JP2007517022A6 - フランカルボニルグアニジン誘導体、その製造方法及びそれを含む製薬組成物 - Google Patents

フランカルボニルグアニジン誘導体、その製造方法及びそれを含む製薬組成物 Download PDF

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Abstract

本発明は、フランカルボニルグアニジン誘導体、その製造方法及びそれを含む製薬組成物に関するものである。本発明のフランカルボニルグアニジン誘導体は、ナトリウム/カルシウム通路であるNHE-1 (sodium-hydrogen exchanger isoform 1)を抑制して、虚血/再潅流による損傷に対して心臓機能の回復を増進させて心筋梗塞率を減少させ、心筋細胞損傷を保護することにより、心筋梗塞、不整脈、狭心症等の虚血性心臓疾患の予防及び治療剤として使用することができ、また、冠動脈迂回手術、経皮経管冠動脈形成術等の心臓施術時または血栓溶解剤等の再潅流療法に対する心臓保護剤等として使用できる。

Description

本発明は、フランカルボニルグアニジン誘導体、その製造方法及びそれを含む製薬組成物に関するものである。
虚血/再潅流時の心筋細胞損傷と心機能低下によって発生する心筋梗塞、不整脈、心不全症等の虚血性心臓疾患は、有病率及び死亡率が高くて完治が難しいため、この50年間にわたり集中的な基礎及び臨床研究が進められてきた[Wang, QD. 等, Cardiovasc. Res. 2002年,第55巻,5-37頁]。
虚血/再潅流損傷は、代謝、免疫反応及びイオン恒常性の変化、酸素遊離基等多様な生理学的機序が関与するため、免疫調節物質、細胞死滅関連物質、イオン通路調節物質等多様な分野で研究が行われている[Hearse, DJ. Prog.Cariovasc. Dis. 1998年,第30巻, 381-402頁]。機序研究と共に新しい作用点による治療剤の開発及び外科的施術の開発等が活溌に行われてきたが、虚血/再潅流から心筋細胞を保護できる技術はまだ、臨床的に常用化されていない。冠動脈バイパス手術(CABG)、経皮経管冠動脈形成術(PTCA)等の外科的施術及び血栓溶解剤等の薬物療法による再潅流療法の以後にも心筋梗塞の再発、不整脈、狭心症、神経認知能力低下等、再潅流損傷が高い比率で現れることが知られている[Robert, M. Ann. Thorac. Surg. 2003年, 第75巻, S700-708頁]。したがって、虚血による心筋細胞損傷の進行を遅らせ、再潅流損傷を緩和できる安全で有効な薬物の開発が求められている。
NHE(sodium-hydrogen exchanger)は、多様な細胞種で発現されるイオン通路で、細胞内の水素イオン一つを外へ出してNa+1個を細胞内に取り入れ、静電気的には中性で細胞内pH調節に重要な役割をする膜蛋白質である。現在まで7個の亜形が確認され、心筋細胞の主亜形であるNHE-1が、虚血/再潅流損傷に主要な役割をすると知られている[Avkiran, M. 等, J. Am. Coll. Cardiol. 2002年, 第39巻, 747-753頁]。正常的な生理的pH(≒ 7.2)で、NHE-1はほとんど作動しない。酸素不足の虚血状態ではエルネギー生成を解糖作用(glycolysis)に依存するため、細胞内水素イオン濃度が増加して酸性化(pH ≒ 6.4)して、水素イオンセンサー(proton sensor)を有するNHE-1が活性化され、水素イオンを出してナトリウムイオンを細胞内に取り入れるため、細胞内のナトリウムイオンの濃度が増加するようになる。虚血時にはATPエルネギー生成の減少でNa+/K+ ATPaseが抑制されるため、ナトリウムポンプによって細胞内に蓄積されたナトリウムイオンを出せなくなる。したがって、正常状態ではカルシウムを出してナトリウムを取り入れるナトリウム/カルシウム通路であるNCX(Na+/Ca++ exchanger)が、高くなったナトリウム濃度を調節するため逆方向に作動してナトリウムイオンを出してカルシウムイオンを取り入れ、細胞内のカルシウムイオンの濃度が高くなる。細胞内のカルシウムイオン濃度の増加は、プロテアーゼ、ホスホリパーゼ、エンドヌクレアーゼ等の酵素を活性化させて各種蛋白質の分解、脂肪代謝障害による活性酸素遊離基の増加、DNA変形等を起こして細胞損傷を起こすようになる。NHE-1の抑制で細胞内のナトリウムイオンおよびカルシウムイオン濃度の増加を防ぐことによってNCXの逆方向作動を抑制でき、細胞内のカルシウムイオン濃度の増加を抑制して虚血/再潅流による細胞損傷を保護できる。増加した水素イオンは、他のイオン通路によって調節されるため、NHE-1の抑制による細胞内酸性化は起らないと報告された。利尿剤であるピラジン誘導体アミロライドが、NHE阻害剤として初めて報告された[Benos, DJ. A. J. Physiol. 1982年, 第242巻, C131頁]。アミロライドは、NHE-1に対する抑制作用があり、ラット摘出心臓実験で虚血/再潅流後に心機能の回復を増進させることが確認されたが、NHE-1以外にもNHE-2及びナトリウムチャンネルを抑制する等、選択性が不足するため心臓保護剤としては問題があった。NHE-1に対して選択性がある薬物開発研究が進められ、ホレキャストマリオンローセル(Hoechst Marion Roussel、現在のAventis)によってNHE-1に対して高い選択性を有するベンゾイルグアニジン誘導体カリポリド(HOE-694)が開発された[Scholz, W. 等, Br. J. Pharmacol. 1993年, 第109巻, 562頁]。カリポリド(cariporide)は、動物モデルで優秀な心臓保護効果を示し、臨床でも冠動脈バイパス手術患者に投与して有意性ある保護効果を示した。現在まで知られた大部分のNHE-1抑制剤は、アシルグアニジンで、エニポライド(eniporide)、ゾニポライド(zoniporide)、SM-20220、BMS-284640等多数の薬物が選択的NHE-1抑制剤として開発中である。
Figure 2007517022
NHE-1抑制剤は、心筋収縮力の改善、不整脈の減少、細胞死滅及び壊死の減少、代謝状態の改善及び細胞内のナトリウムとカルシウムイオンの過負荷を減少させることにより、虚血/再潅流損傷に対する保護効果を示すことが確認された[Karmazyn, M. Science & Medicine, 2002年, 18-26頁]。したがって、選択的なNHE-1抑制剤は、急性心筋梗塞、冠動脈バイパス手術及び冠動脈形成術等の外科的施術、血栓溶解剤療法等、虚血/再潅流損傷に対する心臓保護剤として応用され、不整脈、狭心症等の広範囲な虚血性心血管系疾患の治療及び予防効果が期待される。
本発明の目的は、選択的なNHE-1抑制効果を示し、心筋機能を改善させて心筋梗塞の大きさを有意的に減少させることができる新しい化合物を提供することである。
具体的に、本発明の目的は、フランカルボニルグアニジン誘導体及びその薬学的に許容されるその塩を提供することである。
また、本発明の目的は、フランカルボニルグアニジン誘導体の製造方法を提供することである。
また、本発明の目的は、フランカルボニルグアニジン誘導体及び薬学的に許容されるその塩の用途を提供することである。
上記の目的を達成するため、本発明は新しいフランカルボニルグアニジン誘導体及び薬学的に許容されるその塩、その製造方法並びにそれを有効成分とする製薬組成物を提供する。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
I. フランカルボニルグアニジン誘導体
本発明は、下記化学式1で表わされるフランカルボニルグアニジン誘導体及び薬学的に許容可能なその塩を提供する。
Figure 2007517022
(式中、R1及びR2は各々独立して、H、F、Cl、Br、I、CF3、SO2CH3、NO2、NH2、C1〜C5の直鎖状または分枝状アルキル、またはORaである。ここで、RaはH、CF3、C1〜C5の直鎖状または分枝状アルキル、またはフェニル基である。)
また、本発明は、上記化学式1で表わされるフランカルボニルグアニジン誘導体、薬学的に許容されるその塩だけではなく、それから製造され得る溶媒和物及び水和物をすべて含む。
上記化学式1の化合物中、好ましい化合物を具体的に下記に示す。
1)[5-(2-フルオロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
2)[5-(3-フルオロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
3)[5-(4-フルオロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
4)[5-フェニルフラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
5)[5-(2-クロロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
6)[5-(3-クロロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
7)[5-(4-クロロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
8)[5-(2-メチルフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
9)[5-(3-メチルフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
10)[5-(4-メチルフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
11)[5-(2-トリフルオロメチルフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
12)[5-(3-トリフルオロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
13)[5-(4-トリフルオロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
14)[5-(2-メトキシフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
15)[5-(3-メトキシフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
16)[5-(4-メトキシフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
17)[5-(2-ニトロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
18)[5-(3-ニトロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
19)[5-(4-ニトロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
20)[5-(2-アミノフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
21)[5-(3-アミノフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
22)[5-(4-アミノフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
23)[5-(2-エチルフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
24)[5-(2-エトキシフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
25)[5-(2-イソプロポキシフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
26)[5-(2-フェノキシフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
27)[5-(2,6-ジフルオロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
28)[5-(3,5-ジフルオロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
29)[5-(2,4-ジフルオロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
30)[5-(2,5-ジフルオロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
31)[5-(2,3-ジフルオロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
32)[5-(2-クロロ-6-フルオロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
33)[5-(2-フルオロ-5-メチルフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
34)[5-(2-メチル-5-フルオロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
35)[5-(2-メトキシ-5-フルオロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
36)[5-(3,5-ジクロロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
37)[5-(2,3-ジクロロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
38)[5-(2,5-ジクロロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
39)[5-(2-メトキシ-5-クロロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
40)[5-(2-クロロ-5-トリフルオロメチルフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
41)[5-(2,6-ジメチルフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
42)[5-(3,5-ジメチルフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
43)[5-(2,5-ジメチルフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
44)[5-(2,3-ジメチルフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
45)[5-(2,6-ジメトキシフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
