JP3163166B2 - 米飯用o/w型エマルジョン組成物 - Google Patents

米飯用o/w型エマルジョン組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、米飯の風味・食感を損
なわず、米飯粒のほぐれ性を改善するためのO/W型エ
マルジョン組成物に関し、特に、バラ状冷凍米飯として
も好適なO/W型エマルジョン組成物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、人件費及び設備費の軽減のため、
一個所で集中炊飯したものを各ユーザーに配送するシス
テムとなっている。これらのご飯の一部は弁当、おにぎ
り、寿司飯として食されるが、量産化の必要性から機械
化がおこなわれ、ほぐし、計量、充填、成型などの各工
程において、機械への付着がおこらないといった米飯粒
のほぐれ性の改善が要求されるようになった。また、最
近、簡便調理食品として冷凍米飯の需要が増加してい
る。この冷凍米飯では、冷凍時における冷凍効果の良
さ、充填包装時の計量のし易さ、解凍時間短縮による熱
量の低減化、解凍時の均一な熱伝導性による品質の向
上、使用時における分割のし易さなどから、一粒づつ冷
凍されたバラ状冷凍米飯が望まれている。
【0003】従来より、上記いずれの場合においても、
例えば食用油脂を添加する方法(特開昭56−6836
6、特開平2−142443)、食用油脂に食品用乳化
剤を添加する方法(特開平3−175938、特開平3
−175940)、食用油脂を乳化した水中油型エマル
ジョンを添加する方法(特開平1−262762)など
が提案されている。しかし乍ら、食用油脂を添加する方
法では、食用油脂は水よりも軽く、かつ水に分散しない
ために、炊飯中は大きな油滴となり、炊飯釜全体に均一
に分散することはなく、米飯粒のほぐれ性にバラツキが
生じる。更に、食味の点では食用油脂の味と香りが米飯
本来の淡泊な風味を損なうとともに、お茶漬けをした時
に油が浮くといった問題が出る。
【0004】また、食用油脂に食品用乳化剤を添加する
方法では、食用油脂を単独で添加する場合よりも油脂の
分散性は良くなるものの、食味の点では、やはり食用油
脂の味と香りにより米飯本来の風味は損なわれ、お茶漬
けをした時に油が浮くとともにお茶が白濁する。更に、
使用する乳化剤の種類によっては、米飯に苦味を与えた
り、米飯自身の持つ光沢を失わせ、外観上の商品価値を
著しく低下させる場合がある。また、食用油脂を乳化し
た水中油型エマルジョンを添加する方法では、食用油脂
の分散性はより均一になるものの、エマルジョンが炊飯
により全て壊れてしまたっ場合には、食用油脂に乳化剤
を添加した場合と同様に、炊き上がった米飯は食用油脂
の味と香りにより米飯本来の風味は損なわれ、お茶漬け
をした場合に油が浮くという問題が生じる。従って、あ
る程度の耐熱性を有することが必要である。更に、おに
ぎりの場合には食塩、炊き込みご飯の場合には調味液と
いったものと一緒に炊飯されるため、均一な分散性およ
び米飯本来の風味を期待するためには水中油型エマルジ
ョンに耐酸・耐塩性の効果を有することが必要となる。
【0005】特に、バラ状の冷凍米飯では、米飯のばら
け性は炊飯直後の米飯が機械へ付着しないためのほぐれ
性よりも良いことが一般に必要と考えられ、完全なバラ
状冷凍米飯をつくるためには、食用油脂、食用油脂と乳
化剤、あるいは水中油型エマルジョンを多量に添加する
ことになり、そのために米飯のもつ風味・食感は完全に
損なわれてしまう。このことは、バラ状の冷凍白飯にお
いて、より顕著であり、米飯の風味・食感を損なわない
バラ状の冷凍白飯は現在まで商品化されるに至っていな
いのが実情である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決するための炊飯後あるいは解凍後の米飯粒のほぐ
