JP2017179045A - 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物 - Google Patents

活性エネルギー線硬化性樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】硬度、耐汚染性に優れる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を提供すること。【解決手段】シリカ粒子(A)、活性エネルギー線硬化性樹脂(B)、および液状媒体(C)を含有する活性エネルギー線硬化性6成物であって、活性エネルギー線硬化性樹脂(B)が、エポキシ基を有する(メタ)アクリレート(a)由来の構成単位5〜45重量%、ポリシロキサンモノ(メタ)アクリレート(b)由来の構成単位30〜90重量%、および、その他(メタ)アクリレート(c)由来の構成単位5〜35重量%(ただし、(a)〜(c)の合計を100重量%とする)の共重合体と、α、β−不飽和カルボン酸との反応物であることを特徴とする活性エネルギー線硬化性樹脂組成物【選択図】なし

Description

本発明は、シリカ粒子(A)と活性エネルギー線硬化性樹脂(B)を混合した活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いることで、意匠性、耐汚染性に優れた硬化性樹脂組成物に関する。
建装材用、パッケージ用、光学製品用などの表面コート剤は意匠感や、光学的特性を持たせる意味合いでコート剤にシリカ粒子を配合することが一般的である。一方、これらのコート剤は最終製品として最表面になるため耐汚染性、粘着テープ剥離性などの性能を持たせるためシリコーン樹脂を添加することが多い。ところがシリカ粒子とシリコーン樹脂をそのまま併用すると、目的とする耐汚染性や粘着テープ剥離性が発現しにくくなり、シリカ粒子未配合のコート剤と比較して性能が劣っていた。これを補うためシリコーン樹脂をシリカ粒子未配合品と比較し大量に配合するなどの方策が取られているが、その分コスト面で不利である。
一方で、シリカを添加しないグロスの系において、耐汚染性の優れた活性エネルギー線硬化性樹脂が報告されている。(特許文献6〜8)しかし、これらの活性エネルギー線硬化性樹脂をシリカ粒子と併用したとしてもシリカ粒子の吸着性のために目的とする意匠性と耐汚染性を両立した活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の作製は難しい。
さらに、これまで、シリカに対して様々な組成の樹脂を添加することで、シリカ由来の硬化物の硬化性を付与する試みはされているものの、シリカ由来の硬化性とシリコーン由来の耐汚染性を両立したシリコーン樹脂は開発されていない。
またシリカ粒子未配合品においても、電子線または紫外線硬化性樹脂をメインバインダーとした場合、その即硬化性が原因となり熱可塑性樹脂をメインバインダーとして使用した場合と比較してシリコーンが完全に表面に配向する前に硬化してしまい耐汚染性が劣るという欠点がある。(特許文献1〜6)
特開2001−225420号公報 特開2007−015232号公報 特開2007−016139号公報 特開2008−247016号公報 特開2011−201938号公報 特開2007−269985号公報 特開2009−179689号公報 特開2007−077188号公報
本発明では、上記背景技術を鑑み、硬度および耐汚染性に優れる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。
シリカ粒子(A)、活性エネルギー線硬化性樹脂(B)、および液状媒体(C)を含有する活性エネルギー線硬化性組成物であって、
活性エネルギー線硬化性樹脂(B)が、エポキシ基を有する(メタ)アクリレート(a)由来の構成単位5〜45重量%、ポリシロキサンモノ(メタ)アクリレート(b)由来の構成単位30〜90重量%、および、その他(メタ)アクリレート(c)由来の構成単位5〜35重量%(ただし、(a)〜(c)の合計を100重量%とする)を含む共重合体と、α、β−不飽和カルボン酸との反応物であることを特徴とする活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に関する。
また、本発明は、ポリシロキサンモノ(メタ)アクリレート(b)由来の構成単位が、60〜90重量%である前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に関する。
また、本発明は、その他(メタ)アクリレート(c)が、メチル(メタ)アクリレート および/またはターシャリブチル(メタ)アクリレートである前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に関する。
また、本発明は、活性エネルギー線硬化性樹脂(B)の重量平均分子量が3,000〜500,000である、前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に関する。
また、本発明は、更に、活性エネルギー線硬化性化合物(D)(ただし活性エネルギー線硬化性樹脂(B)である場合を除く)を含む、前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に関する。
また、本発明は、基材上に、前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物から形成された樹脂層を有する加飾シートに関する。
本発明によれば、シリカ粒子(A)に対して、活性エネルギー線硬化性樹脂(B)を用いることで、耐汚染性、硬化性の優れた活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を提供することができる。
まず、本発明の各構成要素について説明する。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、シリカ粒子(A)と活性エネルギー線硬化性樹脂(B)を含むことで耐汚染性、硬化性を実現することができる。
