JP3162825B2 - 油中水型乳化物 - Google Patents

油中水型乳化物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、油中水型乳化物に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】油中水型乳化物であるマーガリン類は、
その油脂含有率により80%以上のものがマーガリン、
75%以上80%未満のものが調製マーガリン、35%
以上75%未満のものがファットスプレッドに分類さ
れ、このマーガリン類の中で肥満や成人病の防止の為、
より油分の少ないファットスプレッドの需要が高まって
いる。
【0003】しかしながらファットスプレッドは分散層
の水の含有率が高い為、スプレッドの調製時、転相が起
ったり、又保存中に離水が生じやすい等の欠点がある。
【0004】これらの欠点を解決するため種々の乳化剤
を使用する事が提案されている。例えばポリグリセリン
縮合リシノレイン酸エステルと脂肪酸エステルと脂肪酸
モノグリセリド等で示される飽和脂肪酸エステルの組み
合せ(特開昭58−170432号公報)、ポリグリセ
リン縮合リシノレイン酸エステルと重合度7以上のポリ
グリセリン脂肪酸エステルの組み合せ(特開昭58−1
98243号公報)、ポリグリセリン縮合リシノレイン
酸エステルとソルビタン不飽和脂肪酸エステル及び/又
はHLB10以上のショ糖脂肪酸エステルの組み合せ
(特開昭59−130526号公報)、ポリグリセリン
縮合リシノレイン酸エステルと重合度7以下のポリグリ
セリン不飽和脂肪酸エステルの組み合せ(特開昭62−
143637号公報)等が知られている。
【0005】これらの方法はポリグリセリン縮合リシノ
レイン酸エステルの持つ強いW/O乳化力を利用したも
のであり、ファットスプレッドを調製する際の乳化液の
転相の防止や、ファットスプレッドの保存中の離水の防
止には非常に効果的である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこのポリ
グリセリン縮合リシノレイン酸エステルにもいくつか欠
点がある。例えばその特有の呈味の為、ファットスプレ
ッドの味が悪くなる事や、油脂の結晶化促進効果に由来
すると考えられるファットスプレッドの保存中の硬さや
伸びの変化である。またポリグリセリン縮合リシノレイ
ン酸エステルを多用するとファットスプレッドの組織が
軟弱でペースト状を呈するため、容器に充てんする際中
味が飛び出したり、糸曳きを起して容器の外周を汚染す
る等の欠点が生じる。
【0007】従ってポリグリセリン縮合リシノレイン酸
の使用においては製造時の乳化液の転相や保存中の離水
の防止,スプレッドの味覚や保存中の諸物性の変化の防
止等種々の問題すべてに対処するのは困難で妥協せざる
をえないのが現状である。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、このような
従来の課題に着目してなされたもので、油脂含有率が2
0〜80重量%である油中水型乳化物を調製する際、乳
化剤としてポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル
を使用せず、特定の乳化剤を組み合せる事により、製造
時の乳化液の転相や乳化物の保存中の離水の防止,硬さ
や伸びの変化等を抑制でき、ポリグリセリン縮合リシノ
レイン酸エステルに由来する異味も避け得る事を見い出
し、本発明を完成した。
【0009】すなわち、油脂含有率が20〜80重量%
であって、グリセリンの平均重合度が4〜10であり、
かつ、そのHLB値が5以下であるポリグリセリン脂肪
酸エステルを0.05〜3.0重量%、HLB値が5以
下のソルビタン脂肪酸エステルを0.02〜2.0重量
%及びHLB値が2以下のショ糖脂肪酸エステルを0.
01〜2.0重量%含有する事を特徴とする油中水型乳
化物である。
【0010】(手段を構成する要件)本発明に使用する
ポリグリセリン脂肪酸エステルは脂肪酸とポリグリセリ
ンのエステルである。その構成する脂肪酸残基は炭素数
が12〜22のものが良く、炭素鎖は飽和であっても不
飽和であっても、又直鎖であっても分岐していてもかま
わない。そのグリセリンの平均重合度は4〜10のもの
である。又本発明に使用するポリグリセリン脂肪酸エス
テルはそのHLB値が5以下であることが必要で、5を
こえると乳化が不安定となる。更にポリグリセリン脂肪
酸エステルの含有量は乳化物中0.05〜3.0重量%
であり、0.05重量%未満では乳化が不安定であり、
3.0重量%をこえると味が悪くなる。
【0011】本発明に使用するソルビタン脂肪酸エステ
ルは脂肪酸とソルビタンのエステルである。その構成す
る脂肪酸残基は炭素数が12〜22のものが良く、炭素
鎖は飽和であっても不飽和であっても、又直鎖であって
も分岐していてもかまわない。
【0012】又本発明に使用するソルビタン脂肪酸エス
テルはそのHLB値が5以下であることが必要で、HL
B値が5をこえると乳化が不安定となる。更にこのソル
ビタン脂肪酸エステルの含有量は乳化物中0.02〜
2.0重量%の範囲である。0.02重量%未満では乳
化が不安定となる。又、2.0重量%をこえると物性が
悪くなる。
【0013】本発明に使用するショ糖脂肪酸エステルは
ショ糖と脂肪酸のエステルである。その構成する脂肪酸
