JP2006304665A - 水中油型乳化物 - Google Patents

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Hiroyuki Ichiyama
裕之 市山
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Abstract

【課題】本発明の目的は、曝光食品用の水中油型乳化物を製造するに際して、光による風味劣化(光劣化)の発現を出来る限り抑え、口溶け、風味に優れ且つ、高い乳化安定性を有する水中油型乳化物、特にホイップ性、ホイップ後の保形性に優れた起泡性水中油型乳化物及びその製造法を提供することである。
【解決手段】本発明は、曝光食品用であって、油脂、無脂乳固形分、水及び乳化剤を含む水中油型乳化物において、油脂分が10〜50重量%、構成脂肪酸が飽和脂肪酸又はモノ不飽和脂肪酸のポリグリセリン脂肪酸エステル及び構成脂肪酸が飽和酸のショ糖脂肪酸エステルから選ばれる1種以上の乳化剤を含むことを特徴とする水中油型乳化物であり、オーバーランが60〜250%となる起泡性を有する、水中油型乳化物であり、これらの乳化物の製造法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、蛍光灯等の光照射による異味、異臭が生じるといった品質の劣化が少ない光劣化耐性を有する水中油型乳化物に関する。特に水中油型乳化物がケーキ等のデコレーションやサンド等に用いられる起泡性水中油型乳化物(ホイップクリーム)に関する。
従来、起泡性水中油型乳化物については、起泡前の保存又は輸送中には安定な乳化を指向しながら、起泡に際しては、乳化の破壊も適度に起こさなければならないという相矛盾する性能を両立しなければならない関係上、過去種々の乳化剤について多くの検討がなされてきた。
特許文献1では、全乳化物に対して、30〜60重量%の油脂及び0.1〜1.2重量%の乳化剤を含有する起泡性水中油型乳化脂であって、上記乳化剤が、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びショ糖脂肪酸エステルからなる群より選ばれた水溶性乳化剤1種以上と、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル及び燐脂質からなる群より選ばれた油溶性乳化剤1種以上とからなり、且つそれらの重量比(前者:後者)が50:50〜95:5である、起泡性水中油型乳化脂が提案されている。この特許文献1は、長期保存性に優れ、流通に適し、風味良好で、しかも高オーバーランであるにも拘わらず、耐熱保形性並びに戻り耐性に極めて優れた起泡性水中油型乳化脂を提案するものである。
特許文献2では、油脂と無脂乳固形分等を含む水相からなり、さらに、以下のa及びbを乳化剤として含むことを特徴とするクリーム状組成物。a.リゾリン脂質が油脂に対して0.05〜1.0重量%であること。b.ポリグリセリン脂肪酸エステル及び/又はショ糖脂肪酸エステルが油脂に対して0.8〜2.0重量%であり、かつポリグリセリン脂肪酸エステル及び/又はショ糖脂肪酸エステルの合計量に占める不飽和脂肪酸エステルと飽和脂肪酸エステルの重量比が10/90〜70/30であることが提案されている。この特許文献2は、洋菓子などに使用されるクリーム状組成物として、滅菌処理時及び流通・保存時に増粘・固化等の性質の変化が殆んど起きず、さらに、ホイップ性能の良いクリーム状組成物を提供するものである。
特許文献3では、20〜55重量%の油脂と無脂乳固形分等を含む水相からなる起泡性水中油型乳化物において、当該起泡性水中油型乳化物全量に対して、HLB8以上のポリグリセリン不飽和脂肪酸エステル0.02〜0.5重量%、ソルビタン脂肪酸エステル及びグリセリン脂肪酸エステルのうち少なくとも1種0.02〜0.5重量%、HLB5以上のショ糖脂肪酸エステル及びポリグリセリン飽和脂肪酸エステルのうち少なくとも1種0.01〜0.4重量%を含有することを特徴とする、起泡性水中油型乳化物が提案されている。この特許文献3は、ホイップ時間が短く、造花時に荒れ・先切れを起こさない、耐熱保形性に優れた起泡性水中油型乳化物を提供するものである。
