JP3161681U - プレートにより補強された構造物 - Google Patents

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衛 阿部
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Abstract

【課題】軽量性および組み立て容易性を維持しつつ、高い強度を実現可能な構造物を提供する。【解決手段】構造物の骨組みは、支柱11の外側面に設けられた溝に対し嵌合された状態で支柱11に対し固定された縦框12と、縦框12に対し固定された上方横框14と、それらにより構成される組み立て部材に対し取り付けられる補強プレート15Aとにより構成される。補強プレート15Aは、支柱11の外側面に設けられた溝の1つに嵌合しつつ当接する溝当接部と、溝当接部から延伸し縦框12および突起部を覆うように屈曲した連結部と、連結部から延伸し上方横框14に当接する横框当接部とを有している。補強プレート15Aは溝当接部において支柱11に対し、また横框当接部において上方横框14に対し、ボルトの締め付けにより固定される。【選択図】図3

Description

本考案は、支柱により支持される構造物の構造に関する。
支柱により支持される構造物の強度を高めるための技術として、断面が矩形の支柱の互いに対向する2つの外側面に対し、補強プレートをボルト等により固定させる技術が提案されている(特許文献1および特許文献2)。
特開平06−212705 特開平06−229067
電話ボックスや樋門ハウス、休憩ルーム等のように、屋外もしくは屋内において外部の空間から隔離された空間を作り出すための構造物がある。
これらの構造物においては、主としてコスト削減の理由から、軽量かつ組み立て容易な構造の採用が望まれる。
構造物全体の軽量化を図るためには、構造物を支持する支柱を含む骨組みの軽量化が不可避である。しかしながら、特段の工夫なく骨組みを軽量化すれば構造物の強度は低下する。
ところで、近年、耐震性に関する安全基準の引き上げ等の理由により、構造物に求められる強度の水準が高まっている。
そこで本考案は、軽量性および組み立て容易性を維持しつつ、従来のものと比較して高い強度を実現可能な構造物を提供することを目的とする。
本考案は、上記の目的に鑑みて想到されたものであり、
長手方向に垂直な断面の外縁が矩形を示す柱状体である本体部と、長手方向に垂直な断面の外縁が当該矩形の4つの角部の各々に関し当該角部から外側に突起するように連続する所定形状を示す柱状体である4本の突起部とを有する支柱であって、長手方向が鉛直方向と一致するように床の上に配置された支柱と、
長手方向が水平方向と一致し、一の側端部が、前記本体部が有する4つの外側面のうちの一の外側面である第1の外側面と前記4本の突起部のうち前記第1の外側面の両側に位置する第1の突起部および第2の突起部とにより形成される第1の溝に嵌合固定された中間部材に対し当接した状態、もしくは前記第1の溝に嵌合されつつ前記第1の外側面に当接した状態で、前記支柱の下端部もしくは前記支柱の上端部から水平方向に延伸するように配置された柱状体である横框と、
前記本体部の4つの外側面のうち前記第2の突起部を挟んで前記第1の外側面と隣接する第2の外側面の一部と前記第2の突起部の外面の一部とに当接する屈曲もしくは湾曲した板状体である溝当接部と、前記溝当接部から延伸し前記第2の突起部の一部を覆うように屈曲もしくは湾曲した板状体である連結部と、前記連結部から延伸し前記横框の一部に当接する板状体である横框当接部とを有し、前記溝当接部において前記支柱に固定され、前記横框当接部において前記横框に固定された補強プレートと
を備える構造物
を第1の実施態様として提供する。
また、上記の第1の実施態様において、
前記横框を第1の横框とした場合の前記第1の横框と同様の構造を備える第2の横框を備え、
前記第2の横框は、長手方向が水平方向と一致し、一の側端部が、前記本体部が有する4つの外側面のうちの前記第1の外側面と対向する位置の第3の外側面および前記4本の突起部のうち前記第3の外側面の両側に位置する第3の突起部および第4の突起部とにより形成される第3の溝に嵌合固定された中間部材に対し当接した状態、もしくは前記第3の溝に嵌合されつつ前記第3の外側面に当接した状態で、前記支柱の下端部もしくは前記支柱の上端部から水平方向に延伸するように配置され、
前記補強プレートの前記溝当接部は、前記第2の外側面を挟んで前記第2の突起部と隣接する前記第3の突起部の外面の一部に当接し、
