JP3161552B2 - 硬化性組成物及び絶縁電線 - Google Patents

硬化性組成物及び絶縁電線

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JP3161552B2
JP3161552B2 JP01583692A JP1583692A JP3161552B2 JP 3161552 B2 JP3161552 B2 JP 3161552B2 JP 01583692 A JP01583692 A JP 01583692A JP 1583692 A JP1583692 A JP 1583692A JP 3161552 B2 JP3161552 B2 JP 3161552B2
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meth
acrylate
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豊 橋本
憲治 長尾
政之 亀井
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、硬化性組成物並びに該
硬化性組成物の硬化物にて被覆されてなる絶縁電線に関
し、より詳しくは電気絶縁性、耐環境性、耐久性、力学
的特性、耐摩耗性、耐擦傷性、塗工作業性等に優れた硬
化性組成物並びに該硬化性組成物の硬化物で被覆されて
なる絶縁電線に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリテトラフルオロエチレンやポ
リフッ化ビニリデン等のフッ素系樹脂は電気絶縁性、耐
薬品性、耐摩耗性、耐擦傷性、難燃性、機械的特性、耐
熱性等の性能に優れることから、様々な分野で被覆材ま
たは電気絶縁材料として利用されてきた。しかしながら
上記フッ素系オレフィン樹脂は、流動性が低いため、塗
布時にピンホ−ルが発生し易く、被覆作業性が悪いとい
う欠点があった。これらの欠点を解決する方法として、
ヨ−ロッパ公開特許322624号公報には、水素原子
がフッ素原子に置換されたポリアルキレングリコ−ルの
両末端のメチロ−ル基に、ヒドロキシアルキルアクリレ
−ト−ジイソシアナ−トを付加させた構造のジアクリレ
−トからなる硬化性電気絶縁材料が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記硬化
性組成物は塗布並びに被覆作業性は向上するものの、硬
化後の力学的強度、とりわけ抗張力並びに伸度に代表さ
れる可とう性に欠け、更に耐熱性、耐環境性、電気絶縁
特性が不十分であるという問題があった。このため、特
に耐久性や耐環境性を必要とする絶縁電線用被覆剤、と
りわけ耐熱絶縁電線用被覆剤として使用を試みても、熱
時の抗張力及び破断伸びが不足しているため屈曲安定性
等の力学的特性並びに電気的特性が不十分であり、また
これらの長期安定性も不十分であり、到底実用に耐えな
いという問題があった。
【0004】以上のように、耐熱性や耐環境性等の耐久
性に優れ、強靱で可とう性に優れ絶縁性等の電気的特性
並びにその長期安定性に優れたフッ素系絶縁性硬化性樹
脂、並びにこの様な樹脂の硬化物にて被覆されてなる耐
久性、電気的特性、力学的特性並びにその長期安定性に
優れた絶縁電線が存在しないのが現状であった。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで発明者等は、上記
課題を解決するために鋭意検討したところ、或特定の構
造のフッ素系エチレン性不飽和単量体と、分子中にアミ
ド結合を有する基を含有する或特定の構造のエチレン性
不飽和単量体とを同時に含有してなる硬化性樹脂組成物
を用いれば、上記の問題が解決されることを見い出し、
本発明を完成するに至った。
【0006】即ち本発明は、水素原子がフッ素原子で置
換されたポリアルキレンオキシド鎖を有し、かつエチレ
ン性不飽和二重結合を有する単量体(I)と、アミド結
合または尿素結合を有する基を含有するエチレン性不飽
和単量体(II)とを必須成分として含有してなる硬化
性組成物、及び該硬化性組成物を電線導体に塗布し、硬
化被覆してなる絶縁電線を提供するものである。
【0007】水素原子がフッ素原子で置換されたポリア
ルキレンオキシド鎖を有し、かつエチレン性不飽和二重
結合を有する単量体(I)とは、水素原子がフッ素原子
で置換されたポリアルキレンオキシド鎖の片末端もしく
は両末端の官能基が化学的に変性されて形成されたエチ
レン性不飽和単量体である。
【0008】単量体(I)の具体的化合物は、以下の如
きアルコ−ル化合物または多価アルコ−ル化合物に、エ
ステル結合基またはウレタン結合基を介して(メタ)ア
クリレ−ト化合物を結合した構造の化合物である。尚、
本発明において(メタ)アクリレ−トとは、アクリレ−
ト、メタクリレ−ト、そしてα−ハロゲンアクリレ−ト
を総称するものとする。
【0009】(HO)aT−Rf−T’(OH)a’ または F−Rf−T(OH)a [式中、aおよびa’は1または2の整数であり、これ
らは等しくてもまた異なっていても良く、Rfは平均分
子量200〜10000のフッ素化ポリエ−テル構造を
有し、次の様なオキシフッ素化アルキレン単位の一つま
たは複数の種類から構成され : −CF2O−、−C
2CF2O−、−CF2CF2CF2O−、−CF2CF
(CF3)O−、 −CF(CF3)O−、−CF2CF2
CH2O−、T及びT’はそれぞれ2価もしくは3価以
上の連結基で、
【0010】
【化1】
【0011】(ここでxは1〜4の整数であり、yは0
もしくは1〜4の整数である。)であり、TとT’とは
同じでもまた異なっていても良い。]単量体(I)のよ
り具体的な化合物は、例えば一般式 [CH2=C(R1)COO-(Z1-A)b]aT-Rf-T'[(A'-Z1')b'-OCOC(R1')=CH2]a' (A) F-Rf-T[(A-Z1)b-OCOC(R1)=CH2]a (B) [式中、Z1及びZ1’は、−(CH2mO−(但し、m
