JP3160557U - ランドセル - Google Patents

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敬生 池田
敬生 池田
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Abstract

【課題】背当て体と背中が密着している状態でも高温の体熱を吸収し、発熱することにより体感温度を下げて快適な温度になるランドセルを提供する。【解決手段】背当て体1と、その背当て体の背後に設けられる収容部と、その収容部の上部開口を覆う覆い蓋4と、前記背当て体の上部と収容部の底面との間に設けられる一対の背負いベルト5とを備えたランドセルAであって、背当て体1は、下地ボード6と、その下地ボードの上に設けられる発泡体からなる支持層8と、その支持層の上に設けられる熱吸収放散シート9と、それらを覆う柔軟なカバーシート10とから構成され、熱吸収放散シート9が、基材と、その基材に含有または付着せしめた熱吸収拡散剤とからなるランドセルA。【選択図】図1

Description

本考案は温度を適切に維持するランドセルに関する。さらに詳しくは、周囲の温度変化に対して適正な温度を維持するように、熱を吸収・放散することができる、装着感がすぐれたランドセルに関する。
特許文献1は、ランドセルの生地に断熱層を設けることを提案している。このような断熱層として、ポリエステルのトリコット地にチタン合金をコーティングしたものがあげられている。このようなランドセルは、太陽の熱で外皮体の温度が上昇しても背当て板までは熱が伝わらず、高温にはならない。
また、一般にランドセルは、書類などを保護するため、背当て体に縫い糸が通る程度の軟質の合成樹脂板、パーティクルボード、ベニヤ板あるいはボール紙などの下地ボードを用いている。そしてその下地ボードの上に、背中にソフトな感触を与えるためにスポンジやフェルト地などのクッション材を重ね、さらにその上に天然または合成皮革などの柔軟なカバーシートを被せて構成している。特許文献2は、ランドセルの背当て板に粘着弾性を有する連続気泡の発泡体からなる支持層を設けることを提案している。このものはクッション性を与えることができ、しかも使用者が走ってもランドセルが大きく跳ねない。
ところで近時、ランドセルと背中の密着性を高めるため、左右の背負いベルトの上端を背当て板に対して上向きに立ち上がるように(ベルトから見れば下向き)、ほとんど回動しないように取り付けたランドセルがある(特許文献3など参照)。このようなランドセルでは、背負いベルトの端部に弾力性を有する合成樹脂板を挿入し、あるいは沿わせて、背負いベルトが折れ曲がらないようにし、それにより背負いベルトが背中に密着するようにしている。
特開2002−165625号公報 特開2000−60620号公報 特開2004−358019号公報
特許文献1の断熱層は、太陽熱などの外部から受ける熱に対してランドセルの使用者を保護することができる。しかし使用者自身が発生する体温による熱は外部に放出されず、背中が蒸れたり、汗でべとつくなどの問題がある。特許文献2の粘着弾性を有する支持層を設けた背当て体は、背中の凹凸形状に倣わせて局部的に大きな力が加わらないようにし、ソフトな感触を与えることができる。さらに背中に背当て体が密着して軽快感が得られる。しかし背当て体が背中に密着するため、さらに体温が蓄積しやすい。とくに特許文献3のランドセルのようなベルト連結具を用いる場合も、背中が背当て体に密着するため同様である。
他方、背負う前のランドセルは、夏場は高温になりやすく、背負った直後は熱く感ずる。逆に冬期など、外気温が低いときは、ランドセルの温度が低下しており、背負うと冷たく感ずる。さらにそれだけでなく、急激に体温が奪われ、気分が悪くなることもある。また、冬場であっても長時間背負っていると、背当て体と背中が密着するのである程度は暖