しかしながら、いずれの場合においても、起泡性水中油型乳化物に関して、曝光食品用の光劣化耐性を有するという観点からの乳化剤の選択については見いだすことはできなかった。
特開平2−128644号公報 特開平5−23126号公報 特開平10−84900号公報
本発明の目的は、曝光食品用の水中油型乳化物を製造するに際して、光による風味劣化(光劣化)の発現を出来る限り抑え、口溶け、風味に優れ且つ、高い乳化安定性を有する水中油型乳化物、特にホイップ性、ホイップ後の保形性に優れた起泡性水中油型乳化物及びその製造法を提供することである。
本発明者らは、上記の課題に対して多くの乳化剤を検討し試行錯誤の結果、水中油型乳化物において、乳化剤としては、構成脂肪酸が飽和脂肪酸又はモノ不飽和脂肪酸のポリグリセリン脂肪酸エステル及び構成脂肪酸が飽和酸のショ糖脂肪酸エステルが有効であるという知見に基づいて本発明を完成するに至った。即ち本発明の第1は、曝光食品用であって、油脂、無脂乳固形分、水及び乳化剤を含む水中油型乳化物において、油脂分が10〜50重量%、構成脂肪酸が飽和脂肪酸又はモノ不飽和脂肪酸のポリグリセリン脂肪酸エステル及び構成脂肪酸が飽和酸のショ糖脂肪酸エステルから選ばれる1種以上の乳化剤を含むことを特徴とする水中油型乳化物である。第2は、オーバーランが60〜250%となる起泡性を有する、第1記載の水中油型乳化物である。第3は、曝光食品用であって、油脂、無脂乳固形分、水及び乳化剤を使用し、乳化剤としては、構成脂肪酸が飽和脂肪酸又はモノ不飽和脂肪酸のポリグリセリン脂肪酸エステル及び構成脂肪酸が飽和酸のショ糖脂肪酸エステルから選ばれる1種以上の乳化剤を原料とし、これらの原料を混合後、油脂分が10〜50重量%の範囲になるように調整し、予備乳化、殺菌又は滅菌処理し均質化処理することを特徴とする水中油型乳化物の製造法である。
曝光食品用の水中油型乳化物を製造するに際して、光劣化耐性を有する乳化剤を使用することで、光による風味劣化(光劣化)の発現を出来る限り抑え、口溶け、風味に優れ且つ、高い乳化安定性を有する水中油型乳化物、特にホイップ性、ホイップ後の保形性に優れた起泡性水中油型乳化物及びその製造法を提供することが可能になった。
本発明の水中油型乳化物は、曝光食品用であって、油脂、無脂乳固形分、水及び乳化剤を含む水中油型乳化物において、油脂分が10〜50重量%、乳化剤としては、構成脂肪酸が飽和脂肪酸又はモノ不飽和脂肪酸のポリグリセリン脂肪酸エステル及び構成脂肪酸が飽和酸のショ糖脂肪酸エステルから選ばれる1種以上の乳化剤を含むことが必要であり、好ましくは、構成脂肪酸の炭素数がC14〜C18の飽和脂肪酸又はモノ不飽和脂肪のポリグリセリン脂肪酸エステルであり、更に好ましくは、構成脂肪酸がミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸のポリグリセリン脂肪酸エステルである。本発明の油脂としては、動植物性油脂及びそれらの硬化油脂の単独又は2種以上の混合物或いはこれらのものに種々の化学処理又は物理処理を施したものが例示できる。かかる油脂としては、大豆油、綿実油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、パーム油、菜種油、米ぬか油、ゴマ油、カポック油、ヤシ油、パーム核油、乳脂、ラード、魚油、鯨油等の各種の動植物油脂及びそれらの硬化油、分別油、エステル交換油等の加工油脂(融点15〜40℃程度のもの)が例示できるが、曝光食品用の水中油型乳化物において、より光劣化耐性を有する水中油型乳化物を製造するに際しては、油脂が非乳脂又は、非乳脂及び乳脂からなり、非乳脂の油脂中の構成脂肪酸組成が、ラウリン酸、パルミチン酸の合計量が40%以上であり、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸の合計量が50%以下であり、且つリノール酸、リノレン酸の合計量が5%以下であり、乳脂/全油脂が0.95以下である油脂が好ましい。更に好ましくは0.8以下であり、最も好ましくは0.7以下であることが好ましい。