前記補強プレートは、前記連結部を第1の連結部とし前記横框当接部を第1の横框当接部とした場合において、前記溝当接部から延伸し前記第3の突起部の一部を覆うように屈曲もしくは湾曲した板状体である第2の連結部と、前記第2の連結部から延伸し前記第2の横框の一部に当接する板状体である第2の横框当接部とを有し、前記第2の横框当接部において前記第2の横框に固定されている
構成が第2の実施態様として採用されてもよい。
また、上記の第1または第2の実施態様において、
前記本体部は長管状体であり、
前記本体部が有する4つの内側面のうち少なくとも3つの内側面に当接する屈曲した板状体である補強ブロックを備え、
前記溝当接部は、前記本体部の管壁を挟んで隣接する前記補強ブロックに対し締め付けられることにより前記支柱に対し固定されている
構成が第3の実施態様として採用されてもよい。
また、上記の第1乃至第3のいずれかの実施態様において、
前記横框は管状体であり、
前記横框の内側面に当接する板状体である当て板を備え、
前記横框当接部は、前記横框の管壁を挟んで隣接する前記当て板に対し締め付けられることにより前記横框に対し固定されている
構成が第4の実施態様として採用されてもよい。
さらに、本考案は、
長手方向に垂直な断面の外縁が矩形を示す柱状体である本体部と、長手方向に垂直な断面の外縁が当該矩形の4つの角部の各々に関し当該角部から外側に突起するように連続する所定形状を示す柱状体である4本の突起部とを有する支柱であって、長手方向が鉛直方向と一致するように床の上に配置された支柱と、
長手方向が水平方向と一致し、一の側端部が、前記本体部が有する4つの外側面のうちの一の外側面である第1の外側面と前記4本の突起部のうち前記第1の外側面の両側に位置する第1の突起部および第2の突起部とにより形成される第1の溝に嵌合固定された中間部材に対し当接した状態、もしくは前記第1の溝に嵌合されつつ前記第1の外側面に当接した状態で、前記支柱の下端部もしくは前記支柱の上端部から水平方向に延伸するように配置された柱状体である第1の横框と、
長手方向が水平方向と一致し、一の側端部が、前記本体部が有する4つの外側面のうち前記第2の突起部を挟んで前記第1の外側面と隣接する第2の外側面と前記4本の突起部のうち前記第2の外側面の両側に位置する前記第2の突起部および第3の突起部とにより形成される第2の溝に嵌合固定された中間部材に対し当接した状態、もしくは前記第2の溝に嵌合されつつ前記第2の外側面に当接した状態で、前記支柱の下端部もしくは前記支柱の上端部から水平方向に延伸するように配置された柱状体である第2の横框と、
前記第1の横框の一部に当接する板状体である第1の横框当接部と、前記第1の横框当接部から延伸し前記第2の突起部の一部に当接する板状体である連結部と、前記連結部から延伸し前記第2の横框の一部に当接する板状体である第2の横框当接部とを有し、前記第1の横框当接部において前記第1の横框に固定され、前記連結部において前記第2の突起部に固定され、前記第2の横框当接部において前記第2の横框に固定された補強プレートと
を備える構造物
を第5の実施態様として提供する。
本考案の第1の実施態様にかかる構造物は、例えば中間部材である縦框の長手方向を鉛直方向に向けて支柱の外表面に設けられた溝に対し水平方向に嵌め込み、横框の長手方向を水平方向に向けて縦框に取り付け、補強プレートの溝当接部を支柱の溝(横框および縦框を嵌合した溝に隣接する外表面に設けられた溝)に当接させて固定し、補強プレートの横框当接部を横框に当接させて固定することにより、容易に組み立て可能である。その組み立ての際、補強プレートの位置決めは、支柱の外表面に設けられた溝に対する嵌め合わせにより容易に行われ得る。
また、支柱に対し固定された補強プレートの溝当接部が支柱の外表面に設けられた溝に嵌合しているため、構造物の重量により補強プレートが支柱に対し水平方向にずれる等により構造物全体の強度が低下するという問題が生じることがない。その結果、補強プレートを備えない構造物と比較して、より高い強度を有する構造物が実現される。
なお、補強プレートは支柱と横框とが交わる部分(すなわち骨組みの角部)を正面から覆う程度の大きさの板状体であるため、例えば支柱の太さを太くすることにより同じ強度の構造物を実現する場合と比較し、補強のために増加する構造物全体の重量は僅かである。
本考案の第2の実施態様にかかる構造物においては、支柱を挟んで水平逆方向に各々延伸する2本の横框に対し1枚の補強プレートによる補強が施されている。従って、それら2本の横框の各々に対し1枚の補強プレートによる補強の施された構造物と比較し、組み立てがより容易であり構造物全体の重量増加も少ない。
