JPH111491A - ペプチド類及びその剤 - Google Patents

ペプチド類及びその剤

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JPH111491A
JPH111491A JP9247151A JP24715197A JPH111491A JP H111491 A JPH111491 A JP H111491A JP 9247151 A JP9247151 A JP 9247151A JP 24715197 A JP24715197 A JP 24715197A JP H111491 A JPH111491 A JP H111491A
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acid
compound
mmol
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JP9247151A
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Inventor
Makoto Kamata
鎌田  信
Hiroyuki Watanabe
浩之 渡邊
Tsunehiko Fukuda
常彦 福田
Takahisa Yamada
隆央 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】システインプロテアーゼ阻害作用を有する新規
なペプチド類を提供する。 【解決手段】式 【化1】 〔R1は水素又はアシル、R2は水素又は置換されてよい
低級アルキル、R3はカルボニル又は保護されてよいヒ
ドロキシで置換されていてもよいメチレン、R4は置換
されてよい低級アルキルで置換されてよいエチレン又は
ビニレン、Zはアシル又は置換されてよい炭化水素、n
は1又は2を示す。〕で表される化合物、そのエステル
又はその塩及び剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インターロイキン
−1β変換酵素(ICE)、カテプシンB、カテプシン
L等のシステインプロテアーゼを阻害する新規のペプチ
ド類及びそれを含有する各種感染症、免疫疾患、骨疾
患、神経疾患、腫瘍、炎症性疾患等に対する予防又は治
療薬に関するものである。
【0002】
【従来の技術】哺乳類においてインターロイキン−1β
(IL−1β)は主に、マクロファージのような末梢単
血球において産生、放出されるが、IL−1β前駆体蛋
白質(33KD)のAsp116−Ala117位を切断して前駆
体蛋白質を成熟体IL−1β(17KD)に変換する酵
素がインターロイキン−1β変換酵素(ICE)である
(ネイチャー(Nature)、第356巻、768頁(19
92年))。IL−1βは特に炎症や骨疾患に関する細
胞で多様な働きをするサイトカインであり、例えば炎症
部位において多核白血球の浸潤を促し、マクロファージ
等の走化性を増大させ、これらを炎症部位に誘引し、種
々のプロスタグランジン等を産生させることにより病態
を変化させる。また、IL−1βは骨に関する細胞にも
強力に作用し、特に破骨細胞を刺激して骨吸収を著しく
亢進させる。さらにリウマチ性関節炎や変形性関節炎等
にも深く関与するサイトカインである。最近の知見によ
ればICEは神経細胞のアポトーシスにも関与している
と云われている(サイエンス(Science)、第264
巻、820−828頁(1994年))。一方、カテプ
シンBは抗原提示細胞において抗原のプロセシングを担
っている酵素とされ(フェブス レタース(FEBS L
etters)、第324巻、325−330頁(1994
年))、カテプシンLは破骨細胞による骨吸収の際に骨
基質を分解する主要な酵素であるとされている(フェブ
ス レタース(FEBS Letters)、第321巻、24
7−250頁(1994年))。
【0003】これらの酵素は特に感染症、免疫疾患、骨
疾患等に係わるシステインプロテアーゼであり、それぞ
れの酵素に対する阻害剤の研究が行われている。例えば
ICE阻害剤としては、3−アミノ−4−オキソブタン
酸をC末端に含むペプチド性阻害剤Ac−Tyr-Val-Al
a-Asp-H(ネイチャー(Nature)、第356巻、76
8頁(1992年))が報告されて以来、Ac−Tyr-V
al-Ala-Asp-CH2OC(O)Ar (バイオケミストリー
(Biochemistry)、第33巻、3934−3940頁
(1994年))等の種々のアスパラギン酸の誘導体を
含むペプチドタイプの阻害剤や、γ−ピロン−3−酢酸
(ジャーナル オブ ナチュラル プロダクツ(Journa
l of Natural Products)、第57巻、755−760
頁(1994年))等が報告されている。また、ICE
阻害剤として実際に、特開平6−340691号公報で
【化4】 等が、特開平7−25865号公報では
【化5】 等が合成されている。また、カテプシンBやLの阻害剤
に関しては、バイオロジカル ケミストリー ホップ
ゼイラー(Biol. Chem. Hoppe−Seyler)、第375
巻、343−347頁(1994年)及びジャーナル
オブ メディシナルケミストリー(J. Med. Chem.)、第
37巻、1833−1840頁(1994年)にペプチ
ジル(アシルオキシ)メチルケトン類が、特開平5−1
55764号公報にノルロイシナールを有するペプチド
性阻害薬が、WO−9404172にペプチジルフェノ
キシメチルケトン類が、特開平4−202170号公報
にロイシナールを有するペプチド性阻害薬が、特開平2
−304075号公報にエポキシコハク酸誘導体が、特
開平2−268145号公報に骨疾患に有効なノルロイ
シナールを有するペプチド性阻害薬がそれぞれ報告され
ている。また、特表平6−510986号公報では、ピ
コナウイルスプロテアーゼの阻害剤としてグルタミン酸
誘導体をC末端に有するペプチド性化合物が報告されて
いるおり、実際に
【化6】 等が合成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の研究者によってさえ、満足できる実用的な治療剤の提
供には至っていない。本発明の目的は、ICE、カテプ
シンB、カテプシンL等を特異的に阻害する事により、
各種感染症、免疫疾患、骨疾患、神経疾患、炎症性疾
患、腫瘍等に対する有効な治療薬を提供することであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、ペプチド性
蛋白質分解酵素阻害薬につき鋭意検討した結果、ペプチ
ド鎖中のC末端側から2個目のアミド結合を含む基
【化7】 に変換したことに化学構造上の特徴がある式
【化8】 〔式中、R1は水素原子又はアシル基を、R2は水素原子
又は置換されていてもよい低級アルキル基を、R3はカ
ルボニル基又は保護されていてもよいヒドロキシで置換
されていてもよいメチレン基を、R4は置換されていて
もよい低級アルキルでそれぞれ置換されていてもよいエ
チレン基又はビニレン基を、Zはアシル基又は置換され
ていてもよい炭化水素基を、nは1又は2を示す。〕で
表される化合物、そのエステル又はその塩(以下、化合
物(I)と略称することがある)を初めて合成し、かつ
この化合物(I)がその特異な化学構造に基づく予想外
にも優れたシステインプロテアーゼ阻害作用(例えばI
CE阻害作用)等の医薬として優れた作用を有すること
を見い出し、これに基づいて本発明を完成した。即ち本
発明は(1)化合物(I)、(2)R1がアラルキルオキ
シカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリー
ルカルボニル基又はアラルキルカルボニル基である前記
(1)記載の化合物、(3)R1がアリールカルボニル
基である前記(1)記載の化合物、(4)R2が低級ア
ルキル基である前記(1)記載の化合物、(5)R3
カルボニル基である前記(1)記載の化合物、(6)式
【化9】 〔式中、R5は水素原子又は置換されていてもよい低級
アルキル基を示す。〕で表される基である前記(1)記
載の化合物、(7)式
【化10】 〔式中の記号は前記と同意義を示す。〕で表される基で
ある前記(1)記載の化合物、(8)Zがホルミル基、
低級アルコキシで置換されていてもよい低級アルキル基
又はハロゲンで置換されていてもよいアリールカルボニ
ルオキシ低級アルキルカルボニル基である前記(1)記
載の化合物、(9)nが1である前記(1)記載の化合
物、(10)前記(1)記載の化合物を含有することを
特徴とする医薬組成物、(11)システインプロテアー
ゼ阻害剤である前記(10)記載の組成物、(12)イ
ンターロイキン−1β変換酵素阻害剤である前記(1
0)記載の組成物、(13)骨疾患予防治療剤である前
記(10)記載の組成物及び(14)敗血症ショック予
防治療剤である前記(10)記載の組成物等に関する。
【0006】上記式(I)において、R1は水素原子又は
アシル基を示す。R1で示される「アシル基」として
は、置換されていてもよいカルボン酸、置換されていて
もよいオキシカルボン酸、置換されていてもよいスルホ
ン酸、置換されていてもよいスルフィン酸等から由来す
るアシル基等が挙げられ、例えば式 R6CO−、R7OCO−、R8SO2−又はR9SO− 〔式中、R6、R7、R8及びR9は、それぞれ置換されて
いてもよい炭化水素基又は複素環基を示す。〕で表され
る基等が挙げられる。上記式において、R6、R7、R8
及びR9はそれぞれ置換されていてもよい炭化水素基又
は複素環基を示す。R6、R7、R8及びR9で示される
「置換されていてもよい炭化水素基」における「炭化水
素基」としては、例えばアルキル基、アルケニル基等の
直鎖状又は分枝鎖状の脂肪族炭化水素基、例えばシクロ
アルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルカジエニ
ル基等の飽和又は不飽和の脂環式炭化水素基、単環式又
は縮合多環式アリール基、アラルキル基等が挙げられ、
好ましくはアリール基等が挙げられる。ここで、R6
7、R8及びR9で示される「炭化水素基」の例として
のアルキル基としては、例えばメチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチ
ル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペン
チル、tert−ペンチル、1−エチルプロピル、ヘキシ
ル、イソヘキシル、ヘプチル、オクチル、デシル、ドデ
シル、トリデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オク
タデシル、ノナデシル、エイコサニル等の炭素数1ない
し20のアルキル基等が挙げられる。
【0007】R6、R7、R8及びR9で示される「炭化水
素基」の例としてのアルケニル基としては、例えばビニ
ル、アリル、イソプロペニル、1−プロペニル、2−メ
チル−1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、
3−ブテニル、2−エチル−1−ブテニル、3−メチル
−2−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3
−ペンテニル、4−ペンテニル、4−メチル−3−ペン
テニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセ
ニル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニル、その他特定の
位置に二重結合を有するヘプテニル、オクテニル、デセ
ニル、テトラデセニル、オクタデセニル、エイコセニル
等の炭素数2ないし20のアルケニル基等が挙げられ
る。R6、R7、R8及びR9で示される「炭化水素基」の
例としてのシクロアルキル基としては、例えばシクロプ
ロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシ
ル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ビシクロ〔2.
2.1〕ヘプチル、ビシクロ〔2.2.2〕オクチル、ビ
シクロ〔3.2.1〕オクチル、ビシクロ〔3.2.2〕ノ
ニル、ビシクロ〔3.3.1〕ノニル、ビシクロ〔4.2.
1〕ノニル、ビシクロ〔4.3.1〕デシル、アダマンチ
ル等の炭素数3ないし20のシクロアルキル基等が挙げ
られる。
【0008】R6、R7、R8及びR9で示される「炭化水
素基」の例としてのシクロアルケニル基としては、例え
ば2−シクロペンテン−1−イル、3−シクロペンテン
−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル、3−シク
ロヘキセン−1−イル等の炭素数4ないし20のシクロ
アルケニル基等が挙げられる。R6、R7、R8及びR9
示される「炭化水素基」の例としてのシクロアルカジエ
ニル基としては、例えば2,4−シクロペンタジエン−
1−イル、2,4−シクロヘキサジエン−1−イル、2,
5−シクロヘキサジエン−1−イル等の炭素数4ないし
20のシクロアルカジエニル基等が挙げられる。R6
7、R8及びR9で示される「炭化水素基」の例として
のアリール基としては、例えばフェニル、インデン、ナ
フチル、アントリル、フェナントリル、アセナフチレニ
ル、フルオレニル等の炭素数6ないし20のアリール基
等が挙げられ、中でもナフチル等が好ましい。R6
7、R8及びR9で示される「炭化水素基」の例として
のアラルキル基としては、例えばベンジル、フェネチ
ル、3−フェニルプロピル、1−ナフチルメチル、2−
ナフチルメチル、9−フルオレニルメチル、トリチル等
の炭素数7ないし20のアラルキル基等が挙げられ、中
でもベンジル、フェネチル、9−フルオレニルメチル等
のアルキル部分がC1-6アルキル基のものが好ましい。
【0009】R6、R7、R8及びR9で示される「置換さ
れていてもよい複素環基」における「複素環基」として
は、環を構成する原子として炭素原子以外に窒素原子、
硫黄原子及び酸素原子等から選ばれたヘテロ原子を少な
くとも1個(好ましくは1ないし4個)含む芳香族複素
環基を示し、例えばフリル(2−又は3−フリル)、チ
エニル(2−又は3−チエニル)、ピロリル(1−、2
−又は3−ピロリル)、ピラゾリル(1−、3−又は4
−ピラゾリル)、イミダゾリル(1−,2−又は4−イ
ミダゾリル)、トリアゾリル(1,2,3−トリアゾリ
ル、1,2,4−トリアゾリル)、チアゾリル(2−、4
−又は5−チアゾリル)、イソチアゾリル(3−、4−
又は5−イソチアゾリル)、チアジアゾリル(4−又は
5−(1,2,3−チアジアゾリル)、3−又は5−
(1,2,4−チアジアゾリル)、1,3,4−チアジアゾ
リル、1,2,5−チアジアゾリル)、オキサゾリル(2
−、4−又は5−オキサゾリル)、イソオキサゾリル
(3−、4−又は5−イソオキサゾリル)、オキサジア
ゾリル(3−又は5−(1,2,4−オキサジアゾリ
ル)、1,3,4−オキサジアゾリル)、フラザニル、テ
トラゾリル(1−又は5−テトラゾル)等の炭素原子以
外に窒素原子、硫黄原子及び酸素原子等から選ばれたヘ
テロ原子を1ないし4個含む5員芳香族複素環基、例え
ばピリジル(2−、3−又は4−ピリジル)、ピリミジ
ニル(2−、4−又は5−ピリミジニル)、ピリダジニ
ル(3−又は4−ピリダジニル)、ピラジニル、トリア
ジニル(1,2,3−トリアジニル、1,2,4−トリアジ
ニル又は1,3,5−トリアジニル)、オキサジニル
(1,2−オキサジニル、1,3−オキサジニル又は1,
4−オキサジニル)、チアジニル(1,4−チアジニル
又は1,3−チアジニル)等の炭素原子以外に窒素原
子、硫黄原子及び酸素原子等から選ばれたヘテロ原子を
1ないし4個含む6員芳香族複素環基、例えばベンゾフ
ラニル、イソベンゾフラニル、インドリジニル、インド
リル、イソインドリル、インダゾリル、プリニル、キノ
リジニル、イソキノリル、キノリル、フタラジニル、ナ
フチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノ
リニル、プテリジニル、カルバゾリル、カルボリニル、
フェナトリジニル、アクリジニル、ペリミジニル、フェ
ナントロリニル、フェナジニル、フェナルサジニル、フ
ェノチアジニル、フェノキサジニル、ベンゾイミダゾリ
ル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベ
ンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾトリア
ゾリル等の炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子及び酸素
原子等から選ばれたヘテロ原子を1ないし4個含む2な
いし3環性の芳香族縮合複素環基等が挙げられる。
【0010】上記したR6、R7、R8及びR9で示される
「置換されていてもよい炭化水素基又は複素環基」にお
ける「炭化水素基」又は「複素環基」は、それぞれ置換
可能な位置に置換基を1個以上、好ましくは1ないし3
個有していてもよく、該置換基としては、例えばアミノ
基、モノ−又はジ−置換アミノ基、環状アミノ基、アミ
ジノ基、カルバモイル基、N−モノ−又はジ−低級アル
キルカルバモイル基、カルボキシル基、低級アルコキシ
カルボニル基、ヒドロキシル基、低級アルコキシ基、低
級アルケニルオキシ基、シクロアルキルオキシ基、アラ
ルキルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、メル
カプト基、低級アルキルチオ基、アラルキルチオ基、ア
リールチオ基、複素環基、スルホ基、シアノ基、アジド
基、ニトロ基、ニトロソ基、ハロゲン原子、アリールス
ルホニル基、オキソ基等が挙げられる。ここで低級と
は、特に指示しない限りアルキル部分が炭素数1ないし
6のものを示す。R6、R7、R8及びR9で示される「炭
化水素基又は複素環基」の置換基としての「モノ−又は
ジ−置換アミノ基」の置換基の例としては、例えば低級
アルキル基(例えばメチル、エチル、プロピル、イソプ
ロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブ
チル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−
ペンチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシ
ル等のC1-6アルキル基等)、C3-7シクロアルキル基
(例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチ
ル、シクロヘキシル等)、アリール基、複素環基、C
7-11アラルキル基(例えばベンジル、フェネチル、3−
フェニルプロピル等)、C1-4アシル基(例えばホルミ
ル、アセチル等)、カルバモイル基、N−モノ−又はジ
−低級アルキルカルバモイル基、低級アルコキシカルボ
ニル基、ヒドロキシル基、低級アルコキシ基、アラルキ
ルオキシ基等が挙げられ、例えばN,N−ジ置換アミノ
基としては、置換基の一方がこれらの置換基のいずれか
であり、他方が例えば上記の低級アルキル基、C3-7
クロアルキル基、アリール基、C7-11アラルキル基であ
るもの等が挙げられる。ここで、「モノ−又はジ−置換
アミノ基」の置換基の例としてのアリール基、複素環基
としては、上記したR6、R7、R8及びR9で示される
「置換されていてもよい炭化水素基」における炭化水素
基の例としてのアリール基、「置換されていてもよい複
素環基」における複素環基と同様のものが用いられる。
また、「モノ−又はジ−置換アミノ基」の置換基の例と
してのN−モノ−又はジ−低級アルキルカルバモイル
基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルコキシ基、
アラルキルオキシ基としては、以下に説明するN−モノ
−又はジ−低級アルキルカルバモイル基、低級アルコキ
シカルボニル基、低級アルコキシ基、アラルキルオキシ
基と同様のものが用いられる。
【0011】R6、R7、R8及びR9で示される「炭化水
素基又は複素環基」の置換基としての「環状アミノ基」
としては、例えば1−アゼチジニル、1−ピロリジニ
ル、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、1−ピ
ペラジニル及び4位に低級アルキル基(例えばメチル、
エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチ
ル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペン
チル、ネオペンチル、tert−ペンチル、1−エチルプロ
