔IV〕に対応
する化合物1モルに対して0.5〜10モルの範囲から
選択することが好ましい。
【0121】この反応で使用される溶媒は、前述のプロ
セスAで説明したものと同様のものが使用される。反応
温度は、通常0〜100℃の範囲を採用することが好ま
しい。
【0122】前述したプロセスAおよびプロセスBのい
ずれの方法によっても、また、これらの改変によっても
本発明の前記一般式〔I〕の化合物を得ることができ
る。
【0123】本発明における前記一般式〔I〕の化合物
は、それ自体フォトクロミック作用を有しており、その
耐久性は優れているが、紫外線安定剤と組合せることに
よって、そのフォトクロミック作用の耐久性は更に一段
と向上する。従って本発明の化合物〔I〕は実用に供す
る場合、公知の紫外線安定剤と混合して併用しても良
い。
【0124】本発明の上記一般式〔I〕で示される化合
物は、トルエン,クロロホルム,テトラヒドロフラン等
の一般の有機溶媒に良く溶ける。このような溶媒に一般
式〔I〕で示される化合物を溶かしたとき、一般に溶媒
はほぼ無色透明であり、太陽光あるいは紫外線を照射す
ると発色し、光を遮断すると速やかに元の無色にもどる
良好な可逆的なフォトクロミック作用を呈する。このよ
うな一般式〔I〕の化合物におけるフォトクロミック作
用は、高分子固体マトリックス中でも起こり、可逆スピ
ードは秒のオーダーである。かかる対象となる高分子マ
トリックスを形成する高分子重合体としては、本発明の
一般式〔I〕で示される化合物が均一に分散するもので
あればよく、光学的に好ましくは、例えばポリアクリル
酸メチル,ポリアクリル酸エチル,ポリメタクリル酸メ
チル,ポリメタクリル酸エチル,ポリスチレン,ポリア
クリロニトリル,ポリビニルアルコール,ポリアクリル
アミド,ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト),ポリジメチルシロキサン,ポリカーボネート,ポ
リ(アリルジグリコールカーボネート)などのポリマ
ー、あるいはこれらのポリマーの原料となるモノマー相
互または該モノマーと他のモノマーとを共重合してなる
ポリマーなどが好適に用いられる。高分子重合体の分子
量は特に制限されるものではないが、通常500〜50
0,000の範囲から選択される。
【0125】前記した高分子重合体中に分散させる本発
明の一般式〔I〕の化合物の添加量は、一般には高分子
重合体100重量部に対して0.001〜70重量部、
好ましくは0.005〜30重量部、特に好ましくは0.
1〜15重量部の範囲である。また前記した紫外線安定
剤を高分子重合体中へ混合して使用する場合、その量
は、前記した一般式〔I〕の化合物と紫外線安定剤との
配合割合の範囲を維持するのが望ましい。
【0126】本発明の一般式〔I〕の化合物におけるフ
ォトクロミック作用は、従来公知のフルギド化合物に比
較して、耐久性に優れる外、着色型から無色型への退色
速度がより向上している。
【0127】従って、本発明の化合物はフォトクロミク
材として広範囲に利用でき、例えば、銀塩感光材に代る
各種の記憶材料,複写材料,印刷用感光体,陰極線管用
記録材料,レーザー用感光材料,ホログラフィー用感光
材料などの種々の記録材料として利用できる。その他、
本発明の化合物を用いたフォトクロミック材は、フォト
クロミックレンズ材料,光学フイルター材料,ディスプ
レー材料,光量計,装飾などの材料としても利用でき
る。例えば、フォトクロミックレンズに使用する場合に
は、均一な調光性能が得られる方法であれば特に制限が
なく、具体的に例示するならば、本発明のフォトクロミ
ック材料を均一に分散してなるポリマーフイルムをレン
ズ中にサンドウイッチする方法、あるいは、この化合物
を例えばシリコーンオイル中に溶媒して150〜200
℃で10〜60分かけてレンズ表面に含浸させ、さらに
その表面を硬化性物質で被覆し、フォトクロミックレン
ズにする方法などがある。さらに、上記ポリマーフイル
ムをレンズ表面に塗布し、その表面を硬化性物質で被覆
し、フォトクロミックレンズにする方法などもある。さ
らに又、本発明のフォトクロミック化合物をあらかじめ
有機レンズを形成しうるモノマー中へ分散させ、次いで
重合硬化させてフォトクロミックレンズとすることも出
来る。
【0128】
【発明の効果】本発明の一般式〔I〕に示した化合物
は、高分子固体マトリックス中で、そのマトリックスの
種類にほとんど影響を受けず、一般的状態では安定な無
色を呈しているが、紫外線の照射を受けると直ちに発色
し、紫外線の照射をやめると従来公知のフルギド化合物
より速い速度で退色する。またこれらの変色の耐久性も
良好であり極めて有用である。
【0129】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0130】実施例1 下記式の3−チエニルエチリデン−7−ノルボルニリデ
