JP3162953B2 - ピラゾリジン誘導体及びラジカルスカベンジャー、虚血再潅流障害抑制剤 - Google Patents

ピラゾリジン誘導体及びラジカルスカベンジャー、虚血再潅流障害抑制剤

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はピラゾリジン誘導体、特
に生体内におけるラジカルスカベンジャーとして有効な
誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、活性酸素やフリーラジカルの生体
に及ぼす影響が注目されるようになった。活性酸素やフ
リーラジカルは我々が酸素を利用して生存し続ける限り
常に体内で発生し、そして消去されるものである。これ
らは一般には生体防御の一環として生体にとって有利な
方向に作用する。しかし、その一方で生体のラジカルに
対する防御能を上回る量の生成をみた場合には、これら
が生体の膜や組織を構成する生体内成分を攻撃しさまざ
まな病態の形成や増悪を引き起こすことになる。現時点
で活性酸素・フリーラジカルが関与していると考えられ
る病態や疾患としては、脳梗塞、脳浮腫、パーキンソン
病のような脳神経疾患、肺酸素中毒、成人呼吸窮迫症候
群のような肺疾患、虚血性心疾患(心筋梗塞、不整脈な
ど)、動脈硬化のような循環器疾患あるいは消化性潰
瘍、潰瘍性大腸炎、クローン病のような消化器疾患など
があり枚挙にいとまがない。
【0003】このような現状において当然のことなが
ら、活性酸素・フリーラジカルのスカベンジャーを上記
のような疾患の治療薬に応用しようとする試みがなされ
てきている。例えば、脳浮腫に対しては、マイルドなラ
ジカルスカベンジャーであるマンニトールが臨床の場で
使用されているが、2週間にわたる連続投与が必要とさ
れている。最近、AVS(現在申請中)やMCI186(現在第
3相臨床治検中)のようなラジカルスカベンジャーが開
発されてきているが、これらの化合物の対象疾患は脳浮
腫のみとされており、ラジカルスカベンジャーで脳梗塞
を抑える医薬品は現状では皆無の状態にある。
【0004】一方、SODのリコンビナントが入手可能と
なり、これを臨床患者に投与してその組織保護作用が検
討されつつある。急性期心筋梗塞もその対象疾患の1つ
であるが、逆に、本疾患に対する治療薬としてSOD以外
のラジカルスカベンジャーは知られていない。また、不
整脈に対しては局所麻酔剤であるリドカインが臨床的に
使用されているのみである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記従来技術
に鑑みなされたものであり、その目的は、ラジカルスカ
ベンジャーとして脳浮腫、脳梗塞、心筋梗塞、不整脈等
に有効な低分子化合物を見い出し、さらには活性酸素・
フリーラジカルが関与している各種の疾患に有効な低分
子化合物を見い出すことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明者らが鋭意研究を進めてきた結果、特定のピラ
ゾリジン誘導体及びその薬理的に許容される塩はラジカ
ルスカベンジャーとして脳浮腫、脳梗塞、心筋梗塞、不
整脈等に有効であることを見出し、本発明を完成するに
至った。
【0007】すなわち本発明にかかるピラゾリジン誘導
体は、下記一般式化7で示されることを特徴とする。
【化7】 [上記一般式化7中、Aは式−CH−、式−CO−、
あるいは式−CHCO−で示される基、Bは式−O
−、式−NH−で示される基を意味する。また、R
水素原子、低級アルキル基または低級アルケニル基、R
は低級アルケニル基、ベンジル基、ピリジルメチル
基、式―(CH)n1―OH(但し、n1は1〜3まで
の整数を意味する。)、または下記の式化2で示される
基を意味する。ただし、R が低級アルケニル基で、且
つR が水素原子である場合を除く。nは1又は2の整
数を意味し、R,Rは低級アルキル基、低級アルケ
ニル基、ベンジル基を意味する。]
【0008】
【化8】 (式化8中、n2は1〜3までの整数を意味し、R5及び
6は低級アルキル基を表すか、もしくは両者が結合し
て4〜8員の飽和複素環式基を形成する。) また、本発明において、R2がベンジル基またはピリジ
ルメチル基であることが好適である。
【0009】また、R1が低級アルキル基であることが
好適であり、さらには、R1がイソブチル基であること
が好適である。また、R3及びR4が低級アルキル基であ
ることが好適であり、さらには、R3及びR4がエチル基
であることが好適である。また、本発明において、Bが
式−O−で示される基であることが好適である。また、
Aが式−CO−または式−CH2CO−で示される基で
あり、Bが式−NH−で示される基であることが好適で
ある。
【0010】また、本発明にかかる化合物は、下記一般
式化9で示されることが好適である。
【化9】 (なお、式中R3及びR4は低級アルキル基を意味す
る。)
【0011】前記化9の化合物において、R3及びR4
エチル基であることが好適である。また、本発明にかか
る化合物は、下記一般式化10で示されることが好適で
ある。
【化10】 (なお、式中、Aは式−CO−または式−CH2CO−
を意味する。)
【0012】また、本発明にかかる化合物は、下記一般
式化11で示されることが好適である。
【化11】 (なお、式中R3及びR4はエチル基またはベンジル基を
意味する。) 前記化11の化合物において、R2がベンジル基である
ことが好適であり、さらにはR1がイソブチル基である
ことが好適であり、さらにはR3及びR4がエチル基であ
ることが好適である。
【0013】また、本発明にかかる化合物は、下記一般
式化12で示されることが好適である。
【化12】 (なお、式中R1は低級アルキル基、R3及びR4は低級
アルキル基または低級アルケニル基を意味する。) 前記化12の化合物において、R2がベンジル基である
ことが好適であり、さらにはR1がイソブチル基である
ことが好適であり、さらにはR3及びR4がエチル基であ
ることが好適である。
【0014】また、本発明にかかるラジカルスカベンジ
ャーは前記ピラゾリジン誘導体ないしその薬理学的に許
容される塩を主成分とすることを特徴とする。また、本
発明にかかる虚血再潅流抑制剤は、前記ピラゾリジン誘
導体ないしその薬理学的に許容される塩を主成分とする
ことを特徴とする。また、本発明にかかる脳梗塞抑制
剤、脳浮腫抑制剤、心筋梗塞抑制剤もしくは不整脈抑制
剤は、前記ピラゾリジン誘導体ないしその薬理学的に許
容される塩を主成分とすることを特徴とする。
【0015】以下、本発明の構成をさらに詳細に説明す
る。本発明の化合物において、Aは式−CH2−,式−
CO−、あるいは式−CH2CO−で示される基を表
し、また、Bは式−O−、式−NH−で示される基を意
味する。なお、Aの式における酸素原子Oはイオウ原子
Sに置き換えることも可能である。
【0016】また、R1は水素原子、低級アルキル基、
低級アルケニル基であるが、ここで低級アルキル基とは
炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐状のアルキル基で、例え
ばメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、
イソプロピル基、イソブチル基、l−メチルプロピル
基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、l−エチルプロピ
ル基、イソアミル基、n−ヘキシル基などを挙げること
ができるが、好ましくはイソブチル基である。また、低
級アルケニル基とは二重結合が1つ以上含まれる炭素数
2〜6の直鎖もしくは分岐状のアルケニル基を意味する
が、好ましくは分岐アルケニル基である。なお、二重結
合の立体配置についてはシス(cis)、トランス(trans)
の2種類が存在するが、アルケニル基中の各々の二重結
合はこのいずれであってもよい。
【0017】R2は酸素原子を介して芳香環と結合し、
低級アルケニル基、ベンジル基、ピリジルメチル基、式
―(CH2)n1―OH(但し、n1は1〜3までの整数を
意味する。)、または前記式化8で示される基を意味す
るが、好ましくはベンジル基もしくはピリジルメチル基
であり、さらに好ましくはベンジル基である。なお、こ
こでいう低級アルケニル基は前記R1の場合と同様であ
る。R3,R4は低級アルキル基、低級アルケニル基、ベ
ンジル基を意味し、同一または異なっていてもよい。R
3,R4は好ましくは低級アルキル基であり、さらにはエ
チル基が好適である。なお、ここで言う低級アルキル
基、低級アルケニル基の定義は前記R1の場合と同様で
ある。
【0018】なお、前記R2、R3、R4におけるベンジ
ル基は、芳香環上の水素原子が他の置換基で置換されて
いてもよい。ここでいう置換基とは、低級アルキル基、
低級アルコキシ基、低級アルコキシカルボニル基、カル
ボキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、低級
アルキル基もしくは低級アシル基で置換されていても良
いアミノ基を意味する。なお、この置換基の定義におけ
る「低級アルキル基」、「低級アルコキシ基」とは上記
1の定義と同様であり、「低級アルコキシカルボニル
基」とは上記の低級アルキル基から誘導される基を意味
し、「低級アシル基」とは炭素数2〜6の直鎮もしくは分
岐状のアシル基で、例えばアセチル基、プロピオニル
基、ブチリル基、イソブチリル基、ピバロイル基等を挙
げることができる。
【0019】本発明に関わるピラゾリジン誘導体及びそ
の薬理的に許容される塩は、ラジカルスカベンジャーと
して抗酸化作用及び脂質過酸化抑制作用を有し、しかも
安全性が高い。このため、虚血再潅流などにより発生す
るラジカルがその発症要因とされている各種の障害、例
えば、脳梗塞、脳浮腫、心筋梗塞、不整脈などの予防・
治療剤として有用であり、またその他の虚血再潅流障害
に対しても有用性が期待できる。さらに、本発明化合物
は従来知られているラジカルスカベンジャーと異なり、
一剤で脳浮腫と脳梗塞に有効なものや、一剤で心筋梗塞
と不整脈に有効なものもあることが示された。
【0020】本発明化合物は、従来開示されていない新
規な化合物である。公知の類似化合物としては、特開昭
54-41873(US 4,207,327)に抗嘔吐作用を有するピラゾ
リジン誘導体が、特開平2-207069に中枢神経作用、嘔吐
抑制作用、胃腸運動促進作用を有するピラゾリジン誘導
体が、US 4,624,961に記憶改善作用を有するピラゾリジ
ン誘導体が記載されている。しかしながら、本発明の薬
理学的効果に関わりがあると思われる公知化合物として
は、Am. Heart J. 88, 664 (1974)記載の抗不整脈作用
を有するピラゾリジン誘導体、4-アミノ-N-(1,2-ジエチ
ル-4-ピラゾリジニル)ベンズアミドのみである。本発明
に関わるピラゾリジン誘導体は、基本骨格の芳香環上に
低級アルケニルオキシ基、ベンジルオキシ基、ピリジル
メトキシ基、ヒドロキシ低級アルキル基、または置換ア
ミノ低級アルキル基を有することを特徴とするピラゾリ
ジン誘導体であり、故に上記の公知ピラゾリジン誘導体
とは異なり新規な化合物である。
【0021】本発明で提供される前記化1で示される一
般式(I)の化合物は以下に示す図1ないし図6に示す
反応式A〜Fによって製造することができる。製造方法
としては、たとえば、「新実験化学講座」(丸善)や
「ペプチド合成」(丸善)に記載されている一般的な製
法を用いることができる。まず、図1に示す反応式A
中、A1 は式−CO−または式−CH2CO−を表し、
1、R2、R3、R4、B およびnは一般式(I)の定義
のとおりである。反応式Aにおいて、 Bが−NH− の
場合には、一般式(II)で表されるカルボン酸と一般式
(III)で表されるアミンとから一般式(I-a)で表さ
れる本発明に係わるアミド化合物が得られる。本反応に
おいては混合酸無水物を経由する方法、酸塩化物を経由
する方法、縮合剤を用いる方法、あるいはアジドを用い
る方法などの公知のアミド結合形成反応を使用すること
ができる。
【0022】混合酸無水物法の場合には、活性化剤とし
て例えば、ジフェニルホスフィニッククロリド、オキシ
塩化リン、クロロギ酸エチル、クロロギ酸イソブチル、
塩化ピバロイルなどを用いて、カルボン酸(II)をその
対応する酸無水物へと変換した後、アミン化合物(II
I)と反応させる。添加剤としては例えば、有機塩基で
あるトリエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリ
ンなどが用いられる。溶媒としては例えば、ジクロロメ
タン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、ピリジンなどの芳香族化合
物、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル
類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセト
アミドなどのアミド類、ジメチルスルホキシドなどのス
ルホキシド類が用いられる。反応温度、反応時間は使用
する原料化合物に応じて変化させれば良いが、通常−1
5℃から溶媒の還流温度の範囲で行われる。
【0023】酸塩化物法の場合には、例えば五塩化リ
ン、三塩化リン、塩化チオニルなどを用いて、カルボン
酸(II)をその対応する酸塩化物へと変換した後、アミ
ン化合物(III)と反応させる。添加剤としては例え
ば、トリエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリ
ンなどの有機塩基、水酸化ナトリウムなどの無機塩基、
あるいは酢酸ナトリウムや炭酸カリウムなどの塩が用い
られる。溶媒としては例えば、ジクロロメタン、クロロ
ホルムなどのハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、ピリジンなどの芳香族化合物、ジエチル
エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエー
テル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルア
セトアミドなどのアミド類、ジメチルスルホキシドなど
のスルホキシド類、水あるいはそれらの混合溶媒などが
用いられる。反応温度、反応時間は使用する原料化合物
に応じて変化させれば良いが、通常0℃から溶媒の還流
温度の範囲で行われる。
【0024】縮合剤を用いる方法では、例えば N,N'−
ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−(3−ジメ
チルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩
(WSCI)などのカルボジイミド類や1,1'−カルボニルジ
イミダゾールなどのカルボニルジイミダゾール類、四塩
化チタン、四塩化ケイ素などの塩化物が縮合剤として用
いられる。溶媒としては例えば、ジクロロメタン、クロ
ロホルムなどのハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、ピリジンなどの芳香族化合物、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、N,N−ジメ
チルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどの
アミド類が用いられる。本反応は必要に応じて1−ヒド
ロキシベンゾトリアゾール(HOBt)やN−ヒドロキシス
クシンイミド(HOSu)などを添加して行っても良い。反
応温度、反応時間は使用する原料化合物に応じて変化さ
せれば良いが、通常−78℃から溶媒の還流温度の範囲
で行われる。
【0025】アジド法の場合には、活性化剤として例え
ば、ジフェニルホスホリルアジドなどを用いてカルボン
酸(II)をその対応するアジドへと変換した後、アミン
(III)と反応させる。添加剤としては例えば、有機塩
基であるトリエチルアミン、ピリジン、N−メチルモル
ホリンなどが用いられる。溶媒としては例えば、ジクロ
ロメタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、ピリジンなどの芳香族化
合物、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル
類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセト
アミドなどのアミド類、ジメチルスルホキシドなどのス
ルホキシド類が用いられる。反応温度、反応時間は使用
する原料化合物に応じて変化させれば良いが、通常0℃
から溶媒の還流温度の範囲で行われる。
【0026】具体的には、例えば混合酸無水物法の場
合、活性化剤としてジフェニルホスフィニッククロライ
ド等を用い、添加剤としてはトリエチルアミンを用いて
クロロホルム等の溶媒中にて0℃から室温の範囲で反応
を行うことにより目的を達する。反応式Aにおいて B
が −O− の場合には、一般式(II)で表されるカルボ
ン酸と一般式(III)で表されるアルコールとから一般
式(I-a)で表される本発明に係わるエステル化合物が
得られる。本反応においては、脱水縮合による方法、酸
塩化物を経由する方法などの公知のエステル結合形成反
応を使用することができる。
【0027】脱水縮合によるエステル結合形成の場合に
は、触媒として硫酸、塩酸などの鉱酸、p−トルエンス
ルホン酸などの有機酸、三フッ化ホウ素エーテラートな
どのLewis 酸を用いる方法、無水硫酸マグネシウムやモ
レキュラーシーブなどの乾燥剤を共存させる方法などを
とることができる。また、トリフルオロ酢酸無水物やN,
N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)などの縮
合剤を用いることもでき、この際ピリジン、4−ジメチ
ルアミノピリジンなどの塩基を併用することが可能であ
る。また、トリフェニルホスフィンの存在下、ジアゾカ
ルボン酸ジエチルを用いることもできる。溶媒としては
例えば、ジクロロメタン、クロロホルムなどのハロゲン
化炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、ピリジン
などの芳香族化合物、テトラヒドロフラン、ジオキサン
などのエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−
ジメチルアセトアミドなどのアミド類が用いられる。反
応温度、反応時間は使用する原料化合物に応じて変化さ
せれば良いが、通常0℃から溶媒の還流温度の範囲で行
われる。
【0028】酸塩化物法の場合には、例えば五塩化リ
ン、三塩化リン、塩化チオニルなどを用いて、カルボン
酸(II)をその対応する酸塩化物へと変換した後、アル
コール(III)と反応させる。添加剤として例えば、ト
リエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリンなど
の有機塩基、水酸化ナトリウムなどの無機塩基、あるい
は酢酸ナトリウムや炭酸カリウムなどの塩が用いられ
る。溶媒としては例えば、ジクロロメタン、クロロホル
ムなどのハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン、キ
シレン、ピリジンなどの芳香族化合物、ジエチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル
類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセト
アミドなどのアミド類、ジメチルスルホキシドなどのス
ルホキシド類、水あるいはそれらの混合溶媒などが用い
られる。反応温度、反応時間は使用する原料化合物に応
じて変化させれば良いが、通常0℃から溶媒の還流温度
の範囲で行われる。
【0029】具体的には、例えば縮合剤としてN,N'-ジ
シクロヘキシルカルボジイミド等を、触媒として4-ジメ
チルアミノピリジン等を用い、ジクロロメタン等の溶媒
中にて0℃から室温の範囲で反応を行なうことにより目
的を達する。次に、図2に示す反応式Bにおいて、Xは
ハロゲン原子を表し、R1、R2、R3、R4、Bおよびn
は一般式(I)の定義のとおりである。
【0030】反応式Bにおいて、ハロゲン化合物(IV)
と化合物(III)とを反応させることにより一般式(I)
において A が式−CH2−である本発明化合物(I-
b)を合成することができる。反応は塩基の存在下に行
うことができ、ナトリウムアミド、トリエチルアミン、
水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、
酸化バリウム、酸化銀などが用いられる。また、触媒量
のヨウ化カリウムを加えることもできる。溶媒としては
例えば、メタノール、エタノール、ブタノールなどのア
ルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン、ピリジン
などの芳香族化合物、ジエチルエーテル、テトラヒドロ
フラン、ジオキサンなどのエーテル類、N,N−ジメチル
ホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミ
ド類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、ア
セトンなどのケトン類などが使用される。反応温度、反
応時間は使用する原料化合物に応じて変化させれば良い
が、通常0℃から溶媒の還流温度の範囲で行われる。
【0031】具体的には、例えば化合物(III)をテト
ラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド等に溶解
し、水素化ナトリウム等を加えて攪拌した後、ハロゲン
化合物(IV)を加えて室温から溶媒の還流温度の範囲で
反応を行なうことにより目的を達する。また、図3に示
す反応式Cにおいて、A1 は−CO−または−CH2
O−を表し、Xはハロゲン原子を表す。また、R1
2、R3、R4およびnは一般式(I)の定義のとおりで
ある。
【0032】反応式Cにおいて、一般式(V)で表され
るカルボン酸と一般式(III-a)で表されるアミンを反
応させてアミド化合物(VI)を合成し、次にハロゲン化
合物(VII)を塩基存在下で反応させることにより、一
般式(I-c)で表される本発明化合物が得られる。本反
応における一段階目のアミド化反応は、反応式Aにおけ
る反応条件と同様の条件下で行うことができる。本反応
における二段階目のハロゲン化物を用いたアルキル化反
応は反応式Bにおける反応条件と同様の条件下で反応を
実施することができる。また、前記反応式Aで表される
化合物(I-a)は図4に示す反応式Dのように一般式
(I-d)で表されるチオ化合物に変換してもよい。な
お、反応式D中、A1 は−CO−または−CH2CO−
を表し、A2は−CS−または−CH2CS−を表す。R
1、R2、R3、R4、Bおよびnは一般式(I)の定義の
とおりである。
【0033】反応に用いられる試薬としては、例えばLa
wesson's試薬(2,4-ビス(4-メトキシフェニル)-1,3-
ジチア-2,4-ジホスフェタン-2,4-ジスルフィド)、五硫
化リンなどがある。また、Bが-NH-の場合にはアミド
化合物(I-a)をホスゲンと反応させて得られるイミド
イルクロリドを硫化水素と反応させることによってもチ
オアミド化合物(I-d)を合成することができる。溶媒
としては例えば、ジクロロメタン、クロロホルムなどの
ハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、
ピリジンなどの芳香族化合物、テトラヒドロフラン、ジ
オキサンなどのエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類、ジメ
チルスルホキシドなどが用いられる。反応温度、反応時
間は使用する原料化合物に応じて変化させれば良いが、
通常0℃から溶媒の還流温度の範囲で行われる。
【0034】具体的には、例えば化合物(I-a)をトル
エン等に溶解し、Lawesson's試薬を加え、室温から溶媒
の還流温度の範囲で反応を行うことにより目的を達成す
る。また、R2が式―(CH2)n1−OHである本発明化
合物は図5に示す反応式Eまたは図6に示す反応式Fに
よっても得ることができる。反応式E中、q は0または
1、n1は2または3の整数を表し、R1、R3、R4
A、Bおよびnは一般式(I)の定義のとおりである。
【0035】反応式Eにおいて、例えば反応式Cに準ず
る方法で調製できる一般式(I-e)で表される化合物
を、一般式(I-f)で表される化合物に変換することに
より本発明の化合物が得られる。本反応には公知の方法
が用いられ、例えば、ヒドロホウ素化-酸化法、エポキ
シ化-ヒドリド還元法、オゾン酸化-還元法などの方法を
用いることができる。ヒドロホウ素化-酸化法の場合
は、ボラン-テトラヒドロフラン錯体などのボラン錯体
や、テキシルボランなどのアルキル化ボラン類と過酸化
水素水などの酸化剤および水酸化ナトリウムなどの塩基
類の組み合わせで、溶媒として例えばテトラヒドロフラ
ンなどのエーテル類中において反応を行うことができ
る。エポキシ化-ヒドリド還元法の場合は、m-クロロ過
安息香酸などの過酸類を用いて末端オレフィンをエポキ
シドに酸化してから、水素化リチウムアルミニウム-塩
化アルミニウムなどの混合水素化物を、溶媒として例え
ばジエチルエーテルなどのエーテル類中で作用させるこ
とにより反応を行うことができる。オゾン酸化-還元法
の場合には、メタノール、酢酸エチル、メチレンクロリ
ドなどの溶媒中、低温にてオゾンを吹き込み、生じたオ
ゾニドを水素化ホウ素ナトリウム、水素化リチウムアル
ミニウムなどのヒドリド試薬、接触水素添加などの方法
を用いて還元することにより目的を達する。いずれの反
応においても反応温度、反応時間は使用する原料化合物
に応じて変化させれば良いが、通常−78℃から溶媒の
還流温度の範囲で行われる。
【0036】具体的には、例えば化合物(I-e)をテト
ラヒドロフラン等に溶解し、9−ボラビシクロ[3,3,1]
ノナン等のボラン類を加え、室温から溶媒の還流温度の
範囲で反応を行う。次いで、過酸化水素水などの酸化剤
および水酸化ナトリウムなどの塩基で処理することによ
り目的を達する。
【0037】また、図6に示す反応式F中、A1 は−C
O−または−CH2CO−を表す。R7は水酸基の保護基
を表し、以後の反応において問題のない限り"Protectiv
e Groups in Organic Synthesis" (T.W.Green著)など
に記載の一般的な水酸基の保護基、すなわち、置換もし
くは無置換低級アルキル基、低級アルケニル基、置換も
しくは無置換ベンジル基、トリメチルシリル基などの置
換シリル基、アセチル基などの一般アシル基、カルボナ
ート基などを用いることができる。Yは脱離基を示し、
メタンスルホナート、p−トルエンスルホナートなどの
スルホン酸エステル、ハロゲン原子などを表す。R1
3 、R4、nおよびn1は一般式(I)の定義のとおり
である。
【0038】反応式Fにおいて一般式(VI)で表される
化合物に対し、一般式(VIII)で表される化合物を用い
てアルキル化し、次いで側鎖水酸基の保護基R7を脱保
護することにより一般式(I-g)で表される本発明化合
物が得られる。本反応における一段階目のアルキル化反
応では、反応式Bにおける反応条件と同様の条件で行う
ことができる。本反応における二段階目の脱保護反応で
は保護基の種類に応じて公知の方法が用いられる。具体
的には例えばR7がベンジル基の場合、化合物(VI)を
テトラヒドロフラン、N,N-ジメチルホルムアミド等の溶
媒に溶解し、水素化ナトリウム等を加えて撹拌した後、
化合物(VIII)を加えて室温から溶媒の還流温度の範囲
で反応を行うことにより化合物(IX)を得る。次いで本
化合物を接触水素添加反応に付することにより目的を達
する。接触水素添加反応については後述する反応式Hに
おける反応条件と同様の条件で行うことができる。
【0039】以上の反応式A〜Fに示す本発明化合物の
製造方法において用いられる原料化合物について、以下
に説明する。前記反応式Aにおいて一般式(II)で表さ
れる原料化合物および前記反応式Cにおいて一般式
(V)で表される原料化合物は、商業上入手可能である
か、または公知の方法にて合成可能であり、合成方法と
しては、例えば図7〜11に示す反応式G〜Kが挙げら
れる。
【0040】一般式(II)においてR1が低級アルケニ
ル基でn=1である化合物(II-a)、および一般式
(V)においてR1が低級アルケニル基でn=1である化
合物(V-a)は図7に示す反応式Gによって製造するこ
とができる。さらにこれらの化合物から図8に示す反応
式Hによって一般式(II)においてR1が低級アルキル
基でn=1である化合物(II-b)、および一般式(V)
においてR1が低級アルキル基でn=1である化合物(V
-b)を合成することができる。なお、反応式Gまたは
反応式Hで得られる化合物(II-a)、(V-a)、(II-
b)、(V-b)は何れもR1と−OR2の結合位置が隣接
している。
【0041】反応式G中、A1は−CO−または−CH2
CO−を表し、R9、R10、R11、R12およびR13は水
素原子または低級アルキル基を、Xはハロゲン原子を表
す。R8はカルボキシル保護基を表し、以後の反応にお
いて特に問題のない限りメチル基、エチル基、イソプロ
ピル基、t-ブチル基などの低級アルキル基、フェナシル
基あるいはトリクロロエチル基等を用いることができ
る。R2は一般式(I)の定義のとおりである。反応式G
において、一般式(X)で表される化合物に対しアルケ
ニル化、クライゼン転移、(アルキル化)、脱保護とい
う一連の反応を行うことにより一般式(II-a)および
(V-a)で表される目的化合物を得ることができる。反
応式Gにおける一段階目のアルケニル化反応および化合
物(XIII)に対するアルキル化反応は、反応式Bにおけ
る反応条件と同様の条件で行うことができる。
【0042】反応式Gの第二段階において、一般式(XI
I)で表される化合物をクライゼン転移反応に付すこと
により一般式(XIII)で表される化合物が得られる。本
反応は高沸点溶媒中または溶媒の非存在下、常圧または
加圧下で行う。溶媒としては例えばフェニルエーテル、
N,N-ジメチルアニリン等が用いられる。反応温度、反応
時間は原料化合物に応じて変化させればよいが、通常1
00℃から200℃の範囲で行われる。
【0043】反応式Gの最終段階において、一般式(XI
II)および(XIV)で表される化合物を脱保護反応に付
することにより、一般式(V-a)および(II-a)で表
されるカルボン酸を各々合成することができる。本脱保
護反応は、保護基R8の種類により公知のエステル加水
分解方法を用いることができ、例えばR8がメチル基、
エチル基の場合には水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
等の無機塩を用い、水、含水メタノール、含水エタノー
ル等の溶媒中にて、室温から溶媒の還流温度の範囲で反
応を行うことにより目的を達する。
【0044】また、図8に示す反応式H中、A1 は、−
CO−または−CH2CO−を表し、R9、R10、R11
12およびR13は水素原子又は低級アルキル基を表す。
8はカルボキシル保護基を表し、以後の反応において
特に問題のない限りメチル基、エチル基、イソプロピル
基、t-ブチル基などの低級アルキル基、フェナシル基、
あるいはトリクロロエチル基等を用いることができる。
2は一般式(I)の定義の通りである。
【0045】反応式Hにおいて一般式(XIII)および
(XIV)で表される化合物を水素添加し、次いでカルボ
キシル保護基の脱保護反応に付することにより、一般式
(V-b)および(II-b)で表される目的化合物を各々
得ることができる。本反応式の一段階目の水素添加反応
は公知の方法を用いることができ、接触還元条件下で行
う場合、触媒としては例えばパラジウム、白金、ニッケ
ル、ロジウム、ルテニウム等を使用することができる。
具体的には、例えば化合物(XIII)または(XIV)をエ
タノール、酢酸エチル、テトラヒドロフラン等に溶解
し、パラジウム-炭素を加え、水素ガス雰囲気下、室温
から溶媒の還流温度の範囲で反応を行うことにより目的
を達する。
【0046】反応式Hの二段階目の脱保護反応は反応式
Gの最終段階と同様の反応条件で行うことができる。ま
た、反応式Gの一般式(V-a)で表される原料化合物は
図9に示す反応式Iによっても合成することができる。
反応式I中、A1 は、−CO−または−CH2CO−を
表し、R9、R10、R11、R12およびR13は水素原子又
は低級アルキル基を、Xはハロゲン原子を表す。R8
カルボキシル保護基を表し、以後の反応において特に問
題のない限りメチル基、エチル基、イソプロピル基、t-
ブチル基などの低級アルキル基、フェナシル基、あるい
はトリクロロエチル基等を用いることができる。
【0047】反応式Iにおいて、一般式(X)で表され
る化合物の芳香環を一般式(XV)で表される化合物を用
いて直接アルケニル化し、ついで加水分解することによ
り一般式(V-a)で表される目的化合物を得ることがで
きる。本反応の一段階目のアルケニル化反応は、反応式
Bと同様の反応条件で行うことができるが、塩基として
は金属ナトリウム、金属カリウムなどの金属類を用いる
のが好ましい。また、本反応の二段階目の加水分解反応
は、反応式Gの最終段階と同様の反応条件で行うことが
できる。
【0048】また、反応式Aの一般式(II)で表される
原料化合物で、R1が低級アルキル基でn=1である化
合物(II-c)は図10に示す反応式Jによっても合成
することができる。反応式J中、A1 は−CO−または
−CH2CO−を表し、R14はメチル基、エチル基、イ
ソプロピル基、t-ブチル基などの低級アルキル基を表
す。Xはハロゲン原子を表し、Zは塩素原子もしくはR
14COO−基を表す。R8はカルボキシル保護基を表
し、以後の反応において特に問題のない限りメチル基、
エチル基、イソプロピル基、t-ブチル基などの低級アル
キル基、フェナシル基、あるいはトリクロロエチル基等
を用いることができる。R2は一般式(I)の定義の通り
である。
【0049】反応式Jにおいて、一般式(X)で表され
る化合物を、フリーデルクラフツアシル化反応、水酸基
のアルキル化反応、ケトンの還元反応および脱保護反応
に順次付すことにより、一般式(II-c)で表される目
的化合物を得ることができる。本反応における一段階目
のフリーデルクラフツアシル化反応は活性化剤としてLe
wis酸存在下、一般式(X)で表される化合物に一般式
(XVI)で表される酸塩化物あるいは酸無水物を作用さ
せることにより行うことができる。活性化剤としては例
えば塩化アルミニウム、五塩化アンチモン、四塩化チタ
ン、四塩化スズ、三フッ化ホウ素などのLewis酸、トリ
フルオロ酢酸無水物や、トリメチルシリルトリフラート
などを用いることができる。溶媒としては例えばニトロ
ベンゼンなどの芳香族化合物、ジクロロメタン、1,2-ジ
クロロエタンなどのハロゲン化炭化水素、二硫化炭素な
どを用いることができる。反応温度、反応時間は原料化
合物に応じて変化させればよいが、通常−78℃から溶
媒の還流温度の範囲で行われる。具体的には、例えば活
性化剤である塩化アルミニウムをジクロロメタン等に溶
解し、化合物(X)および(XVI)を加え、0℃から室温
の範囲で反応を行うことにより目的を達する。
【0050】反応式Jの二段階目における化合物(XVI
I)のアルキル化反応は、反応式Bにおける反応条件と
同様の条件で行うことができる。反応式Jの三段階目に
おいて、化合物(XVIII)のケトンを還元することによ
り一般式(XIX)もしくは(II-c)で表される目的化合
物を得ることができる。本反応には公知の反応を用いる
ことができ、例えばウォルフ-キシュナー還元、クレメ
ンゼン還元などの条件を用いることができる。ウォルフ
-キシュナー還元の場合はヒドラジンと水酸化カリウ
ム、ナトリウムメトキシドなどの強塩基を用い、溶媒と
して例えばジエチレングリコールなどの高沸点溶媒もし
くは溶媒の非存在下封管中で、150〜200℃の温度
範囲で反応させることにより目的を達する。クレメンゼ
ン還元の場合は、溶媒として例えばジエチルエーテル、
無水酢酸などを用い、塩酸の存在下、亜鉛もしくは亜鉛
アマルガムを作用させることにより目的を達する。具体
的には、水酸化ナトリウムなどの無機塩基とヒドラジン
を用い、エチレングリコール等の溶媒中にて100℃か
ら溶媒の還流温度の範囲で反応を行うことにより目的を
達する。本反応は条件によってはカルボキシル保護基で
あるR8が同時に脱保護され、目的化合物(II-c)を得