本考案の第3の実施態様にかかる構造物においては、コスト削減および軽量化のため中空の管状体として形成された支柱の内側に、長手方向に垂直の断面が「コ」の字型もしくは「ロ」の字型の補強ブロックが当接するように配置されているため、支柱自体の強度がより高い。また、補強プレートが支柱の管壁を挟んで補強ブロックに対しボルト等により締め付けられているため、支柱に対する補強プレートの固定の強度も高い。
なお、補強ブロックの大きさは、その目的に照らし支柱の管壁を挟んで補強プレートに対向する領域を覆う程度でよく、補強ブロックの採用により増加する構造物全体の重量は僅かである。また、支柱の中空部に補強ブロックを挿入するだけで補強ブロックの配置が完了するため、その組み立てに困難は伴わない。
本考案の第4の実施態様にかかる構造物においては、コスト削減および軽量化のため中空の管状体として形成された横框の内側に、例えば矩形の板状体である当て板が当接され、補強プレートが横框の管壁を挟んで当て板に対しボルト等により締め付けられているため、横框に対する補強プレートの固定の強度が高い。なお、当て板の大きさは補強プレートが横框に対し固定される領域を覆う程度でよいため、当て板の採用により増加する構造物全体の重量は僅かである。
本考案の第5の実施態様にかかる構造物においては、支柱から互いに90度の角度を成して水平方向に延伸する2本の横框に対し1枚の補強プレートによる補強が施されている。従って、互いに垂直に接する2つの壁面を備える構造物において、高い強度が実現される。
また、その組み立てにおいては、水平面上において支柱を挟んで90度の角度をなすように配置された2本の横框の各々に対し、水平方向の断面が概ね「L」字形状をなす屈曲された板状体である補強プレートを当接して固定すればよく、その位置決めに困難は伴わない。補強プレートの採用により増加する構造物全体の重量が僅かである点は、第1の実施態様にかかる構造物に関し上述したものと同様である。
図1は、本考案の一実施形態にかかる構造物の側面概略図である。 図2は、本考案の一実施形態にかかる構造物の骨組みの側面図である。 図3は、本考案の一実施形態にかかる構造物の骨組みの上面図である。 図4は、本考案の一実施形態にかかる構造物の支柱の断面図である。 図5は、本考案の一実施形態にかかる構造物の縦框の断面図である。 図6は、本考案の一実施形態にかかる構造物の横框の断面図である。 図7は、本考案の一実施形態にかかる構造物の補強プレートの上面図および側面図である。 図8は、本考案の一実施形態にかかる構造物の当て板の側面図である。 図9は、本考案の一実施形態にかかる構造物の補強ブロックの側面図および上面図である。 図10は、本考案の一実施形態にかかる構造物の補強プレートの上面図および側面図である。 図11は、本考案の一実施形態にかかる構造物の補強プレートの上面図、側面図および矢視図である。
(実施形態)
以下、本考案の一具体例である実施形態について、図面を用いて説明する。図1は、本実施形態にかかる構造物1の側面概略図である。構造物1は、屋内もしくは屋外に設置される休憩ルームであり、まず床を形成する土台部10を備えている。土台部10の上面に形成される床の上には、長手方向が鉛直方向となるように載置された複数の支柱11が土台部10に対し固定されている。
図1における支柱11の右側面および左側面には各々、長手方向が鉛直方向となるように配置された縦框12が支柱11に寄り添うように取り付けられている。なお図1において、縦框12は支柱11と一体表示されている。
互いに間隔をおいて隣接する2本の支柱11の各々の下端部の間には、長手方向が水平方向となるように下方横框13が配置されている。同様に、それら2本の支柱11の各々の上端部の間には、長手方向が水平方向となるように上方横框14が配置されている。
支柱11およびそれに取り付けられた縦框12、下方横框13および上方横框14により構成される矩形の枠(以下、「壁面枠」と呼ぶ)の四隅の各々には補強プレート15が取り付けられている。このように補強プレート15が取り付けられているため、例えば壁面枠の水平方向の歪みが抑制され、支柱11が鉛直方向の位置を保つことができる。その結果、支柱11の耐荷重能力が維持される。
互いに対向する2本の縦框12の間には、横桟16が2本、配置されている。横桟16は、例えばボルトによる締め付けにより縦框12に対し固定されている。横桟16は、壁面枠の強度をさらに高めるとともに、壁面枠の内側の領域を複数の区画に分割することによりそれらの区画に配置される壁板17の各々の面積を小さくすることで壁板17の撓みや強度不足を回避する役割を果たす。