は2〜6の整数である。)または−CH2CH(CH3
O−で表される2価の連結基で、これらは等しくてもま
た異なっていても良く、A及びA’は、−CONHY1
NHCOO−(但し、Y1は炭素数が15以下の2価の
連結基である。)にて表される2価の連結基で、これら
は等しくてもまた異なっていても良く、a及びa’、T
及びT’、Rfは前記と同意義であり、b及びb’は、
0または1で、これらは等しくてもまた異なっていても
良く、R1およびR1’は、H、メチル基、Cl、または
Fである。]にて表される化合物である。
【0012】2価の連結基A及びA’中のY1 基として
【0013】
【化2】
【0014】等が挙げられる。これらの具体的化合物と
しては、以下の如きものが挙げられる。
【0015】
【化3】
【0016】
【化4】
【0017】
【化5】
【0018】
【化6】
【0019】単量体(I)は、構造の異なる2種類以上
の化合物の混合物であっても良い。尚、本発明が上記の
具体例によって何等限定されるものでないことは勿論で
ある。
【0020】本発明の硬化性組成物において、単量体
(I)は耐熱性や耐環境性等の耐久性に優れ、強靱で可
とう性を有し、絶縁性等の電気的特性並びにその長期安
定性に優れた硬化物を与える上で必須であり、更に耐久
性、電気的特性、力学的特性並びにその長期安定性に優
れた絶縁電線を与える上で必須である。
【0021】アミド結合基を含有する基を含有するエチ
レン性不飽和単量体(II)とは、分子中にアミド基を
含有するエチレン性不飽和単量体であり、この具体的化
合物として、以下の如き化合物が挙げられる。
【0022】即ち、一般式
【0023】
【化7】
【0024】[式中、R1は前記と同意義であり、R2
2’はそれぞれH、または炭素数1〜6のアルキル基
もしくは−CH2CH2OCH2CH3の如きエ−テル酸素
を含む基であって、これらは等しくてもまた異なってい
てもよく、R3は炭素数1から3の整数であり、bは前
記と同意義である。]、または一般式
【0025】
【化8】
【0026】[式中、nは1から3の整数である。]で
表される化合物である。これらの具体的化合物として
は、以下の如きものが挙げられる。
【0027】
【化9】
【0028】またエチレン性不飽和単量体(II)とし
て尿素結合を有する基を含有するものとしては、具体的
には以下の化合物である。
【0029】
【化10】
【0030】エチレン性不飽和単量体(II)は、構造
の異なる2種類以上の化合物の混合物であっても良い。
尚、本発明が上記の具体例によって何等限定されるもの
でないことは勿論である。
【0031】本発明に係る硬化性組成物の、硬化物の耐
熱性や耐環境性等の耐久性、室温時並びに熱時の抗張
力、破断伸び、強靱性更に可とう性といった力学特性、
更に絶縁性等の電気的特性及びその長期安定性の観点か
ら、単量体(I)としては、2価以上のエチレン性不飽
和単量体が好ましい。更に硬化後皮膜の強靱性の観点か
ら、分子中にウレタン結合またはアミド結合を有する化
合物が特に好ましい。
【0032】また、本発明においてアミド結合またはウ
レタン結合を有する基を含有するエチレン性不飽和単量
体(II)は、単量体(I)との相溶性、並びに硬化後
皮膜の抗張力、破断伸び、強靱性更に可とう性といった
力学特性の発現、更には熱時でのこれらの力学特性の維
持安定性の発現、並びに被覆電線における熱時耐熱性、
即ち熱間での電線巻き付け安定性や可とう性の発現とい
う観点から必須である。単量体(II)が欠落すると、
引っ張り試験での破断強度、破断伸度、ヤング率といっ
た力学的特性の温度依存性が増加し、これらの物性が温
度温度と共に著しく低下し、被覆電線においても可とう
性、とりわけ熱時の可とう性が劣悪となる。また熱時で
の力学特性の維持安定性の発現という観点から、単量体
(II)として環状アミド基または環状ウレタン基を含
有するエチレン性不飽和単量体が好ましく、環状アミド
基を含有するエチレン性不飽和単量体が特に好ましい。
【0033】前記の様に、硬化物の耐熱性や耐環境性等
の耐久性、室温時並びに熱時の抗張力、破断伸び、強靱
性更に可とう性といった力学特性、更に絶縁性等の電気
的特性及びその長期安定性等に優れ、更に耐久性、電気
的特性、力学的特性に優れた被覆絶縁電線を得るために
は、単量体(I)と単量体(II)との重量混合比は9
8/2〜20/80であり、好ましくは95/5〜30
/70である。前者の範囲を超えると、硬化性組成物の
相溶性、塗布作業性、力学的強度、そして電気的特性が
劣悪となり、また絶縁電線においても電気的特性、力学
的特性、そして耐久性が低下する。
【0034】本発明に係る硬化性組成物において、流動
性、塗布性等の制御、更に硬化物の力学的特性並びに電
気的特性の制御の点から、必要に応じて(I)及び(I
I)以外のフッ素系単量体(III)または非フッ素系
単量体(IV)を含んでも良い。
【0035】フッ素系単量体(III)は、一般式
【0036】
【化11】
【0037】[式中、Rf’は炭素数1〜20のパ−フ
ロロアルキル基、部分フッ素化アルキル基であり、直鎖
状または分岐状でも良く、R1 は前記と同じであり、X
は2価の連結基で、具体的には−(CH2l−、−CH
2CH(OH)(CH2l−、−(CH2lN(R2)S
2−、−(CH2lN(R2)CO−(但し、lは1〜
10の整数であり、R2 は前記と同意義でありる。)、
−CH(CH3)−、−CH(CH2CH3)−、−C
(CH32−、−C(CF3)−、−C(CF32−、
または−C(CH3)(CF3)−であり、bは前記と同
意義である。]にて表される化合物や、CH2=C(C
2CH2p2p+1)COOCH2CH2pCF2p+1
[式中、pは1〜14の整数である。]の如き分子中に
パ−フロロアルキル基を複数個有する化合物などが挙げ
られる。