かくはなるが、積極的に発熱するものではないので、しだいに体温が奪われて寒く感ずることがある。
本考案は背当て体と背中が密着している状態でも適切な温度に維持することができ、夏冬を問わず、快適に使用することができるランドセルを提供することを技術課題としている。
本考案のランドセル(請求項1)は、背当て体と、その背当て体の背後に設けられる収容部と、その収容部の上部開口を覆う覆い蓋と、前記背当て体の上部と収容部の底面との間に設けられる一対の背負いベルトとを備えたランドセルであって、前記背当て体が、下地ボードと、その下地ボードの上に設けられる合成樹脂発泡体からなる支持層と、その支持層の上に設けられる熱吸収放散シートからなり、前記熱吸収放散シートが、基材とその基材に含有または付着せしめた熱吸収拡散剤とからなり、その熱吸収拡散剤が、少なくともヒトの皮膚表面温度より高温で液体となり、低温で個体となるパラフィンワックスであり、マイクロカプセルに充填された上で前記基材に含有または付着されていることを特徴としている。
このようなランドセルにおいては、前記背当て体に熱吸収放散シートが2枚以上重ねて設けられているものであってもよい(請求項2)。また、前記背当て体にU字状の隆起部が設けられており、前記熱吸収放散シートがそ隆起部の上面に沿って設けられているものであってもよい(請求項3)。さらに前記背当て体が平坦に構成されており、その平坦な面に前記熱吸収放散シートが設けられているものであってもよい(請求項4)。
また、前記背負いベルトが、下地シートと、その下地シートの上に設けられる熱吸収放散シートとから構成されているものが好ましい(請求項5)。その場合、前記下地シートと熱吸収放散シートの間に発泡体からなる支持層が介在されているものが好ましい(請求項6)。さらに前述のいずれのランドセルにおいても、熱吸収放散シートの表面が、柔軟なカバーシートによって覆われているものが好ましい(請求項7)。その場合、前記熱吸収放散シートとカバーシートとの間に、発泡体からなる中間層が介在されているものがさらに好ましい(請求項8)。
また、背負いベルトの上部が、背当て体に対し、その上端近辺から上向きに立ち上がるように取り付けられているランドセルであってもよい(請求項9)。また、前記支持層が、粘着弾性を有する連続気泡の発泡体製のクッションシートを有するものであってもよい(請求項10)。
本考案のランドセル(請求項1)は、背当て体を構成する下地ボードの上に熱吸収放散シートが設けられているので、背負っているときに体温により背当て体の温度が上昇すると熱を吸収し、外気などにより温度が低下すると熱を放散する。そして温度が適正になると熱の吸収または放散が止まる。したがって適切な温度に維持される。他方、背負っていないときにランドセルの温度が周囲の寒気で低下しても熱吸収放熱シートが発熱し、適正な温度になると発熱が止まる。したがって背負った直後でもそれほど冷たく感じない。また、夏期にランドセルを放置していてもそれほど背当て体の温度が上昇せず、背負ったときに熱く感じない。したがってすぐれた装着感が得られる。
すなわち使用者の体温が上昇して皮膚温度が上昇すると、パラフィンワックスが固体から液体になり、そのときに熱を吸収する。逆に皮膚温度が低下すると、液体から固体になり、そのときに熱を発生する。このようにパワフィンワックスの固体と液体の間での変化
により適切な温度が維持されるので、別途熱源やエネルギを必要とせず、省エネである。また、パラフィンワックスはマイクロカプセルに充填されているので、液体になっても漏洩することがない。
さらにランドセルを背負ったときは、合成樹脂発泡体からなる支持層の変形性および弾発性により背当て体への背中の密着性が高く、一層装着感がよい。そして背当て体が背中に密着しても、前述のように熱吸収放散シートによって背当て体の温度が適切に維持されるため、さらに使用感が優れている。
