JP3159413B2 - 3−置換−4−ヒドロキシ−2−ブテノライドの製造方法 - Google Patents
3−置換−4−ヒドロキシ−2−ブテノライドの製造方法Info
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- JP3159413B2 JP3159413B2 JP02483693A JP2483693A JP3159413B2 JP 3159413 B2 JP3159413 B2 JP 3159413B2 JP 02483693 A JP02483693 A JP 02483693A JP 2483693 A JP2483693 A JP 2483693A JP 3159413 B2 JP3159413 B2 JP 3159413B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、3−置換−4−ヒドロ
キシ−2−ブテノライドの製造方法に関する。
キシ−2−ブテノライドの製造方法に関する。
【0002】3−置換−4−ヒドロキシ−2−ブテノラ
イドのうち3位がメチル基の化合物は13−シス−ビタ
ミンA酸の合成原料として有用であることが知られてい
る(特開昭59−116263号公報、J.Chem.
Soc.,1982(′68)など参照)。
イドのうち3位がメチル基の化合物は13−シス−ビタ
ミンA酸の合成原料として有用であることが知られてい
る(特開昭59−116263号公報、J.Chem.
Soc.,1982(′68)など参照)。
【0003】また近年、ある種の3−置換−4−ヒドロ
キシ−2−ブテノライドが制癌効果を持つことも報告さ
れている(特開平4−316568号公報参照)。
キシ−2−ブテノライドが制癌効果を持つことも報告さ
れている(特開平4−316568号公報参照)。
【0004】
【従来の技術】従来、3−置換−4−ヒドロキシ−2−
ブテノライドの製造方法として、次の方法が知られてい
る。すなわち、3−置換−4−オキソ−2−ブテン酸エ
ステル又はその誘導体に塩酸などの酸を作用させる方法
である(J.Chem.Soc.,594(′6
4))。
ブテノライドの製造方法として、次の方法が知られてい
る。すなわち、3−置換−4−オキソ−2−ブテン酸エ
ステル又はその誘導体に塩酸などの酸を作用させる方法
である(J.Chem.Soc.,594(′6
4))。
【0005】しかし、この方法は原料とする3−置換−
4−オキソ−2−ブテン酸エステル自体の合成が煩雑で
あったり、反応収率が必ずしも満足の行くものでなかっ
たりして、実用上問題がある(Helv.Chim.A
cta.,45、541(′62)、Syn.Comm
un.,16、627(′86)、Finn.Che
m.Lett.,(4/5)102(′84)など参
照)。
4−オキソ−2−ブテン酸エステル自体の合成が煩雑で
あったり、反応収率が必ずしも満足の行くものでなかっ
たりして、実用上問題がある(Helv.Chim.A
cta.,45、541(′62)、Syn.Comm
un.,16、627(′86)、Finn.Che
m.Lett.,(4/5)102(′84)など参
照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかして本発明の目的
は、工業的に入手できるアルデヒドとグリオキシル酸エ
ステル(あるいはグリオキシル酸エステルのヘミアセタ
ール)から容易に合成できるアルドール(3−置換−4
−オキソ−2−ヒドロキシブタン酸エステル)を原料と
して、一工程で、安価にかつ高収率で3−置換−4−ヒ
ドロキシ−2−ブテノライドを製造できる方法を提供す
ることにある。
は、工業的に入手できるアルデヒドとグリオキシル酸エ
ステル(あるいはグリオキシル酸エステルのヘミアセタ
ール)から容易に合成できるアルドール(3−置換−4
−オキソ−2−ヒドロキシブタン酸エステル)を原料と
して、一工程で、安価にかつ高収率で3−置換−4−ヒ