ンこはく酸無水物 3.0g(0.01mol)
【0131】
【化42】
【0132】と下記式のグリシン−メチルエステル1
7.8g(0.02mol)
【0133】
【化43】
【0134】をトルエンに溶解し、窒素雰囲気下で50
℃で2時間加熱した。反応後、溶媒を除去して塩化アセ
チルに溶解し、1時間還流し環化した。得られた化合物
をo−ジクロルベンゼン中で6時間還流することによ
り、下記のフルギミド化合物(1)に転位した。この化
合物は、溶離液としてベンゼンとエーテルを用いてシリ
カゲル上でのクロマトグラフイーにより精製され、クロ
ロホルム及びヘキサンからの淡黄色針状結晶として25
%の収率で得られた。この化合物の元素分析値はC6
4.31%,H5.67%,N3.72%,O17.4%,
S8.62% であって、C2O214NSに対する計算
値であるC64.67%,H5.66%,N3.77%,
O17.2%,S8.65%に極めてよく一致した。また
プロントン核磁気共鳴スペクトル(図1)を測定したと
ころ、δ7.0〜8.0ppm 付近にアロマティックなプロ
トンに基づく2Hのピーク,δ2.7ppm に>C−CH3
結合のプロトンに基づく3Hのピーク,δ3.7ppm付近
【0135】
【化44】
【0136】結合のメチル基のプロトンに基づく3Hの
ピーク,δ1.2〜2.5ppm に7−ノルボルニリデン基
のプロトンに基づく10Hのピーク,δ3〜5ppm に1
−5転位したプロトンと>N−CH2−結合に基づく3
Hのピークを示した。
【0137】さらに13C−核磁気共鳴スペクトル(13
−NMR)を測定したところ、δ27〜70ppm 付近に
7−ノルボルニリデン基の炭素とメチレン鎖の炭素に基
づくピーク,δ15.6ppm 付近にメチル基の炭素に基
づくピーク,δ110〜160ppm 付近にチオフエン環
の炭素に基づくピーク,δ160〜170ppm 付近に>
C=O結合の炭素に基づくピークが現れる。
【0138】上記の結果から、単離生成物は、下記の構
造式で示されるフルギミド化合物(1)であることを確
認した。
【0139】
【化45】
【0140】実施例2 下記式のフルギミド化合物3.0g(0.01mol)
【0141】
【化46】
【0142】をテトラヒドロフランに溶解し、これに金
属カリウム1gを室温で反応させ、下記式のイミドカリ
2.7を得た。
【0143】
【化47】
【0144】これと下記式のブロモアセトニトリル1.
2g(0.01mol) BrCH2CN をジメチルホルムアミド中で反応させることにより、下
記のフルギミド化合物(2)を得た。この化合物は、溶
離液としてクロロホルムとヘキサンを用いてシリカゲル
上でのクロマトグラフイーにより精製され、ヘキサンか
らの淡黄色結晶として55%の収率で得られた。この化
合物の元素分析値は C67.41%,H5.30%,N
8.31%,O9.49%,S9.48%であって、C19
1822Sに対する計算値である C67.44%,H
5.32%,N8.28%,O9.46%,S9.49%に
極めてよく一致した。また、プロトン核磁気共鳴スペク
トルを測定したところ、δ7.0〜7.5ppm 付近にチオ
フエン環のプロトンに基づく2Hのピーク,δ4.5ppm
付近に>N−CH2CN結合のプロトンに基づく2Hの
ピーク,δ3.7ppm 付近に1−5転位したプロトンに
基づく1Hのピーク,δ2.7ppm 付近に−CH3結合の
プロトンに基づく3Hのピーク,δ1.3〜2.5ppm 付
近に−CH2−結合のプロトンと 7−ノルボルニリデン
基に基づくプロトンの12Hのピークを示した。
【0145】さらに13C−核磁気共鳴スペクトル(13
−NMR)を測定したところ、δ27〜70ppm 付近に
7−ノルボルニリデン基の炭素に基づくピーク,δ1
5.6ppm 付近にメチル基の炭素に基づくピーク,δ1
10〜160ppm付近にチオフエン環の炭素に基づくピ
ーク,δ160〜170ppm 付近に>C=O結合の炭素
に基づくピークが現われる。
【0146】上記の結果から、単離生成物は下記の構造
式で示されるフルギミド化合物(2)であることを確認
した。
【0147】
【化48】
【0148】実施例3
【0149】
【化49】
【0150】上記のフルギド化合物4.1g(0.01m
ol)と下記式の2−ナフチルエチルアミン3.5g
(0.02mol)
【0151】
【化50】
【0152】をトルエンに溶解し、窒素雰囲気下で50
℃で2時間加熱した。反応後、溶媒を除去して塩化アセ
チルに溶解し、1時間還流し環化した。得られた化合物
をo−ジクロルベンゼン中で6時間還流することによ
り、下記のフルギド化合物(3)に転位した。この化合
物は、溶離液としてベンゼンとエーテルを用いてシリカ
ゲル上でのクロマトグラフイーにより精製され、クロロ
ホルム及びヘキサンからの黄色針状結晶として22%の
収率で得られた。この化合物の元素分析値は、C66.