壁面枠の内側の領域には、横桟16により区分された各々の区画に関し壁板17が取り付けられている。壁板17は、例えばその外縁において接する下方横框13、上方横框14、縦框12もしくは横桟16に設けられた溝に対し嵌め込まれることにより、壁面枠に対し固定されている。このように壁板17の取り付けられた壁面枠が構造物1の壁面を構成する。壁板17は例えば透明もしくは半透明なガラス板や、透明もしくは不透明な板等である。
図1における中央付近左右に配置された2本の支柱11の間には、ユーザが出入りする際に開閉されるドア18が配置されている。また、壁面の上には屋根19が載置され、例えば支柱11に対し固定されている。
構造物1は、特に補強プレート15により補強の施された壁面枠(以下、「骨組み」という)の構造にその特徴がある。従って、以下にその骨組みの構造に関し詳しく説明する。
図2は、構造物1が備える骨組みの一例である骨組み20の側面図である。骨組み20は2つの枠が同一平面上に左右に並んだフォーメーションを有している。このようなフォーメーションの骨組み20には、各々形状の異なる3種類の補強プレート15、すなわち図2における中央下部および中央上部に取り付けられる補強プレート15Aと、右下隅部および左上隅部に取り付けられる補強プレート15Bと、左下隅部および右上隅部に取り付けられる補強プレート15Cとが用いられている。
図3は、図2における骨組み20の中央付近の上面図である。構造物1の骨組みは以下に説明する組み立てにより形作られる。
まず、骨組みの中心をなす部材は支柱11である。図4は、支柱11の断面(図4(a))とその寸法(図4(b))(単位はミリメートル、以下同様)を示した図である。図4に示されるように、支柱11の長手方向に垂直な断面の形状は、中空の矩形と、その矩形の4つの角部の各々から外方向に突起するように延伸する概ね二等辺三角形状の突起(合計、4つ)とから成る。
すなわち、支柱11は断面が中空の矩形の管状体である本体部111と、その本体部の外面に形作られる4本の稜線部分に各々配置された概ね二等辺三角柱状体である突起部112−1乃至4とが一体に成形された部材である。
突起部112の各々には、長手方向に貫通するとともに、長手方向に対し垂直方向にも開口部を有する円柱形状の中空部が設けられている。この中空部は、支柱11の軽量化および低コスト化に貢献するとともに、土台部10に対する支柱11の固定や、支柱11に対する屋根19の固定等において、ボルト受けの孔としても利用され得る。
支柱11の素材は例えばアルミニウムである。支柱11は中空であるため、軽量化および低コスト化が図られているが、突起部112が設けられていることにより、突起部112が設けられていない単なる矩形の管状体よりもその強度が高められている。
突起部112は、上述のように支柱11の強度向上に貢献するだけでなく、本体部111とともに支柱11の外面に4本の溝を形成することで、以下に説明するように、支柱11に対する縦框12や補強プレート15の嵌合を可能とする。
本体部111の外面は、突起部112−1と突起部112−2に挟まれた部分である外側面113−1、突起部112−2と突起部112−3に挟まれた部分である外側面113−2、突起部112−3と突起部112−4に挟まれた部分である外側面113−3、突起部112−4と突起部112−1に挟まれた部分である外側面113−4から構成される。
外側面113−1と、その両側に位置する突起部112−1および突起部112−2は、突起部112に設けられた中空部を無視すれば、断面が「コ」の字形状を示す溝114−1を形成する。同様に、外側面113−2と突起部112−2および突起部112−3は溝114−2を、外側面113−3と突起部112−3および突起部112−4は溝114−3を、外側面113−4と突起部112−4および突起部112−1は溝114−4を、各々形成する。
図5は、縦框12の長手方向に垂直な断面を、その寸法とともに示した図である。図5に示されるように、縦框12の断面の形状は、中空の矩形と、その矩形から外側に延伸する複数の突起とから成る。従って、縦框12は矩形の管状体である本体部の外側に長手方向に延びるレール状の突起部が複数設けられた構造を有している。これらの突起部は、当接される壁板17等の他の部材の嵌合や下方横框13もしくは上方横框14との係合等に用いられる。なお、縦框12の素材は例えばアルミニウムである。
縦框12は、図3に示されるように、例えば溝114−1および溝114−3にその一の側端部が嵌合され、その側端部が外側面113−1および外側面113−3に当接された状態で、例えばネジにより支柱11に対し固定される。
