JP3157954B2 - スピロオキサジン化合物及びその用途 - Google Patents

スピロオキサジン化合物及びその用途

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、太陽光もしくは水銀灯
の光のような紫外線を含む光の照射で着色した形態に変
化し、その変化が可逆的で優れた耐久性を示す新規なス
ピロオキサジン化合物及びその用途に関する。
【0002】
【従来の技術】フォトクロミズムとは、ここ数年来注目
をひいてきた現象であって、ある化合物に太陽光あるい
は水銀灯の光のような紫外線を含む光を照射すると速や
かに色が変わり、光の照射をやめて暗所におくと元の色
にもどる可逆作用のことである。この性質を有する化合
物はフォトクロミック化合物と呼ばれ、従来から色々な
化合物が合成されてきたが、その構造には特別な共通性
は認められない。
【0003】特開昭61−228402号公報には、下
記式(A)
【化6】 で示されるスピロオキサジン化合物が示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この化合物は、溶液中
あるいは高分子マトリックス中においてフォトクロミッ
ク作用を示す。しかしながら、この化合物の高分子マト
リックス中におけるフォトクロミック作用は、20℃以
下では顕著であるものの、室温付近(20ないし30
℃)、さらには室温より高温域では良好ではない。
【0005】
【発明の目的】そこで、本発明の目的は、上記化合物の
フォトクロミック性を更に向上させ、室温付近、さらに
は室温より高温域において良好なフォトクロミック作用
を示す新規な化合物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するために提案されたもので、新規なスピロオキサジ
ン化合物が、室温付近では勿論のこと、高温域(30な
いし40℃)においても非常に良好なフォトクロミック
作用を示すという本発明者らによって得られた知見に基
づいて完成されたものである。
【0007】即ち、本発明によれば、下記一般式 [I]
【化7】 (但し、
【化8】 は、置換されていてもよい環の構成原子として窒素原子
を有する芳香族複素環基であり、
【化9】 は、
【化10】 又は、
【化11】 (但し、R3 は、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基
またはアルコキシ基である。)であり、R1 は、炭化水
素基またはアルコキシカルボニルアルキル基であり、R
2 は、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基またはアル
コキシ基である。)で示されるスピロオキサジン化合物
が提供される。
【0008】
【発明の具体的説明】本発明においては、上記一般式
[I]中、
【化12】 は、置換されていてもよい環の構成原子として窒素原子
を有する芳香族複素環基である。この芳香族複素環基
は、少なくとも1個の窒素原子を環の構成原子として有
する。このように芳香族複素環基が、環の構成原子とし
て窒素原子を有していない場合、得られる化合物は、本
発明のスピロオキサジン化合物の如く、室温付近あるい
は高温域において高い発色濃度を示さない。芳香族複素
環基を構成する窒素原子および炭素原子の数は、本発明
の化合物の合成の容易さから窒素原子は1ないし2個で
あることが好ましい。このような芳香族複素環基を具体
的に例示すると、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジ
ン環、ピラジン環から誘導される2価の基をあげること
ができる。
【0009】上記の芳香族複素環基は、置換基を有して
いても良い。置換基の種類は特に制限されないが、一般
的には、ハロゲン原子、炭化水素基、アルコキシ基、ニ
トロ基、シアノ基、ハロゲノアルキル基、またはアルコ
キシカルボニル基を挙げることができる。
【0010】上記のハロゲン原子は、フッ素、塩素、シ
ュウ素、ヨウ素の各原子を挙げることができる。
【0011】上記の炭化水素基は特に限定されないが、
一般には炭素数1ないし10、好ましくは1ないし4の
アルキル基、炭素数6ないし10のアリール基、炭素数
7ないし14のアラルキル基を挙げることができる。ア
ルキル基を具体的に例示すると、メチル基、エチル基、
イソプロピル基等であり、アリール基としてはフェニル
基、ナフチル基等であり、アラルキル基としてはベンジ
ル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、ナフチ
ルメチル基等を挙げることができる。
【0012】上記のアルコキシ基は特に限定されない