46)[5-(2,3-ジメトキシフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
47)[5-(2,5-ジメトキシフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
48)[5-(2-メトキシ-5-ブロモフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
49)[5-(2-ヒドロキシ-5-クロロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
50)[5-(2-エトキシ-5-クロロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
51)[5-(2-イソプロポキシ-5-クロロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン。
本発明の化学式1の化合物は、薬学的に許容可能な塩の形態で使用でき、塩としては薬学的に許容可能な遊離酸(free acid)により形成された酸付加塩が有用である。遊離酸としては、有機酸と無機酸が使用可能で、無機酸としては、塩酸、臭素酸、硫酸、亜硫酸、リン酸等を使用でき、有機酸としては、クエン酸、酢酸、マレイン酸、フマル酸、グルコン酸、メタンスルホン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、4-トルエンスルホン酸、ガラクツロン酸、エンボン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸等を使用できる。好ましくは、メタンスルホン酸、塩酸等を使用することである。
本発明の付加塩は、通常の方法、例えば化学式1の化合物を水混和性有機溶媒、例を挙げるとアセトン、メタノール、エタノールまたはアセトニトリル等に溶解して過量の有機酸を加えたり無機酸の酸水溶液を加えた後、沈澱させたり結晶化せたりして製造できある。さらにその混合物から溶媒や過量の酸を蒸発させた後、乾燥させて付加塩を得たりまたは析出した塩を吸引ろ過して製造できる。
II. 製造方法
また、本発明は、前記化学式1のフランカルボニルグアニジン誘導体の製造方法を提供する。
詳細には、本発明は、下記スキーム1に表示したように、カルボン酸誘導体化合物IIを塩基存在下でグアニジンと反応させたり、過量のグアニジンと反応させたりして化学式1のフランカルボニルグアニジン化合物の製造方法を提供する(製造方法1)。
Figure 2007517022
(式中、R1及びR2は化学式1で定義したのと同じであり、Lはグアニジンにより簡単に離脱する離脱基である。)
カルボン酸誘導体IIは、エステル、アシルハライド(acyl halide)、カルボン酸無水物誘導体等を例に挙げることができる。前記エステル誘導体は、一般的なアルキルエステル(例、メチルエステル、エチルエステル)かまたは活性エステル(active ester)誘導体(例、p-ニトロフェニルエステル、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、ペンタフルオロフェニルエステル)である。このようなカルボン酸誘導体は、通常的な公知の方法でカルボン酸から容易に製造できる。
本発明は、化学式1で表される化合物のまた他の製造方法で、下記スキーム2のように化合物IIIのカルボン酸を縮合剤(condensing agent)存在下でグアニジンと反応させてフランカルボニルグアニジン化合物を製造する方法を提供する(製造方法2)。
Figure 2007517022
(式中、R1及びR2は化学式1で定義したのと同じである)。
以下、本発明の化学式1のフランカルボニルグアニジン誘導体の製造方法をより詳細に説明する。
(1)製造方法1
前記スキーム1で表わされる化学式1の化合物の製造で、カルボン酸誘導体IIの置換基R1及びR2に反応に影響を受ける置換基があり、保護基で保護する必要がある場合は、適当な保護基で保護した後、スキーム1の反応後に保護基を除去して化合物Iを製造する。
前記スキーム1のカルボン酸誘導体IIが、アルキルエステルまたは活性エステルの場合、適切な溶媒を使用して定量また過量のグアニジンと反応して化合物Iを製造する。
反応溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2-ジメトキシメタン等のエーテル系溶媒、ジメチルホルムアミド(DMF)、またはこれらの溶媒の混合溶媒を使用する。反応温度は、常温から溶媒の沸騰点までである。
前記スキーム1のカルボン酸誘導体IIが、アシルハライドや酸無水物の場合には、適切な溶媒で過量のグアニジンと反応させたり、塩基存在下で定量のグアニジンと反応して化合物Iを製造する。使用可能な塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムカーボネート等の無機塩基またはトリエチルアミン、ピリジン等の有機塩基である。
反応溶媒は、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素系溶媒、またはDMF等を使用したり、これらの混合溶媒を使用する。
(2)製造方法2
前記スキーム2で表わされる化学式1の化合物の製造で、カルボン酸誘導体IIIの置換基R1及びR2に反応に影響を受ける置換基があり、保護基で保護する必要がある場合には、適当な保護基で保護した後、スキーム2の反応後に保護基を除去して化合物Iを製造する。
前記スキーム2で、カルボン酸化合物を適切な反応溶媒で縮合剤の存在下で当量または過量のグアニジンと反応して化合物Iを製造する。反応温度は、常温から溶媒の沸騰点まである。
ここで、使用できる縮合剤は、N,N-カルボニルジイミダゾール(N,N-carbonyldiimidazole)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(dicyclohexylcarbodiimide, DCC)、ジイソプロピルカルボジイミド(diisopropylcarbodiimide, DIPC)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(1-ethyl-3-(3-dimethylaminopropyl)carbodiimide, WSC)、ジフェニルホスホニルアジド(diphenylphosphonylazide, DPPA)等である。
使用できる溶媒は、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等のエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素系溶媒、DMFまたはそれらの混合溶媒である。
(3)出発物質の製造
前記スキーム1で使用したカルボン酸誘導体IIが、メチルエステル化合物(L=OCH3)の場合、下記スキーム3のようにフェニルボロン酸またはスタニルフェニル誘導体化合物IVと5-ハロフラン化合物Vを、金属触媒、特にパラジウム触媒存在下で、Stilleタイプカップリングまたは鈴木タイプカップリング反応をさせて化合物II1を製造する。
または、フェニル化合物とフラン化合物に置換体XとYが反対に置換された化合物VIと化合物VIIを使用してStilleまたは鈴木反応をさせて化合物II1を製造できる。
Figure 2007517022
(式中、R1及びR2は化学式1で定義したのと同じであり、XはB(OH)2、BCl2、BBr2、SnBu3、SnMe3またはZnClであり、Yはハロゲン(Br、I、Cl)またはOSO2CF3である。)
前記スキーム3で、フェニルボロン酸またはスタニルフェニル化合物IVやフリルボロン酸またはスタニルフラン化合物VIIは、商業的に市販されている化合物を使用したり、フェニルハライドや5-ハロフラン化合物から公知の方法で製造して使用する。
前記スキーム3で、金属触媒としてはパラジウム、ニッケル、白金錯体等を使用可能であるが、パラジウム触媒を使用することが好ましい。パラジウム触媒としては、Pd(PPh3)4、Pd-C、PdCl2(PPh3)2、Pd2(dba)3、PdCl2(dppf)、[PdCl(allyl)]2、Pd(OAc)2またはPdCl2等を使用できる。
前記スキーム3で反応を促進して収率を高めるために、PPh3、P-(o-tolyl)3、PBu3等のホスフィン化合物を付加物として使用したり、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム等の金属塩を付加物として使用できる。
前記スキーム3で鈴木タイプ反応をさせる場合には、塩基を1乃至3当量使用する。使用できる塩基としては、トリエチルアミン、イソプロピルエチルアミンのような三級アミン有機塩基、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸セシウム、水酸化バリウム等の無機塩基がある。無機塩基が有機溶媒に溶解しない時は、無機塩基を水に溶解させて加えることができるが、ここで無機塩基が0.5乃至4M程度の濃度になるようにして使用する。
前記スキーム3の反応で溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2-ジメトキシエタンのようなエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素系溶媒、メタノール、エタノールのようなアルコール系溶媒、DMF、アセトニトリル、エチルアセテート等を単独で使用したり、混合して使用できる。反応温度は、常温から溶媒の沸騰点までである。
スキーム2の出発物質のカルボン酸化合物IIIは、前記スキーム3で製造したエステル化合物II1を塩基を使用して通常の方法によって加水分解して製造できる。
スキーム1の出発物質IIでメチルエステル化合物以外の化合物は、スキーム3と同じ方法で製造したり、カルボン酸化合物IIIから通常の方法によって製造できる。
III.用途
また、本発明は、前記化学式1で表わされるフランカルボニルグアニジン誘導体及び薬学的に許容されるその塩を有効成分として含む、心臓保護用製薬組成物を提供する。
本発明の誘導体及びその塩は、選択的にNHE-1を抑制することにより心臓保護作用を示す。詳細には、ヒトのNHE-1を発現させた細胞で本発明の化合物は、NHE-1に対して強力な抑制効果を示し、ラットの摘出心臓を使用したランゲルドルフの虚血心臓モデルで濃度依存的に再潅流後の心臓機能(左心室発生圧、LVDP)の回復を増進させて優秀な心臓保護作用を示した。また、同様にラットを使用した虚血心筋モデルで本発明の化合物は、心筋梗塞の大きさを濃度依存的に減少させ、優秀な抗虚血作用を示した。このように本発明の化合物は、NHE-1に対する強力な抑制効果及びインビトロ及びインビボで虚血/再潅流に対して優秀な心臓保護作用を示すので、心筋梗塞、不整脈、狭心症等の虚血性心臓疾患の予防及び治療剤として使用でき、心冠動脈迂回手術、経皮経管冠動脈形成術等の心臓施術時に心臓保護剤または血栓溶解剤として使用できる。
本発明の化合物は、臨床投与時に経口及び非経口の様々な剤形で投与できる。製剤化する場合には、普通に使用する充填剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩解剤、界面活性剤等の希釈剤または賦形剤を使用して製造する。経口投与のための固形製剤には、錠剤、丸薬、散剤、顆粒剤、カプセル剤、トローチ剤等が含まれ、このような固形製剤は、一つ以上の本発明の化合物に少なくても一つ以上の賦形剤、例えば、澱粉、炭酸カルシウム、スクロース(sucrose)またはラクトース(lactose)またはゼラチン等を混ぜて調剤する。また、単純な賦形剤の他にステアリン酸マグネシウム、タルクのような潤滑剤も使用できる。経口投与のための液状製剤としては、懸濁剤、内用液剤、乳剤またはシロップ剤等が該当する。良く使用される単純希釈剤の水、リキッドパラフィン以外に色々な賦形剤、例えば湿潤剤、甘味量、芳香剤、保存剤等が含まれ得る。非経口投与のための製剤には、滅菌水溶液、非水性溶剤、懸濁溶剤、乳剤、凍結乾燥製剤、坐薬が含まれる。非水性溶剤、懸濁溶剤には、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブオイル等の植物性オイル、エチルオレイトのような注射可能なエステル等が使用できる。坐薬の基剤には、ハードファット(witepsol)、マクロゴール、ツイーン(tween)61、カカオ脂、ラウリン脂、グリセロール、ゼラチン等が使用できる。
また、本発明の化合物の人体に対する投与量は、患者の年齢、体重、性別、投与形態、健康状態及び疾患程度によって変化し得るが、体重が70kgの成人患者を基準にする時、一般的に0.1〜1000mg/日で、好ましくは、1〜500mg/日で、また医師または薬剤師の判断にしたがって一定時間間隔で1日1回乃至数回に分割投与することもできる。
以下、本発明を実施例によってさらに詳細に説明する。
但し、下記実施例は、本発明を例示するだけのものであり、本発明の内容が実施例によって限定されるものではない。
本発明では、赤外線分光法、核磁気共鳴スペクトル、質量分光法、液体クロマトグラフィー法、X-線構造決定法、旋光度測定法と代表的な化合物の元素分析計算値と実測値の比較によって分子構造を確認した。
〈製造例〉フラン-2-カルボ酸メチルエステル誘導体の製造
5-(2-フルオロフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル
メチル5-ブロモ-2-フロエート(300mg, 1.46mmol)をトルエン(6ml)に溶解して、2-フルオロフェニルボロン酸(246mg, 1.76mmol)をメタノール(0.5ml)に溶解して加えて、2M Na2CO3水溶液(0.8ml, 1.76mmol)を加えた。触媒量のPd(PPh3)4(51mg)を加えた後、80℃で6時間反応させた。
水(20ml)を加えてエチルアセテート(20ml×2)で抽出した後、有機層を塩水で洗浄した。有機層を無水MgSO4で乾燥した後、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:エチルアセテート=6:1)で精製して目的化合物290mg(収率90%)を収得した。
1H NMR(300 MHz, CDCl3)δ 3.94(s, 3H), 6.93(t, 1H), 7.14-7.34(m, 4H), 7.99(m, 1H)
5-(3-フルオロフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル
1H NMR(300 MHz, CDCl3)δ 3.85(s, 3H), 6.69(d, 1H), 6.97(m, 1H), 7.18(d, 1H), 7.31(m, 1H), 7.39(dd, 1H), 7.48(d, 1H)
5-(4-フルオロフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル
1H NMR(300 MHz, CDCl3)δ 3.92(s, 3H), 6.68(d, 1H), 7.12(dd, 2H), 7.24(d, 1H), 7.76(dd, 2H)