図6は、下方横框13および上方横框14の長手方向に垂直な断面を、その寸法とともに示した図である。図6に示されるように、下方横框13および上方横框14の断面の形状は、中空の平板な矩形と、その矩形から外側に延伸する複数の突起とから成る。従って、下方横框13および上方横框14は平板な矩形の管状体である本体部の外側に長手方向に延びるレール状の突起物が複数設けられた構造を有している。これらの突起部は、当接される壁板17等の他の部材の嵌合や、下方横框13もしくは上方横框14に対する補強プレート15の固定等に用いられる。なお、下方横框13および上方横框14の素材は例えばアルミニウムである。
上方横框14は、図3に示されるように、その一の側端部が、例えば支柱11に対し固定された縦框12の支柱11とは反対側に位置する側端部に当接された状態で、例えばボルトの締め付けにより縦框12に対し固定される。なお、図3には示されないが、下方横框13も同様に縦框12に対し固定される。
図7は、補強プレート15Aの上面(図7(a))および側面(図7(b))を、その寸法とともに示した図である。補強プレート15Aは、例えばステンレス製の板状体をプレス加工等により屈曲させたものであり、側方から見た時に二等辺三角形の角部を切り落としたような形状をしている。補強プレート15Aは、図3に示されるように、支柱11、縦框12および上方横框14(または下方横框13)の組み立て部材に対し取り付けられる際の役割により、以下の5つの部分に区分される。
(1)溝当接部151:溝114−2に嵌合し当接する部分。
(2)連結部152−1:溝当接部151から図における右方向に延伸し、突起部112−2および図における支柱11の右側に取り付けられた縦框12を覆うように屈曲した部分。
(3)連結部152−2:溝当接部151から図における左方向に延伸し、突起部112−3および図における支柱11の左側に取り付けられた縦框12を覆うように屈曲した部分。
(4)横框当接部153−1:連結部152−1から図における右方向に延伸し、図における支柱11の右側に縦框12を挟んで取り付けられた上方横框14(または下方横框13)に当接する部分。
(5)横框当接部153−2:連結部152−2から図における左方向に延伸し、図における支柱11の左側に縦框12を挟んで取り付けられた上方横框14(または下方横框13)に当接する部分。
補強プレート15Aは、その溝当接部151が溝114−2に嵌合された後、予め支柱11および上方横框14(または下方横框13)に開けられているボルト受けの孔が、同じく予め補強プレート15Aに開けられているボルト受けの孔と一致するように上下方向に移動される。
上記のように支柱11、縦框12および上方横框14(または下方横框13)の組み立て部材に対する位置決めが行われた補強プレート15Aは、複数のボルトによりその組み立て部材に対し締め付け固定される。
その締め付け固定を可能とするために、まず上方横框14(または下方横框13)の内側面には、ネジ谷が切られたボルト受けの孔が開けられた当て板31が当てられる。図8は、当て板31の側面をその寸法とともに示した図である。当て板31は、例えばステンレス製の板状体である。
当て板31が当てられた状態でボルトを補強プレート15Aおよび上方横框14(または下方横框13)のボルト受けの孔に通し、当て板31のボルト受けの孔にねじ込むことにより、締め付け固定が行われる。ボルトのヘッド部と当て板31による締め付けにより、補強プレート15の横框当接部153と上方横框14(または下方横框13)が固定される。
また、支柱11の管内中空部には、ネジ谷が切られたボルト受けの孔が開けられた補強ブロック32が挿入される。図9は、補強ブロック32の側面(図9(a))および上面(図9(b))をその寸法とともに示した図である。補強ブロック32は、例えばステンレス製の板状体をプレス加工等により屈曲させたものであり、上方から見た時に「コ」の字形状をしている。
補強ブロック32が支柱11の管内に挿入された状態でボルトを補強プレート15Aおよび支柱11のボルト受けの孔に通し、補強ブロック32のボルト受けの孔にねじ込むことにより、締め付け固定が行われる。ボルトのヘッド部と補強ブロック32による締め付けにより、補強プレート15の溝当接部151と支柱11が固定される。
なお、補強ブロック32は上述したように補強プレート15Aの支柱11に対する締め付け固定のために用いられるだけでなく、支柱11の強度向上にも貢献する。
以上が、支柱11、縦框12および上方横框14または下方横框13の組み立ての方法と、それらの組み立てにより得られる組み立て部材に対する補強プレート15Aの取り付けの方法の説明である。