<シリカ粒子(A)>
シリカ粒子(A)としては、周知の方法で製造され市販されているシリカ粒子粉末を用いることができる。または、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に使用できる溶剤又は水によって懸濁した状態のコロイダルシリカを用いることができる。
シリカ粒子(A)には表面にシランカップリング剤やマイクロクリスタリン、アルミナ等の有機物、無機物が吸着したものや、これらの成分を有さない未処理のものがある。シリカ粒子(A)は特に限定されないが、酸性のシリカ粒子を用いることが好ましく、例えば、上記の未処理のシリカ粒子、酸性樹脂で処理されたシリカ粒子等が挙げられる。未処理のシリカはコストの点で好ましい。シリカ粒子の粒径は1〜20μmが好ましいが、膜厚や光沢に応じて適宜選択されるため、特に制限されない。同様に、形状についても特に制限されない。
本発明においては、シリカ粒子(A)の添加量は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物中1〜20重量%使用する。シリカ粒子(A)が1重量%より少ないと満足する意匠感や光学特性が得られず、20重量%より多いと活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の流動性を下げ、塗工適性を悪化させる原因となる。
なお、本願では、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」、及び「(メタ)アクリロイルオキシ」と表記した場合には、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイル及び/又はメタクリロイル」、「アクリル及び/又はメタクリル」、「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」、及び「アクリロイルオキシ及び/又はメタクリロイルオキシ」を表すものとする。
<活性エネルギー線硬化性樹脂(B)>
活性エネルギー線硬化性樹脂(B)は、エポキシ基を有する(メタ)アクリレート(a)由来の構成単位5〜45重量%、ポリシロキサンモノ(メタ)アクリレート(b)由来の構成単位30〜90重量%、および、その他(メタ)アクリレート(c)由来の構成単位5〜35重量%とを含む共重合体と、α、β−不飽和カルボン酸との反応物であり、エポキシ基を有する(メタ)アクリレート(a)、ポリシロキサンモノ(メタ)アクリレート(b)、および、その他(メタ)アクリレート(c)の共重合体に、α、β−不飽和カルボン酸を反応させて得ることが出来る。
活性エネルギー線硬化性樹脂(B)は、二重結合当量が100〜5000であることが好ましい。活性エネルギー線硬化性樹脂(B)はポリシロキサン基を付与することで、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を形成した際に、塗膜の表面の耐汚染性を付与することが可能になる。また、活性エネルギー線硬化性樹脂(B)は活性エネルギー線に対する硬化性を示す。
エポキシ基を有する(メタ)アクリレート(a)としては、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、α―エチル(メタ)アクリル酸グリシジル、α−n―プロピル(メタ)アクリル酸グリシジル、α−n―ブチル(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸−3,4−エポキシブチル、(メタ)アクリル酸−4,5−エポキシペンチル、(メタ)アクリル酸−3,4−エポキシブチル、(メタ)アクリル酸−6,7−エポキシペンチル、α−エチル(メタ)アクリル酸−6,7−エポキシペンチル、β―メチルグリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸−3,4−エポキシシクロヘキシル、ラクトン変性(メタ)アクリル酸−3,4―エポキシシクロヘキシル、ビニルシクロヘキセンオキシド等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上併用しても良い。
上記エポキシ基を有する(メタ)アクリレート(a)の中でも、(メタ)アクリル酸グリシジルが、入手性や製造コストの面からも好ましい。
活性エネルギー線硬化性樹脂(B)を調整するに当たり、エポキシ基を有する(メタ)アクリレート(a)は、エチレン性不飽和単量体100重量%中、5〜45重量%含有することが好ましく、さらに、好ましくは10〜45重量%含有することが好ましく、15〜35重量%含有することが特に好ましい。
α、β−不飽和カルボン酸は、共重合体中のエポキシ基に対し0.95〜1.2のモル比で反応させることが好ましい。より好ましくは0.99〜1.1である。
上記好ましい範囲を活性エネルギー線硬化性樹脂(B)の二重結合当量で表すと、100〜5000g/molであり、より好ましくは300〜1700g/molである。上記範囲内であると、コート層の耐汚染性が優れるため好ましい。
本発明のポリシロキサンモノ(メタ)アクリレート(b)としては、1分子中に1つの(メタ)アクリロイル基と、オルガノポリシロキサン構造を有する。下記一般式(1)で表される化合物が、入手性、製造コストや性能の面から好ましい。
一般式(1)



(一般式(1)中、Rは水素原子、または、メチル基であり、R〜Rはそれぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキル基であり、Lは、炭素数1〜20の置換または無置換の直鎖、分岐または脂環式のアルキレン基、または置換または無置換のアリーレン基が挙げられ、nは1〜300の整数である。)
一般式(1)における、R〜Rの炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、または、ノルマルブチル基、ターシャリブチル基が挙げられる。
