JP3163146B2 - 位相差補償フィルムの製造方法 - Google Patents

位相差補償フィルムの製造方法

Info

Publication number
JP3163146B2
JP3163146B2 JP04280092A JP4280092A JP3163146B2 JP 3163146 B2 JP3163146 B2 JP 3163146B2 JP 04280092 A JP04280092 A JP 04280092A JP 4280092 A JP4280092 A JP 4280092A JP 3163146 B2 JP3163146 B2 JP 3163146B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydroxyphenyl
compensation film
polycarbonate resin
retardation
retardation compensation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP04280092A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05241020A (ja
Inventor
正哉 岡本
茂樹 久世
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Idemitsu Petrochemical Co Ltd filed Critical Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Priority to JP04280092A priority Critical patent/JP3163146B2/ja
Priority to DE1993615037 priority patent/DE69315037T2/de
Priority to EP19930904353 priority patent/EP0596129B1/en
Priority to US08/137,108 priority patent/US5470937A/en
Priority to PCT/JP1993/000237 priority patent/WO1993017358A1/ja
Publication of JPH05241020A publication Critical patent/JPH05241020A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3163146B2 publication Critical patent/JP3163146B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polarising Elements (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶ディスプレイ等に
使用可能な位相差補償フィルムの製造方法に係り、特に
ポリカーボネート樹脂製の位相差補償フィルムの製造方
に関する。
【0002】
【従来の技術】STN[スーパー ツイステッド ネマ
ティック(Super Twisted Nematic )]液晶ディスプレ
イでは、STN液晶セルを透過した光はSTN液晶の複
屈折性により着色されるため、位相差補償用の光学部材
を用いてこの着色を消すことにより白黒表示を実現して
いる。STN液晶ディスプレイで実用化されている上記
光学部材は光学補償用液晶セルであるが、この光学補償
用液晶セルには、高価である、光線の透過率が低下す
る、より強い光源を必要とする等の難点がある。
【0003】このため、光学補償用液晶セルに代わる位
相差補償用光学部材として、複屈折特性を有し、かつ透
明度の高いポリマーフィルム(以下、位相差補償フィル
ムという)を使用することが提案されている。このよう
な位相差補償フィルムとしては種々の材質のものが知ら
れているが、ポリカーボネート製のものとしては、透明
ポリカーボネートフィルムを一軸方向に延伸成形して得
たもの(特開昭63−261302号公報参照)や、粘
度平均分子量が40000以上の高重合度ポリカーボネ
ート樹脂を延伸成形して得たもの(特開平3−1819
05号公報参照)等が知られている。
【0004】位相差補償フィルムは、一般に、まず押出
成形法やソルベントキャスト法等によりポリマーシート
を得、このシートを加熱した後、または加熱しながら引
張延伸成形法等により延伸成形することにより製造され
る。延伸成形時の縦方向の延伸割合と横方向の延伸割合
とを適宜選択することにより、得られる位相差補償フィ
ルムの複屈折率差(△n)を調節することができる。そ
して、△nとフィルムの厚さ(t)とを調節することに
より、得られる位相差補償フィルムのレターデーション
(R=△n・t)を調節することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開昭63−261302号公報に記載のように位相差補
償フィルムとして、4,4′−ジヒドロキシアリールア
