JP3160716B2 - 魚の活けしめ血抜き方法 - Google Patents

魚の活けしめ血抜き方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、魚肉の鮮度を高品
位に保つため活魚を絞めて血抜きする魚の活けしめ血抜
き方法に関し、とりわけ、活魚を保持手段により保持し
つつ活けしめ血抜きするような魚の活けしめ血抜き方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】カツオ,マグロ,ハマチ及びサケなど魚
類の肉は、牛や豚など家畜の肉に比べて高度不飽和脂肪
酸が多いため、健康保持に有効な食品としての評価が高
まっている。
【0003】魚の鮮度を高品位に保つため、活けしめと
血抜きを行うことが欠かせない。これには、熟練した作
業員が包丁,錐,手鉤等の刃物で魚の延髄を切断するこ
とにより活けしめており、さらに魚の血管を切断するこ
とにより血抜きを行っている。
【0004】この活けしめと血抜きは、特に大型魚の場
合はできるだけ手早く実施したい。即ち、船上に引き上
げた魚は激しくあばれるため、打撲による内出血があ
り、アデノシン三リン酸(ATP)を消費し、乳酸が増
加してpH値の低下を招くなどにより、肉品質が低下し
てしまうことから、活けしめをできるだけ手早く実施し
たいという要求がある。
【0005】一方、活けしめだけでは、魚肉中のヘモグ
ロビン減少がなく血生臭くなり、ヘモグロビンがデオキ
シ型に変化して肉色の褐色化が進む。また、血中には各
種の酵素が含まれているため、魚肉に血がまわった状態
では脂肪質の酸化やATP化合物の分解及び肉の軟化が
進んでしまい、即ち鮮度がどんどん落ちていく。さら
に、サバ科のマグロやカツオなどは、外洋を群れて回遊
する習性により環境水温よりも高い体温を保つ特質があ
って延髄部を切断する活けしめだけでは体温が高くて冷
却に時間がかかり、これも肉品質の低下を招く。このた
め、活けしめした後に直ちに血抜きを行う必要性があ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来の魚の活けしめ血抜き方法にあっては、手作業なの
で効率が悪く、熟練を要するという問題があった。
【0007】また、大型魚の活けしめでは、あばれたと
きの力が強くて危険が大きく、手慣れた熟練者であって
も打撲による内出血を防げなく、そのため肉品質が低下
してしまうという問題があった。
【0008】そこで、本発明はかかる従来の課題に鑑み
てなされたものであって、活けしめと血抜きを手間なく
容易で安全に行うことができ、特に保持手段で魚体を保
持することにより、大型魚であっても活けしめ血抜き処
理の自動化が図れて魚肉の鮮度を高品位に保つことがで
きる魚の活けしめ血抜き方法を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに本発明の請求項1に示す魚の活けしめ血抜き方法
は、直径が8〜20mmの掘削ドリルにより活魚の脳か
ら延髄及びえらに達してくりぬくことを行う。
【0010】また、本発明の請求項2に示す魚の活けし
め血抜き方法は、奥下がりに傾斜させた支持台の両側に
挟み板を配置し、かつ当該支持台の奥側に当て止め部材
を設け、前記支持台へ活魚を頭側から投入し、活魚の体
側へ挟み板を押し当てて挟み押さえる挟み動作を複数回
繰り返し固定した後に、くりぬくことを行う。
【0011】
【0012】以上の工程により、請求項1の魚の活けし
め血抜き方法は、掘削ドリルにより活魚の脳から延髄及
びえらに達してくりぬくので、その脳と延髄を掘削する
ことにより活けしめが完了し、さらに掘削がえらに達し
て行われるので、脳から延髄そしてえらとを貫通する孔
があき、えらに達した貫通孔から血が抜ける。即ち、活
けしめと血抜きを一括に行える。
【0013】また、請求項2の魚の活けしめ血抜き方法
は、奥下がりに傾斜させた支持台へ活魚を頭側から投入
するが、支持台の奥側に設けた当て止め部材に口先が当
たるので、対向する挟み板の狭間空間に止まり、次に活
魚の体側へ挟み板を押し当てて挟み押さえる挟み動作を
複数回繰り返すので、挟み動作中にあばれて背部が下で
腹部が上に逆転しても、腹部が背部より柔らかいために
生じる正立モーメントの作用で、背部が上で腹部が下の
正常姿勢に戻して挟み押さえることができる。そして、
掘削ドリルに対して正しい位置に固定でき、さらに頭部
が低くなる傾斜姿勢に魚体が保持されているので、えら