ドロキシ−2−ブテノライドを製造できる方法を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記課
題は、式2
題は、式2
【0008】
【化3】 で示される3−置換−4−オキソ−2−ヒドロキシ−ブ
タン酸エステルに水の存在下で酸を作用させることを特
徴とする式1
タン酸エステルに水の存在下で酸を作用させることを特
徴とする式1
【0009】
【化4】 で示される3−置換−4−ヒドロキシ−2−ブテノライ
ドの製造方法を提供することによって達成できる。
ドの製造方法を提供することによって達成できる。
【0010】式2におけるR1 およびR2 について説明
する。R1 はメチル、エチル、プロピル、i−プロピ
ル、アリル、ブチル、i−ブチル、s−ブチルなどの飽
和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基;フェニル、p−
トリル、ベンジル、フェネチルなどの芳香族炭化水素基
などである。特に、13−シス−ビタミンA酸へと変換
される原料化合物を与える点でR1 がメチル基の化合物
は本発明において重要である。R2 は反応に悪影響を及
ぼさない限り、炭化水素基の種類に特に制限はないが、
メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、ブチル、i
−ブチル、s−ブチル、ペンチルなどの炭素数1〜5の
飽和脂肪族炭化水素基が実際的であり、特にメチル基が
好ましい。
する。R1 はメチル、エチル、プロピル、i−プロピ
ル、アリル、ブチル、i−ブチル、s−ブチルなどの飽
和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基;フェニル、p−
トリル、ベンジル、フェネチルなどの芳香族炭化水素基
などである。特に、13−シス−ビタミンA酸へと変換
される原料化合物を与える点でR1 がメチル基の化合物
は本発明において重要である。R2 は反応に悪影響を及
ぼさない限り、炭化水素基の種類に特に制限はないが、
メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、ブチル、i
−ブチル、s−ブチル、ペンチルなどの炭素数1〜5の
飽和脂肪族炭化水素基が実際的であり、特にメチル基が
好ましい。
【0011】本発明で用いうる酸は、塩酸、硫酸もしく
はリン酸などの無機酸;p−トルエンスルホン酸などの
有機酸である。特に好ましい酸は塩酸である。酸の使用
量は、通常、式2の化合物に対して約0.1モル%以上
であるが、それよりも大過剰であっても差し支えない。
はリン酸などの無機酸;p−トルエンスルホン酸などの
有機酸である。特に好ましい酸は塩酸である。酸の使用
量は、通常、式2の化合物に対して約0.1モル%以上
であるが、それよりも大過剰であっても差し支えない。
【0012】本発明にしたがう反応は、水が添加された
状態で反応を行うことにより、良好な収率を達成するこ
とができる。水の添加量は特に制限はないが、3−置換
−4−オキソ−2−ヒドロキシブタン酸エステルに対し
て当量以上の量で用いることが推奨される。
状態で反応を行うことにより、良好な収率を達成するこ
とができる。水の添加量は特に制限はないが、3−置換
−4−オキソ−2−ヒドロキシブタン酸エステルに対し
て当量以上の量で用いることが推奨される。
【0013】特開平3−127759号公報によれば、
3−置換−4−オキソ−2−ヒドロキシブタン酸エステ
ルに無水酢酸を作用させることによって、有利に3−ホ
ルミルクロトン酸エステルが得られることが報告されて
いる。しかし、3−置換−4−オキソ−2−ヒドロキシ
ブタン酸エステルを水の存在する酸性条件下で反応させ
た場合、高収率で3−置換−4−ヒドロキシ−2−ブテ
ノライドが生成することは、全く予想外であった。
3−置換−4−オキソ−2−ヒドロキシブタン酸エステ
ルに無水酢酸を作用させることによって、有利に3−ホ
ルミルクロトン酸エステルが得られることが報告されて
いる。しかし、3−置換−4−オキソ−2−ヒドロキシ
ブタン酸エステルを水の存在する酸性条件下で反応させ
