JP3160936B2 - ウエハの貼り合わせ方法 - Google Patents

ウエハの貼り合わせ方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、SOI(Silico
n on Insulator)基板等を製作するのに
用いるウエハの貼り合わせ方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】通常SOI基板を形成するには、図3に
示す第1のウエハ61を用いる。第1のウエハ61は、
単結晶シリコンウエハ62と、この単結晶シリコンウエ
ハ62の上面側に形成した複数の溝63と、各溝63の
両側の単結晶シリコンウエハ62部分よりなるパターン
64と、各溝63の内部を含む単結晶シリコンウエハ6
2の上面に形成したシリコン酸化膜65と、シリコン酸
化膜65の上面に形成したpoly−Si膜66とによ
りなる。上記説明した第1のウエハ61は反っているが
例えば平板状のウエハでもよい。
【0003】上記第1のウエハ61と通常の平板な単結
晶シリコンウエハよりなる第2のウエハ(71)とを貼
り合わせて、SOI基板を製作する方法を図4により説
明する。図4に示すように、パターン64を形成した側
とは反対側の面を真空チャック81のウエハ吸着面82
に吸着して、第1のウエハ61を保持する。ウエハ吸着
面82は凸球面状(曲率半径がおよそ10m)に形成さ
れている。この場合にはパターン64を形成した側の面
が第1のウエハ61の貼り合わせ面67になる。そして
第2のウエハ71の貼り合わせ面72と第1のウエハ6
1の貼り合わせ面67とを対向させる。
【0004】次いで、各貼り合わせ面67,72を対向
させた状態で、第1,第2のウエハ61,71の一部分
どうしを水素結合力により貼り合わせる。通常各貼り合
わせ面67,72の中央部より外周方向に向かって貼り
合わされる。このとき貼り合わされる面積は全貼り合わ
せ面積のおよそ2/3になる。そして第2のウエハ71
は貼り合わせ面67に沿って湾曲した状態になる。
【0005】続いて真空チャック81の吸着を序々に解
除する。すると、第1のウエハ61は弾性による復元力
により貼り合わせる前の状態(平板状態)に戻って、各
貼り合わせ面67,72どうしが全面に亙って水素結合
力により貼り合わされる。上記の如くして形成した貼り
合わせウエハはパターン64側が凸球面状に反ったウエ
ハになる。
【0006】そして、上記方法によって形成した貼り合
わせウエハを用いてSOI基板を製作するには、まず貼
り合わせたウエハを熱処理する。その後、第2のウエハ
71側を平坦なウエハ吸着面を有する真空チャック(図
示せず)に吸着し、第1のウエハ61側の単結晶シリコ
ンウエハ62を研削,研磨してシリコン酸化膜65を露
出させる。この結果、シリコン酸化膜65の上面にパタ
ーン64が島状に形成されたSOI基板が完成する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記方
法では、第1のウエハを凸球面状のウエハ吸着面に保持
した状態で第2のウエハを貼り合わせたので、貼り合わ
せたウエハは反った状態になる。このため、第1のウエ
ハに形成したパターンの寸法は例えば伸びて変化する。
したがって、従来の方法によって貼り合わせたウエハで
SOI基板を製作した場合には、SOI基板はそった状
態に形成され、しかもパターンの寸法は設計値と異な
る。そして、ホトリソグラフィー等によって上記SOI
基板のパターン上に別のパターンを形成する場合には、
通常平坦なウエハ保持面を有するウエハチャックにSO
I基板を保持して感光工程を行う。このとき、ウエハチ
ャックに保持したSOI基板のパターンはさらに伸ばさ
れる。このため、設計値に基づいて形成したフォトマス
クのパターンとSOI基板のパターンとに寸法差が生じ
て、マスク合わせずれが生じて不良が発生する。この結
果、歩留りが低下する。
【0008】本発明は、ウエハの貼り合わせ後にパター
ンの寸法が変化しないウエハの貼り合わせ方法を提供す
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するためになされたウエハの貼り合わせ方法である。
すなわち、第1のウエハの貼り合わせ面の予めほぼ凸球
面状になる状態に湾曲させてかつ第2のウエハの貼り合
わせ面をほぼ凸球面状に湾曲した状態に保持するととも
に各貼り合わせ面どうしを対向させる。その後第1のウ
エハの貼り合わせ面の一部分と第2のウエハの貼り合わ
せ面の一部分とを貼り合わせて第1のウエハの貼り合わ
せ面を平坦な状態にする。次いで第2のウエハの保持を
徐々に解除して、第1,第2のウエハの貼り合わせ面ど
うしを全面に亙って貼り合わせるというウエハの貼り合
わせ方法である。
【0010】
【作用】上記ウエハの貼り合わせ方法では、パターン形
成側がほぼ凸球面状に湾曲した第1のウエハの貼り合わ
せ面の一部分と第2のウエハの貼り合わせた面の一部分
とを水素結合力によって貼り合わせる。このとき,第1
のウエハの貼り合わせ面はほぼ平坦になる。この状態
で、第2のウエハの保持を徐々に解除したので、第2の
ウエハは復元力によりもとの状態(平板状態)に戻る。
そして平板状態の第1のウエハに第2のウエハが水素結
合力により全面に亙って貼り合わされるので、第1,第
2のウエハの貼り合わせ面はほぼ平坦になる。この結
果、パターン寸法が変化することなく貼り合わせウエハ
が形成される。
【0011】
【実施例】本発明の第1実施例を図1の製造工程図およ
び図2の第1のウエハの拡大概略断面図により説明す
る。
【0012】図2に示す如く、第1のウエハ31は、通
常のシリコンウエハ32の上面に形成した複数の溝33
と、各溝33の両側の単結晶シリコンウエハ部分で形成
したパターン34と、各溝33の内部を含む単結晶シリ
コンウエハ32の上面に形成したシリコン酸化膜35
と、シリコン酸化膜35とともにシリコンウエハ32を
被覆する状態に形成したpoly−Si膜36とにより
なる。そして上記第1のウエハ31はパターン34側が