5-フェニルフラン-2-カルボン酸メチルエステル
1H NMR(300 MHz, CDCl3)δ 3.91(s, 3H), 6.74(d, 1H), 7.25(d, 1H), 7.35-7.46(m, 3H), 7.81(m, 2H)
5-(2-クロロフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル
1H NMR(300 MHz, CDCl3)δ 3.39(s, 3H), 7.21(d, 1H), 7.28(m, 2H), 7.34(dd, 1H), 7.46(dd, 1H), 7.99(dd, 1H)
5-(3-クロロフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル
1H NMR(300 MHz, CDCl3)δ 3.92(s, 3H), 6.75(d, 1H), 7.24(d, 1H), 7.33(d, 2H), 7.65(d, 1H), 7.76(d, 1H)
5-(2-メチルフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル
1H NMR(200 MHz, CDCl3)δ 2.52(s, 3H), 3.91(s, 3H), 6.63(d, 1H), 7.25-7.29(m, 4H), 7.77-7.73(m, 1H)
5-(3-メチルフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル
1H NMR(300 MHz, CDCl3)δ 2.42(s, 3H), 3.94(s, 3H), 6.74(d, 1H), 7.18(d, 1H), 7.26(d, 1H), 7.33(dd, 1H), 7.60(d, 1H), 7.64(s, 1H)
5-(4-メチルフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル
1H NMR(300 MHz, CDCl3)δ 2.31(s, 3H), 3.84(s, 3H), 6.61(d, 1H), 7.15(d, 2H), 7.17(d, 1H), 7.60(d, 2H)
5-(2-トリフルオロメチルフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル
1H NMR(300 MHz, CDCl3)δ 3.92(s, 3H), 6.79(d, 1H), 7.26(d, 1H), 7.50(t, 1H), 7.62(t, 1H), 7.80(dd, 2H)
5-(4-トリフルオロメチルフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル
1H NMR(300 MHz, CDCl3)δ 3.93(s, 3H), 6.85(d, 1H), 7.27(d, 2H), 7.67(d, 2H), 7.89(d, 2H)
5-(2-メトキシフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル
1H NMR(300 MHz, CDCl3)δ 3.91(s, 3H), 3.95(s, 3H), 6.97(d, 1H), 7.03(d, 1H), 7.06(d, 1H), 7.26(d, 1H), 7.32(m, 1H), 8.01(dd, 1H)
5-(3-メトキシフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル
1H NMR(300 MHz, CDCl3)δ 3.86(s, 3H), 3.91(s, 3H), 6.73(d, 1H), 6.73-6.92(m, 1H), 7.24(d, 1H), 7.29-7.36(m, 3H)
5-(4-メトキシフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル
1H NMR(300 MHz, CDCl3)δ 3.85(s, 3H), 3.91(s, 3H), 6.61(d, 1H), 6.94(d, 1H), 7.24(d, 1H), 7.71(d, 2H)
5-(3-ニトロフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル
1H NMR(300 MHz, CDCl3)δ 3.95(s, 3H), 6.91(d, 1H), 7.29(d, 1H), 7.71(dd, 1H), 7.98(dd, 1H), 8.31(dd, 1H), 8.51(d, 1H)
5-(2-エチルフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル
1H NMR(300 MHz, CDCl3)δ 1.25(t, 3H), 2.86(q, 2H), 3.91(s, 3H), 6.60(d, 1H), 7.24-7.36(m, 4H), 7.65(d, 1H)
5-(2-エトキシフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル
1H NMR(300 MHz, CDCl3)δ 1.53(t, 3H), 3.91(s, 3H), 4.17(q, 2H), 6.95(d, 1H), 7.03(dd, 1H), 7.07(d, 1H), 7.29(m, 2H), 8.02(dd, 1H)
5-(2-イソプロポキシフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル
1H NMR(300 MHz, CDCl3)δ 1.43(d, 6H), 3.91(s, 3H), 4.71(m, 1H), 6.99(m, 2H), 7.08(d, 1H), 7.25(d, 1H), 7.29(dd, 1H), 8.02(dd, 1H)
5-(2-フェノキシフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル
1H NMR(300 MHz, CDCl3)δ 3.91(s, 3H), 6.93(d, 1H), 7.00(m, 3H), 7.13(dd, 1H), 7.20-7.38(m, 5H), 8.10(dd, 1H)
5-(2,3-ジクロロフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル
1H NMR(300 MHz, CDCl3)δ 3.93(s, 3H), 7.23-7.33(m, 3H), 7.48(dd, 1H), 7.90(dd, 1H)
5-(3,5-ジクロロフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル
1H NMR(300 MHz, CDCl3)δ 3.93(s, 3H), 6.78(d, 1H), 7.25(d, 1H), 7.33(dd, 1H), 7.65(d, 2H)
5-(3,5-ジメチルフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル
1H NMR(300 MHz, CDCl3)δ 2.36(s, 6H), 3.92(s, 3H), 6.70(d, 1H), 6.99(s, 1H), 7.24(d, 1H), 7.41(s, 2H)
5-(2,5-ジメトキシフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル
1H NMR(300 MHz, CDCl3)δ 3.85(s, 3H), 3.90(s, 3H), 3.91(s, 3H), 6.87(m, 2H), 7.05(d, 1H), 7.25(s, 1H), 7.54(d, 1H)
5-(2-フルオロ-5-メチルフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル
1H NMR(300 MHz, CDCl3)δ 2.38(s, 3H), 3.93(s, 3H), 6.91(t, 1H), 7.02(m, 1H), 7.11(m, 1H), 7.27(d, 1H), 7.78(d, 1H)
5-(2-メチル-5-フルオロフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル
1H NMR(200 MHz, CDCl3)δ 2.48(s, 3H), 3.92(s, 3H), 6.67(m, 2H), 7.20(m, 1H), 7.27(d, 1H), 7.49(dd, 1H)
5-(2-メトキシ-5-フルオロフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル
1H NMR(300 MHz, CDCl3)δ 3.92(s, 3H), 3.93(s, 3H), 6.90(dd, 1H), 7.00(m, 1H), 7.07(d, 1H), 7.25(d, 1H), 7.71(dd, 1H)
5-(2-メトキシ-5-クロロフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル
1H NMR(200 MHz, CDCl3)δ 3.93(s, 3H), 3.94(s, 3H), 6.90(d, 1H), 7.05(d, 1H), 7.26(m, 1H), 7.98(d, 1H)
5-(2,6-ジフルオロフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル
メチル5-ブロモ-2-フロエート(300mg, 1.46mmol)と2,6-ジフルオロフェニルボロン酸(277.3mg, 1.76mmol)をDME(8ml)に溶解して、Ba(OH)2・H2O(416mg, 2.20mmol)をH2O(2.7ml)に溶解して加えた。触媒量のPd(dppf)・CH2Cl2(56mg)を加えた後、80℃で12時間反応させた。
水(20ml)を加えてエチルアセテート(20ml×2)で抽出した後、有機層を塩水で洗浄した。有機層を無水MgSO4で乾燥した後、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:エチルアセテート=20:1)で精製して目的化合物35mg(収率10%)を収得した。
1H NMR(200 MHz, CDCl3)δ 3.93(s, 3H), 6.90(m, 1H), 7.00(m, 2H), 7.26-7.31(m, 2H)
5-(2,3-ジフルオロフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル
1H NMR(200 MHz, CDCl3)δ 3.93(s, 3H), 6.97(dd, 1H), 7.18(m, 2H), 7.28(d, 1H), 7.75(m, 1H)
5-(2,5-ジフルオロフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル
1H NMR(200 MHz, CDCl3)δ 3.93(s, 3H), 6.95-7.17(m, 3H), 7.27(d, 1H), 7.68(m, 1H)
5-(3,5-ジフルオロフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル
1H NMR(300 MHz, CDCl3)δ 3.93(s, 3H), 6.78(d, 1H), 6.81(m, 1H), 7.25(d, 1H), 7.29(m, 2H)
5-(2,5-ジクロロフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル
1H NMR(300 MHz, CDCl3)δ 3.93(s, 3H), 7.21-7.28(m, 2H), 7.26(d, 1H), 7.39(d, 1H), 7.98(d, 1H)
5-(2,6-ジメチルフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル
1H NMR(300 MHz, CDCl3)δ 2.35(s, 3H), 2.37(s, 3H), 3.91(s, 3H), 6.56(d, 1H), 7.18(m, 2H), 7.27(d, 1H), 7.48(dd, 1H)
5-(2,3-ジメチルフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル
1H NMR(300 MHz, CDCl3)δ 2.34(s, 3H), 2.37(s, 3H), 3.91(s, 3H), 6.55(d, 1H), 7.13-7.21(m, 2H), 7.27(d, 1H), 7.48(dd, 1H)
5-(2,5-ジメチルフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル
1H NMR(300 MHz, CDCl3)δ 2.36(s, 3H), 2.47(s, 3H), 3.92(s, 3H), 6.61(d, 1H), 7.08(d, 1H), 7.15(d, 1H), 7.27(d, 1H), 7.59(s, 1H)
5-(2,6-ジメトキシフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル
1H NMR(300 MHz, CDCl3)δ 3.80(s, 6H), 3.89(s, 3H), 6.60(m, 3H), 7.29(m, 2H)
5-(2,3-ジメトキシフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル
1H NMR(200 MHz, CDCl3)δ 3.87(s, 3H), 3.90(s, 3H), 3.91(s, 3H), 6.92(dd, 1H), 7.08(d, 1H), 7.13(dd, 1H), 7.27(d, 1H), 7.57(dd, 1H)
5-(2-クロロ-6-フルオロフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル
1H NMR(300 MHz, CDCl3)δ 3.93(s, 3H), 6.79(dd, 1H), 7.10(m, 1H), 7.25-7.34(m, 3H)
5-(2-メトキシ-5-ブロモフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル
1H NMR(300 MHz, CDCl3)δ 3.93(s, 3H), 3.94(s, 3H), 6.85(d, 1H), 7.04(d, 1H), 7.25(d, 1H), 7.39(dd, 1H), 8.11(d, 1H)
5-(2-ヒドロキシ-5-クロロフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル
5-(2-メトキシ-5-クロロフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル(200mg, 0.75mmol)をCH2Cl2(3ml)に溶解した後、BBr3(1M CH2Cl2溶液)1.65ml(1.65mmol)を0℃で加えて常温で3時間反応させた。