【0038】以下、特に断わりのない限り、アクリレ−
ト、メタアクリレ−ト、ハロアクリレ−トを総称して
(メタ)アクリレ−トと称する。フッ素系単量体(II
I)の具体例として以下の如きものが挙げられる。
【0039】
【化12】
【0040】
【化13】
【0041】
【化14】
【0042】
【化15】
【0043】
【化16】
【0044】
【化17】
【0045】フッ素系単量体(III)は、構造の異な
る2種類以上の化合物の混合物であっても良い。尚、本
発明が上記の具体例によって何等限定されるものでない
ことは勿論である。
【0046】非フッ素系単量体(IV)としては、単官
能単量体並びに多官能単量体が挙げられ、単官能単量体
は一般式 CH2=C(R1)COOR5 (H) [式中、R1は前記と同意義であり、R5 は炭素数1〜
20の基である。]で表される化合物であり、これらの
具体例として以下の如き化合物が挙げられる。
【0047】メチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレー
ト、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル
(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレー
ト、t−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メ
タ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デ
シル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリ
レート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル
(メタ)アクリレート、そしてイソステアリル(メタ)
アクリレート等の脂肪族基エステル(メタ)アクリレー
ト、グリセロール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル
(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、
ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチレ
ングリコール(メタ)アクリレート、N,N −ジエチルア
ミノエチル(メタ)アクリレート、N,N −ジメチルアミ
ノエチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル
(メタ)アクリレート、γ−メタクリロキシプロピルト
リメトキシシラン、2−メトキシエチル(メタ)アクリ
レート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリ
レート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アク
リレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール
(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレ
ングリコール(メタ)アクリレート、アロニックスM-57
00〔東亜合成化学(株)製〕、フェノキシエチル(メ
タ)アクリレート、フェノキシプロピレングリコール
(メタ)アクリレート、フェノキシジプロピレングリコ
ール(メタ)アクリレート、フェノキシポリプロピレン
グリコール(メタ)アクリレート、そしてAR-260、MR-2
60、AR-200、AR-204、AR-208、MR-200、MR-204 、MR-20
8〔以上、大八化学(株)製〕の如きリン酸エステル基
含有(メタ)アクリレート、さらにビスコート2000、ビ
スコート2308〔以上、大阪有機(株)製〕、ポリブタジ
エン(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール
(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコール−ポリプロ
ピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレン
グリコール−ポリブチレングリコール(メタ)アクリレ
ート、ポリスチリルエチル(メタ)アクリレート、そし
てライトエステル HOA-MS 、ライトエステル HOMS〔共
栄油脂(株)製〕、ベンジル(メタ)アクリレート、シ
クロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニ
ル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)
アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、メ
トキシ化シクロデカトリエン(メタ)アクリレート、フ
ェニル(メタアクリレート、そして日立化成(株)製の
FA-512A 、FA-512M 、γ−メタクリロキシプロピルメチ
ルジメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメト
キシシラン、アダマンチル(メタ)アクリレ−ト、
【0048】
【化18】
【0049】
【化19】
【0050】等の化合物挙げられる。尚、本発明が上記
具体例によって何ら限定されるものでないことは勿論で
ある。
【0051】多官能単量体とは当業界で通常、多官能
(メタ)アクリレ−トまたは特殊(メタ)アクリレ−ト
と称されるものと、プレポリマ−、ベ−スレジン、オリ
ゴマ−、またはアクリルオリゴマ−と称されるものとを
含み、具体的には次の様なものが例示される。 (i) 多価アルコールに(メタ)アクリル酸が2個以
