JP3416142B2 - ヒト白血球エラスターゼの阻害剤としてのジアステレオマー純粋なトリフルオロメチルケトンペプチド誘導体 - Google Patents

ヒト白血球エラスターゼの阻害剤としてのジアステレオマー純粋なトリフルオロメチルケトンペプチド誘導体

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明はピロリジン誘導体に関し、より詳しくは、式
I(以下に記載): によって示され、記号*及び#によって同定されるキラ
ル中心においてS立体配置有する化合物(S)−1−
[(S)−2−(4−メトキシベンズアミド)−3−メ
チルブチリル]−N−[(S)−2−メチル−1−(ト
リフルオロアセチル)プロピル]−ピロリジン−2−カ
ルボキサミド及びその溶媒和物に関し、この化合物は、
ヒト好中球エラスターゼ(HNE)としても知られる、ヒ
ト白血球エラスターゼ(HLE)の阻害剤であり、例えば
哺乳動物におけるHLEが関与する疾患の薬理学的、診断
的研究及び関連する研究並びに治療におけるリサーチツ
ールとして重要である。例えば、HLEは、例えば急性お
よび慢性の気管支炎及びのう胞性線維症のような、気道
分泌の増加及び異常を特徴とする気道炎症性疾患を含め
た、急性呼吸困難症候群(ARDS)、慢性関節リウマチ、
アテローム性硬化症、肺気腫及びその他の炎症性疾患の
病因に原因的に関与している。HLEはまた、好中球関与
が含まれるか又は組み込まれる、ある一定の血管疾患お
よび関連する症状(及びそれらの治療)に、例えば、急
性非リンパ球性白血病に関連する出血に、並びに、例え
ば冠動脈疾患(例えばアンギナと梗塞)に付随する心筋
性虚血と関連症状、心血管系虚血(例えば一過性虚血ア
タックと発作)、末梢閉塞性血管疾患(例えば間欠跛行
と決定的(critical)四肢虚血)、静脈不全(例えば静
脈性高血圧、静脈瘤(varicose vein)及び静脈潰
瘍)、並びに再灌流状態障害(例えば再構成血管手術、
血栓崩壊及び血管形成に付随するもの)に付随する再灌
流障害の病因に関係している。本発明はまた、これらの
疾患状態の1種以上の治療方法、及び前記状態の1種以
上に用いるための薬物の製造におけるこの化合物(又は
その溶媒和物)の使用にも関する。本発明はさらに、有
効成分としてこの化合物若しくはその溶媒和物を含む薬
剤組成物、並びにこの化合物(又はその溶媒和物)の製
造方法、前記方法に有用な新規な中間体、及び前記中間
体の製造方法を含む。
HLEの明らかな役割のために、HLE阻害剤を開発しよう
とするかなりの研究努力が最近数年間に行われている。
米国特許第4,910,190号では、HLE阻害剤である、一連の
構造的に関係するペプチドイルトリフルオロメタン誘導
体が開示される。上記で挙げた特定のピロリジン誘導体
が、HLEの強力な阻害剤であり、結晶形を有する単一ジ
アステレオマーであると言う点で意外な利点を有するこ
とを、今回、我々は発見した。このことが本発明の根拠
である。上記疾患状態を治療するための薬物として又は
薬物の製剤(formulation)に結晶形で単離されること
ができないHLE阻害剤を用いることは、例えば、規定上
の承認を得るために必要な純度レベル及び均質性にまで
化合物又は製剤を製造することに有意な問題を有する。
それ故、新規な結晶性HLE阻害剤を得ることが非常に望
ましく、さらに、単一ジアステレオマーである新規な結
晶性HLE阻害剤を得ることがさらに望ましい。本発明の
化合物の他の利点は、経口投与をする場合にHLE阻害活
性を有することが判明していることである。本発明の前
に、上記で挙げた特定のピロリジン誘導体は今までに製
造されておらず、それ故、その物理的、化学的又は薬理
学的性質については特になにも知られていない。
本発明によると、化合物(S)−1−[(S)−2−
(4−メトキシベンズアミド)−3−メチルブチリル]
−N−[(S)−2−メチル−1−(トリフルオロアセ
チル)プロピル]ピロリジン−2−カルボキサミド又は
その溶媒和物が提供される。
式I a [式中、太線は紙面の正面に突出する結合を表す] で示されることもできる本発明の化合物は単一ジアステ
レオマーであり、以下では、“式IのSSSジアステレオ
マー”又は“SSSジアステレオマー”と呼んで、式Iの
*又は#によって表示されるキラル中心における異なる
立体配置を有する他の可能なジアステレオマー、例え
ば、式Iにおいて*によって標識されるキラル中心では
S配位を、#によって標識されるキラル中心ではR配位
を有するジアステレオマー(以下では、“式IのSSRジ
アステレオマー”又は“SSRジアステレオマー”と呼
ぶ)から区別する。
式IのSSSジアステレオマーは、溶媒を実質的に又は
本質的に溶媒を含まない形(以下では、“無水”形と呼
ぶ)又は溶媒和形で存在する結晶性固体である。溶媒和
形は例えば水和形であり、これはトリフルオロケトン官
能基のgem−ジオール、すなわち、式I b: で示される化合物及び/又は結晶格子の一部として水分
子を含む形として存在することができる。例えば、gem
−ジオールI b自体をさらに水和することができる。無
水形対溶媒和(例えば、水和)形の比が、例えば、約1:
1以上、例えば4:1以上である結晶性SSSジアステレオマ
ーを得ることができる。本発明の化合物を例えば実質的
に又は本質的に溶媒を含まない形で単離する場合には、
無水形対溶媒和(例えば、水和)形の比は、例えば、約
19:1以上であり、すなわち、化合物の95重量%以上が無
水形である。
他の可能なジアステレオマー形を完全に含まない単一
ジアステレオマーである化合物、特に3個のキラル中心
を有する化合物を得ることが非常に困難であることは、
理解されるであろう。それ故、本発明は、式I中の*及
び#によって表示されるキラル中心において異なる立体
配置を有する他の可能なジアステレオマーを含む、式I
のSSSジアステレオマー又はその溶媒和物の結晶形を含
む。25%以下の式IのSSRジアステレオマーを含む式I
の結晶性SSSジアステレオマー又はその溶媒和物を得る
ことができることが判明しており、すなわち、この結晶
性物質は約3:1以上のSSS形:SSR形の比を有する。それ
故、本発明は少なくとも75%のSSSジアステレオマーの
含量を有する式Iの化合物の結晶形を含む。例えば、約
4:1(又はこれ以上)のSSS:SSRの比と、約4:1(又はこ
れ以上)の無水形:水和形の比とを有する結晶性物質を
得ることができる。好ましくは、式Iの結晶性SSSジア
ステレオマー又はその溶媒和物は実質的に又は本質的に
純粋であり、すなわち、それは1種以上の他の可能なジ
アステレオマーを5%未満含み、例えば、5%未満の式
IのSSRジアステレオマー、好ましくは3%未満の式I
のSSRジアステレオマー、より好ましくは2%未満の式
IのSSRジアステレオマーを含む。
好ましくは、式IのSSSジアステレオマーは無水形で
ある、すなわち、実質的に又は本質的に溶媒和(例え
ば、水和)形を含まない。この形で、SSSジアステレオ
マーは、非吸湿性であると言う有利な性質を有する。こ
れはまた、固体形において、良好なエピマー安定性(ep
imeric stability)であると言う有利な性質を有する。
このように、式IのSSSジアステレオマーの特に好まし
い形は2%未満の式IのSSRジアステレオマーを含み、9
5%以上が無水形である形である。
式IのSSSジアステレオマーの融点は一般に、純度レ
ベルに依存し、例えば示差走査カロリーメトリー(DS
C)によるような、当業者に周知の慣用的方法によって
測定することができる。典型的には、式IのSSSジアス
テレオマーは、実質的又は本質的に無水形であり、実質
的又は本質的にSSRジアステレオマーを含まない場合に
は、147〜151℃の範囲内、例えば約148〜150℃の範囲
内、特に約147〜149℃の範囲内である融点を有する(加
熱速度5℃/分)。しかし、無水形と水和形との約1:1
混合物として存在し、実質的又は本質的にSSRジアステ
レオマーを含まない場合には、式IのSSSジアステレオ
マーを、約116〜117℃の融点を典型的に有する形で得る
ことができる。
式IのSSSジアステレオマーは、実質的又は本質的に
無水形であり、実質的又は本質的にSSRジアステレオマ
ーを含まない場合には、約2θ=8.95、11.17、11.47、
13.86、15.49、17.86、18.22、19.24、21.58及び21.92
゜において特定ピークを含むX線粉末回析パターンを有
する。
式IのSSSジアステレオマーは、実質的に、融点約116
〜117℃を有する無水形と水和形との1:1混合物として存
在する場合には、約2θ=6.20、9.81、10.29、12.33、
12.44、14.22及び17゜において特定ピークを含むX線粉
末回析パターンを有する。
さらに、式IのSSSジアステレオマーは、実質的又は
本質的にSSRジアステレオマーを含まず、示差走査カロ
リーメトリー(加熱速度2℃/分)によって、約91〜92
℃において開始する(約99〜100℃にピークを有する)
吸熱イベント(endothermic event)と、その後の、約1
09〜110℃において開始する(約111〜112℃にピークを
有する)発熱イベントとを有し、その後にさらに、約14
8〜149℃において開始する(約150〜151℃にピーク値を
有する)吸熱イベントを有する結晶性水和形で得ること
ができる。この水和形は約2θ=6.62,10.43,13.30,16.
