JP3164199B2 - 太陽電池装置の製造方法 - Google Patents

太陽電池装置の製造方法

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JP3164199B2 JP30561695A JP30561695A JP3164199B2 JP 3164199 B2 JP3164199 B2 JP 3164199B2 JP 30561695 A JP30561695 A JP 30561695A JP 30561695 A JP30561695 A JP 30561695A JP 3164199 B2 JP3164199 B2 JP 3164199B2
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定司 津毛
典裕 寺田
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  • Recrystallisation Techniques (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は薄膜多結晶シリコ
ン(以下、poly−Siと略記する。)を用いた太陽
電池装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】薄膜poly−Siの製造法として、基
板上に非晶質シリコン(以下、a−Siと略記する。)
膜を堆積した後に熱アニールを行い、a−Si膜を結晶
化させる、いわゆる固相成長法が知られている(例え
ば、特開平5−109638号公報に詳しい。)。この
方法は、600℃程度の簡単なプロセスであること、大
面積化が容易なことから低コスト太陽電池の材料形成法
として注目を集めている。
【0003】特に、大きな結晶粒を持つ薄膜poly−
Siの製造方法は、図6の工程フロー図に示すように、
基板を洗浄した後に、基板上に核発生層である燐(P)
をドープしたa−Si膜と結晶成長層であるノンドープ
(または微ドープ)のa−Siを順次堆積することによ
り、デバイスに必要な膜厚のa−Si膜を基板上に形成
する。その後、熱アニールを行い固相成長を行う。
【0004】この固相成長は、まず結晶化しやすいPド
ープ層で結晶核が形成され、これがノンドープ層へ成長
する。この結果、結晶化が始まるまでの時間が短縮され
結晶成長層中の余分な核発生を抑制でき、大きな結晶粒
を持つ薄膜poly−Siを形成することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た方法では、太陽電池装置に必要な膜厚の薄膜poly
−Siを得るためにノンドープ層を厚くすると、図7に
示すように、Pドープ層側からの結晶化がノンドープ層
全体に及ぶ前に新たな結晶核が発生して、結晶化が始ま
るため、基板1上に形成される薄膜poly−Si2
は、小さな粒径の結晶が混ざった膜構造となる。このよ
うに、小さな結晶が多数混在した薄膜poly−Siで
は、キャリアは多数の粒界を横切らないと移動できない
ため、再結合やトラップによりキャリアを失う確率が大
きくなり、太陽電池特性を向上させる障害となってい
た。
【0006】この発明は上述した従来の問題点を解消す
るためになされたものにして、固相成長後に小さな結晶
が膜表面側に存在することを防止し、良好な膜特性の薄
膜poly−Siを有する太陽電池装置を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明の太陽電池装置
の製造方法は、基板上に薄膜多結晶シリコン膜、i型非
晶質シリコン膜、p型非晶質シリコン膜及び透明電極を
積層形成する太陽電池装置の製造方法において、前記薄
膜多結晶シリコン膜は、n型不純物をドープした非晶質
シリコンからなる出発膜を形成した後、熱処理を施し結
晶化させて多結晶シリコン膜を形成する工程を繰り返し
て形成されるとともに、前記非晶質シリコン膜にドープ
される不純物のドーピング量は工程が変わる毎に順次減
少させることを特徴とする。
【0008】ドーピングする不純物の量に応じて出発膜
の膜厚を変化させるとよい。
【0009】このように、膜厚の薄いa−Siからなる
出発膜を熱処理を施して結晶化させる工程を繰り返し、
所望の膜厚の薄膜poly−Si形成することで、出発
膜を熱処理を施して結晶化させる際に、新たな結晶核の
発生が防止でき、結晶粒径を大きくすることができる。
しかも、上記した方法により形成された薄膜poly−