補強プレート15Aは、支柱11を間に挟んで2本の下方横框13または上方横框14が互いに180度、すなわち反対方向に延伸するように配置された場合における組み立て部材の補強に用いられる。これに対し、補強プレート15Bおよび補強プレート15Cは、図2に示されるように、支柱11から1本の下方横框13または上方横框14が一方向にのみ延伸するように配置された場合における組み立て部材の補強に用いられる。
なお、補強プレート15Cは補強プレート15Bと勝手違い、すなわち上下または左右が逆である点を除き同じであるため、以下に補強プレート15Bに関してのみ説明し、補強プレート15Cに関する説明は省略する。
図10は、補強プレート15Bの上面(図10(a))および側面(図10(b))をその寸法とともに示した図である。補強プレート15Bは、図7に示される補強プレート15Aの概ね右半分を切り取ったような構造を有している。
補強プレート15Bは、図10に示されるように、支柱11、縦框12および上方横框14(または下方横框13)の組み立て部材に対し取り付けられる際の役割により、以下の3つの部分に区分される。
(1)溝当接部151:溝114に嵌合し当接する部分。
(2)連結部152:溝当接部151から図における右方向に延伸し、突起部112および支柱11に取り付けられた縦框12を覆うように屈曲した部分。
(3)横框当接部153:連結部152から図における右方向に延伸し、支柱11に縦框12を挟んで取り付けられた上方横框14(または下方横框13)に当接する部分。
なお、骨組み20のうち補強プレート15Bが取り付けられる部分の支柱11、縦框12および下方横框13または上方横框14の組み立て方法と、組み立てられた部材に対する補強プレート15Bの取り付け方法は、支柱11の片側にのみ縦框12および下方横框13または上方横框14が取り付けられる点を除き、補強プレート15Aに関し上述したものと同様である。
構造物1の骨組みの組み立てにおいては、補強プレート15A、補強プレート15Bおよび補強プレート15Cのいずれとも異なる形状の補強プレート15Dが用いられる場合がある。補強プレート15Dは、壁面が上から見て「L」字に曲がる角部において、支柱11を挟み2本の下方横框13または上方横框14が互いに90度の角度をなす方向に延伸するように配置された場合における組み立て部材の補強に用いられる。
図11は、補強プレート15Dの側面(図11(a))、上面(図11(b))および中間部分の面(図11(b)に示される矢印Aの方向に対する正面)を、その寸法とともに示した図である。
補強プレート15Dは、例えばステンレス製の概ね二等辺三角形の角部を切り落としたような形状の板状体をプレス加工等により屈曲させたものである。補強プレート15Dは、図11(b)に示されるように、支柱11、縦框12および上方横框14(または下方横框13)の組み立て部材に対し取り付けられる際の役割により、以下の3つの部分に区分される。
(1)連結部251:突起部112に当接する部分。
(2)横框当接部252−1:連結部251から図11(b)における下方向に延伸し、支柱11の外側面113(例えば、外側面113−1)に対し縦框12を挟んで取り付けられた上方横框14(または下方横框13)に当接する部分。
(3)横框当接部252−2:連結部251から図11(b)における左方向に延伸し、支柱11の外側面113(例えば、外側面113−2)に対し縦框12を挟んで取り付けられた上方横框14(または下方横框13)に当接する部分。
補強プレート15Dの横框当接部252−1および横框当接部252−2がボルトと当て板31により下方横框13または上方横框14に締め付け固定される点は、補強プレート15Aに関し上述したものと同様である。
一方、補強プレート15の支柱11に対する固定は、補強ブロック32を用いることなく、連結部251が当接する突起部112に予め設けられたネジ谷の切られたボルト受けの孔に対し、連結部251に設けられているボルト受け孔を通したボルトをねじ込むことにより行われる。
以上説明したように、構造物1はその骨組みが補強プレート15により補強されているため、そのような補強が行われない従来の構造物と比較し、高い強度を有する。
補強プレート15およびその取り付けに要する当て板31、補強ブロック32およびボルトの重量は構造物1全体もしくはその骨組み全体に対し僅かであり、それらのコストも安価である。従って、補強プレート15の採用によって構造物1の軽量性、低コスト性が損なわれることはない。