れ性が良好で、しかもバラ状の冷凍米飯を得ることがで
き、更に米飯に優れた食味・食感を与えることができる
米飯用O/W型エマルジョン組成物を提供するものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は飽和脂肪
酸のジグリセリドを油相中7.45〜20重量%含有す
ることを特徴とするものであり、好ましくは、更にエン
ド型プロテアーゼで分解した蛋白質を含有し、好ましく
は、更に有機酸を水相中0.1〜20重量%含有するこ
とを特徴とする米飯用O/W型エマルジョン組成物であ
る。以下、本発明について詳述する。
【0008】本発明に用いる飽和脂肪酸のジグリセリド
は、天然起源の植物性あるいは動物性油脂あるいは硬
化、分別もしくはエステル交換等を施した加工油脂から
選ばれる1種又は2種以上の油脂とグリセリンをアルカ
リ金属及び/又はアルカリ土類金属の水酸化物の存在下
でエステル交換するか、飽和脂肪酸とグリセリンをアル
カリ金属及び/又はアルカリ土類金属の水酸化物、或い
は三フッ化水素、もしくは酵素の存在下でエステル化反
応するか、モノグリセリドと飽和脂肪酸を三フッ化水素
或いは酵素の存在下でエステル化反応するか、天然起源
の動植物性油脂あるいは硬化、分別もしくはエステル交
換等を施した加工油脂を酵素で加水分解することにより
得られる。生成ジグリセリド混合物中に形成された過剰
のモノグリセリドや未反応グリセリンは油脂組成物中に
多量に含まれると米飯の食味を損なうため、分子蒸留、
脱臭法或いはクロマトグラフィー法によって除去するこ
とが好ましい。従って、モノグリセリド及び未反応グリ
セリンは全油脂中10重量%以下が好ましく、更に好ま
しくは5重量%である。
【0009】また、本発明に用いる油脂は、一般の動植
物性油脂であれば特に問題なく使用でき、これらを硬
化、分別、エステル交換等を施した加工油脂から選ばれ
た1種又は2種以上の油脂である。本発明で使用する飽
和脂肪酸のジグリセリドは油相中7.45〜20重量%
含有している必要がある。飽和脂肪酸のジグリセリドの
含量が上記の量より少ないと、米飯のほぐれ性への効果
は小さく、逆に上記の量より多いと、乳化が不安定にな
ったり、米飯の風味を損なうおそれがある。この飽和脂
肪酸のジグリセリドを含む油脂の割合はエマルジョン全
体に対して10〜70重量%であることが好ましい。1
0重量%未満又は70重量%を越えると安定なO/W型
エマルジョンを得ることは難かしい。
【0010】また、本発明においてエンド型プロテアー
ゼで分解する蛋白質は、酵素分解を受け得る蛋白質成分
であれば如何なる蛋白質成分であってもよく、例えば脱
脂粉乳、全脂粉乳、ラクトアルブミン、カゼインナトリ
ウム、卵蛋白質、大豆蛋白質、小麦蛋白質、米糖蛋白質
などが例示できる。これらの蛋白質をエンド型プロテア
ーゼで分解するには、該成分が酵素活性を呈する適当な
温度及びpH条件にて添加し、適当な時間保持して酵素処
理した後、阻害剤を適当量使用したり、或いは加熱処理
して酵素反応を停止することにより得られる。蛋白質の
分解度は全ペプチドの0.01〜50%の範囲が好まし
く、分解度が0.01%未満では充分な効果はなく、ま
た、50%を越えると苦味の発現及び風味の低下がおこ
る。尚、分解度はホルモール滴定等によるα−アミノ基
の測定により分解された量を測定し、蛋白質の総アミノ
酸量で割った値(%)とした。
【0011】本発明に用いられるエンド型プロテアーゼ
としては、ペプシン、トリプシン、キモトリプシン及び
パパイン並びに動物組織のプロテアーゼであるカテプシ
ンなどが例示でき、これらを単独又は2種以上組み合わ
せて用いられる。得られた蛋白質の分解物は、このまま
の状態でも、更には噴霧乾燥等により粉末化した状態に
おいても使用できる。また、これらの蛋白質の分解物は
単独又は2種以上組み合わせて使用される。この蛋白質
の分解物は風味、食感を向上させるとともに老化を抑制