ることができる。一方、本反応により化合物(XIX)を
得た場合は、本化合物を反応式Gの最終段階と同様の条
件で脱保護反応に付すことにより目的を達する。
【0051】また、反応式Aの一般式(II)で表される
化合物はアルキル化反応を伴う図11に示す反応式Kに
よっても調製することができる。反応式K中、A1 は−
CO−または−CH2CO−を表し、Xはハロゲン原子
を表す。R8はカルボキシル保護基を表し、以後の反応
において特に問題のない限りメチル基、エチル基、イソ
プロピル基、t-ブチル基などの低級アルキル基、フェナ
シル基、あるいはトリクロロエチル基等を用いることが
できる。R1、R2およびnは一般式(I)の定義の通り
である。
【0052】反応式Kにおいてヒドロキシ化合物(XX)
または(V)をハロゲン化合物(VII)でアルキル化し、
ついで加水分解することにより一般式(II)で表される
目的化合物を合成することができる。本反応の一段階目
のアルキル化反応は、反応式Bと同様の反応条件で行う
ことができる、また、本反応の二段階目の加水分解反応
は、反応式Gの最終段階と同様の反応条件で行うことが
できる。次に、反応式Bにおいて一般式(IV)で表され
る原料化合物は図12に示す反応式Lによって合成する
ことができる。反応式L中、Xはハロゲン原子を表し、
15は水素原子およびメチル基、エチル基などの低級ア
ルキル基またはR2を表す。R1、R2およびnは一般式
(I)の定義の通りである。
【0053】反応式Lにおいて、一般式(XXIII)で表
される化合物を還元することによりアルコール(XXIV)
を合成し、ついでハロゲン化することにより一般式(I
V)で表される目的化合物を得ることができる。本反応
の一段階目の反応においては還元方法として一般的な方
法が用いられる。還元剤としては例えば水素化アルミニ
ウムリチウムなどの水素化アルミニウム化合物、ジボラ
ン、水素化ホウ素ナトリウムなどの水素化ホウ素化合
物、トリエチルシランなどの水素化ケイ素化合物、ラネ
ーニッケル、ルテニウム、酸化白金などの金属触媒が用
いられる。添加剤として、塩化コバルト、塩化亜鉛、塩
化アルミニウムなどを用いることもできる。溶媒として
は、例えばジクロロメタン、クロロホルムなどのハロゲ
ン化炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、ピリジ
ンなどの芳香族化合物、ジエチルエーテル、テトラヒド
ロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、メタノール、
エタノールなどのアルコール類が用いられる。反応温
度、反応時間は原料化合物に応じて変化させればよい
が、通常0℃から溶媒の還流温度の範囲で行われる。具
体的には、例えば水素化アルミニウムリチウム等を用
い、テトラヒドロフラン等の溶媒中にて0℃から溶媒の
還流温度の範囲で反応を行うことにより目的を達する。
【0054】本反応の二段階目の反応においては、水酸
基のハロゲン化反応として一般的な方法を用いることが
できる。例えば、ハロゲン化の試薬として、塩酸や臭化
水素酸などの強酸、三臭化リン、三塩化リン、五塩化リ
ンなどのリン化合物、塩化チオニル、N-ハロゲノスク
シンイミドとジメチルスルフィド、トリフェニルホスフ
ィンとハロゲン化炭化水素、塩化メタンスルホニルとリ
チウムハライドなどを用いて実施することができる。溶
媒としては、例えばジクロロメタン、クロロホルムなど
のハロゲン化炭化水素、、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、ピリジンなどの芳香族化合物、ジエチルエーテル、
テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、N,
N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミドな
どのアミド類が用いられる。反応温度、反応時間は原料
化合物に応じて変化させればよいが、通常0℃から溶媒
の還流温度の範囲で行われる。具体的には、例えば化合
物(XXIV)をアセトン等に溶解し、塩化リチウム、トリ
エチルアミンの存在下、メタンスルホニルクロリド等を
加え、0℃から室温の範囲で反応を行うことにより目的
を達する。
【0055】なお、上記各反応式において用いられてい
る原料化合物でとくに記述していない化合物は、商業上
入手可能であるか、または公知の方法を用いて容易に合
成することができる。例えば、反応式AやBで用いられ
る原料化合物(III)は特開昭57-59868、特公昭47-3206
2などに記載の方法に従って合成することが可能であ
る。本発明で提供される一般式(I)で表される化合物
は、必要に応じて酸付加塩とすることができる。酸付加
塩としては、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸な
どの無機酸との塩、酢酸、プロピオン酸、クエン酸、乳
酸、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、酒石
酸、メタンスルホンなどの有機酸との塩が挙げられる。
これらの塩は通常の方法により容易に製造することがで
きる。
【0056】本発明にかかるピラゾリジン誘導体を脳梗
塞、脳浮腫のような脳神経疾患治療薬や、心筋梗塞、不
整脈のような心疾患治療薬として用いる場合、内服薬あ
るいは注射薬として用いるのが一般的である。本発明化
合物を内服薬として用いる場合には、錠剤、散剤、顆粒
剤、カプセル剤、シロップ剤などとして経口的に投与し
てもよいし、また坐剤などとして非経口的に投与しても
よい。投与量は症状の程度、個人差、年齢などにより下
記範囲外の量を投与することもあり得るが、むろんそれ
ぞれ特定の場合における個々の状況に適合するように調
整しなければならない。通常成人1日あたり約0.01
〜200mg/kg、好ましくは0.05〜50mg/kg、さら
に好ましくは0.1〜10mg/kgを1日1ないし数回に
分けて投与する。
【0057】製剤化の際は、通常の製剤担体を用い、常
法により製造するが、必要により薬理学的に許容し得る
添加物を加えてもよい。すなわち、経口用固形製剤を調
整する場合には、主薬に賦形剤、さらに必要に応じて結
合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味矯臭剤等を加えた
後、常法により錠剤、被覆錠剤、顆粒剤、散剤、カプセ
ル剤などとする。
【0058】賦形剤としては、例えば乳糖、コーンスタ
ーチ、白糖、ブドウ糖、ソルビット、結晶セルロース、
二酸化ケイ素等が、結合剤としては、例えばポリビニル
アルコール、ポリビニルエーテル、エチルセルロース、
メチルセルロース、アラビアゴム、トラガント、ゼラチ
ン、シェラック、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒド
ロキシプロピルスターチ、ポリビニルピロリドン等が、
崩壊剤としては、例えば澱粉、寒天、ゼラチン末、結晶
セルロース、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、ク
エン酸カルシウム、デキストリン、ペクチン等が、滑沢
剤としては、例えばステアリン酸マグネシウム、タル
ク、ポリエチレングリコール、シリカ、硬化植物油など
が、着色剤としては医薬品に添加することが許されてい
るものが、矯味矯臭剤としては、ココア末、ハッカ脳、
芳香酸、ハッカ油、龍脳、桂皮末などが用いられる。こ
れらの錠剤、顆粒剤には糖衣、ゼラチン衣、その他必要
により適宜コーティングすることが可能である。
【0059】本発明化合物を注射薬として用いる場合、
投与量は症状の程度、個人差、年齢などにより異なる
が、通常成人1日あたり0.05〜10mg/kg、好まし
くは0.1〜3mg/kgを1日一ないし数回に分けて投与
する。注射剤としては、無菌の水性または非水性の溶液
剤、懸濁剤、乳濁剤が含まれる。このような注射剤にお
いては、1つまたはそれ以上の活性物質が、少なくとも
1つの不活性な水性の希釈剤や不活性な非水性の希釈剤
と混合して用いられ、必要に応じて、さらに防腐剤、湿
潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤、溶解補助剤のような
補助剤を含有してもよい。これらは通常、濾過(バクテ
リア保留フィルター等)、殺菌剤の配合又はガンマー線
照射によって無菌化されるか、又はこれらの処理をした
後、凍結乾燥等の方法により固体組成物とし、使用直前
に無菌水又は無菌の注射用希釈剤を加えて使用される。
【0060】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について説明す
る。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。まず、本発明の化合物のラジカルスカベンジャ
ーとしての効果を調べるため、ラジカル消去作用および
脂質過酸化抑制作用を調べた。それぞれの試験方法は次
の通りである。
【0061】DPPHラジカル消去作用 <意義>被験薬物のラジカル消去能を、安定ラジカル
α,α−diphenil−β−picrylhydrazyl(DPPH)との反
応量、及び反応性から検討する。 <方法>内山らの方法(薬学雑誌、第88巻、678〜683ペ
ージ、1968年)にて行なった。すなわち、20mM酢酸緩衝
液(pH5.5)、60%エタノール、被験薬物10μMを含む
溶液に0.1mMとなるようDPPHを加え撹拌し、室温にて30
分間の517nmの吸光度変化を測定した。なお被験薬物はD
MSOに溶解し、DMSOの終濃度は10%であったが、この濃度
では本系への影響は見られなかった。 <判定基準>濃度10μMにおける被験薬物のDPPH還元率
は以下の式にて算出した。 還元率(%)={1−(30分後の吸光度/初めの吸光
度)}× 100
【0062】脂質過酸化抑制作用 <意義>ラジカル消去作用を有する被験薬物が実際に脂
質過酸化抑制作用を有するか否か、またその効力比較を
ラット脳ホモジネートを用いた自動酸化系にて検討す
る。
【0063】<方法>嶋本らの方法(フリーラジカルの
臨床、第1巻、91〜95ページ、1987年)に準じて以下の
方法にて行なった。SD系雄性ラット(7週齢)をペント
パルビタール麻酔下に生理食塩水を潅流し脱血致死させ
た後、大脳半球を摘出し氷冷下にて19倍量の20mMリン酸
緩衝液(pH7.4)を加えてホモジナイズした。これに被験
薬物を1μM添加し、37℃1時間インキュベートを行い生
成した過酸化脂質量をTBA法にて定量した。すなわち、
ホモジネート0.2mlに8.1%SDS 0.2ml、20%酢酸緩衝液(p
H3.5)1.5ml、0.8%TBA試薬1.5mlを加え95℃にて1時間イ
ンキュベートした後速やかに氷冷し、蒸留水1ml、n-ブ
タノール−ピリジン混液(15:1,v/v)5mlを加え撹拌
した。遠心分離後ブタノール層を採取し盲検を対照に53
5nmの吸光度(a)を測定した。また標準液として1,1,3,3
-tetraethoxypropane(TEP)10μM液を脳ホモジネートの
代わりに加え吸光度(A)を測定した。なお盲検として脳
ホモジネートの代わりにリン酸緩衝液を加えたものを用
いた。過酸化物濃度は以下の式にて算出し、過酸化脂質
量とした。 過酸化物濃度(nmol/g wet weight)=a/A × 100 被検薬物はジメチルスルホオキサイド(DMSO)に溶解し
用いた。DMSOの終濃度は2%としたが、本系への影響は見
られなかった。
【0064】<判定基準>濃度1μMにおける被検薬物
の脂質過酸化抑制率は溶媒添加群(M)、薬物添加群
(m)での過酸化脂質量より以下の式にて算出した。 脂質過酸化抑制率 (%)={1−(m/M)}× 100
【0065】化合物群1 本化合物群1は前記一般式化9に対応し、nが1、Bは
−O−、R1は3位のイソブチル基、R2は2位のベンジ
ル基である。 [実施例1]
【化13】 [実施例2]
【化14】 [実施例3]
【化15】 [実施例4]
【化16】
【0066】
【表1】 ───────────────────────────── DDPH還元率(%) 脂質過酸化抑制率(%) ───────────────────────────── 実施例1 49.2 23.9 実施例2 24.8 1.4 実施例3 20.8 29.2 実施例4 18.9 7.0 ───────────────────────────── 上記表1より明らかなように、本化合物群1に属する物
質は高いDPPH還元作用(ラジカル消去作用)ととも
に、脂質過酸化抑制作用を有している。なお、本化合物
群1の場合には、Aの自由度が高く、−CH2−、−C
O−、−CH2CO−などが用いられる。
【0067】化合物群2 本化合物群2は前記一般式化10に対応し、nが2、A
は−CO−または−CH2CO−、Bは−NH−であ
る。 [実施例5]
【化17】 [実施例6]
【化18】 [実施例7]
【化19】
【0068】
【表2】 ───────────────────────────── DDPH還元率(%) 脂質過酸化抑制率(%) ───────────────────────────── 実施例5 40.7 20.1 実施例6 35.8 29.3 実施例7 39.9 18.0 ───────────────────────────── 上記表2より明らかなように、本化合物群2に属する物
質は高いDPPH還元作用(ラジカル消去作用)ととも
に、脂質過酸化抑制作用を有しており、この傾向は−O
2の結合位置に関わらず広く認められる。
【0069】化合物群3 本化合物群3は前記一般式化11に対応し、nが1、A
は−CO−、Bは−NH−である。 [実施例8]
【化20】 [実施例9]
【化21】 [実施例10]
【化22】
【0070】[実施例11]
【化23】 [実施例12]
【化24】 [実施例13]
【化25】 [実施例14]
【化26】
【0071】[実施例15]
【化27】 [実施例16]
【化28】 [実施例17]
【化29】
【0072】[実施例18]
【化30】 [実施例19]
【化31】 [実施例20]
【化32】 [実施例21]
【化33】 [実施例22]
【化34】
【0073】[実施例23]
【化35】 [実施例24]
【化36】 [実施例25]
【化37】 [実施例26]
【化38】 [実施例27]
【化39】
【0074】
【表3】 ───────────────────────────── DDPH還元率(%) 脂質過酸化抑制率(%) ───────────────────────────── 実施例8 34.6 25.1 実施例9 33.1 20.1 実施例10 27.2 21.0 実施例11 34.5 19.4 実施例12 33.4 22.5 実施例13 32.0 9.9 実施例14 27.6 11.0 実施例15 36.8 19.5 実施例17 27.3 11.3 実施例18 28.6 実施例19 33.4 16.0 実施例20 36.0 実施例21 17.0 15.3 実施例22 26.8 35.5 実施例23 28.0 13.5 実施例24 46.0 17.7 実施例25 27.4 5.1 実施例26 12.4 32.3 実施例27 12.4 7.4 ─────────────────────────────
【0075】上記各実施例より明らかなように、本化合
物群3に属する物質は高いDPPH還元作用(ラジカル
消去作用)とともに、脂質過酸化抑制作用を有してい
る。なお、本化合物群3の場合には、R1、R2、R3
4の構成は自由度が高く、一般式化7で定義された各
種置換基を採用することができる。
【0076】化合物群4 本化合物群4は前記一般式化12に対応し、nが1、A
は−CH2CO−、Bは−NH−であり、−0R2が2
位、R1が3位に結合している。 [実施例28]
【化40】 [実施例29]
【化41】 [実施例30]
【化42】 [実施例31]
【化43】
【0077】[実施例32]
【化44】 [実施例33]
【化45】 [実施例34]
【化46】 [実施例35]
【化47】 [実施例36]
【化48】
【0078】
【表4】 ───────────────────────────── DDPH還元率(%) 脂質過酸化抑制率(%) ───────────────────────────── 実施例28 27.4 9.4 実施例29 26.2 9.0 実施例30 27.5 29.8 実施例31 17.7 13.4 実施例32 32.9 実施例33 29.1 実施例34 23.2 9.2 ─────────────────────────────
【0079】上記表4より明らかなように、本化合物群
4に属する物質は高いDPPH還元作用(ラジカル消去
作用)とともに、脂質過酸化抑制作用を有している。な
お、本化合物群4の場合には、R2の構成は自由度が高
く、一般式化7で定義された各種置換基を採用すること
ができる。
【0080】次に、本発明の化合物の脳における虚血再
潅流障害に対する効果を調べるため、らラット実験モデ
ルを用いてさらに検討を行った。試験方法は次の通りで
ある。なお、本発明化合物として前記実施例1、実施例
3、実施例22および実施例30を用いて行った。
【0081】脳梗塞抑制作用 <意義>in vivoでの脳梗塞抑制効果を検討する。本試
験により、末梢投与した被験薬物が血液脳関門を通過し
うるかどうかの判断もできる。
【0082】<方法>実験には9〜10週齢のCrj:Fischer
-344系雄性ラットを使用した。被験薬物は、溶解可能な
ものはすべて生理食塩水に溶解し静脈内投与及び腹腔内
投与した。溶解できないものは0.1%Tween-80を含む生理
食塩水に懸濁し、腹腔内投与した。また、0.5%のTween8
0を含む生理食塩水に溶解したものを静脈内投与に用い
た。腹腔内投与は再潅流の20分前に、また静脈内投与は
再潅流と同時に投与した。なお、対照には基剤のみを投
与した。手術はKoizumiらの方法(脳卒中、第8巻、1-8
ページ、1986年)に準じて中大脳動脈(MCA)閉塞モデル
を作成した。すなわち、ラットを4%halothaneにて吸入
麻酔で導入して、1%halothaneで麻酔を維持し、背位に
固定した。頚部正中切開して右頚動脈分岐部を中心に総
頚動脈および外頚動脈を周囲結合組織より剥離し、絹糸
にて結紮した。さらに内頚動脈起始部に絹糸をかけ、塞
栓挿入後の結紮・固定に備えた。ついで総頚動脈を切開