に達した貫通孔から血が抜けやすい。
【0014】この場合、対向する挟み板の狭間に活魚を
投入するので、投入後はその狭い空間では大きくあばれ
ることができない。
【0015】また、挟み板及び掘削ドリルに駆動手段を
付設し、活魚の投入を検知手段により検知して、その検
知信号により駆動手段を起動させ、掘削動作を順次に連
動して行わせることができる。
【0016】また、請求項1の魚の活けしめ血抜き方法
は、直径が8〜20mmの掘削ドリルを用いるので、活
魚の種類や大きさ等に対応して最適のドリル径を設定で
きる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の魚の活けしめ血抜
き方法の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0018】図1〜4は、本発明の一実施形態を示し、
図1は魚の活けしめ血抜き装置の斜視図、図2はその魚
の活けしめ血抜き装置の側面図、図3は図2の魚の活け
しめ血抜き装置を上から見た図、図4は図2の魚の活け
しめ血抜き装置を正面から見た図である。
【0019】この魚の活けしめ血抜き装置は、本発明に
かかる魚の活けしめ血抜き方法を適用したもので、本体
1に、支持台10,挟み板2及びその駆動部20,押さ
え部30,掘削部40とを備えて構成されている。
【0020】本体1はフレーム材をブロック状に組んだ
枠組み体であり、その底側枠組みに支持台10が取り付
けられている。本体1の底側枠組みの四隅には、キャス
タ3がそれぞれ配置され、それら4個のキャスタ3によ
り自在に移動できる構成とされている。そして、一方の
二隅には、キャスタ3との間に伸縮可能な支柱4が介装
され、それら二つの支柱4を伸長させることで本体1つ
まり支持台10を奥下がりに傾斜させられるようになっ
ている。支柱4を取り付けた枠組みの上縁部には、ハン
ドル棒11が取り付けられ、ハンドル棒11の下側で支
柱4の上側が活魚Fを投入する投入口となる。本体1の
天側枠組みには制御ボックス12が設けられており、そ
の制御ボックス12に電気系統及び空気圧系統が収めら
れ、スイッチ操作を行えるようになっている。
【0021】挟み板2は、上述した活魚Fの投入口側か
ら見て(図4)、二枚が支持台10の中央線を挟んで対
向して配置され、上方に配置した駆動部20の駆動によ
り両挟み板2の間に置いた活魚Fを挟み押さえるように
なっている。
【0022】つまり、各挟み板2は帯形状で対向面が短
辺側の断面で見ると外側に膨らむ湾曲形状に成形され、
長さ及び幅が、挟み込む活魚Fの体長及体高と略同一程
度に設定されており、その湾曲形状の押し当て面に活魚
Fの体側がフィットされる。そして、駆動部20は、挟
み板2の上方で、リニアガイド21が挟み板2の対向面
と直交する方向に延びて配設され、そのリニアガイド2
1には二つの可動プレート22が移動可能に嵌め合わさ
れている。各可動プレート22にはそれを駆動するエア
シリンダ24がそれぞれ連結されると共に、挟み板2が
ブラケット23を介して固定され、それらエアシリンダ
24に圧縮空気を送り込むことにより各可動プレート2
2を移動させる構成とされていて、これにより対向する
挟み板2が挟み合わせ動作するようになっている。
【0023】なお、挟み板2にはブラケット23との連
結部分に連結金具25が設けられていて、その連結金具
25がブラケット23と連結され、ブラケット23との
連結位置を、投入口から奥へ向かう方向について調節で
きるように構成されている。この挟み板2の支持位置
は、当該帯状板の長手中央ではなく投入口側に寄せられ
ていて、活魚Fを押し挟んだ際に、胴体の最太部分より
も尻尾側となるように設定されている。そして、ブラケ
ット23にはねじり剛性が適切に設定されており、この
ため活魚Fを挟み込んだ際は、挟み板2がその支持位置
まわりに尻尾側へ適度に歪み合わさり、その尻尾を頭側
へ押し出す作用力を発揮する。
【0024】押さえ部30は、挟み板2の奥側に配置さ
れ、一対の押さえ金具31により、頭側から投入された
活魚Fの口先を当て止めると共に、押さえ金具31の奥
先部分に設けられた口先感知センサー60に活魚の口先
が接触することにより、活魚が頭部から侵入してきたこ
とを感知できるようになっている。
【0025】つまり、各押さえ金具31は、活魚Fの口
先部分の右側あるいは左側にフイットして被さる形状に
形成され、回動アーム32の先端に固着されて二枚が支
持台10の中央線を挟んで対向して配置されている。そ
して、各回動アーム32は、支持台10に設けた支軸1
3へ略中央部が嵌め合わされて回転可能に軸支持され、
他端にはエアシリンダ33が連結されており、それらエ
アシリンダ33に圧縮空気を送り込むことにより各回動
アーム32を回転動作させる構成とされていて、これに
より対向する押さえ金具31が開閉するようになってい
る。押さえ金具31は、通常は閉じた状態となってお
り、活魚排出時に開いた状態となる。
【0026】活魚Fの投入口側から見て、一対の押さえ
金具31が閉じた状態で対向して形成している内側空間
は、奥先にすぼまる略カップ状の空間になっている。従
って、回動アーム32を駆動しない待機状態で、投入さ
れた活魚Fはその口先が一対の押さえ金具31の奥先部
分に設けられた口先感知センサー60に押し当たり、こ
れより先への移動が当て止められると共に、活魚Fが頭
部から侵入してきたことを感知できるようになってい
る。そして、活魚Fが尻尾側より侵入し、口先感知セン
サー60に押し当たらない場合には、一対の押さえ金具
31を解放し、活魚Fを排出する。
【0027】掘削部40は、本体1の奥側で押さえ部3
0の上方に配置されており、掘削ドリル41により活魚
Fの頭部を掘削するようになっている。つまり、駆動モ
ータ42の回転軸に掘削ドリル41が取り付けられ、そ
の駆動モータ42が、リニアガイド43に移動可能に嵌
め合わされた可動プレート44に固定されていて、可動
プレート44を駆動するエアシリンダ45に圧縮空気を
送り込むことにより駆動モータ42を斜め上下方向に移
動させる構成とされている。リニアガイド43の移動案
内については、掘削ドリル41が、駆動モータ42の移
動に連れて活魚Fの脳から延髄及びえらに達してくりぬ
くように各部が設定されている。
【0028】掘削ドリル41のドリル径は、活魚Fの種
類や大きさ等に対応して設定されるが、8〜20mm
ものを用いる。
【0029】本体1の活魚Fの投入口側には、検知セン
サ50が設けられており、投入された活魚Fを検知する
ようになっている。ここでは、検知センサ50にはマイ
クロスイッチによる接触型センサが用いられており、駆
動部20の手前に配置した検知センサ50から延びる接
触棒51に、投入された活魚Fが接触し、それによって
検知信号が出力され、一連のシーケンスを開始する構成
とされている。もちろん、検知センサとしては、赤外線
センサなどの非接触型センサを用いてもよい。
【0030】なお、本体1や支持台10などの構成各部
は、ステンレス等の耐腐蝕性に優れた材料から形成され
ており、電気系統及び空気圧系統には防水のための加
工,処理が施されている。これらはもちろん当該装置が
船上等の水と親密な環境で使用されることによる。
【0031】このように構成した魚の活けしめ血抜き装
置を、次のように操作して活けしめ及び血抜きを行う。
【0032】まず、図5(A)に示すように、支持台1
0へ活魚Fを頭側から投入する。これにより活魚Fは、
その胴体部分が挟み板2の対向狭間に位置し、口先は押
さえ金具31の対向空間に収まって当て止められる。
【0033】そして直ちに駆動部20を起動し、図5
(B)に示すように、活魚Fの体側へ挟み板2を押し当
てて挟み押さえる挟み動作を複数回繰り返す。本実施形
態では挟み動作を2回繰り返す設定にしている。即ち、
挟み板2の対向狭間に投入した活魚Fは、あばれようと
するため挟み動作中に背部が下で腹部が上の逆転姿勢に
なり、一回の挟み動作ではそのまま挟み押さえられてし
まうことがある。しかし、挟み押さえをいったん緩めて
再度挟み動作を行うと、逆転姿勢の活魚Fは背部を上に
しようとする正立モーメントのため正常姿勢に戻り、従
って、挟み動作を2回繰り返すことにより、ほぼ間違い
なく活魚Fを背部が上になる正常姿勢で挟み押さえられ
る。さらに、勢い良く活魚Fが侵入し、口先感知センサ
ー60に当たり、跳ね返って固定が不自然な状態になっ
た場合にも、挟み動作を複数回繰り返すことにより、適
正な位置での固定が可能となる。さらに、この挟み動作
では、挟み板2がその支持位置まわりに尻尾側へ適度に
歪み合わさって尻尾を頭側へ押し出す作用力を発揮する
ので、活魚Fの口先を、押さえ金具31がなす内側空間
へ正しく収めさせることができる。
【0034】そして、活魚の口先が、押さえ金具31の
奥先部分に設けられた口先感知センサー60に接触し、
活魚が頭部から侵入してきたことを感知すれば、挟み板
2により活魚Fを固定し、掘削ドリル41に対する位置
が定まり固定される。なお、押さえ金具31が活魚の目
を隠すことにより、あばれ動く動きを封止でき、口先の
押さえ位置が定まるので、魚体の固定位置を正しく所定
位置に確定できると共に、ドリル処理による活魚Fの頭
部の持ち上がりを防止する。
【0035】次に、掘削部40を起動し、図5(C)に
示すように、掘削ドリル41により活魚Fの脳から延髄
及びえらに達してくりぬく。従って、支持台10上で挟
み押さえた活魚Fは、脳と延髄が掘削されるので活けし
められる。さらに、掘削がえらに達して行われるので、
脳から延髄そしてえらとを貫通する孔があき、支持台1
0が奥下がり傾斜されていて、絞めた魚Fが、頭部が低
くなる傾斜姿勢に保持されているのでえらに達した貫通
孔から血が抜ける。即ち、活けしめと血抜きを一括に行
える。
【0036】ところで、活魚Fの投入があると、検知セ
ンサ50から検知信号が出力されるので、この検知信号
により駆動部20を起動させ、さらに掘削部40を順次
に連動して起動させることにより、活魚Fの体側の挟み
押さえと、脳から延髄及びえらに達してくりぬく掘削と
を自動的に行うことができ、活けしめ血抜き処理を自動
化することができる。
【0037】以上の工程により本実施形態の魚の活けし
め血抜き方法は、奥下がりに傾斜させた支持台10へ活
魚Fを頭側から投入し、活魚Fの体側へ挟み板2を押し
当てて挟み押さえる挟み動作を複数回繰り返すので、挟
み動作中にあばれて背部が下で腹部が上の逆転姿勢で挟
み押さえたものを正立モーメントの作用により正常姿勢
に戻して挟み押さえることができる。そして、押さえ金
具31により活魚の目を隠すことにより、あばれ動く動
きを封止でき、ドリル処理による活魚Fの頭部の持ち上
がりを防止するので、掘削ドリル41に対して正しい位
置に固定でき、その掘削ドリル41により活魚Fの脳か
ら延髄及びえらに達してくりぬくので、活けしめが行え
ると共に、魚体は頭部が低くなる傾斜姿勢に保持されて
いるので、えらに達した貫通孔から血が抜け、活けしめ
と血抜きを一括に行える。
【0038】この場合、対向する挟み板2の狭間に活魚
Fを投入するので、投入後はその狭い空間では大きくあ
ばれることができなく、打撲による肉品質の低下を防ぐ
ことができ、その挟み板2と押さえ金具31で魚体を保
持することから、大型魚であっても活けしめと血抜きを
手間なく容易で安全に行うことができる。
【0039】また、活魚Fの投入があると、検知センサ
50から検知信号が出力されるので、この検知信号によ
り駆動部20を起動させ、さらに押さえ部30及び掘削
部40を順次に連動して起動させることにより、体側そ
して口先の挟み押さえと、脳から延髄及びえらに達して
くりぬく掘削とを自動的に行うことができ、活けしめ血
抜き処理を自動化することができる。
【0040】その結果、魚肉の鮮度を高品位に保つこと
ができる。
【0041】
【実施例】本発明にかかる魚の活けしめ血抜き方法の有
用性を確認するため、次のように試験等を行った。
【0042】(実施例1)まず、冷凍試験を行った。こ
の冷凍試験に用いた活魚はカツオであり、漁業試験船の
船上で実施した。即ち、一本釣りしたカツオを船上で処
理し、冷凍庫に収容して魚体温度が低下していく経過を
時間で追った。具体的には、手作業により掘削ドリルで
脳から延髄及びえらに達してくりぬいたサンプルPと、
手作業により延髄を切断して活けしめたサンプルQと、
サンプルQからえら及び内蔵を除去したサンプルRとを
用意して、それらを急速に冷凍させて魚体の中心温度を
測定した。冷凍庫には−60℃まで急速に冷凍し得るエ
アーブラスト式のものを使用した。図6はその測定結果
を示すグラフ図である。その結果、0℃までの魚体温度
を見ると、サンプルP、つまり本発明方法により処理し
たカツオが最も速く低下しており、魚肉を高品位に保つ
ためには好ましく、その有用性を確認できた。
【0043】(実施例2)魚肉の肉色及びpHを測定し
た。具体的には、無処理カツオサンプルS、撲殺(即殺
無放血)のサンプルT、延髄刺殺後血抜き(即殺放血)
のサンプルUを用意し、肉色は色差計で、そしてpHは
pH計で測定を行っており、図7(A),(B)は、そ
の測定結果を示すグラフ図である。その結果、サンプル
U、つまり本発明方法により処理したカツオが、赤みが
よく、pH値も中性に近いことを確認できた。
【0044】(実施例3)魚肉の試食を行って味と肉色
について調査した。試食は上記したサンプルS,サンプ
ルUを用意し、仲買人等の市場関係者複数人で行った。
図8はその試食の評価結果をまとめたグラフ図である。
その結果、サンプルU、つまり本発明方法により処理し
たカツオが、味及び肉色がよいことを確認できた。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように本発明の魚の活けし
め血抜き方法は、次に示すような優れた効果を奏する。
【0046】(1)請求項1の魚の活けしめ血抜き方法
は、掘削ドリルにより活魚の脳から延髄及びえらに達し
てくりぬくので、活けしめが行えると共に、えらに達し
た貫通孔から血が抜け、活けしめと血抜きを一括に行え
る。
【0047】その結果、魚肉の鮮度を高品位に保つこと
ができる。
【0048】(2)請求項2の魚の活けしめ血抜き方法
は、奥下がりに傾斜させた支持台へ活魚を頭側から投入
するが、支持台の奥側に設けた当て止め部材に口先が当
たるので、対向する挟み板の狭間空間に止まり、次に活
魚の体側へ挟み板を押し当てて挟み押さえる挟み動作を
複数回繰り返すので、挟み動作中にあばれて背部が下で
腹部が上に逆転しても正立モーメントの作用により正常
姿勢に戻して挟み押さえることができる。そして、掘削
ドリルに対して正しい位置に固定でき、さらに魚体は頭
部が低くなる傾斜姿勢に保持されているので、えらに達
した貫通孔から血が抜けやすい。
【0049】この場合、対向する挟み板の狭間に活魚を
投入するので、投入後はその狭い空間では大きくあばれ
ることができなく、打撲による肉品質の低下を防ぐこと
ができ、その挟み板と押さえ手段で魚体を保持すること
から、大型魚であっても活けしめと血抜きを手間なく容
易で安全に行うことができる。
【0050】また、挟み板及び掘削ドリルに駆動手段を
付設し、活魚の投入を検知手段により検知して、その検
知信号により駆動手段を起動させ、挟み動作及び掘削動
作を順次に連動して行わせることにより、挟み押さえと
脳から延髄及びえらに達してくりぬく掘削とを自動的に
行うことができ、活けしめ血抜き処理を自動化すること
ができる。
【0051】(3)請求項1の魚の活けしめ血抜き方法
は、直径が8〜20mmの掘削ドリルを用いるので、活
魚の種類や大きさ等に対応して最適のドリル径を設定で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するための魚の活けしめ血抜き装
置の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1に示す魚の活けしめ血抜き装置の側面図で
ある。
【図3】図2に示す魚の活けしめ血抜き装置を上から見
た図である。
【図4】図2に示す魚の活けしめ血抜き装置を正面から
見た図である。
【図5】本発明の一例を説明する工程図である。
【図6】実施例1の冷凍試験における温度変化を示すグ
ラフ図である。
【図7】実施例2の魚肉特性値の測定結果を示すグラフ
図であり、(A)は肉色、(B)はpH値の測定値を示
す。
【図8】実施例3の試食調査結果を示すグラフ図であ
る。
【符号の説明】
2 挟み板 10 支持台 30 押さえ部(押さえ手段) 31 押さえ金具(当て止め部材) 41 掘削ドリル(掘削手段) F 活魚
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 戸島 勇市 宮崎市平和ヶ丘西町34−1 県共済332 号 (56)参考文献 特開 平8−173020(JP,A) 実開 平7−24079(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A22C 25/00,25/14

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直径が8〜20mmの掘削ドリルにより
    活魚の脳から延髄及びえらに達してくりぬくことを特徴
    とする魚の活けしめ血抜き方法。
  2. 【請求項2】 奥下がりに傾斜させた支持台の両側に挟
    み板を配置し、かつ当該支持台の奥側に当て止め部材を
    設け、前記支持台へ活魚を頭側から投入し、活魚の体側
    へ挟み板を押し当てて挟み押さえる挟み動作を複数回繰
    り返し固定した後に、くりぬきを行うことを特徴とする
    請求項1に記載の魚の活けしめ血抜き方法。
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Cited By (2)

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