JP3165162B2 - 酸化物超電導体厚膜の製造方法 - Google Patents
酸化物超電導体厚膜の製造方法Info
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Description
x (ただし、Reは、Y,Yb,Sm,Nd等のランタ
ン系元素である)の組成式で表される酸化物超電導体厚
膜(以下、Y系123相厚膜と略称する)の製造方法に
関する。
膜状の超電導体に超電導電流を通ずることによって強磁
場に対する磁気シールドを行うことが考えられている。
この場合には、膜状の超電導体に流すことができるトー
タルの超電導電流値が大きくないと、所定の強磁場に対
する磁気シールドを行うことができないので、トータル
の超電導電流を大きくとれる超電導体厚膜が必要とされ
る。
は、従来から以下の方法が提案されていた。
し、それを900°C以上の温度で焼成して超電導体膜
を形成する(例えば、雑誌「粉体および粉末冶金」第3
7巻第5号(1990)pp96-99 参照)。
等にプラズマ容射し、これにアニール処理を施すことに
より該基板上に超電導体膜を形成する(例えば、日本金
属学会秋期大会一般講演概要781(1989)p640参
照)。
の方法には以下のような問題点があった。
得ることができるが、形成可能な超電導体膜の厚さが、
最大でも100μm程度に限られるため、流すことがで
きるトータルの電流値を大きくできない。また、1度形
成した超電導体膜の上にさらにペーストを重ねて塗布し
て焼成することにより、超電導体膜を厚くしていくこと
も考えられるが、この方法で重ねて形成した超電導体膜
は臨界電流密度の値が著しく小さくなり、結局、厚くし
てもトータルの電流値をそれ程大きくすることができな
かった。
ことが可能であるが、この方法で形成した超電導体膜の
臨界電流密度が非常に小さいため、結局、トータルの電
流値をそれ程大きくとることができなかった。これは、
プラズマ容射法では、結晶配向が形成されにくく、弱結
合ができやすいためであると考えられる。また、用途に
よっては、数mmないし数cmの厚さの厚膜も必要とな
るが、この方法では、このような厚いものを製造するこ
とは不可能であった。
形体から直接211相を形成させるのではなく、まず1
23相を形成させてから、211相を形成させることに
より、成形体の形状を維持したままで比較的大きな形状
を有する超電導体バルクが得られ、さらに、211相を
形成させた後に温度勾配を設けた炉内を通過させる工程
を施すことにより、結晶配向した超電導体バルクを得る
ことができることを見出だしたが、バルクと異なり、厚
膜の場合には焼成工程中における形状維持がさらに困難
であるため、このバルク製造方法をそのまま適用しただ
けでは厚膜を得ることはできなかった。
のであり、比較的高密度で高い臨界電流密度を有し、比
較的膜厚の厚い酸化物超電導体厚膜を得ることが可能な
酸化物超電導体厚膜の製造方法を提供することを目的と
したものである。
とすることにより上述の課題を解決している。
し、Reは、Y,Yb,Sm,Nd等のランタン系元素
を表す)の組成式で表される酸化物超電導体厚膜を製造
する方法であって、Reを含む化合物、Baを含む化合
物及びCuを含む化合物からなる原料を所定比に混合
し、次に、この混合物を板状に成形し、次に、この板状
成形体を基板上に載置し、次に、この基板上に載置した
板状成形体を900〜1000°Cで焼成することによ
り123相(Re1 Ba2 Cu3 Oxの組成を有する結
晶性物質の相)を部分的に形成し、次に、この基板上に
載置した板状焼成体を1000〜1200°Cでさらに
燃成して211相(Re2 Ba1 Cu1 Ox の組成を有
する結晶性物質の相)を主相とする状態に形成し、しか
るのち、この基板上に載置した板状焼成体を徐冷して結
晶化することにより123相を主相とする酸化物超電導
体厚膜を製造することを特徴とした構成。 (2) Re1 Ba2 Cu3 Ox (ただし、Reは、
Y,Yb,Sm,Nd等のランタン系元素を表す)の組
成式で表される酸化物超電導体厚膜を製造する方法であ
って、Reを含む化合物、Baを含む化合物及びCuを
含む化合物からなる原料を所定比に混合し、次に、この
混合物を板状に成形し、次に、この板状成形体を基板上
に載置し、次に、この基板上に載置した板状成形体を9
00〜1000°Cで焼成することにより123相(R
e1 Ba2 Cu3 Ox の組成を有する結晶性物質の相)
を部分的に形成し、次に、この基板上に載置した板状焼
成体を1000〜1200°Cでさらに燃成して211
相(Re2 Ba1 Cu1 Ox の組成を有する結晶性物質
の相)を主相とする状態に形成し、しかるのち、この基