ルカン(例えばビスフェノールA)から得られた通常の
透明ポリカーボネートフィルムを用いた場合には、延伸
成形時の温度変化等によっても、得られる位相差補償フ
ィルムのレターデーションが大きく変化してしまうた
め、所望の特性を有する位相差補償フィルムを安定に得
ることが困難であるという問題点があった。この問題点
は、特開平3−181905号公報に記載のように、ビ
スフェノールAから得られた粘度平均分子量が4000
0以上の高重合度ポリカーボネート樹脂を用いることに
よりある程度解決することができるが、未だ不十分であ
る。
【0006】したがって本発明の目的は、延伸成形時の
温度変化に起因するレターデーションの変化が小さい位
相差補償フィルムの製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の位相差補償フィルムの製造方法は、分岐剤の含有量
が樹脂の基本骨格となる2価フェノールに対して0.0
5〜2.0モル%である分岐構造を有する粘度平均分子
量40000未満のポリカーボネート樹脂を延伸成形し
異方性配向フィルムからなる位相差補償フィルムを得
ことを特徴とするものである。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
位相差補償フィルムの製造方法に用いる材料は、上述の
ように分岐剤の含有量が樹脂の基本骨格となる2価フェ
ノールに対して0.05〜2.0モル%である分岐構造
を有する粘度平均分子量(以下、粘度平均分子量をMv
と略記することがある)40000未満のポリカーボネ
ート樹脂である。ここで、ポリカーボネート樹脂のMv
を40000未満に限定する理由は、次の通りである。
すなわち、Mvが40000以上になると押出成形が非
常に困難になり、またソルベントキャスト法においても
ポリマー溶液の粘度が高くなるために取扱いにくくなる
からである。また、架橋されたポリマーが含まれ易くな
り、フィルム作製時にゲルの原因となるからでもある。
さらには、現在市販されているポリカーボネートは界面
重縮合法により製造されているため、ポリマー溶液の粘
度が高いと洗浄系でポリマー濃度を落とさなければなら
なくなり、生産性が低下してコスト高となるからであ
る。Mvが20000未満でも押出成形が困難になるの
で、好ましいMvは20000〜35000である。
【0009】このようなポリカーボネート樹脂は、例え
ば、2価フェノールとホスゲンまたは炭酸エステルとを
分岐剤の存在下、所定の条件で重合させることにより得
ることができる。ここで、原料として使用することがで
きる2価フェノールおよび炭酸エステルの種類は、位相
差補償フィルムとして使用可能な光学特性を有するポリ
カーボネート樹脂が得られるものであれば特に限定され
るものではない。
【0010】2価フェノールの例としては、ハイドロキ
ノン、4,4′−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−
ヒドロキシフェニル)アルカン、ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)シクロアルカン、ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)オキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スル
フィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン等や、これらのハ
ロゲン置換化合物等が挙げられる。
【0011】また炭酸エステル化合物の例としては、ジ
フェニルカーボネート等のジアリールカーボネート、ジ
メチルカーボネートやジエチルカーボネート等のジアル
キルカーボネート等が挙げられる。
【0012】本発明の特徴であるポリカーボネート樹脂
に分岐構造を付与するための分岐剤としては、水酸基、
カルボキシル基、アミノ基、イミノ基、ホルミル基、酸
ハライド基、ハロホーメート基等の官能基を3個以上有
する化合物が挙げられる。化合物中における3個以上の
官能基は、同一のものでも異なるものでもよい。
【0013】分岐剤の具体例としては、フロログルシ
ン、メリト酸、トリメリト酸、トリメリト酸クロリド、
無水トリメリト酸、没食子酸、没食子酸n−プロピル、
プロトカテク酸、ピロメリト酸、ピロメリト酸第二無水
物、α−レゾルシン酸、β−レゾルシン酸、レゾルシン
アルデヒド、トリメリチルクロリド、イサチンビス(o
−クレゾール)、トリメリチルトリクロリド、4−クロ
ロホルミルフタル酸無水物、ベンゾフェノンテトラカル
ボン酸、2,4,4′−トリヒドロキシベンゾフェノ
ン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェ
ノン、2,4,4′−トリヒドロキシフェニルエーテ
ル、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシフェニルエ
ーテル、2,4,4′−トリヒドロキシジフェニル−2
−プロパン、2,2′−ビス(2,4−ジヒドロキシ)
