JP2905590B2 - スピロオキサジン化合物およびその製造方法 - Google Patents

スピロオキサジン化合物およびその製造方法

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JP2905590B2 JP2301183A JP30118390A JP2905590B2 JP 2905590 B2 JP2905590 B2 JP 2905590B2 JP 2301183 A JP2301183 A JP 2301183A JP 30118390 A JP30118390 A JP 30118390A JP 2905590 B2 JP2905590 B2 JP 2905590B2
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  • Nitrogen And Oxygen Or Sulfur-Condensed Heterocyclic Ring Systems (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、太陽光もしくは水銀灯の光のような紫外線
を含む光で着色もしくは濃色した形態に変化し、その変
化が可逆的で優れた耐久性を示す新規なスピロオキサジ
ン化合物に関する。
(従来技術および発明が解決しようとする課題) フォトクロミズムとは、ここ数年来注目をひいてきた
現象であって、ある化合物に太陽光あるいは水銀灯の光
のような紫外線を含む光を照射すると速やかに色が変わ
り、光の照射をやめて暗所におくと元の色にもどる可逆
作用のことである。この性質を有する化合物は、フォト
クロミック化合物と呼ばれ従来から色々な化合物が合成
されてきたが、その構造には特別な共通性は認められな
い。
特開昭63-30487号公報には、下記式 で示されるスピロオキサジンが示されている。
また、特開昭62-33184号公報には、下記式 で示されるスピロオキサジンが示されている。
これらの化合物は溶液中あるいは高分子マトリックス
中においてフォトクロミック作用を示す。しかしなが
ら、これらのスピロオキサジン化合物の高分子マトリッ
クス中におけるフォトクロミック作用は20℃以下で顕著
であるものの、室温付近(20〜30℃)さらには室温より
高温域では良好ではない。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは上記した化合物のフォトクロミック性を
更に向上させる為に鋭意研究を重ねた結果、新規なスピ
ロオキサジン化合物の合成に成功した。
該スピロオキサジン化合物は、室温付近ではもちろん
のこと、高温域(30〜40℃)に於いても非常に良好なフ
ォトクロミック作用を示すことを見出し、本発明を完成
させるに至った。
即ち、本発明は一般式(I) で示されるスピロオキサジン化合物である。
上記一般式(I)中、 は、それぞれ同一又は異なり、置換されていてもよい芳
香族炭化水素基又は置換されていてもよい不飽和複素環
基である。芳香族炭化水素基を具体的に例示すると、ベ
ンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環、アントラ
セン環等のベンゼン環1個またはその2〜4個の縮合環
等の炭素数6〜18個の環から誘導される2価の基が挙げ
られる。また上記の芳香族炭化水素基には、多くとも5
個、好ましくは3個までの置換基が含有されていてもよ
い。このような置換基の例としては、フッ素、塩素、シ
ュウ素等のハロゲン原子;ヒドロキシル基;シアノ基;
ニトロ基;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基
等の炭素数1〜20のアルキル基;メトキシ基、エトキシ
基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜20のアル
コキシ基;フェニル基、トリル基、ナフチル基等の炭素