Si中には電界が作り込まれ、薄膜poly−Si中で
のキャリア移動が促進され、効率よくキャリアを取り出
すことができる。
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態に付
き図面を参照して説明する。
【0014】この発明の薄膜poly−Siの製造方法
は、図1の工程フロー図に示すように、まず、基板1を
洗浄する(ステップS1)。その後に、基板1上に核発
生層である燐(P)をドープしたa−Si膜をプラズマ
CVD法により形成する(ステップS2)。続いて結晶
成長層である膜厚3μm以下のノンドープ(または微ド
ープ)のa−Si膜をPドープa−Si膜上にプラズマ
CVD法により形成する(ステップS3)。そして、熱
アニールを施し固相成長を行う(ステップS4)。
【0015】この固相成長は、まず結晶化しやすいPド
ープ層で結晶核が形成され、これがノンドープ層へ成長
する。そして、ノンドープ層の膜厚が3μm以下と薄い
ため新たな核発生が発生せずに、結晶成長層中の余分な
核発生が抑制された状態で結晶化がする。この結果、大
きな結晶粒を持つ薄膜poly−Siを形成することが
できる。
【0016】この後、結晶成長層である膜厚3μm以下
のノンドープ(または微ドープ)のa−Si膜の形成と
熱アニールを施して固相成長を行う工程を繰り返し、基
板1上にデバイスに必要な膜厚の薄膜poly−Si2
aを形成する。
【0017】上記薄膜poly−Siの形成条件を表1
に示す。
【0018】
【表1】
【0019】上記方法により形成された薄膜poly−
Siは、図2に示すように、基板1からpoly−Si
2a表面まで縦方向につながった結晶構造となり、この
薄膜poly−Si膜を太陽電池に用いると、光吸収に
より発生したキャリアは粒界を横切ることなく外部に取
り出すことができる。
【0020】一方、前述した図6に示す従来の方法で
は、図7に示すように、固相成長段階で余分な各発生に
より、これらが成長してしまうため、膜表面側に小さな
結晶粒を持つ構造となる。従って、キャリアは粒界の影
響を受けることになり、損失は免れない。
【0021】図3に上記した表2に示す条件で1度に成
膜及び固相成長を行う結晶成長層の膜厚と形成された薄
膜poly−Siのホール移動度を測定した結果を示
す。この図において、●印はこの発明により形成した薄
膜poly−Siの特性を、■印は従来法により形成し
た薄膜poly−Siの特性を示す。尚、基板は石英基
板を用い、繰り返し形成後の薄膜poly−Siの膜厚
は10μmとした。
【0022】図3より、ホール移動度は1度に成膜及び
固相成長する膜厚を薄くすることで、特性が向上し,特
に膜厚を3μm以下とすることで特性が向上しているこ
とが分かる。
【0023】尚、1度に成膜及び固相成長する膜厚を1
μm以下としたときに、ホールの移動度が減少傾向とな
る。この原因は明らかではないが、成膜する膜が非常に
薄いことで、膜を作る際の初期放電のばらつきや成膜の
繰り返し回数の増加などの影響で、a−Si膜の膜質、
界面に悪影響を及ぼし、そのためにホールの移動度が減
少したものと考えられる。
【0024】上記薄膜poly−Siを用いた太陽電池
の実施の形態を図4に示す。図4に示すように、この太
陽電池は、金属基板10上に、この発明の方法により、
薄膜poly−Si層11を形成する。この薄膜pol
y−Si層11は基板10側がn+型層に形成され、表
面側はi型または微量のPがドープされた層に形成され
ている。この薄膜poly−Si層11上にi型a−S
i層12、p型a−Si層13が順次積層され半導体接
合が形成される。そして、p型a−Si層13上に透明
電極14が設けられ、この透明電極14上に金属の集電
極15が設けられる。
【0025】表2に上記太陽電池を形成するためのi型
a−Si層12、p型a−Si層13及び透明電極14
の形成条件を示す。
【0026】
【表2】
【0027】上記した実施の形態においては、ドーピン
グ量は一定にしているが、これを意図的に変化させるこ
とで、デバイス特性の向上を図ることができる。表3に
ドーピング量を変化させて薄膜poly−Siを形成す
る条件を示す。
【0028】
【表3】
【0029】上記薄膜poly−Siは1回の成膜及び
固相成長を1〜3μmとし、5回の繰り返しとした。ま
たドーピング量は徐々に少なくなるように、更に、1度
の成膜する膜厚を徐々に厚くしている。これにより、形
成された薄膜poly−Si中には電界が作り込まれ、
薄膜poly−Si中でのキャリア移動を促進させて、