する効果を有し、エマルジョン全体に対して0.1〜1
0重量%使用する。添加量が0.1重量%未満では充分
な風味、食感の改善及び老化抑制効果が得られず、ま
た、10重量%を越えると米飯の風味を損なうおそれが
ある。
【0012】また、本発明において使用する有機酸は、
例えば酢酸、アジピン酸、乳酸、クエン酸、コハク酸、
グルコン酸、リンゴ酸などが例示できるが、風味の点か
らクエン酸、グルコン酸、フィチン酸が好ましく、1種
又は2種以上組み合わせて用いられる。これらの有機酸
は水相中0.1〜20重量%使用する。0.1重量%未
満では風味・食感の向上効果は期待できず、20重量%
を越えると、米飯の風味を損なう場合がある。これらの
有機酸は、米中の蛋白質を変性させ米澱粉を膨潤しやす
くし、米飯の食感を向上させるとともに、光沢を良くす
る効果もある。更にまた、有機酸自身に抗菌作用がある
ため、エマルジョンの抗菌性を付与するとともに、米飯
に添加した場合には、米飯の保存性を高める効果もあ
る。
【0013】以上の他に、本発明においては、従来より
O/W型エマルジョンに使用されている乳化安定剤、例
えば、乳化剤、各種炭酸塩やリン酸塩、アラビアガム、
キサンタンガム、カラギーナン等の各種ガム質等、更に
は、澱粉、糖類等を配合してもさしつかえない。特に乳
化剤においては、O/W型エマルジョンの耐熱性効果を
高めるものとして、モノグリセリン脂肪酸エステル、ポ
リグリセリン脂肪酸エステルが好ましく、風味の点では
脂肪酸がステアリン酸であるものが好ましい。
【0014】本発明組成物の一般的製法は、ジグリセリ
ドを含有する油脂に、親油性の配合材を添加して調製し
た油相と、前記の如くエンド型プロテアーゼで分解した
蛋白質成分を溶解あるいは分散させた分解物や、有機酸
或いは親水性乳化剤等を添加して調製した水相とを乳化
し、バルブ式ホモジナイザー等の均質化操作の後、容器
に充填して得られる。また、得られた該O/W型エマル
ジョンの効果はUHT殺菌等の殺菌処理の有無に関わら
ない。本発明の米飯用O/W型エマルジョンは、炊飯あ
るいは蒸煮時に添加して炊飯、蒸煮する他、炊飯、蒸煮
後に米飯に添加して混ぜることにより、米飯粒に良好な
ほぐれ性を付与しバラ状態にするとともに、米飯の風味
を損なうことなく、米飯の風味・食感をも向上させるこ
とができる。バラ状の冷凍米飯を得る場合は、炊飯、蒸
煮後常法により冷凍することにより良好なバラ状の冷凍
米飯が得られ、解凍後の米飯は炊飯直後の米飯と同様に
良好なほぐれ性、食味及び食感を有するとともに、保存
中における劣化も極めて少ない。
【0015】本発明の米飯用O/W型エマルジョン組成
物は、白飯はもちろんのこと、肉類、魚類及び野菜類を
混ぜ合わせた炊き込みご飯、焼き飯、赤飯、寿司飯等の
常温及びホット流通品や冷凍品にも使用できる。本発明
の米飯用O/W型エマルジョン組成物は、生米に対して
0.2〜5重量%の添加するのが好ましい。添加量が
0.2重量%より少ないと、グリセリドを含有する油脂
の量が少ないため全体に効果が得にくい。また、5重量
%より多いと米飯本来の風味を損なうことがあり好まし
くない。
【0016】
【実施例】以下、本発明について実施例、比較例をもっ
て本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらにより
何ら限定されるものではない。
【0017】実施例1 なたね油37重量%と飽和ジグリセリド3重量%を80
℃に加温し、これにヘキサグリセリンペンタオレエート
0.25重量%を添加し均一に混合し油相部とした。一
方、約60℃に加温した水51.45重量%にトリプシ
ン分解ラクトアルブミン液8重量%及びショ糖脂肪酸パ
ルミテート(HLB15)0.3重量%を加え溶解し水
相部とした。この水相部に、上記の如く得た油相部を混
合し予備乳化した後、バルブ式ホモジナイザーにて90