NaHCO3水溶液20mlを加えてエチルアセテート(30ml×2)で抽出した後、有機層を塩水で洗浄した。有機層を無水MgSO4で乾燥した後、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:エチルアセテート=20:1)で精製して目的化合物121mg(収率64%)を収得した。
1H NMR(300 MHz, CDCl3)δ 3.93(s, 3H), 6.91(m, 2H), 7.03(br-s, 1H), 7.18(dd,1 H), 7.29(d, 1H), 7.68(d, 1H)
5-(2-エトキシ-5-クロロフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル
5-(2-ヒドロキシ-5-クロロフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル(100mg, 0.4mmol)をDMF(1.5ml)に溶解して、K2CO3(82mg, 0.59mmol)とヨードエタン(38 μl, 0.47mmol)を入れて常温で3時間反応させた。
水(20ml)を加えてエチルアセテート(20ml×2)で抽出した後、有機層を塩水で洗浄した。有機層を無水MgSO4で乾燥した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:エチルアセテート=10:1)で精製して目的化合物84mg(収率75%)を収得した。
1H NMR(300 MHz, CDCl3)δ 1.54(t, 3H), 3.93(s, 3H), 4.15(q, 2H), 6.88(d,1 H), 7.09(d, 1H), 7.24(dd, 1H), 7.25(d, 1H), 7.98(d, 1H)
5-(2-イソプロポキシ-5-クロロフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル
1H NMR(300 MHz, CDCl3)δ 1.41(s, 3H), 1.43(s, 3H), 3.92(s, 3H), 4.67(m, 1H), 6.89(d, 1H), 7.09(d, 1H), 7.22(dd, 1H), 7.25(d, 1H), 7.89(d, 1H)
〈実施例1〉[5-(2-フルオロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジンメタンスルホナートの製造
メタノール(100ml)にNa(4.6g, 0.2mol)を徐々に加えた。そこにグアニジンハイドロクロライド(19.1g, 0.2mol)を加えて常温で1時間撹拌させた。析出した白色固体をろ過して除去し、2Mのフリーグアニジン(free guanidine base)メタノール溶液を製造した。
5-(2-フルオロフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル(200mg, 0.91mmol)をメタノール(4ml)に溶解した後、2Mグアニジン(2.7ml, 5.4mmol)メタノール溶液を加えて12時間加熱還流させた。反応混合物を飽和塩水(20ml)に加えてエチルアセテート(30ml×3)で抽出した。有機層を10%塩水で洗浄して無水MgSO4で乾燥した後、減圧下で濃縮した。残留物をアセトン(4ml)に溶解してメタンスルホン酸(0.2ml)を加えた後、0℃に冷却して固体で析出させた。生成された固体をろ過して目的化合物169mg(収率54%)を得た。
1H NMR(300MHz, DMSO-d6)δ 2.39(s, 3H), 7.14(d, 1H, J=3Hz), 7.55-7.39(m, 3H), 7.69(d, 1H, J=3Hz), 8.13-8.08(m, 1H), 8.41(s-br, 4H), 11.19(s-br, 1H)
〈実施例2〉[5-(3-フルオロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジンの製造
5-(3-フルオロフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル(250mg, 1.14mmol)をDMF(3ml)に溶解後、実施例1で製造した2Mグアニジン溶液(3.4ml, 6.8mmol)を加えて常温で2時間反応させた。反応混合物を飽和塩水(20ml)に加えてエチルアセテート(30ml×3)で抽出した。有機層を10%塩水で洗浄して無水MgSO4で乾燥した後、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5%メタノール/ジクロロメタン)で精製して目的化合物252mg(収率89%)を得た。
1H NMR(300MHz, CD3OD)δ 6.95(d, 1H), 7.07(m, 1H), 7.19(d, 1H), 7.43(m, 1H), 7.67(m, 2H)
〈実施例3〉[5-(4-フルオロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジンの製造
5-(4-フルオロフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル(220mg, 1.0mmol)をメタノール(4ml)に溶解後、実施例1で製造した2Mグアニジン溶液(3.0ml, 6.0mmol)を加えて12時間加熱還流させた。反応混合物を飽和塩水(20ml)に加えてエチルアセテート(30ml×3)で抽出した。有機層を10%塩水で洗浄して無水MgSO4で乾燥した後、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5%メタノール/ジクロロメタン)で精製して目的化合物127mg(収率51%)を得た。
1H NMR(300MHz, DMSO)δ 6.99(d, 1H), 7.07(d, 1H), 7.29(dd, 2H), 7.82(dd, 2H)
〈実施例4〉[5-フェニルフラン-2-イルカルボニル]グアニジンメタンスルホナートの製造
5-フェニルフラン-2-カルボン酸メチルエステル(128mg, 0.63mmol)と2Mグアニジンメタノール溶液(1.89ml, 3.78mmol)を使用して前記実施例1と同じ方法で反応させて目的化合物66mg(収率46%)を得た。
1H NMR(200MHz, D2O)δ 2.81(s, 3H), 6.97(d, 1H, J=3.7 Hz), 7.45(d, 1H, J=3.7 Hz), 7.52-7.46(m, 3H), 7.85-7.80(m, 2H)
〈実施例5〉[5-(2-クロロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジンの製造
5-(2-クロロフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル(167mg, 0.71mmol)と2Mグアニジンメタノール溶液(2.1ml, 4.2mmol)を使用して前記実施例2と同じ方法で反応させて目的化合物176mg(収率94%)を得た。
1H NMR(300MHz, CD3OD)δ 7.22(m, 2H), 7.32(dd, 1H), 7.42(dd, 1H), 7.50(d, 1H), 8.13(d, 1H)
〈実施例6〉[5-(3-クロロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジンの製造
5-(3-クロロフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル(265mg, 1.12mmol)と2Mグアニジンメタノール溶液(3.4ml, 6.8mmol)を使用して、前記実施例3と同じ方法で反応させて、目的化合物139mg(収率47%)を得た。
1H NMR(300MHz, CD3OD)δ 6.89(d, 1H), 7.15(d, 1H), 7.22-7.34(m, 2H), 7.68(d, 1H), 7.83(s, 1H)
〈実施例7〉[5-(4-クロロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジンメタンスルホナートの製造
5-(4-クロロフェニル)フラン-2-カルボン酸(208mg, 0.93mmol)をTHF(5ml)に溶解後、1,1'-カルボニルジイミダゾール(CDI)(182mg, 1.12mmol)を加えて常温で30分間反応させた。実施例1で製造した2Mグアニジン溶液(2.73ml, 5.45mmol)を加えて常温で12時間反応させた。反応混合物を飽和塩水(20ml)に加えてエチルアセテート(30ml×3)で抽出した。有機層を10%塩水で洗浄して無水MgSO4で乾燥した後、減圧下で濃縮した。残留物をアセトン(4ml)に溶解してメタンスルホン酸(0.2ml)を加えた後、0℃に冷却して固体で析出させた。生成した固体をろ過して、目的化合物234mg(収率70%)を得た。
1H NMR(300MHz, DMSO-d6)δ 6.81(d,2H), 7.08(d,1H), 7.33(d,2H), 7.75(d,2H)
〈実施例8〉[5-(2-メチルフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジンメタンスルホナートの製造
5-(2-メチルフェニル)フラン-2-カルボン酸(200mg,1.0mmol)とCDI(193mg, 1.19mmol)、2Mグアニジンメタノール溶液(2.97ml, 5.94mmol)を使用して、前記実施例7と同じ方法で反応させて、目的化合物316mg(収率94%)を得た。
1H NMR(300MHz, DMSO-d6)δ 2.21(s, 3H), 2.50(s, 3H), 6.57(d, 1H, J=3Hz), 7.07(d, 1H, J=3Hz), 7.07(m, 3H), 7.80(m, 1H)
〈実施例9〉[5-(3-メチルフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジンの製造
5-(3-メチルフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル(215mg, 1.0mmol)と2Mグアニジンメタノール溶液(3ml, 6.0mmol)を使用して、前記実施例3と同じ方法で反応させて、目的化合物96mg(収率39%)を得た。
1H NMR(300MHz, CD3OD)δ 2.41(s, 3H), 6.86(d, 1H), 7.15(s, 1H), 7.18(d, 1H), 7.31(dd, 1H), 7.73(s, 1H)
〈実施例10〉[5-(4-メチルフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジンメタンスルホナートの製造
5-(4-メチルフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル(233mg, 1.08mmol)と2Mグアニジンメタノール溶液(3.2ml, 6.4mmol)を使用して、前記実施例1と同じ方法で反応させて、目的化合物52mg(収率14%)を得た。
1H NMR(300MHz, DMSO)δ 2.54(s, 6H), 7.41(d, 1H), 7.52(d, 2H), 7.80(d, 1H), 8.03(d, 2H), 8.53(br-s, 4H)
〈実施例11〉[5-(2-トリフルオロメチルフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジンメタンスルホナートの製造
5-(2-トリフルオロメチルフェニル)フラン-2-カルボン酸(312mg, 1.22mmol)とCDI(237mg, 1.46mmol)、2Mグアニジンメタノール溶液(3.7ml, 7.4mmol)を使用して、前記実施例7と同じ方法で反応させて、目的化合物190mg(収率62%)を得た。
1H NMR(300MHz, DMSO-d6)δ 2.36(s, 3H), 7.07(d, 1H, J=3Hz), 7.69(d, 1H, J=3Hz), 7.97-7.73(m, 4H), 8.34(s-br, 4H), 11.25(s-br, 1H)
〈実施例12〉[5-(3-トリフルオロメチルフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジンメタンスルホナートの製造
5-(3-トリフルオロメチルフェニル)フラン-2-カルボン酸(200mg, 0.78mmol)とCDI(152mg, 0.93mmol)、2Mグアニジンメタノール溶液(2.3ml, 4.6mmol)を使用して、前記実施例7と同じ方法で反応させて、目的化合物212mg(収率69%)を得た。
1H NMR(300MHz, DMSO-d6)δ 2.34(s, 3H), 7.54(d, 1H, J=3Hz), 7.67(d, 1H, J=3Hz), 7.84-7.76(m, 2H), 8.28(m, 2H), 8.34(s-br, 4H)
〈実施例13〉[5-(4-トリフルオロメチルフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジンの製造
5-(4-トリフルオロメチルフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル(252mg, 0.93mmol)と2Mグアニジンメタノール溶液(2.8ml, 5.6mmol)を使用して、前記実施例3と同じ方法で反応させて、目的化合物98mg(収率35%)を得た。
1H NMR(300MHz, DMSO)δ 7.22(s, 1H), 7.27(d, 1H), 7.82(d, 2H), 8.03(d, 2H)
〈実施例14〉[5-(2-メトキシフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジンメタンスルホナートの製造
5-(2-メトキシフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル(191mg, 0.82mmol)と2Mグアニジンメタノール溶液(2.5ml, 5.0mmol)を使用して、前記実施例3と同じ方法で反応させて、目的化合物104mg(収率49%)を得た。
1H NMR(300MHz, CD3OD)δ 3.97(s, 3H), 7.03-7.11(m, 3H), 7.23(d, 1H), 7.33(m, 1H), 8.10(dd, 1H)
〈実施例15〉[5-(3-メトキシフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジンメタンスルホナートの製造
5-(3-メトキシフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル(200mg, 0.86mmol)と2Mグアニジンメタノール溶液(2.6ml, 5.2mmol)を使用して、前記実施例1と同じ方法で反応させて、目的化合物12mg(収率4%)を得た。
1H NMR(300MHz, DMSO-d6)δ 2.34(s, 3H), 3.85(s, 3H), 7.07(d, 1H, J=9Hz), 7.36(d, 1H, J=3Hz), 7.56-7.43(m, 3H), 7.66(d, 1H, J=3Hz), 8.36(s-br, 4H), 11.07(s-br, 1H)