が、一般には炭素数1ないし10、好ましくは1ないし
4であることが好適である。具体的にはメトキシ基、エ
トキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基を挙げることがで
きる。
【0013】上記のハロゲノアルキル基中のハロゲン原
子は、フッ素、塩素、臭素等であり、アルキル基は炭素
数1ないし4のものが好適である。具体的にはトリフル
オロメチル基、トリクロロメチル基、トリブロモメチル
基等である。
【0014】また、上記のアルコキシカルボニル基は、
炭素数に特に制限されないが、一般には炭素数2ないし
12が好適である。具体的には、メトキシカルボニル
基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、
ブトキシカルボニル基等を挙げることができる。
【0015】
【化13】 は、
【化14】 又は、
【化15】 であることが、室温付近あるいはそれよりも高温域にお
いて高い発色濃度を得るために重要である。窒素原子の
位置が、上記式で示される位置以外の化合物は、室温付
近あるいはそれよりも高温域において高い発色濃度を示
さない。
【0016】前記一般式 [I]中、R1 は炭化水素基、ア
ルコキシカルボニルアルキル基である。上記の炭化水素
基は、前記
【化16】 で説明した各基が採用される。また、上記のアルコキシ
カルボニルアルキル基は、炭素数に時に制限されない
が、一般には炭素数3ないし13が好適である。具体的
には、メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニ
ルエチル基、プロポキシカルボニルプロピル基等を挙げ
ることができる。
【0017】前記一般式 [I]中、R2 およびR3 は、水
素原子、ハロゲン原子、炭化水素基またはアルコキシ基
である。上記のハロゲン原子、炭化水素基またはアルコ
キシ基は、前記
【化17】 で説明した原子又は各基が採用される。
【0018】本発明において好適に用いられるスピロオ
キサジン化合物を具体的に例示すると次のとおりであ
る。 (1) 1′−メチルジスピロ〔シクロヘキサン−1,3′
−〔3H〕−7′−アザインドール−2′(1′H),
3″−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾ
オキサジン〕 (2) 6″−ヨード−1′−メトキシカルボニルメチルジ
スピロ〔シクロヘキサン−1,3′−〔3H〕−7′−
アザインドール−2′(1′H),3″−〔3H〕ピリ
ド〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕 (3) 1′−メトキシカルボニルプロピル−4′−メチル
ジスピロ〔シクロヘキサン−1,3′−〔3H〕−6′
−アザインドール−2′(1′H),3″−〔3H〕ピ
リド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕 (4) 8″−メチル−1′−ベンジルジスピロ〔シクロヘ
キサン−1,3′−〔3H〕−6′−アザインドール−
2′(1′H),3″−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕
〔1,4〕ベンゾオキサジン〕 (5) 9″−ブロム−1′−エチルジスピロ〔シクロヘキ
サン−1,3′−〔3H〕−5′−アザインドール−
2′(1′H),3″−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕
〔1,4〕ベンゾオキサジン〕 (6) 1′−エトキシカルボニルエチル−7′−トリフル
オロメチルジスピロ〔シクロヘキサン−1,3′−〔3
H〕−5′−アザインドール−2′(1′H),3″−
〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサ
ジン〕 (7) 6′−メトキシ−1′−メチルジスピロ〔シクロヘ
キサン−1,3′−〔3H〕−4′−アザインドール−
2′〔1′H〕,3″−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕
〔1,4〕ベンゾオキサジン〕 (8) 7′−シアノ−1′−メトキシカルボニルメチルジ
スピロ〔シクロヘキサン−1,3′−〔3H〕−4′−
アザインドール−2′(1′H),3″−〔3H〕ピリ
ド〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕 (9) 5′−メトキシ−1′−メトキシカルボニルプロピ
ル−10″−メチルジスピロ〔シクロヘキサン−1,