数6〜10のアリール基;メチルアミノ基、エチルアミノ
基等の炭素数1〜4のアルキルアミノ基;ジメチルアミ
ノ基、ジエチルアミノ基等の炭素数2〜8のジアルキル
アミノ基;トリフルオロメチル基等の炭素数1〜4のハ
ロゲノアルキル基;チエニル基、フリル基、ピロリル
基、ピリジル基等のイオウ原子、酸素原子、窒素原子を
1〜2個含む5員環または6員環の単環複素環基が置換
されていてもよい。
上記一般式(I)中、 で示される置換されていてもよい不飽和複素環基は、酸
素、イオウ、窒素原子を含む5員環、6員環、またはこ
れらにベンゼン環が縮合した複素環から誘導される2価
の基が挙げられる。具体的には、ピリジン環、キノリン
環、ピロール環、インドール環等の含窒素複素環;フラ
ン環、ベンゾフラン環等の含酸素複素環;チオフエン
環、ベンゾチオフエン環等の含イオウ複素環等から誘導
される2価の複素環基が挙げられる。
が5員環又は6員環の複素環、特にピリジン環であり、
且つ後述するR1及びR2がアルキル基又はシクロアルキル
基である場合には、高い発色濃度が得られる。
また、不飽和複素環基の置換基としては、前記した芳
香族炭化水素基の置換基が何ら制限なく採用される。
さらに、前記一般式(I)中、R1及びR2は、それぞれ
同一又は異なるアルキル基であって少なくとも1方は炭
素数2以上のアルキル基であり、または、これらが一緒
になって環を形成していてもよい。上記のアルキル基
は、特に限定されないが、一般には炭素数1〜20、好ま
しくは1〜6であることが好適である。上記のアルキル
基を具体的に例示すると、メチル基、エチル基、イソプ
ロピル基等である。また、R1とR2が一緒になって環を形
成している場合は、特に限定されないが、一般に炭素数
5〜10のシクロアルキル環、ビシクロアルキル環、トリ
シクロアルキル環が好適である。これらをより具体的に
例示すると、シクロペンチル環、シクロへキシル環、シ
クロヘプチル環、ノルボルナン環、アダマンタン環、ビ
シクロ〔3.3.1〕ノナン環から誘導される2価の基が挙
げられる。これらR1及びR2は、いずれか一方が炭素数1
以上のアルキル基であり、他方が炭素数2以上のアルキ
ル基であるか、又は、これらが一緒になって環を形成し
ていることが高温域において良好な発色濃度を示すため
に必須である。
前記一般式(I)中、R3は水素原子、炭化水素基、ア
ルコキシカルボニルアルキル基又はシアノアルキル基で
ある。上記の炭化水素基は特に限定されないが、一般に
は炭素数1〜10、好ましくは1〜4のアルキル基、炭素
数6〜10のアリール基、炭素数7〜14のアラルキル基で
ある。アルキル基を具体的に例示すると、メチル基、エ
チル基、イソプロピル基等であり、アリール基としては
フェニル基、ナフチル基等であり、アラルキル基として
はベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル
基、ナフチルメチル基等が挙げられる。アルコキシカル
ボニルアルキル基中のアルコキシ基は特に限定されない
が、一般には炭素数1〜10、好ましくは1〜4のものが
好適である。アルコキシカルボニルアルキル基中のアル
キレン基は特に限定されないが、一般には炭素数1〜1
0、好ましくは1〜4のものが好適である。アルコキシ
カルボニルアルキル基をより具体的に例示すると、メト
キシカルボニルメチル基、メトキシカルボニルエチル
基、メトキシカルボニルプロピル基、エトキシカルボニ
ルメチル基、エトキシカルボニルエチル基、エトキシカ
ルボニルブチル基、ブトキシカルボニルエチル基等であ
る。
また、上記のシアノアルキル基は特に限定されない
が、一般には炭素数1〜10、好ましくは1〜4であるこ
とが好適である。このシアノアルキル基を具体的に例示
すると、シアノメチル基、シアノエチル基、シアノプロ
ピル基等である。
前記一般式(I)中、R4およぴR5は水素原子、ハロゲ
ン原子、炭化水素基、アルコキシ基、シアノ基、ハロゲ
ノアルキル基、アミノ基、置換アミノ基又はアルコキシ
カルボニル基である。