プロパン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシジフ
ェニルメタン、2,4,4′−トリヒドロキシジフェニ
ルメタン、1−[α−メチル−α−(4′−ヒドロキシ
フェニル)エチル]−3−[α′,α′−ビス(4″−
ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、1−[α−メ
チル−α−(4′−ヒドロキシフェニル)エチル]−4
−[α′,α′−ビス(4″−ヒドロキシフェニル)エ
チル]ベンゼン、α,α′,α″−トリス(4−ヒドロ
キシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼ
ン、2,6−ビス(2′−ヒドロキシ−5′−メチルベ
ンジル)−4−メチルフェノール、4,6−ジメチル−
2,4,6−トリス(4′−ヒドロキシフェニル)−2
−ヘプテン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス
(4′−ヒドロキシフェニル)−2−ヘプタン、1,
3,5−トリス(4′−ヒドロキシフェニル)−ベンゼ
ン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エ
タン、2,2−ビス[4,4−ビス(4′−ヒドロキシ
フェニル)シクロヘキシル]−プロパン、2,6−ビス
(2′−ヒドロキシ−5′−イソプロピルベンジル)−
4−イソプロピルフェノール、ビス[2−ヒドロキシ−
3−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルベンジル)−5
−メチルフェニル]メタン、ビス[2−ヒドロキシ−3
−(2′−ヒドロキシ−5′−イソプロピルベンジル)
−5−メチルフェニル]メタン、テトラキス(4−ヒド
ロキシフェニル)メタン、トリス(4−ヒドロキシフェ
ニル)フェニルメタン、2′,4′,7−トリヒドロキ
シフラバン、2,4,4−トリメチル−2′,4′,7
−トリヒドロキシフラバン、1,3−ビス(2′,4′
−ジヒドロキシフェニルイソプロピル)ベンゼン、トリ
ス(4′−ヒドロキシアリール)−アミル−s−トリア
ジン等が挙げられる。
【0014】これらの分岐剤は、それぞれ単独で用いて
もよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。特に
好ましい分岐剤は、1,1,1−トリス(4−ヒドロキ
シフェニル)エタン、α,α′,α″−トリス(4−ヒ
ドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベ
ンゼン、1−[α−メチル−α−(4′−ヒドロキシフ
ェニル)エチル]−4−[α′,α′−ビス(4″−ヒ
ドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、トリメリト酸、
イサチンビス(o−クレゾール)およびフロログルシン
である。
【0015】なお、本発明の位相差補償フィルムの製造
方法において材料となるポリカーボネート樹脂における
分岐剤の含有量は、樹脂の基本骨格となる2価フェノー
ルに対して0.05〜2.0モル%である。分岐剤の特
に好ましい含有量は、0.1〜1.0モル%である。
【0016】相差補償フィルムは、材料として上述し
たポリカーボネート樹脂を用いる以外は、従来の位相差
補償フィルムと同様にして製造することができる。具体
的には、まず、押出成形法やソルベントキャスト法等に
より、上述したポリカーボネート樹脂のシートを得る。
このシートの厚さは、0.005〜5mm程度である。
次に、このシートを加熱した後、または加熱しながら、
引張延伸成形法、圧縮延伸成形法、ロール圧延成形法、
インフレーション成形法、ダイ内押出延伸成形法等によ
り一軸方向または二軸方向に延伸成形して、異方性配向
フィルムからなる本発明の位相差補償フィルムを得る。
従来と同様に、延伸成形時の縦方向の延伸割合と横方向
の延伸割合、およびフィルムの厚さを適宜調整すること
により、所望のレターデーション(R)を有する位相差
補償フィルムを得ることができる。Rの値は、目的とす
る位相差補償フィルムの用途等に応じて、適宜選択され
る。
【0017】本発明の方法により製された位相差補償
フィルムは、前述した分岐剤の含有量が樹脂の基本骨格
となる2価フェノールに対して0.05〜2.0モル%
である分岐構造を有する粘度平均分子量が40000未
満のポリカーボネート樹脂を材料としていることから、
延伸成形時の温度変化に起因するレターデーションの変
化が小さい。したがって、所望のレターデーションを有
する位相差補償フィルムが得られる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。 実施例1 (1)分岐構造を有するポリカーボネート樹脂の製造 内容積50リットルの撹拌機付き容器に、2価フェノー
ルとしてビスフェノールA 9.2モル、分岐剤として
1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン
0.069モル、2.0N水酸化ナトリウム水溶液9.