kg/cm2 の条件で均質化処理し、140℃で2秒間殺菌
しO/W型エマルジョン組成物を得た。配合を表1に示
す。得られたO/W型エマルジョン組成物を、米に対し
て2.0重量%添加して炊飯をおこない米飯を得た。得
られた米飯について、ほぐれ性、油の浮き、食味につい
て評価した。結果を表2に示す。更に、それぞれの米飯
を攪拌しながら凍結し、できあがった冷凍米飯のバラ化
度及び食味について評価を行い、結果を表3に示した。
【0018】実施例2 表1に示す配合で、実施例1と同様にしてO/W型エマ
ルジョンを作成した。得られたO/W型エマルジョンを
米に対して2.0重量%添加して炊飯し、それぞれの米
飯について実施例1と同様の評価をおこない、その結果
を表2に示した。更に、それぞれの米飯を攪拌しながら
凍結し、できあがった冷凍米飯のバラ化度及び食味につ
いて評価を行い、結果を表3に示した。
【0019】比較例1 実施例1において、O/Wエマルジョンを添加しない以
外は全て実施例1に従って炊飯をおこない米飯を得、評
価をおこなった。結果を表2に示す。
【0020】比較例2 実施例1において、O/W型エマルジョンの代わりに、
米に対してコーンサラダ油1.0重量%を添加する以外
は全て実施例1に従って炊飯をおこない米飯を得、評価
をおこなった。結果を表2に示す。
【0021】比較例3 実施例1において、O/W型エマルジョンの代わりに、
コーンサラダ油100重量%にレシチン1重量%及びソ
ルビタン脂肪酸エステル0.5重量%を溶解して調製し
た配合油脂を1.0重量%添加する以外は全て実施例1
に従って炊飯をおこない米飯を得、評価をおこなった。
結果を表2に示す。
【0022】比較例4〜6 表1に示す配合で、実施例1と同様にしてO/W型エマ
ルジョンを作成した。得られたO/W型エマルジョンを
実施例1〜2と同様に米に対して2.0重量%添加して
炊飯し、実施例1〜2と同様の評価をおこなった。結果
を表2及び表3に示した。
【0023】
【表1】
【0024】(注) (1)上記組成に水を加え全量100とした。 (2)*〔トリプシンによる酵素分解脱脂粉液の調製〕 脱脂粉乳5重量%を水95重量%に溶解し約50℃まで
加温し、トリプシン(ノボインダストリージャパン製)
0.005重量%を添加混合し1時間保持した後、70
℃で10分間加熱して酵素を失活させ、冷却して酵素分
解脱脂粉乳液を調製した。
【0025】
【表2】
【0026】(注) (1)米飯のほぐれ性:比較例1の米飯を基準として下
記の如く3段階評価した。 〇・・・ はるかに良い、△・・・ わずかに良い、×・・・ 同程
度 (2)油の浮き:米飯に約70℃のお湯を注いだ時の油
の浮きを下記の如く3段階評価した。 〇・・・ 油の浮きが認められない、△・・・ わずかに油の浮
きが認められる、 ×・・・ 明らかに油の浮きが認められる (3)食味:下記の如く3段階評価した。 〇・・・ 米飯として大変好ましい、△・・・ 米飯として好ま
しい、 ×・・・ 米飯らしさに欠ける
【0027】表2に示すとおり、実施例1〜2はいずれ
も、ほぐれ性は良好であり、お湯を注いだ時の油の浮き
はほとんど認められなかった。食味評価においても米飯
らしい風味と食感があり、光沢も良かった。一方、比較
例2及び3では油の分散にばらつきがあり、場所により
米飯のほぐれ性に差がみられた。また、お湯を注いだ時
には油の浮きが認められ、食味的にも油っぽさがあり、
食感もやや硬く、粘りに欠けるものであった。また、飽
和脂肪酸のジグリセリド無添加の比較例4では、ほぐれ
性はやや悪く、油の浮きが認められ、食味的にも油っぽ
さが感じられ、米飯らしい風味は損なわれていた。ま
た、飽和脂肪酸のジグリセリド含量が油脂の20重量%
を越えた比較例5及び6では、乳化状態はやや不安定で
あり、ほぐれ性は良好であったものの、油の浮きは多
く、米飯らしい風味はなく、食感的にも硬く、粘りに欠
けたものであった。
【0028】