ピル、ヘキシル、イソヘキシル等のC1-6アルキル基
等)、アラルキル基、アリール基等を有する1−ピペラ
ジニル等が挙げられる。ここで、「環状アミノ基」の例
としての1−ピペラジニルの置換基としてのアラルキル
基、アリール基としては、上記したR6、R7、R8及び
9で示される「置換されていてもよい炭化水素基」に
おける炭化水素基の例としてのアリール基、アラルキル
基と同様のものが用いられる。R6、R7、R8及びR9
示される「炭化水素基又は複素環基」の置換基としての
「N−モノ−又はジ−低級アルキルカルバモイル基」と
しては、例えばN−メチルカルバモイル、N−エチルカ
ルバモイル、N−プロピルカルバモイル、N−イソプロ
ピルカルバモイル、N−ブチルカルバモイル等のN−モ
ノ−C1-6アルキルカルバモイル基、又は例えばN,N−
ジメチルカルバモイル、N,N−ジエチルカルバモイ
ル、N,N−ジプロピルカルバモイル、N,N−ジブチル
カルバモイル等のN,N−ジ−C1-6アルキルカルバモイ
ル基等が挙げられる。R6、R7、R8及びR9で示される
「炭化水素基又は複素環基」の置換基としての「低級ア
ルコキシカルボニル基」としては、例えばメトキシカル
ボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、
イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソ
ブトキシカルボニル、sec−ブトキシカルボニル、tert
−ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、イ
ソペンチルオキシカルボニル、ネオペンチルオキシカル
ボニル、tert−ペンチルオキシカルボニル等のC1-6
ルコキシ−カルボニル基等が挙げられ、中でもメトキシ
カルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニ
ル等が好ましい。R6、R7、R8及びR9で示される「炭
化水素基又は複素環基」の置換基としての「低級アルコ
キシ基」としては、例えばメトキシ、エトキシ、プロポ
キシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec
−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペ
ンチルオキシ、tert−ペンチルオキシ、ネオペンチルオ
キシ、ヘキシルオキシ、イソヘキシルオキシ、1,1−
ジメチルブトキシ、2,2−ジメチルブトキシ、3,3−
ジメチルブトキシ等の炭素数1ないし6のアルコキシ基
等が挙げられ、中でもメトキシ、エトキシ、プロポキ
シ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ等の炭素
数1ないし4のアルコキシ基等が好ましい。
【0012】R6、R7、R8及びR9で示される「炭化水
素基又は複素環基」の置換基としての「低級アルケニル
オキシ基」としては、例えばアリルオキシ、2−ブテニ
ルオキシ、2−ペンテニルオキシ等の炭素数1ないし6
のアルケニルオキシ基等が挙げられる。R6、R7、R8
及びR9で示される「炭化水素基又は複素環基」の置換
基としての「シクロアルキルオキシ基」としては、例え
ばシクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロ
ヘキシルオキシ等の炭素数1ないし6のシクロアルキル
オキシ基等が挙げられる。R6、R7、R8及びR9で示さ
れる「炭化水素基又は複素環基」の置換基としての「ア
ラルキルオキシ基」としては、例えばベンジルオキシ、
フェネチルオキシ、3−フェニルプロピルオキシ、1−
ナフチルメチルオキシ、2−ナフチルメチルオキシ、9
−フルオレニルメチルオキシ、トリチルオキシ等の炭素
数7ないし20のアラルキルオキシ基等が挙げられる。
6、R7、R8及びR9で示される「炭化水素基又は複素
環基」の置換基としての「アリールオキシ基」として
は、例えばフェニルオキシ、ナフチルオキシ、アントリ
ルオキシ、フェナントリルオキシ、アセナフチレニルオ
キシ、フルオレニルオキシ等の炭素数6ないし20のア
リールオキシ基等が挙げられる。
【0013】R6、R7、R8及びR9で示される「炭化水
素基又は複素環基」の置換基としての「低級アルキルチ
オ基」としては、例えばメチルチオ、エチルチオ、プロ
ピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、イソブチル
チオ、sec−ブチルチオ、tert−ブチルチオ、ペンチル
チオ、イソペンチルチオ、ネオペンチルチオ、tert−ペ
ンチルチオ、1−エチルプロピルチオ、ヘキシルチオ、
イソヘキシルチオ等の炭素数1ないし6のアルキルチオ
基等が挙げられる。R6、R7、R8及びR9で示される
「炭化水素基又は複素環基」の置換基としての「アラル
キルチオ基」としては、例えばベンジルチオ、フェネチ
ルチオ、3−フェニルプロピルチオ、1−ナフチルメチ
ルチオ、2−ナフチルメチルチオ、9−フルオレニルメ
チルチオ、トリチルチオ等の炭素数7ないし20のアラ
ルキルチオ基等が挙げられる。R6、R7、R8及びR9
示される「炭化水素基又は複素環基」の置換基としての
「アリール基」としては、上記したR6、R7、R8及び
9で示される「炭化水素基」の例としての「アリール
基」と同様のものが用いられる。R6、R7、R8及びR9
で示される「炭化水素基又は複素環基」の置換基として
の「アリールチオ基」としては、例えばフェニルチオ、
ナフチルチオ、アントリルチオ、フェナントリルチオ、
アセナフチレニルチオ、フルオレニルチオ等の炭素数6
ないし20のアリールチオ基等が挙げられる。R6
7、R8及びR9で示される「炭化水素基又は複素環
基」の置換基としての「複素環基」としては、上記した
6、R7、R8及びR9で示される「置換されていてもよ
い複素環基」における「複素環基」と同様のものが用い
られる。R6、R7、R8及びR9で示される「炭化水素基
又は複素環基」の置換基としての「ハロゲン原子」とし
ては、例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げら
れ、中でもフッ素、塩素、臭素等が好ましい。R6
7、R8及びR9で示される「炭化水素基又は複素環
基」の置換基としての「アリールスルホニル基」として
は、例えばフェニルスルホニル、ナフチルスルホニル、
アントリルスルホニル、フェナントリルスルホニル、ア
セナフチレニルスルホニル、フルオレニルスルホニル等
の炭素数6ないし20のアリールスルホニル基等が挙げ
られる。
【0014】R1で示される「アシル基」の中でも、
6、R7、R8及びR9で示される「置換されていてもよ
い炭化水素基」における炭化水素基がアリール基である
ものが好ましい。また、R1としては、例えば式R6CO
−、R7OCO−〔式中の記号は前記と同意義を示
す。〕で表される基が好ましく、中でもアラルキルオキ
シカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラル
キルカルボニル基、アリールカルボニル基等が好まし
く、アリールカルボニル基等が特に好ましい。ここで、
好ましいアラルキルオキシカルボニル基としては、例え
ばベンジルオキシカルボニル、フェネチルオキシカルボ
ニル、3−フェニルプロピルオキシカルボニル、1−ナ
フチルメチルオキシカルボニル、2−ナフチルメチルオ
キシカルボニル、9−フルオレニルメチルオキシカルボ
ニル、トリチルオキシカルボニル等の炭素数7ないし2
0のアラルキルオキシカルボニル基等が挙げられ、中で
もベンジルオキシカルボニル、9−フルオレニルメチル
オキシカルボニル等が好ましい。好ましいアリールオキ
シカルボニル基としては、例えばフェニルオキシカルボ
ニル、ナフチルオキシカルボニル、アントリルオキシカ
ルボニル、フェナントリルオキシカルボニル、アセナフ
チレニルオキシカルボニル、フルオレニルオキシカルボ
ニル等の炭素数6ないし20のアリールオキシカルボニ
ル基等が挙げられる。好ましいアラルキルカルボニル基
としては、例えばベンジルカルボニル、フェネチルカル
ボニル、3−フェニルプロピルカルボニル、1−ナフチ
ルメチルカルボニル、2−ナフチルメチルカルボニル、
9−フルオレニルメチルカルボニル、トリチルカルボニ
ル等の炭素数7ないし20のアラルキルカルボニル基等
が挙げられる。
【0015】好ましいアリールカルボニル基としては、
例えばフェニルカルボニル、ナフチルカルボニル、アン
トリルカルボニル、フェナントリルカルボニル、アセナ
フチレニルカルボニル、フルオレニルカルボニル等の炭
素数6ないし20のアリールカルボニル基等が挙げら
れ、中でもナフチルカルボニル等が好ましい。R1とし
ては9−フルオレノン−2−カルボニルなども挙げられ
る。また、R1で示される「アシル基」としてのR8SO
2−、R9SO−としては、例えばアラルキルスルホニル
基、アリールスルホニル基、アラルキルスルフィニル
基、アリールスルフィニル基等が挙げられる。ここで、
アラルキルスルホニル基としては、例えばベンジルスル
ホニル、フェネチルスルホニル、3−フェニルプロピル
スルホニル、1−ナフチルメチルスルホニル、2−ナフ
チルメチルスルホニル、9−フルオレニルメチルスルホ
ニル、トリチルスルホニル等の炭素数7ないし20のア
ラルキルスルホニル基等が挙げられる。アリールスルホ
ニル基としては、例えばフェニルスルホニル、ナフチル
スルホニル、アントリルスルホニル、フェナントリルス
ルホニル、アセナフチレニルスルホニル、フルオレニル
スルホニル等の炭素数6ないし20のアリールスルホニ
ル基等が挙げられる。アラルキルスルフィニル基として
は、例えばベンジルスルフィニル、フェネチルスルフィ
ニル、3−フェニルプロピルスルフィニル、1−ナフチ
ルメチルスルフィニル、2−ナフチルメチルスルフィニ
ル、9−フルオレニルメチルスルフィニル、トリチルス
ルフィニル等の炭素数7ないし20のアラルキルスルフ
ィニル基等が挙げられる。アリールスルフィニル基とし
ては、例えばフェニルスルフィニル、ナフチルスルフィ
ニル、アントリルスルフィニル、フェナントリルスルフ
ィニル、アセナフチレニルスルフィニル、フルオレニル
スルフィニル等の炭素数6ないし20のアリールスルフ
ィニル基等が挙げられる。
【0016】上記式(I)において、R2は水素原子又は
置換されていてもよい低級アルキル基を示す。R2で示
される「置換されていてもよい低級アルキル基」におけ
る「低級アルキル基」としては、例えばメチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、se
c−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、
ネオペンチル、tert−ペンチル、1−エチルプロピル、
ヘキシル、イソヘキシル等の炭素数1ないし6のアルキ
ル基等が挙げられ、中でもイソプロピルが好ましい。
【0017】ここで、R2で示される「置換されていて
もよい低級アルキル基」における「低級アルキル基」
は、置換可能な位置に置換基を1個以上、好ましくは1
ないし3個有していてもよく、そのような置換基として
は、例えばアミノ基、アシル置換アミノ基、グアニジノ
基、アシルグアジノ基、アシルアミジノ基、アミジノ
基、アシル基、カルバモイル基、N−モノ−又はジ−低
級アルキルカルバモイル基、カルボキシル基、低級アル
コキシカルボニルオキシ基、ヒドロキシル基、アシルヒ
ドロキシル基、低級アルコキシ基、低級アルケニルオキ
シ基、C3-6シクロアルキルオキシ基、C7-11アラルキ
ルオキシ基、フェノキシ基、メルカプト基、アシルメル
カプト基、低級アルキルチオ基、C7-11アラルキルチオ
基、フェニルチオ基、スルホ基、シアノ基、アジド基、
ニトロ基、ニトロソ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
ここで、上記したアシル置換アミノ基、アシルグアジノ
基、アシルアミジノ基、アシルヒドロキシル基及びアシ
ルメルカプト基における置換基としての「アシル基」と
しては、例えば、アルカノイル基、アルケノイル基、シ
クロアルカンカルボニル基、アルカンスルホニル基等の
脂肪族アシル基;アロイル基、アリールアルカノイル
基、アリールアルケノイル基、アレーンスルホニル基等
の芳香族アシル基、芳香族複素環カルボニル基、芳香族
複素環アルカノイル基等の複素芳香族アシル基等が挙げ
られる。
【0018】置換基の「アシル基」としてのアルカノイ
ル基としては、例えばホルミル、アセチル、プロピオニ
ル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリ
ル、ピバロイル、ヘキサノイル等の低級(C1-6)アル
カノイル基等が挙げられる。置換基の「アシル基」とし
てのアルケノイル基としては、例えばアクリロイル、メ
タクリロイル、クロトノイル、イルクロトノイル等の低
級(C3-8)アルケノイル基等が挙げられる。置換基の
「アシル基」としてのシクロアルカンカルボニル基とし
ては、例えばシクロプロパンカルボニル基、シクロブタ
ンカルボニル基、シクロペンタンカルボニル基、シクロ
ヘキサンカルボニル基等の低級(C3-7)シクロアルカ
ンカルボニル基等が挙げられる。置換基の「アシル基」
としてのアルカンスルホニル基としては、例えばメシ
ル、エタンスルホニル、プロパンスルホニル等の低級
(C1-6)アルカンスルホニル基が挙げられる。置換基
の「アシル基」としてのアロイル基としては、例えばベ
ンゾイル、p−トルオイル、1−ナフトイル、2−ナフ
トイル等のC8-20アロイル基等が挙げられる。 置換基の「アシル基」としてのアリールアルカノイル基
としては、例えばフェニルアセチル、フェニルプロピオ
ニル、ヒドロアトロポイル、フェニルブチリル等のC
6-20アリール−低級(C2-7)アルカノイル基が挙げら
れる。置換基の「アシル基」としてのアリールアルケノ
イル基とは、アリール基で置換されたアルケニルカルボ
ニル基を意味し、例えばシンナモイル、アトロポイル等
のC6-20アリール−低級(C3-8)アルケノイル基が挙
げられる。置換基の「アシル基」としてのアレーンスル
ホニル基とは、アリールスルホニル基を意味し、例えば
ベンゼンスルホニル、p−トルエンスルホニル等のC
6-20アリールスルホニル基が挙げられる。
【0019】置換基の「アシル基」としての芳香族複素
環カルボニル基としては、例えばフロイル、テノイル、
ニコチノイル、イソニコチノイル、ピロリルカルボニ
ル、オキサゾリルカルボニル、チアゾリルカルボニル、
イミダゾリルカルボニル、ピラゾリルカルボニル等の芳
香族複素環(炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子及び酸
素原子等から選ばれたヘテロ原子を少なくとも1個含む
芳香族複素環)カルボニル基が挙げられる。置換基の
「アシル基」としての芳香族複素環アルカノイル基とし
ては、芳香族複素環基が置換したアルキルカルボニル基
が挙げられ、例えばチエニルアセチル、チエニルプロパ
ノイル、フリルアセチル、チアゾリルアセチル、1,2,
4−チアジアゾリルアセチル、ピリジルアセチル等の芳
香族複素環(炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子及び酸
素原子等から選ばれたヘテロ原子を少なくとも1個含む
芳香族複素環基)低級(C2-7)アルカノイル基が挙げ
られる。上記した置換基としての「低級アルコキシカル
ボニルオキシ基」としては、例えばメトキシカルボニル
オキシ、エトキシカルボニルオキシ、プロポキシカルボ
ニルオキシ、イソプロポキシカルボニルオキシ、ブトキ
シカルボニルオキシ、イソブトキシカルボニルオキシ、
sec−ブトキシカルボニルオキシ、tert−ブトキシカル
ボニルオキシ、ペンチルオキシカルボニルオキシ、イソ
ペンチルオキシカルボニルオキシ、ネオペンチルオキシ
カルボニルオキシ、tert−ペンチルオキシカルボニルオ
キシ等のC1-6アルコキシ−カルボニルオキシ基等が挙
げられる。上記したその他の基(アシル基、N−モノ−
又はジ−低級アルキルカルバモイル基、低級アルコキシ
基、低級アルケニルオキシ基、C3-6シクロアルキルオ
キシ基、C7-11アラルキルオキシ基、低級アルキルチオ
基、C7-11アラルキルチオ基、ハロゲン原子)について
は、R1で示される「アシル基」、及びその「アシル
基」においてR6、R7、R8及びR9の「置換されていて
もよい炭化水素基又は複素環基」の置換基として例示し
た基と同様のものが用いられる。R2としては置換され
ていてもよい低級アルキル基が好ましく、中でも無置換
の低級アルキル基(特にイソプロピル)が好ましい。
【0020】上記式(I)において、R3はカルボニル基
又は保護されていてもよいヒドロキシで置換されていて
もよいメチレン基を示す。R3で示されるメチレン基の
置換基としての「ヒドロキシ」の保護基としては、例え
ばメトキシメチル、ベンジルオキシメチル、tert−ブト
キシメチル、2−メトキシエトキシメチル、2−(トリ
メチルシリル)エトキシメチル、メチルチオメチル、2
−テトラヒドロピラニル、4−メトキシ−4−テトラヒ
ドロピラニル、2−テトラヒドロピラニル、ベンジル、
p−メトキシベンジル、p−ニトロベンジル、o−ニト
ロベンジル、2,6−ジクロルベンジル、トリチル等の
エーテルを形成するタイプの保護基;例えばトリメチル
シリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、
イソプロピルジメチルシリル、ジエチルイソプロピルシ
リル、tert−ブチルジメチルシリル、tert−ブチルジフ
ェニルシリル、トリベンジルシリル、トリフェニルシリ
ル、メチルジフェニルシリル等のシリルエーテルを形成
するタイプの保護基;例えばホルミル、アセチル、クロ
ロアセチル、ジクロロアセチル、トリクロロアセチル、
ピバロイル、ベンゾイル、ベンジルオキシカルボニル、
2−ブロモベンジルオキシカルボニル等のエステルを形
成するタイプの保護基等が挙げられる。R3としては、
カルボニル基が好ましい。上記式(I)において、R4
置換されていてもよい低級アルキルでそれぞれ置換され
ていてもよいエチレン基又はビニレン基を示す。R4
示される「エチレン基又はビニレン基」の置換基として
の「置換されていてもよい低級アルキル」における「低
級アルキル」としては、例えばメチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチ
ル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペン
チル、tert−ペンチル、1−エチルプロピル、ヘキシ
ル、イソヘキシル等の炭素数1ないし6のアルキル(好
ましくはメチル)等が挙げられる。ここで、R4で示さ
れる「エチレン基又はビニレン基」の置換基としての
「置換されていてもよい低級アルキル」における「低級
アルキル」は、置換可能な位置に置換基を1個以上、好
ましくは1ないし3個有していてもよく、そのような置
換基としては上記したR2で示される「置換されていて
もよい低級アルキル基」における置換基と同様のものが
用いられる。R4で示される「エチレン基又はビニレン
基」の置換基としての「置換されていてもよい低級アル
キル基」としてはメチル等が好ましい。
【0021】上記式(I)における式
【化11】 〔式中、R5は水素原子又は置換されていてもよい低級
アルキル基を示す。〕で表される基が好ましく、中でも
【化12】 〔式中の記号は前記と同意義を示す。〕で表される基が
好ましい、ここで、R5で示される「置換されていても
よい低級アルキル基」としては、上記したR4で示され
る「エチレン基又はビニレン基」の置換基としての「置
換されていてもよい低級アルキル」と同様のものが用い
られる。R5としてはメチル等が好ましい。上記式(I)
において、Zはアシル基又は置換されていてもよい炭化
水素基を示す。
【0022】Zで示される「アシル基」としては、置換
されていてもよいオキシカルボン酸、置換されていても
よいカルボン酸、置換されていてもよいスルホン酸、置
換されていてもよいスルフィン酸等から由来するアシル
基等が挙げられ、例えばそれぞれ式 R10CO−、R11OCO−、R12SO2−、R13SO− 〔式中、R10、R11、R12及びR13は水素原子又は置換
されていてもよい炭化水素基を示す。〕で表される基等
が挙げられる。R10、R11、R12及びR13で示される
「置換されていてもよい炭化水素基」における「炭化水
素基」としては、上記したR6、R7、R8及びR9で示さ
れる「置換されていてもよい炭化水素基」における「炭
化水素基」と同様のものが用いられる。R10、R11、R
12及びR13で示される「置換されていてもよい炭化水素
基」の置換基としては、上記したR6、R7、R8及びR9