17,19.51、21.37及び22.80゜における特定ピークを含む
X線粉末回析パターンを有する。DSCデータは、熱重量
分析(TGA)データ及び19F NMRスペクトルデータと共
に、この形が実質的にgem−ジオール(式I b)の1水和
物であることを実証する。上述した開始値及びピーク値
は用いる走査速度に応じてやや変化しうることは理解さ
れるであろう。例えば、5℃/分の走査速度で実施した
同様なDSCスキャンは約95〜96℃における第1吸熱イベ
ントの開始(105〜106℃におけるピークと共に)を示し
た。
EC&G固相フォトン検出器、Microvaxコンピューター
によって操作されるGLP Series(ゲルマニウム)を備
えたScintag XDS−2000X線回析計と、Scintag社(米
国,カリフォルニア州,サニーダレ)によって供給され
るDiffraction Management Systemソフトウェアとを
用いて、X線粉末回析スペクトルを測定した。用いたX
線管は45KV及いび40mAにおける1.5406Aの波長を有するC
u K−αであった。入射光線の光路に関して、レシー
ビングスリット(receiving slit)は2mmと4mmとに設定
し、ディバージングスリット(diverging slit)は0.5m
mと0.2mmとに設定した。0.02のチョッパー増分によって
連続スキャン形式によって、スペクトルを得た。各サン
プルを1度2θ/分において暴露させ(実施時間38分
間)、2度2θから40度2θまで回収し、この範囲につ
いての強度に対して若干のスペース(a trace of spaci
ngs)を生じた。
回析分析のために、サンプルを直径25mm、深さ2mmの
円形アルミニウム合金サンプルパンに充填した。パン容
量を越える量が存在し、その後にガラス顕微鏡スライド
によってパン縁に合わせて平らにされるように、粉末サ
ンプルをパンに入れた。シリコン型−NBS640bを外部基
準として用いた。
式IのSSSジアステレオマーの典型的なサンプルのX
線粉末回析スペクトルを、それが実質的又は本質的に溶
媒を含まない場合、それが無水形と水和形との約1:1混
合物である場合、それが水和(gem−ジオール1水和
物)形である場合に、以下の図1、2及び3にそれぞれ
示す。
赤外スペクトルは式IのSSSジアステレオマーの典型
的なサンプルに関して、それが実質的又は本質的に溶媒
を含まない場合、それが無水形と水和形との約1:1混合
物である場合、及びそれが式I bの1水和物である場合
に得た。赤外スペクトルは当業者に周知の溶媒キャスト
方法(solvent cast technique)によって、直接透過に
よる分析のために、塩(例えば、ZnSe又はKBr)ウィン
ドウ上へのサンプルのアセトニロリルキャスティングか
ら得た。赤外スペクトルは4000〜400cm-1の波数範囲に
わたって測定した。
式IのSSSジアステレオマーのサンプルの、それが実
質的又は本質的に溶媒を含まない場合の赤外スペクトル
を図4に示す。図4のスペクトルは約2968、1761、162
9、1607、1533、1503、1443、1259、1209、1178、115
8、1032、845及び767cm-1におけるシャープなピークを
含む。式IのSSSジアステレオマーのサンプルの、それ
が無水形と水和形との約1:1混合物である場合及びそれ
が式I bのgem−ジオールの1水和物のサンプルである場
合の赤外スペクトルは、溶媒キャスト方法の性質と、用
いる溶媒とのために、図3のスペクトルと有意に異なら
なかった。
X線粉末回析パターンの2θ値と赤外スペクトルの波
長とは装置によって若干異なるので、上記値を絶対的と
みなすべきではないことが理解されよう。
式I bのgem−ジオールのヒドロキシル基の水素原子が
酸性であり、それ故、このような化合物が通常の方法に
よって、例えば、生理的に許容されるカチオンを与える
塩基、例えばアルカリ金属(例えば、ナトリウム又はカ
リウム)塩、アルカリ土類金属塩又は有機アミン塩を用
いて、薬剤学的に許容される結晶性塩を形成することが
できることは理解されるであろう。それ故、本発明は式
I bのgem−ジオールの薬剤学的に許容される結晶性塩又
はその水和物を含む。
式IのSSSジアステレオマー又はその溶媒和物は、本
発明のさらに別の態様である下記方法によって得ること
ができる。
25%未満のSSRジアステレオマーを含む結晶性SSSジア
ステレオマーは、ほぼ等モル量でSSSジアステレオマー
とSSRジアステレオマーとを含む(すなわち、約1:1から
約3:2までのSSS:SSR比)SSSとSSRジアステレオマーの非
結晶性(非晶質)ジアステレオマー混合物から、適当な
非極性溶媒、例えばジエチルエーテル、ジ−n−プロピ
ルエーテル若しくはジ−n−ブチルエーテル、又は溶媒
の混合物(例えば、メチルtert−ブチルエーテルとヘキ
サンとの混合物、好ましくは酢酸エチルとヘキサンとの
混合物)からの再結晶によって得ることができる。結晶
化を開始するために、結晶性SSSジアステレオマーによ
る接種が必要である。このような好ましい結晶化方法の
1つは、酢酸エチル中のSSSとSSRジアステレオマーとの
非結晶性ジアステレオマー混合物の溶液の量を蒸発又は
蒸留によって減じ、熱溶液にヘキサンを加え、透明な溶
液を維持し、実質的に純粋なSSSジアステレオマーを接
種し、徐々に冷却することを含む。この方法の変更(mo
dification)は、例えば非結晶性混合物の製造(以下で
考察)の仕上げ工程(work−up)から直接得られるよう
な、酢酸エチルの沸点よりも低い沸点の溶媒(例えば、
メチルtert−ブチルエーテル)中のSSSとSSRジアステレ
オマーとの非結晶性ジアステレオマー混合物の溶液の使
用と、酢酸エチルの添加による溶媒の酢酸エチルとの交
換と、ヘキサン添加前の大気圧における蒸発又は蒸留に
よる溶液の濃縮とを含む。
用いる溶媒と、結晶化に用いる正確な条件とに依存し
て、生成物を例えば約1:1以上の無水形:水和形の比を
有する、無水ジアステレオマーと水和ジアステレオマー
との混合物として最初に単離することができる。例え
ば、約4:1の無水形:水和形の比を有する結晶性生成物
を得ることができる。
例えば約5%以下の水和形を含む、実質的又は本質的
に無水形である式Iの実質的又は本質的に純粋な結晶性
SSSジアステレオマーは、SSRジアステレオマーを含む結
晶性SSSジアステレオマーの再結晶の反復から得ること
ができる。水と共沸混合物を形成する非極性溶媒が、こ
の目的に、一般に用いられる。SSRジアステレオマーを
含む式IのSSSジアステレオマーを結晶の溶媒中に加熱
又は沸騰によって溶解し、好ましくは、必要に応じて第
2溶媒を添加する前に溶液を濃縮して、結晶化を行わせ
る場合には、このことが系からの水の除去を促進する。
トルエンがこの目的のために特に適した溶媒であり、又
は酢酸エチル溶液から水を共沸除去した後にヘキサンを
加える酢酸エチルとヘキサンとの混合物も適する。実質
的又は本質的に純粋であり、実質的又は本質的に無水形
である結晶性SSSジアステレオマーは、酢酸n−ブチ
ル、酢酸イソプロピル、1,2−ジメトキシエタン、2,2−
ジメトキシプロパン、tert−ブタノール、tert−アミル
メチルエーテル、及びジクロロメタンとヘキサンとの混
合物、メチルエチルケトンとヘキサンとの混合物、N,N
−ジメチルホルムアミドとメチルtert−ブチルエーテル
との混合物、ジプロピレエーテルとアセトニトリルとの
混合物、1,4−ジオキサンとヘキサンとの混合物、メチ
ルエチルケトンとイソヘキサンとの混合物、テトラヒド
ロフランとシクロヘキサンとの混合物、酢酸エチルとイ
ソヘキサンとの混合物、テトラヒドロフランとヘキサン
との混合物、テトラヒドロフランとイソヘキサンとの混
合物、ジエチルエーテルと酢酸エチルとの混合物、及び
tert−アミルメチルエーテルとアセトニトリルとの混合
物を含めた選択的溶媒から再結晶することもできる。上
記溶媒のいずれかからの単回の結晶化が5%以下のSSR
ジアステレオマーを含むSSSジアステレオマーを得るた
めに充分であり得る。全ての結晶化において接種による
結晶化の開始が好ましい。
或いは、実質的又は本質的に純粋な水和形(これのデ
ータはgem−ジオール1水和物であることを実証する)
は、溶媒として、アセトンと水との混合物又はtert−ブ
タノールと水との混合物を用いて、SSRジアステレオマ
ーを含む結晶性SSSジアステレオマーの再結晶を反復す
ることによって得ることができる。
上記で挙げた結晶化又は再結晶を実施する場合に、溶
媒量(ml)と、SSRジアステレオマーを含む結晶性SSSジ
アステレオマーの重量(g)との比は、例えば、2:1か
ら15:1までの範囲内であることが好ましく、約6:1から1
0:1までであることが好都合である。
上記で挙げたSSSとSSRジアステレオマーの非結晶性
(非晶質)ジアステレオマー混合物は、米国特許第4,91
0,190号の実施例20に記載されるように又はスキーム1
に説明する同様な方法によって製造することができる。
或いは、スキーム2に説明する新規な方法を用いるこ
とができ、この方法では新規な中間体N−(4−メトキ
シベンゾイル)−L−バリル−L−プロリン(又はその
塩)(本発明の他の態様である)を3−アミノ−4−メ
チル−1,1,1−トリフルオロ−2−ペンタノールとカッ
プリングさせた後に、アルコール生成物の対応ケトンに
慣用的に酸化する。同様なカップリングと酸化反応との
慣用的操作は、本明細書と米国特許第4,910,190号とに
開示されている。この方法の利点は、後の段階における
アミノアルコールの組込みを可能にすることである。こ
の新規な中間体は、以下の操作1に説明するような、選
択的脱保護、カップリング及び脱保護の慣習的工程(ス
キーム2、工程(a)〜(c))を用いて得ることがで
きる。或いは、N−tert−ブチルオキシカルボニルバリ
ンをプロリンベンジルエステルと、例えば、0℃のジク
ロロメタン中のN−ヒドロキシベンズトリアゾール及び
ジシクロヘキシルカルボジイミドを用いてカップリング
させ、次に、トリフルオロ酢酸を用いてtert−ブチルオ
キシカルボニル保護基を除去して、L−バリル−L−プ
ロリンベンジルエステルを得る。次に、これをほぼ周囲
温度のジクロロメタン中、トリエチルアミンの存在下
で、例えば塩化アニソイルとカップリングさせ、次に、
ベンジル保護基を水素化分解によって除去する。この方
法を用いて得られたジアステレオマー混合物は約1:1か
ら3:2までのSSS:SSR比を有し、例えば泡状物又は油状物
のような非結晶形でのみ単離されている。
或いは、新規な中間体N−(4−メトキシベンゾイ
ル)−L−バリル−L−プロリン(本発明の他の態様で
ある)の特に有利な製造方法は下記工程: (i)L−バリル−L−プロリン(又はその塩)をトリ
(C1−C4)アルキルハロゲノシラン(例えば、トリメチ
ルクロロシラン)又はビス(トリ(C1−C4)アルキルシ
リル)アセトアミド(例えば、ビス(トリメチルシリ
ル)アセトアミド)と反応させて、L−バリル−L−プ
ロリントリ(C1−C4)アルキルシリルエステル(例え
ば、L−バリル−L−プロリントリメチルシリルエステ
ル)を形成する工程と;その後の、 (ii)L−バリル−L−プロリントリ(C1−C4)アルキ
ルシリルエステルを4−メトキシ安息香酸の活性化誘導
体[例えば、塩化4−メトキシベンゾイル(塩化アニソ
イルとしても知られる)のような酸塩化物又は無水物]
と反応させて、N−(4−メトキシベンゾイル)−L−
バリル−L−プロリントリ(C1−C4)アルキルシリルエ
ステルを形成する工程と;その後の (iii)トリ(C1−C4)アルキルシリル保護基を除去す
る工程と を特徴とする。
工程(i)は、適当な不活性溶媒若しくは希釈剤、例
えば酢酸エチル、エーテル性溶媒若しくは希釈剤(例え
ば、テトラヒドロフラン若しくはジオキサン)、又は例
えばトルエンのような炭化水素溶媒中、例えばトリエチ
ルアミン、ピリジン若しくは好ましくはN−メチルモル
ホリンのような有機塩基の存在下、又は例えば炭酸ナト
リウム若しくは炭酸カリウムのような無機塩基の存在下
で好都合に実施される。この反応は例えば−10℃〜50
℃,好ましくは0℃〜30℃の範囲内の温度において実施
される。L−バリル−L−プロリン1当量につき好まし
くは約2当量の塩基を用いる(又は、例えばL−バリル
−L−プロリン塩酸塩のような塩を用いる場合には、3
当量の塩基を用いる)。L−バリル−L−プロリン1当
量につき好ましくは約2当量以上のシリル化剤を用い
る。
工程(ii)は慣用的方法を用いて無水条件下で実施す
る。例えば、塩化4−メトキシベンゾイルを用い、工程