4リットルおよびジクロルメタン8リットルを入れて撹
拌し、ここにホスゲンを30分間吹き込んだ。次に、p
−tert−ブチルフェノール0.47モルを反応させ、さ
らにビスフェノールA 0.44モル、トリエチルアミ
ン0.022モル、0.2N水酸化ナトリウム水溶液
4.5リットルを加えて40分間反応させた後、水相と
有機相とを分離した。このようにして、ポリカーボネー
トオリゴマーのジクロルメタン溶液を得た。
【0019】このジクロルメタン溶液8リットルとビス
フェノールA 2.5モル、7.25重量%水酸化ナト
リウム水溶液400g、トリエチルアミン0.017モ
ルおよびジクロルメタン6リットルを混合し、500rp
m で撹拌しつつ60分間反応させた。反応後、水相と有
機相とを分離し、有機相を水、アルカリ(0.01N水
酸化ナトリウム水溶液)、酸(0.1N塩酸)および水
で順次洗浄し、洗浄後にジクロルメタンを除いて、分岐
構造を有するフレーク状のポリカーボネート樹脂を得
た。
【0020】このようにして得たポリカーボネート樹脂
の粘度平均分子量(Mv)は24500であった。ま
た、得られたポリカーボネート樹脂をアルカリ分解し、
液体クロマトグラフィーにより2価フェノールであるビ
スフェノールAに対する1,1,1−トリス(4−ヒド
ロキシフェニル)エタンの割合を測定したところ、0.
56モル%であった。
【0021】(2)位相差補償フィルムの製造 上記(1)で得られたポリカーボネート樹脂を押出成形
法により成形して厚さ2mmのポリカーボネート樹脂シ
ートを得た後、このシートを延伸成形温度160℃、1
70℃または180℃の条件で圧縮延伸成形法により一
軸方向(主配列方向)に3倍に延伸して、厚さ0.65
mmの位相差補償フィルムを計3種得た。各位相差補償
フィルムの複屈折率差(△n)およびレターデーション
(R)を表1に示す。また、Rの変化率を表1に併記す
る。
【0022】なお、△nは偏光顕微鏡にデレック型コン
デンセイターを取付けて測定し、Rは下式 R=△n・t t…位相差補償フィルムの厚さ(=0.65mm) により算出した。また、Rの変化率は下式により求め
た。 Rの変化率={(Rの変化)/[(Rの平均値)・(温
度差)]}×100 Rの変化…(180℃で延伸成形して得た位相差補償フ
ィルムのR)−(160℃で延伸成形して得た位相差補
償フィルムのR) Rの平均値…3種の位相差補償フィルムのRの平均値 温度差…180(℃)−160(℃)=20(℃)
【0023】実施例2 (1)分岐構造を有するポリカーボネート樹脂の製造 分岐剤として、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフ
ェニル)エタンに代えてα,α′,α″−トリス(4−
ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピル
ベンゼンを用いた以外は実施例1(1)と同様にして、
分岐構造を有するフレーク状のポリカーボネート樹脂を
得た。このようにして得たポリカーボネート樹脂のMv
は24600であった。また、得られたポリカーボネー
ト樹脂における分岐剤[α,α′,α″−トリス(4−
ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピル
ベンゼン]の含有量を実施例1(1)と同様に測定した
ところ、0.57モル%であった。
【0024】(2)位相差補償フィルムの製造 ポリカーボネート樹脂として上記(1)で得られたもの
を用いた以外は実施例1(2)と同様にして、厚さ0.