51%,H5.32%,Br14.23%,N2.52%,
O5.70%,S5.71%であって、C3130BrNO2
S に対する計算値である C66.43%,H5.36
%,Br14.27%,N2.50%,O5.71%,S
5.73%に極めてよく一致した。また、プロトン核磁
気共鳴スペクトルを測定したところ、δ7.0〜8.0pp
m 付近にアロマティックなプロトンに基づく8Hのピー
ク,δ3.8ppm付近に1−5転位したプロトンと>N−
CH2−のプロトンに基づく3Hのピーク,δ2.7ppm
付近に>C−CH3結合のプロトンに基づく3Hのピー
ク,δ1.3〜2.5ppm 付近に−CH2−結合のプロト
ンとビシクロ〔3.3.1〕9−ノニリデンに基づく1
8Hのピークが現われる。
【0153】さらに13C−核磁気共鳴スペクトル(13
−NMR)を測定したところ、δ27〜52ppm 付近に
ビシクロ〔3.3.1〕9−ノニリデン基の炭素とメチ
レン鎖の炭素に基づくピーク,δ15.6ppm付近にメチ
ル基の炭素に基づくピーク,δ110〜160ppm 付近
にチオフエン環の炭素とナフタレン環の炭素に基づくピ
ーク,δ160〜170ppm 付近に>C=O結合の炭素
に基づくピークが現われる。 上記の結果から、単離生
成物は、下記の構造式で示されるフルギミド化合物
(3)である事を確認した。
【0154】
【化51】
【0155】実施例4 実施例3の2−ナフチルエチルアミンにかえて、NH3
を用いた以外は実施例3と同様にして下記の構造式のフ
ルギミド化合物を得た。
【0156】
【化52】
【0157】この化合物6g(0.015mol) をテ
トラヒドロフランに溶解し金属ナトリウムを室温で反応
させ、下記式のイミドナトリウム5gを得た。
【0158】
【化53】
【0159】これと下記の2−ナフトキシ酢酸−2−ブ
ロモエチルエステル
【0160】
【化54】
【0161】2g(0.01mol) をジメチルホルム
アミド中で反応させる事により、下記のフルギミド化合
物(4)を得た。この化合物は、溶離液としてクロロホ
ルムとヘキサンを用いてシリカゲル上でのクロマトグラ
フイーにより精製され、ヘキサンからの黄色針状結晶と
して収率50%で得られた。この化合物の元素分析値は
C62.62%,H4.89%,Br12.54%,N
2.19%,O12.70%であって、C3331BrNO
5S の計算値であり、C62.56%,H4.90%,B
r12.62%,N2.21%,O12.64%に極めてよ
く一致した。またプロトン核磁気共鳴スペクトルを測定
したところ、δ7.0〜8.0ppm 付近にアロマテイック
なプロトンに基づく8Hのピーク,δ3.0〜5.0ppm
付近に−CH2−結合に基づくプロトンと1−5転位し
たプロトンに基づく7Hのピーク,δ2.7ppm付近に−
CH3結合に基づく3Hのピーク,δ1.0〜2.2ppmに
ビシクロ〔3.3.1〕9−ノニリデン基に基づく14
Hのピークを示した。
【0162】さらに13C−核磁気共鳴スペクトル(13
−NMR)を測定したところ、δ27〜52ppm付近に
ビシクロ〔3.3.1〕9−ノニリデン基の炭素とメチレン
鎖の炭素に基づくピーク,δ15.6ppm付近にメチル基
の炭素に基づくピーク,δ110〜160ppm 付近にチ
オフエン環の炭素とナフタレン環の炭素に基づくピー
ク,δ160〜170ppm 付近に>C=O結合の炭素に
基づくピークが現われる。
【0163】上記の結果から、単離生成物は下記の構造
式で示されるフルギミド化合物(4)であることを確認
した。
【0164】
【化55】
【0165】実施例5 下記式の3−チエニルエチリデン−7−ノルボルニリデ
ンこはく酸無水物 3.0g(0.01mol)
【0166】
【化56】
【0167】と下記式の2−アミノ酪酸−2−ナフチル
エチルエステル2.1g(0.02mol)
【0168】
【化57】
【0169】をトルエンに溶解し、窒素雰囲気下で50
℃で2時間加熱した。反応後、溶媒を除去して塩化アセ
チルに溶解し、1時間還流し環化した。得られた化合物
をo−ジクロルベンゼン中で6時間還流することによ
り、下記のフルギミド化合物(5)に転位した。この化