(i)と同様な条件を用いる。この場合に、塩基1当量
に対して約1当量(又はやや過剰量)の酸塩化物を用い
る。工程(i)の生成物を単離しないで、その場で工程
(i)に用いた塩基と同じ塩基のさらなる当量の添加に
より反応させ、その後に酸塩化物1当量と反応させるこ
とが好ましい。
工程(iii)はシリル保護基の脱保護のための慣用的
な方法を用いて、例えば水性条件下での加水分解によっ
て実施される。好都合には、工程(ii)の仕上げ操作中
にシリル保護基を除去する。工程(i)において他の慣
用的なシリル化剤を用いて、L−バリル−L−プロリン
の対応シリルエステルを形成し、次にこれを工程(ii)
に用いて、次いでシリル保護基を工程(iii)でのよう
に除去することができることは理解されるであろう。
本発明の化合物の製造の出発物質として用いるため
の、SSSとSSRジアステレオマーの非結晶性(非晶質)ジ
アステレオマー混合物を得るために、工程(i)〜(ii
i)に続いて、 (iv)N−(4−メトキシベンゾイル)−L−バリル−
L−プロリンと3−アミノ−4−メチル−1,1,1−トリ
フルオロ−2−ペンタノールとを反応させて、(S)−
1−[(S)−2−(4−メトキシベンズアミド)−3
−メチルブチリル]−N−[2−メチル−1−(2,2,2
−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル)プロピル]ピ
ロリジン−2−カルボキサミドを形成する工程と;その
後の(v)(S)−1−[(S)−2−(4−メトキシ
ベンズアミド)−3−メチルブチリル]−N−[2−メ
チル−1−(2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエ
チル)プロピル]ピロリジン−2−カルボキサミドを、
スキーム2の工程(d)と(e)に対応して、酸化する
工程と を実施することができる。
工程(iv)は、米国特許第4,910,190号に開示される
方法のように、カルボン酸をアミンにカップリングさせ
て、アミド結合を形成するための慣用的な方法を用いて
実施される。適当な溶媒若しくは希釈剤中、例えば塩素
化溶媒若しくは希釈剤(例えばジクロロメタン)、エー
テル性溶媒若しくは希釈剤(例えばテトラヒドロフラン
若しくはメチルtert−ブチルエーテル)、又は炭化水素
溶媒若しくは希釈剤(例えば、トルエン)中の第3級ア
ミン(例えば、トリエチルアミン、好ましくはN−メチ
ルモルホリン)の存在下でのクロロホルメート、例えば
アルキルクロロホルメート(例えば、イソブチルクロロ
ホルメート)の使用が特に適切である。溶媒又は希釈剤
の混合物、例えばトルエンとテトラヒドロフランとの混
合物を用いることができる。この反応は一般に例えば−
15℃〜30℃,好ましくは−10℃〜20℃の範囲内の温度で
実施される。例えば溶媒としてメチルtert−ブチルエー
テルを用いて、アミノアルコールのスラリーへの、予め
形成した混合無水物の逆添加を利用することもできる。
工程(v)はヒドロキシ基をケトン基に転化するため
の慣用的な酸化剤を用いて実施される。適当な酸化剤と
条件とは、例えば、塩化オキサリル、ジメチルスルホキ
シド及び第3級アミンの使用;無水酢酸とジメチルスル
ホキシドの使用;ジクロロメタン中の三酸化クロムピリ
ジン錯体の使用;ジクロロメタン中の多価(hypervalen
t)ヨウ素試薬、例えば1,1,1−トリアセトキシ−2,1−
ベンズオキシドール−3(3H)−オンと、トリフルオロ
酢酸との使用;ジクロロ酢酸の存在下での過剰なジメチ
ルスルホキシドと水溶性カルボジイミドとの使用;又は
アルカリ性過マンガン酸カリウム水溶液の使用を含む。
特に適した酸化剤としては、後者の2種類、特にアルカ
リ性過マンガン酸カリウム水溶液、例えば水酸化ナトリ
ウムと過マンガン酸カリウムとの混合物が挙げられる。
3−アミノ−4−メチル−1,1,1−トリフルオロ−2
−ペンタノールは、米国特許第4,910,190号に開示され
るように又は実施例に説明するように製造することがで
きる。
或いは、(S)−1−[(S)−2−(4−メトキシ
ベンズアミド)−3−メチルブチリル]−N−[(S)
−2−メチル−1−((R)−2,2,2−トリフルオロ−
1−ヒドロキシエチル)プロピル]ピロリジン−2−カ
ルボキサミド(例えば、スキーム1又は2に示した方法
と同様な方法によって、但し、それ自体が米国特許第4,
910,190号に開示されるように又は以下の実施例に説明
するように製造される、分割された(resolved)アミノ
アルコール2(R),3(S)−3−アミノ−4−メチル
−1,1,1−トリフルオロ−2−ペンタノールを用いて得
ることができる)を酸化する場合には、単離される非晶
質物質を結晶化して、実質的又は本質的に純粋な結晶性
SSSジアステレオマーを無水形と水和形との混合物とし
て(例えば、結晶化の溶媒としてジエチルエーテルを用
いる場合)、又は実質的に無水形として(例えば、物質
をトルエンから結晶化又は再結晶する場合を得ることが
できる。
この酸化は上記工程(v)に記載した条件と同様な条
件を用いて、実施することができる。
式IのSSSジアステレオマーの特に有利な製造方法
(本発明のさらに他の態様である)は、適当な非極性溶
媒又は希釈剤中で、例えばメチルtert−ブチルエーテ
ル、ヘキサン、又は100〜120℃範囲の沸点を有する炭化
水素の混合物(例えば、b.p.100〜200℃の石油留分、例
えば“ESSOCHEM30"(商標))若しくはこれらの混合物
又は酢酸エチルとヘキサンとの混合物中で、式IのSSS
とSSRジアステレオマーの非結晶性(非晶質)ジアステ
レオマー混合物を、適当な塩基、例えばN−(C1−C4
アルキルモルホリン(例えば、N−メチルモルホリ
ン)、N−(C1−C4)アルキルピペリジン(例えば、N
−エチルピペリジン)、ピリジン又はペンタイソプロピ
ルグアニジンのような第3級塩基と共に加熱することを
特徴とする。この溶液を徐々に冷却させると、SSSジア
ステレオマーが溶液から結晶化し、高温又は熱溶液中に
残留するSSR富化ジアステレオマー混合物のエピマー化
が生じ、これによってさらに結晶化するSSSジアステレ
オマーが生成する。このようにして、平衡はSSSジアス
テレオマーに有利に移動する。それ故、このエピマー化
/結晶化方法はSSRジアステレオマーのSSSジアステレオ
マーへの転化、又はSSRジアステレオマーに富化した母
液の再循環により追加量のSSSジアステレオマーを生じ
るようになる。それ故、この方法は、SSS又はSSR富化ジ
アステレオマー混合物のいずれを用いても実施すること
ができると言う利点を有する。このエピマー化/結晶化
方法に用いるために好ましい塩基はN−メチルモルホリ
ンである。
用いる溶媒又は希釈剤に依存して、加熱は例えば50〜
130℃の範囲内の温度において一般に実施され、好都合
には、例えば、最初に溶媒又は希釈剤の還流温度におい
て加熱を実施した後に、反応混合物を徐々に冷却させ
て、SSSジアステレオマーを結晶化させる。冷却前に、
溶媒の蒸留が生じるほどに反応混合物を加熱することが
好ましい。結晶化を容易にするために、加熱された溶液
に、SSSジアステレオマーが低溶解性である、混和可能
な非極性溶媒又は希釈剤を加えることができる。この添
加は、最初の溶媒又は希釈剤の蒸留を行いながら、実施
することが、生成物の早期結晶化を防止するために好都
合である。或いは、ジアステレオマー混合物と塩基とが
加熱される初期溶媒を、SSSジアステレオマーが低溶解
性である、より高沸点の混和可能な非極性溶媒と実質的
に交換してから、徐々に冷却することが好ましい。例え
ば、メチルtert−ブチルエーテルを溶媒として用いる場
合には、100〜120℃の範囲内の沸点を有する炭化水素混
合物(例えば、b.p.100〜120℃の石油留分、例えばESSO
CHEM30)を、このような他の溶媒(例えば、トルエン)
の1種以上を場合により添加して、加えることができ、
冷却前に、同時に低沸点溶媒を蒸留によって除去する。
この変更方法が、実質的に非極性溶媒中の溶液として最
初に単離されるジアステレオマー混合物を、結晶性SSS
ジアステレオマーを直接得るために使用可能にすること
は、理解されるであろう。
結晶化を開始するためには、結晶性SSSジアステレオ
マーによる接種が必要である。好ましくは、結晶化は、
混合物の温度を徐々に周囲温度に冷却することによっ
て、例えば混合物の温度を10℃段階で低下させ、各温度
に約1時間維持することによって実施する。好ましくは
非晶質出発物質1当量につき0.5〜1当量、特に約1当
量の塩基を用いる。
式IのSSSジアステレオマーの製造に適用可能であ
る。このエピマー化/結晶化方法の変更は、塩基(上記
で定義)(例えば、N−メチルモルホリン)の触媒量
(例えば、約10モル%)の存在下の、適当な非極性溶媒
(上記に列挙)(例えば、酢酸エチルとヘキサンとの混
合物)からのSSSとSSRジアステレオマーの非結晶性混合
物の結晶化である。
このエピマー化/結晶化方法を用いて、最初に単離さ
れる結晶性物質は25%未満のSSRジアステレオマーを含
む結晶性SSSジアステレオマーであり、例えば、4:1以上
のSSS:SSR比を有する結晶性物質が一般に得られる。こ
の物質は一般に、無水形と水和形との混合物として最初
に単離される。前述したような、この物質の再結晶か
ら、例えば、約5%未満の水和形(又は結晶性水和形)
を含む、実質的又は本質的に無水形である、実質的又は
本質的に純粋な、式Iの結晶性SSSジアステレオマーを
得ることができる。
エピマー化/結晶化方法から単離される生成物から、
再結晶によってさらに精製する前に、この生成物のジア
ステレオマー混合物への逆エピマー化を避けるために、
残留塩基を除去することが好ましい。これは例えば単離
生成物を希酸水溶液(例えば希塩酸又は希硫酸)によっ
て洗浄することによって達成される。
本発明の化合物の有用性は、以下に述べるような試験
を含めた、標準試験及び臨床試験によって実証すること
ができる。
阻害測定: 低分子量ペプチド基質メトキシ−スクシニル−アラニ
ル−アラニル−プロリル−バリン−p−ニトロアニリド
上のヒト白血球エラスターゼ(HLE)の阻害剤として作
用する本発明の化合物の効力を、米国特許第4,910,190
号に述べられているように測定する。阻害剤とHLEとの
相互作用から形成される複合体(complex)の解離定数K
iの動力学的測定値を得ることによって、化合物の効力
を評価する。本発明の化合物は6.7nMのKiを有すること
が判明した。
急性肺損傷モデル: 気腫(emphysema)の動物モデルは、肺の緩慢進行性
の破壊性病変を惹起するためのエラストリティック(el
astolytic)プロテアーゼの気管内(i.t.)投与を含
む。これらの病変を初期発作(initial insult)から数
週間〜数か月内に通常評価する。しかし、これらのプロ
テアーゼは最初の数時間後に明らかになる病変をも誘導
する。この初期病変は最初、出血性であり、最初の24時
間の終了までに炎症性病変に進行し、発作後の最初の1
週間内に消散する(resolve)。この早期病変を利用す
るために、下記モデルを用いることができる。
ハムスターをブレビタールによって最初は軽度に麻酔
する。次に、単独の又はヒト白血球エラスターゼ(HL
E)を含むリン酸塩緩衝化生理食塩水(PBS)pH7.4を気
管に直接投与する。24時間後に、動物を殺し、肺を取り
出し、外側に付着した組織を細心に切り取る。湿潤肺重
量を測定した後に、肺をPBSによって洗浄し、回収した
洗浄可能な(lavagable)総赤血球と総白血球とを測定
する。湿潤肺重量、洗浄可能な総赤血球と総白血球の値
はHLEの投与後に投与量に依存して上昇する。有効なエ
ラスターゼ阻害剤である化合物は酵素誘導病変の重症度
を予防又は軽減して、HLE単独投与に比べて、湿潤肺重
量を低下させ、赤血球と白血球の両方の洗浄可能な総量
値を減ずる。化合物はこれらをPBS中の溶液若しくは懸
濁液としてHLE試験(challenge)(400μg)と共に若
しくはHLE試験(400μg)前の種々な時点において気管
内投与することによって、又はこれらを溶液としてHLE
試験(100μg)前の種々な時点において静脈内若しく
は経口投与することによって評価して、HLE病変の予防
におけるそれらの有用性を判定することができる。本発
明の化合物の溶液は、10%ポリエチレングリコール400/
PBSを用いて、便利に製造される。
急性出血分析: この分析はヒト好中球エラスターゼ(HNE)の気管内
投与後の肺中の出血量のみの監視に基づく。肺洗液(lu
ng lavage fluid)中に回収された赤血球を破壊し、そ