前記背当て体に熱吸収放散シートが2枚以上重ねて設けられているランドセル(請求項2)では、背中の温度を調節する機能が一層向上する。
前記背当て体にU字状の隆起部が設けられており、前記熱吸収放散シートがそ隆起部の上面に沿って設けられている場合(請求項3)は、隆起部による凹凸が大きい場合でも、熱吸収放散シートに皺がよりにくく、外観を損なわない。他方、前記背当て体が平坦に構成されており、その平坦な面に前記熱吸収放散シートが設けられている場合(請求項4)も、熱吸収放散シートに皺がよりにくく、外観が優れる。
上記構成に加えて、さらに背負いベルトが、下地シートと、その下地シートの上に設けられる熱吸収放散シートとから構成されている場合(請求項5)は、ランドセルを背負ったとき、背負いベルトの支持層の変形性および弾発性により背当て体への背中の密着性が高く、装着感がよい。そして背当て体が背中に密着しても、前述のように熱吸収放散シートによって背当て体の温度が適切に維持されるため、使用感が優れている。
上記構成に加えて、さらに背負いベルトの下地シートと熱吸収放散シートの間に発泡体からなる支持層が介在されている場合(請求項6)は、ランドセルを背負ったとき、支持層の変形性および弾発性により背負いベルトの体への密着性が高く、装着感がよい。そして背負いベルトが体に密着しても、前述のように熱吸収放散シートによって背負いベルトの温度が適切に維持されるため、使用感が優れている。
前記いずれのランドセルでも、熱吸収放散シートの表面が柔軟なカバーシートによって覆われている場合(請求項7)は、熱吸収放散シートが体に直接接触せず、カバーシートが介在するので、体との摩擦によって摩耗したり、熱吸収拡散剤が脱落したりすることが少ない。また、前記熱吸収放散シートとカバーシートとの間に、発泡体からなる中間層が介在されている場合(請求項8)は、熱吸収放散シートが下地ボードや下地シートの凹凸に沿わせて張られる場合でも、中間層によって凹凸が吸収され、カバーシートの表面に皺が現われにくい。
背負いベルトの上部が、背当て体に対し、その上端近辺から上向きに立ち上がるように取り付けられているランドセルに用いる場合(請求項9)は、背当て体が使用者の背中に密着するため、温度を適切に維持する機能が有効に発揮される。前記支持層が、粘着弾性を有する連続気泡の発泡体からなるクッションシートを有する場合(請求項10)も、背当て体が使用者の背中にフィットし、しかも弾むような弾力性を発揮しないため、使用者が走ったり跳ねたりしても、ランドセルが背中から大きく離れることがなく、適度な密着状態が維持される。そのため温度を適切に維持する機能が一層有効に発揮される。
本考案のランドセルの一実施形態を示す一部切り欠き斜視図である。 図1のランドセルに用いる背当て体の断面図である。 図1のランドセルに用いる背負いベルトの断面図である。 本考案のランドセルに用いる背当て体の他の実施形態を示す断面図である。 本考案のランドセルに用いる背当て体のさらに他の実施形態を示す断面図である。 図6a、図6bはそれぞれ本考案のランドセルに用いる背当て体のさらに他の実施形態を示す正面図である。 本考案のランドセルに用いる背当て体のさらに他の実施形態を示す断面図である。 実施例および比較例の実験1の結果を示すグラフである。 実施例および比較例の実験2の結果を示すグラフである。
図1のランドセルAは、背当て体1と、その後部の両側に設けられる側襠部2、2と、それらの側襠部を含む箱状の収容部3と、その収容部の上部開口を覆う覆い蓋4と、2本の背負いベルト5とから構成されている。背当て体1は下地ボード6と、その上に全体に重ねたクッションシート7と、そのクッションシートの上に重ねて下地ボード6の下側と両側部にU字状を呈するように設けた支持層8と、クッションシート7と支持層8の全体の表面を覆う熱吸収放散シート9と、それらの全体を覆うカバーシート10とから構成される。なおカバーシート10の周囲は押え地11で覆って下地ボード6に対して糸で縫いつけている(図2参照)。