65mmの位相差補償フィルムを計3種得た。各位相差
補償フィルムについて実施例1(2)と同様にして複屈
折率差(△n)を測定するとともに、実施例1(2)と
同様にしてRおよびRの変化率を求めた。これらの結果
を表1に示す。
【0025】実施例3 (1)分岐構造を有するポリカーボネート樹脂の製造 分岐剤として、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフ
ェニル)エタンに代えて1−[α−メチル−α−(4′
−ヒドロキシフェニル)エチル]−4−[α′,α″−
ビス(4″−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼンを
用いた以外は実施例1(1)と同様にして、分岐構造を
有するフレーク状のポリカーボネート樹脂を得た。この
ようにして得たポリカーボネート樹脂のMvは2460
0であった。また、得られたポリカーボネート樹脂にお
ける分岐剤[1−[α−メチル−α−(4′−ヒドロキ
シフェニル)エチル]−4−[α′,α″−ビス(4″
−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン]の含有量を
実施例1(1)と同様に測定したところ、0.57モル
%であった。
【0026】(2)位相差補償フィルムの製造 ポリカーボネート樹脂として上記(1)で得られたもの
を用いた以外は実施例1(2)と同様にして、厚さ0.
65mmの位相差補償フィルムを計3種得た。各位相差
補償フィルムについて実施例1(2)と同様にして複屈
折率差(△n)を測定するとともに、実施例1(2)と
同様にしてRおよびRの変化率を求めた。これらの結果
を表1に示す。
【0027】実施例4 ポリカーボネート樹脂としてレキサン151(商品名、
GE社製、Mv=24800、分岐剤;トリメリト酸)
を用いた以外は実施例1(2)と同様にして、厚さ0.
65mmの位相差補償フィルムを計3種得た。各位相差
補償フィルムについて実施例1(2)と同様にして複屈
折率差(△n)を測定するとともに、実施例1(2)と
同様にしてRおよびRの変化率を求めた。これらの結果
を表1に示す。
【0028】実施例5 ポリカーボネート樹脂としてマクロロン3118[商品
名、バイエル社製、Mv=24100、分岐剤;イサチ
ンビス(o−クレゾール)]を用いた以外は実施例1
(2)と同様にして、厚さ0.65mmの位相差補償フ
ィルムを計3種得た。各位相差補償フィルムについて実
施例1(2)と同様にして複屈折率差(△n)を測定す
るとともに、実施例1(2)と同様にしてRおよびRの
変化率を求めた。これらの結果を表1に示す。
【0029】実施例6 ポリカーボネート樹脂としてデュロロンIB−2700
(商品名、イデミツケミカルドブラジル社製、Mv=2
2300、分岐剤;フロログルシン)を用いた以外は実
施例1(2)と同様にして、厚さ0.65mmの位相差
補償フィルムを計3種得た。各位相差補償フィルムにつ
いて実施例1(2)と同様にして複屈折率差(△n)を
測定するとともに、実施例1(2)と同様にしてRおよ
びRの変化率を求めた。これらの結果を表1に示す。
【0030】比較例1 (1)直鎖状ポリカーボネート樹脂の製造 5%水酸化ナトリウム水溶液400リットルに2価フェ
ノールとしてビスフェノールA 60kgを溶解して、
ビスフェノールAの水酸化ナトリウム水溶液を調製し
た。次いで、室温に保持したこのビスフェノールAの水
酸化ナトリウム水溶液を138リットル/時間の流量
で、またジクロルメタンを69リットル/時間の流量
で、ジャケットを有する管型反応管(反応管の内径;1
0mm、管長;10m)にオリフィス板を通して導入
し、これに並流してホスゲンを10.7kg/時間の流
量で吹き込んで、3時間連続的に反応させた。このと
き、ジャケット部分に冷却水を通して、反応液の排出温
度を25℃に保持した。また、排出液のpHが10〜1
1を示すように調整した。このようにして得られた反応
液を静置することにより水相を分離除去し、ジクロルメ
タン相(220リットル)を採取してこれに更にジクロ
ルメタン170リットルを加え、十分に撹拌して、ポリ
カーボネートオリゴマーを得た。
【0031】得られたポリカーボネートオリゴマー9.
0リットルに、p−tert−ブチルフェノール53.6g
を溶解させた。これとは別に、水酸化ナトリウム23.