合物は、溶離液としてベンゼンとエーテルを用いてシリ
カゲル上でのクロマトグラフイーにより精製され、クロ
ロホルム及びヘキサンからの黄色針状結晶として29%
の収率で得られた。この化合物の元素分析値はC73.
48%,H6.09%,N2.61%,O11.90%,
S5.92%であって、C33334NSに対する計算値
であるC73.46%,H6.12%,N2.60%,O
11.87%,S5.95%に極めてよく一致した。ま
た、プロトン核磁気共鳴スペクトルを測定したところ、
δ7.0〜8.0ppm 付近にアロマテイックなプロトンに
基づく9Hのピーク,δ2.7ppm に>C−CH3結合の
プロトンに基づく3Hのピーク,δ0.8〜1.2ppm に
−CH2−CH3結合のメチル基のプロトンに基づく3H
のピーク,δ1.2〜2.5ppmに−CH2−結合と7−ノ
ルボルニリデン基のプロトンに基づく12Hのピーク,
δ3〜5ppm に1−5転位したプロトンと−CH2−結
合に基づく7Hのピークを示した。
【0170】さらに13C−核磁気共鳴スペクトル(13
−NMR)を測定したところ、δ27〜52ppm 付近に
7−ノルボルニリデン基の炭素とメチレン鎖の炭素に基
づくピーク,δ15.6ppm付近にメチル基の炭素に基づ
くピーク,δ110〜160ppm 付近にチオフエン環の
炭素とナフタレン環の炭素に基づくピーク,δ160〜
170ppm付近に>C=O結合の炭素に基づくピークが
現われる。
【0171】上記の結果から、単離生成物は、下記の構
造式で示されるフルギミド化合物(5)であることを確
認した。
【0172】
【化58】
【0173】実施例6 下記式のフルギミド化合物3.0g(0.01mol)
【0174】
【化59】
【0175】をテトラヒドロフランに溶解し、これに金
属カリウム1gを室温で反応させ、下記式のイミドカリ
2.6gを得た。
【0176】
【化60】
【0177】これと下記式の5−ブロモ吉草酸1−ナフ
チルエチル1.8(0.01mol)
【0178】
【化61】
【0179】をジメチルホルムアミド中で反応する事に
より、下記のフルギミド化合物(6)を得た。この化合
物は、溶離液としてクロロホルムとヘキサンを用いてシ
リカゲル上でのクロマトグラフイーにより精製され、ヘ
キサンからの黄色結晶として59%の収率で得られた。
この化合物の元素分析値はC73.55%,H6.36
%,N2.56%,O11.71%,S6.17%であっ
て、C3435NO4Sに対する計算値である C73.7
7%,H6.33%,N2.53%,O11.57%,S
5.80%に極めてよく一致した。また、プロトン核磁
気共鳴スペクトルを測定したところ、δ7.0〜8.0pp
m 付近にアロマティックなプロトンに基づく9Hのピー
ク,δ4.4ppm 付近に
【0180】
【化62】
【0181】結合のプロトンに基づく2Hのピーク,δ
3.7ppm付近に1−5転位したプロトンと>N−CH2
−結合のプロトンに基づく3Hのピーク,δ2.7ppm
付近に−CH3結合のプロトンに基づく3Hのピーク,
δ1.3〜2.5ppm 付近に−CH2−結合のプロトンと
7−ノルボルニリデン基に基づくプロトンの18Hのピ
ークを示した。
【0182】さらに13C−核磁気共鳴スペクトル(13
−NMR)を測定したところ、δ27〜52ppm 付近に
7−ノルボルニリデン基の炭素とメチレン鎖の炭素に基
づくピーク,δ15.6ppm 付近にメチル基の炭素に基
づくピーク,δ110〜160ppm 付近にチオフエン環
の炭素とナフタレン環の炭素に基づくピーク,δ160
〜170ppm 付近に>C=O結合の炭素に基づくピーク
が現われる。
【0183】上記の結果から、単離生成物は下記の構造
式で示されるフルギミド化合物(6)であることを確認
した。
【0184】
【化63】
【0185】実施例7 5−ブロモ−3−アセチルチオフエン10g(0.04
9mol) と下記式のビシクロ〔3.3.1〕9−ノ
ニリデンコハク酸ジエチル18.7g(0.064mo
l)
【0186】
【化64】
【0187】とをトルエン200ccに溶解した溶液を
調製した。次いで、水素化ナトリウム5gをトルエン2
00cc中に分散した溶液中に、上記のトルエン溶液を