上記の炭化水素基は特に限定されないが、前記R3につ
いて説明した炭化水素基が好適である。
上記のアルコキシ基は特に限定されないが、一般には
炭素数1〜10、好ましくは1〜4であることが好適であ
る。具体的にはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ
基、ブトキシ基を挙げることができる。上記のハロゲノ
アルキル中のハロゲン原子は、フッ素、塩素、臭素等で
あり、アルキル基は炭素数1〜4のものが好適である。
具体的にはトリフルオロメチル基、トリクロロメチル
基、トリブロモメチル基等である。
アミノ基または置換アミノ基は、一般式 で示される。上記のR6及びR7はそれぞれ同種または異種
の水素原子、アルキル基、アラルキル基またはアリール
基であることが好ましい。該アルキル基及びアラルキル
基は、前記R1及びR2で示したものと同じものが好適に使
用され、またアリール基はフェニル基、トリル基、キシ
リル基などのアリール基等が好適である。さらにまた、
R4及びR5を一般式 で示した場合、R8はテトラメチレン基、ペンタメチレン
基などのアルキレン基; −CH2OCH2CH2−、−CH2CH2OCH2CH2−、−CH2O(CH2
などのオキシアルキレン基;−CH2SCH2CH2−、−CH2S(C
H2 、−CH2CH2SCH2CH2−などのチオアルキレン基; などのアゾアルキレン基などであることが好ましい。
前記のアルコキシカルボニル基は特に限定されない
が、一般には炭素数1〜5、好ましくは1〜3であるこ
とが好適である。このアルコキシカルボニル基をより具
体的に例示すると、メトキシカルボニル基、エトキシカ
ルボニル基等が挙げられる。
本発明の上記した一般式(I)で示される化合物は、
一般に常温常圧で無色、あるいは淡黄色の固体または粘
稠な液体として存在し、次の(イ)〜(ハ)のような手
段で確認できる。
(イ)プロトン核磁気共鳴スペクトル(H1‐NMR)を測
定することにより、分子中に存在するプロトンの種類と
個数を知ることができる。
すなわち、δ6.5〜9ppm付近にアロマティックなプロ
トンに基づくピーク、δ1.2〜2.5ppm付近にR1及びR2
アルキル基のプロトンに基づくピーク、δ2〜4ppm付近
にR3の窒素が結合した炭素のプロトンに基づくピーク、
R4がアルコキシカルボニル基のときはδ2.5〜4ppm付近
にカルボニルに結合した炭素のプロトンに基づくピーク
とδ3.5〜4ppm付近に酸素に結合した炭素のプロトンに
基づくピークが現われる。また、それぞれのδピーク強
度を相対的に比較することにより、それぞれの結合基の
プロトンの個数を知ることができる。
(ロ)元素分析によって炭素、水素、窒素、イオウ、ハ
ロゲンの各重量%を求めることができる。さらに、認知
された各元素の重量%の和を100から減ずることによ
り、酸素の重量%を算出することができる。従って、相
当する生成物の組成を決定することができる。
(ハ)13C−核磁気共鳴スペクトル(13C‐NMR)を測定
することにより、分子中に存在する炭素の種類を知るこ
とができる。
δ20〜50ppm付近に、1級及び2級炭素に基づくピー
ク、δ110〜150ppm付近に芳香族炭化水素基又は不飽和
複素環基の炭素に基づくピーク、δ100ppm付近にスピロ
な炭素に基づくピーク、δ170ppm付近にカルボニルの炭
素に基づくピークが現われる。
本発明の一般式(I)で示される化合物の製造方法
は、特に限定されず如何なる合成法によって得ても良
い。一般に好適に採用される代表的な方法を以下に説明
する。
下記一般式(II) で示されるアゾリウム塩及び一般式(III) で示されるニトロソ化合物を塩基の存在下に反応させ
る方法である。
上記一般式(II)で示される化合物と一般式(III)
で示される化合物との反応は、次のようにして行なわれ
る。これらの2種の化合物の反応比率は、広い範囲から
採用されるが、一般には1:10〜10:1(モル比)の範囲か
ら選択される。反応温度は、通常0〜200℃が好まし