5gを水600ccに溶解させ、この水酸化ナトリウム
水溶液にトリエチレンアミン5.2ccを加えたものを
調製した。そして、p−tert−ブチルフェノールを溶解
させた上述のポリカーボネートオリゴマーに、トリエチ
レンアミンを加えた上述の水酸化ナトリウム水溶液を添
加して、常温下、500rpm で1時間撹拌した。撹拌
後、ジクロルメタン9.6リットルとビスフェノールA
の水酸化ナトリウム水溶液(ビスフェノールA 611
g、水酸化ナトリウム357g含有)とを加えて、常温
下、500rpm で更に1時間撹拌した。
【0032】この後、ジクロルメタン5リットルを加
え、水5リットルで水洗した後、アルカリ(0.01N
水酸化ナトリウム水溶液)、酸(0.1N塩酸)および
水で順次洗浄し、洗浄後にジクロルメタンを除いて、フ
レーク状の直鎖状ポリカーボネート樹脂を得た。このよ
うにして得たポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量
(Mv)は24500であった。
【0033】(2)位相差補償フィルムの製造 ポリカーボネート樹脂として上記(1)で得られたもの
を用いた以外は実施例1(2)と同様にして、厚さ0.
65mmの位相差補償フィルムを計3種得た。各位相差
補償フィルムについて実施例1(2)と同様にして複屈
折率差(△n)を測定するとともに、実施例1(2)と
同様にしてRおよびRの変化率を求めた。これらの結果
を表1に示す。
【0034】比較例2 (1)直鎖状ポリカーボネート樹脂の製造 p−tert−ブチルフェノールの量を53.6gから2
4.3gに変えた以外は比較例1(1)と同様にして、
フレーク状の直鎖状ポリカーボネート樹脂を得た。この
ようにして得たポリカーボネート樹脂のMvは4500
0であった。
【0035】(2)位相差補償フィルムの製造 上記(1)で得られた直鎖状ポリカーボネート樹脂を用
いてソルベントキャスト法により厚さ2mmのポリカー
ボネート樹脂シートを得た後、このシートを実施例1
(2)と同条件で圧縮延伸成形法により一軸方向(主配
列方向)に3倍に延伸して、厚さ0.65mmの位相差
補償フィルムを計3種得た。各位相差補償フィルムにつ
いて実施例1(2)と同様にして複屈折率差(△n)を
測定するとともに、実施例1(2)と同様にしてRおよ
びRの変化率を求めた。これらの結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】表1から明らかなように、実施例1〜実施
例6では、延伸成形時の温度変化に起因するレターデー
ション(R)の変化率が比較例1〜比較例2での変化率
よりも小さい。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の位相差補
償フィルムの製造方法によれば、延伸成形時の温度変化
に起因するレターデーションの変化が小さい。
【0039】したがって本発明によれば、所望のレター
デーションを有する位相差補償フィルム容易に製造す
ることができる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−96623(JP,A) 特開 平2−42406(JP,A) 特開 平1−156322(JP,A) 特開 平1−156323(JP,A) 特開 平3−163131(JP,A) 特開 平3−181905(JP,A) 特開 平5−295101(JP,A) 特開 平4−268328(JP,A) 特開 平4−239555(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 5/30

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分岐剤の含有量が樹脂の基本骨格となる
    2価フェノールに対して0.05〜2.0モル%である
    分岐構造を有する粘度平均分子量40000未満のポリ
    カーボネート樹脂を延伸成形して異方性配向フィルムか
    らなる位相差補償フィルムを得ることを特徴とする位相
    差補償フィルムの製造方法。
  2. 【請求項2】 ポリカーボネート樹脂が、1,1,1−
    トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、α,α′,
    α″−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,5
    −トリイソプロピルベンゼン、1−[α−メチル−α−
    (4′−ヒドロキシフェニル)エチル]−4−[α′,
    α″−ビス(4″−ヒドロキシフェニル)エチル]ベン
    ゼン、トリメリト酸、イサチンビス(o−クレゾール)
    およびフロログルシンからなる群より選択される少なく
    とも1種の化合物から誘導された分岐構造を有する、請
    求項1に記載の位相差補償フィルムの製造方法。
JP04280092A 1992-02-28 1992-02-28 位相差補償フィルムの製造方法 Expired - Fee Related JP3163146B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04280092A JP3163146B2 (ja) 1992-02-28 1992-02-28 位相差補償フィルムの製造方法
DE1993615037 DE69315037T2 (de) 1992-02-28 1993-02-25 Phasendifferenz-kompensationsfilm