さらに、補強プレート15A、補強プレート15Bおよび補強プレート15Cは、その溝当接部151を支柱11の外側面に設けられた溝に嵌合し、上下位置を合わせるだけで位置決めをすることが可能であり、補強プレート15Dはその角部を、互いに90度の角度を成して接続された骨組みの角部に当接させ、上下位置を合わせるだけで位置決めをすることが可能である。従って、補強プレート15の採用により、構造物1の組み立ての容易性が損なわれることもない。
(変形例)
上述した実施形態は本考案の一具体例であって、本考案の技術的思想の範囲内において様々に変形可能である。以下にそのような変形の例を示す。
上述した実施形態において示した構造物1の部材の数、サイズおよび素材は例示であって、本考案はそれらに限定されない。
上述した実施形態においては、縦框12に対し下方横框13もしくは上方横框14が取り付けられるものとしたが、下方横框13もしくは上方横框14が支柱11に直接当接した状態で支柱11に対し取り付けられてもよい。その場合、縦框12は例えば、下方横框13と上方横框14に挟まれた状態で支柱11の溝114に嵌合される。
また、縦框12は支柱11と別体であるものとしたが、例えば支柱11の側面に壁板17を嵌め込む溝等を直接設けることにより縦框12の機能を支柱11に持たせ、縦框12を用いることなく構造物1の骨組みを組み立て可能としてもよい。
上述した実施形態において補強ブロック32はその断面が「コ」の字形状であるものとしたが、例えば「ロ」の字形状のように他の形状であってもよい。ただし、支柱11の管内に挿入した際に、支柱11に対する補強ブロック32の位置が容易に定まるような形状およびサイズが選択されることが望ましい。
上述した実施形態において補強プレート15は、下方横框13もしくは上方横框14に対し当て板31に対するボルトの締め付けにより固定され、支柱11に対し補強ブロック32に対するボルトの締め付けにより固定される(補強プレート15Dは除く)ものとしたが、下方横框13もしくは上方横框14や支柱11の管壁の強度が十分であれば、それらの管壁に開けられたボルト受けの孔に対しネジ谷が切られることにより、当て板31や補強ブロック32を用いることなく補強プレート15の取り付けを可能としてもよい。
さらに、補強プレート15の取り付けはボルトの締め付けによるものに限られず、例えば金属製のトグラーを用いたネジ締めなど、ボルト以外を用いた締め付けにより補強プレート15の取り付けが行われてもよいし、接着等の締め付け以外の方法により補強プレート15の取り付けが行われてもよい。
上述した実施形態において補強プレート15A、補強プレート15Bおよび補強プレート15Cが備える連結部152はその断面が「L」字形状に屈曲しているものとしたが、例えば円弧状に湾曲していたり、突起部112および縦框12に当接するように複雑に屈曲していたりしてもよい。
上述した実施形態において、支柱11、縦框12、下方横框13および上方横框14は中空な管状体であるものとしたが、軽量化、低コスト化のニーズが高くない場合には、中空でない柱状体がそれらに採用されてもよい。
本考案にかかる構造物は、屋内もしくは屋外に設置される電話ボックスや樋門ハウス、休憩ルーム等の簡易建造物において特に有用であって、建設業を含む様々な業種において利用され得る。
1…構造物、10…土台部、11…支柱、12…縦框、13…下方横框、14…上方横框、15…補強プレート、16…横桟、17…壁板、18…ドア、19…屋根、20…骨組み、31…当て板、32…補強ブロック、111…本体部、112…突起部、113…外側面、114…溝、151…溝当接部、152…連結部、153…横框当接部、251…連結部、252…横框当接部

Claims (5)

  1. 長手方向に垂直な断面の外縁が矩形を示す柱状体である本体部と、長手方向に垂直な断面の外縁が当該矩形の4つの角部の各々に関し当該角部から外側に突起するように連続する所定形状を示す柱状体である4本の突起部とを有する支柱であって、長手方向が鉛直方向と一致するように床の上に配置された支柱と、
    長手方向が水平方向と一致し、一の側端部が、前記本体部が有する4つの外側面のうちの一の外側面である第1の外側面と前記4本の突起部のうち前記第1の外側面の両側に位置する第1の突起部および第2の突起部とにより形成される第1の溝に嵌合固定された中間部材に対し当接した状態、もしくは前記第1の溝に嵌合されつつ前記第1の外側面に当接した状態で、前記支柱の下端部もしくは前記支柱の上端部から水平方向に延伸するように配置された柱状体である横框と、