〈実施例16〉[5-(4-メトキシフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジンメタンスルホナートの製造
5-(4-メトキシフェニル)フラン-2-カルボン酸(97mg, 0.44mmol)とCDI(86mg, 0.53mmol)、2Mグアニジンメタノール溶液(1.3ml, 2.6mmol)を使用して、前記実施例7と同じ方法で反応させて、目的化合物111mg(収率71%)を得た。
1H NMR(300MHz, DMSO-d6)δ 2.20(s, 3H), 3.68(s, 3H), 6.96(d, 2H, J=9Hz), 7.02(d, 1H, J=3Hz), 7.54(d, 1H, J=3Hz), 7.77(d, 2H, J=9Hz), 8.19(s-br, 4H), 11.51(s-br, 1H)
〈実施例17〉[5-(2-ニトロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジンメタンスルホナートの製造
5-(2-ニトロフェニル)フラン-2-カルボン酸(200mg, 0.86mmol)とCDI(167mg, 1.03mmol)、2Mグアニジンメタノール溶液(2.6ml, 5.2mmol)を使用して、前記実施例7と同じ方法で反応させて、目的化合物146mg(収率62%)を得た。
1H NMR(300MHz, DMSO-d6)δ 2.38(s, 3H), 7.13(d, 1H, J=3Hz), 7.70(d, 1H, J=3Hz), 7.79(t, 1H, J=9Hz, 6Hz), 7.96(t, 1H, J=9Hz, 6Hz), 7.99(d, 1H, J=9Hz), 8.09(d, 1H, J=9Hz), 8.36(s-br, 4H), 11.84(s-br, 1H),
〈実施例18〉[5-(3-ニトロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジンの製造
5-(3-ニトロフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル(100mg, 0.4mmol)と2Mグアニジンメタノール溶液(1.2ml, 2.4mmol)を使用して、前記実施例3と同じ方法で反応させて、目的化合物49mg(収率45%)を得た。
1H NMR(300MHz, DMSO-d6)δ 7.38(d, 1H, J=3.3Hz), 7.45(d, 1H, J=3.6Hz), 7.79(t, 1H), 8.24(t, 2H), 8.55(s, 1H)
〈実施例19〉[5-(4-ニトロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジンの製造
5-(4-ニトロフェニル)フラン-2-カルボン酸(300mg, 1.29mmol)とCDI(250mg, 1.54mmol)、2Mグアニジンメタノール溶液(3.9ml, 7.8mmol)を使用して、前記実施例7と同じ方法で反応させて、目的化合物205mg(収率58%)を得た。
1H NMR(300MHz, DMSO)δ 7.02(br-s, 2H), 7.08(d, 1H), 7.65(br-s, 1H), 8.00(d, 2H), 8.31(d, 2H)
〈実施例20〉[5-(2-アミノフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジンの製造
5-(2-アミノフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル(223mg, 1.03mmol)と2Mグアニジンメタノール溶液(3.1ml, 6.2mmol)を使用して、前記実施例2と同じ方法で反応させて、目的化合物235mg(収率94%)を得た。
1H NMR(300MHz, CD3OD)δ 6.70-6.75(m, 2H), 6.83(dd, 1H), 7.09(m, 1H), 7.21(d, 1H), 7.56(dd, 1H)
〈実施例21〉[5-(3-アミノフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジンの製造
5-(3-アミノフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル(83mg, 0.38mmol)と2Mグアニジンメタノール溶液(1.15ml, 2.3mmol)を使用して、前記実施例2と同じ方法で反応させて、目的化合物75mg(収率81%)を得た。
1H NMR(300MHz, CD3OD)δ 6.69(m, 1H), 6.78(d, 1H), 7.11-7.22(m, 4H)
〈実施例22〉[5-(4-アミノフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジンの製造
5-(4-アミノフェニル)フラン-2-カルボキシル酸メチルエステル(159mg, 0.73mmol)と2Mグアニジンメタノール溶液(2.2ml, 4.4mmol)を使用して、前記実施例2と同じ方法で反応させて、目的化合物150mg(収率84%)を得た。
1H NMR(300MHz, CD3OD)δ 6.59(d, 1H), 6.73(dd, 2H), 7.15(d, 1H), 7.60(dd, 2H)
〈実施例23〉[5-(2-エチルフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジンの製造
5-(2-エチルフェニル)フラン-2-カルボキシル酸メチルエステル(188mg, 0.82mmol)と2Mグアニジンメタノール溶液(2.5ml, 5.0mmol)を使用して、前記実施例3と同じ方法で反応させて、目的化合物68mg(収率32%)を得た。
1H NMR(300MHz, CD3OD)δ 1.22(t, 3H), 2.90(q, 2H), 6.68(d, 1H), 7.23(d, 1H), 7.29(m, 3H), 7.73(d, 1H)
〈実施例24〉[5-(2-エトキシフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジンの製造
5-(2-エトキシフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル(207mg, 0.84mmol)と2Mグアニジンメタノール溶液(2.5ml, 5.0mmol)を使用して、前記実施例3と同じ方法で反応させて、目的化合物93mg(収率40%)を得た。
1H NMR(300MHz, CD3OD)δ 1.53(t, 3H), 4.20(q, 2H), 7.01-7.09(m, 3H), 7.21(d, 1H), 7.29(dd, 1H), 8.11(dd, 1H)
〈実施例25〉[5-(2-イソプロポキシフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジンの製造
5-(2-イソプロポキシフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル(215mg, 0.83mmol)と2Mグアニジンメタノール溶液(2.5ml, 5.0mmol)を使用して、前記実施例2と同じ方法で反応させて、目的化合物231mg(収率95%)を得た。
1H NMR(300MHz, CD3OD)δ 1.42(d, 6H), 4.79(m, 1H), 7.04(dd, 1H), 7.08(m, 2H), 7.20(d, 1H), 7.28(dd, 1H), 8.11(dd, 1H)
〈実施例26〉[5-(2-フェノキシフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジンの製造
5-(2-フェノキシフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル(256mg, 0.87mmol)と2Mグアニジンメタノール溶液(2.6ml, 5.2mmol)を使用して、前記実施例2と同じ方法で反応させて、目的化合物251mg(収率88%)を得た。
1H NMR(300MHz, CD3OD)δ 6.94-7.02(m, 4H), 7.13(m, 2H), 7.26-7.38(m, 4H), 8.22(dd, 1H)
〈実施例27〉[5-(2,6-ジフルオロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジンの製造
5-(2,6-ジフルオロフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル(40mg, 0.17mmol)と2Mグアニジンメタノール溶液(0.5ml, 1.0mmol)を使用して、前記実施例2と同じ方法で反応させて、目的化合物35mg(収率79%)を得た。
1H NMR(300MHz, CD3OD)δ 6.86(d, 1H), 7.09(m, 2H), 7.21(d, 1H), 7.39(m, 1H)
〈実施例28〉[5-(3,5-ジフルオロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジンの製造
5-(3,5-ジフルオロフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル(245mg, 1.03mmol)と2Mグアニジンメタノール溶液(3.1ml, 6.2mmol)を使用して、前記実施例2と同じ方法で反応させて、目的化合物243mg(収率89%)を得た。
1H NMR(300MHz, DMSO)δ 7.04(d, 1H), 7.21(m, 2H), 7.49(d, 2H)
〈実施例29〉[5-(2,4-ジフルオロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジンメタンスルホナートの製造
5-(2,4-ジフルオロフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル(300mg, 1.26mmol)と2Mグアニジンメタノール溶液(3.8ml, 7.6mmol)を使用して、前記実施例1と同じ方法で反応させて、目的化合物369mg(収率81%)を得た。
1H NMR(300MHz, DMSO-d6)δ 2.37(s, 3H), 7.18(t, 1H), 7.34(ddd, 1H), 7.51(ddd, 1H), 7.67(d, 1H), 8.37(br-s, 4H), 11.17(br-s, 1H)
〈実施例30〉[5-(2,5-ジフルオロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジンの製造
5-(2,5-ジフルオロフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル(200mg, 0.84mmol)と2Mグアニジンメタノール溶液(2.5ml, 5.0mmol)を使用して、前記実施例2と同じ方法で反応させて、目的化合物190mg(収率85%)を得た。
1H NMR(300MHz, CD3OD)δ 6.96(dd, 1H), 7.07(m, 1H), 7.20(m, 2H), 7.88(m, 1H)
〈実施例31〉[5-(2,3-ジフルオロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジンの製造
5-(2,3-ジフルオロフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル(100mg, 0.42mmol)と2Mグアニジンメタノール溶液(1.3ml, 2.6mmol)を使用して、前記実施例2と同じ方法で反応させて、目的化合物104mg(収率93%)を得た。
1H NMR(300MHz, CD3OD)δ 6.96(dd, 1H), 7.24(m, 3H), 7.89(m, 1H)
〈実施例32〉[5-(2-クロロ-6-フルオロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジンの製造
5-(2-クロロ-6-フルオロフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル(48mg, 0.19mmol)と2Mグアニジンメタノール溶液(0.6ml, 1.2mmol)を使用して、前記実施例2と同じ方法で反応させて、目的化合物41mg(収率77%)を得た。
1H NMR(300MHz, CD3OD)δ 6.75(d, 1H), 7.20(m, 2H), 7.42(m, 2H)
〈実施例33〉[5-(2-フルオロ-5-メチルフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジンの製造
5-(2-フルオロ-5-メチルフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル(166mg, 0.71mmol)と2Mグアニジンメタノール溶液(2.1ml, 4.2mmol)を使用して、前記実施例2と同じ方法で反応させて、目的化合物161mg(収率87%)を得た。
1H NMR(300MHz, CD3OD)δ 2.38(s, 3H), 6.87(t, 1H), 7.02-7.14(m, 2H), 7.19(d, 1H), 7.94(dd, 1H)
〈実施例34〉[5-(2-メチル-5-フルオロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジンの製造
5-(2-メチル-5-フルオロフェニル)フラン-2-カルボキシル酸メチルエステル(296mg, 1.26mmol)と2Mグアニジンメタノール溶液(3.8ml, 7.6mmol)を使用して、前記実施例2と同じ方法で反応させて、目的化合物299mg(収率91%)を得た。
1H NMR(300MHz, CD3OD)δ 2.48(s, 3H), 6.79(d, 1H), 6.98(m, 1H), 7.20(d, 1H), 7.27(m, 1H), 7.68(dd, 1H)
〈実施例35〉[5-(2-メトキシ-5-フルオロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジンの製造
5-(2-メトキシ-5-フルオロフェニル)フラン-2-カルボキシル酸メチルエステル(196mg, 0.78mmol)と2Mグアニジンメタノール溶液(2.4ml, 4.8mmol)を使用して、前記実施例2と同じ方法で反応させて、目的化合物187mg(収率87%)を得た。
1H NMR(300MHz, CD3OD)δ 3.94(s, 3H), 7.04(m, 2H), 7.08(d, 1H), 7.17(d, 1H), 7.87(dd, 1H)
〈実施例36〉[5-(3,5-ジクロロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジンの製造