液温が0℃以下になるようにして窒素気流下に3時間か
けて滴下した。滴下終了後、そのまま液温を0℃以下に
保って、10時間激しく攪拌した。過剰の10%アルコ
ール性水酸化カリウム溶液で加水分解した後、塩酸によ
る酸性化によって得られたジカルボン酸を塩化アセチル
100ccで処理し、シリカゲル上でのクロマトグラフ
イーにより精製することにより、下記式のフルギド化合
物11.3gを得た。
【0188】
【化65】
【0189】得られた化合物をo−ジクロロベンゼン中
で8時間還流することにより、下記のフルギド化合物
(7)に転位した。
【0190】
【化66】
【0191】この化合物は、溶離液としてベンゼン−エ
ーテルを用いてシリカゲル上でのクロマトグラフイーに
より精製され、クロロホルム及びヘキサンからの黄色針
状結晶として37%の収率で得られた。この化合物の元
素分析値は、C55.11%,H4.63%,S7.91
%およびBr19.52%であって、C19193SBr
に対する計算値である C56.02%,H4.67%,
S7.89%およびBr19.63% を極めてよく一致
した。また、プロトン核磁気共鳴スペクトルを測定した
ところ、δ7.2ppm付近にチオフエン環のプロトンに基
づく1Hのピーク,δ4.0ppm付近に1−5転位した1
Hのピーク,δ2.6ppm付近に>C−CH 3結合のプロ
トンに基づく3Hのピーク,δ1.2〜2.5ppm付近に
ビシクロ〔3.3.1〕9−ノニリデン基のプロトンに
基づく14Hの幅広いピークを示した。
【0192】さらに、13C−核磁気共鳴スペクトル(13
C−NMR)を測定したところ、δ27〜52ppm 付近
にビシクロ〔3.3.1〕9−ノニリデン基の炭素に基
づくピーク,δ15.6ppm付近にメチル基の炭素に基づ
くピーク,δ110〜160ppm付近にチオフエン環の
炭素に基づくピーク,δ160〜170ppm付近にC=
O結合の炭素に基づくピークが現われる。
【0193】上記の結果から、単離生成物は上記の構造
式(7)で示される化合物であることを確認した。
【0194】実施例8 実施例1〜7と同様にして、表1に示した原料から各種
のフルギド化合物又はフルギミド化合物を合成した。
【0195】得られた化合物について、それぞれ実施例
1〜7と同様に元素分析,プロトン核磁気共鳴スペクト
ル及び13C−核磁気共鳴スペクトルを測定した結果か
ら、表1に示す構造式(8)〜(100)で示される化
合物を確認した。なお、表2にこの化合物の元素分析
値、各化合物の構造式から求めた計算値、および赤外吸
収スペクトルの特性吸収を示した。
【0196】
【表1】
【0197】
【表2】
【0198】
【表3】
【0199】
【表4】
【0200】
【表5】
【0201】
【表6】
【0202】
【表7】
【0203】
【表8】
【0204】
【表9】
【0205】
【表10】
【0206】
【表11】
【0207】
【表12】
【0208】
【表13】
【0209】
【表14】
【0210】
【表15】
【0211】
【表16】
【0212】
【表17】
【0213】
【表18】
【0214】
【表19】
【0215】
【表20】
【0216】
【表21】
【0217】
【表22】
【0218】
【表23】
【0219】
【表24】
【0220】
【表25】
【0221】
【表26】
【0222】
【表27】
【0223】
【表28】
【0224】
【表29】
【0225】
【表30】
【0226】
【表31】
【0227】
【表32】
【0228】
【表33】
【0229】
【表34】
【0230】
【表35】
【0231】
【表36】
【0232】
【表37】
【0233】
【表38】
【0234】実施例9 実施例1〜8で製造した製造式(1)〜(100)で示
される化合物 0.5重量部をポリメタクリル酸メチル1
0重量部及びベンゼン100重量部を用いて溶媒分散さ
せ、スライドグラス(11.2×3.7cm)上でキヤス
トフイルムをつくった。このフイルムの厚みは0.1m
mになるようにした。このフォトクロミックフイルムに
スガ試験機株式会社製のキセノンロングライフフエード
メーターFAL−25AX−HC(出力:2.5k.