上結合した多価(メタ)アクリレート。 (ii) 多価アルコールと多塩基酸の反応より得られる
ポリエステルポリオールは(メタ)アクリル酸が2個以
上結合したポリエステルアクリレート。
【0052】上記(i),(ii)中の多価アルコールと
しては、エチレングリコール、 1,4−ブタンジオール、
1,6 −ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ネオ
ペンチルグリコ−ル、トリメチロールプロパン、ジプロ
ピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール、ペンタエリスリトール、ジペンタエ
リスリトール等である。又多塩基酸としては、フタル
酸、アジピン酸、マレイン酸、トリメリット酸、イタコ
ン酸、コハク酸、テレフタル酸、アルケニルコハク酸等
が挙げられる。 (iii)エポキシ樹脂のエポキシ基を(メタ)アクリル
酸でエステル化し官能基として(メタ)アクリロイル基
としたエポキシ変性(メタ)アクリレート。
【0053】エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA
−エピクルヒドリン型、フェノールノボラック−エピク
ロルヒドリン型、多価アルコールエピクロルヒドリン型
脂環式樹脂等が挙げられる。 (iv) 多価イソシアナート化合物に、ヒドロキシル基
含有(メタ)アクリレートを反応させて得られるポリウ
レタンアクリレート。 多価イソシアナート化合物とし
ては、分子中央部がポリエステル、ポリエーテル、ポリ
ウレタン等の構造を有し、両端にイソシアナート基を含
有したもの等が挙げられる。 (v) その他として、ポリエーテル(メタ)アクリレ
ート、メラミン(メタ)アクリレート、アルキド(メ
タ)アクリレート、イソシアヌレート(メタ)アクリレ
ート、シリコン(メタ)アクリレート等がある。
【0054】これらのより具体的な化合物の例として、
以下の如きものが挙げられる。 エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート(数平均分子量 150〜100
0)、プピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプ
ロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロ
ピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピ
レングリコールジ(メタ)アクリレート(数平均分子量
200〜1000)、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アク
リレート、1,3 −ブタンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、1,4 −ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,
6 −ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ヒドロ
キシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジ(メ
タ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリ
レ−ト、トリメロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、
ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、
ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ト
リメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ジペン
タエリスリト−ルモノヒドロキジシペンタ(メタ)アク
リレート、ネオマーMA-305(c−21)、ネオマーBA-60
(c−22)、ネオマーTA-505(c−23)、ネオマーTA-4
01(c−24)、ネオマーPHA405X (c−25)、ネオマー
TA705X(c−26)、ネオマーEA400X(c−27)、ネオマ
ーEE401X(c−28)、ネオマーEP405X(c−29)、ネオ
マーHB601X(c−30)、ネオマーHB605X(c−31)〔以
上三洋化成株製〕、KAYARAD HY-220(c−32)、HX-620
(c−33)、 D-310(c−34)、D-320(c−35)、D-33
0(c−36)、DPHA(c−37)、 DPCA-20(c−38)、DP
CA-30(c−39)、DPCA-60 (c−40)、DPCA-120(c
−41)〔以上日本化薬株製〕、FA-713A 〔日立化成株製
品〕(c−42)、
【0055】
【化20】
【0056】
【化21】
【0057】
【化22】
【0058】
【化23】
【0059】
【化24】
【0060】
【化25】
【0061】
【化26】
【0062】
【化27】
【0063】
【化28】
【0064】
【化29】
【0065】
【化30】
【0066】
【化31】
【0067】多官能(メタ)アクリレ−トは、構造の異
なる2種類以上の化合物の混合物であっても良い。尚、
本発明が上記具体例によって何等限定されるものでない
ことは勿論である。
【0068】更に、本発明に係る硬化性組成物の電気的
特性を制御する目的等から、多官能(メタ)アクリレ−
トとして下記一般式で表される様なフッ素系多官能モノ
マ−(V)を使用することも可能である。
【0069】 CH2=C(R1)COO(CH2)X1(CF2)Y1(CH2)X100CC(R1)=CH2 (I) (式中、X1は1〜2、Y1は4〜12の整数を表し、R
1は前記と同じである。)これらの具体的な化合物とし