く、溶媒としては、極性溶媒、例えば、メチルアルコー
ル、エチルアルコール、N−メチルピロリドン、ジメチ
ルホルムアミド、テトラヒドロフラン等が使用される。
この反応は、トリエチルアミン等の第3アミンやジエチ
ルアミン、ピペリジン、ピロリジン、モルホリン等の第
2アミン等のアミン類;アルカリ金属水酸化物又はアル
カリ金属炭酸塩等の無機塩基に代表される公知の塩基の
存在下に行なわれる。その使用量は、上記一般式(II)
の化合物1モルに対して通常0.1〜10モルの範囲が好ま
しい。
本発明の上記一般式(I)で示されるスピロオキサジ
ン化合物は、トルエン、クロロホルム、テトラヒドロフ
ラン等の一般の有機溶媒に良く溶ける。このような溶媒
に一般式(I)で示されるスピロオキサジン化合物を溶
かしたとき、一般に溶液はほぼ無色透明であり、太陽光
あるいは紫外線を照射すると発色あるいは濃色に速かに
変化し、光を遮断すると速かに元の無色にもどる良好な
可逆的なフォトクロミック作用を呈する。このような一
般式(I)の化合物におけるフォトクロミック作用は、
高分子固体マトリックス中でも起こり、可逆スピードは
秒のオーダーである。かかる対象となる高分子マトリッ
クスとしては、本発明の一般式(I)で示されるスピロ
オキサジン化合物が均一に分散するものであればよく、
光学的に好ましくは、例えばポリアクリル酸メチル、ポ
リアクリル酸エチル、ポリメタクリル酸メチル、ポリメ
タクリル酸エチル、ポリスチレン、ポリアクリロニトリ
ル、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリ
(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリジメチ
ルシロキサン、ポリカーボネート、ポリ(アリルジグリ
コールカーボネート)などのポリマー、あるいはこれら
のポリマーを形成するモノマー相互または該モノマーと
他のモノマーとを共重合してなるポリマーなどが好適に
用いられる。
本発明のスピロオキサジン化合物はフォトクロミック
材として広範囲に利用でき、例えば、銀塩感光材に代る
各種の記憶材料、複写材料、印刷用感光体、陰極線管用
記録材料、レーザー用感光材料、ホログラフィー用感光
材料などの種々の記録材料として利用できる。その他、
本発明のスピロオキサジン化合物を用いたフォトクロミ
ック材は、フォトクロミックレンズ材料、光学フィルタ
ー材料、ディスプレイ材料、光量計、装飾などの材料と
しても利用できる。例えば、フォトクロミックレンズに
使用する場合には、均一な調光性能が得られる方法であ
れば特に制限がなく、具体的に例示するならば、本発明
のフォトクロミック材を均一に分散してなるポリマーフ
ィルムをレンズ中にサンドウィッチする方法、あるい
は、この化合物を例えばシリコーンオイル中に溶解して
150〜200℃で10〜60分かけてレンズ表面に含浸させ、さ
らにその表面を硬化性物質で被覆し、フォトクロミック
レンズにする方法などがある。さらに、上記ポリマーフ
ィルムをレンズ表面に塗布し、その表面を硬化性物質で
被覆し、フォトクロミックレンズにする方法がなども考
えられる。
(効果) 本発明のスピロオキサジン化合物は、高分子固体マト
リックス中で、室温付近(20〜30℃)は勿論のこと、室
温より高温域(30〜40℃)に於いても顕著なフォトクロ
ミック作用を示す。
(実施例) 以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
実施例1 下記式の化合物 2.01g(0.0059mol)と下記の化合物 1.02g(0.0059mol)とピロリジン0.43g(0.006mol)を
エチルアルコール50mlに溶解し、2時間加熱還流した。
反応後溶媒を除去し、シリカゲル上でのクロマトグラ
フィーにより精製することにより、下記式のスピロオキ
サジン化合物400mgを得た。
この化合物の元素分析植はC 81.35%、H 6.60% N 7.62