れをハムスター全血の希釈物と比較することによって、
出血を定量する。Fletcher等,American Review of R
espiratory Disease(1990),141,672−677に記載の
プロトコールと同様なスクリーニングプロトコールは下
記の通りである。インビトロHNE阻害剤であると実証さ
れた化合物を、急性肺損傷モデルに対して上述のように
投与するために、好都合に調製する。雄ゴールデンハム
スター(使用前に16〜18時間絶食)をブレビタールナト
リウム(30mg/kg、i.p.)によって軽度に麻酔する。次
に、この化合物をハムスターに、例えば、リン酸塩緩衝
化生理食塩水(PBS)(pH7.8)300μl中のHNEの50μg/
動物の気管内投与前の30分間又は90分間のような一定時
間に、静脈内又は経口投与する。酵素投与後の4時間
に、動物を過量のベントバルビタールナトリウムによっ
て殺し、胸郭を開き、肺と心臓とを取り出し、肺から外
側付着物質を除去する。切開した肺を気管内カニューレ
を介して2mlのPBSを3回取り替えて洗浄する。回収した
洗液をプールし、量(約5ml)を記録し、この洗液を分
析まで4℃において保存する。各サンプルの血液量を算
出するために、解凍した洗液とハムスター全血サンプル
とを超音波処理して、赤血球を破壊し、96穴マイクロタ
イタープレートの各穴に適当に希釈して入れる。破壊し
た洗液と血液サンプルとの光学濃度(OD)を540nmにお
いて測定する。試験サンプルのODをハムスター全血から
作成した標準曲線のODと比較することによって、(血液
等価物(blood equivalent)μl)/(洗液ml)を算出
する。各サンプルに関して、回収した洗液量に(血液等
価物μl)/(洗液ml)を乗ずることによって、回収さ
れた血液の等価物の総μlを算出する。試験化合物をHN
Eの投与前に指定用量及び指定時点で投与する場合に、
結果をPBS処理対照に比べたHNE誘導出血の阻害%として
報告する。本発明の化合物のED50は経口投与後に5.2mg/
kgであり、i.v.投与後に0.59mg/kgであると判明した。
本発明の化合物を上記インビボ試験で投与した場合
に、明白な毒性は観察されなかった。
急性肺損傷モデル及び急性出血分析における化合物活
性の関与が肺気腫に限定されず、むしろ、この試験がHL
Eの一般的なインビボ阻害を立証することは理解される
であろう。
本発明の他の特徴によると、本発明の化合物(又はそ
の溶媒和物)の薬剤学的有効量と、薬剤学的に許容され
る希釈剤又はキャリヤーとを含む薬剤組成物が提供され
る。上述したように、本発明の他の特徴は、哺乳動物、
特にヒトにおける前述したような、HLEが関与する疾患
又は状態、特に急性及び慢性の気管支炎、肺気腫、再潅
流障害、成人呼吸困難症候群、のう胞性線維症又は末梢
血管疾患(例えば、決定的四肢虚血若しくは間欠跛行)
の治療のための本発明の化合物(又はその溶媒和物)の
使用方法である。
本発明の化合物はHLEが関与する疾患の治療のために
それを必要とする温血動物、特にヒトに、例えば米国特
許第4,910,190号に一般的に開示されるように、通常の
薬剤組成物として投与することができる。一つの投与形
式は粉状又は液体エーロゾルを介してである。粉状エー
ロゾルでは、本発明の化合物をFisons Corp.(マサチ
ュセッツ州ベドフォード)から入手可能な“Spinhaler"
(商標)ターボ吸入器(turbo−inhaler device)によ
ってクロモリンナトリウムと同様に、約0.1〜50mg/カプ
セルの割合で投与され、平均的なヒトに対しては1〜8
カプセル/日が投与される。ターボ吸入器に用いる各カ
プセルは必要量の本発明の化合物を含み、20mgカプセル
の残部は例えばラクトースのような薬剤学的に受容され
るキャリヤーである。液体エーロゾルでは、本発明の化
合物を、溶液を圧縮空気によって霧状にする。例えば
“Retec"(商標)ネブライザー(nebulizer)のような
ネブライザーを用いて投与することができる。エーロゾ
ルを例えば1〜約8回/日の割合で下記のように投与す
ることができる;ネブライザーに化合物の溶液、例えば
10mg/mlを含む溶液3.5mlを充填する;ネブライザー内の
溶液を圧縮空気によって霧状にし;患者は自分の口にネ
ブライザーをあてがって通常(1回量(tidal volum
e)、8分間呼吸する。
或いは、投与形式は浸透ポンプ(osmotic pump)を用
いる皮下デポジット(subcutaneous deposit)を含めた
非経口的でよいが、好ましくは経口的である。本発明の
化合物は通常、例えば米国特許第3,755,340号に述べら
れているように、単位投与量につき約10〜250mgを、容
認された製薬法(accepted pharmaceutical practice)
によって必要とされる通常のビヒクル、賦形剤、結合
剤、保存剤、安定剤、フレーバー等と混合することによ
って、経口投与形又は非経口投与形に配合することがで
きる。非経口投与のためには、本発明の化合物約0.02〜
10mg/kg体重を含む静脈内、筋肉内又は皮下注射薬1〜1
0ml、3〜4回/日を投与する。この注射薬はフェノー
ルのような保存剤又は例えばエチレンジアミン四酢酸
(EDTA)のような可溶化剤を任意に含む、等張性無菌水
溶液又は懸濁液中に本発明の化合物を含む。エーロゾル
としての非経口投与又は使用のためには、例えば、化合
物を5〜10%ポリエチレングリコール400/リン酸塩緩衝
化生理食塩水中に溶解した後に、無菌濾過し、標準操作
を用いて無菌貯蔵することによって、水性製剤を製造す
ることができる。
一般に、本発明の化合物はヒトにエーロゾルによって
例えば化合物5〜100mgの範囲内の一日量で、又は静脈
内若しくは経口的に若しくはこの組合せで、50〜1000mg
の範囲内の一日量で投与される。しかし、治療すべき疾
患の性質と重症度、同時に行われる療法、治療を受ける
患者の年齢、体重及び性別を考慮する、周知の医療法
(medical practice)に従って化合物の投与量を変える
ことが必要であることは容易に理解されるであろう。同
様に、一般に該化合物の溶媒和(例えば、水和)形の等
価量も使用可能であることも理解されるであろう。HLE
阻害剤を投与し、患者を評価するためのプロトコール
は、のう胞性線維症、ARDS、気管支炎、及び急性非リン
パ球性白血病若しくはその治療に関連した出血の治療又
は予防に関する、ヨーロッパ特許出願公開第458535号、
第458536号、第458537号及び第463811号にそれぞれ述べ
られている;同様に、本発明の化合物はこのような疾患
及び症状の治療のために単独で、又は特定の症状の治療
に慣用的に適応される他の治療剤と組合せて、好ましく
は経口投与によって、用いられる。好中球が関係又は関
与する、哺乳動物における血管疾患又は関連症状の治療
的又は予防的処置のためには、本発明の化合物は好都合
には経口又は非経口経路によって単独で、又は該症状に
慣用的に投与される他の治療有効剤と同時に若しくは連
続的に投与される。血管疾患又は関連症状のこのような
治療における本発明の化合物の有用性は、国際特許出
願、公開第WO92/22309号に記載される方法を用いて実証
することができる。
次に、本発明の種々の態様を以下の非限定的な実施例
によって説明するが、実施例中、他に指示しないかぎ
り、下記のように定める: (i)温度は摂氏度(℃)で記載し;操作は室温又は周
囲温度において、すなわち18〜25℃の範囲内の温度にお
いて実施した; (ii)有機溶液は無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた;
溶媒の蒸発は回転蒸発器を用いて減圧下(600〜4000パ
スカル;4.5〜30mmHg)、60℃までの浴温度によって実施
した; (iii)クロマトグラフィーは、Merck Kieselgel(E.M
erck(ドイツ,ダルムシュタット)からのArt9385)上
で実施される“フラッシュクロマトグラフィー”(Stil
lの方法)を意味する;ステップ及びランプ勾配の両方
を用いる溶離は、括弧内の用語“勾配”と、その後の初
期溶剤比と最終溶剤比によって表示する;薄層クラマト
グラフィー(TLC)は、シリカプレート上で、例えば、
0.25mmシリカゲルGHLFプレート(Analtech(米国,デラ
ウェア州,ニューワーク)からのArt21521)上で実施し
た; (iv)一般に、反応経過はTLCによって追跡し、反応時
間は説明のためにのみ記載する; (v)融点は未修正であり、(dec)は分解を意味す
る;記載した融点は上記のように製造した物質に関して
得た融点である;多形現象は幾つかの製造において異な
る融点を有する物質の単離を生ずる可能性がある; (vi)最終生成物は満足できる核磁気共鳴(NMR)スペ
クトルを有し;検査した場合に、HPLCによって実質的に
純粋であった; (vii)収率は説明のためにのみ記載するものであり、
必ずしも、入念なプロセス展開によって得られる収率と
は限らない;さらに多量の物質が必要である場合には、
製造を繰り返した; (viii)記載する場合のNMRデータは内部基準としての
テトラメチルシラン(TMS)に対してppmで記載した主要
判定用(diagnostic)プロトンのデルタ値の形式であ
り、溶媒としてDMSO−d6を用いて250MHzにおいて測定す
る;シグナル形状に関する通常の略号を用いる;ABスペ
クトルに関しては、直接観察されるシフトを報告する; (ix)化学記号はそれらの通常の意味を有し;SI単位と
記号を用いる; (x)減圧は絶対圧力(パスカル(Pa))として記載
し、高圧はゲージ圧力(バール)として記載する; (xi)溶媒比は容量:容量(v/v)として記載する; (xii)質量スペクトル(MS)は直接暴露プローブを用
いて、化学イオン化形式で70電子ボルトの電子エネルギ
ーによって実施した;指示する場合には、イオン化を電
子衝撃(EI)又は迅速原子衝突(FAB)によって実施し
た;一般に親質量(parent mass)を指示するピークの
み報告する。
(xiii)単離した物質中の式IのSSS:SSRジアステレオ
マーの比を算出するために、Hypersil C18、3μm、1
0cmx4.6cmカラムと、0.02Mテトラブチルアンモニウムホ
スフェート/アセトニトリル(75:25)(pH7.5)の移動
相とを用いて、HPLCを実施した。流量は1.5ml/分であ
り、注入量はバルブによって20μlであり、検出波長は
254nmであった。SSSジアステレオマーの保持時間は典型
的に12〜13分間であり、SSRジアステレオマーでは、典
型的に20〜21分間である。或いは、SUPELCO LC−18逆
相カラム(25cmx4.6mm)を、溶離剤として水:アセトニ
トリル(60:40)、1.0ml/分の流量で用いることができ
る。
実施例1 約85:15のSSS:SSR比のSSSジアステレオマーとSSRジア
ステレオマーとの結晶性ジアステレオマー混合物(0.67
g)をトルエン(4.5ml)に加えて、80℃に加熱して、透
明な溶液を得た。この溶液を55℃に30分間にわたって冷
却して、これに純粋なSSSジアステレオマーを接種し
た。次に、この溶液を1時間にわたって25℃に冷却し、
次に氷浴でさらに1時間冷却した。濾過によって結晶性
生成物を回収し、冷トルエン(2ml)で洗浄し、50℃で
乾燥した。この操作を繰り返し、HPLC分析によって2%
より少ないSSRジアステレオマーを含有する式Iの結晶
性SSSジアステレオマー(0.43g)を得た;25[α]−9
0゜(c=1.50 エタノール中); m.p.147.5−148.5℃;NMR(d6−DMSO):0.92(m,12
H),1.75(m,1H),1.81−2.15(m,5H),3.61(m,1H),
3.80(s,3H),3.91(m,1H),4.44(m,2H),4.62(t,1
H),6.96(d,2H),7.91(d,2H),8.34(d,1H),8.60
(d,1H); NMR(d6−DMSO/D2O):0.75(d,3H),0.89(m,9H),1.70
−2.19(m,6H),3.56(m,1H),3.75(s,3H),3.84(m,1
H),3.98(d,1H),4.37(m,2H),6.94(d,2H),7.76
(d,2H); マススペクトル(化学イオン化):500(M+H);微量
分析,実測値:C,57.72;H,6.62;N,8.36%; C24H32F3N3
O5 計測値:C,57.70;H,6.45;N,8.41% 示差走査カロリーメトリーを用いて、この物質を約149.