し、同部より4-0の外科用ナイロン糸を歯科用印象剤で
被覆した長さ約16mmの塞栓を内頚動脈に向けて挿入し、
塞栓のナイロン糸近位端を前述の絹糸で内頚動脈に結紮
・固定した。またすべての麻酔による体温低下を防ぐた
め、手術の際、小動物体温制御装置にて体温を保持し
た。
【0083】以上の操作より、2時間脳虚血を施し、塞
栓を抜き去ることにより再潅流した。再潅流した2時間
後に脳を摘出後、lambdaのレベルから後方2mm毎の冠状
断切片を4切片作成し、これを2%triphenyltetrazorium
chloride(TTC)液に浸け37℃で10分間インキュベートし
た。染色した脳切片をリン酸緩衝化8%ホルマリン液に1-
2日間浸けた後、切片を実体顕微鏡(SZH1O ORINPAS)下写
真に撮り、各冠状断片ごとにPlanimeter(PLANIX 5000,
TAMAYA)で梗塞巣の面積を測定した。
【0084】<判定基準>被験薬物の効果を、4切片のT
TCによって染色されなかった梗塞部位の総合面積を障害
の指標に用い、おのおの抑制率(%)で表した。有意差検
定はstudent t-testで行った。 各抑制率(%)={1-(被験薬物群の値/対照群の値)}
×100
【0085】脳浮腫抑制作用 <意義>in vivoでの脳浮腫抑制効果を確認する。本試
験により、末梢投与した被検薬物が血液脳関門を通過し
うるかどうかの判断もできる。
【0086】<方法>7〜9週齢のFischer rat(日本チ
ャールスリバー)を用い、MCA閉塞再潅流モデルを小泉
らの方法(脳卒中、第8巻、1-8ページ、1986年)にした
がって作成した。すなわち、動物を2%ハロタン麻酔下で
背位に固定し、頚部正中線に沿って切開して迷走神経の
保存に注意し、右総頚動脈を頚動脈分岐点まで分離し
た。頚動脈分岐点を中心に、外頚動脈および内頚動脈を
周囲結合組織より剥離し、総頚動脈および外頚動脈を絹
糸にて結紮し、さらに、内頚動脈起始部に絹糸をかけ塞
栓糸挿入後の結紮、固定に備えた。次に、総頚動脈を切
開し、同部より塞栓糸を内頚動脈に向けて約15〜16mm挿
入し、前述の絹糸で内頚動脈に結紮、固定した。以上の
操作により、塞栓糸の先端はMCA分岐点を越えて、前大
脳動脈内に約1〜2mm入り、塞栓糸の体部でMCA入り口
を閉塞した。再潅流はMCA始起部を閉塞した塞栓糸を一
定時間留置後、ハタロン麻酔下で抜き去ることにより行
なった。但し、このモデルでの血流の再開は、右総頚動
脈が結紮されているため、左内頚動脈および椎骨・脳底
動脈より前・後交通動脈を介して行なわれるものと考え
られている。本実験では2時間虚血2時間再潅流を行なっ
た。
【0087】なお、塞栓糸の作製は以下の通り行なっ
た。全長16mmの4-0外科用ナイロン糸の先端をアルコー
ルランプにかざして直径0.2〜0.3mmの球を作り、それよ
り近位側に向かって約5mmの範囲を玉の大きさを目安と
して歯科用印象剤でコーティングし、これを塞栓糸とし
た。脳水分含有量は湿乾燥重量法で測定した。すなわ
ち、虚血あるいは虚血再潅流を施した動物を断頭し脳を
摘出した後、小脳を除いた前脳を左右半球に分けて、右
半球を虚血側、左半球を非虚血側としてそれぞれ速やか
に重量を測定し、これを湿重量とした。さらに、110℃
で24時間乾燥させ、再び重量を測定し、これを乾燥重量
とした。これら湿重量および乾燥重量より以下の式を用
いて脳水分含有量を測定した。 脳水分含有量(%)=(湿重量−乾燥重量)/湿重量×
100 被験薬物は0.05%Tween80/生理食塩液に懸濁し、投与
濃度は100mg/kgとし、再潅流20分前に5ml/kgを腹腔内投
与した。また対照には基剤のみを同様に投与した。
【0088】<判定基準>得られた結果は、平均値±標
準誤差で表し、有意差検定はunpairdのT検定法あるいは
WelchのT検定法で比較検定し、危険率5%未満(P<0.05)
を有意な差とみなした。また抑制率は次式で表した。 抑制率(%)={(対照群の脳水分含有量−薬物群の脳
水分含有量)/(対照群の脳水分含有量−2時間虚血群
の脳水分含有量)}×100
【0089】
【表5】 ──────────────────────────────── 脳梗塞抑制率(%) 脳浮腫抑制率(%) ──────────────────────────────── 実施例1 *47.1(100mg/kg, i.p.) 7.2(100mg/kg, i.p.) 実施例3 36.2( 50mg/kg, i.p.) 15.6(100mg/kg, i.p.) 実施例22 18.4(100mg/kg, i.p.) 31.2(100mg/kg, i.p.) 実施例30 *60.0(100mg/kg, i.p.) *48.1(100mg/kg, i.p.) ──────────────────────────────── *p<0.05 以上のように、本発明の化合物は高いDPPH還元作
用、脂質過酸化抑制作用を有するとともに、脳梗塞抑制
および脳浮腫抑制に優れた効能を示しており、このよう
にラジカルスカベンジャーとして一剤で脳梗塞、脳浮腫
に有用な化合物はきわめてまれである。
【0090】さらに、心臓における虚血再潅流障害に対
する本発明の化合物の効果について以下の実験モデルを
用いて検討した。なお、本発明の化合物として前記実施
例17を用いた。
【0091】ラット Working Heart 心機能不全モデル <意義>ラット Working Heart 潅流心を用いてスタン
ニングモデルを作成し、被験薬物の評価を行った。な
お、ラット潅流心を用いた評価系としては Langendorff
潅流法によるものが一般的であるが、心機能、特に心臓
のポンプとしての機能を的確に測定するため Working H
eart 法を選択した。なぜなら、Working Heart法で測定
される Aortic output(大動脈拍出量)、Stroke volum
e(一回拍出量、 (Aortic output+coronary output)/
Heat rate)は心臓のポンプ機能を直接表すパラメータ
であり、Langendorff 法で観察される左心室内圧という
パラメータに比べ、より正確に心機能を測定することが
期待されるからである。また、Working Heart 法は生理
的な心臓の状態により近い潅流法であるという利点も有
している。今回の実験では溶媒対照群で虚血前値に対し
て再潅流20分値が AO で約50%の回復率になるよう
に条件を設定して(15分完全虚血)、再潅流時に薬物
を添加することによりその回復率が溶媒対照群に対して
どの程度改善するかを調べた。
【0092】<方法> i)使用動物 Sprague-Dawley系雄性ラット体重250〜300gのもの(日
本チャールスリバー社から購入)を使用した。
【0093】ii)Working Heart 式潅流 Working Heart 式潅流は Neely らの方法(Am. J. Phys
iol., 212, 804(1967))を若干改変して実施した。実験
条件は du Toit らの報告(J. Cardiovasc. Pharamco
l., 22, 877(1993))を参考にして以下のように実施し
た。Working Heart式潅流では前負荷圧10cm H20、後負
荷圧80cm H20、Langendorff 式潅流では定圧潅流(80cm
H2O)で実施した。測定パラメータは潅流圧(PP;perfu
sion pressure,血圧に相当)心拍数(HR; heart rat
e)、大動脈拍出量(AO; aortic output)および冠動脈流
量(CO; Coronary output)を測定した。潅流液は krebs
henseleit solution(KHS) を用い、その組成は次に示
すとおりである。 NaCl:118, KCl:4.8, MgSO4:1.2, KH2PO4:1.2, CaCl2:1.
25, NaHCO3:25, Glucose:11 (mM)。 なお、実験は36〜37℃で実施した。
【0094】ラットをペントバルビタールナトリウム
(50mg/kg,i.p.)にて麻酔した後、ヘパリンナトリウム
(100 u/kg,i.v.)を投与した。ラットの胸部を切開し、
心臓を摘出して4℃のKHSに入れて心停止させた。心停止
後、速やかに潅流装置の大動脈カニューレに心臓を装着
し、直ちに Langendorff 式潅流を開始した。次に左心
房カニューレを装着し、10分間のLangendorff 式潅流
の後、Working Heart 式潅流に切り替えて15分間の安
定化を行った。安定化が終了した後、左心房カニューレ
および大動脈カニューレを閉塞し、完全虚血を15分間
負荷した。虚血中はリン酸緩衝液にて心臓を36-37℃に
保温した。再潅流は Langendorff 式潅流で開始し、潅
流を10分間行った。その後、引き続き20分間の Wor
king Heart 式潅流を行い、合計30分間の再潅流を行
った。各パラメータは安定化終了時(前値)と再潅流2
0分後に測定した。
【0095】iii)薬物 本発明の化合物として、実施例17を用い、陽性対照薬
として、 SOD+Catalase、および MPG(N-(2-Mercaptopr
opionyl)glycine) を用いた。各薬物の濃度は本発明化
合物1μM、SOD 30,000 u/l、 Catalase 50,000 u/l、
MPG 1000μMで再潅流時に添加した。SOD、 Catalase、
MPGは全て、KHSにそのまま溶解した。実施例化合物は水
に難溶性であるので、DMSOに溶解し、KHSに1000倍に希
釈して添加した。従って、最終濃度としてDMSOを0.1%含
むため、溶媒対照としてのDMSO0.1%添加群も同時に試験
を行った。なお、各群の例数は11〜12で行った。
【0096】<作用の評価・判定>測定した各パラメー
タより以下の評価パラメータを安定化終了時(前値)及
び再潅流20分後について求めた。 AO : 測定値を表示(ml/min) SV(Stroke volume)=(AO+CO)/HR (ml/beat) 算出された評価パラメータより、再潅流20分後のAO及
びSV回復率を次式に従い算出した。 回復率(%)=(再潅流20分後の値)/前値×100
【0097】
【表6】 ──────────────────────────────── AO回復率(%) SV回復率(%) 例数n ──────────────────────────────── Mean±S.E Mean±S.E control 50.6±6.8 60.6±5.9 12 SOD+Catalase 51.1±4.8 65.1±5.1 11 MPG 66.2±2.5* 74.1±2.4 12 DMSO(0.1%) 48.5±6.7 58.4±6.0 12 実施例17 72.3±3.8** 77.0±3.3* 12 ──────────────────────────────── *p<0.05, **p<0.01 vs Control or DMSO(0.1%) 表6からわかるように、実施例17の化合物は1μMの
濃度で大動脈拍出量(AO)および一回拍出量(SO)の回
復率がいずれも70%以上と有意な心機能改善を示し、
MPGの数100倍の効果が認められた。
【0098】ラット急性心筋梗塞モデル <意義>ラット急性心筋梗塞モデルを用いて再潅流時の
心筋壊死の拡大に対する薬物の効果を調べた。本実験は
in vivo で行った。実験条件は虚血のみでは心筋壊死
は起こらず、再潅流を伴うことで心筋壊死が惹起される
15分間虚血3時間再潅流という条件で実施した。ラッ
トの冠動脈結紮術は冠動脈を直接肉眼的に観察すること
が困難であるため結紮部位に個体間での差異が生じる。
従って、虚血領域に対する心筋壊死領域(ID/Risk %)と
いう形でデータをノーマライズして薬物の評価を行っ
た。今回の実験では溶媒対照群で ID/Risk が約50%
となったが、薬物を静脈内持続注入しながら再潅流を行
うことでこの値が縮小するか否かを評価の基準とした。
【0099】<方法> i)使用動物 Sprague-Dawley系雄性ラット体重250-300gのもの(日本
チャールスリバー社から購入)を使用した。 ii)術式 ラットをペントバルビタールナトリウム(50mg/kg,i.
p.)にて麻酔した後、背位に固定し、気管カニューレを
挿入し、人工呼吸器(ハーバード社製 683型)にて換気
量約20ml/kg、50 stroke/min で人工呼吸を行った。総
頚動脈および股静脈にカニューレを挿入し、動脈より全
身血圧をモニタし、静脈カニューレは薬物投与用とし
た。胸部を正中切開し、心臓を露出させ左冠動脈基始部
付近で閉塞用の縫合糸(針付きシルクブレード5-0)を
冠動脈の回りにかけた。なお、ラットは体温を37℃に
保持するための保温パッドの上に置いた。
【0100】iii)心電図 心電図は標準四肢誘導(第2誘導)で心電計(日本光電
製 AC-601G)を介してポリグラフ(日本光電製 RM-60
0)上に記録した。 iv)虚血再潅流 手術終了後15分程度安定化させ、安定化中に 50mmHg
以下の低血圧や不整脈が発生した例は実験から除外し
た。安定化終了後、冠動脈閉塞用の縫合糸の端に直径2m
m、長さ4mmのプラスチックチューブを通し、小型止血用
クレンメでこのチューブを心臓に押しつけることで虚血
とした。虚血操作の正否は心電図変化と肉眼的判定によ
った。15分間の虚血の後、止血用のクレンメをはずす
ことにより再潅流をおこなった。再潅流の正否は虚血と
同様の方法で判定した。虚血中に心室細動が発生した場
合には、速やかに徐細動を施した。なお、実験中は継続
的に全身血圧と心拍数をモニターした。
【0101】v)薬物 本発明化合物(実施例17)および陽性対照薬の SOD、
Catalase および MPGを再潅流直前から投与してその作
用を検討した。各薬物の用量は本発明化合物 1mg/kg、S
OD 30,000 u/kg、 SOD 30,000 u/kg+Catalase 50,000
u/kg、および MPG 100mg/kgを再潅流5分前に bolus i.
v. し、引き続き本発明化合物 1mg/kg/hr、SOD 30,000
u/kg/hr、 SOD 30,000 u/kg/hr+Catalase 50,000 u/kg
/hr、および MPG 100mg/kg/hrで2時間静脈内持続注入
した。各群の例数は溶媒対照群6、SOD投与群7、SOD+
Catalase 投与群6、MPG投与群6、および本発明化合物
投与群5であった。
【0102】vi)梗塞率の測定 Sirato らの方法(J. Mol. Cell Cardiol., 21, 1187(1
989))を若干改変して行った。
【0103】前処理;実験終了後、ヘパリンナトリウム
(1000u/kg)を投与し、冠動脈内での血液の凝固を防いで
心臓を摘出した。4℃の生理食塩水にて心停止させた
後、速やかにLangendorff 式潅流装置に心臓を装着し、
80cm H2Oで生理食塩水を大動脈から逆行性に潅流し、冠
動脈内に残存している血液を洗い流した。
【0104】虚血領域の測定;冠動脈に留置した結紮用
の縫合糸を結紮して大動脈より逆行性にインドシアニン
グリーン(ジアグノグリーン注、第一製薬、5mg/ml)約2
mlをゆっくりと注入した。注入後、心臓を取り外し、左
心室のみを切り出し、厚さ約2mmのスライス状に切り分
けた。スライスは自作のトレーサーに挟み込み、インド
シアニングリーンに染まらない部分をプラスティックフ
ィルム状にトレースし、虚血領域とした。なお、この時
左心室全体もトレースしておき、それぞれのトレースか
らプラニメータ(タマヤ製、Planix 5000)で全左心室面
積、虚血領域の面積を測定し、左心室に占める虚血領域
の割合(Risk/LV)として算出した。
【0105】梗塞領域の測定;虚血領域の測定が終了し
た心臓のスライスを塩化トリフェニルテトラゾリウム(T
TC)溶液(1% リン酸緩衝液)にて37℃、10分間 inc
ubation した。TTC染色により生存領域は赤色に染色さ
れ、細胞壊死を起こした領域は染色されない。染色が終
了したスライスを虚血領域の測定と同様の方法でトレー
スして面積を測定し、左心室に占める梗塞領域の割合(I
D/LV)を算出した。
【0106】<作用の評価・判定>梗塞率(ID/Risk)
を次のように算出した。 梗塞率(%)=(ID/LV)/(Risk/LV)
【表7】 ──────────────────────────────── Risk/LV(%) ID/LV(%) ID/Risk(%) 例数n ──────────────────────────────── Mean±S.E Mean±S.E Mean±S.E vehicle 47.0±3.6 24.4±2.0 52.3±2.2 6 MPG 41.0±3.2 13.9±2.6 33.0±4.1** 6 SOD 40.2±3.2 15.4±1.9 38.7±4.1* 7 SOD+Catalase 46.7±3.7 13.1±2.8 28.1±5.1** 6 実施例17 42.3±1.9 14.6±1.6 34.7±3.1** 5 ──────────────────────────────── *p<0.05, **p<0.01 vs vehicle 表7からわかるように、何れの薬物投与群も溶媒投与群
に対して有意に梗塞率(ID/Risk %)を低下させたが、特
に本発明の実施例17の化合物は1mg/kgの濃度で SOD
(30,000u/kg)と同等の効果を示し、MPGの約100倍の
効果を示した。
【0107】ラット再潅流不整脈モデル <意義>再潅流により様々な不整脈が発生することが知
られているが、その中でも致死性であり、臨床上最大の
問題となっている心室細動(Ventricular fibrillation,
VF) および心室頻拍(Ventricular tachycardia, VT)に
注目してその持続時間をパラメータとして薬物の効果を
判定した。実験モデルとしてはラットin vivo 再潅流不
整脈モデルを作成し、実験条件は4分虚血5分再潅流と
して再潅流5分間で発生する不整脈を観察した。溶媒対
照群では VFまたはVTの持続時間は、約200秒程度である
が、薬物を静脈内投与することによりどの程度これを短
縮できるかを調べた。
【0108】<方法> i)使用動物 Sprague-Dawley系雄性ラット体重250-300gのもの(日本
チャールスリバー社から購入)を使用した。 ii)術式 ラットをペントバルビタールナトリウム(50mg/kg,i.