%、O 4.43%、であって、C25H24N2Oに対する計算値で
あるC 81.49%、H 6.57%、N 7.60%、O 4.34%に極め
てよく一致した。また、プロトン核磁気共鳴スペクトル
を測定したところ、δ6.5〜8.0ppm付近にナフタレン環
のプロトンと、インドリン環のプロトンと、オキサジン
環のプロトンに基づく、11Hのピーク、δ2.8ppm付近に
N−CH3結合のプロトンに基づく3Hのピーク、δ1.3〜
2.0ppm付近にシクロへキサン環のプロトンに基づく10H
の幅広いピークを示した。さらに13C−核磁気共鳴スペ
クトル(第1図)を測定したところ、δ100〜160ppm付
近にインドリンのベンゼン環、ナフタレン環およびオキ
サジン環の炭素に基づくピーク、δ99ppmとδ56ppm付近
にスピロな炭素に基づくピーク、δ20〜δ35ppm付近に
シクロヘキサン環とメチル基の炭素に基づくピークを示
した。
上記の結果から単離生成物は上記の構造式(I)で示
される化合物であることを確認した。
実施例2 下記の化合物 2.0g(0.0057mol)と下記の化合物 0.98g(0.0057mol)とピロリジン0.41g(0.0057mol)を
エチルアルコール50mlに溶解し、2時間加熱還流した。
反応後、溶媒を除去し、シリカゲル上でのクロマトグ
ラフィーにより、精製することにより下記式のスピロオ
キサジン化合物200mgを得た。
この化合物の元素分析値はC 78.66%、H 6.09% N 11.0
5%、O 4.2%、であって、C25H23N3Oに対する計算値で
あるC 78.71%、H 6.08%、N 11.02%、O 4.2%に極め
てよく一致した。またプロトン核磁気共鳴スペクトルを
測定したところ、δ6.5〜9ppm付近にキノリン環のプロ
トン、インドリン環のプロトンおよびオキサジン環のプ
ロトンに基づく10Hのピーク、δ2.7ppm付近にN−CH3
結合のプロトンに基づく3Hのピーク、δ1.3〜2.5ppm付
近にノルボルナン環のプロトンに基づく10Hの幅広いピ
ークを示した。さらに13C−核磁気共鳴スペクトルを測
定したところ、δ100〜δ160ppm付近にインドリンのベ
ンゼン環、キノリン環およびオキサジン環の炭素に基づ
くピーク、δ99ppmとδ52ppm付近にスピロな炭素に基づ
くピーク、δ27〜52ppm付近にノルボルナン環の炭素に
基づくピークを示した。上記の結果から単離生成物は上
記の構造式(2)で示される化合物であることを確認し
た。
実施例3〜25 実施例1〜2と同様にて第1表に示したスピロオキサ
ジン化合物を合成した。
得られた生成物について、実施例1と同様な構造確認
の手段を用いて構造解析した結果、第1表に示す構造式
で示される化合物であることを確認した。
また、第2表にこの化合物の元素分析値及び各化合物
の構造式から求めた計算値を示した。
実施例26 2g(0.0058mol)と下記の化合物 1.0g(0.0058mol)とピロリジン0.45g(0.0063mol)を
エチルアルコール50mlに溶解し、2時間加熱還流した。
反応後溶媒を除去し、シリカゲル上でのクロマトグラ
フィーにより精製することにより、下記式のスピロオキ
サジン化合物400mgを得た。
この化合物の元素分析値は、C77.92%、H6.34%、N1
1.48%、O4.26%であって、C24H20N3Oに対する計算値で
あるC78.02%、H6.27%、N11.37%、O4.33%に極めてよ
く一致した。
また、プロトン核磁気共鳴スペクトルを測定したとこ
ろ、δ6.5〜9.0ppm付近にイソキノリン環のプロトン
と、インドリン環のプロトンと、オキサジン環のプロト
ンに基づく、Hのピーク、δ2.8ppm付近にN−CH3
合のプロトンに基づく3Hのピーク、δ1.5ppm付近にメチ
ル基のプロトンに基づくHのピーク、δ1.3〜2.1ppm付
近にシクロヘキサン環の幅広い10Hのピークを示した。
さらに13C−核磁気共鳴スペクトル(第2図)を測定し