5℃において初期変化を示し、約151℃においてピークを
示した。
[76;24のSSS:SSR比の結晶性ジアステレオマー混合物を
用いて、トルエンからの再結晶2回によって同様な結果
を得た。
溶媒として酢酸エチルとヘキサンとの混合物を用いても
また同様な結果を得た。SSSとSSRジアステレオマーとの
結晶性ジアステレオマー混合物は、酢酸エチルで溶解
し、容量を蒸留によって減じ、熱溶液(60℃)をヘキサ
ンで希釈し、透明な溶液を維持した。この溶液を50℃に
冷却し、純粋なSSSジアステレオマーを接種し、冷却し
た。用いた出発物質と溶媒の割合は、実施例5で用いた
割合と同様であった。] 出発物質として用いたSSSとSSRジアステレオマーとの
結晶性ジアステレオマー混合物は、以下の実施例4及び
5に記載されたように得た。
実施例2 t−ブタノール(205ml)と水(255ml)との混合物中
の(S)−1−[(S)−2−(4−メトキシベンズア
ミド)−3−メチルブチリル]−N−[(S)−2−メ
チル−1−((R)−2,2,2−トリフルオロ−1−ヒド
ロキシエチル)プロピル]−ピロリジン−2−カルボキ
サミド(25.7g)の溶液に、0.6M水酸化ナトリウム溶液
(260ml)を0℃において加えた。水(385ml)中の過マ
ンガン酸カリウム(24.2g)の溶液を1時間にわたって
撹拌しながら滴加し、生じた反応混合物を0℃において
さらに1時間撹拌した。次に、メタノール(100ml)を
加え、混合物を0℃においてさらに2時間撹拌した。反
応混合物をケイソウ土を通して濾過し、依然冷却された
濾液を1M塩酸(200ml)で酸性化すると、多量の白色沈
殿物の形成を生じた。この混合物に、固体の塩化ナトリ
ウムを飽和点まで加え、次にジエチルエーテル(200m
l)と酢酸エチル(200ml)を加えた。この混合物を、全
ての固体が溶解するまで撹拌した。有機相を分離し、水
層をジエチルエーテル:酢酸エチル(1:1)で抽出し
た。一緒にした有機相をブラインで洗浄し、乾燥(MgSO
4)させ、溶媒を真空蒸発によって取り除いた。生じた
泡を温トルエン(150ml)で溶解し、周囲温度において1
6時間放置した。結晶化した固体は、濾過によって回収
し、ジエチルエーテルで洗浄し、40℃において3時間真
空乾燥させて、<0.5%の式IのSSRジアステレオマーを
含有する式Iの結晶性SSSジアステレオマー(16.5g);
m.p.149−151℃を得た。(濾液の磨砕により、SSSジア
ステレオマーの付加的な生成物(6.24g)の回収を生じ
た。) ジエチルエーテルをトルエンの代わりに結晶化の溶媒
として用いた場合に、同様に純度の結晶性SSSジアステ
レオマーを無水形と水和形との混合物(比 1:1)とし
て得た;m.p.116℃;微量分析,実測値:C,56.48;H,6.49;
N,8.20%; C24H32F3N3O5・0.5H2O 計測値:C,56.68;H,
6.54;N,8.26%。
出発物質のアミノアルコールを次のように得た: (i)塩化メチレン(300ml)中のN−ベンジルオキシ
カルボニル−L−バリル−L−プロリンtert−ブチルエ
ステル(80.0g)の混合物に、トリフルオロ酢酸(200m
l)を0℃において約30分間にわたって加えた。0℃に
おいて1時間撹拌した後、反応混合物を周囲温度に上昇
させ、さらに3時間撹拌した。次に、反応混合物を真空
濃縮し、トルエンから4回再濃縮し、残りのトリフルオ
ロ酢酸を除去した。生じた粘稠な油状物を16時間真空乾
燥させた。粗生成物を溶離液として塩化メチレンを用い
て、シリカゲル上クロマトグラフィーによって生成し、
淡黄色の粘稠油状物として、N−ベンジルオキシカルボ
ニル−L−バリル−L−プロリン(A)(63.6g)を得
た。
NMR(d6−DMSO):0.92(2d,6H),1.65−2.05(m,4
H),2.25(m,1H),3.60(m,1H),3.80(m,1H),4.05(d
d,1H),4.25(m,1H),5.02(2d,2H),7.35(m,5H),7.5
0(d,1H). (ii)テトラヒドロフラン(THF;550ml)中の化合物A
の撹拌溶液にN−メチルモルホリン(16.6ml)を一度に
加え、この溶液を−35℃に冷却した。この冷却した溶液
にイソブチルクロロホルメート(18.9ml)を滴加した。
添加の終了時に、反応混合物を1時間撹拌し、次に、TH
F(160ml)中の2(R),3(S)−3−アミノ−4−メ
チル−1,1,1−トリフルオロ−2−ペンタノール(24.5
g)の溶液を30分間にわたって滴加した。この反応混合
物を−35℃においてさらに1時間撹拌し、次に、周囲温
度まで温度上昇させ、16時間撹拌した。混合物を濾過
し、濾液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液によって2回
洗浄した。水層をジエチルエーテルによって2回抽出
し、一緒にした有機層をブラインによって洗浄し、乾燥
させた。溶媒を蒸発によって除去し、粗生成物を溶離剤
として塩化メチレン:トルエン(9:1)を用いるシリカ
クロマトグラフィーによって精製して、(S)−1−
[(S)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−
3−メチルブチリル]−N−[(S)−2−メチル−1
−[(R)−2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエ
チル)プロピル]ピロリジン−2−カルボキサミド(5
5.1g)(B)を無色泡状物として得た; NMR(300MHz,d6−DMSO):0.90(9m,12H),1.63−2.03
(m,5H),3.55(m,1H),3.75(m,2H),4.07(m,2H),4.
45(m,1H),5.02(2d,2H),7.35(m,5H),7.45(d,1
H),7.65(d,1H). (iii)エタノール(300ml)中の化合物B(55g)の溶
液を55psiの水素圧下、炭素担体付き10%パラジウム触
媒(5.5g)上で3時間にわたって水素化した。反応混合
物をケイソウ土に通して濾過して、濾液を真空濃縮し
て、粘稠な油状物を得た。この油状物にジエチルエーテ
ル(250ml)を加えて16時間磨砕し、得られた固体を濾
過によって回収して、(S)−1−[(S)−2−アミ
ノ−3−メチルブチリル]−N−[(S)−2−メチル
−1−[(R)−2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキ
シエチル)プロピル]ピロリジン−2−カルボキサミド
(C)(25.6g)を白色固体として得た; NMR(300MHz,d6−DMSO):0.75−0.97(m,12H),1.42
(s,1H),1.65−2.0(m,5H),2.78,3.20(各d,総1H),
3.45,3.60(各m,総1H),3.82(m,1H),4.10(m,1H),4.
45,4.57(各m,総1H),6.45(br d,1H),7.45,7.60(各
d,総1H). (iv)化合物(C)をTHF(350ml)中に懸濁させ、粉状
炭酸ナトリウム(18.5g)を加えた。この混合物を−5
℃に冷却し、THF(50ml)中の塩化アニソイル(11.9g)
の溶液を撹拌しながら加えた。この反応混合物を0℃に
おいてさらに2時間撹拌してから、周囲温度まで温度上
昇させた。反応混合物を濾過し、濾液を1M塩酸溶液(20
ml)によって酸性化し、水によって洗浄した。水層をジ
エチルエーテルによって2回抽出し、一緒にした有機層
を50%飽和炭酸水素ナトリウム溶液、ブラインによって
洗浄し、乾燥させた。溶媒を蒸発によって除去して、無
色泡状物を得た。この泡状物にジエチルエーテルを加え
て磨砕し、得られた固体を濾過によって回収し、40℃に
おいて3時間真空乾燥させて、(S)−1−[(S)−
2−(4−メトキシベンズアミド)−3−メチルブチリ
ル]−N−[(S)−2−メチル−1−[(R)−2,2,
2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル)プロピル]
ピロリジン−2−カルボキサミドを白色固体として得
た、m.p.168〜170℃; NMR(300MHz,d6−DMSO):0.82−1.05(m,12H),1.65
−2.05(3m,5H),2.05−2.25(m,1H),3.60(m,1H),3.