5-(3,5-ジクロロフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル(240mg, 0.89mmol)と2Mグアニジンメタノール溶液(2.7ml, 5.4mmol)を使用して、前記実施例2と同じ方法で反応させて、目的化合物200mg(収率75%)を得た。
1H NMR(300MHz, DMSO)δ 7.05(d, 1H), 7.23(d, 1H), 7.52(d, 1H), 7.80(d, 2H)
〈実施例37〉[5-(2,3-ジクロロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジンの製造
5-(2,3-ジクロロフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル(131mg, 0.48mmol)と2Mグアニジンメタノール溶液(1.5ml, 3.0mmol)を使用して、前記実施例2と同じ方法で反応させて、目的化合物120mg(収率84%)を得た。
1H NMR(300MHz, DMSO)δ 7.21(d, 1H), 7.34(d, 1H), 7.59(dd, 1H), 7.75(dd, 1H), 7.98(dd, 1H)
〈実施例38〉[5-(2,5-ジクロロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジンの製造
5-(2,5-ジクロロフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル(135mg, 0.5mmol)と2Mグアニジンメタノール溶液(1.5ml, 3.0mmol)を使用して、前記実施例2と同じ方法で反応させて、目的化合物125mg(収率84%)を得た。
1H NMR(300MHz, DMSO)δ 7.09(d, 1H), 7.27(d, 1H), 7.43(dd, 1H), 7.60(d, 1H), 7.94(d, 1H)
〈実施例39〉[5-(2-メトキシ-5-クロロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジンの製造
5-(2-メトキシ-5-クロロフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル(182mg, 0.68mmol)と2Mグアニジンメタノール溶液(2.1ml, 4.2mmol)を使用して、前記実施例2と同じ方法で反応させて、目的化合物184mg(収率92%)を得た。
1H NMR(300MHz, CD3OD)δ 3.95(s, 3H), 7.06(m, 2H), 7.16(d, 1H), 7.27(dd, 1H), 8.13(d, 1H)
〈実施例40〉[5-(2-クロロ-5-トリフルオロメチルフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジンメタンスルホナートの製造
5-(2-クロロ-5-トリフルオロメチルフェニル)フラン-2-カルボン酸(242mg, 0.83mmol)とCDI(148mg, 0.91mmol)、2Mグアニジンメタノール溶液(2.5ml, 5.0mmol)を使用して、前記実施例7と同じ方法で反応させて、目的化合物320mg(収率90%)を得た。
1H NMR(200MHz, D2O)δ 2.74(s, 3H), 7.50(d, 1H, J=3.7 Hz), 7.64(d, 1H, J=3.9 Hz), 7.72(d, 1H), 7.74-7.72(m, 2H), 8.38(s, 1H)
〈実施例41〉[5-(2,6-ジメチルフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジンの製造
5-(2,6-ジメチルフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル(185mg, 0.8mmol)と2Mグアニジンメタノール溶液(2.4ml, 4.8mmol)を使用して、前記実施例2と同じ方法で反応させて、目的化合物181mg(収率88%)を得た。
1H NMR(300MHz, CD3OD)δ 2.34(s, 3H), 2.37(s, 3H), 6.60(d, 1H), 7.14(m, 2H), 7.19(d, 1H), 7.52(dd, 1H)
〈実施例42〉[5-(3,5-ジメチルフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジンの製造
5-(3,5-ジメチルフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル(190mg, 0.83mmol)と2Mグアニジンメタノール溶液(2.5ml, 5.0mmol)を使用して、前記実施例2と同じ方法で反応させて、目的化合物197mg(収率92%)を得た。
1H NMR(300MHz, CD3OD)δ 2.32(s, 6H), 6.80(d, 1H), 6.96(s, 1H), 7.14(d, 1H), 7.47(s, 2H)
〈実施例43〉[5-(2,5-ジメチルフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジンの製造
5-(2,5-ジメチルフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル(220mg, 0.95mmol)と2Mグアニジンメタノール溶液(2.9ml, 5.8mmol)を使用して、前記実施例2と同じ方法で反応させて、目的化合物230mg(収率94%)を得た。
1H NMR(300MHz, CD3OD)δ 2.35(s, 3H), 2.46(s, 3H), 6.68(d, 1H), 7.07(d, 1H), 7.15(d, 1H), 7.19(d, 1H), 7.71(s, 1H)
〈実施例44〉[5-(2,3-ジメチルフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジンの製造
5-(2,3-ジメチルフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル (191mg, 0.83mmol)と2Mグアニジンメタノール溶液(2.5ml, 5.0mmol)を使用して、前記実施例2と同じ方法で反応させて、目的化合物195mg(収率92%)を得た。
1H NMR(300MHz, CD3OD)δ 2.34(s, 3H), 2.38(s, 3H), 6.60(d, 1H), 7.11-7.20(m, 3H), 7.52(dd, 1H)
〈実施例45〉[5-(2,6-ジメトキシフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジンの製造
5-(2,6-ジメトキシフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル(90mg, 0.34mmol)と2Mグアニジンメタノール溶液(1.0ml, 2.0mmol)を使用して、前記実施例2と同じ方法で反応させて、目的化合物51mg(収率53%)を得た。
1H NMR(300MHz, CD3OD)δ 3.77(s, 6H), 6.49(d, 1H), 6.69(d, 2H), 7.19(d, 1H), 7.35(d, 1H)
〈実施例46〉[5-(2,3-ジメトキシフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジンの製造
5-(2,3-ジメトキシフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル(346mg, 1.32mmol)と2Mグアニジンメタノール溶液(4.0ml, 8.0mmol)を使用して、前記実施例2と同じ方法で反応させて、目的化合物317mg(収率83%)を得た。
1H NMR(300MHz, CD3OD)δ 3.84(s, 3H), 3.88(s, 3H), 7.00(dd, 1H), 7.05(d, 1H), 7.13(dd, 1H), 7.19(d, 1H), 7.66(dd, 1H)
〈実施例47〉[5-(2,5-ジメトキシフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジンの製造
5-(2,5-ジメトキシフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル(172mg, 0.65mmol)と2Mグアニジンメタノール溶液(2.0ml, 4.0mmol)を使用して、前記実施例2と同じ方法で反応させて、目的化合物143mg(収率76%)を得た。
1H NMR(300MHz, CD3OD)δ 3.84(s, 3H), 3.89(s, 3H), 6.87(dd, 1H), 7.00(d, 1H), 7.04(d, 1H), 7.18(d, 1H), 7.71(d, 1H)
〈実施例48〉[5-(2-メトキシ-5-ブロモフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジンの製造
5-(2-メトキシ-5-ブロモフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル(143mg, 0.46mmol)と2Mグアニジンメタノール溶液(1.4ml, 2.8mmol)を使用して、前記実施例2と同じ方法で反応させて、目的化合物138mg(収率89%)を得た。
1H NMR(300MHz, CD3OD)δ 3.96(s, 3H), 7.04(m, 2H), 7.16(m, 2H), 7.41(d, 1H), 8.27(s, 1H)
〈実施例49〉[5-(2-ヒドロキシ-5-クロロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジンメタンスルホナートの製造
5-(2-ヒドロキシ-5-クロロフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル(167mg, 0.66mmol)と2Mグアニジンメタノール溶液(2ml, 4.0mmol)を使用して、前記実施例1と同じ方法で反応させて、目的化合物73mg(収率30%)を得た。
1H NMR(300MHz, CD3OD)δ 2.68(s, 3H), 6.91(d, 1H), 7.20(dd, 1H), 7.27(d, 1H), 7.55(d, 1H), 7.99(d, 1H)
〈実施例50〉[5-(2-エトキシ-5-クロロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジンの製造
5-(2-エトキシ-5-クロロフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル(72mg, 0.26mmol)と2Mグアニジンメタノール溶液(0.77ml, 1.54mmol)を使用して、前記実施例2と同じ方法で反応させて、目的化合物74mg(収率93%)を得た。
1H NMR(300MHz, CD3OD)δ 1.54(t, 3H), 4.20(q, 2H), 7.06(d, 1H), 7.12(d, 1H), 7.19(d, 1H), 7.27(dd, 1H), 8.15(d, 1H)
〈実施例51〉[5-(2-イソプロポキシ-5-クロロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジンの製造
5-(2-イソプロポキシ-5-クロロフェニル)フラン-2-カルボン酸メチルエステル(123mg, 0.42mmol)と2Mグアニジンメタノール溶液(1.26ml, 2.52mmol)を使用して、前記実施例2と同じ方法で反応させて、目的化合物122mg(収率91%)を得た。
1H NMR(300MHz, CD3OD)δ 1.42(s, 3H), 1.44(s, 3H), 4.78(m, 1H), 7.07(d, 1H), 7.12(d, 1H), 7.19(d, 1H), 7.26(dd, 1H), 8.15(d, 1H)
本発明による化学式1の化合物に対して、下記の実験を実施して、様々な薬理作用を調査した。
〈実験例1〉NHE-1抑制効果
試験物質のNHE-1抑制効果を細胞段階で測定するために、下記の実験を実施した。
CCL39に由来したPS120細胞にヒトのNHE-1を発現させて使用した。10%牛胎児血清と1%ペニシリン/ストレプトマイシン(100X solution)、1% L-グルタミン(200mM水溶液)を補充したDMEM(Dulbecco's modified Eagle's medium)培地で細胞を培養した。直径100mm皿で約80〜90%育てたPS120/NHE-1細胞をトリプシンで処理した後、PBS(phosphate buffer saline)で1回、Na-freeバッファー(138.2mM Choline chloride, 4.9mM KCl, 1.5mM CaCl2・2H2O, 1.2mM MgSO4・7H2O, 1.2mM KH2PO4, 15mM D-glucose, 20mM HEPES, at pH7.4)で1回洗浄した。それを遠心分離して、沈澱物を20mM NH4Cl及び10μM BCECF-AM(2',7'-bis(2-carboxyethyl)-5,6-carboxy-fluorescein acetoxymethyl ester)を含有したNa-free バッファーに浮遊させた後、37℃ CO2培養器で30分間培養した。NH4Clを除去して同時に細胞外に残っているBCECF-AMを洗浄するために、PS120/NHE-1細胞を遠心分離した後、Na-free バッファーで1回洗浄し、細胞数が2.5×104cells/10μlになるように浮遊液を製作して4℃の暗室に保管した。96-ウェルプレートに180μl HBS バッファー(137mM NaCl, 4.9mM KCl, 1.5mM CaCl2・2H2O, 1.2mM MgSO4・7H2O, 1.2mM KH2PO4, 15mM D-glucose, 20mM HEPES, at pH7.4)とDMSOまたはDMSOに溶解した化合物(0.03 - 10uM)10μlずつを分注して、よく混ぜた後、最後に細胞内酸性化が誘発されたPS120/NHE-1細胞を10μlずつ添加して、撹拌した。細胞を添加して4分後に96-ウェルプレート用蛍光分光光度計(XEMINI-XS; Molecular Device)を使用して、蛍光(Excitation 485/444 nm, Emission 535nm)を測定した。測定した蛍光値は、high-K+/nigericin techniqueを使用して、pHに換算した。NH4Clプレパルス(prepulse)で細胞内酸性化を誘発させた細胞は、NHE-1の作動により細胞内酸性化が再び正常に回復するようになる。ここで、細胞内酸性化の回復を50%抑制する化合物の濃度を求めて(IC50値)NHE-1に対する抑制効果を測定した。対照物質には、カリポリドを使用して、実験した。実験結果は、下記の表1に示した。
Figure 2007517022