3′−〔3H〕4′,7′−ジアザインドール−2′
(1′H),3″−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕
〔1,4〕ベンゾオキサジン〕 (10)1′−ブチル−8″−ヨードジスピロ〔シクロヘキ
サン−1,3′−〔3H〕−4′,7′−ジアザインド
ール−2′(1′H),3″−〔3H〕ピリド〔2,3
−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕 (11)10″−メトキシ−1′−(α−ナフチルメチル)
ジスピロ〔シクロヘキサン−1,3′−〔3H〕−
5′,6′−ジアザインドール−2′(1′H),3″
−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキ
サジン〕 (12)6″−ヨード−1′−メチルジスピロ〔シクロヘキ
サン−1,3′−〔3H〕−5′,6′−ジアザインド
ール−2′(1′H),3″−〔3H〕ピリド〔2,3
−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕 (13)5′−ブロム−1′−エトキシカルボニルプロピル
ジスピロ〔シクロヘキサン−1,3′−〔3H〕−
4′,6′−ジアザインドール−2′(1′H)−〔3
H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジ
ン〕 (14)1′−プロピルジスピロ〔シクロヘキサン−1,
3′−〔3H〕−4′,6′−ジアザインドール−2′
(1′H)−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕〔1,4〕
ベンゾオキサジン〕 (15)1′−ブチル−4′−メトキシジスピロ〔シクロヘ
キサン−1,3′−〔3H〕−5′,7′−ジアザイン
ドール−2′(1′H)−〔3H〕ピリド〔4,3−
f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕 (16)1′−メトキシカルボニルメチルジスピロ〔シクロ
ヘキサン−1,3′−〔3H〕−5′,7′−ジアザイ
ンドール−2′(1′H)−〔3H〕ピリド〔2,3−
f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕
【0019】本発明の上記した一般式 [I]で示される化
合物は、一般に常温常圧で無色、あるいは淡黄色の固体
または粘稠な液体として存在し、次の(イ)ないし
(ニ)のような手段で確認することができる。
【0020】(イ)プロトン核磁気共鳴スペクトル(1
H−NMR)を測定することにより、分子中に存在する
プロトンの種類と個数を知ることができる。すなわち、
δ6.5ないし9ppm付近にアロマティックなプロト
ンとオキサジン環のプロトンに基づくスペクトル、δ
1.5ppm付近にアルキル基のプロトンに基づくスペ
クトル、δ2ないし4ppm付近にR1 において窒素が
結合した炭素のプロトンに基づくスペクトルが現われ
る。また、それぞれのδスペクトル強度を相対的に比較
することにより、それぞれの結合基のプロトンの個数を
知ることができる。
【0021】(ロ)元素分析によって炭素、水素、窒
素、イオウ、ハロゲンの各重量割合を求めることができ
る。さらに、認知された各元素の重量割合の和を100
から減ずることにより、酸素の重量割合を算出すること
ができる。従って、相当する生成物の組成を決定するこ
とができる。
【0022】(ハ)13C−核磁気共鳴スペクトル(13C
−NMR)を測定することにより、分子中に存在する炭
素の種類を知ることができる。δ20ないし50ppm
付近に、1級及び2級炭素に基づくスペクトル、δ11
0ないし150ppm付近に芳香族炭化水素基又は不飽
和複素環基の炭素に基づくスペクトル、δ100ppm
付近にスピロ炭素に基づくスペクトル、δ170ppm
付近にカルボニルの炭素に基づくスペクトルが現われ
る。
【0023】(ニ)赤外吸収スペクトル(IR)を測定
することにより、分子中に存在する官能基の種類を知る
ことができる。代表的吸収として、1620cm-1付近
にC=N結合、1480cm-1付近に芳香族C−H結
合、1250cm-1付近にエーテル結合のスペクトル吸
収が現れる。本発明の一般式 [I]で示される化合物の製
造方法は、特に限定されず如何なる合成法によって得て
も良い。一般に好適に採用される代表的な方法を以下に
説明する。
【0024】下記一般式 [II]
【化18】 (但し
【化19】 は置換されていてもよい窒素原子を有する芳香族複素環
基であり、R1 は、炭化水素基またはアルコキシカルボ
ニルアルキル基である。)で示される化合物及び一般式