【表3】
【0029】(注) (1)冷凍米飯のバラ化度:3粒以下の米飯の固まりの
割合(%) (2) 〃 の砕損率:砕損米が全体の米飯粒にしめ
る割合(%) (3)解凍後の風味・食感:レンジ加熱した時の米飯に
ついての風味・食感 〇・・・ 米飯として大変好ましい、△・・・ 米飯として好ま
しい、 ×・・・ 米飯らしさに欠ける
【0030】また、表3に示す通り、バラ状凍結米飯で
は、実施例1〜2はいずれもバラ状凍結がほぼ充分にさ
れており、破損米はほとんど発生しなかった。解凍後の
食味も米飯らしい風味及び食感を有しており、炊飯直後
の米飯と大差はなかった。一方、比較例4〜6ではバラ
化度は低く、破損米が多く見られた。食味的にも油臭が
強く、食感的にも比較例4は腰がなくモチのような食感
であり、比較例5及び6は粘り及び光沢に欠けていた。
【0031】実施例3 実施例2において、O/W型エマルジョン調製時にクエ
ン酸2重量%添加した以外は全て、同様の配合及び条件
にてO/W型エマルジョンを得た。このO/W型エマル
ジョンを米に対して2.0重量%添加し、実施例1〜2
と同様の方法で炊飯し、バラ状凍結を行なった。得られ
たバラ状冷凍米飯は、バラ化度96%、砕損率0%であ
った。また、解凍後の食味も米飯らしい風味、食感を有
していた。特に、光沢には透明感があった。このものを
室温で6時間保存したものも、解凍後の食味・食感と大
差はなかった。
【0032】実施例4 実施例3で調製したO/W型エマルジョンを連続式蒸気
炊飯器の二次浸漬槽に5%濃度となるように添加した。
米を浸漬後、連続式蒸気炊飯器で一次蒸し後、上記二次
浸漬槽、二次蒸しを経て米飯を得た。この米飯は、ほぐ
れ性が良好であり、米飯らしい風味・食感を有し、光沢
も優れていた。この米飯で、実施例1〜2と同様の方法
でバラ状凍結をおこなったところ、バラ化度98%(内
完全にバラ化されたもの95%)、砕損米0%のバラ状
冷凍米飯を得た。このものを−18℃で6カ月保管後、
レンジ解凍したものは、米飯らしい食味・食感を有する
ものであった。また、お茶漬けをしても油の浮きは見ら
れなかった。
【0033】
【発明の効果】以上の如く、本発明のO/W型エマルジ
ョン組成物は、米飯粒に良好なほぐれ性を付与するとと
もに、米飯の風味を損なうことなく、米飯の風味・食感
をも向上させることができる。また、バラ状の冷凍米飯
を得る場合にもO/W型エマルジョン組成物を添加して
炊飯あるいは蒸煮した米飯を常法により冷凍しても、良
好なバラ状の冷凍米飯が得られ、食味・食感も米飯らし
さを損なうことなく、保存中における劣化を抑制する効
果をもつ。本発明のO/W型エマルジョン組成物は、白
飯の他に味付け飯、すし飯、おにぎり、ピラフ、焼き飯
等の米飯類に利用できる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−109144(JP,A) 特開 平4−51880(JP,A) 特開 平4−51879(JP,A) 特開 平4−66065(JP,A) 特開 平3−58761(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/10 A23D 7/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 飽和脂肪酸のジグリセリドを油相中に
    7.45〜20重量%含有することを特徴とする米飯用
    O/W型エマルジョン組成物。
  2. 【請求項2】 エンド型プロテアーゼで分解した蛋白質
    を含有する請求項1記載の米飯用O/W型エマルジョン
    組成物。
  3. 【請求項3】 有機酸を水相中0.1〜20重量%含有
    する請求項1又は2記載の米飯用O/W型エマルジョン
    組成物。
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