ては以下の如きものが例示される。
【0070】 CH2=CHCOOCH2(C2F4)2CH2OCOCH=CH2 CH2=CHCOOC2H4(C2F4)3C2H4OCOCH=CH2 CH2=C(CH3)COOC2H4(C2F4)3C2H4OCOC(CH3)=CH2 CH2=C(F)COOC2H4(C2F4)6C2H4OCOC(F)=CH2 CH2=CHCOOC2H4(C(CF3)FCF2)4C2H4OCOCH=CH2 CH2=CHCOOC2H4(C2H4)a(C(CF3)FCF2)bC2H4OCOCH=CH2 フッ素系多官能モノマ−は、構造の異なる2種類以上の
化合物の混合物であっても良い。尚、本発明が上記具体
例によって何等限定されるものでないことは勿論であ
る。
【0071】本発明に係る硬化性組成物は光、電子線、
放射線エネルギー等の活性エネルギー線、さらには熱を
与えることにより重合硬化され、所望の硬化物を形成す
ることができる。重合開始エネルギーとして紫外線のよ
うな光を利用する場合には、当業界公知の所謂光重合開
始剤を用いることができる。このようなラジカル光開始
剤(VI)としては例えばVI−1:ベンゾフェノン、
VI−2:アセトフェノン、VI−3:ベンゾイン、V
I−4:ベンゾインエチルエーテル、VI−5:ベンゾ
インイソブチルエーテル、VI−6:ベンジルメチルケ
タール、VI−7:アゾビスイソブチロニトリル、VI
−8:ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、VI
−9:2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロ
パン−1−オン等と、必要に応じてアミン化合物、又は
リン化合物等の光増感剤を添加し、重合をより迅速化す
ることができ、重合硬化の促進及び/又は硬化物の耐熱
性、耐光性の向上の点からは、単官能を又は多官能チオ
ール基含有化合物を添加することもできる。電子線又は
放射線にて重合硬化させる場合には、特に重合開始剤等
の添加は要しない。
【0072】また、重合開始剤として熱を利用する場
合、無触媒又はアゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイ
ルパーオキシド、メチルエチルケトンパーオキシド−ナ
フテン酸コバルト等の重合開始剤の存在下にて、例えば
80〜200℃で重合硬化せしめることができる。
【0073】本発明者等の知見によれば、絶縁体形成に
おける作業性、生産性、そして経済性、さらに出来上っ
た絶縁体の性能の観点から、熱で硬化するのに比べれ
ば、紫外線、電子線、そして放射線のいずれかによって
本発明の硬化性組成物を硬化することが好ましい。この
中でも、紫外線によって重合硬化する方法が最も簡便か
つ経済的である。
【0074】本発明に係る硬化性組成物に占める光重合
開始剤の割合は、硬化性組成物100重量部当り通常
0.01〜20重量部であり、より好ましくは 0.1
〜10重量部である。光重合開始剤の使用割合が、上記
範囲内であると、充分に硬化速度が速くなるため、絶縁
体の生産性が良くなり、必要以上に光重合開始剤を用い
た場合の様に力学的強度に悪影響を及ぼしにくくなる。
【0075】本発明に係る硬化性組成物には更に、絶縁
すべき基体との密着性、並びに基材に塗工する際の作業
性を効率化、安定化させる等の観点から、カップリング
剤、消泡剤、レベリング剤、着色剤、界面活性剤、可塑
剤、表面改質剤、そして粘度調節剤、耐熱性向上の点か
ら抗酸化剤、難燃剤、耐光性向上の点から耐光安定剤等
を必要に応じて導入することが可能である。
【0076】カップリング剤としては、例えば、シラン
系、チタン系、ジルコ−アルミネート系が挙げられ、こ
れらの中でジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエト
キシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルビニ
ルメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、γ−
クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピ
ルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエ
トキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ
−メタクリロキシプロピルメトキシシラン、γ−メタク
リロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタク
リロキシプロピルメチルトリメトキシシラン、γ−アク
リロキシプロピルメチルトリメトキシシラン、γ−アク
リロキシプロピルメチルジメトキシシラン等のシラン系
が特に好ましい。
【0077】消泡剤、レベリング剤、界面活性剤、表面
改質剤としては、フッ素系ものが好ましい。抗酸化剤と
しては、例えば、イオン系、リン系、ヒンダードフェノ
ール系等があるが、これらの中でもチオール基を含有す
るものやヒンダードフェノール系のものが特に好まし
い。
【0078】難燃剤としては、例えばブロム系の難燃
剤、亜鉛化合物、アンチモン系化合物、リン系化合物、
あるいはこれらの2種以上を併用したものが挙げられ
る。ブロム系難燃剤としては、デカブロムジフェニルオ
キシド、ヘキサブロモベンゼン、ヘキブロモシクロドデ
カン、ドデカクロロペンタシクロオクタデカ7,15ジエ
ン、テトラブロモビスフェノールA、トリブロモフェノ
ール、テトラブロモ無水フタル酸、ジブロモネオペンチ
ルグリコール等が挙げられる。
【0079】亜鉛化合物としては、例えば3ZnO-2B2O3-3
H2O 、2ZnO-3B2O3-3 , 5H2O 等の硼酸、亜鉛化合物、Zn
O-ZnMoO4、CaO-ZnMoO4等のモリブデン亜鉛化合物類、Zn