カバーシート10は支持層8の内側の周縁に沿って下地ボード6に糸で縫いつけられている。そのため、支持層8に対応するU字状の領域8aは他の部分に対して隆起している(以下、その領域を隆起部8aという)。また背当て体1の上部には支持層8や熱吸収放散シート9、クッションシート7を挿入せず、背負いベルト5の上端を止めるためのベルト連結具(いわゆる背鐶(セカン))12を固定している。ベルト連結具12は左右2本の背負いベルト5の端部を背当て体1に連結する一対の略三角形のリング状の連結鐶13を備えている。
連結鐶13は背当て体1に対し、回動範囲を規制して上向きに立ち上がるように保持されており、さらに背負いベルト5の端部近辺には、背負いベルト5が屈曲しないように、合成樹脂製の保持プレート(立状保持部材)14を挿入しており、その保持プレート14と背負いベルト5の端部近辺が連結鐶13に対して回動範囲を規制して上向きに立ち上がるように保持されている(図3参照)。
下地ボード6はたとえば合成樹脂製の板など、従来公知のものでよく、カバーシート10、押え地11なども従来のもの、たとえば天然皮革または合成皮革を使用しうる。ただし織布の生地であってもよい。前記クッションシート7は、通常の弾力性を有する発泡シート、たとえばウレタンフォームのシートを下地ボード6の形状に合わせて矩形状に切断したものである。前記支持層8としては、粘着弾性を有する発泡体を厚さ3〜20mm程度、好ましくは5〜10mm程度にスライスし、さらにU字状に打ち抜いたものが用いられる。発泡シートの形態に成形したものを、単にU字状に打ち抜いて使用することもできる。その場合、U字状に打ち抜いた内側の部分は、後述する背負いベルト5の発泡シートとして利用しうる。また3枚の長尺状の支持層をU字状に並べるようにしてもよい。
粘着弾性を有する発泡体としては、合成樹脂またはゴムなど素材の如何を問わず、発泡体の気泡自体および気泡間の連通孔をきわめて小さくして(たとえば直径5〜1000μm、とくに50μm〜500μm程度)空気の流通抵抗を大きくしたもの、素材自体に粘着性があるもの、通常の発泡体に粘着性のある材料を含浸または付着させたもの、さらにそれらを組み合わせたものなど、種々の態様のものが含まれる。
それらの粘着弾性を有する発泡体としては、米国のダイナミック・システム社が製造販売する衝撃吸収用の樹脂発泡体である「テンパーフォーム(TEMPER FOAM:登
録商標)」のタイプT−47、T−41、T−38、T−36など、またはこれらと同等の性能を有するものがとくに好ましい代表例としてあげられる。また、メモリーフォーム(MEMORY FORM:登録商標)の商品名で市販されているものも同様に使用しう
る。これらは衝撃や振動の吸収・拡散性能が高いほか、通気性および熱吸収性が高く、吸湿・透湿性が高いので、背中にフィットするにも拘らず、背中に汗をかいたときに蒸れや汗によるべたつき、汚れを防止する効果がある。また軽量であるので(比重約0.1)、使用者の負担が軽いという利点がある。
粘着弾性を有する発泡シートからなる支持層8は、通常は厚さ10〜20mm程度のものを1枚だけ使用するが、図2に示すように、厚さ3〜5mm程度のシートを3〜5枚重ねて衝撃吸収作用を調節するようにしてもよい。またこのように薄いシートにする場合は、後述する背負いベルト5に入れる粘着弾性を有する発泡シート15と共通して使用できる。なお粘着性があるので、重ねた発泡シート同士が互いにずれることもない。また隆起部8aはその全部を粘着弾性を有する発泡シート(支持層)で構成してもよいが、図2のように、薄くした通常の発泡シート(クッションシート)と積層して形成してもよい。
前記クッションシート7は、ウレタンフォームのほか、ポリスチレン、ポリプロピレンなどの連続気泡の合成樹脂発泡体を3〜5mm程度の厚さにスリットしたものなども採用しうる。
熱吸収放散シート9は、通常は通気性を備えた基材と、その基材に含有または付着せしめた熱吸収拡散剤とからなる。ただし通気性がないものでもよい。熱吸収拡散剤としては、ヒトの皮膚表面温度より高温で液体となり、低温で個体となるパラフィンワックスが好ましい。ただしパラフィンワックスはそのままでは、とくに液状では基材から脱落するので、マイクロカプセルに充填した上で基材に含有させるか付着させる。パラフィンワックスは、体温近辺に変態温度を有するものが好ましく、たとえば33〜36℃以下のときに液体から固体に変化して熱を放出し、38〜40℃以上で周囲から熱を奪って固体から液体に変化するものが好ましい。
このような熱吸収拡散剤としてのパラフィンワックスを充填したマイクロカプセルとしては、たとえば米国のアウトラスト・テクノロジーズ社が製造し、伊藤忠商事株式会社が販売する温度調節素材である「アウトラスト(登録商標)」、あるいはこれと同等の性能を有するものが好ましい。マイクロカプセルの大きさは、通常は2〜30μmである。
熱吸収拡散剤を担持する基材としては、ファイバー(繊維状のもの)、ファブリック(織布、不織布)、フォーム(弾性発泡材料)などがある。これらのうち、ポリエステルなどの合成繊維の不織布が柔軟性、通気性、マイクロカプセルの担持性が高いため好ましい。マイクロカプセルは不織布や織布に接着剤で接着させるほか、成形前の合成樹脂材料に練り込み、押し出し成形、発泡成形、プレス成形などで所定の形状に成形して用いることもできる。
上記のように構成されるランドセルAは、夏期に使用者の体温が上昇して身体に熱が発生したとき、熱吸収放散シート9の熱吸収拡散剤が熱を吸収して皮膚温度を下げるので、使用者は快適な装着感が得られる。また冬期に使用者の体温が低下すると、この熱吸収放散シート9は熱吸収拡散剤が蓄えている熱を身体に放出するので、使用者は快適な装着感が得られる。とくに粘着弾性を有する下地層を備えた背当て体を使用しているランドセルや、背負いベルトを連結する連結鐶が上向きになっているランドセルでは、背当て体が背中に密着するため、背負った瞬間のランドセルの背当て体の表面温度は外気温の影響を受
けて夏期は高温に、冬期は低温になる。しかしこのランドセルAでは、熱吸収放散シートが直ちに適正温度を維持するべく作用するので、熱い、冷たいの不快感を減少させることができる。
なお、粘着弾性を有する発泡シートからなる支持層8と、通常の発泡樹脂からなるクッションシート7とを重ねる場合は、振動の高周波成分をクッションシート7がスムーズに吸収し、低周波成分は粘着弾性を有する支持層8が吸収する。このように2種類の弾性層が協働して優れた振動吸収作用を奏するので、使用者が飛び跳ねてもフィット感および使用感がよい。
図1のランドセルAでは、図3に詳細に示すように、背負いベルト5として天然または合成の皮革の表地(基材)15と柔軟な裏地(カバーシート)16の間に厚さ3〜5mm程度の粘着弾性を有する発泡シート17を支持層として介在させると共に、発泡シート17と裏地16の間に熱吸収放散シート18を介在させたものを用いている。前述の合成樹脂製の保持プレート14はこの実施形態では2つ折りにした形態で、連結鐶13を挟むように取り付けられている。保持プレート14の一片は発泡シート17と表地15の間に介在され、他の片は発泡シート17と裏地16の間に介在されている。発泡シート17および熱吸収放散シート18は、背負いベルト5の上部、すなわち使用者の肩に当たる部位に設ける。なお保持プレート14を挟み込む位置はとくに限定されないが、通常は図3に示すように背負いベルト5の内部に、とくに裏地16と発泡シート17の間に介在させる。ただし外部に露出させてもよい。
背負いベルト5に用いる粘着弾性を有する発泡シート17は、前記背当て体1に用いた粘着弾性を有する支持層8と同じものでよく、長さ、幅、形状が異なるだけである。そのため部品の共通化が計れる。また、熱吸収放散シート18も前述の背当て体1に用いたものと同じものである。ただし背当て体1のように広い面積で体と密接するものではないので、温度調節機能はそれほど高くせずにコストを下げるようにしてもよい。また、背当て体1に比して強度や耐久性を重視する。