一般式(1)におけるLは、炭素数1〜20の置換または未置換の直鎖、分岐、または脂環式のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン、または、1,2−シクロヘキセン基、1,3−シクロヘキセン基、1,4−シクロヘキセン基、2−メチルプロペン基等が挙げられる。
一般式(1)におけるLは、置換または未置換のアリーレン基としてはフェニレン基、ノニルフェニレン基、または、パラクミルフェニレン基等が挙げられる。
ポリシロキサンモノ(メタ)アクリレート(b)成分の存在により、得られる硬化性樹脂組成物の表面に耐汚染性や粘着テープ剥離性が付与されるものとなり、さらに組成物表面に現れるシリカ粒子に対しても表面の被覆を施すことによって、さらなる耐汚染性が付与される。
一般式(1)で示されるポリシロキサンモノ(メタ)アクリレート(b)における、好ましいnの範囲としては、n=5〜200であり、好ましくはn=5〜170であり、さらに好ましくはn=30〜100である。上記範囲内であると、耐汚染性に優れる。
一般式(1)で示されるポリシロキサンモノ(メタ)アクリレート(b)としては、商品名「X−22−174DX」(信越シリコーン社製)「X−22−2426」(信越シリコーン社製)、商品名「X−22−174ASX」(信越シリコーン社製)、商品名「サイラプレーンFM−0721」(JNC(株)社製)、商品名「サイラプレーンFM−0711」(JNC(株)社製)、商品名「サイラプレーンFM−0725」(JNC(株)社製)等として容易に入手することが出来る。
活性エネルギー線硬化性樹脂(B)を調整するに当たり、ポリシロキサンモノ(メタ)アクリレート(b)は、エチレン性不飽和単量体100重量%中、耐汚染性の観点で30〜90重量%含有することが望ましく、好ましくは、30〜80重量%含有すること更に、好ましくは70〜80重量%が特に好ましい。
ポリシロキサンモノ(メタ)アクリレート(b)の含有量は、nが5以上30未満の場合は30〜50重量%が好ましく、nが30以上50未満の場合は50〜60重量%が好ましく、nが50以上100未満の場合は60〜80重量%が好ましく、nが100以上200以下の場合は80重量%〜90重量%が好ましい。
その他(メタ)アクリレートとしては、エポキシ基を有する(メタ)アクリレート(a)、およびポリシロキサンモノ(メタ)アクリレート(b)とラジカル重合可能な(メタ)アクリレートであれば特に限定されず、用途に応じて適宜選択することができる。例えば、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、又はイソステアリル(メタ)アクリレート等の直鎖又は分岐アルキル(メタ)アクリレート類;
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ターシャリブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、又はイソボルニル(メタ)アクリレート等の環状アルキル(メタ)アクリレート類;
トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート、又はテトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート等のフルオロアルキル(メタ)アクリレート類;テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、又は3−メチル−3−オキセタニル(メタ)アクリレート等の複素環を有する(メタ)アクリレート類;
ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、又はノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等の芳香族環を有する(メタ)アクリレート類;
2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシビニルベンゼン、2−ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレートまたはこれらモノマーのカプロラクトン付加物(不可モル数は1〜5)等の水酸基を有する(メタ)アクリレート類;
メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ラウロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ステアロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ラウロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、n − ブトキシエチル(メタ)アクリレート、n − ブトキシジエチ
レングリコール(メタ)アクリレート、2 − メトキシエチル(メタ)アクリレート、2 −エトキシエチル(メタ)アクリレート等のエーテル基を有する(メタ)アクリレート類;
3−(アクリロイルオキシメチル)3−メチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)3−メチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)3−エチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)3−エチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)3−ブチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)3−ブチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)3−ヘキシルオキセタン及び3−(メタクリロイルオキシメチル)3−ヘキシルオキセタン等のオキセタニル基を有する(メタ)アクリレート類;