非乳脂の油脂中の構成脂肪酸組成については、好ましくは、非乳脂の油脂中の構成脂肪酸組成が、ラウリン酸、パルミチン酸の合計量が50%以上であり、更に好ましくは55%以上であり、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸の合計が40%以下、更に好ましくは35%以下であり、リノール酸、リノレン酸の合計が4%以下、更に好ましくは3%以下である油脂が好ましい。
本発明の水中油型乳化物の油脂分としては、10〜50重量%、好ましくは15〜45重量%、更に好ましくは20〜40重量%である必要がある。油脂分が上限を超える場合は水中油型乳化物がボテ(可塑化状態)易くなり、下限未満では水中油型乳化物が粘ちょう性が乏しくなり、起泡性水中油型乳化物の場合は、ホイップ性、保形性が悪化する傾向になる。
本発明の無脂乳固形分としては、牛乳の全固形分から乳脂肪分を差引いた成分をいい、これを含む原料としては、生乳、牛乳、脱脂乳、生クリーム、濃縮乳、無糖練乳、加糖練乳、全脂粉乳、脱脂粉乳、バターミルクパウダー、ホエー蛋白、カゼイン、カゼインナトリウム等の乳由来の原料が例示でき、水中油型乳化物中に無脂乳固形分が1〜14重量%が好ましく、さらに好ましくは2〜12重量%、最も好ましくは4〜10重量%である。無脂乳固形分が少ない場合は、水中油型乳化物の乳化安定性が悪くなり、乳味感も少なくなって風味が悪くなる。多い場合は、水中油型乳化物の粘度が高くなり、コストも高くなり、量に見合った効果が得難くなる。
本発明の水中油型乳化物には、乳化剤として構成脂肪酸が飽和脂肪酸又はモノ不飽和脂肪酸のポリグリセリン脂肪酸エステル及び構成脂肪酸が飽和酸のショ糖脂肪酸エステルから選ばれる1種以上の乳化剤を含むことが必要である。このようなポリグリセリン脂肪酸エステルにおいては、その平均重合度が2〜12、好ましくは3〜10、更に好ましくは4〜8が好ましい。ポリグリセリン脂肪酸エステルの平均エステル化度は1〜4、好ましくは1〜3が好ましい。HLBについては、8〜16、好ましく9〜15、更に好ましくは10〜14が好ましい。風味、口溶けの点及び本発明の目的である曝光食品用の水中油型乳化物を製造するに際しては、より光劣化耐性を有するという点から、構成脂肪酸がミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸のポリグリセリン脂肪酸エステルが好ましく、更にミリスチン酸であるポリグリセリン脂肪酸エステル単独使用が好ましい。構成脂肪酸が飽和脂肪酸又はモノ不飽和脂肪酸のポリグリセリン脂肪酸エステル及び構成脂肪酸が飽和酸のショ糖脂肪酸エステルから選ばれる1種以上の乳化剤の使用量としては、水中油型乳化物全体に対して0.03〜0.9重量%、好ましくは0.05〜0.8重量%、更に好ましくは0.1〜0.5重量%が好ましい。使用量が少ない場合は、水中油型乳化物がボテ(可塑化状態)易くなり、使用量が多い場合は、乳化剤に起因する風味が出てきて悪い傾向になる。本発明の水中油型乳化物の風味を損なわない範囲内において、構成脂肪酸が飽和脂肪酸又はモノ不飽和脂肪酸のポリグリセリン脂肪酸エステル及び構成脂肪酸が飽和酸のショ糖脂肪酸エステルから選ばれる1種以上の乳化剤以外の乳化剤として、レシチン、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル(構成脂肪酸が飽和脂肪酸又はモノ不飽和脂肪酸のポリグリセリン脂肪酸エステルを除く)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル(構成脂肪酸が飽和酸のショ糖脂肪酸エステルを除く)等の合成乳化剤を適宜選択して使用することができる。