3(PO 4)2-4H2O、ZnO とMgO の複合焼成物、ZnO 、ZnCO3
等が挙げられる。
【0080】アンチモン酸化合物としては、例えば三酸
化アンチモン等が挙げられる。また、本発明の硬化性組
成物の可塑化やそれから得られる絶縁体の絶縁性能の調
節等の目的から、前記以外の添加剤として、非重合性の
フッ素計化合物、例えばHO(CH2)rCsF2s+1(rは1〜4
の整数であり、sは1〜20の整数である。)の如きフ
ッ素化アルコ−ル、HOOC(CH2)rCsF2s+1(r及びsは前
記と同意義である。)の如きフッ素化カルボン酸、通称
フッ素オイルと称されるフッ素化ポリエ−テル、または
N(C4F9)3、パ−フロロデカリン、C8F170C4F9、C9F20
如き通称フッ素系不活性液体と称される化合物を使用で
きる。
【0081】また、本発明に係る硬化性組成物に対して
は、その粘度、塗布性等を制御する目的から必要に応じ
て溶剤を添加することができる。溶剤としては、重合反
応性に悪影響を及ぼさなければ特に制限はないが、例え
ばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等
のアルコール系、アセトン、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン等のケトン系、酢酸メチル、酢酸エ
チル、酢酸ブチル等のエステル系、クロロホルム、シク
ロルエタン、四塩化炭素等の塩素系、そしてベンゾトリ
フロライド、クロルベンゾドリフロライト、m−キシレ
ンヘキサフロライド、テトラクロロジフロロエタン、1,
1,2 −トリクロロ−1,2,2,−トリフロロエタン、トリク
ロロモノフロロメタン等の低沸点溶剤が作業性の点から
好ましい。尚、この様に溶剤を含む場合には、重合硬化
を開始する前に、常温、又は必要に応じて加熱や減圧に
より脱溶剤させる工程が必要となる。溶剤を加熱除去す
る場合、モノマー等の加熱重合を来たさない様に温度制
御する必要がある。
【0082】また上記以外の粘度調節、また絶縁性能の
コントロール用添加剤としてアクリル系樹脂、フッ素系
樹脂、ポリエチレン等のオレフィン系樹脂、ポリエステ
ル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリスルフォン系樹
脂、ポリサルフォン系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリア
ミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、アルキッド系樹脂、メ
ラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリイミン系樹脂、エ
ポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、尿素系樹脂等が挙げ
られる。着色剤としては、有機顔料、無機顔料、そして
有機染料等が挙げられる。
【0083】さらに絶縁性能の向上や経済性の観点か
ら、例えばカーボン、シリカ、無水シリカ、石英、ガラ
ス、岩石、セラミックス、ジルコン炭酸カルシウム、酸
化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、
酸化チタン、酸化アンチモン、ケイ酸カルシウム、炭化
ケイ素、窒化ホウ素、二硫化モリブデン、さらに、マイ
カ、クレー、カオリン、タルク、アスベスト等の粉状、
粒子状の物質を添加することができる。
【0084】本発明に係る絶縁性材料を基材に塗布する
方法としては、当業界公知の種々の方法、例えば、刷毛
塗り、アプリケーター、バーコーター、ローラーブラ
シ、又はロールコーター等による塗布法、エアースプレ
ー又はエアーレススプレー塗装機等によるスプレー塗布
法、シャワーコーター又はカ−テンフローコーター等に
よる流し塗り法(フローコート)、浸漬法、キャスティ
ング法、そしてスピンナーコーティング法等を用いるこ
とができ、基材の材質、形状又は用途等に応じて適宜使
い分けることが望ましい。
【0085】特に、電線導体に本発明の硬化性組成物を
塗布し、絶縁電線を製造する場合には、好ましくは、該
組成物を含む貯槽に電線導体を連続的に浸漬して引き上
げ、必要に応じて溶剤を除去し、活性エネルギー線を照
射して絶縁化された樹脂被覆層を形成する方法、または
本発明に係る絶縁性材料を連続的に供給できる口金に電
線導体を通して連続塗布し、必要に応じて溶剤を除去し
た後、活性エネルギー線を照射して絶縁化された樹脂被
覆層を形成する方法等が使用できる。
【0086】本発明に係る硬化性組成物で被覆すること
のできる導体は、特に限定される従来の電線導体が全て
使用でき、例えば金線、銅線、ニッケル、銀、錫、鉛等
をメッキした銅線、銀線、ニッケル線、電熱用合金線、
電気抵抗用合金線、鉄線そしてエナメル線並びに被覆エ
ナメル線等が使用できる。またその形状としては、例え
ば丸線、平角線、異形線、撚線等がある。本発明に係る
硬化性組成物を被覆硬化してなる電線は、その表面が特
に潤滑性と耐摩耗性に優れることから自己潤滑被覆電線
または自己潤滑エナメル線として好適に使用することが
できる。
【0087】本発明に係る絶縁性材料の導体への塗工膜
厚は、必要とする絶縁性の程度および経済性によっても
異なるが、該絶縁性材料の硬化物が通常50μm 以下、
好ましくは15〜50μm となる塗工膜厚が好ましい。
50μm 以下となる様に該絶縁性材料の硬化物で被覆さ
れた電線は、緻密な配線が必要とされるコンピューター
用電線としては特に好適である。
【0088】また本発明に係る硬化性組成物は、発泡電
線の被覆剤としても使用することが可能であり、機械的
発泡法や当業界公知の発泡剤を系内に添加して発泡し使
用することが可能である。発泡剤としては熱またはエネ
ルギ−線によってガスを発生するものであれば何等限定