2−イソシアネートエチルメタクリレート、2−イソシアネートエチルアクリレート、4−イソシアネートブチルメタクリレート、4−イソシアネートブチルアクリレート等のイソシアネート基を有する(メタ)アクリレート類;
あるいは、これらの混合物があげられる。
イソシアネート基としては、ブロックイソシアネート基も含まれ、好ましく使用することができる。ブロックイソシアネート基とは、通常の条件では、イソシアネート基を他の官能基で保護することにより該イソシアネート基の反応性を抑える一方で、加熱により脱保護し、活性なイソシアネート基を再生させることができるイソシアネートブロック体のことを示す。
このようなブロックイソシアネート基を有する(メタ)アクリレート類の市販品としては、例えば、2−[(3,5−ジメチルピラゾリル)カルボキシアミノ]エチルメタクリレート(カレンズMOI−BP,昭和電工製);メタクリル酸2−(0−[1’メチルプロビリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチル(カレンズMOI−BM,昭和電工製)などが挙げられる。
その他の重合性単量体としては、エポキシ基を有する(メタ)アクリレート(a)、ポリシロキサンモノ(メタ)アクリレート(b)との重合性および、モノマー同士の相溶性の観点からアルキル(メタ)アクリレート類が好ましい。
アルキル(メタ)アクリレート類には直鎖又は分岐があり、構造としては特に限定されないが、直鎖アルキル(メタ)アクリレート類としてはメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレートが好ましく、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートが、さらに好ましく、特に好ましくは、メチル(メタ)アクリレートである。
分岐アルキル(メタ)アクリレート類としてはターシャリブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレートが好ましく、さらに好ましくはターシャリブチル(メタ)アクリレートである。
また、上記以外にその他の重合性単量体も使用することができる。重合性単量体としては、
スチレン、α−メチルスチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸ビニル、又は(メタ)アクリル酸アリル等のビニル類;
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、又はアクリロイルモルホリン等のN置換型(メタ)アクリルアミド類;
(メタ)アクリロニトリル等のニトリル類;
エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、又はイソブチルビニルエーテル等のエーテル基を有するビニルエーテル類;
などが挙げられる。
活性エネルギー線硬化性樹脂(B)を得る方法としては、フリーラジカル重合、及びリビングラジカル重合等、公知の方法が使用できる。
フリーラジカル重合法の場合は、重合開始剤を使用するのが好ましい。重合開始剤としては例えば、アゾ系化合物及び有機過酸化物を用いることができる。アゾ系化合物の例としては、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン1−カルボニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、ジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4'−アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2'−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)、または2,2'−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]等が挙げられる。有機過酸化物の例としては、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサエート、t−ブチルパーベンゾエイト、クメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシビバレート、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド、ジプロピオニルパーオキシド、またはジアセチルパーオキシド等が挙げられる。これらの重合開始剤は、単独で、若しくは2種類以上組み合わせて用いることができる。反応温度は好ましくは40〜150℃、より好ましくは50〜110℃、反応時間は好ましくは3〜30時間、より好ましくは5〜20時間である。
リビングラジカル重合法は一般的なラジカル重合に起こる副反応が抑制され、更には、重合の成長が均一に起こる為、容易にブロックポリマーや分子量の整った樹脂を合成できる。
中でも、有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤とし、遷移金属錯体を触媒とする原子移動ラジカル重合法は、広範囲の単量体に適応できる点、既存の設備に適応可能な重合温度を採用できる点で好ましい。原子移動ラジカル重合法は、下記の参考文献1〜8等に記載された方法で行うことができる。
(参考文献1)Fukudaら、Prog.Polym.Sci.2004,29,329
(参考文献2)Matyjaszewskiら、Chem.Rev.2001,101,
2921
(参考文献3)Matyjaszewskiら、J.Am.Chem.Soc.1995,117,5614
(参考文献4) Macromolecules 1995,28,7901,Science,1996,272,866
(参考文献5)WO96/030421
(参考文献6)WO97/018247
(参考文献7)特開平9−208616号公報
(参考文献8)特開平8−41117号公報