効率よくキャリアを取り出すことが可能となる。
【0030】また、膜厚を高ドープ時に薄くなるように
変化させているのは、核発生が高ドープほど行われやす
いため、結晶成長時間を短くし余分な核発生量を少なく
するためである。
【0031】図5に上記の太陽電池のバンド構造図を示
す。同図において、(a)が薄膜poly−Si中に電
界を作り込んだ場合を、(b)が薄膜poly−Si中
に電界が形成されていない場合を示す。図5に示すよう
に、薄膜poly−Si中に電界を作り込んだ場合に
は、薄膜poly−Si中に電界が形成されていない場
合に比べてバンドギャップに勾配が形成され、薄膜po
ly−Si中でのキャリア移動が促進され、効率よくキ
ャリアを取り出すことができる。
【0032】そして、薄膜poly−Si中に電界を作
り込んだ太陽電池は、変換効率が9.5%、Vocが
0.60V、Iscが22.6mA/cm2、FFが
0.7を達成している。これに対して、薄膜poly−
Si中に電界を作り込んでいない太陽電池は、変換効率
が8.2%、Vocが0.54V、Iscが21.6m
A/cm2、FFが0.7であり、薄膜poly−Si
中に電界を作り込んだ太陽電池の特性が向上しているこ
とが分かる。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、薄い膜厚のa−Siからなる出発膜を熱処理を施し
て結晶化させることにより、新たな結晶核の発生が防止
でき、結晶粒径を大きくすることができる。従って、こ
の発明で製造した薄膜poly−Siを太陽電池に用い
れば、粒界の減少に伴うホール移動度の向上により、太
陽電池性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の薄膜poly−Siの製造方法の工
程フロー図である。
【図2】この発明により製造した薄膜poly−Si膜
を示す断面図である。
【図3】1度に成膜及び固相成長を行う結晶成長層の膜
厚と形成された薄膜poly−Siのホール移動度を測
定した結果を示す特性図である。
【図4】薄膜poly−Siを用いた太陽電池の実施の
形態を示す断面図である。
【図5】薄膜poly−Siを用いた太陽電池のバンド
図である。
【図6】従来の薄膜poly−Siの製造方法の工程フ
ロー図である。
【図7】従来の方法により製造した薄膜poly−Si
を示す断面図である。
【符号の説明】
1 基板 2、2a 薄膜poly−Si
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−196311(JP,A) 特開 昭50−3780(JP,A) 財団法人新機能素子研究開発協会「昭 和59年度新機能素子に関する技術動向調 査報告IV−三次元回路素子関連特許調 査−増補改訂版」(昭60−6−30)p. 44−46 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/20

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に薄膜多結晶シリコン膜、i型非
    晶質シリコン膜、p型非晶質シリコン膜及び透明電極を
    積層形成する太陽電池装置の製造方法において、前記薄
    膜多結晶シリコン膜は、n型不純物をドープした非晶質
    シリコンからなる出発膜を形成した後、熱処理を施し結
    晶化させて多結晶シリコン膜を形成する工程を繰り返し
    て形成されるとともに、前記非晶質シリコン膜にドープ
    される不純物のドーピング量は工程が変わる毎に順次減
    少させることを特徴とする太陽電池装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 ドーピングする不純物の量に応じて出発
    膜の膜厚を変化させることを特徴とする請求項1に記載
    の太陽電池装置の製造方法
JP30561695A 1995-11-24 1995-11-24 太陽電池装置の製造方法 Expired - Lifetime JP3164199B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
財団法人新機能素子研究開発協会「昭和59年度新機能素子に関する技術動向調査報告IV−三次元回路素子関連特許調査−増補改訂版」(昭60−6−30)p.44−46

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