図4に示す背当て体20は図2の背当て体1とほぼ同一であるが、ボード6の上に乗せる支持層8の厚さを10mm以下、とくに5mm以下と薄くし、U字状の隆起部8aの高さを全体的に低くしている。図2の背当て体1のように、10〜20mmと厚い支持層8を用いる場合は、使用感が向上する半面、カバーシート10に皺が出てくることがある。そのため、支持層8を薄くして皺の発生を抑制するのが好ましい。その場合も支持層8は粘着弾性を有する発泡シートが好ましいが、通常のクッションシートであってもよい。
さらに図4の背当て体20は、熱吸収放散シート9とカバーシート10との間に、薄いクッションシートからなる中間層21を介在させている。このような中間層21を設けると、熱吸収放散シート9の凹凸を滑らかに覆うことができ、カバーシート10に皺が発生することを抑制することができる。また中間層21は粘着弾性を有する発泡シートが好ましいが、通常のクッションシートであってもよい。また図2の場合と同様に、下地ボード6の上にクッションシート7を設け、その上に支持層8を設けてもよい。
背当て体1に用いる熱吸収放散シート9は、通常は1枚の熱吸収放散シート9をクッションシート7やU字状に設けた支持層8と共に下地ボード6に縫い付ける。しかし図5に示すように、2枚の熱吸収放散シート9を重ねて縫い付けてもよい。さらに、3枚以上を重ねてもよい。このように重ねると、温度調節作用が一層向上する。
また、熱吸収放散シートは通常は矩形状であるが、U字状の隆起部を備えた背当て板1の場合は、図6aに示すようにU字状に打ち抜いた熱吸収放散シート22を背当て体1の
支持層8の表面に設けることもできる。その場合はU字状に打ち抜いたときのスクラップとなる内側の部位から背負いベルト5用の熱吸収放散シート18を成形することができ、材料を節約することができる。さらにU字状に打ち抜いた熱吸収放散シート22を支持層8の上に設ける場合は、比較的同一の高さに設けることができるので、柔軟性が乏しい熱吸収放散シートを厚い支持層8の上に縫い付ける場合でも、皺がよりにくい。
なお矩形状の熱吸収放散シートを打ち抜くほか、図6bに示すように、所定幅の熱吸収放散シート23、23を縦に離して2枚配列し、それらのシートの下端同士を繋ぐように横向きの熱吸収放散シート24を1枚設け、全体としてU字状に配列することもできる。
前記実施形態では、背当て体1はいずれもU字状の隆起部を設けているが、図7に示すように平坦な背当て体25を用いてもよい。その場合は矩形状の熱吸収放散シート9をそのまま縫い付けても皺がよらない。
熱吸収放散シートを有する背当て体(実施例1)と、備えていない背当て体(比較例1)の温度変化を調べた。背当て体は取り扱いが容易なように、いずれもランドセルに縫製する前の状態で用いた。
[使用した背当て体]
[実施例1]下地ボード:厚さ3mmのポリプロピレン製ボード
発泡樹脂:厚さ15mm(ポリウレタン+テンパーフォーム(登録商標)
熱吸収放散シート:
基 材:ポリエステル100%不織布 目付け142g/m2
熱吸収拡散材:アウトラスト(登録商標)
[比較例1]熱吸収放散シートを介在しない以外は実施例1と同一。
[実験方法]
[実験1]初期温度16℃の実施例1および比較例1の背当て体を、それぞれ室温35℃に維持した高温の状況下に放置し、0分から15分まで1分毎の温度変化を計測した。その結果を表1に示す。温度は赤外線サーモグラフィで撮影した背当て体の画像の色に基づいて特定した。
Figure 0003160557
上記の表1および図8から分かるように、熱吸収放散シートを備えた背当て体は、高温の室内に放置されても温度上昇が緩やかである。そして比較例と比べると1〜2℃程度低い温度に保たれる。とくに3〜5分後は、2〜2.5℃程度と差が大きくなる。その後は次第に差が少なくなり、8〜15分後には比較例より1℃程度となる。しかし通常は通学時間は15分以内と考えられるので、温度上昇を抑制する効果として充分である。
[実験2]常温(約16℃)の状況下で前述の実施例1、比較例1の背当て体に手を押し付け、30秒後および1分後の熱変化を調べた。その結果を表2に示す。温度は手を外した後の背当て体の表面を赤外線サーモグラフィで撮影し、得られた画像の色に基づいて特定した。なお、30秒後にははっきりと手の形の範囲の色が変わることがわかった。
Figure 0003160557
表2および図9から分かるように、背当て体の表面に手を押し付けると直ちに背当て体に熱が伝わり、比較例1では30秒後から体温に近い温度まで上昇する。これに対し、実施例1の背当て体では熱が伝わるが、温度上昇が緩やかであることが分かる。
A ランドセル
1 背当て体
2 側襠部
3 収容部
4 覆い蓋
5 背負いベルト
6 下地ボード
7 クッションシート
8 支持層
8a 隆起部
9 熱吸収放散シート
10 カバーシート
11 押さえ地
12 ベルト連結具
13 連結鐶
14 保持プレート
15 表地(基材)
16 裏地(カバーシート)
17 発泡シート
18 熱吸収放散シート
20 背当て体
21 中間層
22 U字状の熱吸収放散シート
23、24 幅が狭い熱吸収放散シート
25 平坦な背当て体

Claims (10)

  1. 背当て体と、その背当て体の背後に設けられる収容部と、その収容部の上部開口を覆う覆い蓋と、前記背当て体の上部と収容部の底面との間に設けられる一対の背負いベルトとを備えたランドセルであって、
    前記背当て体が、下地ボードと、その下地ボードの上に設けられる合成樹脂発泡体からなる支持層と、その支持層の上に設けられる熱吸収放散シートからなり、
    前記熱吸収放散シートが、基材とその基材に含有または付着せしめた熱吸収拡散剤とからなり、
    その熱吸収拡散剤が、少なくともヒトの皮膚表面温度より高温で液体となり、低温で個体となるパラフィンワックスであり、マイクロカプセルに充填された上で前記基材に含有または付着されている、ランドセル。
  2. 前記背当て体に熱吸収放散シートが2枚以上重ねて設けられている請求項1記載のランドセル。
  3. 前記背当て体にU字状の隆起部が設けられており、前記熱吸収放散シートがそ隆起部の上面に沿って設けられている請求項1記載のランドセル。
  4. 前記背当て体が平坦に構成されており、その平坦な面に前記熱吸収放散シートが設けられている請求項1記載のランドセル。
  5. 前記背負いベルトが、下地シートと、その下地シートの上に設けられる熱吸収放散シートとから構成されている請求項1記載のランドセル。
  6. 前記下地シートと熱吸収放散シートの間に発泡体からなる支持層が介在されている請求項2記載のランドセル。
  7. 前記熱吸収放散シートの表面が、柔軟なカバーシートによって覆われている請求項1〜6のいずれかに記載のランドセル。
  8. 前記熱吸収放散シートとカバーシートとの間に、発泡体からなる中間層が介在されている請求項7記載のランドセル。
  9. 背負いベルトの上部が、背当て体に対し、その上端近辺から上向きに立ち上がるように取り付けられている請求項1〜8のいずれかに記載のランドセル。
  10. 前記支持層が、粘着弾性を有する連続気泡の発泡体製のクッションシートを有する請求項1〜9のいずれかに記載のランドセル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20180002957U (ko) * 2017-04-06 2018-10-16 시우청 저우 백 몸체 또는 가방 몸체 지지용 지지부재

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