上記重合には有機溶剤を用いることが好ましい。有機溶剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n−プロピル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が用いられる。これらの重合溶媒は、2種類以上混合して用いてもよい。
上記各成分を重合させて得られた共重合体中のエポキシ基に、α、β−不飽和カルボン酸を反応させることにより活性エネルギー線硬化性樹脂(B)を得ることができる。この反応は重合体のエポキシ基が開環し、これによりα、β−不飽和カルボン酸が付加する反応である。
α、β−不飽和カルボン酸としては、各種公知のものを特に限定なく使用することができる。具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸、2−アクリロイロキシエチルコハク酸、2−アクリロイロキシエチルフタル酸、2−アクリロイロキシヘキサヒドロフタル酸等のα、β−不飽和モノカルボン酸、(メタ)アクリル酸ダイマー、無水マレイン酸、アクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、ムコン酸、シトラコン酸、等のα、β―不飽和ジカルボン酸などが挙げられる。これらのうち、生成する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の光重合反応性の観点から(メタ)アクリル酸、アクリル酸、2−アクリロイロキシエチルコハク酸、2−アクリロイロキシエチルフタル酸、2−アクリロイロキシヘキサヒドロフタル酸等のα、β−不飽和モノカルボン酸が好ましい。
共重合体とα , β−不飽和カルボン酸の反応は、特に制限されず各種公知の方法を採用することができる。通常は、共重合体とα , β−不飽和カルボン酸とを混合し、必要に応じて各成分と反応せず、且つ相溶性のよい溶剤を用いてもよい。さらに、α , β−不飽和カルボン酸の付加反応には、80〜120℃の温度領域での反応が好適に進行する。反応の温度領域を考慮し、使用する溶剤は、溶剤沸点が100℃以上の、例えば、酢酸イソプロピル、酢酸ブチルが好ましい。この付加反応では、反応時間を短くする目的で、触媒を用いることができる。触媒としては、具体的には、ピリジン、ピロール、トリエチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミンやアンモニア等のアミン類、トリブチルフォスフィン、トリフェニルフォスフィン等のフォスフィン類等の塩基性触媒、ナフテン酸銅、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛、トリブトキシアルミニウム、テトラブトキシトリチタニウム等の金属アルコキシド化合物、塩化アルミニウム等のルイス酸、ジブチル錫ジラウレート等の有機錫化合物等の酸触媒が挙げられる。
活性エネルギー線硬化性樹脂(B)の分子量は、特に限定されるものではないが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平均分子量が3,000〜500,000であることが好ましく、3,000〜30,000であることがより好ましく、3,000〜20,000であることがより好ましい。
活性エネルギー線硬化性樹脂(B)の添加量としては、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物中の固形分の全量を基準として0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜20重量%である。0.1重量%よりも少ないと粘度の低減効果が低く、30重量%以上では、皮膜の架橋度が下がり、皮膜物性が低下する。
活性エネルギー線硬化性樹脂(B)中に、二重結合をもつ構造単位とポリシロキサン基をもつ構造単位が本発明に規定する含有量で含む場合に耐汚染性が発現する。二重結合をもつ構造単位が存在しないもしくは量が少ない場合は、耐汚染性に必要な膜の硬さが付与されない上に活性エネルギー線硬化性樹脂(B)が活性エネルギー線硬化性化合物(D)と反応しないためブリードしてしまい耐汚染性が発現しない。また、ポリシロキサン基をもつ構造単位が存在しないもしくは量が少ない場合は、膜の最表面に活性エネルギー線硬化性樹脂(B)の偏析量が必要量に達しないために耐汚染性が付与されない。
活性エネルギー線硬化性樹脂(B)の代わりにシリコーン(メタ)アクリレート等のポリシロキサンユニットを持つモノマーを活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に添加したとしても、活性エネルギー線硬化性化合物(D)と反応しないためブリードしてしまい、必要な耐汚染性が付与されない。
<液状媒体(C)>
液状媒体(C)としては特に限定されないが、水や、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノールなどのアルコール類、エチレングリコールなどの多価アルコール類及びその誘導体、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジメチルアセトアミドなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n−プロピル、などのエステル類、トルエン、キシレンなどの非極性溶媒を用いることができる。
<活性エネルギー線硬化性樹脂組成物>
次に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の製造方法について説明する。
製造方法は特に限定されないが、液状媒体(C)中で活性エネルギー線硬化性樹脂(B)とシリカ粒子(A)を攪拌したのち、必要に応じて活性エネルギー線硬化性化合物(D)を混合することが好ましい。また、活性エネルギー線硬化性化合物(D)は、後工程において添加、混合することが粘度、攪拌性の点で好ましい。
<活性エネルギー線硬化性化合物(D)>