p.)にて麻酔した後、背位に固定し、気管カニューレを
挿入し、人工呼吸器(ハーバード社製 683型)にて換気
量約20ml/kg、50 stroke/min で人工呼吸を行った。総
頚動脈および股静脈にカニューレを挿入し、動脈より全
身血圧をモニタし、静脈カニューレは薬物投与用とし
た。胸部を正中切開し、心臓を露出させ左冠動脈基始部
付近で閉塞用の縫合糸(針付きシルクブレード5-0)を
冠動脈の回りにかけた。なお、ラットは体温を37℃に
保持するための保温パッドの上に置いた。
【0109】iii)心電図 心電図は標準四肢誘導(第2誘導)で心電計(日本光電
製 AC-601G)を介してポリグラフ(日本光電製 RM-60
0)上に記録した。 iv)虚血再潅流 手術終了後15分程度安定化させ、安定化中に 50mmHg
以下の低血圧や不整脈が発生した例は実験から除外し
た。安定化後、薬物を静脈内投与し、5分後に冠動脈閉
塞用の縫合糸の端に直径2mm、長さ4mmのプラスチックチ
ューブを通し、小型止血用クレンメでこのチューブを心
臓に押しつけることで虚血とした。虚血操作の正否は心
電図変化と肉眼的判定によった。4分間の虚血の後、止
血用のクレンメをはずすことにより再潅流をおこなっ
た。再潅流の正否は虚血と同様の方法で判定した。再潅
流時にポリグラフの記録計のチャートスピードを25mm/s
ecにして再潅流5分間の心電図を記録した。なお、実験
中は継続的に全身血圧と心拍数をモニターした。
【0110】v)薬物 実験は溶媒対照、陽性対照薬としてSOD 30,000u/kg, MP
G 100mg/kgおよび本発明化合物(実施例17)1mg/kgの
合計4群で行った。各群の例数は溶媒対照群9、SOD投
与群8、MPG投与群6および本発明化合物投与群7であ
った。溶媒および各薬物は虚血5分前に静脈内に投与し
た。SOD, MPGはsigma社より購入し、生理食塩水に溶解
して投与した。本発明化合物は水に難溶性であるため生
理食塩水に酒石酸を0.5%含む溶液を用いて溶解し、投与
した。溶媒対照群には生理食塩水を用いた(酒石酸 0.5
%は本実験には無影響であることが確認されたので、0.5
%酒石酸含有生理食塩水投与群は割愛した)。
【0111】<作用の評価・判定>再潅流不整脈のパラ
メータとして心室細動(Ventricular fibrillation)ある
いは心室頻拍(Ventricular tachycardia)の何れかおよ
びその両方が持続する時間を記録紙から読み取り、VFま
たはVTの持続時間(VF/VT duration, 秒)とした。
【0112】
【表8】 ──────────────────────────────── VF/VT duration(sec) 例数n ──────────────────────────────── Mean±S.E vehicle 193.8±39.8 9 SOD 124.3±48.6 8 MPG 146.2±44.7 6 実施例17 50.1±37.9** 7 ──────────────────────────────── **p<0.01 vs vehicle 表8からわかるように、SOD, MPG は心室細動または心
室頻拍の持続時間を有意に短縮する効果は認められなか
ったが、本発明の実施例17の化合物は 1mg/kgの用量
で顕著な持続時間短縮効果が認められた。
【0113】ラット isoproterenol 誘発心筋障害モデ
<意義>本実験は厳密に言うと虚血再潅流障害とは言い
難いが、上記評価系が全て静脈内投与であることから、
異なった投与経路での評価を行うこととし、グローバル
な心筋保護作用を古典的な心筋障害モデルで調べること
を目的とした。カテコラミンを大量投与することで虚血
性心疾患に類似した心筋障害を惹起できるということは
古くから報告されている。今回は isoproterenol(200mg
/kg)を皮下投与し、2時間後に採血し、血漿中の心筋障
害のマーカー酵素であるCreatine Phosphokinase(CP
K)活性を測定し、これを心筋障害のパラメータとし
た。溶媒対照群では血漿CPKが約400unit/l(正常では数
10unit/l)に上昇するが、薬物を事前に経口投与するこ
とにより血漿CPK活性上昇が抑制されるか否かを調べ
た。
【0114】<方法>体重270〜320g(9週齢)の雄性S
prague-Dawley系ラット(日本チャールスリバー社から
購入)を使用した。ラットは実験前日夕方より絶食し、
実験当日に体重測定を行った。被験薬物は精製水にて2
倍希釈した polyethlene glycol 400 (和光純薬工業)
液に懸濁、また、dl-isoproterenol(和光純薬工業)は
酸化防止剤として0.1%アスコルビン酸を加えた生理食塩
水に200mg/mlとなるように溶解した。
【0115】実験のタイムコースは以下の通りであっ
た。被験薬物を経口投与した30分後、isoproterenol
(200mg/kg)をラット背部に皮下投与した。さらに2時間
経過した時点でラットをエーテル麻酔し、腹大動脈より
ヘパリンを加えて採血した。採血した動脈血は速やかに
試験管に移し、4℃の温度下で3000rpm、10分間遠心分
離し、血漿を得た。血漿中の CPK活性を測定キット(CP
Kテストワコー、和光純薬工業)を用いて測定した。本
試験における陽性対照薬として、MPG(100mg/kg)を用い
た。また、本発明の化合物(実施例17)の用量は100m
g/kgであった。
【0116】<作用の評価・判定>血漿中のCPK活性を
有意に抑制するかどうかで本心筋障害モデルに対する有
効性を判断した。
【0117】
【表9】 ──────────────────────────────── Plasma CPK Activity(μ/l) 例数n ──────────────────────────────── Mean±S.E Intact 73.4±4.8 11 vehicle 423.3±27.7 11 MPG 409.5±58.5 6 実施例17 274.8±32.3** 5 ──────────────────────────────── **p<0.01 vs vehicle
【0118】表9からわかるように、MPGは血漿中のCPK
活性の上昇を抑制する効果は認められなかったが、本発
明の実施例17の化合物は有意にCPK活性の上昇を抑制
した。このことから、本化合物は経口投与によっても効
果を発揮することが明らかとなった。以上の結果から明
らかなように、本発明の実施例17の化合物は何れの心
臓虚血再潅流障害モデルに対しても有意な障害抑制効果
を示し、一剤で心筋梗塞、不整脈に有効であることが示
唆された。
【0119】以下に、本発明の化合物を合成するために
用いた代表原料化合物の合成法を、参考例1〜19とし
て示す。 参考例1 N-(1,2-ジエチル-4-ピラゾリジニル)-2-ヒドロキシ-3-
イソブチルベンズアミドの合成 2-ヒドロキシ-3-イソブチル安息香酸3.140gを無水テト
ラヒドロフラン63mlに溶解し、氷冷下、1-ヒドロキシベ
ンゾトリアゾール2.840g、N,N'-ジシクロヘキシルカル
ボジイミド3.436gを加えた。30分攪拌後、4-アミノ-1,
2-ジエチルピラゾリジン2.316gを加え一晩攪拌した。
反応液を濾過し、濾液を減圧濃縮した。残渣に酢酸エチ
ル50mlを加え、飽和重曹水及び飽和食塩水で洗浄、無水
硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣を熱酢酸
エチルに溶解し、冷却後析出物を濾去した。濾液を減圧
濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロ
ホルム)にて精製し標題化合物4.987gを得た。
【0120】参考例2 N-(1,2-ジエチル-4-ピラゾリジニル)-(2-ヒドロキシ-3-
イソブチルフェニル)アセトアミドの合成 8-イソブチル-2(3H)-ベンゾフラノン4.00g、4-アミノ
-1,2-ジエチルピラゾリジン3.01g、トリエチルアミン
2.13gを無水クロロホルム20mlに溶解し、70℃にて4時
間攪拌した。反応液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=
20:1)にて精製し標題化合物6.78gを得た。
【0121】参考例3 ベンザルアジンの合成 ベンズアルデヒド30.97gをベンゼン300mlに溶解し、室
温にてヒドラジン一水和物7.30gを滴下しディーンスタ
ークトラップをつけて1時間攪拌還流した。反応液を減
圧濃縮し,2-プロパノールから再結晶することにより、
標題化合物25.01gを得た。
【0122】参考例4 1,2-ジベンジルヒドラジン二塩酸塩の合成 ベンザルアジン2.665gを無水メタノール53mlに溶解
し、氷冷下、水素化シアノホウ素ナトリウム2.20gを加
え、次いで系内のpHが3〜4になるよう10%塩酸メタノー
ル溶液を加えた。反応液を減圧濃縮し、残渣に酢酸エチ
ルを加え飽和炭酸カリウム水溶液および飽和食塩水で洗
浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮して得
られた残渣をメタノール20mlに溶解し、氷冷下、濃塩酸
2.12mlを加え減圧濃縮した。得られた固体を再結晶(エ
タノール:ジエチルエーテル)することにより、標題化
合物2.460gを得た。
【0123】参考例5 1,2-ジベンジル-4-ニトロピラゾリジンの合成 1,2-ジベンジルヒドラジン二塩酸塩7.09gおよび1,3-ジ
モルホリノ-2-ニトロプロパン6.45gをトルエン57mlおよ
びメタノール85mlに溶解し2.5時間加熱還流した。さら
に1,3-ジモルホリノ-2-ニトロプロパン1.93gを加え2.5
時間加熱還流した。反応液を減圧濃縮して得られた残渣
にトルエンを加え、不溶物を濾去した。濾液を減圧濃縮
し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n-ヘ
キサン:ジエチルエーテル=4:1)にて精製し標題化
合物6.90gを得た。
【0124】参考例6 4-アミノ-1,2-ジベンジルピラゾリジンの合成 1,2-ジベンジル-4-ニトロピラゾリジン1.731gを無水ジ
エチルエーテル34mlに溶解し、氷冷攪拌下、水素化リチ
ウムアルミニウム0.884gを少しづつ加え、2時間30分間
加熱還流した。氷冷下、水3mlをゆっくり滴下し、室温
にて約1時間攪拌した。反応液をセライト濾過し、濾物
をジエチルエーテルにて洗浄した。濾液と洗液をあわせ
て減圧濃縮し、残渣を減圧乾燥して標題化合物1.568g
を得た。
【0125】参考例7 1,2-ジベンジルオキシカルボニルヒドラジンの合成 炭酸水素ナトリウム16.8gを水50mlに溶解し、室温にて
ヒドラジン一水和物3.67gおよびクロロホルム30mlを加
え激しく攪拌した。塩化ベンジルオキシカルボニル25.0
gのクロロホルム溶液を反応系に1時間かけて滴下し
た。室温にて一晩攪拌後、反応液をクロロホルムで抽出
した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮お
よび減圧乾燥して標題化合物21.52gを得た。
【0126】参考例8 1,2-ジアリル-1,2-ジベンジルオキシカルボニルヒドラ
ジンの合成 水素化ナトリウム2.08gをn-ヘキサンで洗浄し、無水N,
N-ジメチルホルムアミド100mlに懸濁した。氷冷下、1,2
-ジベンジルオキシカルボニルヒドラジン7.00gを加
え、室温で40分間攪拌した。続いてアリルブロミド5.69
gを滴下し、室温にて2時間攪拌した。反応液を氷水中
に注ぎジエチルエーテルにて抽出した。抽出液を無水硫
酸ナトリウムで乾燥し減圧濃縮した。残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン:酢酸エチル=
3:1)にて精製し標題化合物6.64gを得た。
【0127】参考例9 1,2-ジアリルヒドラジン二塩酸塩の合成 1,2-ジアリル-1,2-ジベンジルオキシカルボニルヒドラ
ジン6.64gを無水アセトニトリル50mlに溶解し、室温に
てヨウ化トリメチルシラン12.9mlを少しづつ滴下した。
6時間攪拌後、氷冷下、反応液に含水エタノールを滴下
ししばらく攪拌した。反応液を減圧濃縮後、残渣をメタ
ノールに溶解し10%塩酸メタノール溶液50mlを加えた。
溶液を半分まで減圧濃縮しジエチルエーテルを加え、析
出した固体を濾取し標題化合物2.66gを得た。
【0128】参考例10 2-ベンジルオキシ-3-イソブチルベンジルクロリドの合
成 水素化リチウムアルミニウム0.587gを無水テトラヒド
ロフラン29mlに懸濁し、氷冷下、2-ベンジルオキシ-3-
イソブチル安息香酸1.467gの無水テトラヒドロフラン
溶液を滴下した。3時間加熱還流後、氷冷下、酒石酸ナ
トリウムカリウム(ロッシェル塩)水溶液をゆっくり滴下
し、室温にて有機層が透明になるまでしばらく攪拌し
た。分液し水層を酢酸エチルで抽出した。有機層をあわ
せて飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、
減圧濃縮および減圧乾燥した。残渣1.394gをアセトン2
8mlに溶解し、室温にて塩化リチウム2.19g、トリエチ
ルアミン3.59mlを加え、次いで氷冷下、メタンスルホニ
ルクロリド0.80mlを加えた。室温にて2時間攪拌後、反
応液を氷水中に注ぎ酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽
和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃
縮および減圧乾燥して標題化合物1.429gを得た。
【0129】参考例11 1,2-ジイソプロピル-4-ピラゾリジノールの合成 ヒドラジン一水和物0.56gおよびアセトン2.47gをテト
ラヒドロフラン11mlに溶解し、氷冷下、水素化シアノホ
ウ素ナトリウム1.76gを加え、次いで系内のpHが5〜6に
なるよう10%塩酸メタノール溶液を加えた。室温にて2.
5時間攪拌後、反応系に水を少量滴下し、低温(5〜10℃)
で減圧濃縮した。残渣を水32mlに溶解し、室温にて炭酸
カリウム4.64gおよびエピクロロヒドリン1.04gを加
え、70℃で72時間攪拌した。さらに室温にて水酸化カリ
ウム1.26gおよびエピクロロヒドリン2.07gを加え、70
℃で4時間攪拌した。反応液に炭酸カリウムを飽和にな
るまで加えジエチルエーテルで抽出した。抽出液をあわ
せて飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、
低温(5〜10℃)で減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(クロロホルム)にて精製し標題
化合物0.537gを得た。
【0130】参考例12 1,2-ジエチル-4-ピラゾリジノールの合成 1,2-ジエチルヒドラジン二塩酸塩11.08gを、参考例11
の場合と同様に、エピクロロヒドリン6.36gとの縮合反
応に付した。得られた残渣を減圧蒸留(121℃ /21mmHg)
にて精製し標題化合物5.956gを得た。
【0131】参考例13 2-ベンジルオキシ安息香酸の合成 サリチル酸メチル13.80g、ベンジルブロミド10.8ml、
炭酸カリウム25.1gをアセトン138ml中で6時間攪拌し
た。反応液を水中に注ぎ酢酸エチルで抽出した。抽出液
を飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減
圧濃縮した。残渣をエタノール76mlに溶解し、室温にて
水酸化ナトリウム8.3gの水溶液を滴下し24時間攪拌し
た。反応液に濃塩酸を加え、反応系のpHを7にした。酢
酸エチルを加え、水および飽和食塩水で洗浄、無水硫酸
ナトリウムで乾燥、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン:酢酸エチル=1:
1)にて精製し標題化合物21.08gを得た。
【0132】参考例14 4-ヒドロキシ-3-メタリル安息香酸エチルの合成 4-ヒドロキシ安息香酸エチル50.0g、塩化メタリル32.6
g、炭酸カリウム45.6gをアセトン150ml中で40時間加
熱還流した。反応液を濾過し、濾液を減圧濃縮した。残
渣にトルエン150mlを加え、2%水酸化ナトリウム水溶液
および水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃
縮した。残渣をN,N-ジメチルアニリン80mlに溶解し10時
間加熱還流した。氷冷下、反応液に濃塩酸を加えて酸性
とし、トルエンで抽出した。抽出液を10%水酸化ナトリ
ウム水溶液で抽出後、水層に濃塩酸を加えて酸性とし、
トルエンで抽出した。抽出液を水で洗浄後、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥、減圧濃縮し標題化合物59.2gを得た。
【0133】参考例15 4-ヒドロキシ-3-イソブチル安息香酸エチルの合成 4-ヒドロキシ-3-メタリル安息香酸エチル25.5gをエタ
ノール250mlに溶解し、10%パラジウム炭素2.6gを加
え、水素ガス雰囲気下、室温で41時間攪拌した。反応液
を濾過後、濾液を減圧濃縮し油状の標題化合物25.6gを
得た。
【0134】参考例16 4-ヒドロキシ-3-(3-メチル-2-ブテニル)安息香酸エチル
の合成 4-ヒドロキシ安息香酸エチル157.2gを無水トルエン950
mlに加熱溶解し、金属ナトリウム28.0gを加え、5時間
加熱還流した。反応液を室温まで冷却し、4-クロロ-2-
メチル-2-ブテン99.0gを加え、60〜80℃で7.5時間攪拌
した。反応液にメタノール400mlを加え30分間攪拌した
後、3N塩酸1000mlを加え有機層を分液した。水層をジエ
チルエーテルで抽出後、有機層を合し水で3回洗浄、無
水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)に
て精製し、標題化合物115.8gを得た。
【0135】参考例17 2-ヒドロキシ-5-イソブチリル安息香酸メチルの合成 無水塩化アルミニウム236.1gをジクロロメタン400mlに
溶解し、氷冷下、サリチル酸メチル98.0gを滴下した。
次いで、塩化イソブチリル125.8gを系内の温度が15℃
を超えないように2時間をかけて滴下し、そのまま12時
間攪拌した。反応液を氷水中に滴下し分液した。有機層
を水、飽和重曹水、水で順次洗浄、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥後、減圧濃縮して標題化合物143.0gを得た。
【0136】参考例18 2-ベンジルオキシ-5-イソブチリル安息香酸メチルの合
成 2-ヒドロキシ-5-イソブチリル安息香酸メチル117.0gを
参考例13の場合と同様に、ベンジルクロリド66.7gを用
いたアルキル化反応に付すことにより標題化合物161.1g
を得た。
【0137】参考例19 2-ベンジルオキシ-5-イソブチル安息香酸の合成 2-ベンジルオキシ-5-イソブチリル安息香酸メチル161.1
g、水酸化ナトリウム130.4g、ヒドラジン一水和物10
3.3gをエチレングリコール1400mlに溶解し、150℃で5
時間攪拌した。反応液に水を加え、3N塩酸で酸性とした
後ジクロロメタンで抽出した。抽出液を水で洗浄し、無
水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)に
て精製し、得られた固体を再結晶(ジクロロメタン:n-
ヘキサン)することにより標題化合物48.6gを得た。
【0138】以下に、前記の本発明化合物実施例1〜3
6の合成方法を示す。 [実施例1] 4-(2-ベンジルオキシ-3-イソブチルベンジルオキシ)-1,
2-ジエチルピラゾリジンの合成 1,2-ジエチル-4-ピラゾリジノール0.714gを無水ジメチ
ルホルムアミド14mlに溶解し、氷冷下、60%水素化ナト
リウム0.297gを添加して30分間攪拌した。2-ベンジル
オキシ-3-イソブチルベンジルクロリド1.429gを滴下
し、室温で24時間攪拌した。氷冷下、反応液に飽和塩化
アンモニウム水溶液を加え、ジエチルエーテルで抽出し
た。抽出液を飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで
乾燥し減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(n-ヘキサン:酢酸エチル=1:1)にて精製し
標題化合物1.137gを得た。1 H-NMR(CDCl3):δ0.89(6H, d, J=6.4Hz), 1.06(6H, t,
J=7.3Hz), 1.92〜2.04(1H, m), 2.53(2H, d, J=7.3Hz),
2.63(4H, q, J=7.3Hz), 3.00(4H, d, J=4.9Hz),4.30(1
H, q, J=4.9Hz), 4.52(2H, s), 4.87(2H, s), 7.08(1H,
t, J=7.3Hz), 7.14(1H, dd, J=2.0,7.3Hz), 7.25〜7.5
0(6H, m).