82(s,3H+t,1H),3.93(m,1H),4.12(m,1H),4.45
(m,2H),6.45(d,1H),6.98(d,2H),7.65(d,1H),7.
90(d,2H),8.35(d,1H). 2(R),3(S)−3−アミノ−4−メチル−1,1,1−
トリフルオロ−2−ペンタノールを次のように製造し
た: エタノール(200ml)中のD−(−)酒石酸(50.7g)
の溶液を、エタノール(200ml)中の2(RS),3(SR)
−3−アミノ−4−メチル−1,1,1−トリフルオロ−2
−ペンタノール(57.8g)の溶液に加えた。この溶液を
高温であるときに濾過し、周囲温度において16時間放置
した。分離した白色固体を濾過によって回収し、少量の
冷エタノールによって洗浄した。固体を真空乾燥させ、
熱エタノールから3回再結晶して、2(R),3(S)−
3−アミノ−4−メチル−1,1,1−トリフルオロ−2−
ペンタノール D−(−)酒石酸塩(8.3g)を得た;m.
p.135〜137℃。
或いは、次の方法を用いることができる: (i)トルエン(250ml)及び2M水酸化ナトリウム溶液
(350ml)中の2(RS),3(SR)−3−アミノ−4−メ
チル−1,1,1−トリフルオロ−2−ペンタノールヘミシ
ュウ酸塩(50g)の充分に撹拌された混合物に、トリホ
スゲン(23g)を一度に加えた。反応は発熱し始めたの
で、氷浴に入れた。0.5時間後に、反応を25℃に加温し
て、TLCは実質的な量の未反応アミンが存在することを
示した。50%水酸化ナトリウム溶液を用いて、この溶液
のpHを約12に再調節した。追加部分のトリホスゲン(8
g)を加えて、溶液を1時間撹拌した。1M塩酸を用い
て、反応混合物のpHを7に低下させ、この反応混合物を
エーテルによって2回抽出した。一緒にしたエーテル層
を水、ブラインによって洗浄し、乾燥させた(MgS
O4)。溶媒を蒸発によって除去して油状物を得、これは
放置中に結晶化した。生じた固体を濾過によって回収
し、エーテル:ヘキサン(1:1)によって洗浄して、4
(RS),5(SR)−4−イソプロピル−5−トリフルオロ
メチル−2−オキサゾリジノン(27g)を白色固体とし
て得た、m.p.71〜72℃; 1H NMR(300MHz,DMSO):8.45(s,1H),5.11(m,1H),
3.61(m,1H),1.72(m,1H),0.86(d,6H). (ii)THF(600ml)中の4(RS),5(SR)−4−イソプ
ロピル−5−トリフルオロメチル−2−オキサゾリジノ
ン(35.8g)の溶液に、−78℃においてn−ブチルリチ
ウム(ヘキサン中10M溶液,20ml)を加え、次いで、0.5
時間撹拌した。(−)−メンチルクロロホルメート(41
ml,新たに蒸留)を加えた後に、−78℃において0.5時間
連続的に撹拌した。溶液を25℃に加温し、飽和炭酸水素
ナトリウム水溶液を添加して、反応を停止させた(quen
ched)。生成物をエーテル中に抽出し、水及びブライン
によって洗浄した。溶液を乾燥させ(MgSO4)、溶媒を
真空下で除去した。生じた油状物は放置すると結晶化し
て、固体となり、これを濾過によって回収した。この固
体をエーテル:ヘキサン(1:1)によって洗浄し、乾燥
させて、4(S),5(R)−4−イソプロピル−3−
[1(R),2(S),5(R)−メンチルオキシカルボニ
ル]−5−トリフルオロメチル−2−オキサゾリジノン
(23.15g)を得た m.p.138−140℃;1H NMR(300MHz,DMSO):5.51(dd,1
H),4.68(m,1H),4.26(m,1H),2.27(m,1H),1.94
(d,1H),1.78(m,1H),1.62(d,2H),1.42(m,2H),1.
01(dd,2H),0.95−0.84(m,24H),0.71(d,3H);19FNM
R(376.5MHz,DMSO):−76.9910;99%d.e. (母液からさらに生成物4.3g(99%d.e.)が得られ
た)。[注釈:4(R),5(S)異性体はm.p.80〜82℃と
19F NMR(376.5MHz,DMSO):−77.0019とを有する]。
(iii)ジオキサン(70ml)と50%水酸化カリウム溶液
(80ml)中の4(S),5(R)−4−イソプロピル−3
−[1(R),2(S),5(R)−メンチルオキシカルボ
ニル]−5−トリフルオロメチル−2−オキサゾリジノ
ン(27g)の溶液を100℃において2日間加熱した。反応
を冷却し、エーテル(400ml)で希釈し、有機層を分離
した。6M塩酸を用いて、この水溶液のpHを9(最初は、
約14)に調節した。水層をエーテル(300ml)によって
3回抽出した。有機層を一緒にして、乾燥させ(MgS
O4)、アセトニトリル(100ml)中のシュウ酸2水和物
(4.5g)の充分に撹拌した溶液に加えた。沈殿した固体
を濾過によって回収し、エーテルによって洗浄し、真空
乾燥させて(60℃)、白色固体(15.9g)を得た。固体
にエーテル(300ml)を加えて磨砕し、濾過によって回
収し、乾燥させて、2(R),3(S)−3−アミノ−4
−メチル−1,1,1−トリフルオロ−2−ペンタノールヘ
ミシュウ酸塩(13.4g,88%収率)を白色固体として得
た、m.p.184〜186℃; 1H NMR(300MHz,DMSO):5.71(bs,3H),4.08(ddd,1
H),2.88(m,1H),1.81(m,1H),0.92(m,6H); C6H12F3NO・0.5C2H2O4の分析値:C,38.89;N,6.06;N,6.4
8;実測値:C,38.75;H,5.95;N,6.47。
実施例3 約1:1の比の式IのSSS:SSRジアステレオマーの非結晶
性(非晶質)ジアステレオマー混合物(泡状物又は油状
物)(0.5g)をジエチルエーテル(2.5ml)に溶解し、
実質的に純粋なSSSジアステレオマーの結晶を接種し、1
6時間放置した。結晶化した固体を濾過によって回収
し、ジエチルエーテルによって洗浄し、乾燥させて、SS
Rジアステレオマーを含む結晶性SSSジアステレオマーを
30〜45%の収率で得た(SSS:SSRの比88:12;無水形:水
和形の比1:1)。(SSS:SSR3:2の非結晶性ジアステレオ
マー混合物を用いた場合にも、同様な結果が得られ
た。) 実施例4 式IのSSSジアステレオマーとSSRジアステレオマーと
の非結晶性ジアステレオマー混合物(SSS:SSRの比48.5:
51.5;5.18g)をtert−ブチルメチルエーテル(23ml)中
に溶解し、N−メチルモルホリン(1.3ml)を加えた。
混合物を還流加熱し、100〜120℃の沸点を有する炭化水
素混合物(ESSOCHEM 30;60ml)を反応混合物の温度を9
8℃に維持しながら徐々に加えた。留出物25mlを回収し
た後に、温度を70℃に低下させ、実質的に純粋なSSSジ
アステレオマーの少量の種結晶を加えた。反応混合物を
70℃において1時間、60℃においてさらに1時間撹拌
し、最終的に周囲温度において16時間撹拌した。生じた
結晶性固体を濾過によって回収し、ESSOCHEM30によって
洗浄し、乾燥させて、76:24のSSS:SSRの比を有する、SS
SジアステレオマーとSSRジアステレオマーとの結晶性混
合物(4.8g)を得た。この物質を撹拌しながら、水(17
ml)に加え、2M塩酸(2ml)を加えた。周囲温度におい
て90分間撹拌した後に、結晶性固体を濾過によって回収
し、水によって洗浄し、乾燥させた(3.88g)。(これ
はHPLCによって同じSSS:SSR比を有することが判明し
た。) 同様な操作を用いると、但し、実質的に純粋なSSSジ
アステレオマーの種結晶を加える前に、溶液を65℃に冷
却し、65℃において撹拌し、次に各温度において1時間
維持しながら10度ずつ段階的に冷却し、最終的に周囲温
度において16時間撹拌すると、式IのSSSジアステレオ
マーとSSRジアステレオマーとの結晶性混合物(SSS:SSR
比,85:15)が約85%の収率で得られた。
実施例5 酢酸エチル(200ml)中の式IのSSSジアステレオマー
とSSRジアステレオマーとの非結晶性(非晶質)ジアス
テレオマー混合物(29.4g)を大気圧において蒸留し、
留出物100mlを取り出した。次に、さらに酢酸エチル(1
66ml)を加えて、溶液を大気圧において再び蒸留して、
留出物(166ml)を取り出した。次に、この操作を繰り
返した。次に、この溶液を60℃に冷却し、ヘキサン(16
6ml)を60℃において30分間にわたって加えて、透明な
溶液を得た。この溶液を50℃に冷却し、実質的に純粋な
結晶性SSSジアステレオマー(0.1g)を接種し、周囲温
度に18時間冷却した。この混合物を0℃においてさらに
18時間撹拌し、20℃に加温し、さらにヘキサン(33ml)
を10分間にわたって加えた。周囲温度において3時間撹
拌した後に、さらにヘキサン(50ml)を加え、混合物を
周囲温度においてさらに18時間撹拌した。結晶性生成物
を濾過によって回収し、真空下で4時間乾燥させて、HP
LCによって85:15のSSS:SSRの比を有するSSSジアステレ
オマーとSSRジアステレオマーとの結晶性混合物を得た
(39%収率)。
[同様な操作を用いて、但し、蒸留の前(又は後)にN
−メチルモルホリン(0.8ml)を酢酸エチルに加え、濾
過した結晶性生成物を希塩酸によって、次に水によって
洗浄して(真空下での乾燥前に)、同様のSSS:SSR比を
有する、SSSジアステレオマーとSSRジアステレオマーと
の結晶性混合物を60%の収率で得た。] 実施例6 実施例5の操作を用いて得た、85:15のSSS:SSRの比を
有するSSSジアステレオマーとSSRジアステレオマーとの
結晶性混合物(10g)をアセトン(15ml)中でスラリー
化し、40℃に加温した。水(10ml)を加え、混合物を55
〜60℃に90分間加熱した。この濁った溶液を35〜40℃に
冷却し、さらに水(5ml)を加えた。混合物を周囲温度
に冷却させ、16時間撹拌した。結晶性固体を濾過によっ
て回収し、この操作を繰り返した。生じた結晶性固体を
真空下、40℃において乾燥させて、6.69%の水含量を有
する水和形で結晶性SSSジアステレオマー(2%未満のS
SRジアステレオマーを含有)を得た(75%収率)。この
結晶物質のDSCサーモグラム(thermogram)(加熱速度
2℃/分)は約91〜92℃で開始する吸熱イベントを示
し、次に約109〜110℃で開始する発熱イベントを示し、
次に約148〜149℃においてさらに吸熱イベントを示す。
このデータは、TGAデータ及び19F NMRスペクトルデー
タと共に、この結晶形が実質的に、6.73%の理論的(算
出)水含量を有する、gem−ジオール(式I b)の1水和
物であることを示す。
実施例3、4及び5に出発物質として用いる、SSSジ
アステレオマーとSSRジアステレオマーとの非結晶性ジ
アステレオマーは下記の操作1又は操作2を用いて得
た: 操作1 (i)メタノール(300ml)中のN−ベンジルオキシカ
ルボニル−L−バリル−L−プロリンtert−ブチルエス
テル(20g)の溶液を炭素担体付き10%パラジウム触媒
(2g)上で50psiにおいて12時間にわたって水素化し
た。反応混合物を次にケイソウ土に通して濾過して、フ
ィルターケーキをメタノールによって洗浄した。濾液を
蒸発させて、L−バリル−L−プロリンtert−ブチルエ
ステル(A)(12g)を油状物として得た; NMR(300MHz,d6−DMSO):0.80(d,3H),0.92(d,3
H),1.74(s,9H),1.79−2.15(m,5H),3.22(d,1H),
3.30(bs,2H),3.40(m,1H),3.62(m,1H),4.16(dd,1
H). (ii)エステル(A)(12.5g)をテトラヒドロフラン
(THF;100ml)中に溶解し、0℃に冷却した。THF(200m
l)中の塩化アニソイル(8.37g)の溶液を撹拌しながら
加え、次にトリエチルアミン(18ml)を加えた。1時間
後に、揮発性物質を蒸発によって除去した。生じた物質
を酢酸エチルで希釈し、水、飽和塩化アンモニウム溶
液、飽和炭酸水素ナトリウム溶液及びブラインによって
連続的に洗浄した。有機溶液を乾燥させ(Na2SO4)、溶
媒を蒸発によって除去した。生じた物質を溶離剤として
メタノール:塩化メチレン(3:97)を用いるシリカクロ
マトグラフィーによって精製して、N−(4−メトキシ
ベンゾイル)−L−バリル−L−プロリンtert−ブチル
エステル(B)を泡状物として得た; NMR(300MHz,d6−DMSO):0.94(d,3H),0.99(d,3
H),1.30(s,9H),1.76(m,1H),1.80(m,2H),2.13
(m,2H),3.61(m,1H),3.80(s,3H),3.93(m,1H),4.