前記表1に見られるように対照物質のカリポリドは、1.0μMのIC50を示し、NHE-1に対する優秀な抑制効果を示した。実施例2、4、5、6、8、9、11、14、23、24、25、26、28、30、33、34、35、36、37、38、39、41、42、43、44、47、48、49、50及び51の化合物は、5μM以下のIC50を示し、カリポリドと類似か優秀なNHE-1抑制効果を示した。特に、実施例5、6、8、14、23、24、26、28、30、33、34、35、36、38、39、43、48、49、50及び51の化合物は、1μM以下のIC50を示しNHE-1抑制効果がカリポリドと類似か有意性を持って優秀であり、実施例38、39、48、49、50及び51の化合物は、0.1μM以下のIC50でカリポリドより10倍以上優秀なNHE抑制効果を示した。
本発明の化合物は、NHE-1に対して、強力な抑制効果を示したので、NHE-1抑制を通じて、虚血/再潅流損傷に対する保護剤として使用できるものである。
〈実験例2〉NHE-3抑制効果
試験物質のNHE-1に対する選択性を測定するために、下記に示すNHE-3に対する抑制効果実験を実施した。
NHE-3を発現するPS-120細胞株を製作して、前記実験例1と同じ方法でNHE-3に対する化合物の抑制効果を測定した。
Figure 2007517022
本発明の化合物は、NHE-1に対して、強力な抑制効果を示したが、NHE-3に対しては30μMの高濃度でも弱い抑制効果を示した。特に、実施例2、4、6の化合物は、NHE-1に対して各々1.9、4.4、0.6μMのIC50で優秀な抑制効果を示したが、NHE-3に対しては30μMの高濃度でもまったく抑制効果を示さなかった。したがって、本発明の化合物は、NHE-3に対するNHE-1の選択性が非常に高いものであることが分かる。
〈実験例3〉ラットの摘出虚血心臓に対する心臓保護効果
本発明による化学式1の化合物が摘出心臓で虚血心臓の機能回復を増進させて心臓保護作用を示すかどうか調べるために、ラットに対して、下記の摘出心臓実験を実施した。
オスのラット(300〜450g、韓国化学研究所実験動物室)にペントバルビタールナトリウム塩(Sodium pentobarbital)を100mg/kgを腹腔内注射して麻酔した後、ヘパリン1000U/kgを静脈投与して心臓を摘出した。詳細には、気管にカニューレ(cannula, PE 240)を挿入し齧歯類呼吸器(rodent ventilator)を使用して人工呼吸させた。その状態で大動脈カニューレ(cannula)を大動脈に挿入して逆行性潅流下に心臓を摘出してランゲンドルフ器機(Langendorff Apparatus)に素早くぶら下げて心臓に付着している不必要な組織を除去した後、定圧潅流(85mmHg)下で95%O2/5%CO2で飽和された37℃の生理液(modified Krebs-Henseleit bicarbonate buffer(組成〈mM/L〉: 116NaCl, 4.7KCl, 1.1MgSO4, 1.17KH2PO4, 24.9NaHCO3, 2.52CaCl2, 8.32Glucose, 2.0Pyruvate)で潅流させた。エタノールと蒸留水混合液(1:1vol/vol)で満たしたゴム風船(latex balloon)が連結された金属カニューレを肺静脈を通じて左心室に挿入させて風船に伝達される左心室圧を圧力変圧器(pressure transducer)を通じて変換し、等量的に(isovolumetric)拡大機(Plugsys bridge amplifier)で処理して、記録計(Linearcorder mark 8 WR 3500)に記録した。心臓を15分間安定化させた後、左心室弛緩期末圧(LVEDP, left ventricular enddiastolic pressure)を5mmHgで与えてこの風船の体積を全実験期間中維持させた。
基調(Baseline)心臓収縮機能と心拍数(HR, heart rate)及び冠状血流(CF, coronary flow)を測定した。心臓収縮機能を評価する指標である左心室発生圧(LVDP, left ventricular developed pressure)は、左心室最大収縮気圧(LVSP, left ventricular peak systolic pressure)と左心室弛緩期末圧(LVEDP, left ventricular end diastolic ptrssure)の差で算出した。生体内心臓と異り心臓拍出量(cardiac output)を測定できないランゲンドルフ心臓(Langendorff heart)で間接的に心臓の機能(cardiacperformance)を調べる重要な指標である心拍数と圧力の積(Double product RPP(rate-pressure product))は、心拍数(HR)に左心室発生圧(LVDP)をかけて、計算した。実験の間、全冠血流量を、電磁流量計付きの大動脈カニューレを備えた冠血流プローブ(直径:1.0mm)を使用して測定した。心臓の温度は、実験全期間にわたって心臓を95%O2/5%CO2が持続的に供給される37℃の生理液に浸けることにより一定に維持した。15分安定化後、心臓は溶媒(0.04% dimethylsulfoxide, DMSO)または一定濃度の本発明による化合物または対照薬物を含有する溶液で各々10分間潅流させた後、心臓収縮機能LVDPと心拍数(HR, heart rate)及び冠状血流(CF, coronary flow)を再度測定した後、潅流液供給を完全に遮断して、30分間全虚血(global ischemia)を誘発した。以後、30分間潅流液を再潅流した後に各指標(LVDP, HR, LVEDP, CF)を再度測定した。陰性対照群には、溶媒だけを投与し、対照物質にはカリポリドを使用した。
Figure 2007517022
前記表3に見られるように、ラットの摘出心臓を使用した摘出虚血心臓実験で、陰性対照群には心臓の収縮機能をよく反映する左心室発生圧(LVDP)と心拍数の積(Double Product parameter, LVDP×HR)から、再潅流後に薬物投与前より心臓の収縮機能が15.5%に顕著に低下したことが分かり、虚血/再潅流による心筋の攣縮(contracture)を示し、心臓保護作用のまた他の指標である再潅流左心室弛緩期末圧も5mmHgから55.3 mmHgに有意性をもって増加した。
カリポリド10μM投与群は、再潅流後の心筋収縮機能(LVDP×HR)が虚血誘発前の73.5%に、陰性対照群と比べて顕著に増加し、左心室弛緩期末圧(LVEDP)は22.4 mmHgに、陰性対照群より有意性を持って低く、1μM、3μM投与群でも陰性対照群に比べて有意性を持って虚血心臓の保護効果を示し、濃度依存性があった。
本発明の化合物は、優秀な摘出虚血心臓保護作用を示すが、実施例2、4、6、8、9及び49の化合物は、カリポリドと比較して、虚血/再潅流後の心臓機能回復をさらに増加させた。特に、実施例2、4、6、8及び49の化合物は、濃度依存性を示し、心臓収縮力、LVEDP指標すべてにおいてカリポリドより優秀だった。実施例5、11、14、23、24、25、28、30、39及び42の化合物は、心臓収縮力を虚血誘発前の40%以上に、陰性対照群(15.5%)比べて、有意性を持って回復させ、LVEDP指標でも有意性ある保護効果を示した。このように本発明の化合物は、虚血/再潅流損傷による心臓機能の回復を増進させることにより虚血性心臓に対する保護作用が優秀であるので、虚血性心血管疾患に関連した疾患の予防及び治療剤として使用できる。
〈実験例4〉ラットのインビボ虚血心臓モデルに対する心臓保護作用
本発明による化学式1の化合物が、インビボ虚血心臓を保護する作用を示すかどうか調べるために、ラットに対する抗虚血効果(Antiischemic effects)を下記の実験を通じて調査した。
オスのラット(350〜450g、韓国化学研究所実験動物室)にペントバルビタール(pentobarbital)を75mg/kgで腹腔に注射して、ラットを麻酔した。気管切開術(tracheotomy)を実施後、一回心拍出量(stroke volume) 10ml/kg、分当たり心拍数60で人工呼吸を実施した。大腿静脈と大腿動脈にカニューレを挿入して、各々薬物投与及び血圧測定に使用した。一方、虚血性心筋損傷モデルにおいて体温は、結果に重要な影響を与えるので、直腸に挿入した体温測定用プローブ(probe)と恒温被覆調節ユニット(Homeothermic blanket control unit)を使用して、ラットの体温を37℃に一定に維持させた。以後、実験期間中ラットの平均動脈圧(mean arterial blood pressure)と心拍数(HR)を継続して測定した。ここで、血圧測定にはスタータムP23XL 圧力変換機(Statham P23XL pressure transducer, Grass Ins., MA, 米国)を使用し、心拍数測定には心電図/心拍数カプラー(ECG/RATE Coupler, Hugo Sachs Electronic, ドイツ)を使用した。また、グラフテックライナーコーダーチャートレコーダー(Graphtec Linearcorder WR 3310, Hugo Sachs Electronic)を使用して、すべての変化を連続的に記録した。
左冠状動脈は、セリー(Selye H.)の方法により下記のように結紮させた。即ち、左開胸術(left thoracotomy)によりラットの胸の一部を開いて左前足の長指で麻酔したラットの右側胸部に圧力を加えて、心臓を外部に押し出し左前足の親指と人さし指で心臓を軽く固定させた。以後、手術糸(5-0 silk ligature)が付着した縫合用(suture)針で注意深く左心室下行性冠状動脈(left anterior desending coronary artery, LAD)を含む部分を縫った後、素早く心臓を胸廓腔(thoracic cavity)に再位置させて手術糸両端を外部に位置させた。手術糸の両端は、PEチューブ(PE100, 2.5cm)に通過させた後、20分間そのまま置いて安定化させた。その後、大腿静脈に挿入したカニューレを通じて溶媒(vehicle)または薬物を投与した。薬物の効果が充分に現れるように30分間そのままにした。ここで、対照群の薬物にはカリポリドを使用した。
以後、糸にはめておいたPEチューブを心臓に押し入れてチューブの端部分の糸を止血(hemostatic)ピンセットで引っ張ってPEチューブを冠状動脈に垂直に密着させて圧力を加えた。45分間そのままにして冠状動脈を結紮(occlusion)させた後、止血ピンセットを除去して90分間再潅流させた。
前記方法により、冠状動脈を再結紮(reocclusion)させて、1%エバンスブルー溶液(Evans blue)2mlを静脈投与した。以後、ペントバルビタールを過量静脈投与して、ラットを屠殺して心臓を取り出して右心室と両側の心房を除去した。左心室は、心尖から5〜6枚の切片(slice)に水平に切断して、切片各々の重さを測定した。心臓切片各々の表面は、コンパクトマイクロ映像測定装置(compact micro vision system)であるハイスコープ(Hi-scope)と画像分析用コンピュータプログラム(Image pro plus)を使用してコンピュータに入力して、それから各切片でブルー色に着色した正常血流組織の面積と着色しない領域の面積を測定した。各切片の総面積に対して、着色されない領域の面積比を求めてそれに各切片の重さをかけて、各切片の危険領域のAAR(area at risk)を計算した。このように求めた各切片に対するAARをすべて合計し、それを全体左心室の重さで割って、下記数式1によりAAR(%)を求めた。
数式1
AAR(%)=(各切片に対するAARの合計)/(全体左心室の重さ)×100
また、心臓切片を1% 2,3,5-トリフェニルテトラゾリウムクロライドリン酸緩衝溶液(2,3,5-triphenyltetrazolium chloride(TTC)phosphate buffer, 37℃, pH7.4)で15分間培養して10%ホルマリン(formalin)溶液で20〜24時間固定させた。このようにして心筋の脱水素酵素(dehydrogenase)と補助因子(cofactor)のNADHにより2,3,5-トリフェニルテトラゾリウムクロライドが還元されホルマザン染料(formazan dye)になるので、組織の正常部位は赤いレンガ色(brick-red color)を帯びるようになる。一方、組織の梗塞部位には脱水素酵素と補助因子がないので2,3,5-トリフェニルテトラゾリウムクロライドが還元されず赤いレンガ色を帯びない。
前記のように2,3,5-トリフェニルテトラゾリウムクロライドにより組織部位が着色されたかどうかによって各切片の正常領域及び梗塞領域(Infarct zone)を前記AAR測定時と同一な方法で求めた。このようにして求めた各切片に対する梗塞領域をすべて合計してそれを全体 AAR重さまたは全体左心室重さで割って、下記数式2によりIS(%)を求めた。この実験モデルにおいては、IS(%)が低いほど梗塞部位が小さいので試験物質の抗虚血効果が強いものと判定した。結果は、下記の表4に示した。
数式2
IS(%)=(各切片に対する梗塞領域の合計)/(全体左心室または全体AARの重さ)×100
Figure 2007517022
前記表4に見られるように、ラットを使用したインビボ虚血心筋損傷モデルでも本発明の化合物は、危険領域に対する心筋梗塞率が有意的に減少した数値を示した。詳細には、溶媒投与群は危険領域(AAR)に対する心筋梗塞率(IS/AAR, %)が58.6%で、虚血による心筋損傷が非常に酷いことが分かり、対照物質のカリポリドを投与した場合には、心筋梗塞率は0.1、0.3、1.0及び3.0mg/Kg投与により各々40.5、37.9、35.4、27.4%で濃度依存的に有意性ある抗虚血作用を示すことが分かった。実施例2、5、14、23、28、30、34、35、36、38及び39の化合物は、1.0mg/Kg投与によって40%以下の心筋梗塞率を示したのでカリポリド(35.4%)と類似かまたは優秀な心臓保護効果を示した。実施例42の化合物は、0.1mg/kgの投与で28.4%の梗塞率を示し、非常に優秀な虚血心臓保護効果を示し、実施例49の化合物は0.1、0.3mg/kg投与群で有意性ある虚血心臓保護効果があった。実施例6、9、24、25の化合物も、1.0mg/kg投与で各々40.4、40.3、41.2、43.0%の心筋梗塞率を示し、陰性対照群より有意性ある減少を示し、実験例3の摘出虚血心臓モデルでカリポリドより優秀な心臓機能改善効果を示した実施例6の化合物は、インビボモデルではカリポリドより心筋梗塞率減少効果が弱かったが濃度依存性があった。実施例2の化合物は、実験例3の摘出虚血心臓モデルで濃度依存的にカリポリドより少し優秀な心臓機能改善効果を示し、インビボ虚血モデルでも、前記表4に見られるように0.1mg/Kgではカリポリドと類似し、0.3、1.0、3.0mg/Kg投与群ではカリポリドより優秀な心筋梗塞率減少効果を示した。NHE-1に対する抑制効果がカリポリド(IC50; 1.0μM)より10倍以上強力だった実施例38(IC50; 0.09μM)と39(IC50; 0.06μM)の化合物は、1.0mg/Kg投与群で27.5及び27.2%の心筋梗塞率を示し、35.4%のカリポリドより有意的に優秀な効果を示し、特に、実施例39の化合物は0.1及び0.3mg/Kgの投与によっても各々35.4及び32.9%の心筋梗塞率で、虚血による心筋梗塞の大きさを有意的に減少させ、カリポリドより優秀だった。実施例2、34、35、39、42及び49の化合物は、0.1mg/kgの低用量でも陰性対照群に比べて、有意的な効果を示した。このように、本発明の化合物は、インビボ虚血心臓モデルで心筋梗塞率を減少させることにより虚血心臓に対する保護作用が優秀であるので、心筋梗塞、不整脈、狭心症等の虚血性心臓疾患の予防及び治療剤に使用でき、冠動脈迂回手術、経皮経管冠動脈形成術等の心臓施術または再潅流療法に対する心臓保護剤等に使用できる。