【0139】[実施例2] 4-(2-ベンジルオキシ-3-イソブチルベンジルオキシ)-1,
2-ジイソプロピルピラゾリジンの合成 1,2-ジイソプロピル-4-ピラゾリジノール0.537gを、実
施例1の場合と同様にして2-ベンジルオキシ-3-イソブチ
ルベンジルクロリド0.745gとの縮合反応に付すことに
より標題化合物0.161gを得た。1 H-NMR(CDCl3):δ0.85〜1.10(18H, m), 1.91〜2.03(1H,
m), 2.53(2H, d, J=7.3Hz), 2.60〜3.16(6H, brs), 4.
26〜4.34(1H, m), 4.50(2H, s), 4.88(2H, s), 7.08(1
H, t, J=7.8Hz), 7.14(1H, dd, J=2.0,7.8Hz), 7.25〜
7.48(6H, m).
【0140】[実施例3] 1,2-ジエチル-4-ピラゾリジニル 2-ベンジルオキシ-3-
イソブチルベンゾエートの合成 2-ベンジルオキシ-3-イソブチル安息香酸1.212gを無水
塩化メチレン24mlに溶解し、氷冷攪拌下、4-ジメチルア
ミノピリジン52mg、1,2-ジエチル-4-ピラゾリジノール
0.615g、N,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド0.906
gを加え室温にて24時間攪拌した。反応液を濾過し、濾
液を減圧濃縮した。残渣に酢酸エチル20mlを加え、水及
び飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥し減圧
濃縮した。残渣を熱酢酸エチルに溶解し、冷却後析出物
を濾去した。濾液を減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(n-ヘキサン:酢酸エチル=1:1)にて
精製し標題化合物1.064gを得た。1 H-NMR(CDCl3):δ0.86(6H, d, J=6.8Hz), 1.08(6H, t,
J=7.3Hz), 1.90〜2.01(1H, m), 2.50(2H, d, J=7.3Hz),
2.57〜2.72(4H, m), 3.08(2H, dd, J=2.4,12.7Hz), 3.
25(2H, dd, J=6.6,12.7Hz), 4.97(2H, s), 5.54〜5.62
(1H, m), 7.10(1H,t, J=7.8Hz), 7.31〜7.51(6H, m),
7.67(1H, dd, J=2.0,7.8 Hz).
【0141】[実施例4] 1,2-ジエチル-4-ピラゾリジニル (2-ベンジルオキシ-3
-イソブチルフェニル)アセテートの合成 (2-ベンジルオキシ-3-イソブチルフェニル)酢酸1.269g
を、実施例3の場合と同様にして1,2-ジエチル-4-ピラゾ
リジノール0.613gとの縮合反応に付すことにより標題
化合物1.520gを得た。1 H-NMR(CDCl3):δ0.89(6H, d, J=6.8Hz), 1.03(6H, t,
J=7.1Hz), 1.90〜2.03(1H, m), 2.48〜2.60(4H, m), 2.
92(2H, dd, J=2.4,12.9Hz), 3.11(2H, dd, J=6.3,12.9H
z), 3.67(2H, s), 4.83(2H, s), 5.32〜5.37(1H, m),
7.02〜7.13(3H, m), 7.32〜7.47(5H, m).
【0142】[実施例5] 2,3-ジベンジルオキシ-N-(1,2-ジエチル-4-ピラゾリジ
ニル)ベンズアミドの合成 2,3-ジヒドロキシ安息香酸2.006gをエタノール20mlに
溶解し、p-トルエンスルホン酸一水和物0.248gを加え1
50時間加熱還流した。トリエチルアミンを過剰量加え減
圧濃縮し、次いで減圧乾燥した。得られた油状物質を参
考例13の場合と同様に、ベンジルブロミド3.10mlを用い
たアルキル化反応、続くアルカリ加水分解反応に付し
た。得られた固体を再結晶(酢酸エチル:n-ヘキサン)
することにより、2,3-ジベンジルオキシ安息香酸3.211g
を得た。2,3-ジベンジルオキシ安息香酸1.008gおよび4-
アミノ-1,2-ジエチルピラゾリジン0.432gを無水塩化メ
チレン20mlに溶解し、室温にて1-(3-ジメチルアミノプ
ロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩0.601gを加え
た。室温で20時間攪拌後、反応液を水、飽和食塩水で洗
浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホル
ム)にて精製し標題化合物0.973gを得た。1 H-NMR(CDCl3):δ0.99(6H, t, J=7.3Hz), 2.39(2H, dd,
J=6.4,11.2Hz), 2.46〜2.57(4H, m), 3.17 (2H, dd, J
=7.3,11.2Hz), 4.65〜4.74(1H, m), 5.09(2H, s), 5.16
(2H, s), 7.15〜7.75(13H, m), 8.13(1H, d-like, J=6.
8Hz).
【0143】[実施例6] 3,4-ジベンジルオキシ-N-(1,2-ジエチル-4-ピラゾリジ
ニル)ベンズアミドの合成 3,4-ジヒドロキシ安息香酸エチル10.04gを参考例13の
場合と同様に、ベンジルブロミド13.1mlを用いたアルキ
ル化反応、続くアルカリ加水分解反応に付すことによっ
て3,4-ジベンジルオキシ安息香酸15.83gを得た。3,4-ジ
ベンジルオキシ安息香酸1.50gを、参考例1の場合と同
様にして4-アミノ-1,2-ジエチルピラゾリジン0.64gと
の縮合反応に付した。得られた固体をアセトン:n-ヘキ
サン混液から再結晶して標題化合物1.75gを得た。mp 1
25.2〜126.0℃1 H-NMR(CDCl3):δ1.10(6H, t, J=7.3Hz), 2.62〜2.74(4
H, m), 2.78(2H, dd, J=4.4,11.2Hz), 3.27 (2H, dd, J
=6.8,11.2Hz), 4.75〜4.81(1H, m), 5.20(2H, s), 5.21
(2H, s), 6.15(1H, d, J=7.3Hz), 6.91(1H, d, J=8.3H
z), 7.21〜7.52(12H, m).
【0144】[実施例7] (3,4-ジベンジルオキシフェニル)-N-(1,2-ジエチル-4-
ピラゾリジニル)アセトアミドの合成 3,4-ジヒドロキシフェニル酢酸1.058gを、参考例13の
場合と同様に、ベンジルブロミド2.25mlを用いたアルキ
ル化反応、続くアルカリ加水分解反応に付した。得られ
た固体を再結晶(酢酸エチル:n-ヘキサン)することに
より、3,4-ジベンジルオキシフェニル酢酸1.247gを得
た。3,4-ジベンジルオキシフェニル酢酸1.922gを、実
施例5の場合と同様にして4-アミノ-1,2-ジエチルピラゾ
リジン0.790gとの縮合反応に付した。得られた固体を
酢酸エチル:n-ヘキサン混液から再結晶して標題化合物
1.804gを得た。 mp 121.0〜122.0℃1 H-NMR(CDCl3):δ1.02(6H, t, J=7.3Hz), 2.50〜2.57(6
H, m), 3.12(2H, dd, J=6.8,11.2Hz), 3.43(2H, s), 4.
48〜4.62(1H, m), 5.15(2H, s), 5.16(2H, s), 5.52(1
H, d-like), 6.73(1H, dd, J=2.0,8.3Hz), 6.83(1H, d,
J=2.0Hz), 6.90(1H, d, J=8.3Hz), 7.25〜7.50(10H,
m).
【0145】[実施例8] N-(1,2-ジエチル-4-ピラゾリジニル)-3-イソブチル-2-
(3-メチル-2-ブテニルオキシ)ベンズアミドの合成 サリチル酸メチルを、参考例14および参考例15の場合と
同様に、塩化メタリルを用いたアルキル化反応、3位へ
のクライゼン転移反応及び接触還元によるメタリル基へ
の水素添加反応に順次付すことにより2-ヒドロキシ-3-
イソブチル安息香酸メチルを得た。
【0146】2-ヒドロキシ-3-イソブチル安息香酸メチ
ル0.695gを、参考例13の場合と同様に、4-ブロモ-2-メ
チル-2-ブテン0.597gを用いたアルキル化反応、続くア
ルカリ加水分解反応に付すことにより3-イソブチル-2-
(3-メチル-2-ブテニルオキシ)安息香酸0.876gを得た。3
-イソブチル-2-(3-メチル-2-ブテニルオキシ)安息香酸
0.876gを無水テトラヒドロフラン18mlに溶解し、氷冷
下、N,N'-カルボニルジイミダゾール0.596gを加えた。
30分間攪拌後、4-アミノ-1,2-ジエチルピラゾリジン1.0
74gを加え室温で62時間攪拌した。反応液を水中に注ぎ
酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄、無
水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮した。残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(一回目 n-ヘキサン:
アセトン=3:1、二回目 トルエン:アセトン=4:1)
で精製し、標題化合物0.665gを得た。1 H-NMR(CDCl3):δ0.92(6H, d, J=6.3Hz), 1.10(6H, t,
J=7.1Hz), 1.65(3H, s),1.80(3H, s), 1.92〜2.05(1H,
m), 2.53(2H, d, J=7.3Hz), 2.67(4H, q, J=7.1Hz), 2.
75(2H, dd, J=6.4,11.2Hz), 3.36(2H, dd, J=7.3,11.2H
z), 4.34(2H, d,J=6.8Hz), 4.78〜4.93(1H, m), 5.48〜
5.57(1H, m), 7.15(1H, t, J=7.8Hz), 7.28(1H, dd, J=
2.0,7.8Hz), 7.89(1H, dd, J=2.0,7.8Hz), 8.04(1H, d,
J=6.8Hz).
【0147】[実施例9] N-(1,2-ジエチル-4-ピラゾリジニル)-3-イソブチル-2-
(4-ニトロベンジルオキシ)ベンズアミドの合成 N-(1,2-ジエチル-4-ピラゾリジニル)-2-ヒドロキシ-3-
イソブチルベンズアミド0.709g、炭酸カリウム0.613
g、p-ニトロベンジルブロミド0.523gをアセトン15ml
中で15時間加熱還流した。反応液を氷水中に注ぎ酢酸エ
チルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄、無水硫酸
ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(クロロホルム)で精製し、
標題化合物0.750gを得た。1 H-NMR(CDCl3):δ0.92(6H, d, J=6.8Hz), 0.95(6H, t,
J=7.3Hz), 1.92〜2.05(1H, m), 2.43〜2.57(8H, m), 3.
17(2H, dd, J=7.3,10.7Hz), 4.70〜4.82(1H, m),4.99(2
H, s), 7.22(1H, t, J=7.6Hz), 7.33(1H, dd, J=2.0,7.
6Hz), 7.43(1H,d, J=7.3Hz), 7.64(2H, d, J=8.8Hz),
7.83(1H, dd, J=2.0,7.6 Hz), 8.30(2H,d, J=8.8Hz).
【0148】[実施例10] N-(1,2-ジエチル-4-ピラゾリジニル)-3-イソブチル-2-
(4-ピリジルメトキシ)ベンズアミドの合成 N-(1,2-ジエチル-4-ピラゾリジニル)-2-ヒドロキシ-3-
イソブチルベンズアミド0.849gを、実施例9の場合と同
様にして4-ピコリルクロリド塩酸塩0.916gを用いてア
ルキル化することにより標題化合物0.907gを得た。1 H-NMR(CDCl3):δ0.92(6H, d, J=6.8Hz), 0.96(6H, t,
J=7.1Hz), 1.92〜2.06(1H, m), 2.42〜2.57(8H, m), 3.
17(2H, dd, J=7.3,11.2Hz), 4.70〜4.80(1H, m),4.89(2
H, s), 7.21(1H, t, J=7.8Hz), 7.33(1H, dd, J=1.7,7.
6Hz), 7.38(2H,d, J=5.9Hz), 7.52(1H, d, J=7.3Hz),
7.85(1H, dd, J=1.7,7.6 Hz), 8.68(2H,d, J=5.9Hz).
【0149】[実施例11] N-(1,2-ジエチル-4-ピラゾリジニル)-3-イソブチル-2-
(4-メチルベンジルオキシ)ベンズアミドの合成 N-(1,2-ジエチル-4-ピラゾリジニル)-2-ヒドロキシ-3-
イソブチルベンズアミド0.716gを、実施例9の場合と同
様にしてa-ブロモ-p-キシレン0.456gを用いてアルキル
化することにより標題化合物0.674gを得た。1 H-NMR(CDCl3):δ0.93(6H, d, J=6.3Hz), 0.98(6H, t,
J=7.1Hz), 1.96〜2.08(1H, m), 2.38(3H, s), 2.40〜2.
54(6H, m), 2.57(2H, d, J=7.3Hz), 3.17(2H, dd, J=7.
3,11.2Hz), 4.68〜4.78(1H, m), 4.82(2H, s), 7.19(1
H, t, J=7.6Hz), 7.22(2H, d, J=7.8Hz), 7.32(1H, dd,
J=2.0,7.6Hz), 7.33(2H, d, J=7.8Hz), 7.87(1H, d, J
=6.8Hz), 7.92(1H, dd, J=2.0,7.6Hz).
【0150】[実施例12] N-(1,2-ジエチル-4-ピラゾリジニル)-2-(4-フルオロベ
ンジルオキシ)-3-イソブチルベンズアミドの合成 N-(1,2-ジエチル-4-ピラゾリジニル)-2-ヒドロキシ-3-
イソブチルベンズアミド1.120gを、実施例9の場合と同
様にして4-フルオロベンジルクロリド0.558gを用いて
アルキル化することにより標題化合物1.122gを得た。1 H-NMR(CDCl3):δ0.93(6H, d, J=6.8Hz), 0.99(6H, t,
J=7.3Hz), 1.93〜2.07(1H, m), 2.45(2H, dd, J=5.9,1
1.2Hz), 2.48〜2.60(6H, m), 3.19(2H, dd, J=7.6,11.2
Hz), 4.70〜4.82(1H, m), 3.19(2H, dd, J=7.6,11.2H
z), 4.70〜4.82(1H,m), 4.83(2H, s), 7.09〜7.14(2H,
m), 7.19(1H, t, J=7.6Hz), 7.31(1H, dd, J=1.7,7.6H
z), 7.40〜7.45(2H, m), 7.71(1H, d, J=6.8Hz), 7.89
(1H, dd, J=1.7,7.6Hz).
【0151】[実施例13] N-(1,2-ジエチル-4-ピラゾリジニル)-3-イソブチル-2-
(3-メトキシベンジルオキシ)ベンズアミドの合成 N-(1,2-ジエチル-4-ピラゾリジニル)-2-ヒドロキシ-3-
イソブチルベンズアミド0.724gを、実施例9の場合と同
様にして3-メトキシベンジルクロリド0.567gを用いて
アルキル化することにより標題化合物0.924gを得た。1 H-NMR(CDCl3):δ0.94(6H, d, J=6.8Hz), 0.97(6H, t,
J=7.1Hz), 1.96〜2.07(1H, m), 2.42(2H, dd, J=5.9,1
1.2Hz), 2.45〜2.54(4H, m), 2.56(2H, d, J=7.3Hz),
3.18(2H, dd, J=7.3,11.2Hz), 3.83(3H, s), 4.69〜4.8
0(1H, m), 4.84(2H,s), 6.85〜6.92(1H, m), 6.97〜7.0
3(2H, m), 7.19(1H, t, J= 7.8Hz), 7.30〜7.36(2H,
m), 7.81(1H, d, J=6.8Hz), 7.91(1H, dd, J=1.5,7.8H
z).
【0152】[実施例14] 2-(4-シアノベンジルオキシ)-N-(1,2-ジエチル-4-ピラ
ゾリジニル)-3-イソブチルベンズアミドの合成 N-(1,2-ジエチル-4-ピラゾリジニル)-2-ヒドロキシ-3-
イソブチルベンズアミド0.813gを、実施例9の場合と同
様にしてα-ブロモ-p-トルニトリル0.549gを用いてア
ルキル化することにより標題化合物0.839gを得た。1 H-NMR(CDCl3):δ0.92(6H, d, J=6.8Hz), 0.97(6H, t,
J=7.1Hz), 1.92〜2.03(1H, m), 2.40〜2.58(8H, m), 3.
17(2H, dd, J=7.3,11.2Hz), 4.70〜4.81(1H, m),4.93(2
H, s), 7.21(1H, t, J=7.8Hz), 7.32(1H, dd, J=2.0,7.
8Hz), 7.47(1H,d, J=7.3Hz), 7.58(2H, d, J=8.5Hz),
7.73(2H, d, J=8.5 Hz), 7.84(1H, dd, J=2.0,7.8Hz).