板上に載置した板状焼成体を、900〜1100°Cの
温度範囲で所定の温度勾配を形成した炉内を通過させて
この板状体に結晶配向を形成させることにより123相
を主相とする酸化物超電導体厚膜を製造することを特徴
とした構成。
徐冷して結晶化することにより、123相を主相とする
酸化物超電導体厚膜が得られる。
するのに、まず、所定比の原料を混合して板状に成形
し、次に、この成形体を基板上に載置し、次いで、この
基板上に載置した成形体を900〜1000°Cで焼成
することにより123相を部分的に形成し、これを10
00〜1200°Cでの燃成を行うようにしているの
で、この1000〜1200°Cでの燃成工程で板状成
形体の形状が崩れるようなことがない。
0°Cの比較的低い温度で焼成する過程で、成形体内
で、次の1000〜1200°Cの燃成工程では液相成
分となるCuO、BaCuO2 のような低融点酸化物の
一部をY2 O3 等と反応させて高融点の123相を生成
させているので、1000〜1200°Cの燃成工程で
成形体内の液相が少なくなり、この工程で成形体全体が
溶融状態となることがなく、成形体の形状が崩れること
がなくなる。
する温度範囲を900〜1000°Cとしたのは、90
0°C以下では、123相が生成しにくく、一方、10
00°C以上では、123相が分解して液相がしみ出し
てきて形状を維持できないからである。
00°Cの燃成工程で徐々に分解して211相と液相成
分等になる為に、211相主相の板状成形体の形状を崩
さないで高密度化することができる。
0〜1200°Cとしたのは、1000°C以下では、
123相が結晶核として残留し、非常に小さい結晶粒が
生成し易くなり、一方、1200°C以上では、液相が
しみ出してきて形状を維持できないと共に、組成ずれも
大きくなるからである。
の工程の後に、この211相主相の板状体を900〜1
100°Cの温度範囲で所定の温度勾配を形成した炉内
を通過させる工程を加えたことにより、この板状体に結
晶配向が形成され、123相を主相とし、比較的高密度
で高い臨界電流密度を有し、比較的膜厚の厚い酸化物超
電導体厚膜が得られる。
施例1〜4が請求項2に記載の発明の実施例であり、実
施例5が請求項1に記載の発明の実施例である。
0:1.4:2.1に混合し、これにAg2 Oを5wt
%添加し、均一に混合した。次いで、これにPVA(ポ
リビニルアルコール)を10wt%加え、アセトンで混
合した。
燥後、ロールで圧縮した。
タ法によって1μm程度の厚さに形成した基板を用意
し、この基板上に、ロール圧縮した板状体を載置し、3
00°Cに加熱して有機物を焼失させた後、以下の工程
を行った。
温速度で950°Cまで昇温した。 (2) 950°Cで30分間保持した。
べたところ、ペレット中の各所に123相が形成されて
いることが確認された) (3) 950°Cから1°C/minの昇温速度で110
0°Cまで昇温した。 (4) 1100°Cで10分間保持した。
点間に、一端部の温度が1050°Cで、他端部に向か
うにしたがってしだいに温度が低くなり、他端部におい
て930°Cとなるような温度勾配を形成させた炉を用
意し、この炉内の1050°Cの一端部から930°C
の他端部まで、前の工程で急冷した板状体を1cm/時
間の移動速度で移動しながら焼成した。
C、1気圧で40時間のアニール処理を施した。
cmの厚膜が得られた。
23相を主相とする超電導体であることが確認できた。
また、この厚膜をX線回折測定したところ、C軸のピー
クが強くあらわれ、結晶配向が形成されていることが確
認された。
0:1.5:2.5に混合し、これにAg2 Oを5wt
%添加し、均一に混合した。次いで、この混合物を10
×2×0.2cmの板状にプレス成形した。
タ法によって0.1μm程度の厚さに形成した基板を用
意し、この基板上に、前記板状成形体を載置し、以下の
工程を行った。
で950°Cまで昇温した。
べたところ、ペレット中の各所に123相が形成されて
いることが確認された) (3) 950°Cから1°C/minの昇温速度で110
0°Cまで昇温した。 (4) 1100°Cで10分間保持した。
点間に、一端部の温度が1050°Cで、他端部に向か
うにしたがってしだいに温度が低くなり、他端部におい
て930°Cとなるような温度勾配を形成させた炉を用
意し、この炉内の1050°Cの一端部から930°C
の他端部まで、前の工程で急冷した板状体を1cm/時
間の移動速度で移動しながら焼成した。
と同じアニール処理を施した。
cmの厚膜が得られた。
体であることが確認できた。また、この厚膜をX線回折
測定したところは、C軸のピークが強くあらわれ、結晶
配向が確認された。