で示される「置換されていてもよい炭化水素基」の置換
基と同様のものが用いられ、さらに、例えば式
【化13】 〔式中、R14及びR15は置換されていてもよい炭化水素
基又は複素環基を示す。〕で表される基等も用いられ
る。R14及びR15で示される「置換されていてもよい炭
化水素基又は複素環基」は、上記したR6、R7、R8
びR9で示される「置換されていてもよい炭化水素基又
は複素環基」と同様のものが用いられる。Zで示される
「アシル基」としては、式R10CO−〔式中の記号は前
記と同意義を示す。〕で表される基が好ましく、中でも
ホルミル基又はハロゲンで置換されていてもよいアリー
ルカルボニルオキシ低級アルキルカルボニル基が好まし
い。 ここで、「ハロゲン」としては、例えば塩素、臭
素、フッ素、ヨウ素等が挙げられ、中でも塩素が好まし
い。
【0023】「アリールカルボニルオキシ低級アルキル
カルボニル基」における「アリール」としては、例えば
フェニル、インデン、ナフチル、アントリル、フェナン
トリル、アセナフチレニル、フルオレニル等の炭素数6
ないし20のアリール等が挙げられ、中でもフェニルが
好ましい。「アリールカルボニルオキシ低級アルキルカ
ルボニル基」における「低級アルキル」としては、例え
ばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、
イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、
イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、1−エ
チルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル等の炭素数1な
いし6のアルキル基(好ましくはメチル)等が挙げられ
る。Zで示される「置換されていてもよい炭化水素基」
における「炭化水素基」としては、上記したR6、R7
8及びR9で示される「置換されていてもよい炭化水素
基」における「炭化水素基」と同様のものが用いられ
る。Zで示される「置換されていてもよい炭化水素基」
の置換基としては、上記したR6、R7、R8及びR9で示
される「置換されていてもよい炭化水素基」の置換基と
同様のものが用いられ、さらにアシル基等も用いられ
る。このような「アシル基」としては、上記したZで示
される「アシル基」と同様のものが用いられる。Zで示
される「置換されていてもよい炭化水素基」としては、
例えば低級アルコキシで置換されていてもよい低級アル
キル基等が好ましく、中でもジメトキシメチル等が好ま
しい。ここで、「低級アルコキシ」としては、例えばメ
トキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブト
キシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキ
シ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、tert−ペン
チルオキシ、ネオペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、イ
ソヘキシルオキシ、1,1−ジメチルブトキシ、2,2−
ジメチルブトキシ、3,3−ジメチルブトキシ等の炭素
数1ないし6のアルコキシ(好ましくはメトキシ)等が
挙げられる。
【0024】「低級アルキル基」としては、例えばメチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブ
チル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペ
ンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、1−エチルプ
ロピル、ヘキシル、イソヘキシル等の炭素数1ないし6
のアルキル基(好ましくはメチル)等が挙げられる。Z
としては、例えばホルミル基、低級アルコキシで置換さ
れていてもよい低級アルキル基又はハロゲンで置換され
ていてもよいアリールカルボニルオキシ低級アルキルカ
ルボニル基等が好ましい。また、Zとしては、例えば式 −COW又は−C(ORc)2W 〔式中、Wは水素原子、アジド基、低級アルキル基、モ
ノ−、ジ−又はトリハロゲノ低級アルキル基を、Rc
低級アルキル基、C7-20アラルキル基又は2つのRc
結合して構成する低級アルキレン基を示す。〕で表され
る基等も好ましい。ここで、Wで示される「低級アルキ
ル基」としては、例えばメチル、エチル、プロピル、イ
ソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert
−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、te
rt−ペンチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、イソヘ
キシル等の炭素数1ないし6のアルキル基が挙げられ
る。Wで示される「モノ−、ジ−又はトリハロゲノ低級
アルキル基」としては、例えばクロロメチル、ブロモメ
チル、フルオロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメ
チル、トリフルオロメチル、2,2,2−トリクロロメチ
ル等のモノ−、ジ−又はトリハロゲノC1-6アルキル基
が挙げられる。Wとしては、例えば水素原子等が好まし
い。
【0025】Rcで示される「低級アルキル基」として
は上記したWで示される「低級アルキル基」と同様のも
のが、「C7-20アラルキル基」としては上記したR6
7、R8及びR9で示される「炭化水素基」の例として
のアラルキル基と同様のものが、「2つのRcが結合し
て構成する低級アルキレン基」としては例えばエチレ
ン、プロピレン等のC2-7アルキレン基が挙げられる。
cとしては、例えばメチル基等が好ましい。さらに、
Zは、C末端のカルボキシル基と結合して、例えば式
【化14】 〔式中の記号は前記と同意義を示す。〕で表される環状
構造を形成していてもよい。上記式(I)中、nは1又
は2を示す。nとしては1が好ましい。
【0026】上記式(I)で表される化合物のエステル
としては、例えば低級アルキルエステル、ニトロ、低級
アルコキシ、低級アルコキシカルボニル等で置換されて
いてもよいフェニルあるいはベンジルエステル等の合成
中間体として用いられるもの、薬理学的に許容しうるも
のあるいは生体内で薬理学的に亨受しうるものに変じる
もの等が挙げられる。ここで、「低級アルキルエステ
ル」としては、例えばメチルエステル、エチルエステ
ル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、ブチル
エステル、イソブチルエステル、sec−ブチルエステ
ル、tert−ブチルエステル、ペンチルエステル、イソペ
ンチルエステル、ネオペンチルエステル、tert−ペンチ
ルエステル、1−エチルプロピルエステル、ヘキシルエ
ステル、イソヘキシルエステル等のC1-6アルキルエス
テルが挙げられる。「低級アルコキシ」としては、例え
ばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、
ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブト
キシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、tert−ペ
ンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、
イソヘキシルオキシ、1,1−ジメチルブトキシ、2,2
−ジメチルブトキシ、3,3−ジメチルブトキシ等のC
1-6アルコキシが挙げられる。「低級アルコキシカルボ
ニル」としては、例えばメトキシカルボニル、エトキシ
カルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカ
ルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニ
ル、sec−ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボ
ニル、ペンチルオキシカルボニル、イソペンチルオキシ
カルボニル、ネオペンチルオキシカルボニル、tert−ペ
ンチルオキシカルボニル等のC1-6アルコキシカルボニ
ルが挙げられる。
【0027】本発明の目的化合物(I)の塩としては薬
学的に許容される塩が好ましく、例えば無機塩基との
塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩
基性又は酸性アミノ酸との塩等が挙げられる。無機塩基
との塩の好適な例としては、例えばナトリウム塩、カリ
ウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウ
ム塩等のアルカリ土類金属塩;ならびにアルミニウム
塩、アンモニウム塩等が挙げられる。有機塩基との塩の
好適な例としては、例えばトリメチルアミン、トリエチ
ルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジ
エタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘ
キシルアミン、N,N'−ジベンジルエチレンジアミン等
との塩が挙げられる。無機塩との塩の好適な例として
は、例えば酢酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等と
の塩が挙げられる。有機酸との塩の好適な例としては、
例えばギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマール酸、シ
ュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リ
ンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−
トルエンスルホン酸等との塩が挙げられる。塩基性アミ
ノ酸との塩の好適な例としては、例えばアルギニン、リ
ジン、オルニチン等との塩が挙げられ、酸性アミノ酸と
の塩の好適な例としては、例えばアスパラギン酸、グル
タミン酸等との塩が挙げられる。化合物(I)に立体異
性体が存在し得る場合、これら個々の異性体及びそれら
混合物のいずれも当然本発明の範囲に包含されるもので
あり、所望によりこれらの異性体を個別に製造すること
もできる。また、化合物(I)は水和物であってもよ
く、水和物及び非水和物のいずれも本発明の範囲に配合
されるものである。
【0028】化合物(I)の製造は、例えば (1)式(II)
【化15】 〔Qは水素原子又はカルボキシル基の保護基を、他の記
号は前記と同意義を示す。〕で表わされる化合物又はそ
の塩(以下、化合物(II)と略称することがある)に、
保護基Qを除去して必要ならカルボン酸を活性化したう
えで、
【化16】 〔Q'は水素原子又はカルボキシル基の保護基を、Mは
水素原子又はアミノ基の保護基を、他の記号は前記と同
意義を示す。〕で表わされる化合物、そのエステル又は
塩(以下、化合物(III)と略称することがある)を反
応させることにより、製造することができる。
【0029】上記(1)の反応におけるカルボン酸等の
酸成分の活性化法としては、酸ハロゲン化物法、アジド
法、混合酸無水物法(“他の酸”として塩化イソブチル
オキシカルボニルや塩化ピバル酸等が用いられる)、対
称酸無水物法、さらには縮合剤としてN,N'−カルボジ
イミダゾール、N,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミ
ド、N,N'−ジイソプロピルカルボジイミド、1−エチ
ル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミ
ド、N−エトキシカルボニル−2−エトキシ−1,2−
ジヒドロキノリン、ジエチル ホスホロシアニディト、
ジフェニル ホスホリルアジド、2−(1H−ベンゾト
リアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチル
ウロニウム・テトラフルオロポレイト、2−(1H−ベ
ンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラ
メチルウロニウム・ヘキサフルオロホスフェート、ベン
ゾトリアゾール−1−イル−ロキシ−トリス(ジメチル
アミノ)ホスホニウム・ヘキサフルオロホスフェート、
ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−ピロ
リジノ−ホスホニウム・ヘキサフルオロホスフェート、
ブロモ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウム・ヘキサフ
ルオロホスフェート、2−(5−ノルボルネン−2,3
−ジカルボキシイミド)−テトラメチルウロニウム テ
トラフルオロボレイト等を用いる方法、また4−ジメチ
ルアミノピリジン、3−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ
−4−オキソ−1,2,3−ベンゾトリアゾール、N−ヒ
ドロキシ スクシイミド、N−ヒドロキシ−5−ノルボ
ルネン−2,3−ジカルボキシイミド、N−ヒドロキシ
−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド等の
存在下に上記縮合剤を作用させる方法、もしくはこれら
を用いた活性エステル法等が用いられる。
【0030】上記(1)の反応は、通常、溶媒中で、化
合物(II)に対して化合物(III)を0.5ないし10モ
ル当量用いて行われる。溶媒としては、例えばベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、例えば
ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素
類、例えばヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の飽
和炭化水素類、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロ
フラン、ジオキサン等のエーテル類、例えばアセトニト
リル等のニトリル類、例えばジメチルスルホキシド等の
スルホキシド類、例えばN,N−ジメチルホルムアミド
等の酸アミド類、例えば酢酸エチル等のエステル類等が
用いられる。これらの溶媒は単独で用いることもできる
し、また必要に応じて2種又はそれ以上の多種類を適当
な割合、例えば1:1ないし1:10の割合で混合して
用いてもよい。反応温度は、通常−80ないし100
℃、好ましくは−50ないし50℃程度である。反応時
間は、1ないし96時間、好ましくは1ないし72時間
程度である。上記(1)の反応にあたって直接反応に関
与しない官能性基(例えば水酸基、カルボキシル基、ア
ミノ基等)は、必要により保護し、反応後かかる保護基
を脱離してもよい。反応終了後、目的物は公知の手段に
より分離、精製することができる。
【0031】(2)上記(1)の反応における、化合物
(II)の製造は、例えば式(II−1)
【化17】 〔式中、R4a及びYは置換されていてもよい低級アルキ
ル基を、他の記号は前記と同意義を示す。〕で表わされ
る化合物又はその塩と、式 R4b−COCOOQ 〔式中、R4bは置換されていてもよい低級アルキル基
を、他の記号は前記と同意義を示す。〕で表わされる化
合物又はその塩を反応させることにより、式(IIa)
【化18】 〔式中の記号は前記と同意義を示す。〕で表わされる化
合物又はその塩へと導くことにより製造できる。
【0032】さらに式(IIa)で表わされる化合物(II
a)を還元、さらには必要に応じて保護基を導入するに
より、式(II)
【化19】 〔式中の記号は前記と同意義を示す。〕で表わされる化
合物又はその塩に導くことができる。R4a、Y及びR4b
で示される「置換されていてもよい低級アルキル基」と
しては、上記したR5で示される「置換されていてもよ
い低級アルキル基」と同様のものが用いられる。
【0033】上記(2)の反応は、通常、溶媒中、式
(II−1)で表わされる化合物(II−1)に対して式 R4b−COCOOQ 〔式中の記号は前記と同意義を示す。〕で表わされる化
合物又はその塩を0.5ないし50モル当量、好ましく
は1ないし10モル当量用いて、塩基の存在下、反応さ
せることによって行われる。反応温度は−100ないし
150℃程度、好ましくは−80ないし50℃程度であ
る。反応時間は0.5ないし96時間程度、好ましくは
0.5ないし72時間程度である。溶媒としては、前記
(1)の反応と同様のもの等が用いられ、例えばTHF
等のエーテル類等の極性溶媒が挙げられる。塩基として
は、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム等の水酸化アルカリ金属、水酸化マグネシウ
ム、水酸化カルシウム等の水酸化アルカリ土類金属、炭
酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸アルカリ金属、炭
酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の炭酸アルカリ土類
金属、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の炭酸
水素アルカリ金属、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等の
酢酸アルカリ金属、リン酸カルシウム、リン酸マグネシ
ウム等のリン酸アルカリ土類金属、リン酸水素二ナトリ
ウム、リン酸水素二カリウム等のリン酸水素アルカリ金
属ならびにアンモニア水等の無機塩基;例えばトリメチ
ルアミン、トリエチルアミン、ドイソプロピルエチルア
ミン、ピリジン、ピコリン、N−メチルピロリジン、ピ
ペリジン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリ
ン、1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノン−5−エ
ン、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン、1,
8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセン等の
有機塩基等が用いられる。
【0034】(3)上記(2)の反応における、式(II
−1)で表される化合物又はその塩の製造は、例えば式
(II−2)
【化20】 〔式中の記号は前記と同意義を示す。〕で表わされる化
合物又はその塩と、式 R4a−CH2−PO(OY)2 〔式中の記号は前記と同意義を示す。〕で表わされる化
合物又はその塩を、塩基で処理した後、反応させること
により製造することができる。上記(3)の反応は、通
常、溶媒中、式(II−2)で表わされる化合物(II−
2)に対して式 R4a−CH2−PO(OY)2 〔式中の記号は前記と同意義を示す。〕で表わされる化
合物又はその塩を0.5ないし50モル当量、好ましく
は1ないし10モル当量用いて、塩基の存在下、反応さ
せることによって行われる。反応温度は−150ないし
150℃程度、好ましくは−100ないし50℃程度で
ある。反応時間は0.5ないし96時間程度、好ましく
は0.5ないし72時間程度である。溶媒としては、前
記(1)の反応と同様のもの等が用いられ、例えばTH
F等のエーテル類等の極性溶媒が挙げられる。塩基とし
ては、例えばフェニルリチウム等のアリールリチウム
類、例えばブチルリチウム等のアルキルリチウム類、例
えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム等の水酸化アルカリ金属、水酸化マグネシウム、水酸
化カルシウム等の水酸化アルカリ土類金属、炭酸ナトリ
ウム、炭酸カリウム等の炭酸アルカリ金属、炭酸マグネ
シウム、炭酸カルシウム等の炭酸アルカリ土類金属、炭
酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の炭酸水素アル
カリ金属、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等の酢酸アル
カリ金属、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム等の
リン酸アルカリ土類金属、リン酸水素二ナトリウム、リ
ン酸水素二カリウム等のリン酸水素アルカリ金属ならび