【0153】[実施例15] N-(1,2-ジエチル-4-ピラゾリジニル)-3-イソブチル-2-
(4-メトキシベンジルオキシ)ベンズアミドの合成 N-(1,2-ジエチル-4-ピラゾリジニル)-2-ヒドロキシ-3-
イソブチルベンズアミド0.751gを、実施例9の場合と同
様にして4-メトキシベンジルクロリド0.483gを用いて
アルキル化することにより標題化合物0.736gを得た。1 H-NMR(CDCl3):δ0.94(6H, d, J=6.3Hz), 1.00(6H, t,
J=7.3Hz), 1.94〜2.07(1H, m), 2.45(2H, dd, J=5.9,1
1.2Hz), 2.47〜2.55(4H, m), 2.56(2H, d, J=7.3Hz),
3.20(2H, dd, J=7.3,11.2Hz), 3.83(3H, s), 4.68〜4.7
8(1H, m), 4.80(2H,s), 6.94(2H, d, J=8.8Hz), 7.18(1
H, t, J=7.6Hz), 7.31(1H, dd, J=1.5,7.6Hz), 7.36(2
H, d, J=8.8Hz), 7.88(1H, d, J=6.8Hz), 7.91(1H, dd,
J=1.5,7.6Hz).
【0154】[実施例16] N-(1,2-ジエチル-4-ピラゾリジニル)-2-(4-フルオロベ
ンジルオキシ)ベンズアミドの合成 サリチル酸エチル5.058gを参考例13の場合と同様に、4
-フルオロベンジルブロミド3.79mlを用いたアルキル化
反応、続くアルカリ加水分解反応に付すことによって2-
(4-フルオロベンジルオキシ)安息香酸6.738gを得た。2-
(4-フルオロベンジルオキシ)安息香酸3.211gを無水塩
化メチレン64mlに溶解し、氷冷下、1-ヒドロキシベンゾ
トリアゾール3.52gおよび1-(3-ジメチルアミノプロピ
ル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩3.75gを加え、室温
で30分間攪拌した。続いて4-アミノ-1,2-ジエチルピラ
ゾリジン1.867gを加え、室温にて4時間攪拌した。反応
液を水、飽和重曹水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫
酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)にて精製
し標題化合物4.719gを得た。1 H-NMR(CDCl3):δ1.00(6H, t, J=7.3Hz), 2.38〜2.54(6
H, m), 3.21(2H, dd, J=7.3,11.2Hz), 4.69〜4.78(1H,
m), 5.11(2H, s), 7.06(1H, d, J=7.8Hz), 7.09〜7.17
(3H, m), 7.42〜7.49(3H, m), 8.01(1H, d, J=6.3Hz),
8.23(1H, dd, J=2.0,7.8Hz).
【0155】[実施例17] 2-ベンジルオキシ-N-(1,2-ジエチル-4-ピラゾリジニル)
ベンズアミドの合成 2-ベンジルオキシ安息香酸7.12gを、実施例16の場合と
同様にして4-アミノ-1,2-ジエチルピラゾリジン4.47g
との縮合反応に付した。得られた固体をジエチルエーテ
ル:n-ヘキサン混液から再結晶して標題化合物9.87gを
得た。 mp 56.0〜56.9℃1 H-NMR(CDCl3):δ0.99(6H, t, J=7.3Hz), 1.87〜2.53(6
H, m), 3.21(2H, dd, J=7.3,11.2Hz), 4.68〜4.79(1H,
m), 5.13(2H, s), 7.06〜7.13(2H, m) , 7.39〜7.50(6
H, m), 8.09(1H, d, J=6.4Hz), 8.23(1H, d, J=7.8Hz).
【0156】[実施例18] 2-ベンジルオキシ-N-(1,2-ジエチル-4-ピラゾリジニル)
-3-イソブチルベンズアミドの合成 2-ヒドロキシ-3-イソブチル安息香酸メチルを参考例13
の場合と同様に、ベンジルクロリドを用いたアルキル化
反応及びアルカリ加水分解反応に順次付すことによって
2-ベンジルオキシ-3-イソブチル安息香酸を得た。2-ベ
ンジルオキシ-3-イソブチル安息香酸1.040gを無水クロ
ロホルム21mlに溶解し、氷冷攪拌下、トリエチルアミン
1.02ml、ジフェニルホスフィニッククロリド0.866gを
順次滴下した。30分間攪拌後、4-アミノ-1,2-ジエチル
ピラゾリジン0.524gを滴下し、室温にて16時間攪拌し
た。反応液を飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫
酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)にて精製
し標題化合物1.429gを得た。1 H-NMR(CDCl3):δ0.88(6H, d, J=6.8Hz), 1.09(6H, t,
J=7.3Hz), 1.92〜2.05(1H, m), 2.67(4H, q, J=7.3Hz),
2.76〜2.81(2H, m), 2.79(2H, d, J=7.3Hz), 3.31(2H,
dd, J=7.1,11.5Hz), 4.77〜4.88(2H, m), 5.08(2H,
s), 5.96(1H, d, J=7.3Hz), 6.92(1H, d, J=8.1Hz), 6.
95(1H, d, J=8.1Hz), 7.16(1H, t, J=8.1Hz), 7.30〜7.
45(1H, m).
【0157】[実施例19] 2-ベンジルオキシ-N-(1,2-ジエチル-4-ピラゾリジニル)
-3-(3-メチル-2-ブテニル)ベンズアミドの合成 2-ベンジルオキシ-3-(3-メチル-2-ブテニル)安息香酸2.
088gを、実施例18の場合と同様にして4-アミノ-1,2-ジ
エチルピラゾリジン1.009gとの縮合反応に付し、標題
化合物2.835gを得た。1 H-NMR(CDCl3):δ0.98(6H, t, J=7.3Hz), 1.69(3H, s),
1.75(3H, s), 2.41(2H,dd, J=5.9,11.2Hz), 2.45〜2.5
8(4H, m), 3.17(2H, dd, J=7.3,11.2Hz), 3.43(2H, d,
J=6.8Hz), 4.66〜4.78(1H, m), 4.88(2H, s), 5.24〜5.
33(1H, t-like),7.20(1H, t, J=7.8Hz), 7.35(1H, dd,
J=2.0,7.8Hz), 7.37〜7.50(5H, m), 7.85(1H, d-like,
J=6.8Hz), 7.91(1H, dd, J=2.0,7.8Hz).
【0158】[実施例20] 2-ベンジルオキシ-N-(1,2-ジエチル-4-ピラゾリジニル)
-5-イソブチルベンズアミドの合成 2-ベンジルオキシ-5-イソブチル安息香酸1.98gを、実
施例18の場合と同様にして4-アミノ-1,2-ジエチルピラ
ゾリジン1.00gとの縮合反応に付した。得られた固体を
酢酸エチル:n-ヘキサン混液から再結晶して標題化合物
2.22gを得た。 mp 79.8〜81.2℃1 H-NMR(CDCl3):δ0.89(6H, t, J=6.3Hz), 0.99(6H, t,
J=7.3Hz), 1.85(1H, m),2.38〜2.51(8H, m), 3.21(2H,
dd, J=7.3,11.2Hz), 4.73(1H, m), 5.11(2H, s), 6.98
(1H, d, J=8.3Hz), 7.22(1H, dd, J=2.0,8.3Hz), 7.40
〜7.44(5H, m), 8.01(1H, d, J=2.0Hz), 8.11(1H, br
d).
【0159】[実施例21] 2-ベンジルオキシ-N-(1,2-ジエチル-4-ピラゾリジニル)
-3-メチルベンズアミドの合成 2-ヒドロキシ-3-メチル安息香酸12.05gを参考例13の場
合と同様に、ベンジルブロミド18.8mlを用いたアルキル
化反応、続くアルカリ加水分解反応に付した。得られた
固体を再結晶(酢酸エチル:n-ヘキサン)することによ
り、2-ベンジルオキシ-3-メチル安息香酸6.986gを得
た。2-ベンジルオキシ-3-メチル安息香酸1.129gを、実
施例18の場合と同様にして4-アミノ-1,2-ジエチルピラ
ゾリジン0.667gとの縮合反応に付し、標題化合物1.707
gを得た。1 H-NMR(CDCl3):δ0.98(6H, t, J=7.3Hz), 2.38(3H, s),
2.40〜2.58(6H, m), 3.18(2H, dd, J=7.3,11.2Hz), 4.
68〜4.80(1H, m), 4.88(2H, s), 7.17(1H, t, J=7.8H
z), 7.34(1H, d, J=7.8Hz), 7.36〜7.50(5H, m), 7.90
〜8.00(2H, m).
【0160】[実施例22] 4-ベンジルオキシ-N-(1,2-ジエチル-4-ピラゾリジニル)
-3-(3-メチル-2-ブテニル)ベンズアミドの合成 4-ヒドロキシ-3-(3-メチル-2-ブテニル)安息香酸エチル
を、参考例13の場合と同様に、ベンジルクロリドを用い
たアルキル化反応及びアルカリ加水分解反応に順次付す
ことにより4-ベンジルオキシ-3-(3-メチル-2-ブテニル)
安息香酸を得た。4-ベンジルオキシ-3-(3-メチル-2-ブ
テニル)安息香酸2.07gを、実施例18の場合と同様にし
て4-アミノ-1,2-ジエチルピラゾリジン1.00gとの縮合
反応に付し、標題化合物2.93gを得た。 mp 85.5〜86.0℃1 H-NMR(DMSO-d6):δ0.99(6H, t, J=6.8Hz), 1.61(3H,
s), 1.67(3H, s), 2.55(4H, t, J=6.8Hz), 2.76(2H, d
d, J=6.8,11.2Hz), 3.16(2H, dd, J=8.3,11.2Hz),3.32
(2H, m), 4.61(1H, m), 5.19(2H, s), 5.24(1H, t, J=
5.9Hz), 7.08(1H, d,J=8.3Hz), 7.31〜7.46(5H, m), 7.
65(1H, s), 7.69(1H, d, J=8.3Hz), 8.24(1H, d, J=6.4
Hz).
【0161】[実施例23] 4-ベンジルオキシ-N-(1,2-ジエチル-4-ピラゾリジニル)
-3-イソブチルベンズアミドの合成 4-ヒドロキシ-3-イソブチル安息香酸エチルを、参考例1
3の場合と同様に、ベンジルブロミドを用いたアルキル
化反応及びアルカリ加水分解反応に順次付すことにより
4-ベンジルオキシ-3-イソブチル安息香酸を得た。4-ベ
ンジルオキシ-3-イソブチル安息香酸2.97gを、実施例1
8の場合と同様にして4-アミノ-1,2-ジエチルピラゾリジ
ン1.50gとの縮合反応に付した。得られた固体を酢酸エ
チル:n-ヘキサン混液から再結晶して標題化合物3.77g
を得た。 mp 99.8〜100.5℃1 H-NMR(DMSO-d6):δ0.86(6H, m), 0.99(6H, m), 2.50(2
H, m), 2.53(4H, m), 2.76(2H, m), 3.17(2H, m), 4.62
(1H, m), 5.18(2H, s), 7.09(1H, m), 7.33〜7.46(5H,
m), 7.64(1H, s), 7.70(1H, d, J= 8.8Hz), 8.24(1H,
m).
【0162】[実施例24] 3-ベンジルオキシ-N-(1,2-ジエチル-4-ピラゾリジニル)
-2-イソブチルベンズアミドの合成 3-ヒドロキシ安息香酸エチルを、参考例14、参考例15お
よび参考例13の場合と同様にして、塩化メタリルを用い
たアルキル化反応、2位へのクライゼン転移反応、接触
還元によるメタリル基への水素添加反応、ベンジル化反
応及びアルカリ加水分解反応に順次付すことにより3-ベ
ンジルオキシ-2-イソブチル安息香酸を得た。3-ベンジ
ルオキシ-2-イソブチル安息香酸1.116gを、実施例18の
場合と同様にして、4-アミノ-1,2-ジエチルピラゾリジ
ン0.562gとの縮合反応に付し、標題化合物1.392gを得
た。1 H-NMR(CDCl3):δ0.88(6H, d, J=6.8Hz), 1.09(6H, t,
J=7.3Hz), 1.92〜2.05(1H, m), 2.67(4H, q, J=7.3Hz),
2.76〜2.81(2H, m), 2.79(2H, d, J=7.3Hz), 3.31(2H,
dd, J=7.1,11.5Hz), 4.77〜4.88(2H, m), 5.08(2H,
s), 5.96(1H, d, J=7.3Hz), 6.92(1H, d, J=8.1Hz), 6.
95(1H, d, J=8.1Hz), 7.16(1H, t, J=8.1Hz), 7.30〜7.
45(1H, m).
【0163】[実施例25] 3-ベンジルオキシ-N-(1,2-ジエチル-4-ピラゾリジニル)
-4-イソブチルベンズアミドの合成 3-ヒドロキシ安息香酸エチルを、参考例14、参考例15お
よび参考例13の場合と同様にして、塩化メタリルを用い
たアルキル化反応、4位へのクライゼン転移反応、接触
還元によるメタリル基への水素添加反応、ベンジル化反
応及びアルカリ加水分解反応に順次付すことにより3-ベ
ンジルオキシ-4-イソブチル安息香酸を得た。3-ベンジ
ルオキシ-4-イソブチル安息香酸2.97gを、実施例18の
場合と同様にして、4-アミノ-1,2-ジエチルピラゾリジ
ン1.50gとの縮合反応に付した。得られた固体を酢酸エ
チル:n-ヘキサン混液から再結晶して標題化合物3.60g
を得た。 mp 82.3〜83.0℃1 H-NMR(DMSO-d6):δ0.85(6H, t, J=6.4Hz), 1.00(6H,
t, J=7.3Hz), 1.91(1H, m), 2.51(2H, d, J=6.8Hz), 2.
56(4H, m), 2.79(2H, dd, J=7.3,11.2Hz), 3.19(2H, d
d, J=8.3,11.2Hz), 4.64(1H, m), 5.16(2H, s), 7.19(1
H, d, J=7.8Hz), 7.31〜7.49(7H, m), 8.39(1H, d, J=
6.4Hz).
【0164】[実施例26] N-(1,2-ジベンジル-4-ピラゾリジニル)-2-ベンジルオキ
シ-3-イソブチルベンズアミドの合成 2-ベンジルオキシ-3-イソブチル安息香酸1.099gを、実
施例18の場合と同様にして4-アミノ-1,2-ジベンジルピ
ラゾリジン1.085gとの縮合反応に付すことにより標題
化合物1.269gを得た。1 H-NMR(CDCl3):δ0.94(6H, d, J=6.8Hz), 1.96〜2.10(1
H, m), 2.45(2H, dd, J=6.3,11.2Hz), 2.56(2H, d, J=
7.3Hz), 3.19(2H, dd, J=7.3,11.2Hz), 3.63(2H,d, J=1
2.7Hz), 3.68(2H, d, J=12.7Hz), 4.71〜4.80(1H, m),
4.84(2H, s), 7.16〜7.41(17H, m), 7.79(1H, d, J=6.8
Hz), 7.88(1H, dd, J=1.5, 7.3Hz).
【0165】[実施例27] N-(1,2-ジベンジル-4-ピラゾリジニル)-2-ベンジルオキ
シ-3-イソブチルベンズアミド塩酸塩の合成 N-(1,2-ジベンジル-4-ピラゾリジニル)-2-ベンジルオキ
シ-3-イソブチルベンズアミド0.50gをジエチルエーテ
ル10mlに溶解し、1N 塩化水素ジエチルエーテル溶液を
反応液がそれ以上白濁しなくなるまで加えた。固体を濾
取後ジエチルエーテルで洗浄して標題化合物の塩酸塩0.
43gを得た。 mp 142.6〜144.7℃1 H-NMR(DMSO-d6):δ0.83(6H, d, J=6.4Hz), 1.85〜1.92
(1H, m), 2.47(2H, d, J=7.3Hz), 2.80〜4.80(9H, m),
4.82(2H, s), 7.11〜7.37(18H, m), 8.65(1H, d,J=4.9H
z).
【0166】[実施例28] N-(1,2-ジエチル-4-ピラゾリジニル)-[3-イソブチル-2-
(4-ピリジルメトキシ)フェニル]アセトアミドの合成 N-(1,2-ジエチル-4-ピラゾリジニル)-(2-ヒドロキシ-3-
イソブチルフェニル)アセトアミド1.00gを実施例9の場
合と同様にして4-ピコリルクロリド塩酸塩0.50gを用い
てアルキル化することにより標題化合物0.65gを得た。 mp 110.5〜111.5℃1 H-NMR(CDCl3):δ0.88(6H, d, J=6.8Hz), 1.01(6H, t,
J=6.8Hz), 1.94(1H, m),2.48〜2.55(8H, m), 3.12(2H,
dd, J=6.8,11.2Hz), 3.55(2H, s), 4.56(1H, m), 4.88
(2H, s), 5.95(1H, brd), 7.08〜7.16(3H, m), 7.38(2
H, d, J=5.9Hz), 8.66(2H, dd, J=2.0,4.4Hz). N-(1,2-ジエチル-4-ピラゾリジニル)-[3-イソブチル-2-
(4-ピリジルメトキシ)フェニル]アセトアミド0.31gを
メタノール10mlに溶解し、室温にて10%塩酸メタノール
溶液10mlを滴下し1.5時間攪拌した。反応液を減圧濃
縮、減圧乾燥することにより標題化合物の塩酸塩0.38g
を得た。1 H-NMR(DMSO-d6):δ1.17〜1.23(6H, m), 1.89(1H, m),
2.44(2H, d, J=7.3Hz),2.85〜3.92(10H, m), 4.47(1H,
br), 5.18(2H, s), 7.07〜7.19(3H, m), 8.02(2H, m),
8.78(1H, d, J=5.9Hz), 8.92 (2H, m).