ほぼ凸球面状に湾曲している。
【0013】通常、第1のウエハ31を上記のように湾
曲させるには、シリコン酸化膜35を形成した後に、例
えば低圧化学的気相成長法によりシリコン酸化膜35と
ともにシリコンウエハ32を被覆する状態に上記pol
y−Si膜36を形成する。次いでパターン34を形成
していない側のpoly−Si膜36を所定の厚さだけ
除去する。この結果、poly−Si膜36の熱膨張率
とシリコンウエハ32の熱膨張率との差によってpol
y−Si膜36に生じる引張応力がパターン34を形成
した側のpoly−Si膜36に多く働くので、第1の
ウエハ31はパターン34を形成した側に湾曲する。
【0014】第1のウエハ31の湾曲量は、第1のウエ
ハ31の貼り合わせ面の一部分と後述する第2のウエハ
(21)の貼り合わせ面の一部分とを貼り合わせたとき
に、第1のウエハ31の貼り合わせ面が平坦になるよう
に調節される。例えば、通常の5インチウエハの場合に
は、湾曲面の曲率半径がおよそ10mになるように調節
する。なおこの湾曲量はウエハの径やウエハの厚さ等に
より適宜決定される。
【0015】次に本発明のウエハの貼り合わせ方法に係
る一実施例を図1の製造工程図により説明する。
【0016】図1に示すように、まず第2のウエハ21
の貼り合わせ面22とは反対側の面を真空チャック43
のウエハ吸着面44に吸着する。真空チャック43のウ
エハ吸着面44は凸状球面で形成する。この凸状球面の
曲率半径は例えば第1のウエハ31の貼り合わせ面37
の曲率半径とほぼ同等に設定する。そして上記第1のウ
エハ31のパターン34側の面を貼り合わせ面37と
し、この貼り合わせ面37と通常の単結晶シリコンウエ
ハよりなる第2のウエハ21の貼り合わせ面22とを対
向させる。
【0017】その後、第1のウエハ31の貼り合わせ面
37の一部分と第2のウエハ21の貼り合わせ面22の
一部分とを水素結合力によって貼り合わせる。このとき
各貼り合わせ面22,37はともに湾曲しているので、
通常各貼り合わせ面22,37のほぼ中央部より貼り合
わされる。そして全貼り合わせ面積のおよそ1/3が貼
り合わされて、第1のウエハ31の貼り合わせ面37は
ほぼ平坦な状態になる。
【0018】続いて真空チャック43による第2のウエ
ハ21の吸着を徐々に解除する。このとき、第2のウエ
ハ21は弾性による復元力によってもとの平板状態に戻
る。そして水素結合力により貼り合わせ面22は、その
中央部側より周縁部方向に向かってかつ全面に亙って、
貼り合わせ面37に貼り合わされる。この結果、各貼り
合わせ面22,37が平坦な状態で貼り合わされるの
で、第1実施例で説明したと同様に、第1,第2ウエハ
31,21を貼り合わせて形成したウエハは反らない。
よってパターン34の寸法は変化しないので設計値にな
る。
【0019】上記実施例で説明した方法により製作した
貼り合わせウエハで、例えば前記パターン34を有する
SOI基板を形成し、その後リソグラフィー工程の感光
工程でSOI基板に別のパターンを形成した場合には、
別のパターンを形成するためのマスクパターンとSOI
基板のパターン34とのずれは生じない。この結果、マ
スク合わせずれがなくなるので、歩留りの向上が図れ
る。
【0020】
【発明の効果】以上、説明したように本発明のウエハの
貼り合わせ方法によれば、第1,第2のウエハとを初め
に接触させて貼り合わせたときに第1のウエハをほぼ平
坦な状態にし、その後第2のウエハの保持を徐々に解除
して残りの部分を貼り合わせたので、貼り合わせ面はほ
ぼ平坦になる。この結果、パターンは変化しない。よっ
て、寸法精度の優れたパターンを有する貼り合わせウエ
ハができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例の製造工程図である。
【図2】一実施例の第1のウエハの拡大概略断面図であ
る。
【図3】従来例の第1のウエハの拡大概略断面図であ
る。
【図4】従来例の製造工程図である。
【符号の説明】
21 第2のウエハ 22 貼り合わせ面 31 第1のウエハ 34 パターン 37 貼り合わせ面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮沢 芳宏 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソ ニー株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−182239(JP,A) 特開 昭61−145839(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 貼り合わせ面側にパターンを形成した第
    1のウエハとパターンを形成しない第2のウエハとを貼
    り合わせるウエハの貼り合わせ方法であって、 前記第1のウエハの貼り合わせ面を予めほぼ凸球面状に
    なる状態に湾曲させてかつ前記第2のウエハの貼り合わ
    せ面をほぼ凸球面状に湾曲した状態に保持するとともに
    各貼り合わせ面どうしを対向させ、 その後前記第1のウエハの貼り合わせ面の一部分と前記
    第2のウエハの貼り合わせ面の一部分とを貼り合わせて
    第1のウエハの貼り合わせ面をほぼ平坦な状態にし、 次いで前記第2のウエハの保持を徐々に解除して前記第
    1,第2のウエハの貼り合わせ面どうしを全面に亙って
    貼り合わせることを特徴とするウエハの貼り合わせ方
    法。
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FR2962594B1 (fr) * 2010-07-07 2012-08-31 Soitec Silicon On Insulator Procede de collage par adhesion moleculaire avec compensation de desalignement radial

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