にアンモニア水等の無機塩基;例えばトリメチルアミ
ン、トリエチルアミン、ドイソプロピルエチルアミン、
ピリジン、ピコリン、N−メチルピロリジン、ピペリジ
ン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、
1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノン−5−エン、
1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン、1,8
−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセン等の有
機塩基等が用いられ、好ましくは例えばブチルリチウム
等のアルキルリチウム類が用いられる。
【0035】(4)上記(1)の反応における化合物
(III)の製造は例えば、 (a)Zが−COW又は−CO(ORc)2Wで表される基
である場合、式(IIIa)
【化21】 〔式中、Zaは−COW又は−CO(ORc)2Wで表され
る基を、他の記号は前記と同意義を示す。〕で表わされ
る化合物又はその塩は、式(IV)
【化22】 〔式中の記号は前記と同意義を示す。〕で表わされる化
合物又はその塩を酸化することにより導くことができ
る。ここで、Zaで示される「−COW又は−CO(OR
c)2Wで表される基」としては、Zの例示として上記し
た「−COW又は−CO(ORc)2Wで表される基」と同
様のものが用いられる。
【0036】上記酸化反応には、例えば酸化クロム−硫
酸−ピリジンからなるジューンズ酸化、酸化クロム−ピ
リジン錯体を用いるコリンズ酸化、クロロクロム酸ピリ
ジウムによる酸化等のクロム酸酸化、活性化ジメチルス
ルホキシド(DMSO)による酸化、オキシアンモニウ
ム塩による酸化等が用いられる。中でも、活性化DMS
Oによる酸化により有利に反応が進行する。活性水DM
SO酸化は、通常、DMSOと親電子試薬及び必要なら
ば塩基の存在下溶媒中にて行なわれる。親電子試薬とし
ては、例えばジシクロヘキシルカルボジイミド、無水酢
酸、五酸化リン、塩素、三酸化硫黄−ピリジン錯体等が
用いられる。塩基としては例えばトリメチルアミン、ト
リエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジ
ン、ピコリン、N−メチルピロリジン、ピペリジン、N
−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、1,5−
ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノン−5−エン、1,4−
ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン、1,8−ジアザ
ビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセン等の有機塩基等
が挙げられる。例えば三酸化硫黄−ピリジン錯体を用い
る場合、化合物(IV)に対して、三酸化硫黄−ピリジン
錯体を1ないし100モル当量好ましくは1ないし50
モル当量及び塩基として例えばトリエチルアミン1ない
し100モル当量好ましくは1ないし50モル当量を用
いて反応させる。溶媒としては、DMSOを溶媒として
もよいし、例えばクロロホルム、ジクロロメタン、1,
2−ジクロルエタン等のハロゲン化炭化水素類、エチル
エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキ
シエタン等のエーテル類、酢酸エチル等のエステル類、
ベンゼン、トルエン等の炭化水素類、ピリジン、N,N
−ジメチルホルムアミド等のアミド類、アセトニトリル
等のニトリル類等、反応に不活性なものを用いることも
できる。反応温度は−70ないし100℃、好ましくは
−20ないし50℃程度である。反応時間は0.5ない
し72時間、好ましくは0.5ないし24時間程度であ
る。
【0037】さらに上記反応で得られたアルデヒドはア
セタール等により保護し、上記(1)の反応に用いるこ
ともできる。アセタールとしては、ジメチルアセター
ル、ジエチルアセタール、ジメチルチオアセタール、あ
るいは1,3−ジオキサン、1,3−ジチオラン等の環状
アセタールが例示される。アセタールは、例えばジメチ
ルアセタールとする場合、アルデヒドをメタノールある
いはメタノールと他の溶媒(例えば、テトラヒドロフラ
ン等のエーテル類)の混合溶媒に溶解し、必要ならばア
ルデヒドに対して、1ないし200モル当量、好ましく
は5ないし100モル当量のオルトギ酸トリメチルある
いはテトラメトキシシラン等の共存下、アルデヒドに対
して、0.01ないし0.2モル当量の、例えばパラトル
エン酸や、塩化水素等の酸を加えて反応させることで得
ることができる。反応温度は0℃ないし150℃程度、
好ましくは10℃ないし100℃程度である。反応時間
は0.5ないし72時間程度、好ましくは0.5ないし4
8時間程度である。また上記反応で得られたアルデヒド
は、適当な一級アミンと反応させることでイミドを形成
させることもできる。 (b)ZがZa以外の、置換されていてもよい炭化水素
基、アシル基である場合、式(IIIb)
【化23】 〔式中、ZbはZa以外の、置換されていてもよい炭化水
素基、アシル基を、その他の記号は前記と同意義を示
す。〕で表わされる化合物又はその塩は、例えば以下の
いくつかの方法により製造することができる。即ち前述
の(a)で得られた化合物(IIIa)のZaで示されるアル
デヒドをウィッティヒ反応により導くことができる。
【0038】あるいは式(V)
【化24】 〔式中、Q'''は低級アルキル基を、他の記号は前記と
同意義を示す。〕で表わされる化合物又はその塩を、式
(VI)
【化25】 〔式中、R'は水素原子又は置換されていてもよい炭化
水素基を、R''はアシル基を示す。〕で表わされるアル
キルアニオンと反応させることにより式(IIIb−1)
【化26】 〔式中の記号は前記と同意義を示す。〕で表わされる化
合物へと導くことができる。Q'''で示される「低級ア
ルキル基」としては、例えばメチル、エチル等のC1-6
アルキル基等が挙げられる。
【0039】さらに式(IIIb−1)で新たに導入され
た、カルボニル基をアルコールに還元し、脱水すること
で式(IIIb−2)
【化27】 〔式中の記号は前記と同意義を示す。〕で表わされる化
合物を得ることができる。さらにまた、式(VII)
【化28】 〔式中の記号は前記と同意義を示す。〕で表わされる化
合物のカルボン酸を、混合酸無水物法等により活性化
し、ジアゾメタンと反応させ、しかる後にハロゲン化水
素で処理することにより、式(IIIb−3)
【化29】 〔式中、Xbはハロゲン原子を、他の記号は前記と同意
義を示す。〕で表わされる化合物を得ることができる。
Xbで示される「ハロゲン原子」としては例えば塩素、
臭素等が用いられる。
【0040】また式(IIIb−3)で表わされる化合物
(IIIb−3)を、R'''−COOHと塩基の存在下で反
応させることにより、式(IIIb−4)
【化30】 〔R'''は置換されていてもよい炭化水素基又は複素環
基を、他の記号は前記と同意義を示す。〕で表わされる
化合物を得ることができる。ここで得られた式(IIIb−
1)ないし(IIIb−4)で表わされる化合物(IIIb−
1)ないし(IIIb−4)はすべて化合物(IIIb)に含ま
れる化合物群である。また、化合物(IIIb−3)を、例
えばアルコール類やスルフィド基を有する化合物と縮合
することによりエーテル結合、チオエーテル結合を有す
る化合物(IIIb)が合成できる。チオエーテル化合物は
酸化することによりスルホキシド基やスルホン基を含む
化合物(IIIb)を得ることもできる。ここで、R'で示
される「置換されていてもよい炭化水素基」、R''で示
される「アシル基」及びR'''で示される「置換されて
いてもよい炭化水素基又は複素環基」としては、R1
6、R7、R8又はR9として前述した「置換されていて
もよい炭化水素基」、「置換されていてもよい複素環
基」と「アシル基」と同様のものが用いられる。また、
化合物(I)は、化合物(II)と化合物(IV)とを用い
て上記(1)と同様の反応にて縮合した後、アルコール
を上記(3)で示した反応により、種々のZ基へと導
き、必要ならば保護基を除去し、また必要に応じて、単
離精製操作を加えることにより、製造することもでき
る。
【0041】化合物(I)に含まれる化合物は、より具
体的には例えば下記に示す方法 i)ないし iv)により
製造することもできる。式中の記号は前記と同意義を示
す。 i)式
【化31】
【0042】以下に各反応を説明する。各反応の試薬又
は化合物は、原料化合物1モルに対し、通常の反応では
1ないし50当量、好ましくは1ないし10モル程度で
あり、試薬等が触媒として用いられる場合は0.01な
いし10モル、好ましくは0.1ないし0.5モル程度で
ある。 (化合物1→2の反応)強い塩基(例えば水素化ナトリ
ウム等の水素化アルカリ金属、ブチルリチウム等のアル
キルリチウム)を用いて、メチルリン酸ジアルキルエス
テル(例えばメチルスルホン酸ジメチル)を反応させる
ことにより行うことができる。反応溶媒としては、例え
ばベンゼン、トルエン等の炭化水素類、クロロホルム、
ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン
化炭化水素類、エチルエーテル、テトラヒドロフラン、
ジオキサン等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムア
ミド等のアミド類、その他ジメチルスルホキシド等を用
いることができる。反応温度は−70℃ないし200
℃、好ましくは−30ないし30℃で行うことができ
る。
【0043】(化合物2→3,4の反応)塩基として、
例えば水素化ナトリウム等の水素化アルカリ金属、炭酸
カリウム等の炭酸アルカリ金属等の無機塩基又は例えば
トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリ
ジン、N−エチルモルホリン等の有機塩基等を用いるこ
とができる。反応温度は−70℃ないし200℃、好ま
しくは−30ないし30℃で行うことができる。反応溶
媒としては(化合物1→2の反応)と同様のものを用い
ることができる。 (化合物3,4→5,5'→6,6'の反応)例えば水素
化ホウ素ナトリウム、水素化ジイソブチルアルミニウ
ム、水素化アルミニウムリチウム等の金属水素化物又は
金属水素錯化合物の誘導体による還元もしくは白金、パ
ラジウム、ニッケル等を用いる接触還元等を用いること
ができる。反応温度は−70℃ないし200℃、好まし
くは−30℃ないし30℃で行うことができる。反応溶
媒としては例えばメタノール、エタノール等のアルコー
ル、m−ヘキサン、ベンゼン等の炭化水素類、エチルエ
ーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル
類、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類等を用
いることができる。
【0044】(化合物6→7の反応)塩基として、例え
ば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等
の無機塩基、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチル
アミン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−
ウンデセン等の有機塩基等を用いることができる。反応
溶媒としては、例えばジオキサン、テトラヒドロフラン
等のエーテル類、エチルアルコール、メチルアルコール
等のアルコール類、N,N−ジメチルホルムアミド等の
アミド類を用いることができる。反応温度は−200℃
ないし200℃、好ましくは−20℃ないし50℃で行
うことができる。 (化合物7→8の反応)水酸基とカルボキシル基の同時
保護に、例えばt−ブチルジメチルシリル(TBDM
S)基、トリエチルシリル基等のシリル誘導体又はベン
ジル基等を用いることができ、それらの導入にはそれぞ
れのハロゲン化物(塩化物等)を用いるこちができる。
必要ならば、例えばイミダゾール、トリエチルアミン、
N−エチルモルホリン等の有機塩基、水素化ナトリウ
ム、炭酸カリウム等の無機塩基等の存在下に反応を行う
ことができる。この後、例えば炭酸カリウム等の無機塩
基等を用いて、(化合物6→7の反応)と同様の方法で
カルボキシル基の保護基のみを除去することができる。
反応は通常の溶媒を用いて行うことができ、反応温度は
−20℃ないし200℃、好ましくは−10℃ないし4
0℃で行うことができる。
【0045】(化合物8→10の反応)化合物8のカル
ボン酸は、例えば1−エチル−3−(3−ジメチルアミ
ノプロピルカルボジイミド・塩酸塩(EDC・HC
l)、N,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド等のカ
ルボジイミド類、クロル炭酸イソブチル等を用いる混合
酸無水物法、又はカルボニルイミダゾール等、通常のア
ミド結合形成反応に用いる方法で活性化することができ
る。この際必要ならば1−ヒドロキシベンゾトリアーゾ
ール、N−ヒドロキシ−5−ノルボレネン−2,5−ジ
カルボキシイミド等を添加することもできる。反応溶媒
としては、(化合物1→2の反応)と同様のものを用い
ることができる他、例えばアセトニトリル等のニトリル
類も用いることができる。反応温度は−50℃ないし1
00℃、好ましくは−30℃ないし50℃で行うことが
できる。 (化合物10→11の反応)水酸基の保護基であるシリ
ル系保護基は、例えばフッ化テトラブチルアンモニウム
等のフッ化物、酢酸等の希酸等で除去することができ、
ベンジル基等は(化合物3,4→6,6'の反応)と同様
の接触還元で除去することができる。続いての酸化反応
は例えばピリジウムジクロメート(PDC)等のクロム
酸及びその錯体化合物、二酸化マンガン等の金属化合物
を用いる酸化ジメチルスルホキシドを用いる酸化、m−
クロロ過安息香酸等の過酸化物による酸化等で行なうこ
とができる。反応溶媒としては(化合物1→2の反応)と
同様のものを用いることができる他、アセトン等のケト
ン類、アセトニトリル等のニトリル類等も用いることが
できる。 (化合物11→12の反応)トリフルオロ酢酸、メタン
スルホン酸等の有機酸又は塩酸、フッ化水素等の無機酸
を用いることができる。これらの酸には3%ないし50
%、好ましくは10ないし30%の水が含まれていても
よい。これらの酸は他の溶媒と混合して用いられてもよ
い。反応温度は−20℃ないし200℃、好ましくは−
10℃ないし50℃で行うことができる。
【0046】ii)
【化32】 (化合物3→13の反応)は(化合物6→7の反応)と
同様の方法を用いて、(化合物13→14の反応)は
(化合物8→10の反応)と同様の方法を用いて、(化
合物14→15の反応)は(化合物11→12の反応)
と同様の方法を用いて行うことができる。
【0047】iii)
【化33】 以下に各反応を説明する。
【0048】(化合物8→17の反応)(化合物8→1
0の反応)と同様の方法を用いて行うことができる。 (化合物17→18の反応)例えばパラジウム、白金、
ニッケル等を用いる接触還元を用いて行うことができ
る。反応温度は−70℃ないし200℃、好ましくは−
10℃ないし50℃で行うことができる。反応溶媒とし
ては、メタノール、エタノール等のアルコール類、テト
ラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、N,N−
ジメチルホルムアミド等のアミド類等を用いることがで
きる。 (化合物18→19の反応)(化合物8→10の反応)
と同様のカルボン酸活性化法を用いることができる。活
性化されたカルボン酸にジアゾメタンを反応させた後、
ひき続き臭化水素を反応させることにより行うことがで
きる。臭化水素は10ないし50%に水、酢酸等の溶
媒、もしくはこれらの混合溶媒に溶かしたものを加えて
もよい。 (化合物19→20の反応)ベンゼン環が置換されてい
てもよい低級アルキル(例えばメチル、エチル等)、ニ
トロ基、ハロゲン(例えば塩素、臭素、フッ素等)等で
置換されていてもよい安息香酸又はその塩を反応させる
ことにより行うことができる。塩基としては、例えばフ
ッ化カリウム、フッ化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸
セシウム、重炭酸ナトリウム等の無機塩基、N−エチル
モルホリン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチル
アミン等の有機塩基等を用いることができる。通常、反
応は溶媒中で行なわれ、反応温度は−50℃ないし20
0℃、好ましくは−20℃ないし50℃で行うことがで
きる。 (化合物20→22の反応)水酸基の保護基の除去、続
いての酸化反応は(化合物10→11の反応)と同様の
方法で行うことができる。又、必要ならば(化合物11
→12の反応)と同様にして脱保護を行うことができ
る。
【0049】iv)
【化34】 以下に各反応を説明する。
【0050】(化合物23→24の反応)(化合物8→
10の反応)と同様のカルボン酸の活性化法を用いて行
うことができる。 (化合物24→25の反応)例えばリチウムジイソプロ
ピルアミド、リチウムアミド、ブチルリチウム等の強い
アルカリ金属塩基の存在下に酢酸アルキルエステルのア
ニオンを生成させ、化合物24と反応させることにより
行うことができる。反応溶媒としてはヘキサン、ベンゼ
ン等の炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等
のエーテル類等を用いることができ、反応温度としては
−70℃ないし100℃、好ましくは−50℃ないし5
0℃で行うことができる。 (化合物25→26の反応)例えば塩基として、水素化
ナトリウム、ブチルリチウム、ナトリウムエチラート等
の無機塩基、トリエチルアミン、ピリジン、ジアザビシ
クロ[5.4.0]−7−ウンデセン等の有機塩基等を用
い、生成した化合物25のアニオンにハロゲン化酢酸ア
ルキルエステルの種々の誘導体を反応させることにより
行うことができる。反応は通常、溶媒中で行なわれ、反
応温度は−70℃ないし200℃、好ましくは−50℃
ないし100℃で行うことができる。
【0051】(化合物26→27の反応)例えばトリフ
ルオロ酢酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンス
ルホン酸等の有機もしくは塩酸、硫酸等の無機酸によ
り、必要ならば反応を加速するために、チオアニソール
等の含硫化合物の存在下に、脱保護を行うことができ
る。又加温することにより脱炭酸反応がより速やかに進
行する。アミノ基の保護基はパラジウム、白金等を触媒
とする接触還元で別に除去してもよい。反応温度は−2
0℃ないし200℃、好ましくは0℃ないし150℃で
行うことができる。 (化合物27→28の反応)例えば水酸化ナトリウム、
炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム等の無機塩基又はトリ
エチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、ジイ
ソプロピルエチルアミン等の有機塩の存在下に、カルボ
ン酸ハロゲン化物、ハロゲン化アルキル等を反応させる
ことにより行うことができる。カルボン酸等の場合に
は、(化合物8→10の反応)と同様の活性化法を用い
て縮合してもよい。反応溶媒は(化合物1→2の反応)
と同様のものが用いことができる他、アセトニトリル、
水等も用いることができる。 (化合物28→29の反応)(化合物3,4→6,6'
の反応)と同様にして還元反応を行い、(化合物6→7
の反応)と同様にして加水分解を行なうことができる。
上記の一連の合成反応で用いられる種々のアミノ基、カ
ルボキシル基、ヒドロキシル基、カルボニル基等の保護
基(Q、Q'、Q''、Q'''及びMを含む)としては下記
のようなものを用いることができる。アミノ基の保護基
としては、例えばホルミル、アセチル、クロロアセチ
ル、ジクロロアセチル、トリクロロアセチル、トリフル
オロアセチル、アセトアセチル、o−ニトロフェニルア
セチル等のアミドを形成するタイプの保護基;例えばte
rt−ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、
p^メトキシベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベ
ンジルオキシカルボニル、2−クロロベンジルオキシカ
ルボニル、2,4−ジクロロベンジルオキシカルボニ