17(dd,1H),4.46(t,1H),6.96(d,2H),7.90(d,2
H),8.35(d,1H). (iii)エステル(B)(7.13g)をトリフルオロ酢酸
(85ml)中に溶解し、生じた溶液を30分間撹拌した。揮
発性物質を蒸発によって除去し、残渣を酢酸エチル中に
溶解し、水によって洗浄した。有機層を乾燥させ(Na2S
O4)、溶媒を蒸発によって除去した。生じた物質をメタ
ノール:塩化メチレン:酢酸(97:2:1)によって溶出さ
せるシリカクロマトグラフィーによって精製して、N−
(4−メトキシベンゾイル)−L−バリル−L−プロリ
ン(6.5g)(C)を得て、これをさらに精製することな
く用いた; NMR(300MHz;d6−DMSO):0.87(d,3H),0.99(d,3
H),1.88(m,3H),2.15(m,2H),3.64(m,1H),3.80
(s,3H),3.97(m,1H),4.24(dd,1H),4.44(t,1H),
6.96(d,2H),7.90(d,2H),8.37(d,1H). (iv)化合物(C)(7.1g)、2(RS),3(SR)−3−
アミノ−4−メチル−1,1,1−トリフルオロ−2−ペン
タノール(3.8g,遊離塩基)及びN−ヒドロキシベンゾ
トリアゾール水和物(5.5g)をジメチルホルムアミド
(DMF;40ml)中に溶解し、トリエチルアミン(7.1ml)
を撹拌しながら加えた。次に、1−(3−ジメチルアミ
ノプロピル)−3−エチルカルボジイミド(5.9g)を加
え、生じた混合物を12時間撹拌した。反応混合物を酢酸
エチルによって希釈し、1M塩酸(2回)と、水と、1M水
酸化ナトリウム溶液と、ブラインとによって洗浄した。
有機溶液を乾燥させ、溶媒を蒸発によって除去した。生
じた物質をシリカクロマトグラフィー(勾配溶離,酢酸
エチル:塩化メチレン(30:70)からメタノール:塩化
メチレン(5:95)まで)によって精製して、(S)−1
−[(S)−2−(4−メトキシベンズアミド)−3−
メチルブチリル]−N−[2−メチル−1−(2,2,2−
トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル)プロピル]ピロ
リジン−2−カルボキサミド(6.6g)(D)を白色泡状
物として得た; NMR(d6−DMSO):0.93(m,12H),1.73−2.15(m,6
H),3.62(m,1H),3.76(m,3H),4.10(m,1H),442(m,
2H),6.41(d,1H),6.57(d,1H),6.98(d,2H),7.24
(d,1H),7.61(d,1H),7.87(d,2H),8.33(t,1H). (v)0.6M水酸化ナトリウム溶液(10ml)をtert−ブチ
ルアルコール(8ml)と水(10ml)中のアミノアルコー
ル(D)(1.0g)の溶液に加えて、この混合物を5℃に
冷却した。次に、温度を10℃未満に維持しながら、水
(20ml)中の過マンガン酸カリウム(1.0g)の溶液を加
えた。2時間後に、メタノール(4ml)を加え、紫色が
消失するまで、反応混合物を撹拌した。次に、反応混合
物をケイソウ土に通して濾過し、固体の塩化ナトリウム
(11g)を濾液に加えた。混合物をtert−ブチルメチル
エーテルによって抽出して、水相をtert−ブチルメチル
エーテルとメチルエチルケトンとの混合物によって洗浄
した。一緒にした有機抽出物を飽和炭酸水素ナトリウム
溶液と、0.5M塩酸と、水とによって洗浄して、次に、乾
燥させた。溶媒を蒸発によって除去し、式IのSSSジア
ステレオマーとSSRジアステレオマーとのジアステレオ
マーの混合物を泡状物として得た(SSS:SSR比,3:2)。
或いは、工程(v)を次のように製造した: DMSO(30ml)とトルエン(30ml)中の(S)−1−
[(S)−2−(4−メトキシベンズアミド)−3−メ
チルブチル]−N−[2−メチル−1−(2,2,2−トリ
フルオロ−1−ヒドロキシエチル)プロピル]ピロリジ
ン−2−カルボキサミド(6.6g)の冷溶液に1−(3−
ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド
(12.6g)を加え、次にジクロロ酢酸(2.2ml)を加え
た。反応を周囲温度に加温し、全体で2.5時間撹拌し
た。反応混合物を酢酸エチル中に注入し、1M塩酸溶液
と、飽和炭酸水素ナトリウムと、ブラインとによって洗
浄した。溶液を乾燥させ(MgSO4)、溶媒を蒸発によっ
て除去して、式IのSSSジアステレオマーとSSRジアステ
レオマーとの混合物を油状物として得た。
操作2 (i)THF(850ml)中のL−バリル−L−プロリン塩酸
塩(34g)の混合物にN−メチルモルホリン(46ml)を
加えた後に、温度を30℃未満に維持しながら、トリメチ
ルクロロシラン(41ml)を加えた。混合物を2時間撹拌
し、次に0℃に冷却した。さらに、N−メチルモルホリ
ン(16.5ml)を加えた後に、温度を5℃未満に維持しな
がら、THF(25ml)中の塩化4−アニソイル(18ml)の
溶液を加えた。15分間後に、混合物を濾過し、濾液を真
空中で濃縮して、黄色油状物を得た。この油状物を酢酸
エチル(100ml)中に溶解して、飽和炭酸水素カリウム
溶液(100ml)によってpH7〜8に塩基性化した。水層を
分離し、酢酸エチル(50ml)によって洗浄した。次に、
水層を2M塩酸溶液によってpH2〜3に酸性化し、酢酸エ
チル(150ml)によって抽出した。有機抽出物を真空濃
縮して、トルエン(150ml)を加えた。溶液を再び、約5
0mlのトルエンが回収されるまで、真空濃縮した。次
に、この溶液をヘキサン(400ml)に撹拌しながら滴加
して、白色固体を得て、これを濾過して、ヘキサンで洗
浄し、真空乾燥させて、上記操作1,工程(iii)に記載
したNMRと同様なNMRを有するN−(4−メトキシベンゾ
イル)−L−バリル−L−プロリン(40g)を得た。
(ii)THF(100ml)とメチルtert−ブチルエーテル(15
0ml)中のN−(4−メトキシベンゾイル)−L−バリ
ル−L−プロリン(34.8g)の溶液に、N−メチルモル
ホリン(36.8ml)を加え、混合物を−5℃に冷却した。
メチルtert−ブチルエーテル(30ml)中のイソブチルク
ロロホルメート(14.4ml)の溶液を30分間にわたって加
え、この添加中に温度を−5℃に維持した。反応混合物
を−5℃においてさらに30分間撹拌し、次に、2(R
S),3(SR)−3−アミノ−4−メチル−1,1,1−トリフ
ルオロ−2−ペンタノールシュウ酸塩(22.3g)を加
え、混合物の温度を1時間にわたって20℃に上昇させ
た。水(100ml)と炭酸水素ナトリウム(5g)とを加
え、混合物を10分間撹拌した。有機相を分離し、2Mの塩
酸溶液(50ml)、ブラインで洗浄して、50℃未満の温度
において減圧下で蒸発させて、上記操作1,工程(iv)に
記載したNMRと同様なNMRを有する(S)−1−[(S)
−2−(4−メトキシベンズアミド)−3−メチルブチ
リル]−N−[2−メチル−1−(2,2,2−トリフルオ
ロ−1−ヒドロキシエチル)プロピル]ピリジン−2−
カルボキサミド(42g)を泡状物として得た。
(iii)tert−ブタノール(340ml)中の(S)−1−
[(S)−2−(4−メトキシベンズアミド)−3−メ
チルブチリル]−N−[2−メチル−1−(2,2,2−ト
リフルオロ−1−ヒドロキシエチル)プロピル]−ピロ
リジン−2−カルボキサミド(42g)の溶液に、tert−
ブタノール(60ml)、水(360ml)及び48%w/w水酸化ナ
トリウム溶液(13.9ml)を加えた。この溶液を5℃に冷
却し、水(750ml)中の過マンガン酸カリウム(40.1g)
の溶液を5〜10℃において1時間にわたって加えた。反
応混合物をさらに1時間、この温度において撹拌し、次
に、メタノール(100ml)を加え、混合物を5〜10℃に
おいて2時間にわたって撹拌した。反応混合物をケイソ
ウ土に通して濾過し、フィルターケーキを水(60ml)に
よって洗浄した。塩化ナトリウム(400g)とメチルtert
−ブチルエーテル(200ml)とを濾液に加え、混合物を1
0分間撹拌し、有機相を分離した。水相をメチルtert−
ブチルエーテル(50ml)によって抽出し、一緒にした有
機層を2M塩酸と、水と、炭酸水素ナトリウム溶液と、ブ
ラインとによって連続的に洗浄した。有機溶液を乾燥さ
せ(MgSO4)、揮発性物質を蒸発によって除去して、式
IのSSSジアステレオマーとSSRジアステレオマーとのジ
アステレオマー混合物(SSS:SSR比,約1:1)を泡状物と
して得た。
操作1,工程(iv)と操作2,工程(ii)に用いる2(R
S),3(SR)−3−アミノ−4−メチル−1,1,1−トリフ
ルオロ−2−ペンタノールは、米国特許第4,910,190号
に記載の通りに得ることができ、又は(この代わりに用
いることができるジアステレオマー混合物として)3−
アミノ−4−メチル−1,1,1−トリフルオロ−2−ペン
タノールは次のように得ることができる: (i)DMF(810ml)中の尿素(72g)の溶液を亜硝酸ナ
トリウム(90g)に加え、10分間撹拌した後に、15℃に
冷却した。ヨウ化イソブチル(97.2ml)を30分間にわた
って加えて、反応混合物を周囲温度において20時間撹拌
した。この混合物を15℃に再冷却し、水(810ml)を徐
々に加えた。混合物を周囲温度において5分間撹拌し、
次にメチルtert−ブチルエーテルによって2回抽出し
た。一緒にした有機抽出物を20%チオ硫酸ナトリウム水
溶液によって2回洗浄し、真空濃縮して、2−メチル−
1−ニトロプロパン(39g)を得て、これをもはや精製
せずに用いた。
(ii)3Aモレキュラーシーブ(27.04g)を真空下で120
℃において20時間加熱し、メチルtert−ブチルエーテル
(420ml)中の2−メチル−1−ニトロプロパン(13.0
g)の溶液に加えた。混合物を5分間撹拌し、炭酸カリ
ウム(64.5g)を加え、混合物をさらに30分間撹拌し
た。混合物を15℃に冷却し、フルオラール水和物(22.0
g)を30分間にわたって加えた。反応混合物を周囲温度
において16時間撹拌し、次に、15℃に冷却し、水(270m
l)を加えた。周囲温度において5分間撹拌した後に、
有機相を分離し、10%炭酸カリウム水溶液と、2M塩酸溶
液と、水とによって洗浄した。次に、溶媒を40℃未満の
温度で減圧下での蒸発によって除去し、油状物をイソプ
ロピルアルコールと共に、50℃未満の温度において乾式
共沸蒸留させて、4−メチル−3−ニトロ−1,1,1−ト
リフルオロ−2−ペンタノール(21.3g)を油状物とし
て得て、これはもはや精製せずに用いた。
(iii)イソプロパノール(115ml)と酢酸(0.43ml)中
の4−メチル−3−ニトロ−1,1,1−トリフルオロ−2
−ペンタノール(17.1g)の溶液を炭素担体付き10%パ
ラジウム(2.4g)上で、水素の吸収が完了するまで、3.