本発明の水中油型乳化物については、糖類、安定剤、香料、着色料、保存料も含むことができる。糖類としては無脂乳固形分由来の乳糖が好ましい。その他の糖類としては、澱粉、澱粉分解物、少糖類、二糖類、単糖類、糖アルコール等が例示できるが、水中油型乳化物の濃く味とあっさり感で乳糖単独使用が好ましい。各種塩類を使用するのが好ましく、ヘキサメタリン酸塩、第2リン酸塩、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸塩、重曹等を単独又は2種以上混合使用することが好ましい。
本発明の水中油型乳化物が特に起泡性を有する場合は、オーバーランが60〜250%、好ましくは60〜200%、更に好ましくは60〜150%、最も好ましくは60〜130%であることが好ましい。オーバーランが高すぎる場合には食感が軽すぎたり、風味の乏しいものになる傾向がある。オーバーランが低すぎる場合には風味、口溶け感が悪くなる。
本発明の水中油型乳化物の製造法としては、油脂、無脂乳固形分、水及び乳化剤として構成脂肪酸が飽和脂肪酸又はモノ不飽和脂肪酸のポリグリセリン脂肪酸エステル及び構成脂肪酸が飽和酸のショ糖脂肪酸エステルから選ばれる1種以上の乳化剤を主要原料とするこれらの原料を混合後、予備乳化、殺菌又は滅菌処理し均質化処理することにより得ることができる。水中油型乳化物の保存性の点で滅菌処理することが好ましい。具体的には、各種原料を60〜70℃で20分間予備乳化した後(乳化装置はホモミキサー)、必要により0〜250Kg/cm2の条件下にて均質化(乳化装置は均質機)する。次いで超高温瞬間殺菌処理(UHT)した後、再度、0〜300Kg/cm2の条件化にて均質化し、冷却後、約24時間エージングする。
超高温瞬間(UHT)殺菌には、間接加熱方式と直接加熱方式の2種類があり、間接加熱処理する装置としてはAPVプレート式UHT処理装置(APV株式会社製)、CP-UHT滅菌装置(クリマティー・パッケージ株式会社製)、ストルク・チューブラー型滅菌装置(ストルク株式会社製)、コンサーム掻取式UHT滅菌装置(テトラパック・アルファラベル株式会社製)等が例示できるが、特にこれらに限定されるものではない。また、直接加熱式滅菌装置としては、超高温滅菌装置(岩井機械工業(株)製)、ユーペリゼーション滅菌装置(テトラパック・アルファラバル株式会社製)、VTIS滅菌装置(テトラパック・アルファラバル株式会社製)、ラギアーUHT滅菌装置(ラギアー株式会社製)、パラリゼーター(パッシュ・アンド・シルケーボーグ株式会社製)等のUHT滅菌装置が例示でき、これらの何れの装置を使用してもよい。
以下に本発明の実施例を示し本発明をより詳細に説明するが、本発明の精神は以下の実施例に限定されるものではない。なお、例中、%及び部は、いずれも重量基準を意味する。特に、添加剤の添加順序或いは油相を水相へ又は水相を油相へ加える等の乳化順序が以下の例示によって限定されるものではないことは言うまでもない。また、各種評価については以下の方法で評価した。
A 水中油型乳化物のボテテスト(水中油型乳化物の安定性)を評価した。
ボテテスト:水中油型乳化物を100ml容ビーカーに50g採り、20℃で2時間インキュベートし、その後5分間、横型シェーカーを用い、振動させ、水中油型乳化物のボテの発生の有無を確認した。
B 水中油型乳化物を起泡させた場合の評価方法
(1)ホイップタイム:水中油型乳化物1kg、グラニュー糖80g添加し、ホバードミキサー(HOBART CORPORATION製 MODEL N−5)3速(300rpm)にてホイップし、最適起泡状態に達するまでの時間。
(2)オーバーラン:[(一定容積の水中油型乳化物重量)ー(一定容積の起泡後の起泡物重量)]÷(一定容積の起泡後の起泡物重量)×100
(3)保形性:造花した起泡物を15℃で24時間保存した場合の美しさを調べる。優れている順に、「良好」、「可」、「不可」の三段階にて評価をつける。