1.5:2.4に混合し、これを10×2×0.3cm
の板状にプレス成形した。
タ法によって1μm程度の厚さに形成した基板を用意
し、この基板上に、前記板状成形体を載置し、以下の工
程を行った。
で950°Cまで昇温した。
べたところ、ペレット中の各所に123相が形成されて
いることが確認された) (3) 950°Cから1°C/minの昇温速度で110
0°Cまで昇温した。 (4) 1100°Cで30分間保持した。
点間に、一端部の温度が1100°Cで、他端部に向か
うにしたがってしだいに温度が低くなり、他端部におい
て930°Cとなるような温度勾配を形成させた炉を用
意し、この炉内の1100°Cの一端部から930°C
の他端部まで、前の工程で急冷した板状体を1cm/時
間の移動速度で移動しながら焼成した。
処理を施した。
cmの厚膜が得られた。
体であることが確認できた。また、この厚膜をX線回折
測定したところは、C軸のみピークがみられ、結晶配向
が確認された。
1.5:2.4に混合し、これを10×2×0.3cm
の板状にプレス成形した。
タ法によって1μm程度の厚さに形成した基板を用意
し、この基板上に、前記板状成形体を載置し、以下の工
程を行った。
で950°Cまで昇温した。
べたところ、ペレット中の各所に123相が形成されて
いることが確認された) (3) 950°Cから1°C/minの昇温速度で110
0°Cまで昇温した。 (4) 1100°Cで30分間保持した。
60°Cまで冷却した。
処理を施した。
cmの厚膜が得られた。
体であることが確認できた。また、この厚膜をX線回折
測定したところ、C軸以外のピークが強くみられ、結晶
配向は確認できなかった。
1 Ba2Cu3 Ox (ただし、Reは、Y,Yb,S
m,Nd等のランタン系元素を表す)の組成式で表され
る酸化物超電導体厚膜を製造する方法であって、超電導
体原料を所定比に混合して板状に成形した成形体を基板
上に載置し、まず、123相を形成する焼成をした後、
211相を形成する焼成を行い、しかる後、徐冷して結
晶化するか、又は、温度勾配を形成した炉内を通過させ
ることによって、高密度で高い臨界電流密度を有する酸
化物超電導体厚膜を得ることを可能にしたものである。
Claims (2)
- 【請求項1】 Re1 Ba2 Cu3 Ox (ただし、Re
は、Y,Yb,Sm,Nd等のランタン系元素を表す)
の組成式で表される酸化物超電導体厚膜を製造する方法
であって、Reを含む化合物、Baを含む化合物及びC
uを含む化合物からなる原料を所定比に混合し、次に、
この混合物を板状に成形し、次に、この板状成形体を基
板上に載置し、次に、この基板上に載置した板状成形体
を900〜1000°Cで焼成することにより123相
(Re1 Ba2 Cu3 Ox の組成を有する結晶性物質の
相)を部分的に形成し、次に、この基板上に載置した板
状焼成体を1000〜1200°Cでさらに燃成して2
11相(Re2 Ba1 Cu1 Ox の組成を有する結晶性
物質の相)を主相とする状態に形成し、しかるのち、こ
の基板上に載置した板状焼成体を徐冷して結晶化するこ
とにより123相を主相とする酸化物超電導体厚膜を製
造することを特徴とした酸化物超電導体厚膜の製造方
法。 - 【請求項2】 Re1 Ba2 Cu3 Ox (ただし、Re
は、Y,Yb,Sm,Nd等のランタン系元素を表す)
の組成式で表される酸化物超電導体厚膜を製造する方法
であって、Reを含む化合物、Baを含む化合物及びC
uを含む化合物からなる原料を所定比に混合し、次に、
この混合物を板状に成形し、次に、この板状成形体を基
板上に載置し、次に、この基板上に載置した板状成形体
を900〜1000°Cで焼成することにより123相
(Re1 Ba2 Cu3 Ox の組成を有する結晶性物質の
相)を部分的に形成し、次に、この基板上に載置した板
状焼成体を1000〜1200°Cでさらに燃成して2
11相(Re2 Ba1 Cu1 Ox の組成を有する結晶性
物質の相)を主相とする状態に形成し、しかるのち、こ
の基板上に載置した板状焼成体を、900〜1100°
Cの温度範囲で所定の温度勾配を形成した炉内を通過さ
せてこの板状体に結晶配向を形成させることにより12
3相を主相とする酸化物超電導体厚膜を製造することを
特徴とした酸化物超電導体厚膜の製造方法。
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- 1991-02-22 JP JP02829591A patent/JP3165162B2/ja not_active Expired - Fee Related
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