活性エネルギー線硬化性化合物(D)としては好ましくは重合性オリゴマー、重合性モノマー等
が挙げられる。重合性オリゴマーは表面保護層に耐性、柔軟性、硬化性を付与することができ、数平均分子量(ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定した。以下、同じとする。)1000以上のものが好適に用いられる。
重合性オリゴマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つオリゴマー、例えばエポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、アクリル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
エポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーは、例えば、比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環に、(メタ)アクリル酸を反応しエステル化することにより得ることができる。また、このエポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーを部分的に二塩基性カルボン酸無水物で変性したカルボキシル変性型のエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーも用いることができる。ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーは、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアネートの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリエステル(メタ)アクリレート系オリゴマーとしては、例えば多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより、あるいは、多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリエーテル(メタ)アクリレート系オリゴマーは、ポリエーテルポリオールの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
さらに、重合性オリゴマーとしては、他にポリブタジエンオリゴマーの側鎖に(メタ)アクリレート基をもつ疎水性の高いポリブタジエン(メタ)アクリレート系オリゴマー、主鎖にポリシロキサン結合をもつシリコーン(メタ)アクリレート系オリゴマー、小さな分子内に多くの反応性基をもつアミノプラスト樹脂を変性したアミノプラスト樹脂(メタ)アクリレート系オリゴマー、あるいはノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂肪族ビニルエーテル、芳香族ビニルエーテル等の分子中にカチオン重合性官能基を有するオリゴマーなどがある。
重合性モノマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレート系モノマーが好適であり、中でも多官能性(メタ)アクリレートが好ましい。多官能性(メタ)アクリレートとしては、分子内にエチレン性不飽和結合を2個以上有する(メタ)アクリレートであればよく、特に制限はない。具体的にはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ
(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ビスフェノールAジアクリレートなどが挙げられる。これらの多官能性(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、前記多官能性(メタ)アクリレートとともに、その粘度を低下させるなどの目的で、単官能性(メタ)アクリレートを、本発明の目的を損なわない範囲で適宜併用することができる。単官能性(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの単官能性(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。エチレンオキサイド変性トリメチロールアクリレートはそのエチレンオキサイドくり返し単位数(モル変性と表現される)が1〜20モルのもの等が挙げられるが、そのうち3〜9モル変性のものが架橋した皮膜の物性に優れ、好ましい。
活性エネルギー線硬化性化合物(D)は活性エネルギー線硬化性樹脂組成物中、20〜95重量%用いる。20重量%より少ないと皮膜物性が劣化し、95重量%より多いと耐汚染性、粘着テープ剥離性等の塗膜物性を十分に発現させることが難しい。
ラジカル重合性の架橋成分を紫外線により架橋させる場合には、光重合開始剤としてアセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、芳香族ジアゾニウム塩、メタロセンなどが挙げられる。また、重合促進剤として、アミン類、ホスフィン類を併用することも可能である。電子線により架橋させる場合にはこれらを配合しなくても良い。また、カチオン反応性の成分を紫外線により架橋させる場合には、カチオン系開始剤としては、ルイス酸のジアゾニウム塩、ルイス酸のヨードニウム塩、ルイス酸のスルホニウム塩、ルイス酸のホスホニウム塩、その他のハロゲン化物、トリアジン系開始剤、ボレート系開始剤、およびその他の光酸発生剤などが挙げられる。電子線により架橋させる場合にはこれらを配合しなくても良い。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、必要に応じてさらに有機/無機フィラーを配合させることができ、艶調整や磨耗性を付与することができる。例えば、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等の樹脂を溶剤に不溶になるまで高分子化し微粒子化した有機フィラー類、アルミナ、タルク、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、天然マイカ、合成マイカ、水酸化アルミニウム、沈降性硫酸バリウム、沈降性炭酸バリウム、チタン酸バリウム、硫酸バリウム等の無機フィラーが挙げられる。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、必要に応じて着色剤、各種添加剤、例えば、シランカップリング剤、レベリング剤、消泡剤等を配合させることができ、シリコーン系、ポリマー系など特に限定されない。