ル、ベンズヒドリルオキシカルボニル、2,2,2−トリ
クロロエトキシカルボニル、2−トリメチルシリルエト
キシカルボニル、1−メチル−1−(4−ビフェニリ
ル)エトキシカルボニル、9−フルオレニルメトキシカ
ルボニル、9−アントリルメトキシカルボニル、イソニ
コチニルオキシカルボニル、1−アダマンチルオキシカ
ルボニル等のカルバメートを形成するタイプの保護基;
ならびにトリチル、フタロイル等が挙げられる。
【0052】ヒドロキシル基の保護基としては、例えば
メトキシメチル、ベンジルオキシメチル、tert−ブトキ
シメチル、2−メトキシエトキシメチル、2−(トリメ
チルシリル)エトキシメチル、メチルチオメチル、2−
テトラヒドロピラニル、4−メトキシ−4−テトラヒド
ロピラニル、2−テトラヒドロピラニル、ベンジル、p
−メトキシベンジル、p−ニトロベンジル、o−ニトロ
ベンジル、2,6−ジクロルベンジル、トリチル等のエ
ーテルを形成するタイプの保護基;例えばトリメチルシ
リル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、イ
ソプロピルジメチルシリル、ジエチルイソプロピルシリ
ル、tert−ブチルジメチルシリル、tert−ブチルジフェ
ニルシリル、トリベンジルシリル、トリフェニルシリ
ル、メチルジフェニルシリル等のシリルエーテルを形成
するタイプの保護基;例えばホルミル、アセチル、クロ
ロアセチル、ジクロロアセチル、トリクロロアセチル、
ピバロイル、ベンゾイル、ベンジルオキシカルボニル、
2−ブロモベンジルオキシカルボニル等のエステルを形
成するタイプの保護基等が挙げられる。カルボキシル基
の保護基の好適な例としては、例えばメチル、エチル、
メトキシメチル、メトキシエトキシメチル、ベンジルオ
キシメチル、tert−ブチル、ベンジル、p−メトキシベ
ンジル、p−ニトロベンジル、o−ニトロベンジル、ベ
ンズヒドリル、トリチル、2,2,2−トリクロロエチ
ル、2−トリメチルシリルエチル、アリル、シクロヘキ
シル、シクロペンチル、フェナシル等のエステルを形成
するタイプの保護基;例えばトリメチルシリル、トリエ
チルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、イソプロピ
ルジメチルシリル、ジメチルフェニルシリル等のシリル
エステルを形成するタイプの保護基等が挙げられる。
【0053】カルボニル基の保護基としては、例えばジ
メチル、ジエチル、ジベンジル、ジアセチル等のアセタ
ールやケタール、もしくはジチオアセタールやジチオケ
タールを形成するタイプの保護基;置換されていてもよ
い1,3−ジオキサン、1,3−ジオキソラン類を形成す
るタイプや1,3−ジチアンや1,3−ジチオランを形成
するタイプ、さらには、N,N−ジメチル、2,4−ジニ
トロフェニル等の置換ヒドラゾンを形成するタイプの保
護基等が挙げられる。これらのアミノ基の保護基、ヒド
ロキシル基の保護基、カルボニル基の保護基及びカルボ
キシル基の保護基を除去する方法としては、例えば酸に
よる方法、塩基による方法、還元による方法、紫外線に
よる方法、ヒドラジンによる方法、フェニルヒドラジン
による方法、N−メチルジチオカルバミン酸ナトリウム
にる方法、テトラブチルアンモニウムフルオリドによる
方法、酢酸パラジウムによる方法、塩化水銀による方
法、ルイス酸による方法等が挙げられ、これら一般的な
方法あるいはその他の公知の手段を適宜選択して用いる
ことができる。ここで、酸による方法は、アミド、エス
テル、シリルエステル、シリルエーテル等を加水分解す
る一般的な方法の一つであり、対応する保護基の脱離に
適用される。例えばtert−ブトキシカルボニル、p−メ
トキシベンジルオキシカルボニル、ベンズヒドリルオキ
シカルボニル、9−アントリルメトキシカルボニル、1
−メチル−1−(4−ビフェニル)エトキシカルボニ
ル、1アダマンチルオキシカルボニル、トリチル等で保
護されたアミノ基;例えばメトキシメチル、tert−ブト
キシメチル、2−テトラヒドロピラニル、4−メトキシ
−4−テトラヒドロピラニル、2−テトラヒドロフラニ
ル、トリチル等で保護されたヒドロキシル基等の脱保護
にも繁用される。使用される酸の好適な例としては、例
えばギ酸、トリフルオロ酢酸、ベンゼンスルホン酸、p
−トルエンスルホン酸等の有機酸;例えば塩酸、臭化水
素酸、硫酸等の無機酸等が挙げられる。
【0054】塩基による方法は、酸による方法と同様に
アミド、エステル等を加水分解する一般的な方法の一つ
であり、対応する保護基の脱離に適用される。例えば、
9−フルオレニルメトキシカルボニルで保護されたアミ
ノ基の脱保護には有機塩基類が有効に用いられる。使用
される塩基の好適な例としては、例えば水酸化リチウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アル
カリ金属、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の
水酸化アルカリ土類金属、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム等の炭酸アルカリ金属、炭酸マグネシウム、炭酸カル
シウム等の炭酸アルカリ土類金属、炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸水素カリウム等の炭酸水素アルカリ金属、酢酸
ナトリウム、酢酸カリウム等の酢酸アルカリ金属、リン
酸カルシウム、リン酸マグネシウム等のリン酸アルカリ
土類金属、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリ
ウム等のリン酸水素アルカリ金属ならびにアンモニア水
等の無機塩基;例えばトリメチルアミン、トリエチルア
ミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、ピコリ
ン、N−メチルピロリジン、ピペリジン、N−メチルピ
ペリジン、N−メチルモルホリン、1,5−ジアザビシ
クロ〔4.3.0〕ノン−5−エン、1,4−ジアザビシ
クロ〔2.2.2〕オクタン、1,8−ジアザビシクロ
〔5.4.0〕−7−ウンデセン等の有機塩基等が挙げら
れる。
【0055】還元による方法は、例えばトリクロロアセ
チル、トリフルオロアセチル、o−ニトロフェニルアセ
チル、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、ベン
ジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカル
ボニル、2,4−ジクロロベンジルオキシカルボニル、
イソニコチニルオキシカルボニル、トリチル等で保護さ
れたアミノ基;例えばベンジル、p−ニトロベンジル等
で保護されたヒドロキシル基;例えばベンジルオキシメ
チル、ベンジル、p−ニトロベンジル、フェナシル、
2,2,2−トリクロルエチル、ベンズヒドリル等で保護
されたカルボキシル基等の脱保護に適用される。使用さ
れる還元法の好適な例としては、例えば水素化ホウ素ナ
トリウムによる還元、亜鉛/酢酸による還元、接触還元
等が挙げられる。紫外線による方法は、例えばo−ニト
ロベンジルで保護されたヒドロキシル基ならびにカルボ
キシル基の脱保護に用いられる。ヒドラジンによる方法
は、例えばフタロイルで保護されたアミノ基(例えばフ
タルイミド基等)の脱保護に用いられる。フェニルヒド
ラジンによる方法は、例えばアセトアセチルで保護され
たアミノ基の脱保護に用いられる。
【0056】N−メチルジチオカルバミン酸ナトリウム
による方法は、例えばクロロアセチルで保護されたアミ
ノ基ならびにヒドロキシル基の脱保護に用いられる。テ
トラブチルアンモニウムフルオリドによる方法は、例え
ば2−トリメチルシリルエチルカルバメート、シリルエ
ーテル類ならびにシリルエステル類から保護基を除去
し、それぞれアミノ基、ヒドロキシル基ならびにカルボ
キシル基を得る方法として用いられる。酢酸パラジウム
による方法は、例えばアリルエステルから保護基を除去
してカルボキシル基を得る方法として用いられる。塩化
水銀による方法は、例えばメチルチオメチルで保護され
たヒドロキシル基の脱保護に用いられる。ルイス酸によ
る方法は、例えば2−メトキシエトキシメチルで保護さ
れたヒドロキシル基の脱保護に用いられる。使用される
ルイス酸の好適な例としては、例えば臭化亜鉛、四塩化
チタン等が挙げられる。また上記した一連の反応で得ら
れる、中間体、生成物、最終生成物は、必要に応じて、
公知のあるいはそれに準ずる分離精製手段、例えば濃
縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマ
トグラフィー等により単離精製することができる。
【0057】
【作用】本発明の化合物(I)又はその薬理学的に許容
されるエステル又はその塩は、システインプロテアーゼ
(例えばICE、カテプシンB、カテプシンL等、好ま
しくはICE等)を阻害し、毒性が低く、安全であり、
人及び哺乳動物(例えばマウス、ラット、ウサギ、犬、
ネコ、サル、牛、豚等)における、例えば髄膜炎、卵管
炎、腸炎、炎症性腸炎、過酸性腸炎、敗血症、汎発性血
管内凝固、成人性呼吸窮迫症、関節炎、胆管症、大腸
炎、脳炎、心内膜炎、糸球体賢炎、肝炎、心筋炎、膵
炎、心膜炎、再潅流傷害、脈管炎、急性及び遅延性アレ
ルギー、移植片拒絶、乾癬、ぜん息、I型真性糖尿病、
多発性硬化症、アレルギー性皮フ炎、急性及び慢性骨髄
性白血病、組織カルシウム欠乏、リウマチ、リウマチ性
関節炎、骨関節炎、老人性及び更年期性骨粗しょう症、
不動性及び外傷性骨粗しょう症、動脈硬化、歯周病、間
隙性肺線維症、肝硬変、全身硬化病、ケロイド、アルツ
ハイマー症、IL−1産生腫瘍等の各種感染症、免疫疾
患、骨疾患、神経疾患、腫瘍、炎症性疾患等の治療及び
予防のために使用することができる。中でも例えば骨疾
患(例えばリウマチ性関節炎等)又は敗血症ショックの
予防及び治療のために使用するのが好ましい。本発明の
化合物(I)又はその薬理学的に許容しうるエステル又
はその塩は、そのままあるいは薬学的に許容される担体
と配合し、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤等の固形製
剤;又はシロップ剤、注射剤等の液状製剤として経口又
は非経口的に投与することができる。本発明の予防又は
治療用製剤は、製剤の形態に応じて、例えば、混和、混
練、造粒、打錠、コーティング、滅菌処理、乳化等の慣
用の方法で製造できる。なお、製剤の製造に関して、例
えば日本薬局法製剤総則の各項等を参照できる。本発明
の製剤において、化合物(I)の含有量は、製剤の形態
によって相違するが、通常、製剤全体に対して0.01
ないし100重量%、好ましくは0.1ないし50重量
%、さらに好ましくは0.5ないし20重量%程度であ
る。
【0058】薬学的に許容される担体としては、製剤素
材として慣用の各種有機あるいは無機担体物質が用いら
れ、固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊
剤;液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等
張化剤、緩衝剤、無痛化剤等として配合される。また必
要に応じて、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味料等の製
剤添加物を用いることもできる。賦形剤の好適な例とし
ては、例えば乳糖、白糖、D−マンニトール、デンプ
ン、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸等が挙げられる。
滑沢剤の好適な例としては、例えばステアリン酸マグネ
シウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシ
リカ等が挙げられる。結合剤の好適な例としては、例え
ば結晶セルロース、白糖、D−マンニトール、デキスト
リン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロ
ピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン等が挙げ
られる。崩壊剤の好適な例としては、例えばデンプン、
カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロ
ースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カル
ボキシメチルスターチナトリウム等が挙げられる。溶剤
の好適な例としては、例えば注射用水、アルコール、プ
ロピレングリコール、マクロゴール、ゴマ油、トウモロ
コシ油等が挙げられる。溶解補助剤の好適な例として
は、例えばポリエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、D−マンニトール、安息香酸ベンジル、エタノー
ル、トリスアミノメタン、コレステロール、トリエタノ
ールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム等が
挙げられる。懸濁化剤の好適な例としては、例えばステ
アリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウ
ム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベン
ザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸
グリセリン、等の界面活性剤;例えばポリビニルアルコ
ール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロ
ースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチル
セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシ
プロピルセルロース等の親水性高分子等が挙げられる。
等張化剤の好適な例としては、例えば塩化ナトリウム、
グリセリン、D−マンニトール等が挙げられる。緩衝剤
の好適な例としては、例えばリン酸塩、酢酸塩、炭酸
塩、クエン酸塩等の緩衝液等が挙げられる。無痛化剤の
好適な例としては、例えばベンジルアルコール等が挙げ
られる。防腐剤の好適な例としては、例えばパラオキシ
安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアル
コール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビ
ン酸等が挙げられる。抗酸化剤の好適な例としては、例
えば亜硫酸塩、アスコルビン酸等が挙げられる。本発明
の予防又は治療用製剤は、前記したような各種疾病に羅
患した人(体重50ないし70kg)及び動物に対し
て、例えば体重1kgあたり化合物(I)として0.01mg
ないし500mg/日、好ましくは0.1ないし50mg/
日を経口もしくは非経口投与すればよい。投与量は化合
物(I)の種類、投与ルート、症状、患者の年令等によ
っても異なるが、例えばリウマチ性関節炎の成人患者
(体重50ないし70kg)に経口的に投与する場合、
体重1kgあたり化合物(I)として0.1mgないし50mg
/日、好ましくは1mgないし20mg/日を1日1ないし
6回に分割投与できる。本発明の化合物(I)は、適
宜、他の医薬活性成分と適量配合して使用することもで
きる。このような活性成分としては、例えばオキソニ
ン、インドメタシン、メトトレキセート、オーラノフィ
ン、ブシラミン等が挙げられる。
【0059】本発明明細書において、アミノ酸又は化合
物名等を略号等で表示する場合、IUPAC−IUB
Commision on Biochemical Nomenclature による略号あ
るいは当該分野における慣用略号に基づくものであり、
その例を下記する。 Gly 又はG :グリシン Ala 又はA :アラニン Val 又はV :バリン Leu 又はL :ロイシン Ile 又はI :イソロイシン Ser 又はS :セリン Thr 又はT :スレオニン Cys 又はC :システイン Met 又はM :メチオニン Glu 又はE :グルタミン酸 Asp 又はD :アスパラギン酸 Lts 又はK :リジン Arg 又はR :アルギニン His 又はH :ヒスチジン Phe 又はF :フェニールアラニン Tyr 又はY :チロシン Trp 又はW :トリプトファン Pro 又はP :プロリン Asn 又はN :アスパラギン Gln 又はQ :グルタミン Aib :アミノイソ酪酸 Nle :ノルロイシン β−Ala :β−アラニン Fmoc :9−フルオレニルメトキシカルボニル OSu :サクシンイミドエステル But :tert−ブチル DCC :N,N'−ジシクロカルボジイミド HONB :1−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−
2,3−ジカルボキシイミド HOBt :1−ヒドロキシベンゾトリアゾール Ac :アセチル Z :ベンジルオキシカルボニル Boc :t−ブトキシカルボニル Bzl :ベンジル WSCD :1−エチル−3−(3−ジメチルアミ
ノプロピル)カルボジイミド BOP :ベンゾトリアゾール−1−イル−オキ
シ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム ヘキサク
ルオロホスフェート TFA :トリフルオロ酢酸
【0060】
【発明の実施の形態】本発明はさらに下記に代表的な参
考例及び実施例を挙げて詳しく説明されるが、これらは
単なる例示であって本発明を限定するものではなく、ま
た本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。 参考例1 N-(2-ナフトイル)バリンの合成 バリン(40.0g, 341mmol)を水(400ml)に懸濁させ、
氷冷下に1規定水酸化ナトリウム水溶液(341ml)を加え
溶かし、さらに炭酸水素ナトリウム(34.4g, 410mmol)
を加えた。これに、塩化-2-ナフトイル(71.6g, 376mmo
l)のエーテル(700ml)溶液を激しく撹拌しながら30分
かけて滴下し、28℃で2日間撹拌した。反応終了後、水
層を分離し、エーテルで洗浄した。続いて、氷冷下に6
規定塩酸水溶液をゆっくり加え酸性にし、酢酸エチルで
抽出し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾
燥した。乾燥剤をろ去し、ろ液を減圧濃縮後、エーテル
を加え、パウダーとして題記化合物 66.0g(71.3%)を
得た。
【0061】参考例2 N-(2-ナフトイル)バリンメチルエステルの合成 参考例1で得られたN-(2-ナフトイル)バリン(65.0g, 2
40mmol)をジメチルホルムアミド(500ml)に溶かし、
炭酸水素カリウム(48.0g, 479mmol)とヨウ化メチル
(22.4ml, 359mmol)を加えて1日間撹拌した。反応終了
後、減圧濃縮し、得られた油状物を酢酸エチルに溶か
し、チオ硫酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、
無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤をろ去し、ろ液
を減圧濃縮後、エーテルを加え、パウダーとして題記化
合物 64.4g(94.2%)を得た。
【0062】参考例3 4-メチル-3-(2-ナフトイル)アミノ-2-オキソペンチルリ
ン酸ジメチルエステルの合成 ブチルリチウム(1.6M ヘキサン溶液, 750ml, 1.20mo
l)のテトラヒドロフラン(1.0l)溶液に窒素雰囲気下-
70℃でメチルホスホン酸ジメチル(130ml, 1.20mol)を
加え1時間撹拌した。続いて、参考例2で得られたN-(2-
ナフトイル)バリンメチルエステル(42.8g, 150mmol)
のテトラヒドロフラン(500ml)溶液を1時間かけて滴下
し、さらに1時間撹拌した。反応終了後、塩化アンモニ
ウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で
洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤をろ去
し、ろ液を減圧濃縮後、ヘキサンを加え、パウダーとし
て題記化合物 55.4g(97.8%)を得た。
【0063】参考例4 2,6-ジメチル-5-(2-ナフトイル)アミノ-4-ヘプタノリド
の合成 参考例3で得られた4-メチル-3-(2-ナフトイル)アミノ-
2-オキソペンチルリン酸ジメチルエステル(30.0g, 79.
5mmol)のテトラヒドロフラン(250ml)溶液に-30℃で
水素化ナトリウム(3.82g, 95.4mmol)を加え、ゆっく
り氷冷して2時間撹拌した。再度-20℃に冷却し、ピルビ
ン酸メチルエステル(8.62ml, 95.4mmol)のテトラヒド
ロフラン(10ml)溶液を滴下し、氷冷で2時間撹拌し
た。反応終了後、塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸
エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した。乾燥剤をろ去し、ろ液を減圧濃縮し
た。-60℃に冷却した水素化ホウ素ナトリウム(16.7g,
398mmol)のメタノール(200ml)と水(80ml)の溶液
に、得られた油状物(28.1g, 79.5mmol)のテトラヒド
ロフラン(300ml)溶液を滴下し、-40℃で1時間撹拌し
た。再度-70℃に冷却し、6規定塩酸(260ml)を滴下
後、-20℃に昇温し20分間撹拌した。反応終了後、酢酸
エチルを加え、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥した。乾燥剤をろ去し、ろ液を減圧濃縮後、得
られた油状物にエーテルを加え、不溶物を除き、ろ液を
減圧濃縮後、常圧シリカゲルカラムクロマトグラフィー
(シリカゲル 80g; 展開溶媒:ヘキサン:酢酸エチル=
1:1)で精製した。溶媒を減圧濃縮し、得られた残渣の
うち2.00gをテトラヒドロフラン(50ml)に溶かし、パ
ラジウム黒を加え、1日間水素を通じた。パラジウム黒
をろ去後、減圧濃縮した。これをトルエン(50ml)に溶
かし、酢酸(2ml)を加え2時間還流した。反応終了後、
減圧濃縮し、エ−テルとヘキサンを加えてパウダーとし
て題記化合物 1.35gを得た。
【0064】参考例5 4-t-ブチルジメチルシリルオキシ-2,6-ジメチル-5-(2-
ナフトイル)アミノヘプタン酸の合成 参考例4で得られた2,6-ジメチル-5-(2-ナフトイル)ア
ミノ-4-ヘプタノリド(1.30g, 3.99mmol)をジメチルホ
ルムアミド(24ml)に溶かし、氷冷下1規定水酸化リチ
ウム(4.8ml)を加え、2.5時間撹拌した。反応終了後、
減圧濃縮し、クエン酸で酸性にした後、酢酸エチルで抽
出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した。乾燥剤をろ去し、ろ液を減圧濃縮し
た。得られたヒドロキシカルボン酸(1.37g, 3.99mmo
l)とイミダゾール(4.07g, 59.8mmol)をジメチルホル
ムアミド(12ml)とテトラヒドロフラン(4ml)に溶か
し、TBDMS-Cl(3.61g, 23.9mmol)を加え、密栓して4日
間撹拌した。反応終了後、酢酸エチルに溶かし、10%
クエン酸水溶液と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した。乾燥剤をろ去し、ろ液を減圧濃縮後、
メタノール(32ml)に溶かし、炭酸ナトリウム(1.38g,
9.97mmol)の水溶液(10ml)を加え、1日間撹拌した。
反応終了後、減圧濃縮し、酢酸エチルに溶かして、飽和
クエン酸水溶液と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した。乾燥剤をろ去後、ろ液を減圧濃縮し、
無色油状物として題記化合物 1.83g(定量的)を得た。
【0065】参考例6 4-t-ブチルジメチルシリルオキシ-6-メチル-5-(2-ナフ
トイル)アミノヘプタン酸の合成 ベンジルオキシカルボニルバリン(5.00g, 19.9mmol)
をテトラヒドロフラン(20ml)に溶かし、-28℃で N,N'
-カルボニルジイミダゾ−ル (3.55g, 21.9mmol)を加
えて30分間、28℃で3時間撹拌した。酢酸 t-ブチル
(8.85ml, 65.7mmol)のテトラヒドロ
フラン(20ml)溶液に 2M LDA 溶液(35.7ml, 65.7
mmol)を-70℃で加え、25分後に上記の活性エステル溶
液を-40℃で加えた。30分後、飽和塩化アンモニウム溶
液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水
素ナトリウム水溶液と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥した。乾燥剤をろ去し、ろ液を減圧濃縮
後、常圧シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカ
ゲル 120g; 展開溶媒:ヘキサン:酢酸エチル=3:1)
で精製し、油状物 5.47g(78.6%)を得た。得られたケ
トエステル体(2.00g, 5.72mmol)をテトラヒドロフラ
ン(10ml)に溶かし、0℃で水素化ナトリウム(252mg,
6.30mmol)とブロモ酢酸メチル(252mg, 6.30mmol)を
加えて28℃で19時間撹拌した。反応終了後、反応液に酢
酸エチルを加え、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した。乾燥剤をろ去し、ろ液を減圧濃縮後、
常圧シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル
70g; 展開溶媒:ヘキサン:酢酸エチル=5:1)で精製
し、油状物 1.70g(70.5%)を得た。続いてこのジエス
テル体(1.70g, 4.03mmol)をトリフルオロ酢酸(5ml)
に溶かし、チオアニソ−ル(1.89ml, 16.1mmol)を加え
15時間攪拌した。減圧濃縮後、得られた油状物を水(20
ml)に溶かし、炭酸水素ナトリウム(2.03g, 24.2mmo
l)を加えた後、塩化-2-ナフトイル(846mg, 4.44mmo
l)のエーテル(10ml)溶液を0℃で加え、1時間撹拌し
た。反応終了後、エ−テル層を分離し、飽和炭酸水素ナ
トリウム水溶液、10% クエン酸水溶液と飽和食塩水で
洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤をろ去
し、ろ液を減圧濃縮後、常圧シリカゲルカラムクロマト
グラフィー(シリカゲル 70g; 展開溶媒: ヘキサン:
酢酸エチル=3:1)で精製し、油状物 784mg(56.8%)
を得た。-50℃に冷却した水素化ホウ素ナトリウム(416
mg, 11.0mmol)のメタノール(8ml)と水(2ml)の混合
溶液に、得られた油状物(750mg, 2.20mmol)のテトラ
ヒドロフラン(10ml)溶液を滴下し、-30℃で30分間撹
拌した。再度-40℃に冷却し、アセトン(3.2ml)を滴下
した。反応終了後、酢酸エチルを加え、飽和食塩水で洗
浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤をろ去
後、ろ液を減圧濃縮した。得られた油状物(676mg, 1.9
7mmol)をメタノ−ル(20ml)に溶かし、0℃で1規定水
酸化リチウム水溶液(2.23ml)を加えて10分撹拌、その
後 28℃で15時間撹拌した。反応終了後、減圧濃縮し、
残渣を水に溶かしてエ−テル洗浄した後、クエン酸で酸
性にして酢酸エチルで抽出した。これを飽和食塩水で洗
浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤をろ去
し、ろ液を減圧濃縮後、残渣にヘキサンを加え、パウダ
− 665mg(84.9%)を得た。このようにして得られたヒ
ドロキシカルボン酸(650mg, 1.88mmol)をテトラヒド
ロフラン(10ml)に溶かし、-30℃で2,6-ルチジン(874
μl, 7.51mmol)とt-ブチルジメチルシリルトリフレ−
ト(TBDMS-OTf)(1.29ml, 5.63mmol)を加え、-10℃で1
時間撹拌した。反応終了後、酢酸エチルを加え、10%
クエン酸水溶液と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した。乾燥剤をろ去し、ろ液を減圧濃縮後、
メタノール(20ml)に溶かし、炭酸ナトリウム(648mg,
4.69mmol)の水溶液(5ml)を加え、2時間撹拌した。
反応終了後、減圧濃縮し、エ−テルに溶かして、飽和ク
エン酸水溶液と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥した。乾燥剤をろ去後、ろ液を減圧濃縮し、無
色油状物として題記化合物 837mg(96.9%)を得た。 元素分析 計算値(+0.5H2O)C:66.34 H:8.46 N:3.09 分析値 C:66.50 H:8.49 N:3.18
【0066】実施例1 (3S)-4,4-ジメトキシ-3-[(2R,5S)-2,6-ジメチル-5-(2-
ナフトイル)アミノ-4-オキソヘプタノイル]アミノブタ
ン酸 t-ブチルエステル (A) 及び(3S)-4,4-ジメトキシ-
3-[(2S,5S)-2,6-ジメチル-5-(2-ナフトイル)アミノ-4-
オキソヘプタノイル]アミノブタン酸 t-ブチルエステル
(B) の合成 参考例5で得られた 4-t-ブチルジメチルシリルオキシ-
2,6-ジメチル-5-(2-ナフトイル)アミノヘプタン酸(500
mg, 1.09mmol)、(3S)-4,4-ジメトキシ-3-アミノブタン
酸 t-ブチルエステル(287mg, 1.31mmol)とHOBt(148m
g, 1.09mmol)をジメチルホルムアミド(5ml)に溶か
し、氷冷下でWSCD・HCl(209mg, 1.09mmol)を加えて30
分間、28℃で15時間撹拌した。反応終了後、酢酸エチル
を加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、10% クエン
酸水溶液と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで
乾燥した。乾燥剤をろ去し、ろ液を減圧濃縮した。得ら
れた無色油状物(720mg, 1.09mmol)をテトラヒドロフ
ラン(3ml)に溶かし、1M TBAF テトラヒドロフラン溶
液(3.28ml)を加えて28℃で23時間撹拌した。反応終了
後、酢酸エチルを加え、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸
ナトリウムで乾燥した。乾燥剤をろ去し、ろ液を減圧濃
縮後、常圧シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリ
カゲル 20g; 展開溶媒:クロロホルム:メタノール=1
9:1)で精製し、無色油状物 589mg(99.0%)を得た。
ピリジニウムジクロメ−ト(3.91g, 10.4mmol)をジメ
チルホルムアミド(10ml)に溶かし、得られた油状物
(566mg, 1.04mmol)のジメチルホルムアミド(2ml)溶
液を加えて28℃で1日間撹拌した。反応終了後、減圧濃
縮し、クロロホルムと硫酸ナトリウムを加え、ろ過し
た。これを減圧濃縮後、酢酸エチルに溶かし、10% ク
エン酸水溶液と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥した。ろ液を減圧濃縮し、常圧シリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(シリカゲル 30g; 展開溶媒:ヘ
キサン:酢酸エチル=1:1)によって精製し、得られた
油状物にヘキサンを加え、パウダーとして題記化合物 A
体 43.9mg(7.8%)と B 体 175mg(31.1%)を得た。
【0067】実施例2 (3S)-3-[(2R,5S)-2,6-ジメチル-5-(2-ナフトイル)アミ
ノ-4-オキソヘプタノイル]アミノ-4-オキソブタン酸の
合成 実施例1で得られた(3S)-4,4-ジメトキシ-3-[(2R,5S)-
2,6-ジメチル-5-(2-ナフトイル)アミノ-4-オキソヘプタ
ノイル]アミノブタン酸 t-ブチルエステル(146mg, 0.2
69mmol)をトリフルオロ酢酸(1ml)に溶かし、水(100
μl)を加え6.5時間撹拌した。減圧濃縮後、得られた油
状物にエーテルとヘキサンを加え、パウダーとして題記
化合物 104mg(87.7%)を得た。 元素分析 計算値(+1.2H2O)C:62.38 H:6.63 N:6.06 分析値 C:62.54 H:6.64 N:5.82 [α]D 23 +31.9(c=0.92, DMF)
【0068】実施例3 (3S)-3-[(2S,5S)-2,6-ジメチル-5-(2-ナフトイル)アミ
ノ-4-オキソヘプタノイル]アミノ-4-オキソブタン酸の
合成 実施例1で得られた(3S)-4,4-ジメトキシ-3-[(2S,5S)-
2,6-ジメチル-5-(2-ナフトイル)アミノ-4-オキソヘプタ
ノイル]アミノブタン酸 t-ブチルエステル(150mg, 0.2
76mmol)をトリフルオロ酢酸(2ml)に溶かし、水(200
μl)を加え6時間撹拌した。減圧濃縮後、得られた油状
物にエーテルとヘキサンを加え、パウダーとして題記化
合物 122mg(定量的)を得た。 元素分析 計算値(+0.3TFA+0.4H2O)C:61.31 H:6.09 N:5.81 分析値 C:61.47 H:6.35 N:5.51 [α]D 23 +41.1(c=0.92, DMF)
【0069】実施例4 (4S)-5,5-ジメトキシ-4-[(2R,5S)-2,6-ジメチル-5-(2-
ナフトイル)アミノ-4-オキソヘプタノイル]アミノペン
タン酸 t-ブチルエステル (A) 及び(4S)-5,5-ジメトキ
シ-4-[(2S,5S)-2,6-ジメチル-5-(2-ナフトイル)アミノ-
4-オキソヘプタノイル]アミノペンタン酸 t-ブチルエス
テル (B) の合成 参考例5で得られた 4-t-ブチルジメチルシリルオキシ-
2,6-ジメチル-5-(2-ナフトイル)アミノヘプタン酸(500
mg, 1.09mmol)、(4S)-5,5-ジメトキシ-4-アミノペンタ
ン酸 t-ブチルエステル(306mg, 1.31mmol)とHOBt(14
8mg, 1.09mmol)をジメチルホルムアミド(5ml)に溶か
し、氷冷下でWSCD・HCl(209mg, 1.09mmol)を加えて30
分間、28℃で15時間撹拌した。反応終了後、酢酸エチル
を加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、10% クエン
酸水溶液と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで
乾燥した。乾燥剤をろ去し、ろ液を減圧濃縮した。得ら
れた無色油状物(735mg, 1.09mmol)をテトラヒドロフ
ラン(3ml)に溶かし、1MTBAF テトラヒドロフラン溶液
(3.28ml)を加えて28℃で23時間撹拌した。反応終了
後、酢酸エチルを加え、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸
ナトリウムで乾燥した。乾燥剤をろ去し、ろ液を減圧濃
縮後、常圧シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリ
カゲル 20g; 展開溶媒:クロロホルム:メタノール=1
9:1)で精製し、無色油状物を得た。ピリジニウムジク
ロメ−ト(3.83g, 10.2mmol)をジメチルホルムアミド
(10ml)に溶かし、得られた油状物(569mg, 1.02mmo
l)のジメチルホルムアミド(2ml)溶液を加えて28℃で
1日間撹拌した。反応終了後、減圧濃縮し、クロロホル
ムと硫酸ナトリウムを加え、ろ過した。これを減圧濃縮
し、常圧シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカ
ゲル 30g; 展開溶媒:ヘキサン:酢酸エチル=1:1)に
よって精製し、得られた油状物にヘキサンを加え、パウ
ダーとして題記化合物 A 体 61.8mg(10.9%)と B 体
191mg(33.6%)を得た。 元素分析(A) 計算値C:66.88 H:7.97 N:5.03 分析値C:66.93 H:7.73 N:5.09 元素分析(B) 計算値(+0.1H2O)C:66.67 H:7.98 N:5.02 分析値 C:66.45 H:7.86 N:4.95
【0070】実施例5 (4S)-4-[(2R,5S)-2,6-ジメチル-5-(2-ナフトイル)アミ
ノ-4-オキソヘプタノイル]アミノ-5-オキソペンタン酸
の合成 実施例4で得られた(4S)-5,5-ジメトキシ-4-[(2R, 5S)-
2,6-ジメチル-5-(2-ナフトイル)アミノ-4-オキソヘプタ
ノイル]アミノペンタン酸 t-ブチルエステル(270mg,
0.485mmol)をトリフルオロ酢酸(4.5ml)に溶かし、水
(450μl)を加え7時間撹拌した。減圧濃縮後、得られ
た油状物にエーテルとヘキサンを加え、パウダーとして
題記化合物 220mg(定量的)を得た。 元素分析 計算値(+0.1TFA)C:64.96 H:6.51 N:6.01 分析値 C:64.81 H:6.83 N:5.69 [α]D 23 +48.6(c=0.96, DMF)
【0071】実施例6 (4S)-4-[(2S,5S)-2,6-ジメチル-5-(2-ナフトイル)アミ
ノ-4-オキソヘプタノイル]アミノ-5-オキソペンタン酸
の合成 実施例4で得られた(4S)-5,5-ジメトキシ-4-[(2S,5S)-
2,6-ジメチル-5-(2-ナフトイル)アミノ-4-オキソヘプタ
ノイル]アミノペンタン酸 t-ブチルエステル(150mg,
0.269mmol)をトリフルオロ酢酸(2ml)に溶かし、水
(200μl)を加え6時間攪拌した。減圧濃縮後、得られ
た油状物にエーテルとヘキサンを加え、パウダーとして
題記化合物122mg(定量的)を得た。 元素分析 計算値(+0.25TFA+0.5H2O)C:62.25 H:6.40 N:5.69 分析値 C:62.38 H:6.66 N:5.30 [α]D 23 +38.4(c=1.02, DMF)
【0072】実施例7 4,4-ジメトキシ-3-[4-t-ブチルジメチルシリルオキシ-6
-メチル-5-(2-ナフトイル)アミノヘプタノイル]アミノ
ブタン酸 t-ブチルエステルの合成 参考例6で得られた 4-t-ブチルジメチルシリルオキシ-
6-メチル-5-(2-ナフトイル)アミノヘプタン酸(837mg,
1.82mmol)、(3S)-4,4-ジメトキシ-3-アミノブタン酸 t
-ブチルエステル(478mg, 2.18mmol)とHOBt(246mg,
1.82mmol)をジメチルホルムアミド(10ml)に溶かし、
0℃でWSCD・HCl(348mg, 1.82mmol)を加えて1時間、28
℃で20時間撹拌した。反応終了後、酢酸エチルを加え、
飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、10% クエン酸水溶液
と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。乾燥剤をろ去し、ろ液を減圧濃縮後、残渣にエ−テ
ルとヘキサンを加え、パウダ−として題記化合物 695mg
(57.0%)を得た。
【0073】実施例8 3-[6-メチル-5-(2-ナフトイル)アミノ-4-オキソヘプタ
ノイル]アミノ-4-オキソブタン酸の合成 実施例7で得られた4,4-ジメトキシ-3-[4-t-ブチルジメ
チルシリルオキシ-6-メチル-5-(2-ナフトイル)アミノヘ
プタノイル]アミノブタン酸 t-ブチルエステル(250mg,
0.388mmol)をテトラヒドロフラン(2ml)に溶かし、1
M TBAF テトラヒドロフラン溶液(4.8ml)を加えて28℃
で17時間撹拌した。反応終了後、酢酸エチルを加え、飽
和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾
燥剤をろ去し、ろ液を減圧濃縮後、常圧シリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(シリカゲル 40g; 展開溶媒:ヘ
キサン:酢酸エチル=1:3)で精製し、無色油状物 164
mg(79.8%)を得た。このアルコ−ル体(144mg, 0.271
mmol)をジクロロメタン(2ml)に溶かし、ピリジニウ
ムジクロメ−ト(1.04g, 2.71mmol)を加えて28℃で18
時間撹拌した。反応終了後、セライトを通してろ過し、
減圧濃縮した。これを、常圧シリカゲルカラムクロマト
グラフィー(シリカゲル 15g; 展開溶媒:クロロホル
ム:メタノ−ル=30:1)によって精製し、油状物 111m
g(77.6%)を得た。こうして得られた 油状物(111mg,
0.210mmol)をトリフルオロ酢酸(2.5ml)に溶かし、
水(250μl)を加え5時間撹拌した。減圧濃縮後、得ら
れた油状物にエーテルを加え、パウダーとして題記化合
物 50.9mg(56.9%)を得た。 元素分析 計算値(+0.3H2O)C:63.97 H:6.21 N:6.49 分析値 C:63.78 H:6.19 N:6.44 [α]D 22 +22.1(c=0.50, DMF)
【0074】実施例9 5-(2,6-ジクロロベンゾイル)オキシ-3-[2,6-ジメチル-5
-(2-ナフトイル)アミノ-4-オキソヘプタノイル]アミノ-
4-オキソペンタン酸 t-ブチルエステルの合成 参考例5で得られた4-t-ブチルジメチルシリルオキシ-
2,6-ジメチル-5-(2-ナフトイル)アミノヘプタン酸(710
mg, 1.55mmol)、pTosOH.H-Asp(OtBu)-OBzl(700mg, 1.
55mmol)とHOBt(209mg, 1.55mmol)をジメチルホルム
アミド(7ml)に溶かし、氷冷下でTEA(216μl, 1.55mm
ol)とWSCD.HCl(297mg, 1.55mmol)を加えて30分間、2
8℃で24時間撹拌した。反応終了後、酢酸エチルを加
え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、10% クエン酸水
溶液と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥
した。乾燥剤をろ去し、ろ液を減圧濃縮後、常圧シリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 35g; 展開
溶媒:ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製し、無色油
状物 1.02g(92.0%)を得た。このベンジルエステル体
(1.00g, 1.39mmol)をテトラヒドロフラン(7ml)に溶
かし、パラジウム黒を加え、窒素置換後、3時間水素を
通じた。パラジウム黒をろ去後、減圧濃縮して油状物 8
44mg(96.4%)を得た。続いて、得られた油状物(843m
g, 1.34mmol)をテトラヒドロフラン(14ml)に溶か
し、-20℃でN-メチルモルホリン (NMM)(206ml, 1.88mm
ol)とi-ブチルクロロホルメート(226μl, 1.74mmol)
を加え、15分間撹拌後、ジアゾメタン(4.02mmol)のエ
ーテル溶液を加えて10分間撹拌した。-50℃に冷却後、
臭化水素酸-酢酸(1:1)(2.8ml)を加え、10分間撹拌
した。反応終了後、酢酸エチルを加え、水、飽和炭酸水
素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥した。乾燥剤をろ去し、ろ液を減圧濃縮
後、常圧シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカ
ゲル 20g; 展開溶媒:ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で
精製し、無色油状物 462mg(48.8%)を得た。このブロ
モメチルケトン体(462mg, 0.638mmol)をジメチルホル
ムアミド(15ml)に溶かし、フッ化カリウム(111mg,
1.91mmol)と2,6-ジクロロ安息香酸(146mg,0.766mmo
l)を加えて、28℃で4.5時間撹拌した。反応終了後、酢
酸エチルを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和
食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥
剤をろ去し、ろ液を減圧濃縮後、常圧シリカゲルカラム
クロマトグラフィー(シリカゲル 20g; 展開溶媒:ヘキ
サン:酢酸エチル=3:1)で精製し、無色油状物 343mg
(64.5%)を得た。得られた油状物(174mg, 0.213mmo
l)をテトラヒドロフラン(1ml)、酢酸(4ml)と水(2
ml)に溶かし24時間撹拌し、濃縮した。得られた残渣に
酢酸エチルを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽
和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾
燥剤をろ去し、ろ液を減圧濃縮後、常圧シリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(シリカゲル 20g; 展開溶媒:ヘ
キサン:酢酸エチル=2:1次いで1:1)で精製した。得
られたアルコ−ル体(83.2mg, 0.119mmol)をジメチル
ホルムアミド(1ml)に溶かし、PDC(446mg, 1.19mmo
l)を加え19時間撹拌した。反応終了後、減圧濃縮し、
クロロホルムと硫酸ナトリウムを加えろ過した。ろ液を
減圧濃縮後、常圧シリカゲルカラムクロマトグラフィー
(シリカゲル 20g; 展開溶媒:ヘキサン:酢酸エチル=
1:1)で精製し、無色油状物として題記化合物 50.9mg
(61.3%)を得た。 FAB (pos), m / Z 699 [M+H]+
【0075】実施例10 4-(2,6-ジクロロベンゾイル)オキシ-3-[2,6-ジメチル-5
-(2-ナフトイル)アミノ-4-オキソヘプタノイル]アミノ-
4-オキソペンタン酸の合成 実施例9で得られた4-(2,6-ジクロロベンゾイル)オキシ
-3-[2,6-ジメチル-5-(2-ナフトイル)アミノ-4-オキソヘ
プタノイル]アミノ-4-オキソペンタン酸 t-ブチルエス
テル(50.0mg, 71.5mmol)をトリフルオロ酢酸(1ml)
に溶かし30分間撹拌後、減圧濃縮した。得られた油状物
にヘキサンを加え、パウダーとして題記化合物 42.4mg
(92.2%)を得た。 元素分析 計算値(+0.4TFA+H2O)C:55.71 H:4.90 N:3.96 分析値 C:55.56 H:4.94 N:4.00
【0076】実施例11 (E)-(3S)-3-[2,6-ジメチル-5-(2-ナフトイルアミノ)-4-
オキソ-2-ヘプテノイル]アミノ-4-オキソブタン酸の合
成 参考例3で得られた4-メチル-3-(2-ナフトイル)アミノ2
-オキソペンチルリン酸ジメチルエステル(755mg, 2.00
mmol)のテトラヒドロフラン(4ml)溶液に-30℃で水素
化ナトリウム(80mg, 2.00mmol)を加え、ゆっくり氷冷
して30分間撹拌した。再度-30℃に冷却し、ピルビン酸
メチルエステル(199μl, 2.20mmol)を滴下し、氷冷で
1時間撹拌した。反応終了後、塩化アンモニウム水溶液
を加え、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄後、無
水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤をろ去し、ろ液を
減圧濃縮後、常圧シリカゲルカラムクロマトグラフィー
(シリカゲル 40g; 展開溶媒:ヘキサン:酢酸エチル=
2:1)で精製し、無色油状物 14.0mg(19.8%)を得
た。この(E)-2,6-ジメチル-5-(2-ナフトイルアミノ)-4-
オキソ-2-ヘプテン酸メチルエステル(14.0mg, 39.6mmo
l)のメタノール(500μl)溶液に水酸化ナトリウム水
溶液(43.6μl, 43.6mmol)を氷冷下で加え、2時間撹拌
した。反応終了後、エーテルと水を加え分離し、水層を
クエン酸で酸性にして酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水
で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤をろ
去し、ろ液を減圧濃縮し、無色油状物 13.4mg(100%)
を得た。得られたカルボン酸誘導体(13.4mg, 39.6mmo
l)、(3S)-4,4-ジメトキシ-3-アミノブタン酸 t-ブチル
エステル(8.7mg, 39.6mmol)とHOBt(5.4mg, 39.6mmo
l)をジメチルホルムアミド(1ml)に溶かし、氷冷下 W
SCD・HCl(7.6mg, 39.6mmol)を加え、1日間撹拌した。
反応終了後、減圧濃縮し、残渣に酢酸エチルを加え、飽
和炭酸水素ナトリウム水溶液、10% クエン酸水溶液と
飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。
乾燥剤をろ去し、ろ液を減圧濃縮後、常圧シリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(シリカゲル 5g; 展開溶媒:
ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製し、無色油状物
5.1mg(23.8%)を得た。この油状物(5.1mg, 9.43mmo
l)をTFA(1ml)に溶かし、水(100μl)を加え2時間攪
拌した。減圧濃縮後、得られた油状物にジオキサンを加
え、凍結乾燥して題記化合物 4.1mg(100%)を得た。 Sims (pos), m / Z 439 [M+H]+
【0077】実施例12 4,4-ジメトキシ-3-[4-t-ブチルジメチルシリルオキシ-
2,6-ジメチル-5-(2-ナフトイル)アミノヘプタノイル]ア
ミノブタン酸エチルエステルの合成 参考例5で得られた 4-t-ブチルジメチルシリルオキシ-
2,6-ジメチル-5-(2-ナフトイル)アミノヘプタン酸(7.0
0g, 15.3mmol)、4,4-ジメトキシ-3-アミノブタン酸 エ
チルエステル(3.06g, 16.0mmol)とHOBt(2.07g, 15.3
mmol)をジメチルホルムアミド(70ml)に溶かし、氷冷
下でWSCD・HCl(2.93g, 15.3mmol)を加えて1時間、28
℃で15時間攪拌した。反応終了後、酢酸エチルを加え、
飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、10% クエン酸水溶液
と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。乾燥剤をろ去後、ろ液を減圧濃縮し、ヘキサンを加
えてパウダ−として題記化合物7.84g(81.2%)を得
た。
【0078】実施例13 4,4-ジメトキシ-3-[4-ヒドロキシ-2,6-ジメチル-5-(2-
ナフトイル)アミノヘプタノイル]アミノブタン酸 エチ
ルエステルの合成 実施例12で得られた 4,4-ジメトキシ-3-[4-t-ブチル
ジメチルシリルオキシ-2,6-ジメチル-5-(2-ナフトイル)
アミノヘプタノイル]アミノブタン酸エチルエステル
(7.60g, 12.0mmol)をテトラヒドロフラン(36ml)に
溶かし、1M TBAF テトラヒドロフラン溶液(36ml)を加
えて28℃で2日間攪拌した。反応終了後、酢酸エチルを
加え、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥
した。乾燥剤をろ去し、ろ液を減圧濃縮後、常圧シリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 80g; 展開
溶媒:ヘキサン:酢酸エチル=1:1次いで1:3)で精製
し、ヘキサンを加えてパウダ−として題記化合物 5.14g
(82.6%)を得た。 元素分析 計算値(+0.6H2O)C:63.76 H:7.87 N:5.31 分析値 C:63.58 H:7.66 N:5.54
【0079】実施例14 4,4-ジメトキシ-3-[2,6-ジメチル-5-(2-ナフトイル)ア
ミノ-4-オキソヘプタノイル]アミノブタン酸エチルエス
テルの合成 PDC(18.2g, 48.4mmol)をジメチルホルムアミド(45m
l)に溶かし、実施例13で得られた 4,4-ジメトキシ-3
-[4-ヒドロキシ-2,6-ジメチル-5-(2-ナフトイル)アミノ
ヘプタノイル]アミノブタン酸 エチルエステル(5.00g,
9.68mmol)のジメチルホルムアミド(15ml)溶液を加
えて28℃で15時間撹拌した。反応終了後、減圧濃縮し、
酢酸エチルを加え、よくこねてろ過した。ろ液を減圧濃
縮し、常圧シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリ
カゲル 80g; 展開溶媒:ヘキサン:酢酸エチル=1:1)
によって精製し、酢酸エチル、エ−テルとヘキサンを加
えてパウダ−として題記化合物 4.03g(83.0%)を得
た。 元素分析 計算値(+0.3H2O)C:64.67 H:7.48 N:5.39 分析値 C:64.64 H:7.44 N:5.53
【0080】実施例15 3-[2,6-ジメチル-5-(2-ナフトイル)アミノ-4-オキソヘ
プタノイル]アミノ-4-オキソブタン酸エチルエステルの
合成 実施例14で得られた 4,4-ジメトキシ-3-[2,6-ジメチ
ル-5-(2-ナフトイル)アミノ-4-オキソヘプタノイル]ア
ミノブタン酸エチルエステル(3.90g, 7.58mmol)をTFA
(90ml)に溶かし、水(9ml)を加え5時間攪拌した。減
圧濃縮後、得られた油状物に酢酸エチルとヘキサンを加
え、パウダーとして題記化合物 2.53g(71.1%)を得
た。 [α]D 21 +76.7(c=0.99, DMF)
【0081】実施例16 (3S)-3-[(5S)-6-カルボキシ-2-メチル-5-(2-ナフトイ
ル)アミノ-4-オキソヘキサノイル]アミノ-4-オキソブタ
ン酸の合成 N-ベンジルオキシカルボニルアスパラギン酸 β-t-ブチ
ルエステル(22.0g, 68.0mmol)をジメチルホルムアミ
ド(250ml)に溶かし、炭酸水素カリウム(13.6g, 136m
mol)とヨウ化メチル(6.35ml, 102mmol)を加え、28℃
で18時間撹拌した。反応終了後、減圧濃縮し、得られた
油状物を酢酸エチルに溶かし、チオ硫酸ナトリウム水溶
液、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。乾燥剤をろ去し、ろ液を減圧濃縮して 23.0g(100
%)を得た。得られた油状物(10.0g, 29.6mmol)をテ
トラヒドロフラン(75ml)に溶かし、パラジウム黒を加
え、1日間水素を通じた後、パラジウム黒をろ去して減
圧濃縮した。これをテトラヒドロフラン(100ml)に溶
かし、氷冷下にトリエチルアミン(4.95ml, 35.6mmol)
を加え、塩化-2-ナフトイル(6.22g, 32.6mmol)のテト
ラヒドロフラン(40ml)溶液を滴下し、28℃で18時間撹
拌した。反応終了後、酢酸エチルを加え、飽和炭酸水素
ナトリウム水溶液、10%クエン酸水溶液と飽和食塩水で
洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤をろ去
し、ろ液を減圧濃縮して 9.37g(88.4%)を得た。n-ブ
チルリチウム(1.6Mヘキサン溶液、131ml, 210mmol)
のテトラヒドロフラン(200ml)溶液に窒素雰囲気下-70
℃でメチルホスホン酸ジメチル(22.7ml,210mmol)を加
え1時間撹拌した。続いて、得られた油状物(9.37g, 2
6.2mmol)のテトラヒドロフラン(50ml)溶液を1時間か
けて滴下し、さらに1.5時間撹拌した。反応終了後、塩
化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、飽
和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾
燥剤をろ去し、ろ液を減圧濃縮後、常圧シリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(シリカゲル 80g;展開溶媒:ヘ
キサン:酢酸エチル=1:1)で精製し、油状物 8.44g
(71.5%)を得た。続いて、得られたリン酸ジメチルエ
ステル誘導体(7.63g, 17.0mmol)のテトラヒドロフラ
ン(50ml)溶液に-20℃で水素化ナトリウム(815mg, 2
0.4mmol)を加え、ゆっくり氷冷にして1時間撹拌した。
再度-10℃に冷却し、ピルビン酸メチルエステル(2.30m
l, 25.5mmol)のテトラヒドロフラン(35ml)溶液を滴
下し、氷冷で1時間撹拌した。再度-10℃に冷却し、ピル
ビン酸メチルエステル(2.30ml, 25.5mmol)のテトラヒ
ドロフラン(35ml)溶液を滴下し、氷冷で1時間撹拌し
た。反応終了後、塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸
エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した。乾燥剤をろ去し、ろ液を減圧濃縮して
エーテルを加えてパウダーとして6-メトキシカルボニル
-4-オキソ-3-(2-ナフトイル)アミノ-5-ヘプテン酸 t-ブ
チルエステルを 4.28g(59.3%)得た。
【0082】6-メトキシカルボニル-4-オキソ-3-(2-ナ
フトイル)アミノ-5-ヘプテン酸 t-ブチルエステル(120
mg, 0.283mmol)をテトラヒドロフラン(3ml)に溶か
し、パラジウム黒を加え、16時間水素を通じた。パラジ
ウム黒をろ去後、減圧濃縮し、油状物 121mg(100%)
を得た。このケトエステル(121mg, 0.283mmol)をテト
ラヒドロフラン(3ml)に溶かし、氷冷下1規定水酸化ナ
トリウム(314μl)を加え、3時間撹拌した。反応終了
後、クエン酸で酸性にした後、酢酸エチルで抽出した。
有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾
燥した。乾燥剤をろ去し、ろ液を減圧濃縮して得られた
油状物(117mg, 0.283mmol)、(3S)-4,4-ジメトキシ-3-
アミノブタン酸 t-ブチルエステル(74.5mg, 0.340mmo
l)とHOBt(38.2mg, 0.283mmol)をジメチルホルムアミ
ド(1.5ml)に溶かし、氷冷下でWSCD・HCl(54.3mg, 0.
283mmol)を加えて30分間、28℃で15時間撹拌した。反
応終了後、酢酸エチルを加え、飽和炭酸水素ナトリウム
水溶液、10%クエン酸水溶液と飽和食塩水で洗浄後、無
水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤をろ去し、ろ液を
減圧濃縮後、常圧シリカゲルカラムクロマトグラフィー
(シリカゲル 20g;展開溶媒:ヘキサン:酢酸エチル=
1:1)で精製し、無色油状物 99.1mg(57.0%)を得
た。この油状物(99.1mg, 0.161mmol)をトリフルオロ
酢酸(2ml)に溶かし、水(200μl)を加え3時間撹拌し
た。減圧濃縮後、得られた油状物にエーテルを加え、パ
ウダーとして題記化合物 73.6mg(65.6%)を得た。 [α]D 23 +11.3(c=0.93, DMF)
【0083】実施例17 (3S)-3-[(5S)-9-アミノ-2-メチル-5-(2-ナフトイル)ア
ミノ-4-オキソノナノイル]アミノ-4-オキソブタン酸 ト
リフルオロ酢酸塩の合成 Nα-ベンジルオキシカルボニル-Nε-t-ブトキシカルボ
ニルリジン(7.61g, 20.0mmol)をジメチルホルムアミ
ド(40ml)に溶かし、炭酸水素カリウム(40.1g,40.0mm
ol)とヨウ化メチル(1.87ml, 30.0mmol)を加え、28℃
で17時間撹拌した。反応終了後、減圧濃縮し、得られた
油状物を酢酸エチルに溶かし、チオ硫酸ナトリウム水溶
液、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。乾燥剤をろ去し、ろ液を減圧濃縮して 7.89g(100
%)を得た。得られた油状物(7.89g, 20.0mmol)をテ
トラヒドロフラン(70ml)に溶かし、パラジウム黒を加
え、6時間水素を通じた後、パラジウム黒をろ去して減
圧濃縮した。これをテトラヒドロフラン(70ml)に溶か
し、氷冷下にトリエチルアミン(3.34ml, 24.0mmol)を
加え、塩化-2-ナフトイル(4.19g, 22.0mmol)のテトラ
ヒドロフラン(30ml)溶液を滴下し、28℃で15時間撹拌
した。反応終了後、酢酸エチルを加え、飽和炭酸水素ナ
トリウム水溶液、10%クエン酸水溶液と飽和食塩水で洗
浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤をろ去
し、ろ液を減圧濃縮してヘキサンを加えてパウダーとし
てNα-ベンジルオキシカルボニル-Nε-t-ブトキシカル
ボニルリジン メチルエステルを 7.75g(93.5%)を得
た。n-ブチルリチウム(1.6Mヘキサン溶液、100ml, 16
0mmol)のテトラヒドロフラン(150ml)溶液に窒素雰囲
気下-70℃でメチルホスホン酸ジメチル(17.3ml,160mmo
l)を加え1時間撹拌した。続いて、Nα-ベンジルオキシ
カルボニル-Nε-t-ブトキシカルボニルリジン メチルエ
ステル(7.70g, 18.6mmol)のテトラヒドロフラン(50m
l)溶液を15分間かけて滴下し、さらに30分間撹拌し
た。反応終了後、塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸
エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した。乾燥剤をろ去し、ろ液を減圧濃縮し、
油状物9.41g(100%)を得た。 続いて、得られたリン酸ジメチルエステル誘導体(9.33
g, 18.4mmol)のテトラヒドロフラン(50ml)溶液に-10
℃で水素化ナトリウム(884mg, 22.1mmol)を加え、ゆ
っくり氷冷にして1時間撹拌した。再度-10℃に冷却し、
ピルビン酸メチルエステル(2.50ml, 27.6mmol)のテト
ラヒドロフラン(35ml)溶液を滴下し、氷冷で1.5時間
撹拌した。反応終了後、塩化アンモニウム水溶液を加
え、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫
酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤をろ去し、ろ液を減圧
濃縮後、常圧シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シ
リカゲル 80g, 展開溶媒:ヘキサン:酢酸エチル=3:
2)で精製し、無色油状物 7.24g(81.5%)を得た。
【0084】得られた油状物(1.11g, 2.30mmol)をテ
トラヒドロフラン(15ml)に溶かし、パラジウム黒を加
え、21時間水素を通じた。パラジウム黒をろ去後、減圧
濃縮し、常圧シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シ
リカゲル 40g, 展開溶媒:ヘキサン:酢酸エチル=3:
2)で精製して油状物 926mg(83.4%)を得た。このケ
トエステル(493mg, 1.02mmol)をテトラヒドロフラン
(5.6ml)に溶かし、氷冷下1規定水酸化ナトリウム(1.