[III]
【化20】 (但し、
【化21】 は、
【化22】 又は、
【化23】 であり、R2 およびR3 は、それぞれ同一または異なる
水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基またはアルコキシ
基である。)で示されるニトロソ化合物を反応させる方
法である。
【0025】上記一般式 [II] で示される化合物と一般
式[III] で示される化合物との反応は、次のようにして
行なわれる。これらの2種の化合物の反応比率は、広い
範囲から採用されるが、一般には1:10ないし10:
1(モル比)の範囲から選択される。反応温度は、通常
0ないし200℃、とくに50ないし110℃が好まし
く、溶媒としては、有機溶媒、例えば、メチルアルコー
ル、エチルアルコール、N−メチルピロリドン、ジメチ
ルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トル
エン等が使用される。
【0026】本発明の上記一般式 [I]で示されるスピロ
オキサジン化合物は、トルエン、クロロホルム、テトラ
ヒドロフラン等の一般の有機溶媒に良く溶ける。このよ
うな溶媒に一般式 [I]で示されるスピロオキサジン化合
物を溶かしたとき、一般に溶液はほぼ無色透明であり、
太陽光あるいは紫外線を照射すると速やかに発色し、光
を遮断すると速やかに元の無色にもどる良好な可逆的な
フォトクロミック作用を呈する。
【0027】このような一般式 [I]の化合物におけるフ
ォトクロミック作用は、高分子固体マトリックス中でも
起こり、可逆スピードは秒のオーダーである。かかる対
象となる高分子マトリックスとしては、本発明の一般式
[I]で示されるスピロオキサジン化合物が均一に分散す
るものであればよく、光学的に好ましくは、例えばポリ
アクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリメタク
リル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリスチレ
ン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポ
リアクリルアミド、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタク
リレート)、ポリジメチルシロキサン、ポリカーボネー
ト、ポリ(アリルジグリコールカーボネート)などのポ
リマー、あるいはこれらのポリマーを形成するモノマー
相互または該モノマーと他のモノマーとを共重合してな
るポリマーなどが好適に用いられる。
【0028】本発明のスピロオキサジン化合物は、フォ
トクロミック材として広範囲に利用することができ、例
えば、銀塩感光材に代る各種の記憶材料、複写材料、印
刷用感光体、陰極線管用記憶材料、レーザー用感光材
料、ホログラフィー用感光材料などの種々の記憶材料と
して利用できる。その他、本発明のスピロオキサジン化
合物を用いたフォトクロミック材は、フォトクロミック
レンズ材料、光学フィルター材料、ディスプレイ材料、
光量計、装飾などの材料としても利用できる。例えば、
フォトクロミックレンズに使用する場合には、均一な調
光性能が得られる方法であれば特に制限がなく、具体的
に例示するならば、本発明のフォトクロミック材を均一
に分散してなるポリマーフィルムをレンズ中にサンドウ
イッチする方法、あるいは、この化合物を例えばシリコ
ーンオイル中に溶解して150ないし200℃で10な
いし60分かけてレンズ表面に含浸させ、さらにその表
面を硬化性物質で被覆し、フォトクロミックレンズにす
る方法などがあり、さらに、上記ポリマーフィルムをレ
ンズ表面に塗布し、その表面を硬化性物質で被覆し、フ
ォトクロミックレンズにする方法などが挙げられる。
【0029】
【発明の効果】本発明のスピロオキサジン化合物は、高
分子マトリックス中で室温付近(20ないし30℃)は
勿論のこと、室温より高温域(30ないし40℃)にお
いても顕著なフォトクロミック作用を示す。また、本発
明のスピロオキサジン化合物は、サーモクロミズムやソ
ルバトクロミズムによる着色が抑制されているため、紫
外線を照射しない状態ではほとんど着色していない。
【0030】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0031】<実施例1>
【化24】 2.15g(0.01mol)と、
【化25】 1.74g(0.01mol)とをエチルアルコール1
00mlに溶解し、2時間還流した。反応後、溶媒を除
去し、シリカゲル上でのクロマトグラフィーにより精製
することにより、下記式のスピロオキサジン化合物2.