残基の長鎖のものとしては、炭素数が12〜22のもの
が良く、炭素鎖は飽和であっても不飽和であっても、又
直鎖であっても分岐していてもかまわない。
【0014】脂肪酸残基の短鎖のものとしては、アセチ
ル基を代表的に挙げることができる。これらの脂肪酸残
基は長鎖のもののみでも、また長鎖のものと短鎖のもの
が混在していてもかまわない。
【0015】又、本発明に使用するショ糖脂肪酸エステ
ルはそのHLB値が2以下であることが必要で、HLB
値が2をこえると乳化が不安定となる。更にショ糖脂肪
酸エステルの含有量は乳化物中0.01〜2.0重量%
である。0.01重量%未満では乳化が不安定となる。
2.0重量%をこえると顕著な効果がなく経済的に不利
である。
【0016】前記乳化剤の他の乳化剤としてグリセリン
脂肪酸エステル,プロピレングリコール脂肪酸エステ
ル,レシチン等を併用してもかまわない。
【0017】本発明にかかる油中水型乳化物に用いる油
脂は食用に供されるものであれば特に制限はなく大豆
油,ナタネ油,パーム油,パーム核油,コーン油,サフ
ラワー油,綿実油等の植物油や牛脂,豚脂,魚油,乳脂
等の動物油およびこれらの混合物が挙げられる。またこ
れらの油脂を水素添加(硬化),エステル交換,分別等
の処理をした加工油脂も使用できる。これらの油脂の含
有率は乳化物中20〜80重量%である。
【0018】前記乳化剤と油脂以外は水相であり水相に
は必要に応じ食塩,乳蛋白,植物蛋白,香料,でんぷ
ん,ゼラチン,ブドウ糖,蔗糖等を混合しても良い。
【0019】本発明の油中水型乳化物は油相と水相を公
知の方法で乳化して得られ、ファットスプレッド用とし
て好適に用いられる。
【0020】
【作用】該油中水型乳化物はポリグリセリン縮合リシノ
レイン酸エステルを添加しないため異味を感じる事はな
い。また特定の乳化剤を特定の範囲内で混合する事によ
り、相剰的に乳化力が増強され、調製時および保存時に
転相や離水等の現象が起らない。かつ保存中に硬さやク
リーミング性等の物性が変化しにくいがこれは乳化剤が
油脂の結晶化を促進しにくい為と考えられる。
【0021】
【実施例】次に実施例および比較例で本発明を詳細に説
明する。表1,表2に使用した乳化剤の組成を示す。次
に油中水型乳化物の調製方法を示す。
【0022】硬化パーム油およびコーン油を50/50
に混合した油脂6kgに表1,表2に示した乳化剤10
0gを加え70℃に加熱して均一に溶解して油相を得
た。別に水3.8kgに食塩100gを溶解し水相を調
製した。油相および水相を40℃でホモミキサーを用い
て乳化し予備乳化物を調製した。予備乳化物をチリング
ロールで急冷捏和して油中水型乳化物を得た。乳化物中
油脂含有率は60重量%である。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】次に油中水型乳化物の評価について記す。 1.乳化安定性(実施例1〜4及び比較例1〜10) チリングロール通過前の予備乳化物の乳化安定性とチリ
ングロール通過後の乳化物の乳化安定性、および乳化物
を25℃で4週間保存した場合の安定性を評価した。チ
リングロール通過前の予備乳化物は乳化液を試験管に取
り40℃で10分間静置し、その状態を観察した。チリ
ングロール通過後の乳化物はシャーレに取ったのち20
℃で30分間静置しその状態を観察した。さらに乳化物
を25℃で4週間保存し、その状態を観察した。この評
価結果を表3に示す。
【0026】
【表3】
【0027】2.味(実施例5〜8及び比較例11〜2
0) チリングロール通過後の油中水型乳化物を5名のパネラ
ーにより官能検査し、異味の有無について人数の多い方
の結果を総合評価とし、これを表4に示した。
【0028】
【表4】
【0029】3.硬さ及びクリーミング性(伸び)(実
施例9〜12及び比較例21〜30) 調製直後の油中水型乳化物と5℃で4週間の保存後の乳
化物の硬さを測定した。測定は、不動工業製レオメータ
ーを使用し5℃で行なった。
【0030】又、合せて5℃におけるクリーミング価
(伸びの評価)を調製直後、及び4週間保存後のものに
ついて測定した。クリーミング価はホイップによる起泡
を経時的に測定しその比容積の最高値で評価した。硬さ
及びクリーミング性の評価結果を表5に示す。
【0031】
【表5】
【0032】
【発明の効果】本発明による油中水型乳化物は実施例に
示されるように調製時又保存時の乳化安定性が良好であ
り、異味も生じずさらに保存中に硬さやクリーミング性
等の物性の変化が少なく、従来課題とされてきたものす
べてに対応できるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23D 7/00 JICSTファイル(JOIS)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油脂含有率が20〜80重量%であっ
    て、グリセリンの平均重合度が4〜10であり、かつH
    LB値が5以下であるポリグリセリン脂肪酸エステルを
    0.05〜3.0重量%、HLB値が5以下のソルビタ
    ン脂肪酸エステルを0.02〜2.0重量%及びHLB
    値が2以下のショ糖脂肪酸エステルを0.01〜2.0
    重量%含有する事を特徴とする油中水型乳化物。
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