EP19930904353 EP0596129B1 (en) 1992-02-28 1993-02-25 Phase difference compensation film
US08/137,108 US5470937A (en) 1992-02-28 1993-02-25 Anisotropically oriented phase difference compensation film of a branched polycarbonate
PCT/JP1993/000237 WO1993017358A1 (en) 1992-02-28 1993-02-25 Phase difference compensation film

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04280092A JP3163146B2 (ja) 1992-02-28 1992-02-28 位相差補償フィルムの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05241020A JPH05241020A (ja) 1993-09-21
JP3163146B2 true JP3163146B2 (ja) 2001-05-08

Family

ID=12646045

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP04280092A Expired - Fee Related JP3163146B2 (ja) 1992-02-28 1992-02-28 位相差補償フィルムの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3163146B2 (ja)

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0713683B2 (ja) * 1987-06-30 1995-02-15 住友化学工業株式会社 位相差板およびこれを用いた複合偏光板および液晶表示装置
JPH0830806B2 (ja) * 1987-10-07 1996-03-27 住友化学工業株式会社 光学的異方体および液晶表示装置
JP2574825B2 (ja) * 1987-12-14 1997-01-22 出光興産株式会社 新規ポリカーボネート系重合体とその製法
JP2571586B2 (ja) * 1987-12-14 1997-01-16 出光興産株式会社 新規ポリカーボネート系共重合体とその製造法
JP2628562B2 (ja) * 1989-08-03 1997-07-09 出光石油化学株式会社 分岐状ポリカーボネート及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05241020A (ja) 1993-09-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
ES2613230T3 (es) Resina de copolicarbonato y producto que comprende la misma
WO2014021346A1 (ja) ポリカーボネート樹脂組成物及び透明フィルム
JP3349173B2 (ja) 位相差補償フィルム
US5470937A (en) Anisotropically oriented phase difference compensation film of a branched polycarbonate
JP2022028757A (ja) 光学用ポリカーボネート樹脂組成物及びその製造方法並びにそれを含むメガネレンズ及びカメラレンズ
JP2002226571A (ja) 共重合ポリカーボネート、その製造方法および樹脂組成物
JP3203069B2 (ja) 位相差補償フィルムおよびその製造方法
US4294953A (en) Process for preparing a branched polycarbonate
JP3163146B2 (ja) 位相差補償フィルムの製造方法
JP3499838B2 (ja) 高屈折率低複屈折性ポリカーボネート樹脂から形成された位相差フィルム用フィルムおよびその利用
JP3218049B2 (ja) 複屈折性を有する透明フィルムの製造方法
JP2007108280A (ja) 位相差フィルム
JPS6239624A (ja) ポリカ−ボネ−トよりなる光デイスク基板
JP3431256B2 (ja) 位相差フィルム
JPH07216078A (ja) 位相差フィルム
JP2001055455A (ja) 透明フィルム
JP3262921B2 (ja) 芳香族ポリエステル系位相差フィルム
JP3059450B2 (ja) フイルム
JP2001206944A (ja) ポリカーボネート共重合体
JP3431255B2 (ja) 位相差フィルム
JP3681604B2 (ja) ポリカーボネート共重合体
JPH06228296A (ja) 芳香族ポリカーボネート樹脂の改質法
JP2002179784A (ja) ポリカーボネート共重合体
JP2001146526A (ja) ポリカーボネート樹脂フィルム
JPH0675113A (ja) 位相差補償フィルム

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20010205

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees