JP3160815B2 - 重合性組成物及びその硬化組成物 - Google Patents

重合性組成物及びその硬化組成物

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正昭 工藤
孝幸 秋田
弘 井上
公洋 松川
喜一 長谷川
明徳 福田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は一般式(I)
【化12】 〔式中、Rは同一又は異なってもよく、水素原子、低級
アルケニル基、又は
【化13】 (式中、R1は同一又は異なってもよい水素原子又は水酸
基を示し、R2は低級アルケニル基を示し、nは1〜3の
整数を示す。)を示す。但し、2個のRは同時に水素原
子を示すことはない。〕で表されるフタル酸エステル誘
導体主体とする重合性組成物及び該組成物を重合して得
られる硬化組成物に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来、光硬化性組成物はプラスチック、
紙、木工及び無機質材等の塗料、接着剤、印刷インキ、
印刷回路基板及び電気絶縁関係等の種々の用途に実用化
されている。近年、その中でも印刷インキ、塗料、接着
剤等ではより一層の耐候性と付着性の改善が望まれてお
り、且つ撥水性、撥油性、耐水性、耐湿性等を兼ね備え
た重合性組成物が要求されている。これらを改良するた
めにシリコ−ン化合物やフッ素化合物で変性した重合性
組成物も開発されているが、逆に基材との付着性が低下
したり、シリコ−ン化合物やフッ素化合物の表面移行等
の問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は新規な重
合性組成物に関し、鋭意研究を重ねた結果、本発明の重
合性組成物の構成主体である一般式(I) で表されるフタ
ル酸エステル誘導体を光、電子線、熱により重合させる
か、多官能性アミン類又は多官能性チオ−ル類と重合さ
せて得られる硬化組成物は高硬度で付着性及び撥水性に
優れた樹脂組成物であることを見出し、本発明を完成さ
せたものである。尚、本発明の重合性組成物の構成主体
である一般式(I) で表されるフタル酸エステル誘導体は
文献未記載の新規化合物である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の一般式(I) で表
されるフタル酸エステル誘導体を構成主体とする重合性
組成物は、例えば下記に図示する方法により製造するこ
とができる。 (式中、Rは前記に同じくし、Xはハロゲン原子を示
す。)
【0005】一般式(II)で表されるフタル酸類又は一般
式(II') で表されるその酸無水物と一般式(III) で表さ
れるアルコ−ル類とを塩基及び不活性溶媒の存在下又は
不存在下に反応させることにより一般式(I'') で表され
るフタル酸エステル誘導体とし、更に該一般式(I'') で
表されるフタル酸エステル誘導体をハロゲン化し、一般
式(II'')で表される酸ハライド類とし、次いで一般式(I
II) で表されるアルコ−ル類と反応させることにより一
般式(I) で表されるフタル酸エステル類を製造すること
ができる。又、一般式(II)で表されるフタル酸類又は一
般式(II') で表されるその酸無水物と一般式(III) で表
されるアルコ−ル類とを塩基及び不活性溶媒の存在下又
は不存在下に反応させることにより一般式(I) で表され
るフタル酸エステル誘導体を製造することもできる。
こでアルコール類としては、アリルアルコール、3−ブ
テン−1−オール、5−ヘキセン−1−オール、2−ヒ
ドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメ
タクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、
3−ヒドロキシプロピルメタクリレート等が挙げられる
が、それらに限定されるものではない。
【0006】本製法はエステル化の一般的な製法であ
り、例えば新実験化学講座14−II(丸善)、USP3
221043等に記載の方法により製造することができ
る。又、一般式(III) で表されるアルコ−ル類に代え
て、そのエポキシ化体、例えばアクリル酸グリシジル、
メタクリル酸グリシジル等を使用することもできる。上
記の方法によって製造されたフタル酸エステル誘導体を
主体とする重合性組成物を光重合開始剤の存在下又は不
存在下に光又は電子線により重合させるか、熱重合開始
剤の存在下に熱により重合させるか、多官能性アミン類
又は多官能性チオ−ル類と重合させることにより本発明
の硬化組成物を製造することができる。
【0007】光硬化 本発明の光硬化重合反応で使用できる光重合開始剤とし
ては、例えばベンジル、ベンゾイン、ベンゾインエチル
エ−テル、ベンゾフェノン、ベンジルジメチルケタ−
ル、2−クロロチオキサントン等を挙げることができ
る。本反応では光硬化反応を促進するために、例えばト
リ−n−ブチルアミン、ジエチルアミノエチルメタクリ
レ−ト等の増感剤を添加して反応することもできる。光
重合開始剤及び増感剤の使用量は通常、一般式(I) で表
されるフタル酸エステル誘導体又は該誘導体を含む重合
性ビニルモノマ−又はオリゴマ−100重量部に対して
0.05〜10重量部の範囲から適宜選択して使用すれ
ばよい。光照射線源として、例えば高圧水銀ランプ等を
使用するこきができ、通常は室温で照射し、照射時間は
数秒であるが、塗膜の厚さ,光重合開始剤の濃度等によ
り照射条件を適宜選択すればよい。
【0008】電子線硬化 本反応では、特に重合開始剤及び増感剤等を使用する必
要はないが、使用することも可能であり、光硬化反応で
使用できる重合開始剤及び増感剤を使用すればよい。電
子線の照射装置としては、例えば走査型やカ−テン型の
照射装置を使用すればよい。
【0009】熱硬化 本反応で使用できる熱重合開始剤としては、例えば2,
2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビ
ス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合
物、過酸化ベンゾイル、過酸化ジクミル、過酸化ジ−t
−ブチル等の過酸化物、過酸化ベンゾイル、N,N−ジ
メチルアニリン等のレドックス開始剤等を挙げることが
でき、その使用量は一般式(I) で表されるフタル酸エス
テル誘導体又は該誘導体を含む重合性ビニルモノマー又
はオリゴマー100重量部に対して0.05〜10重量
部の範囲から選択して使用すればよい。熱硬化反応の反
応温度は40℃〜200℃の範囲から選択すればよく、
反応時間は1〜20時間の範囲から選択すればよい。
【0010】多官能性アミン類又は多官能性チオ−ル類との硬化 本反応で使用する多官能性アミン類としては、例えば
1、2−エチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、
1、6−ヘキサメチレンジアミン、m−キシリレンジア
ミン等を使用することができ、多官能性チオ−ル類とし
ては、例えば1、6−ヘキサメチレンジチオ−ル、p−
キシリレンジチオ−ル、トリチオシアヌ−ル酸等を挙げ
ることができるが、本発明はこれらの多官能性アミン類
又は多官能性チオ−ル類に限定されるものではない。多
官能性アミン類又は多官能性チオ−ル類の使用量は、通
常一般式(I) で表されるフタル酸エステル誘導体又は該
誘導体を含む重合性モノマ−又はオリゴマ−100重量
部に対して1〜60重量部の範囲から適宜選択して使用
すればよい。硬化反応はこれらの組成物を40℃〜20
0℃の反応温度で、1分〜20時間の範囲で加熱するこ
とにより行われるが、特にこれらの条件に限定されるも
のではない。又、これらの組成物に光重合開始剤を適宜
添加して光硬化反応をすることも可能である。
【0011】本発明の硬化組成物を得る上記〜の反
応において、一般式(I) で表されるフタル酸エステル誘
導体の他に、例えば2−エチルヘキシルアクリレ−ト、
n−ブチルアクリレ−ト、2−ヒドロキシエチルアクリ
レ−ト等の単官能性モノマ−又はオリゴマ−、エチレン
グリコ−ルジメタクリレ−ト、1、4−ブタンジオ−ル
ジアクリレ−ト、ビスフェノ−ルA型ビニルエステル等
の二官能性モノマ−又はオリゴマ−、トリメチロ−ルプ
ロパントリアクリレ−ト、ペンタエリスリト−ルトリア
クリレ−ト、ジペンタエリスリト−ルヘキサアクリレ−
ト等の三官能性以上のモノマ−又はオリゴマ−を同時に
添加し重合性組成物として使用することもでき、その使
用量は一般式(I) で表されるフタル酸エステル誘導体を
含む重合性モノマ−又は重合性オリゴマ−100重量部
に対して5〜90重量部の範囲から選択して使用すれば
よい。又は必要に応じて、例えば重合禁止剤、可塑剤、
充填剤、顔料等を適宜使用することもできる。以下に本
発明の重合性組成物を構成する一般式(I) で表されるフ
タル酸エステル誘導体は文献未記載の新規化合物であ
り、その代表的な化合物を表4に例示するが、本発明は
これらに限定されるものではない。
【0012】〔表4〕
【0013】
【実施例】以下に本発明の重合性組成物を構成する一般
式(I) で表されるフタル酸エステル誘導体の合成例及び
本発明の代表的な実施例を示す。
【0014】合成例1: 4−トリフルオロメチル−ビ
ス(3−アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピル)フタ
レ−ト(化合物No.1)の製造 冷却管を備えた50mlの三っ口フラスコに4−トリフル
オロメチルフタル酸7.0g(30ミリモル)、アクリ
ル酸グリシジル8.1g(63ミリモル)、トリエチル
アミン0.06g(0.6ミリモル)、t-ブチルカテコ
−ル0.035g(0.3ミリモル)及びトルエン30
mlを入れ、100℃で3時間反応を行った。反応終了
後、反応液を冷却し、水洗した後トルエン層を濃縮し
た。濃縮物からカラムクロマトグラフィ−で単離するこ
とにより目的物8.7gを得た(収率59.2%)。
【0015】合成例2: 4−トリフルオロメチル−ビ
ス(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピル)フ
タレ−ト(化合物No.2)の製造 合成例1のアクリル酸グリシジルにかえて、メタクリル
酸グリシジル9.0g(63ミリモル)を使用し、合成
例1と同様にして反応させることにより目的物を11.
6g得た(収率 74.6%)。
【0016】合成例3: 4−トリフルオロメチル−ビ
ス(2−アクリロキシエチル)フタレ−ト(化合物No.
3)の製造3−1 冷却管を備えた50mlの三っ口フラスコに4−トリフル
オロメチル無水フタル酸4.3g(20ミリモル)、ア
クリル酸(2−ヒドロキシエチル)4.9g(42ミリ
モル)、トリエチルアミン0.4g(4ミリモル)及び
t-ブチルカテコ−ル0.012g(0.1ミリモル)を
入れ、100℃で4時間反応を行った。反応終了後、反
応液を冷却し、水洗した後トルエン層を濃縮した。濃縮
物からカラムクロマトグラフィ−で目的物を2異性体混
合物として6.0g得た(収率90.4%)。
【0017】3−2 冷却管を備えた50mlの三っ口フラスコに、合成例3−
1で得られた4−トリフルオロメチル−(2−アクリロ
キシエチル)フタレ−ト(2異性体混合物)6.0g
(18ミリモル)及び塩化チオニル3.2g(27ミリ
モル)を入れ、室温で1.5時間及び50℃で1時間反
応を行った。反応終了後,過剰の塩化チオニルを留去
し、濃縮物にアクリル酸(2−ヒドロキシエチル)2.
1g(18ミリモル)及びジクロロメタン20mlを加
え、冷却下にピリジン1.7g(21ミリモル)を徐々
に加え、室温下に1時間反応を行った。反応終了後、反
応液を水洗し濃縮した後。濃縮物よりカラムクロマトグ
ラフィ−で目的物を5.5g得た(収率 71.1
%)。
【0018】合成例4: 4−トリフルオロメチル−ビ
ス(3−メタクリロキシエチル)フタレ−ト(化合物N
o.4)の製造4−1 合成例3−1のアクリル酸(2−ヒドロキシエチル)に
かえて、メタクリル酸(2−ヒドロキシエチル)5.5
g(42ミリモル)を使用し、合成例3−1と同様に反
応を行い目的物を2異性体混合物として6.7g得た
(収率 96.8%)。
【0019】4−2 冷却管を備えた50mlの三っ口フラスコに、合成例4−
1で得られた4−トリフルオロメチル−(2−メタクリ
ロキシエチル)フタレ−ト(2異性体混合物)8.7g
(25ミリモル)及び塩化チオニル4.5g(38ミリ
モル)を入れ、室温で1.5時間及び50℃で1時間反
応を行った。反応終了後,過剰の塩化チオニルを留去
し、濃縮物にメタクリル酸(2−ヒドロキシエチル)
3.3g(25ミリモル)及びジクロロメタン20mlを
加え、冷却下にピリジン2.4g(30ミリモル)を徐
々に加え、室温下に1時間反応を行った。反応終了後、
反応液を水洗し濃縮した後、濃縮物よりカラムクロマト
グラフィ−で目的物を9.7g得た(収率 84.7
%)。
【0020】実施例1 合成例2で得られた4−トリフルオロメチル−ビス(3
−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピル)フタレ−
ト100重量部及びベンゾインエチルエ−テル3重量部
を揮発性溶媒(ジクロロメタン)に溶解し、試験板(ア
クリル樹脂、ガラス、鉄、ブリキ、アルミニウム)に塗
布し、溶媒を除去した後高圧水銀ランプを照射し、硬化
組成物を得た。
【0021】実施例2 実施例1で使用した4−トリフルオロメチル−ビス(3
−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピル)フタレ−
トに代えて、合成例1で得られた4−トリフルオロメチ
ル−ビス(3−アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピ
ル)フタレ−ト100部及びベンゾインエチルエ−テル
3重量部を使用し、実施例1と同様にして硬化組成物を
得た。
【0022】実施例3 実施例1で使用した4−トリフルオロメチル−ビス(3
−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピル)フタレ−
トに代えて、合成例4で得られた4−トリフルオロメチ
ル−ビス(2−メタクリロキシエチル)フタレ−ト10
0部及びベンゾインエチルエ−テル5重量部を使用し、
実施例1と同様にして硬化組成物を得た。
【0023】実施例4 実施例3で使用した4−トリフルオロメチル−ビス(2
−メタクリロキシエチル)フタレ−トに代えて、合成例
3で得られた4−トリフルオロメチル−ビス(2−アク
リロキシエチル)フタレ−ト100部及びベンゾインエ
チルエ−テル5重量部を使用し、実施例1と同様にして
硬化組成物を得た。
【0024】実施例5 合成例2で得られた4−トリフルオロメチル−ビス(3
−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピル)フタレ−
ト100重量部及び熱重合開始剤として過酸化ベンゾイ
ル3重量部を揮発性溶媒(ジクロロメタン)に溶解し試
験板に塗布した。溶媒を除去した後、90℃で1時間加
熱し硬化組成物を得た。
【0025】実施例6 実施例5で使用した4−トリフルオロメチル−ビス(3
−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピル)フタレ−
トに代えて、合成例1で得られた4−トリフルオロメチ
ル−ビス(3−アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピ
ル)フタレ−トを使用し、実施例5と同様にして硬化組
成物を得た。
【0026】実施例7
【化14】 合成例2で得られた4−トリフルオロメチル−ビス(3
−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピル)フタレ−
ト100重量及びm−キシリレンジアミン15重量部を
揮発性溶媒(ジクロロメタン)に溶解し試験板に塗布し
た。溶媒を除去した後、160℃で3時間加熱し、硬化
組成物を得た。
【0027】実施例8
【化15】 実施例7の4−トリフルオロメチル−ビス(3−メタク
リロキシ−2−ヒドロキシプロピル)フタレ−トに代え
て、合成例1で得られた4−トリフルオロメチル−ビス
(3−アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピル)フタレ
−トを使用し、加熱時間を1時間として実施例7と同様
に行い、硬化組成物を得た。
【0028】実施例9
【化16】 実施例7の4−トリフルオロメチル−ビス(3−メタク
リロキシ−2−ヒドロキシプロピル)フタレ−トに代え
て、合成例3で得られた4−トリフルオロメチル−ビス
(2−アクリロキシエチル)フタレ−トを使用し、実施
例7と同様に行い、硬化組成物を得た。
【0029】比較例1 実施例1の4−トリフルオロ−ビス(3−メタクリロキ
シ−2−ヒドロキシプロピル)フタレ−トに代えて、ビ
ス(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピル)フ
タレ−トを使用し、実施例1と同様にして硬化組成物を
得た。 比較例2 実施例5の4−トリフルオロ−ビス(3−メタクリロキ
シ−2−ヒドロキシプロピル)フタレ−トに代えて、ビ
ス(3−アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピル)フタ
レ−トを使用し、実施例5と同様にして硬化組成物を得
た。 比較例3 実施例7の4−トリフルオロ−ビス(3−メタクリロキ
シ−2−ヒドロキシプロピル)フタレ−トに代えて、ビ
ス(3−アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピル)フタ
レ−トを使用し、実施例7と同様にして硬化組成物を得
た。
【0030】実施例1乃至9及び比較例1乃至3で得ら
れた硬化組成物の物理的特性を下記に示す試験で評価し
た。1.接触角測定 :23℃において,接触角測定装置(エ
ルマ製)を使用して各硬化組成物に対する純水の接触角
を測定した。2.鉛筆引っかき試験 :JIS K 5400に従っ
て、各硬化組成物の硬度を測定した。3.碁盤目試験 :JIS K 5400に従って、各硬
化組成物を測定した。4.残留付着率試験 :JIS K 5400の碁盤目試
験で得た硬化組成物試料に粘着テープ(スコッチ#25
0、住友スリーエム製)を貼り合わせて2kgのローラ
ーで1往復圧着した後、一気に剥がし、残留している碁
盤目状の試料の数を調査した。
【0031】上記試験の結果を表1、表2及び表3に示
す。 該表から、本発明の硬化組成物は比較例の樹脂に比して
接触角が大きく、撥水性において優れていることが判
る。
【0032】 該表は、本発明の硬化組成物が比較例の樹脂と同様にア
クリル樹脂板及びガラス板に対して優れた密着性を有し
ていることを示している。
【0033】 該表から、本発明の硬化組成物は比較例の樹脂よりもア
クリル樹脂板に対する付着性が優れていることが判る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 弘 奈良県生駒市青山台138番地の17 (72)発明者 松川 公洋 大阪府富田林市寺池台5−9−21 (72)発明者 長谷川 喜一 大阪府大阪市天王寺区勝山2丁目10番4 号 (72)発明者 福田 明徳 奈良県生駒市新生駒台6番21号 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 20/30 C08F 18/14 C08L 31/06 C09D 131/06 C09J 131/06

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 〔式中、Rは同一又は異なってもよく、水素原子、低級
    アルケニル基、又は 【化2】 (式中、R1は同一又は異なってもよい水素原子又は水酸
    基を示し、R2は低級アルケニル基を示し、nは1〜3の
    整数を示す。)を示す。但し、2個のRは同時に水素原
    子を示すことはない。〕で表されるフタル酸エステル誘
    導体を主体とする光、熱又は電子線により硬化する重合
    性組成物。
  2. 【請求項2】 一般式(I) で表されるフタル酸エステル
    誘導体が下記一般式(I')で表される化合物である請求項
    1記載の光、熱又は電子線により硬化する重合性組成
    物。 【化3】 (式中、Rは前記に同じ。)
  3. 【請求項3】 一般式(I) 【化4】 〔式中、Rは同一又は異なってもよく、水素原子、低級
    アルケニル基、又は 【化5】 (式中、R1は同一又は異なってもよい水素原子又は水酸
    基を示し、R2は低級アルケニル基を示し、nは1〜3の
    整数を示す。)を示す。但し、2個のRは同時に水素原
    子を示すことはない。〕で表されるフタル酸エステル誘
    導体を主体とする重合性組成物を光、熱又は電子線によ
    り重合させてなる硬化組成物。
  4. 【請求項4】 一般式(I) で表されるフタル酸エステル
    誘導体が下記一般式(I')で表される化合物である請求項
    3記載の硬化性組成物。 【化6】 (式中、Rは前記に同じ。)
  5. 【請求項5】 一般式(I) 【化7】 〔式中、Rは同一又は異なってもよく、水素原子、低級
    アルケニル基、又は 【化8】 (式中、R1は同一又は異なってもよい水素原子又は水酸
    基を示し、R2は低級アルケニル基を示し、nは1〜3の
    整数を示す。)を示す。但し、2個のRは同時に水素原
    子を示すことはない。〕で表されるフタル酸エステル誘
    導体を主体とする重合性組成物を多官能性アミン類又は
    多官能性チオ−ル類と重合させてなる硬化組成物。
  6. 【請求項6】 一般式(I) 【化9】 〔式中、Rは同一又は異なってもよく、水素原子、低級
    アルケニル基、又は 【化10】 (式中、R1は同一又は異なってもよい水素原子又は水酸
    基を示し、R2は低級アルケニル基を示し、nは1〜3の
    整数を示す。)を示す。但し、2個のRは同時に水素原
    子を示すことはない。〕で表されるフタル酸エステル誘
    導体を主体とする重合性組成物100重量部に対して1
    〜60重量部の多官能性アミン類又は多官能性チオ−ル
    類とを重合させてなる請求項5記載の硬化組成物。
  7. 【請求項7】 一般式(I) で表されるフタル酸エステル
    誘導体が下記一般式(I')で表される化合物である請求項
    6記載の硬化性組成物。 【化11】 (式中、Rは前記に同じ。)
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