(4)風味:専門パネラー20名により官能評価を行う。ホイップ直後の風味評価と光照射後の風味評価の2種類を行った。光照射試験は、蛍光灯照射(照度4000Lx)、温度5℃にて72時間保存後評価した。風味評価は、優れている順に「5」、「4」、「3」、「2」、「1」の五段階にて評価を行い、平均化した評価を結果とした。
実験例1
光劣化耐性のある乳化剤を適宜選択するため、水溶性の乳化剤は水に、油溶性の乳化剤はパーム中融点部(融点34℃)に各々0.20%を溶解した。風味の評価としては、専門パネラー20名により官能評価を行う。光照射前の風味評価と光照射後の風味評価の2種類を行った。光照射試験は、蛍光灯照射(照度4000Lx)、温度5℃にて24時間保存後評価した。風味評価は、優れている順に「5」、「4」、「3」、「2」、「1」の五段階にて評価を行い、平均化した評価を結果とした。その結果を表1に纏めた。
表1に乳化剤の風味評価の結果を纏めた。
Figure 2006304665

次に、良好であった乳化剤を使用して起泡性水中油型乳化物を調製した。
実施例1
パーム中融点部(融点34℃)25.0部、硬化パーム核油5.0部を融解混合し油相とする。これとは別に水64.7部に脱脂粉乳5.0部、ペンタグリセリンモノミリスチン酸エステル0.2部、メタリン酸ナトリウム0.1部を溶解し水相を調製する。上記油相と水相を65℃で30分間ホモミキサーで攪拌し予備乳化した後、超高温滅菌装置(岩井機械工業(株)製)によって、145℃において4秒間の直接加熱方式による滅菌処理を行った後、50Kg/cm2 の均質化圧力で均質化して、直ちに5℃に冷却した。冷却後約24時間エージングして、起泡性水中油型乳化物を得た。この乳化物を上記のホイップ方法に従って評価した。結果を表2に纏めた。
実施例2
パーム中融点部(融点34℃)25.0部、硬化パーム核油5.0部にレシチン0.3部を添加混合溶解し油相とする。これとは別に水64.4部に脱脂粉乳5.0部、ショ糖飽和脂肪酸エステル(HLB5)0.2部、メタリン酸ナトリウム0.1部を溶解し水相を調製する。上記油相と水相を65℃で30分間ホモミキサーで攪拌し予備乳化した後、超高温滅菌装置(岩井機械工業(株)製)によって、145℃において4秒間の直接加熱方式による滅菌処理を行った後、50Kg/cm2 の均質化圧力で均質化して、直ちに5℃に冷却した。冷却後約24時間エージングして、起泡性水中油型乳化物を得た。この乳化物を上記のホイップ方法に従って評価した。結果を表2に纏めた。
実施例3
パーム中融点部(融点34℃)25.0部、硬化パーム核油5.0部にテトラグリセリン酸モノオレイン酸エステル0.15部を添加混合溶解し油相とする。これとは別に水64.55部に脱脂粉乳5.0部、ショ糖飽和脂肪酸エステル(HLB5)0.2部、メタリン酸ナトリウム0.1部を溶解し水相を調製する。上記油相と水相を65℃で30分間ホモミキサーで攪拌し予備乳化した後、超高温滅菌装置(岩井機械工業(株)製)によって、145℃において4秒間の直接加熱方式による滅菌処理を行った後、50Kg/cm2 の均質化圧力で均質化して、直ちに5℃に冷却した。冷却後約24時間エージングして、起泡性水中油型乳化物を得た。この乳化物を上記のホイップ方法に従って評価した。結果を表2に纏めた。
実施例4
パーム中融点部(融点34℃)25.0部、硬化パーム核油5.0部にペンタグリセリンモノオレイン酸エステル0.2部を融解混合し油相とする。これとは別に水64.5部に脱脂粉乳5.0部、ペンタグリセリンモノミリスチン酸エステル0.2部、メタリン酸ナトリウム0.1部を溶解し水相を調製する。上記油相と水相を65℃で30分間ホモミキサーで攪拌し予備乳化した後、超高温滅菌装置(岩井機械工業(株)製)によって、145℃において4秒間の直接加熱方式による滅菌処理を行った後、50Kg/cm2 の均質化圧力で均質化して、直ちに5℃に冷却した。冷却後約24時間エージングして、起泡性水中油型乳化物を得た。この乳化物を上記のホイップ方法に従って評価した。結果を表2に纏めた。
実施例5