【0167】[実施例29] [2-(4-カルボキシベンジルオキシ)-3-イソブチルフェニ
ル]-N-(1,2-ジエチル-4-ピラゾリジニル)アセトアミド
の合成 N-(1,2-ジエチル-4-ピラゾリジニル)-[3-イソブチル-2-
(4-メトキシカルボニルベンジルオキシ)フェニル]アセ
トアミド0.844gをエタノール17mlに溶解し、氷冷下、水
酸化ナトリウム0.398gの水溶液を滴下した。40℃で2時
間攪拌後、濃塩酸を加え系内のpHを7にした。酢酸エチ
ルを加え飽和食塩水で二回洗浄、無水硫酸ナトリウムで
乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(クロロホルム:メタノール=20:1)に
て精製し標題化合物0.589gを得た。1 H-NMR(CDCl3):δ0.84(6H, d, J=6.3Hz), 1.14(6H, t,
J=7.3Hz), 1.86〜1.98(1H, m), 2.46(2H, d, J=7.3Hz),
2.83〜3.02(4H, m), 3.08(2H, dd, J=2.9,11.2Hz), 3.
24(2H, dd, J=7.3,11.2Hz), 3.68(2H, s), 4.75〜4.87
(1H, m), 4.87(2H,s), 7.06〜7.12(2H, m), 7.29〜7.34
(1H, m), 7.37(2H, d, J=8.3Hz), 7.83(2H, d, J=8.3H
z), 8.70(1H, d, J=7.3Hz).
【0168】[実施例30] (2-ベンジルオキシ-3-イソブチルフェニル)-N-(1,2-ジ
エチル-4-ピラゾリジニル)アセトアミドの合成 2-ベンジルオキシ-3-イソブチル安息香酸の合成と類似
の手法を用いて(2-ベンジルオキシ-3-イソブチルフェニ
ル)酢酸を得た。(2-ベンジルオキシ-3-イソブチルフェ
ニル)酢酸1.468gを、参考例1の場合と同様にして4-ア
ミノ-1,2-ジエチルピラゾリジン0.705gとの縮合反応に
付した。得られた固体を酢酸エチル:n-ヘキサン混液か
ら再結晶して標題化合物1.310gを得た。 mp 104.0〜104.5℃1 H-NMR(CDCl3):δ0.89(6H, d, J=6.8Hz), 0.97(6H, t,
J=7.3Hz), 1.90〜2.10(1H, m), 2.35〜2.50(6H, m), 2.
56(2H, d, J=7.3Hz), 3.05〜3.15(2H, m), 3.53(2H,
s), 4.85(2H, s), 6.20(1H, d, J=7.3Hz), 7.05〜7.15
(3H, m), 7.35〜7.50(5H, m).
【0169】[実施例31] N-(1,2-ジアリル-4-ピラゾリジニル)-(2-ベンジルオキ
シ-3-イソブチルフェニル)アセトアミドの合成 1,2-ジアリルヒドラジン二塩酸塩2.66gを、参考例5の
場合と同様に、1,3-ジモルホリノ-2-ニトロプロパン4.7
5gとの縮合反応に付すことによって1,2-ジアリル-4-ニ
トロピラゾリジン6.90gを得た。1,2-ジアリル-4-ニトロ
ピラゾリジン1.84gを、参考例6の場合と同様に、水素
化リチウムアルミニウム1.42gを用いた還元反応に付す
ことによって4-アミノ-1,2-ジアリルピラゾリジン1.51
gを得た。(2-ベンジルオキシ-3-イソブチルフェニル)
酢酸0.89gを、参考例1の場合と同様にして4-アミノ-1,
2-ジアリルピラゾリジン0.50gとの縮合反応に付すこと
により標題化合物0.77gを得た。 mp 94.0〜95.3℃1 H-NMR(CDCl3):δ0.90(6H, d, J=6.4Hz), 1.42〜2.03(1
H, m), 2.45(2H, dd, J=4.9,11.7Hz), 2.57(2H, d, J=
7.3Hz), 3.06〜3.12(6H, m), 3.54(2H, s), 4.46〜4.55
(1H, m), 4.86(2H, s), 5.03〜5.08(4H, m), 5.72〜5.8
3(2H, m), 6.30(1H, d, J=7.3Hz), 7.05〜7.15(3H, m),
7.35〜7.48(5H, m).
【0170】[実施例32] N-(1,2-ジエチル-4-ピラゾリジニル)-[3-イソブチル-2-
(2-モルホリノエトキシ)フェニル]アセトアミドの合成 N-(1,2-ジエチル-4-ピラゾリジニル)-(2-ヒドロキシ-3-
イソブチルフェニル)アセトアミド1.020gを、実施例9
の場合と同様にしてN-(2-クロロエチル)モルホリン塩酸
塩0.854gを用いてアルキル化した。得られた固体をn-
ヘキサンから再結晶して標題化合物1.090gを得た。 mp 97.1〜98.3℃1 H-NMR(CDCl3):δ0.89(6H, d, J=6.8Hz), 1.02(6H, t,
J=7.1Hz), 1.87〜2.00(1H, m), 2.50〜2.60(12H, m),
2.75(2H, t, J=5.4Hz), 3.15(2H, dd, J=7.3,11.7Hz),
3.56(2H, s), 3.76(4H, t, J=4.6Hz), 3.91(2H, t, J=
5.4Hz), 4.53〜4.62(1H, m), 6.45(1H, d, J=7.3Hz),
7.03(1H, t, J=7.3Hz), 7.09(1H, dd, J=2.0,7.3Hz),
7.12(1H, dd, J=2.0,7.3Hz).
【0171】[実施例33] [2-(2-ジエチルアミノエトキシ)-3-イソブチルフェニ
ル]-N-(1,2-ジエチル-4-ピラゾリジニル)アセトアミド
の合成 N-(1,2-ジエチル-4-ピラゾリジニル)-(2-ヒドロキシ-3-
イソブチルフェニル)アセトアミド0.200gを、実施例9
の場合と同様にして2-ジエチルアミノエチルクロリド塩
酸塩0.150gを用いてアルキル化することにより標題化
合物0.180gを得た。1 H-NMR(CDCl3):δ0.89(6H, d, J=7.3Hz), 1.00〜1.09(1
2H, m), 1.89〜1.96(1H,m), 2.49〜2.58(8H, m), 2.66
(4H, q, J=7.3Hz), 2.86(2H, t, J=5.9Hz), 3.16(2H, d
d, J=7.3,11.2Hz), 3.55(2H, s), 3.87(2H, t, J=5.9H
z), 4.55〜4.61(1H, m), 6.59(1H, d, J=7.8Hz), 7.00
〜7.14(3H, m).
【0172】[実施例34] N-(1,2-ジエチル-4-ピラゾリジニル)-[2-(3-ヒドロキシ
プロピルオキシ)-3-イソブチルフェニル]アセトアミド
の合成 (2-アリルオキシ-3-イソブチルフェニル)-N-(1,2-ジエ
チル-4-ピラゾリジニル)アセトアミド1.03gを無水テト
ラヒドロフラン15mlに溶解し、アルゴン雰囲気下氷冷に
て、9-ボラビシクロ[3,3,1]ノナン 0.5Nテトラヒドロ
フラン溶液14mlを滴下した。室温で24時間攪拌後、反応
液に、氷冷下、3N水酸化ナトリウム水溶液6ml、30%過
酸化水素水6mlを滴下し室温で24時間攪拌した。反応液
を水中に注ぎ酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸
ナトリウムで乾燥し減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール=1
0:1)にて精製し、標題化合物0.28gを得た。1 H-NMR(CDCl3):δ0.90(6H, d, J=6.8Hz), 1.04(6H, t,
J=7.3Hz), 1.88〜1.95(1H, m), 1.98〜2.04(2H, m), 2.
49(2H, d, J=6.8Hz), 2.55〜2.62(6H, m), 3.12(2H, d
d, J=7.3,11.2Hz), 3.54(2H, s), 3.92(2H, t, J=5.8H
z), 3.97(2H, t, J=5.8Hz), 4.53〜4.59(1H, m), 6.62
(1H, br), 7.03(2H, t, J=7.8Hz), 7.11(1H,dd, J=2.0,
7.8Hz), 7.14(1H, dd, J=2.0,7.8Hz).
【0173】[実施例35] (2-アリルオキシ-3-イソブチルフェニル)-N-(1,2-ジエ
チル-4-ピラゾリジニル)アセトアミドの合成 N-(1,2-ジエチル-4-ピラゾリジニル)-(2-ヒドロキシ-3-
イソブチルフェニル)アセトアミド0.68gを、実施例36
の場合と同様にして無水テトラヒドロフラン中アリルブ
ロミド0.25gを用いてアルキル化することにより標題化
合物0.62gを得た。1 H-NMR(CDCl3):δ0.90(6H, d, J=6.8Hz), 1.02(6H, t,
J=7.1Hz), 1.88〜2.00(1H, m), 2.50(2H, d, J=7.3Hz),
2.51〜2.57(6H, m), 3.15(2H, dd, J=7.1,11.5Hz), 3.
54(2H, s), 4.33〜4.35(2H, m), 4.52〜4.62(1H, m),
5.30(1H, dd, J=1.5,10.7Hz), 5.46(1H, dd, J=1.5,17.
1Hz), 6.03〜6.13(1H, m), 6.26(1H, d, J=7.3Hz), 7.0
0〜7.11(3H, m).
【0174】[実施例36] N-(1,2-ジエチル-4-ピラゾリジニル)-[3-イソブチル-2-
(4-メトキシカルボニルベンジルオキシ)フェニル]アセ
トアミドの合成 水素化ナトリウム0.240gをn-ヘキサンで洗浄し、無水
N,N-ジメチルホルムアミド20mlに懸濁した。氷冷下、N-
(1,2-ジエチル-4-ピラゾリジニル)-(2-ヒドロキシ-3-イ
ソブチルフェニル)アセトアミド1.012gを加え30分間攪
拌した。続いて4-メトキシカルボニルベンジルクロリド
1.416gを滴下し、室温にて12時間攪拌した。氷冷下、
メタノール2mlを滴下し室温にて2時間攪拌した。反応液
を冷飽和塩化アンモニウム水溶液中に注ぎジエチルエー
テルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し
減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(クロロホルム)にて精製し標題化合物0.854gを得
た。1 H-NMR(CDCl3):δ0.88(6H, d, J=6.4Hz), 0.99(6H, t,
J=7.3Hz), 1.90〜2.03(1H, m), 2.43〜2.54(8H, m), 3.
10(2H, dd, J=7.3,11.7Hz), 3.54(2H, s), 3.94(3H,
s), 4.47〜4.60(1H, m), 4.92(2H, s), 6.10(1H, d, J=
7.3Hz), 7.06〜7.15(3H, m), 7.53(2H, d, J=8.3Hz),
8.09(2H, d, J=8.3Hz).
【発明の効果】以上説明したように本発明にかかるピラ
ゾリジン誘導体によれば、優れたラジカルスカベンジャ
ー作用を有し、脳浮腫、脳梗塞、心筋梗塞、不整脈に有
効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる化合物の製造行程を示す説明図
である。
【図2】本発明にかかる化合物の製造行程を示す説明図
である。
【図3】本発明にかかる化合物の製造行程を示す説明図
である。
【図4】本発明にかかる化合物の製造行程を示す説明図
である。
【図5】本発明にかかる化合物の製造行程を示す説明図
である。
【図6】本発明にかかる化合物の製造行程を示す説明図
である。
【図7】本発明にかかる化合物の原料化合物の製造行程
を示す説明図である。
【図8】本発明にかかる化合物の原料化合物の製造行程
を示す説明図である。
【図9】本発明にかかる化合物の原料化合物の製造行程
を示す説明図である。
【図10】本発明にかかる化合物の原料化合物の製造行
程を示す説明図である。
【図11】本発明にかかる化合物の原料化合物の製造行
程を示す説明図である。
【図12】本発明にかかる化合物の原料化合物の製造行
程を示す説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A61P 9/10 101 A61P 9/10 101 43/00 111 43/00 111 C07D 401/12 C07D 401/12 //(C07D 401/12 213:24 231:04) (72)発明者 安達 謙太郎 神奈川県横浜市港北区新羽町1050 株式 会社 資生堂 第一リサーチセンター内 (72)発明者 稲田 竜平 東京都中央区銀座7丁目5番5号 株式 会社 資生堂内 (56)参考文献 特開 平8−269013(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 231/04 A61K 31/415 C07D 401/12 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (25)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式化1よりなるピラゾリジン誘
    導体及びその塩。 【化1】 [上記一般式化1中、Aは式−CH−、式−CO−、
    あるいは式−CHCO−で示される基、Bは式−O
    −、式−NH−で示される基を意味する。また、R
    水素原子、低級アルキル基または低級アルケニル基、R
    は低級アルケニル基、ベンジル基、ピリジルメチル
    基、式―(CH)n1―OH(但し、n1は1〜3まで
    の整数を意味する。)、または下記の式化2で示される
    基を意味する。ただし、R が低級アルケニル基で、且
    つR が水素原子である場合を除く。nは1又は2の整
    数を意味し、R,Rは低級アルキル基、低級アルケ
    ニル基、ベンジル基を意味する。] 【化2】 (式化2中、n2は1〜3までの整数を意味し、R
    びRは低級アルキル基を表すか、もしくは両者が結合
    して4〜8員の飽和複素環式基を形成する。)
  2. 【請求項2】 請求項1記載の化合物において、R2
    ベンジル基またはピリジルメチル基であることを特徴と
    するピラゾリジン誘導体及びその塩。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の化合物において、
    1が低級アルキル基であることを特徴とするピラゾリ
    ジン誘導体及びその塩。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の化合物において、R1
    イソブチル基であることを特徴とするピラゾリジン誘導
    体及びその塩。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の化合物
    において、R3及びR4が低級アルキル基であることを特
    徴とするピラゾリジン誘導体及びその塩。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の化合物においてR3及び
    4がエチル基であることを特徴とするピラゾリジン誘
    導体及びその塩。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6の何れかに記載の化合物に
    おいて、Bが式−O−で示される基であることを特徴と
    するピラゾリジン誘導体及びその塩。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6の何れかに記載の化合物に
    おいて、Aが式−CO−または式−CH2CO−で示さ
    れる基であり、Bが式−NH−で示される基であること
    を特徴とするピラゾリジン誘導体及びその塩。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の化合物において、下記一
    般式化3で示されることを特徴とするピラゾリジン誘導
    体及びその塩。 【化3】 (なお、式中R3及びR4は低級アルキル基を意味す
    る。)
  10. 【請求項10】 請求項9記載の化合物において、R3
    及びR4がエチル基であることを特徴とするピラゾリジ
    ン誘導体及びその塩。
  11. 【請求項11】 請求項1記載の化合物において、下記
    一般式化4で示されることを特徴とするピラゾリジン誘
    導体及びその塩。 【化4】 (なお、式中Aは式−CO−または式−CH2CO−を
    意味する。)
  12. 【請求項12】 請求項1記載の化合物において、下記
    一般式化5で示されることを特徴とするピラゾリジン誘
    導体及びその塩。 【化5】 (なお、式中R3及びR4はエチル基またはベンジル基を
    意味する。)
  13. 【請求項13】 請求項12記載の化合物において、R
    2がベンジル基であることを特徴とするピラゾリジン誘
    導体及びその塩。
  14. 【請求項14】 請求項12または13に記載の化合物
    において、R1がイソブチル基であることを特徴とする
    ピラゾリジン誘導体及びその塩。
  15. 【請求項15】 請求項12〜14の何れかに記載の化
    合物において、R3及びR4がエチル基であることを特徴
    とするピラゾリジン誘導体及びその塩。
  16. 【請求項16】 請求項1記載の化合物において、下記
    一般式化6で示されることを特徴とするピラゾリジン誘
    導体及びその塩。 【化6】 (なお、式中R1は低級アルキル基、R3及びR4は低級
    アルキル基または低級アルケニル基を意味する。)
  17. 【請求項17】 請求項16記載の化合物において、R
    2がベンジル基であることを特徴とするピラゾリジン誘
    導体及びその塩。
  18. 【請求項18】 請求項16または17に記載の化合物
    において、R1がイソブチル基であることを特徴とする
    ピラゾリジン誘導体及びその塩。
  19. 【請求項19】 請求項16〜18の何れかに記載の化
    合物において、R3及びR4がエチル基であることを特徴
    とするピラゾリジン誘導体及びその塩。
  20. 【請求項20】 請求項1〜19の何れかに記載のピラ
    ゾリジン誘導体ないしその薬理学的に許容される塩を主
    成分とすることを特徴とするラジカルスカベンジャー。
  21. 【請求項21】 請求項1〜19の何れかに記載のピラ
    ゾリジン誘導体ないしその薬理学的に許容される塩を主
    成分とすることを特徴とする虚血再潅流障害抑制剤。
  22. 【請求項22】 請求項1〜19の何れかに記載のピラ
    ゾリジン誘導体ないしその薬理学的に許容される塩を主
    成分とすることを特徴とする脳梗塞抑制剤。
  23. 【請求項23】 請求項1〜19の何れかに記載のピラ
    ゾリジン誘導体ないしその薬理学的に許容される塩を主
    成分とすることを特徴とする脳浮腫抑制剤。
  24. 【請求項24】 請求項1〜19の何れかに記載のピラ
    ゾリジン誘導体ないしその薬理学的に許容される塩を主
    成分とすることを特徴とする心筋梗塞抑制剤。
  25. 【請求項25】 請求項1〜19の何れかに記載のピラ
    ゾリジン誘導体ないしその薬理学的に許容される塩を主
    成分とすることを特徴とする不整脈抑制剤。
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