〈実験例5〉ラットに対する経口投与急性毒性実験
一方、化学式1の化合物の急性毒性を調べるために、下記の実験を行なった。
6週齢の特定病原不在(SPF)SD系ラットを使用して、急性毒性実験を実施した。群当たり2匹ずつの動物に実施例1〜47から得た化合物を各々0.5%メチルセルロース溶液に懸濁して、10mg/kg/15mlの用量で単回経口投与した。
試験物質投与後、動物の斃死有無、臨床症状及び体重変化等を観察して血液学的検査と血液生化学的検査を実施した。剖検して、肉眼で腹腔臓器と胸腔臓器の異状有無を観察した。
試験の結果、試験物質を投与したすべての動物で特記するに値する臨床症状は見られず、斃死した動物も無かった。また、体重変化、血液検査、血液生化学検査、剖検所見等でも毒性変化は観察されなかった。以上の結果から実験した化合物はすべてラットで10mg/kgまで毒性変化を示さず、経口投与最小致死量(LD50)は、100mg/kg以上の安全な物質であると判断された。
一方、本発明による前記化合物は、目的により様々な形態で製剤化が可能である。下記は、本発明による前記化合物を活性成分として含む幾つかの製剤化方法を例示したものであるが、本発明がこれに限定されるものではない。
〈製剤例1〉錠剤(直接加圧)
活性成分5.0mgを篩にかけた後、ラクトース14.1mg、クロスポピドンUSNF0.8mg及びステアリン酸マグネシウム0.1mgを混合して加圧し、錠剤に製造した。
〈製剤例2〉錠剤(湿式組立)
活性成分5.0mgを篩にかけた後、ラクトース16.0mgと澱粉4.0mgを混ぜた。ポリソルベート80 0.3mgを蒸留水に溶解後、この溶液の適当量を添加した後、微粒化した。乾燥後に微粒を篩にかけた後、コロイダルシリコンジオキサイド2.7mg及びステアリン酸マグネシウム2.0mgと混ぜた。微粒を加圧して、錠剤に製造した。
〈製剤例3〉粉末とカプセル剤
活性成分5.0mgを篩にかけた後、ラクトース14.8mg、ポリビニルピロリドン10.0mg、ステアリン酸マグネシウム0.2mgと共に混合した。前記混合物を適当な装置を使用して、丈夫なNo. 5ゼラチンカプセルに満たした。
〈製剤例4〉注射剤
活性成分として100mgを含有させて、その他にもマンニトール180mg、Na2HPO4・12H2O 26mg及び蒸留水2974mgを含有させて注射剤を製造した。
上述したように、本発明による化学式1の化合物は、NHE-1に対する強力な抑制作用を示し、摘出虚血心臓モデルで虚血/再潅流による心臓機能損傷の回復を増進させ、インビボ虚血動物モデルで心筋梗塞の大きさを有意性を持って減少させ優秀な心臓保護効果を示した。したがって、本発明による前記化学式1で表わされるフランカルボニルグアニジン誘導体及び薬学的に許容されるその塩を有効成分として含有する製薬組成物は、心筋梗塞、不整脈、狭心症等の虚血性心臓疾患の予防及び治療剤として使用することができ、冠動脈迂回手術、経皮経管冠動脈形成術等の心臓施術時または血栓溶解剤等の再潅流療法に対する心臓保護剤等に使用できる。

Claims (10)

  1. 下記化学式1で表わされるフランカルボニルグアニジン誘導体及び薬学的に許容されるその塩。
    Figure 2007517022
    (式中、R1及びR2は各々独立して、H、F、Cl、Br、I、CF3、SO2CH3、NO2、NH2、C1〜C5の直鎖状または分枝状アルキル、またはORaである。ここで、RaはH、CF3、C1〜C5の直鎖状または分枝状アルキル、またはフェニル基である。)
  2. 前記化学式1の化合物が、
    1)[5-(2-フルオロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
    2)[5-(3-フルオロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
    3)[5-(4-フルオロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
    4)[5-フェニルフラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
    5)[5-(2-クロロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
    6)[5-(3-クロロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
    7)[5-(4-クロロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
    8)[5-(2-メチルフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
    9)[5-(3-メチルフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
    10)[5-(4-メチルフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
    11)[5-(2-トリフルオロメチルフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
    12)[5-(3-トリフルオロメチルフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
    13)[5-(4-トリフルオロメチルフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
    14)[5-(2-メトキシフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
    15)[5-(3-メトキシフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
    16)[5-(4-メトキシフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
    17)[5-(2-ニトロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
    18)[5-(3-ニトロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
    19)[5-(4-ニトロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
    20)[5-(2-アミノフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
    21)[5-(3-アミノフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
    22)[5-(4-アミノフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
    23)[5-(2-エチルフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
    24)[5-(2-エトキシフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
    25)[5-(2-イソプロポキシフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
    26)[5-(2-フェノキシフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
    27)[5-(2,6-ジフルオロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
    28)[5-(3,5-ジフルオロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
    29)[5-(2,4-ジフルオロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
    30)[5-(2,5-ジフルオロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
    31)[5-(2,3-ジフルオロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
    32)[5-(2-クロロ-6-フルオロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
    33)[5-(2-フルオロ-5-メチルフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
    34)[5-(2-メチル-5-フルオロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
    35)[5-(2-メトキシ-5-フルオロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
    36)[5-(3,5-ジクロロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
    37)[5-(2,3-ジクロロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
    38)[5-(2,5-ジクロロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
    39)[5-(2-メトキシ-5-クロロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
    40)[5-(2-クロロ-5-トリフルオロメチルフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
    41)[5-(2,6-ジメチルフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
    42)[5-(3,5-ジメチルフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
    43)[5-(2,5-ジメチルフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
    44)[5-(2,3-ジメチルフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
    45)[5-(2,6-ジメトキシフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
    46)[5-(2,3-ジメトキシフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
    47)[5-(2,5-ジメトキシフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
    48)[5-(2-メトキシ-5-ブロモフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
    49)[5-(2-ヒドロキシ-5-クロロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジン、
    50)[5-(2-エトキシ-5-クロロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジンまたは、
    51)[5-(2-イソプロポキシ-5-クロロフェニル)フラン-2-イルカルボニル]グアニジンである、請求項1に記載のフランカルボニルグアニジン誘導体及び薬学的に許容されるその塩。
  3. 下記スキーム1のように、カルボン酸誘導体化合物IIの塩基存在下でのグアニジンとの反応、または過量のグアニジンと反応させる、フランカルボニルグアニジン化合物Iの製造方法。
    Figure 2007517022
    (式中、R1及びR2は化学式1で定義したのと同じであり、Lはグアニジンにより容易に離脱する離脱基である。)
  4. 下記スキーム2のように、化合物IIIで表されるカルボン酸を縮合剤存在下でグアニジンと反応させる、フランカルボニルグアニジン化合物Iの製造方法。
    Figure 2007517022
    (式中、R1及びR2は化学式1で定義したのと同じである。)
  5. 前記縮合剤が、N,N-カルボニルジイミダゾール、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、ジイソプロピルカルボジイミド(DIPC)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(WSC)及びジフェニルホスホニルアジド(DPPA)からなる群から選択される、請求項4に記載の製造方法。
  6. 下記スキーム3aのように、フェニルボロン酸またはスタニルフェニル誘導体化合物IVと5-ハロフラン化合物Vを、パラジウム触媒存在下でStilleタイプカップリングまたは鈴木タイプカップリング反応をさせて化合物II1を得る、5位がベンゼン環で置換されたフラン化合物の製造方法。
    Figure 2007517022
    (式中、R1及びR2は化学式1で定義したのと同じであり、XはB(OH)2、BCl2、BBr2、SnBu3、SnMe3、またはZnClであり、Yはハロゲン(Br、I、Cl)またはOSO2CF3である。)
  7. 請求項1のフランカルボニルグアニジン誘導体及び薬学的に許容されるその塩を有効成分として含有する、虚血性心臓疾患の予防及び治療剤用製薬組成物。
  8. 前記虚血性心臓疾患が、心筋梗塞、不整脈または狭心症である、請求項7に記載の製薬組成物。
  9. 請求項1のフランカルボニルグアニジン誘導体及び薬学的に許容されるその塩を有効成分として含有する、再潅流療法時の虚血/再潅流損傷に対する心臓保護剤用製薬組成物。
  10. 前記再潅流療法が、心冠動脈迂回手術または経皮経管冠動脈形成術の心臓施術や、血栓溶解剤の使用を含む投薬であることを特徴とする、請求項9に記載の製薬組成物。
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