    前記本体部の4つの外側面のうち前記第2の突起部を挟んで前記第1の外側面と隣接する第2の外側面の一部と前記第2の突起部の外面の一部とに当接する屈曲もしくは湾曲した板状体である溝当接部と、前記溝当接部から延伸し前記第2の突起部の一部を覆うように屈曲もしくは湾曲した板状体である連結部と、前記連結部から延伸し前記横框の一部に当接する板状体である横框当接部とを有し、前記溝当接部において前記支柱に固定され、前記横框当接部において前記横框に固定された補強プレートと
    を備える構造物。
  2. 前記横框を第1の横框とした場合の前記第1の横框と同様の構造を備える第2の横框を備え、
    前記第2の横框は、長手方向が水平方向と一致し、一の側端部が、前記本体部が有する4つの外側面のうちの前記第1の外側面と対向する位置の第3の外側面および前記4本の突起部のうち前記第3の外側面の両側に位置する第3の突起部および第4の突起部とにより形成される第3の溝に嵌合固定された中間部材に対し当接した状態、もしくは前記第3の溝に嵌合されつつ前記第3の外側面に当接した状態で、前記支柱の下端部もしくは前記支柱の上端部から水平方向に延伸するように配置され、
    前記補強プレートの前記溝当接部は、前記第2の外側面を挟んで前記第2の突起部と隣接する前記第3の突起部の外面の一部に当接し、
    前記補強プレートは、前記連結部を第1の連結部とし前記横框当接部を第1の横框当接部とした場合において、前記溝当接部から延伸し前記第3の突起部の一部を覆うように屈曲もしくは湾曲した板状体である第2の連結部と、前記第2の連結部から延伸し前記第2の横框の一部に当接する板状体である第2の横框当接部とを有し、前記第2の横框当接部において前記第2の横框に固定されている
    請求項1に記載の構造物。
  3. 前記本体部は管状体であり、
    前記本体部が有する4つの内側面のうち少なくとも3つの内側面に当接する屈曲した板状体である補強ブロックを備え、
    前記溝当接部は、前記本体部の管壁を挟んで隣接する前記補強ブロックに対し締め付けられることにより前記支柱に対し固定されている
    請求項1または2に記載の構造物。
  4. 前記横框は管状体であり、
    前記横框の内側面に当接する板状体である当て板を備え、
    前記横框当接部は、前記横框の管壁を挟んで隣接する前記当て板に対し締め付けられることにより前記横框に対し固定されている
    請求項1乃至3のいずれかに記載の構造物。
  5. 長手方向に垂直な断面の外縁が矩形を示す柱状体である本体部と、長手方向に垂直な断面の外縁が当該矩形の4つの角部の各々に関し当該角部から外側に突起するように連続する所定形状を示す柱状体である4本の突起部とを有する支柱であって、長手方向が鉛直方向と一致するように床の上に配置された支柱と、
    長手方向が水平方向と一致し、一の側端部が、前記本体部が有する4つの外側面のうちの一の外側面である第1の外側面と前記4本の突起部のうち前記第1の外側面の両側に位置する第1の突起部および第2の突起部とにより形成される第1の溝に嵌合固定された中間部材に対し当接した状態、もしくは前記第1の溝に嵌合されつつ前記第1の外側面に当接した状態で、前記支柱の下端部もしくは前記支柱の上端部から水平方向に延伸するように配置された柱状体である第1の横框と、
    長手方向が水平方向と一致し、一の側端部が、前記本体部が有する4つの外側面のうち前記第2の突起部を挟んで前記第1の外側面と隣接する第2の外側面と前記4本の突起部のうち前記第2の外側面の両側に位置する前記第2の突起部および第3の突起部とにより形成される第2の溝に嵌合固定された中間部材に対し当接した状態、もしくは前記第2の溝に嵌合されつつ前記第2の外側面に当接した状態で、前記支柱の下端部もしくは前記支柱の上端部から水平方向に延伸するように配置された柱状体である第2の横框と、
    前記第1の横框の一部に当接する板状体である第1の横框当接部と、前記第1の横框当接部から延伸し前記第2の突起部の一部に当接する板状体である連結部と、前記連結部から延伸し前記第2の横框の一部に当接する板状体である第2の横框当接部とを有し、前記第1の横框当接部において前記第1の横框に固定され、前記連結部において前記第2の突起部に固定され、前記第2の横框当接部において前記第2の横框に固定された補強プレートと
    を備える構造物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113738412A (zh) * 2021-08-25 2021-12-03 山东水总有限公司 一种小口径隧道支撑加固结构

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