たところ、δ100〜160ppm付近にインドリンのベンゼン
環、イソキノリン環およびオキサジン環の炭素に基づく
ピーク、δ99ppmとδ52ppm付近にスピロな炭素に基づく
ピーク、δ20ppm〜δ50ppm付近にメチル基及びメチレン
鎖の炭素に基づくピークを示した。
上記の結果から単離生成物は上記の構造式(26)で示
される化合物であることを確認した。
実施例27〜37 実施例26と同様にして第3表に示したスピロオキサジ
ン化合物を合成した。
得られた生成物について、実施例26と同様な構造確認
の手段を用いて構造解析した結果、第3表に示す構造式
で示される化合物であることを確認した。
また、第4表にこの化合物の元素分析値及び各化合物
の構造式から求めた計算値を示した。
実施例38〜74及び比較例1〜2 実施例1で得られた下記式 で示される化合物をポリメタクリル酸メチル中にベンゼ
ンを用いて溶解分散させ、スライドグラス(11.2×3.7c
m)上でキャストフィルムをつくった。このフィルム中
に含まれる上記化合物の濃度は、1.0×10-4mol/gに調整
し、厚みは0.1mmになるようにした。このフォトクロミ
ックフィルムに東芝(株)製の水銀ランプSHL-100を35
±1℃で距離10cmで60秒間照射し、このフィルムを発色
させ、フォトクロミック特性を測定した。フォトクロミ
ック特性は次のようなもので表わした。結果を実施例38
として第5表に示した。
最大吸収波長(λmax);(株)日立製作所製の分光
光度計220Aより、この発色フィルムのλmaxを求めた。
ε(60秒);最大吸収波長における、このフィルムの
上記条件下での光照射60秒間後の吸光度。
ε(0秒);最大照射時の最大吸収波長における、未
照射フィルムの吸光度。
半減期t1/2;60秒間の光照射後、このフィルムの吸光
度が、(ε(60秒)−ε(0秒))の1/2まで低下する
のに要する時間。
また、スピロオキサジン化合物として実施例2〜37で
得られた化合物を用いた以外は、上記の実施例38と同様
にしてフォトクロミックフィルムを得、その特性を実施
例39〜74として第5表に示した。
さらに、比較のために、下記式 で示されるスピロオキサジンを用いた以外は実施例38
と同様に行ない、その結果を比較例1及び2として第5
表に併記した。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は、夫々実施例1及び実施例26で得ら
れたスピロオキサジン化合物の13C−核磁気共鳴スペク
トルのチャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 慎介 山口県徳山市御影町1番1号 徳山曹達 株式会社内 審査官 横尾 俊一 (56)参考文献 特開 昭62−33184(JP,A) 特開 昭63−66186(JP,A) 特開 昭63−303984(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07D 498/10,498/20,498/22 C09K 9/02 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式 で示されるスピロオキサジン化合物。
  2. 【請求項2】下記式 で示されるアゾリウム塩及び下記式 で示されるニトロソ化合物を塩基の存在下に反応させる
    ことを特徴とする特許請求の範囲第(1)項記載のスピ
    ロオキサジン化合物の製造方法。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第(1)項記載のスピロオ
    キサジン化合物よりなるフォトクロミック材。
JP2301183A 1990-03-29 1990-11-08 スピロオキサジン化合物およびその製造方法 Expired - Lifetime JP2905590B2 (ja)

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