<加飾シート>
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を基材に塗工し、液状媒体を除去し、電子線または紫外線を照射し硬化して、耐汚染性、粘着テープ剥離性に優れた塗工物(加飾シート)を得ることができる。
基材としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、トリアセチルアセテート等からなるフィルム状のものや、クラフト紙、チタン紙、上質紙等の紙基材が挙げられる。更にこの塗工物(加飾シート)をパーティクルボード等の基材に貼り付けて得られる化粧材は、住宅及びオフィスの内外装材、並びに家具等に用いることができる。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、特にことわりがない限り、「部」とは「重量部」、「%」とは「重量%」を意味する。また、樹脂の重量平均分子量(Mw)の測定方法は以下の通りである。
(樹脂の重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn))
樹脂の重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、TSKgelカラム(東ソー社製SUPER HZM−N)を2本連結させ用い、RIおよびUV検出器を装備したGPC(東ソー社製、HLC−8220GPC)で、溶離液として、テトラヒドロフランを用いて測定した測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)である。
(二重結合当量)
二重結合当量は「二重結合を有する化合物の分子量/二重結合を有する化合物1分子中に含まれる二重結合の数」によって示され、本明細書では下記式により算出した。[二重結合当量]=[全仕込みモノマー質量(g)+開始剤の質量(g)]/[二重結合を持つモノマーの量(mol)]
まず、実施例および比較例に用いた活性エネルギー線硬化性樹脂(B)について説明する。
<活性エネルギー線硬化性樹脂(B)の製造方法>
(活性エネルギー線硬化性樹脂(B−1)の調製)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器に酢酸ノルマルプロピル142.4部を仕込み、90℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりグリシジルメタクリレート15.0部、ポリシロキサンメタクリレート(FM−0721;JNC株式会社製)を70.0部、メタクリル酸メチルを15.0部、酢酸ノルマルプロピル37.9部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル5.0部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に4時間反応を継続した。その後室温まで冷却した後に、窒素置換よりエアーバブリングに切り替え、アクリル酸を7.6重量部、p−メトキシフェノールを2.3重量部、N,N’−ジメチルベンジルアミンを11.3重量部加えてから撹拌しながら、105℃まで昇温し、10時間保持して反応させた。その後、室温まで冷却した。樹脂溶液約2gをサンプリングして170℃、10分加熱乾燥して不揮発分を測定し、活性エネルギー線硬化性樹脂(B−1)を得た。
(活性エネルギー線硬化性樹脂(B−2〜B−29)の調製)
前述の(B−1)の作成方法に従い、表に示すモノマー組成によって、活性エネルギー線硬化性樹脂(B−2〜B−29)を得た。得られたエネルギー線硬化性樹脂、二重結合当量、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)は表1に示す通りである。
表1中に記載の化合物を下記に示す。
(シリコーン基含有モノマー(b))
・FM0721 (JNC(株)社製サイラプレーン、n=約64)
・FM0711 (JNC(株)社製サイラプレーン、n=約10)
・FM0725 (JNC(株)社製サイラプレーン、n=約132)
・X−22−174ASX (信越シリコーン社製、n=約9)
・X−22−174DX (信越シリコーン社製、n=約59)
・X−22−2426 (信越シリコーン社製、n=約159)
〈実施例1〉(活性エネルギー線硬化性樹脂組成物および塗工物の作成)
工程(1):攪拌羽根を有する混合機に活性エネルギー線硬化性樹脂(B)を固形分として1.2部添加し、撹拌しながらシリカ粒子(ニップジェルBY200、東ソー・シリカ社製)4.7部を添加、液状媒体(C)である酢酸ブチル/イソプロピルアルコールを3/8の溶液を60.0部撹拌混合することで、(B−1)とシリカ粒子を混合した。
工程(2):工程(1)で得られた懸濁液に対し、ウレタンアクリレート(紫光UV−6300B、日本合成化学社製)31.5部、光重合開始剤(エサキュアONE、ランバルティ製及びイルガキュア907、BASF社製)2.6部を添加し攪拌混合することで、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を、50μm厚のコロナ処理ポリエチレンテレフタレート(PET)にバーコーター♯8で塗工、40℃で30秒乾燥後、紫外線照射を下記条件で行い活性エネルギー線硬化性樹脂組成物塗工物を得た。
紫外線照射:120W−180mJ/cm