12ml)を加え、3時間撹拌した。反応終了後、クエン酸
で酸性にした後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和
食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥
剤をろ去し、ろ液を減圧濃縮して得られた油状物(479m
g, 1.02mmol)、(3S)-4,4-ジメトキシ-3-アミノブタン
酸 t-ブチルエステル(268mg, 1.22mmol)とHOBt(137m
g, 1.02mmol)をジメチルホルムアミド(5ml)に溶か
し、氷冷下でWSCD・HCl(195mg, 1.02mmol)を加えて30
分間、28℃で1日間撹拌した。反応終了後、酢酸エチル
を加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、10%クエン酸
水溶液と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾
燥した。乾燥剤をろ去し、ろ液を減圧濃縮し、無色油状
物 624mg(91.2%)を得た。この油状物(200mg, 0.298
mmol)をトリフルオロ酢酸(4ml)に溶かし、水(400μ
l)を加え5時間撹拌した。減圧濃縮後、得られた油状物
にエーテルを加え、パウダーとして題記化合物 170mg
(97.7%)を得た。 元素分析 計算値 (+0.5H2O) C:54.72 H:5.61 N:7.09 分析値 C:54.45 H:5.54 N:7.08 [α]D 23 +13.1(c=1.00, DMF)
【0085】実施例18 (3S)-3-[(5S)-2,7-ジメチル-5-(2-ナフトイル)アミノ-4
-オキソオクタノイル]アミノ-4-オキソブタン酸の合成 N-t-ブトキシカルボニルロイシン(10.0g, 40.1mmol)
をジメチルホルムアミド(80ml)に溶かし、炭酸水素カ
リウム(8.03g, 80.2mmol)とヨウ化メチル(3.75ml, 6
0.2mmol)を加え、28℃で17時間撹拌した。反応終了
後、減圧濃縮し、得られた油状物を酢酸エチルに溶か
し、チオ硫酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、
無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤をろ去し、ろ液
を減圧濃縮して 9.84g(100%)を得た。n-ブチルリチ
ウム(1.6Mヘキサン溶液、200ml, 321mmol)のテトラ
ヒドロフラン(300ml)溶液に窒素雰囲気下-70℃でメチ
ルホスホン酸ジメチル(34.8ml,321mmol)を加え1時間
撹拌した。続いて、得られた油状物(9.84g, 40.1mmo
l)のテトラヒドロフラン(100ml)溶液を滴下し、さら
に1時間撹拌した。反応終了後、塩化アンモニウム水溶
液を加え、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄後、
無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤をろ去し、ろ液
を減圧濃縮し、油状物13.5g(100%)を得た。続いて、
得られたリン酸ジメチルエステル誘導体(2.00g, 5.93m
mol)のテトラヒドロフラン(25ml)溶液に-10℃で水素
化ナトリウム(285mg, 7.11mmol)を加え、ゆっくり氷
冷にして30分間撹拌した。再度-10℃に冷却し、ピルビ
ン酸メチルエステル(803μl, 8.89mmol)のテトラヒド
ロフラン(5ml)溶液を滴下し、氷冷で1時間撹拌した。
反応終了後、塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチ
ルで抽出し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウム
で乾燥した。乾燥剤をろ去し、ろ液を減圧濃縮後、常圧
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 40
g, 展開溶媒:ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製
し、無色油状物 1.20mg(64.7%)を得た。
【0086】得られた油状物(1.17g, 3.73mmol)をテ
トラヒドロフラン(20ml)に溶かし、パラジウム黒を加
え、1時間水素を通じた。パラジウム黒をろ去後、減圧
濃縮し、油状物 1.34g(100%)を得た。この油状物
(1.34g.3.73mmol)をトリフルオロ酢酸(5.4ml)に
溶かし、5分間撹拌後、減圧濃縮した。これを飽和炭酸
水素ナトリウム水溶液で塩基性にして酢酸エチルで抽出
した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥した。乾燥剤をろ去し、ろ液を減圧濃縮して、
無色油状物 729ml(59.8%)を得た。得られた油状物
(449mg, 2.23mmol)をテトラヒドロフラン(11ml)に
溶かし、氷冷下にトリエチルアミン(310μl, 2.23mmo
l)と塩化-2-ナフトイル(425mg, 2.23mmol)を加え、2
8℃で1時間撹拌した。反応終了後、酢酸エチルを加え、
飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、10%クエン酸水溶液と
飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。
乾燥剤をろ去し、ろ液を減圧濃縮後、常圧シリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(シリカゲル 20g,展開溶媒:
ヘキサン:酢酸エチル=5:1)で精製し、無色油状物 3
40mg(42.9%)を得た。このケトエステル(330mg, 0.9
28mmol)をテトラヒドロフラン(10ml)に溶かし、氷冷
下1規定水酸化ナトリウム(1.02ml)を加え、5時間撹拌
した。反応終了後、クエン酸で酸性にした後、酢酸エチ
ルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸
ナトリウムで乾燥した。乾燥剤をろ去し、ろ液を減圧濃
縮して得られた油状物(317mg, 0.928mmol)、(3S)-4,4
-ジメトキシ-3-アミノブタン酸 t-ブチルエステル(244
mg, 1.11mmol)とHOBt(125mg, 0.928mmol)をジメチル
ホルムアミド(5ml)に溶かし、氷冷下でWSCD・HCl(17
8mg, 0.928mmol)を加えて30分間、28℃で16時間撹拌し
た。反応終了後、酢酸エチルを加え、飽和炭酸水素ナト
リウム水溶液、10%クエン酸水溶液と飽和食塩水で洗浄
後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤をろ去し、
ろ液を減圧濃縮して、無色油状物 387mg(76.7%)を得
た。この油状物(120mg, 0.221mmol)をトリフルオロ酢
酸(2ml)に溶かし、水(200μl)を加え4時間撹拌し
た。減圧濃縮後、得られた油状物にエーテルを加え、パ
ウダーとして題記化合物 75.3mg(77.3%)を得た。 元素分析 計算値 (+0.2H2O) C:65.54 H:6.69 N:6.11 分析値 C:65.53 H:6.74 N:6.03 [α]D 23 +10.1(c=1.03, DMF)
【0087】実施例19 (3S)-3-[(5S)-2,6-ジメチル-5-(フルオレン-1-カルボニ
ル)アミノ-4-オキソヘプタノイル]アミノ-4-オキソブタ
ン酸の合成 実施例18と同様にして題記化合物 70mgを得た。 実施例20 (3S)-3-[(5S)-2,6-ジメチル-5-(9-フルオレノン-2-カル
ボニル)アミノ-4-オキソヘプタノイル]アミノ-4-オキソ
ブタン酸の合成 実施例18と同様にして題記化合物 139mgを得た。 元素分析 計算値 (+H2O) C:63.52 H:5.92 N:5.49 分析値 C:63.46 H:5.62 N:5.34 実施例21 (3S)-3-[(5S)-2,6-ジメチル-5-(フルオレン-2-カルボニ
ル)アミノ-4-オキソヘプタノイル]アミノ-4-オキソブタ
ン酸の合成 実施例18と同様にして題記化合物 120mgを得た。
【0088】試験例1 (1)ヒト末梢血単球由来 IL−1β変換酵素(ICE)
のcDNAクローニング ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法によって ICE cDNA を増
幅させるため、既報のヒト末梢血単球由来 IL-1β変換
酵素(ICE)の塩基配列〔Nancy A. Thornberry、ネイチャ
ー(Nature)、第356巻、768−774頁(1992
年)〕を参考にして以下に示す4種類のプライマーを合
成した。 センス・プライマーNo.1: 5'-AAAAGGAGAGAAAAGCCATG-3' (配列番号:1) センス・プライマーNo.2: 5'-pGGAATTCCAAAGCCATGGCCGACAAGGT-3' (配列番号:2) アンチセンス・プライマーNo.3: 5'-pGGAATTCCTTCCTGCCCGCAGACATTCA-3' (配列番号:3) アンチセンス・プライマーNo.4: 5'-TTTACAGAACGATCTCTTCA-3' (配列番号:4) ヒト末梢血単球由来 cDNAライブラリーλgt11溶液(ク
ローンテック ラボラトリー社)5μlと蒸留水45μlと
を混合し、90℃で10分間保温した後、氷中で急冷し
た。2種類のプライマー(上記プライマーNo.1とNo.
4;各50pmol)を加え、VentR DNA ポリメラーゼ(ニ
ューイングランド バイオラブス社)を用いて、94
℃、2分間、55℃、2分間、72℃、1.5分間の反
応を50回繰り返す反応を行った。さらに、その反応液
に別の2種類のプライマー(上記No.2とNo.3;各50
pmol)を加え、同様に反応を行った。PCR産物を1.2%
アガロースゲル電気泳動で分離したところ、ヒト末梢血
単球由来ICEの塩基配列から予想される大きさ(1256
bp)に相当する位置に、増幅された DNA断片を確認し
た。このDNA断片をゲルから回収し、プラスミドベクタ
ー pBluescriptR II KS+ (ストラタジエン社製)にサブ
クローニングした。cDNA部分の塩基配列をジデオキシヌ
クレオチド合成鎖停止法〔J. Messingら、ニュークレイ
ック アシッズ リサーチ(Nucleic Acid Res.)、第9
巻、309頁(1981年)〕により決定し、既報の配
列と同一のものであることを確認した。このcDNA断片を
含むプラスミドを、pICE-5と命名した。
【0089】(2)ICEの大腸菌MM294(DE3)における発
現 (1)で調製したプラスミドpICE-5を鋳型とし、5'末に
BamHIサイトを付加したプライマーを用いてICE遺伝子を
増幅し、大腸菌発現用プラスミドベクター pET-3c〔メ
ソッズ・イン・エンザイモロジー(Methods in Enzymolo
gy, ed.D. V. Goeddel)、185巻、68頁、アカデミ
ック・プレス(Academic Press)、(1990年)〕に挿
入した。構築したプラスミドをpET-ICEと命名した。大
腸菌MM294(DE3)をpET-ICEで形質転換し、T7プロモター
の支配下でICEの発現を行った〔Methods in Enzymolog
y、第185巻、60頁(1990年)〕。形質転換し
た大腸菌を培養し、得られた菌体を超音波破砕したもの
をSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)に供
したところ、49kDal付近にICEに相当する特異的なバ
ンドが検出された。また、発現した産物はインクルージ
ョンボディを形成したので、形質転換体の超音波破砕物
の沈澱画分からICEを粗精製した。 (3)組換え体ICEに対する抗血清の作製 (2)で調製した粗精製の組換え体ICEを等量の完全フ
ロイントアジュバントと混合し、約1mlをウサギに接種
した。その後、粗精製ICE標品と等量の不完全フロイン
トアジュバントとを混合したものを2週間おきに3回注
射し、最後の注射後の7日目に採血した。得られた血液
を37℃で30分間、続いて4℃で一晩静置した後、遠
心分離法によってICE抗血清を調製した。 (4)ICE遺伝子を昆虫細胞で発現させるための組換えD
NAの作製 (1)で調製したプラスミドpICE-5を制限酵素EcoRIで
消化した後、ICEcDNAの断片をアガロースゲル電気泳動
法により回収した。次に、昆虫細胞における発現用のベ
クターpVL-1393(インビトロージェン社:Invitrogen co
rporation)の制限酵素EcoRI部位に、T4 DNAリガーゼとA
TPとの作用によって上述のcDNA断片を挿入し、発現プラ
スミドpVL-ICEを作製した。
【0090】(5)ICE遺伝子の昆虫細胞における発現 (4)記載のプラスミド(pVL-ICE)を用いて、昆虫細胞S
f9の形質転換をMAXBACバキュロウィルス発現系(MAXBAC
Baculovirus Expression System;インビトロージェン
社)添付の説明書に従い行った。これによって得られた
組換え体ウィルスと昆虫細胞Sf9のm.o.i.(細胞1個当た
りのウィルス数)を1にあわせて感染させ、4日間培養
した。ウィルスの感染した細胞を回収し、ウェスタンブ
ロットに供したところ、分子量 25000と15800のところ
に、(3)で得られた坑血清と反応する特異的なバンド
を確認した。組換え体ウィルスの感染した細胞を超音波
によって破砕した後、遠心分離にて上清を回収し、Nanc
y A. Thornberryらの報告〔ネイチャー(Nature)、第
356巻、768−774頁(1992年)〕に従い行
った。この結果、合成基質(Ac-Y-V-A-D-MCA)に反応する
ICEの活性が検出された。 (6)ICEの粗精製 (5)で得られたICE発現組換え体ウィルス液2mlを、
5%ウシ胎仔血清(FCS)を含む2LのSf900培地で培養し
た昆虫細胞 Sf9(1.5×106細胞/ml)に加え感染させ
た。感染後培養は、27℃においてスピナーフラスコ中
で4日間行った。培養細胞を回収(以下の操作はすべて
氷上で行った。)、PBS(-)で3回洗浄し Hypotonic Buff
er(20mM KCl, 25mM HEPES, pH7.4, 5mM MgCl2,
1mM EDTA,1mM PMSF, 10μg/ml ペプチタチン及びロ
イペプチン)で108細胞/mlに懸濁した。氷上で20分
間静置した後、ダウンスホモジナイザー(Dounce homoge
nizer)を用いて(25回)細胞を破砕した。遠心分離にて
細胞破砕物を除き、上清に硫安を加え40%飽和とし、沈
殿画分を遠心分離によって除いた。さらに硫安を加えて
80%飽和とし、沈殿を回収した。沈殿を緩衝液A(2
0mM KCl, 25mM HEPES,pH7.4, 5mM EDTA,2mM DT
T,1mM PMSF, 0.1% NP-40,10% グリセロール)
にて溶解し、緩衝液Aに対して一晩透析した。上記透析
液から沈殿物を遠心分離(30,000xg,30分)によって除
き、緩衝液Aで平衡化したDEAE Sepharose Fast Flow
カラム(1.6×10cm)に通した。素通り画分を回収
し、ICE酵素液とした。
【0091】(7)ICE阻害活性の測定 (6)で精製した組換え体ICE酵素液40μlに10μlの酵
素反応液(200mM HEPES,pH7.5, 50mM EDTA)を加え、これ
に、ジメチルスルホキシド(DMSO)で 2×10-3Mに希釈し
た検体を5μl添加、蒸留水を加えて72μlとし、50μM A
c-Y-V-A-D-MCA(酵素基質溶液)28μlを加えて37℃で20
分間保温した。なお、上記反応は96穴フルオロプレート
(ラボシステムズ社製)上で行った。反応後、蛍光測定
機FCA(バクスター社製)を用いて、遊離したアミノ
メチルクマリンの蛍光度を波長 365 nmの励起で得られ
る波長 450 nmの蛍光を測定した。なお、検体を含まな
い20%DMSOを5μl加えたものを実験の対照とし、この反
応で得られた蛍光測定値を100%活性とした。残存活性
が10%以下のものについては、さらに希釈した検体溶液
を用いて、上記手順に従って残存活性を測定し、IC50
を算出したところ、検体として用いた実施例2で得た(3
S)-3-[(2R,5S)-2,6-ジメチル-5-(2-ナフトイル)アミノ-
4-オキソヘプタノイル]アミノ-4-オキソブタン酸は、5.
6x10-8Mであった。これより、本発明の化合物がシステ
インプロテアーゼ阻害作用、とりわけICE阻害作用を
有することは明らかである。
【0092】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:その他の核酸(化学合成DNA) アンチセンス:No 配列: AAAAGGAGAG AAAAGCCATG 20 配列番号:2 配列の長さ:28 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:その他の核酸(化学合成DNA) アンチセンス:No 配列: pGGAATTCCAA AGCCATGGCC GACAAGGT 28
【0093】配列番号:3 配列の長さ:28 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:その他の核酸(化学合成DNA) アンチセンス:Yes 配列: pGGAATTCCTT CCTGCCCGCA GACATTCA 28 配列番号:4 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:その他の核酸(化学合成DNA) アンチセンス:Yes 配列: TTTACAGAAC GATCTCTTCA
20
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 38/00 ADT A61K 37/02 ADT ADU ADU (72)発明者 山田 隆央 大阪府松原市一津屋4−3−26

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 【化1】 〔式中、R1は水素原子又はアシル基を、R2は水素原子
    又は置換されていてもよい低級アルキル基を、R3はカ
    ルボニル基又は保護されていてもよいヒドロキシで置換
    されていてもよいメチレン基を、R4は置換されていて
    もよい低級アルキルでそれぞれ置換されていてもよいエ
    チレン基又はビニレン基を、Zはアシル基又は置換され
    ていてもよい炭化水素基を、nは1又は2を示す。〕で
    表される化合物、そのエステル又はその塩。
  2. 【請求項2】R1がアラルキルオキシカルボニル基、ア
    リールオキシカルボニル基、アリールカルボニル基又は
    アラルキルカルボニル基である請求項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】R1がアリールカルボニル基である請求項
    1記載の化合物。
  4. 【請求項4】R2が低級アルキル基である請求項1記載
    の化合物。
  5. 【請求項5】R3がカルボニル基である請求項1記載の
    化合物。
  6. 【請求項6】式 【化2】 〔式中、R5は水素原子又は置換されていてもよい低級
    アルキル基を示す。〕で表される基である請求項1記載
    の化合物。
  7. 【請求項7】式 【化3】 〔式中の記号は前記と同意義を示す。〕で表される基で
    ある請求項1記載の化合物。
  8. 【請求項8】Zがホルミル基、低級アルコキシで置換さ
    れていてもよい低級アルキル基又はハロゲンで置換され
    ていてもよいアリールカルボニルオキシ低級アルキルカ
    ルボニル基である請求項1記載の化合物。
  9. 【請求項9】nが1である請求項1記載の化合物。
  10. 【請求項10】請求項1記載の化合物を含有することを
    特徴とする医薬組成物。
  11. 【請求項11】システインプロテアーゼ阻害剤である請
    求項10記載の組成物。
  12. 【請求項12】インターロイキン−1β変換酵素阻害剤
    である請求項10記載の組成物。
  13. 【請求項13】骨疾患予防治療剤である請求項10記載
    の組成物。
  14. 【請求項14】敗血症ショック予防治療剤である請求項
    10記載の組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6355618B1 (en) 1999-04-09 2002-03-12 Cytovia, Inc. Caspase inhibitors and the use thereof
US6495522B1 (en) 1999-08-27 2002-12-17 Cytovia, Inc. Substituted alpha-hydroxy acid caspase inhibitors and the use thereof

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6355618B1 (en) 1999-04-09 2002-03-12 Cytovia, Inc. Caspase inhibitors and the use thereof
US6716818B2 (en) 1999-04-09 2004-04-06 Cytovia, Inc. Caspase inhibitors and the use thereof
US6495522B1 (en) 1999-08-27 2002-12-17 Cytovia, Inc. Substituted alpha-hydroxy acid caspase inhibitors and the use thereof

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