硬化大豆油(融点31℃)40部を融解混合し油相とする。これとは別に水54.7部に脱脂粉乳5.0部、ペンタグリセリンモノミリスチン酸エステル0.2部、メタリン酸ナトリウム0.1部を溶解し水相を調製する。上記油相と水相を65℃で30分間ホモミキサーで攪拌し予備乳化した後、超高温滅菌装置(岩井機械工業(株)製)によって、145℃において4秒間の直接加熱方式による滅菌処理を行った後、50Kg/cm2 の均質化圧力で均質化して、直ちに5℃に冷却した。冷却後約24時間エージングして、起泡性水中油型乳化物を得た。この乳化物を上記のホイップ方法に従って評価した。結果を表2に纏めた。
実施例6
硬化大豆油(融点31℃)にレシチン0.3部を添加混合溶解し油相とする。これとは別に水54.4部に脱脂粉乳5.0部、ショ糖飽和脂肪酸エステル(HLB5)0.2部、メタリン酸ナトリウム0.1部を溶解し水相を調製する。上記油相と水相を65℃で30分間ホモミキサーで攪拌し予備乳化した後、超高温滅菌装置(岩井機械工業(株)製)によって、145℃において4秒間の直接加熱方式による滅菌処理を行った後、50Kg/cm2 の均質化圧力で均質化して、直ちに5℃に冷却した。冷却後約24時間エージングして、起泡性水中油型乳化物を得た。この乳化物を上記のホイップ方法に従って評価した。結果を表2に纏めた。
実施例7
硬化大豆油(融点31℃)にテトラグリセリンモノオレイン酸エステル0.15部を添加混合溶解し油相とする。これとは別に水54.55部に脱脂粉乳5.0部、ショ糖飽和脂肪酸エステル(HLB5)0.2部、メタリン酸ナトリウム0.1部を溶解し水相を調製する。上記油相と水相を65℃で30分間ホモミキサーで攪拌し予備乳化した後、超高温滅菌装置(岩井機械工業(株)製)によって、145℃において4秒間の直接加熱方式による滅菌処理を行った後、50Kg/cm2 の均質化圧力で均質化して、直ちに5℃に冷却した。冷却後約24時間エージングして、起泡性水中油型乳化物を得た。この乳化物を上記のホイップ方法に従って評価した。結果を表2に纏めた。
実施例8
大豆硬化油(融点31℃)にペンタグリセリンモノオレイン酸エステル0.2部を融解混合し油相とする。これとは別に水54.5部に脱脂粉乳5.0部、ペンタグリセリンモノミリスチン酸エステル0.2部、メタリン酸ナトリウム0.1部を溶解し水相を調製する。上記油相と水相を65℃で30分間ホモミキサーで攪拌し予備乳化した後、超高温滅菌装置(岩井機械工業(株)製)によって、145℃において4秒間の直接加熱方式による滅菌処理を行った後、50Kg/cm2 の均質化圧力で均質化して、直ちに5℃に冷却した。冷却後約24時間エージングして、起泡性水中油型乳化物を得た。この乳化物を上記のホイップ方法に従って評価した。結果を表2に纏めた。
表2に実施例1〜実施例8の結果を纏めた。
Figure 2006304665
比較例1
パーム中融点部(融点34℃)6.5部、硬化パーム核油1.5部を融解混合し油相とする。これとは別に水86.7部に脱脂粉乳5.0部、ペンタグリセリンモノミリスチン酸エステル0.2部、メタリン酸ナトリウム0.1部を溶解し水相を調製する。上記油相と水相を65℃で30分間ホモミキサーで攪拌し予備乳化した後、超高温滅菌装置(岩井機械工業(株)製)によって、145℃において4秒間の直接加熱方式による滅菌処理を行った後、50Kg/cm2 の均質化圧力で均質化して、直ちに5℃に冷却した。冷却後約24時間エージングして、起泡性水中油型乳化物を得た。この乳化物を上記のホイップ方法に従って評価したがホイップが終点まで到達せず、良好な硬さのものを得ることが出来なかった。結果を表3に纏めた。
比較例2
パーム中融点部(融点34℃)43部、硬化パーム核油9部を融解混合し油相とする。これとは別に水42.7部に脱脂粉乳5.0部、ペンタグリセリンモノミリスチン酸エステル0.2部、メタリン酸ナトリウム0.1部を溶解し水相を調製する。上記油相と水相を65℃で30分間ホモミキサーで攪拌し予備乳化した後、超高温滅菌装置(岩井機械工業(株)製)によって、145℃において4秒間の直接加熱方式による滅菌処理を行った後、50Kg/cm2 の均質化圧力で均質化して、直ちに5℃に冷却した。冷却後約24時間エージングしたものは、粘度が高くなりホイップ出来なかった。結果を表3に纏めた。