されることはなく、例えば当業界にてアゾ化合物または
カ−ボジアミド化合物と称される化合物であり、具体的
にはアゾビスイソブチロニトニル、2,2’−アゾビス
(N,N’−ジメチレンイソブチラミジン)ジヒドロク
ロリド、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,
1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチ
ル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メ
チル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミ
ド]、2,2’−アゾビス(イソイソブルアミド)ジハ
イドレ−ト、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメ
チルペンタン)等である。
【0089】本発明の硬化性組成物を活性エネルギー線
により重合硬化する場合、当業界公知の、殺菌灯、紫外
線用蛍光灯、カーボンアーク、キセノンランプ、複写用
高圧水銀灯、中圧又は高圧水銀灯、超高圧水銀灯、無電
極ランプ、メタルハライドランプ、自然光等を光源とす
る紫外線、又は走査型、カーテン型電子線加速路による
電子線等を使用することができ、厚みが5μm 以下の塗
布層の紫外線硬化の場合、重合の効率化の点で、窒素ガ
ス等の不活性ガス雰囲気下で照射することが好ましい。
【0090】本発明に係る絶縁性材料は、電子機器、電
気機器等に何ら制限なく使用できるが、フッ素原子を含
有することを必須とすることから、その量を変えて絶縁
体自体の屈折率を調節することもできるという特徴を有
する。従って、屈折率の最適化が要求される、光センサ
ー、光IC、光LSI、その他絶縁性能を必要とする光
学部品の封止剤やポッティング剤そして接着剤として好
適に使用できる。又電子回路基板、LSI、IC、リレ
ー等の、耐透湿性をも要求する電子部品の封止剤、ポッ
ティング剤、接着剤としても好適に使用できる。
【0091】
【実施例】次に、本発明の具体的実施例について説明す
るが、斯かる説明によって本発明が何ら限定されるもの
でないことは勿論である。文中の「部」は重量基準であ
る。
【0092】以後、化合物の略号は全て前出の化合物を
示すものとする。また略号のAはアクリレート化合物、
Mはメタクリレート化合物、CLはα−クロルアクリレ
ート化合物、Fはα−フロロアクリレート化合物である
ことを示す。 参考例1(単量体A−1の合成) 攪拌装置、コンデンサ−、温度計を備えたガラスフラス
コに、数平均分子量2,000のHOCH2CF2(OC2F4)p(OCF
2)qOCF2CH2OHを100重量部、トリレンジイソシアナ−
トとβ−ヒドロキシエチルアクリレ−トとの1モル対1
モル付加物を29重量部、無水メチルイソブチルケトン
を20重量部、そしてヒドロキノンモノメチルエ−テル
を0.01重量部秤取し、75℃にて10時間反応させ
た。メチルイソブチルケトンを減圧下で留去し、淡黄色
粘ちょう液体129重量部を得た。IR分析の結果、水
酸基の吸収は完全に消滅し、ウレタン結合基に由来する
1710cm-1の特性吸収が観測され反応が完結してい
ることを確認した。
【0093】本方法と同様にして、A−2、A−3、A
−4、A−5、A−6、A−7、A−8、A−9、A−
10、A−14を合成した。 参考例2(単量体A−10の合成) 攪拌装置、コンデンサ−、温度計を備えたガラスフラス
コに、数平均分子量2,000のHOCH2CF2(OC2F4)p(OCF
2)qOCF2CH2OHを100重量部、そしてヒドロキノンモノ
メチルエ−テルを0.01重量部秤取し、室温、攪拌下
でアクリル酸クロリド4.5重量部を5分間かけて滴下
し、更に一時間攪拌後、80℃まで昇温し、その温度で
6時間攪拌した。その50℃で空気をバブリングし、塩
化水素ガスを追い出した。IR分析の結果、1740c
-1にエステルの吸収を認めた。
【0094】ついで本系内にトリレンジイソシアナ−ト
とβ−ヒドロキシエチルアクリレ−トとの1モル対1モ
ル付加物を14.5を重量部添加し、75℃にて7時間
反応させ、淡黄色微白濁粘ちょう液体を得た。IR分析
の結果、1710cm-1にウレタン結合基の特性吸収を
確認し、水酸基の吸収の完全な消滅を確認した。
【0095】本方法と同様にして、A−11を合成し
た。またA−12、A−13、そしてA−15は、それ
ぞれのフッ素化ポリエ−テル構造を有するジオ−ル化合
物と(メタ)アクリル酸クロリドとを参考例2と同様に
して反応させ、合成した。 実施例1〜9及び比較例1〜2 〔サンプル作成法〕供試サンプルは、硬化性組成物を1
20W/cm高圧水銀灯1灯集光型を用いて照射硬化
し、赤外分光器にて炭素−炭素二重結合基の消滅を確認
し作製した。 〔電気的特性の評価〕絶縁破壊電圧及び体積固有抵抗率
はそれぞれASTM D149 、D257の方法に従って測定した。 〔力学的特性の評価〕膜厚200ミクロンmの硬化サン
プルを作製し、幅5mm、チャック長さ20mm、引っ
張り速度5mm/分にて引っ張り試験を実施し、力学的
特性を測定した。また熱間での引っ張り試験は121℃
で上記引っ張り条件にて実施した。 〔耐久性試験〕耐熱性試験については、各サンプルを1
36℃にて30日間エイジング後取り出し、前記電気的
特性並びに力学的特性を測定した。また耐湿熱性試験に
ついては、70℃×98%RH×30日エイジング後取
り出し、前記と同様電気的特性並びに力学的特性を測定
した。力学的特性については、エイジング前の値を10
0とし、それに対する相対値で表した。
【0096】本発明に係る硬化性組成物の電気的特性並
びに力学的特性の測定結果を、比較例と共に第1表に示
した。尚、本発明に係る硬化性組成物を熱で硬化したと
ころ、活性エネルギー線で硬化したものと同様な電気的
特性を示した。しかしながら、熱で硬化するのに比べて