w.,光源:キセノン・ロングライフ・アークランプ)
によりキセノン光を照射し、初期発色濃度(吸光度),
最大吸収波長(λmax)及びJIS L0843,J
ISB 7754に準じて疲労寿命(T1/2)を測定
した。
【0235】T1/2は上記のフイルムをフエードメー
ターに照射したとき、発色濃度が初期値の半分に減衰す
るのに要する時間として定義される。
【0236】さらに、上記と同様にして作成したキヤス
トフイルムの退色速度を次のようにして求めた。キヤス
トフイルムに東芝(株)製の水銀ランプSHL−100
を20℃±1℃,距離10cmで60秒間照射した。そ
の後、照射をやめ、(株)日立製作所製分光光度計22
0Aを用いて測定したキヤストフイルムの吸光度の変化
により退色速度を求めた。退色速度は、60秒間の光照
射後、上記のキヤストフイルムの吸光度が、{(60秒
間の光照射直後の最大吸収波長におけるキヤストフイル
ム吸光度)−(最大吸収波長における未照射のキヤスト
フイルムの吸光度)}の1/2まで低下するのに要する
時間で表わした。結果を表3に示した。なお比較のため
に下記の(X),(Y)及び(Z)で示される化合物に
ついても同様にフイルムを作成し、疲労寿命および退色
速度を測定した。
【0237】
【化67】
【0238】
【化68】
【0239】
【化69】
【0240】
【表39】
【0241】
【表40】
【0242】
【表41】
【0243】
【表42】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1で得られた化合物の 1H−核
磁気共鳴スペクトルのチャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C07D 307/92 C07D 307/92 471/04 102 471/04 102 487/04 137 487/04 137 491/052 491/052 491/107 491/107 493/04 101 493/04 101A C09K 9/02 C09K 9/02 B (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 495/04 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I) 【化1】 {式中 【化2】 は、それぞれ置換基を有していてもよい2価の芳香族炭
    化水素基または2価の不飽和複素環基 R1 は、それぞれ置換基を有していてもよい1価の炭化
    水素基または1価の複素環基 【化3】 は、それぞれ置換基を有していてもよい7−ノルボルニ
    リデン基またはビシクロ〔3.3.1〕9−ノニリデン
    基 Xは、酸素原子 基>N−R2 基>N−A1−B1−(A2m−(B2n−R3 基>N−A3−A4 または 基>N−A3−R4 を示す (ここで、R2 は、水素原子、アルキル基またはアリー
    ル基、A1,A2 およびA3は、同一もしくは異なり、ア
    ルキレン基,アルキリデン基,シクロアルキレン基また
    はアルキルシクロアルカン−ジイル基、B1およびB
    2は、同一もしくは異なり、 【化4】 mおよびnは、それぞれ独立して0または1を示すが、
    mが0の時はnは0であるR3 は、それぞれ置換基を有
    していてもよいアルキル基,ナフチル基またはナフチル
    アルキル基、A4は、置換基を有していてもよいナフチ
    ル基、R4は、ハロゲン原子,シアノ基またはニトロ基
    を示す)}で表される化合物。
  2. 【請求項2】請求項1記載の化合物よりなるフォトクロ
    ミック材。
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