〈実施例2〜22および比較例1〜8〉
前述の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の作成方法に従い、表に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂を用いて活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。更に該組成物を用い、前述の塗工物作成方法により各種塗工物を得た。
電子線照射の場合は、下記条件で行い塗工物を得た。
電子線照射:125kV−30kGy
得られた塗工物について、下記の方法で保存安定性、耐汚染性、繰り返し耐汚染性、光沢度、及び耐スチールウール性を評価した。評価結果を表2に記す。
(耐汚染性評価)
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物塗工物の塗膜面に対して油性マジックで筆記後、乾燥させたのち、拭き取りを行い、後残りの状況を評価した。
評価基準
◎ :乾拭きにて軽く拭き取り後、後残りなし
◎−:乾拭きにて軽く拭き取り後、書き跡が残らないがまわりがほんの少し黒く残る
○+:乾拭きにて軽く拭き取り後、書き跡が残らないがまわりが少し黒く残る
○ :乾拭きにて軽く拭き取り後、書き跡が残らないがまわりが黒く残る
△ :乾拭きにて軽く拭き取り後、 書き跡の残りあり
× :乾拭きにて拭き取り後、まったく拭き取れない
実用レベルは〇以上である。
(繰り返し耐汚染性評価)
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物塗工物の塗膜面に対して油性マジックで筆記後、乾燥させたのち拭き取りを行うことを5回行い、後残りの状況を評価した。
評価基準
◎ :乾拭きにて軽く拭き取り後、後残りなし
◎−:乾拭きにて軽く拭き取り後、書き跡が残らないがまわりがほんの少し黒く残る
○+:乾拭きにて軽く拭き取り後、書き跡が残らないがまわりが少し黒く残る
○ :乾拭きにて軽く拭き取り後、書き跡が残らないがまわりが黒く残る
△ :乾拭きにて軽く拭き取り後、 書き跡の残りあり
× :乾拭きにて拭き取り後、まったく拭き取れない
実用レベルは○以上である。
(耐スチールウール性)
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物塗工物に対し、スチールウールに500gの荷重をかけて10往復させた後、塗膜面の変化を評価した。
評価基準
◎:変化なし
〇:わずかに傷・光沢変化あり
△:目視できる程度の傷・光沢変化あり
×:顕著な傷・光沢変化あり
実用レベルは△以上である。
(光沢度)
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物塗工物の60°光沢度を、グロスメーター(BYK―Gardner社製「micro―TRI―glossμ」)を用いて5回測定しその平均値を以下の通りに評価した。
◎:15以下
〇:15〜20
×:20以上
実用レベルは〇以上である。
(保存安定性評価)
本発明のシリカ分散体含有活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の保存安定性を評価するために、実施例および比較例の各活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を25℃の恒温室に10日間放置した。放置前の粘度と放置後の粘度の変化幅を以下の基準で評価した。結果を表3に表す。
評価基準
◎:粘度変化率が10%未満
○:粘度変化率が10〜20%
×:粘度変化率が20%以上
実用レベルは○以上である。
以上のように、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が、保存安定性に優れ、硬化物の高い硬度、安定した耐汚染性に優れた活性エネルギー線硬化性樹脂組成物であることが分かった。

Claims (6)

  1. シリカ粒子(A)、活性エネルギー線硬化性樹脂(B)、および液状媒体(C)を含有する活性エネルギー線硬化性組成物であって、
    活性エネルギー線硬化性樹脂(B)が、エポキシ基を有する(メタ)アクリレート(a)由来の構成単位5〜45重量%、ポリシロキサンモノ(メタ)アクリレート(b)由来の構成単位30〜90重量%、および、その他(メタ)アクリレート(c)由来の構成単位5〜35重量%(ただし、(a)〜(c)の合計を100重量%とする)を含む共重合体と、α、β−不飽和カルボン酸との反応物であることを特徴とする活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  2. ポリシロキサンモノ(メタ)アクリレート(b)由来の構成単位が、70〜80重量%である請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  3. その他(メタ)アクリレート(c)が、メチル(メタ)アクリレートおよび/またはターシャリブチル(メタ)アクリレートである請求項1または2に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  4. 活性エネルギー線硬化性樹脂(B)の重量平均分子量が3,000〜500,000である、請求項1〜3いずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  5. 更に、活性エネルギー線硬化性化合物(D)(ただし活性エネルギー線硬化性樹脂(B)である場合を除く)を含む、請求項1〜4いずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  6. 基材上に、請求項1〜5いずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物から形成された樹脂層を有する加飾シート。
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