5bargの圧力で水素化した。ケイソウ土に通しての濾過
によって触媒を除去し、フィルターケーキをイソプロパ
ノールによって洗浄した。イソプロパノールがもはや留
出されなくなるまで、濾液を真空蒸発させ、残渣をアセ
トニトリル(40ml)中に溶解した。アセトニトリル(80
ml)中のシュウ酸(3.94g)の溶液を撹拌しながら加
え、混合物を5℃に冷却した。結晶化した生成物を濾過
によって回収し、冷アセトニトリルによって洗浄し、50
℃において乾燥させ、3−アミノ−4−メチル−1,1,1
−トリフルオロ−2−ペンタノールをそのシュウ酸塩
(9.08g)として得た。
SSSとSSRジアステレオマーの非晶質ジアステレオマー混
合物 Cbz=ベンジルオキシカルボニル 適当な試薬を次に挙げる: (a)トリフルオロ酢酸 (b)イソブチルクロロホルメート、N−メチルモルホ
リン、THF (c)炭素、炭素担体付き10%パラジウム、エタノール (d)塩化アニソイル、炭酸ナトリウム、THF (e)KMnO4、NaOH、tert−ブタノール、水又は1−
(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジ
イミド、Cl2CH・CO2H、DMSO、トルエン。
SSSとSSRジアステレオマーの 非晶質ジアステレオマー混合物 Cbz=ベンジルオキシカルボニル
フロントページの続き (72)発明者 ディヴィーズ,エルウィン・ピーター イギリス国チェシャー エスケイ10 4 ティージー,マックレスフィールド,オ ルダリー・パーク(番地なし) (72)発明者 ヴェール,クリス・アラン アメリカ合衆国デラウェア州19897,ウ ィルミントン,コンコード・パイク 1800,ゼネカ・インコーポレーテッド (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07K 1/14 - 5/12 A61K 38/06

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式I: で示される化合物の結晶形又はその結晶性水和形であっ
    て、*と#とによって標識されるキラル中心においてS
    立体配置を有するジアステレオマーの75%以上の含量な
    らびに*によって標識されるキラル中心においてS立体
    配置を有し#によって標識されるキラル中心においてR
    立体配置を有するジアステレオマーの25%以下の含量を
    有する、結晶形又はその結晶性水和形。
  2. 【請求項2】*と#とによって標識されるキラル中心に
    おいてS立体配置を有するジアステレオマーの95%以上
    の含量を有する、請求項1記載の結晶形又はその結晶性
    水和形。
  3. 【請求項3】式I b: で示される化合物の結晶形又はその水和形。
  4. 【請求項4】式I: で示される化合物の、*と#とによって標識されるキラ
    ル中心においてS立体配置を有するジアステレオマーの
    結晶形であって、実質的又は本質的に無水形であり、2
    θ=8.95、11.17、11.47、13.86、15.49、17.86、18.2
    2、19.24、21.58及び21.92゜に特定のピークを含むX線
    粉末回析パターンを有する結晶形。
  5. 【請求項5】請求項3記載の結晶形であって、2θ=6.
    62、10.43、13.30、16.17、19.51、21.37及び22.80゜に
    特定のピークを含むX線粉末回析パターンを有する水和
    形。
  6. 【請求項6】式I: で示される化合物の*と#とによって標識されるキラル
    中心においてS立体配置を有するジアステレオマーの結
    晶形であって、実質的に無水形と水和形との1:1混合物
    であり、2θ=6.20、9.81、10.29、12.33、12.44、14.
    22及び17.92゜に特定のピークを含むX線粉末回析パタ
    ーンを有する結晶形。
  7. 【請求項7】147〜151℃の範囲内に融点を有する請求項
    1、2又は4に記載の結晶形。
  8. 【請求項8】約91〜92℃において示差走査カロリーメト
    リー(加熱速度2℃/分)によって測定される吸熱イベ
    ントと、その後に、約109〜110℃において開始する発熱
    イベントと、その後に、約148〜149℃において開始する
    吸熱イベントとを有する、請求項1、2、3又は5に記
    載の結晶形。
  9. 【請求項9】融点116〜117℃を有する請求項1、2又は
    6に記載の結晶形。
  10. 【請求項10】請求項1〜9のいずれか1項に記載の結
    晶形を薬剤学的に許容される希釈剤又はキャリヤーと共
    に含む、急性呼吸困難症候群(ARDS)、慢性関節リウマ
    チ、アテローム性硬化症、肺気腫、慢性気管支炎、のう
    胞性線維症および再灌流障害から選択されるヒト白血球
    エラスターゼが関与する疾患の治療用の薬剤組成物。
  11. 【請求項11】ジエチルエーテル、ジ−n−プロピルエ
    ーテル及びジ−n−ブチルエーテルから選択される溶媒
    中で、又はメチルtert−ブチルエーテルとヘキサンとの
    混合物若しくは酢酸エチルとヘキサンとの混合物である
    溶媒中で、場合により第3級塩基の触媒量の存在下にお
    いて、式Iの実質的にSSSジアステレオマーとSSRジアス
    テレオマー(又はこれらの水和物)の非結晶性混合物の
    溶液から結晶を形成することを含む、請求項1記載の結
    晶形又は水和形の製造方法。
  12. 【請求項12】酢酸エチルより低沸点を有する溶媒中の
    SSSジアステレオマーとSSRジアステレオマー(又はこれ
    らの水和物)の非結晶性混合物の溶液から出発し、この
    溶液に酢酸エチルを加え、この溶液を蒸発又は蒸留によ
    って濃縮してから、ヘキサンを加えることによって変更
    した、請求項11記載の方法。
  13. 【請求項13】メチルtert−ブチルエーテル、ヘキサ
    ン、100〜120℃の範囲内の沸点を有する炭化水素類の混
    合物若しくはこれらの混合物、又は酢酸エチルとヘキサ
    ンとの混合物から選択される溶媒中で、式Iの実質的に
    SSSジアステレオマーとSSRジアステレオマー(又はこれ
    らの水和物)の非結晶性混合物を、N−(C1−C4)アル
    キルモルホリン、N−(C1−C4)アルキルピペリジン、
    ピリジン及びペンタイソプロピルグアニジンから選択さ
    れる塩基と共に加熱し、この溶液を接種し、溶液を冷却
    させることを含む、請求項1記載の式Iの化合物の結晶
    形又は水和形の製造方法。
  14. 【請求項14】トルエン、酢酸エチルとヘキサンとの混
    合物、アセトンと水との混合物、及びtert−ブタノール
    と水との混合物から選択される溶媒を用いる、請求項1
    1、12又は13に記載の方法から得られる生成物を1回以
    上再結晶することを含む、請求項2記載の結晶形又は水
    和形の製造方法。
  15. 【請求項15】式I: で示される化合物の、*と#とによって標識されるキラ
    ル中心においてS立体配置を有するSSSジアステレオマ
    ーと*によって標識されるキラル中心においてS立体配
    置を有し#によって標識されるキラル中心においてR立
    体配置を有するSSRジアステレオマーと(又はこれらの
    水和物)の、非結晶性ジアステレオマー混合物の製造方
    法であって、 (a) N−(4−メトキシベンゾイル)−L−バリル
    −L−プロリン又はその塩を3−アミノ−4−メチル−
    1,1,1−トリフルオロ−2−ペンタノールとカップリン
    グさせて、(S)−1−[(S)−2−(4−メトキシ
    ベンズアミド)−3−メチルブチリル]−N−[2−メ
    チル−1−(2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエ
    チル)プロピル]ピロリジン−2−カルボキサミドを形
    成する工程と; (b) (S)−1−[(S)−2−(4−メトキシベ
    ンズアミド)−3−メチルブチリル]−N−[2−メチ
    ル−1−(2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチ
    ル)プロピル]ピロリジン−2−カルボキサミドを酸化
    する工程とを含む方法。
  16. 【請求項16】化合物N−(4−メトキシベンゾイル)
    −L−バリル−L−プロリン又はその塩。
  17. 【請求項17】請求項16記載の化合物の製造方法であっ
    て (i) L−バリル−L−プロリン又はその塩をトリ
    (C1−C4)アルキルハロゲノシラン又はビス(トリ(C1
    −C4)アルキルシリル)アセトアミドと反応させて、L
    −バリル−L−プロリントリ(C1−C4)アルキルシリル
    エステルを形成する工程と; (ii) L−バリル−L−プロリントリ(C1−C4)アル
    キルシリルエステルを4−メトキシ安息香酸の活性化誘
    導体と反応させて、N−(4−メトキシベンゾイル)−
    L−バリル−L−プロリントリ(C1−C4)アルキルシリ
    ルエステルを形成する工程と; (iii) トリ(C1−C4)アルキルシリル保護基を除去
    する工程と を含む方法。
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