活性エネルギー線で硬化するほうが、作業性、生産性、
経済性のいずれの点においても優れていた。
【0097】
【表1】
【0098】
【表2】
【0099】
【表3】
【0100】
【表4】
【0101】
【表5】
【0102】実施例10〜18及び3〜4 (絶縁被覆電線作製法)前記実施例1〜9及び比較例1
〜2に示した硬化性組成物を、外径 0.900 mmのニッケ
ルメッキ銅丸線を通したコートダイに供給して、該ニッ
ケルメッキ銅丸線に塗布した後、出力120W/パーセ
ントのメタルハライドランプ2灯を備えた紫外線硬化炉
を通過させ、外径 0.980 mm の被覆電線を得た。
【0103】尚、第2表中、組成の欄の番号は、第1表
中の実施例の番号に相当する樹脂組成を示している。
又、ラインスピードは樹脂被覆電線一本当りの生産速度
(線引き塗工速度)を示す。さらに樹脂被覆電線の外観
は JIS C2358に従い、またピンホールの判定は JIS C32
03に従った。
【0104】自己径巻き付け試験は、上記被覆電線を自
己径に6タ−ンち密に巻き付けた部位を5カ所作製し、
クラックの数を測定した。また自己径巻き付け試験での
耐熱試験は、上記の様にして作製された6タ−ン・5部
位の巻き付け電線を136℃で200時間エイジング後
取り出し、クラックの数を測定し評価した。
【0105】
【表6】
【0106】実施例19 下記硬化性組成物を調整し、 A−8 60重量部 B−8 25重量部 2,2'-アソ゛ヒ゛ス[2-メチル-N-(2-ヒト゛ロキシエチル)フ゜ロヒ゜オンアミト゛] 10重量部 t-フ゛チルハ゜-オキシ-2-エチルヘキサノエ-ト 5重量部 外径1.0mmのスズメッキ銅線を該硬化性組成物を供
給した押出機に導入し、下記条件下で押し出し被覆し、
発泡電線を得た。
【0107】押出条件 バレル帯域1の温度 : 180℃ バレル帯域2の温度 : 190℃ バレル帯域3の温度 : 220℃ ヘッドの温度 : 240℃ ダイ部の温度 : 240℃ 40mm L/D=20 ここで得られた発泡電線の空隙率は80%であり、電気
的特性、力学的特性の両面で申し分の無い性能を示し
た。 実施例20 実施例3の硬化性組成物(硬化後の、1mm厚のチップの
光透過率は92%(850nm) 、屈折率n25=1.465 )
をガラス基材に担持された光ICチップにポッティング
し、80W/cm高圧水銀灯1灯にて2秒照射し、硬化
した。ポッティングされた光ICチップを印加電圧20
V下に、70℃×95%RHの恒温恒湿槽に 1,000時間保
持したが、ポッティング部の浮き剥れは無く、又回路上
に腐蝕も全く観測されなかった。さらに、光ICチップ
としての性能も、従来のポッティング剤にて封止された
光ICチップよりも格段に優れていた。
【0108】
【発明の効果】本発明に係る硬化性組成物は、基材また
は導体に対する塗布作業性並びに硬化性に優れ、また該
組成物は硬化後、耐熱性、耐環境性、表面潤滑性、さら
に強靱で可とう性に優れた硬化物を与え、更にそれは絶
縁性等の電気的特性並びにその長期安定性に優れてい
る。従って、本発明に係る硬化性組成物を用いれば、電
線等の導体に対する被覆作業性が極めて用意になり、耐
久性、耐折り曲げ性、耐熱性、表面潤滑性、そして電気
絶縁性に優れた絶縁電線を生産性良く得ることができ、
さらに絶縁電線としての信頼性、耐久性を向上すること
が可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C09D 4/00 H01B 7/18 B 5/25 7/28 Z (C08F 290/06 226:00) (C08F 290/06 220:36) (56)参考文献 特開 平4−28772(JP,A) 特開 昭61−36374(JP,A) 特開 昭61−296073(JP,A) 特開 昭61−118466(JP,A) 特開 昭62−205045(JP,A) 特開 昭49−32702(JP,A) 特開 平3−57106(JP,A) 特開 昭52−150493(JP,A) 特開 昭61−23652(JP,A) 欧州特許出願公開322624(EP,A 1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 290/00 - 290/14 H01B 3/30 H01B 7/17 H01B 7/18 C08F 220/00 - 220/36 C09D 1/00 - 201/10 C08F 226/00 - 226/12

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水素原子がフッ素原子で置換されたポリ
    アルキレンオキシド鎖を有し、かつエチレン性不飽和二
    重結合を有する単量体(I)と、アミド結合または尿素
    結合を有する基を含有するエチレン性不飽和単量体(I
    I)とを必須成分として含有してなる硬化性組成物。
  2. 【請求項2】 単量体(I)が、少なくとも2個以上の
    エチレン性不飽和二重結合を有する単量体である請求項
    1記載の硬化性組成物。
  3. 【請求項3】 単量体(I)が、ヒドロキシアルキル
    (メタ)アクリレ−ト−ジイソシアナ−ト付加物と、水
    素原子がフッ素原子で置換されたポリアルキレンオキシ
    ド鎖を含有する多価アルコ−ルとが付加した構造のアク
    リル系単量体である請求項1記載の硬化性組成物。
  4. 【請求項4】 単量体(II)が、環状アミド基を含有
    するエチレン性不飽和単量体である請求項1、2、また
    は3記載の硬化性組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の硬化性組成物の硬化物で
    被覆された絶縁電線。
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