2gを得た。
【化26】
【0032】この化合物の元素分析値は、C73.85
%、H6.20%、N15.59%、O4.50%であ
って、CHNOに対するC73.74%、H6.15
%、N15.64%、O4.47%に極めてよく一致し
た。また、プロトン核磁気共鳴スペクトルを測定したと
ころ、δ6.5ないし9ppm付近にキノリン環のプロ
トン、インドリン環のプロトン、オキサジン環のプロト
ンに基づく9Hのスペクトル、δ2ないし4ppm付近
に>N−CH結合のプロトンに基づく3Hのスペクトル
を示した。
【0033】さらに13C−核磁気共鳴スペクトルを測定
したところ、δ110ないし150ppm付近にインド
リンのベンゼン環、キノリン環およびオキサジン環の炭
素に基づくスペクトル、δ100ppm付近にスピロ炭
素に基づくスペクトルを示した。また、赤外吸収スペク
トル(IR)を測定したところ、1620cm-1付近に
C=N結合、1485cm-1付近に芳香族C−H結合、
1253cm-1付近にエーテル結合のスペクトル吸収が
現れた。上記の結果から単離生成物は、上記構造式で示
される化合物であることを確認した。
【0034】<実施例2ないし29> 実施例1と同様にして表1に示したスピロオキサジン化
合物を合成した。得られた生成物について、実施例1と
同様な構造確認の手段を用いて構造解析した結果、表1
ないし10に示す構造式で示される化合物であることを
確認した。また、表1ないし10にこの化合物の元素分
析値、各化合物の構造式から求めた計算値及びプロトン
核磁気共鳴スペクトルを示した。
【0035】<実施例30> 実施例1で得られたスピロオキサジン化合物をポリメタ
クリル酸メチル中にベンゼンを用いて溶解分散させ、ス
ライドグラス(11.2×3.7cm)上でキャストフ
ィルムをつくった。このフィルム中に含まれる上記化合
物の濃度は、1.0×10mol/gに調整し、厚みは
0.1mmになるようにした。このフォトクロミックフ
ィルムに東芝(株)製の水銀ランプSHL−100を3
5±1℃で距離10cmで60秒間照射し、このフィル
ムを発色させ、フォトクロミック特性を測定した。フォ
トクロミック特性は次のようなもので表わした。結果を
表11に示した。
【0036】・最大吸収波長(λ):(株)日立製作所
製の分光光度計220Aより、この発色フィルムのλm
ax(単位:nm)を求めた。 ・ε(60) :最大吸収波長における、このフ
ィルムの上記条件下での光照射60秒後の吸光度。 ・ε(0) :光照射時の最大吸収波長におけ
る、未照射フィルムの吸光度。
【0037】また、スピロオキサジン化合物として実施
例2ないし30で得られた化合物を用いた以外は、上記
と同様にしてフォトクロミックフィルムを得、その特性
を表11に示した。
【0038】さらに、比較のために、下記式
【化27】 で示される化合物の特性を表11に示した。
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1で得られた化合物のプロトン
NMRスペクトルのチャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 498/22 C09K 9/02 G02B 5/23 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式 [I] 【化1】 但し、 【化2】 は、置換されていてもよい環の構成原子として窒素原子
    を有する芳香族複素環基であり、 【化3】 は、 【化4】 又は 【化5】 (但し、R3 は、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基
    またはアルコキシ基である。)であり、R1 は、炭化水
    素基またはアルコキシカルボニルアルキル基であり、R
    2 は、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基またはアル
    コキシ基である。)で示されるスピロオキサジン化合
    物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載されたスピロオキサジン
    化合物よりなるフォトクロミック材。
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