比較例3
パーム中融点部(融点34℃)25部、硬化パーム核油5部を融解混合し油相とする。これとは別に水64.7部に脱脂粉乳5.0部、ショ糖飽和脂肪酸エステル(HLB5)0.2部、メタリン酸ナトリウム0.1部を溶解し水相を調製する。上記油相と水相を65℃で30分間ホモミキサーで攪拌し予備乳化した後、超高温滅菌装置(岩井機械工業(株)製)によって、145℃において4秒間の直接加熱方式による滅菌処理を行った後、50Kg/cm2 の均質化圧力で均質化して、直ちに5℃に冷却した。冷却後約24時間エージングして、起泡性水中油型乳化物を得た。この乳化物を上記のホイップ方法に従って評価した。結果を表3に纏めた。
比較例4
硬化大豆油(融点31℃)を融解混合し油相とする。これとは別に水54.7部に脱脂粉乳5.0部、ショ糖飽和脂肪酸エステル(HLB5)0.2部、メタリン酸ナトリウム0.1部を溶解し水相を調製する。上記油相と水相を65℃で30分間ホモミキサーで攪拌し予備乳化した後、超高温滅菌装置(岩井機械工業(株)製)によって、145℃において4秒間の直接加熱方式による滅菌処理を行った後、50Kg/cm2 の均質化圧力で均質化して、直ちに5℃に冷却した。冷却後約24時間エージングして、起泡性水中油型乳化物を得た。この乳化物を上記のホイップ方法に従って評価した。結果を表3に纏めた。
比較例5
パーム中融点部(融点34℃)25部、硬化パーム核油5部を融解混合し油相とする。これとは別に水64.88部に脱脂粉乳5.0部、ペンタグリセリンモノミリスチン酸エステル0.02部、メタリン酸ナトリウム0.1部を溶解し水相を調製する。上記油相と水相を65℃で30分間ホモミキサーで攪拌し予備乳化した後、超高温滅菌装置(岩井機械工業(株)製)によって、145℃において4秒間の直接加熱方式による滅菌処理を行った後、50Kg/cm2 の均質化圧力で均質化して、直ちに5℃に冷却した。この乳化物を上記のホイップ方法に従って評価したがボテ易く、風味も油っぽくなった。結果を表3に纏めた。
比較例6
パーム中融点部(融点34℃)25部、硬化パーム核油5部を融解混合し油相とする。これとは別に水63.9部に脱脂粉乳5.0部、ペンタグリセリンモノミリスチン酸エステル1部、メタリン酸ナトリウム0.1部を溶解し水相を調製する。上記油相と水相を65℃で30分間ホモミキサーで攪拌し予備乳化した後、超高温滅菌装置(岩井機械工業(株)製)によって、145℃において4秒間の直接加熱方式による滅菌処理を行った後、50Kg/cm2 の均質化圧力で均質化して、直ちに5℃に冷却した。この乳化物を上記のホイップ方法に従って評価した。結果を表3に纏めた。
表3に比較例1〜比較例6の結果を纏めた。
Figure 2006304665
本発明は、蛍光灯等の光照射による異味、異臭の品質の劣化が少ない光劣化耐性を有する水中油型乳化物に関するものである。

Claims (3)

  1. 曝光食品用であって、油脂、無脂乳固形分、水及び乳化剤を含む水中油型乳化物において、油脂分が10〜50重量%、構成脂肪酸が飽和脂肪酸又はモノ不飽和脂肪酸のポリグリセリン脂肪酸エステル及び構成脂肪酸が飽和酸のショ糖脂肪酸エステルから選ばれる1種以上の乳化剤を含むことを特徴とする水中油型乳化物。
  2. オーバーランが60〜250%となる起泡性を有する、請求項1記載の水中油型乳化物。
  3. 曝光食品用であって、油脂、無脂乳固形分、水及び乳化剤を使用し、乳化剤としては、構成脂肪酸が飽和脂肪酸又はモノ不飽和脂肪酸のポリグリセリン脂肪酸エステル及び構成脂肪酸が飽和酸のショ糖脂肪酸エステルから選ばれる1種以上の乳化剤を原料とし、これらの原料を混合後、油脂分が10〜50重量%の範囲になるように調整し、予備乳化、殺菌又は滅菌処理し均質化処理することを特徴とする水中油型乳化物の製造法。
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