た場合、高収率で3−置換−4−ヒドロキシ−2−ブテ
ノライドが生成することは、全く予想外であった。
【0014】なお、本反応は常圧もしくは減圧下で反応
を行い、生成するアルコール類を分離できる条件下で行
うことが推奨される。反応温度は室温から150℃の温
度範囲、好ましくは80から110℃の温度範囲から選
ばれる。反応時間は反応条件によっても変化するが、通
常、10時間以内で反応は完逐する。反応は、例えば式
2におけるR1 及びR2 がメチル基である化合物を用い
た場合には、ガスクロマトグラフィー(DC−550、
3m、180〜220℃、10℃/分で昇温)で追跡す
ることができる。
を行い、生成するアルコール類を分離できる条件下で行
うことが推奨される。反応温度は室温から150℃の温
度範囲、好ましくは80から110℃の温度範囲から選
ばれる。反応時間は反応条件によっても変化するが、通
常、10時間以内で反応は完逐する。反応は、例えば式
2におけるR1 及びR2 がメチル基である化合物を用い
た場合には、ガスクロマトグラフィー(DC−550、
3m、180〜220℃、10℃/分で昇温)で追跡す
ることができる。
【0015】反応終了後、例えば塩酸を酸として用いた
ときには、そのまま減圧下で塩酸及び水を留去して、式
1の化合物を得ることができる。得られた式1の化合物
は、さらに蒸留、再結晶もしくはクロマトグラフィーに
付することにより、高純度化することができる。
ときには、そのまま減圧下で塩酸及び水を留去して、式
1の化合物を得ることができる。得られた式1の化合物
は、さらに蒸留、再結晶もしくはクロマトグラフィーに
付することにより、高純度化することができる。
【0016】なお、本発明で原料となる式2の3−置換
−4−オキソ−2−ヒドロキシ−ブタン酸エステルは、
たとえば式3
−4−オキソ−2−ヒドロキシ−ブタン酸エステルは、
たとえば式3
【0017】
【化5】 で示されるアルデヒドと式4
【0018】
【化6】 で示されるグルオキシル酸エステルもしくはそのヘミア
セタールをアルドール縮合することによって、容易に製
造することができる(例えば特開平3−127759号
公報参照)。
セタールをアルドール縮合することによって、容易に製
造することができる(例えば特開平3−127759号
公報参照)。
【0019】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明はこれらの実施例により限定されるものではない。 実施例1 200mlの三口フラスコに3−メチル−4−オキソ−
2−ヒドロキシブタン酸メチル14.5g及び20%塩
酸70gを取った。三口フラスコには約20cmのビグ
リュウ塔を立てた。常圧下で、20分間リフラックスし
た後、トップ温度約60℃で低沸物の留出を開始した。
トップ温度は徐々に上昇し、100℃となったところで
反応を終了した。6.0gが留出した。反応時間は3時
間であった。反応混合物をエバポレーターで、減圧下に
塩酸を留去した。9.7gの褐色油分が残った。このも
のを真空条件下で蒸留し、ほとんど無色の沸点〜140
℃/1mmHgの留分8.74gを得た。ガスクロマト
グラフィー(DC−550、3m、180〜220℃
(10℃/分で昇温))分析の結果、純度は98.94
%であった。このものは放置しておくと、結晶化した。
収率93%。 実施例2〜5 実施例1の3−メチル−4−オキソ−2−ヒドロキシブ
タン酸メチル14.5g(81.5mmmol)の代わ
りに、下記のブタン酸エステル誘導体を実施例1と同じ
モル数となる量で使用して、実施例1と同様な反応操作
を行い、対応する3−置換−4−ヒドロキシ−2−ブテ
ノライドを得た。結果を表1に示す。
発明はこれらの実施例により限定されるものではない。 実施例1 200mlの三口フラスコに3−メチル−4−オキソ−
2−ヒドロキシブタン酸メチル14.5g及び20%塩
酸70gを取った。三口フラスコには約20cmのビグ
リュウ塔を立てた。常圧下で、20分間リフラックスし
た後、トップ温度約60℃で低沸物の留出を開始した。
トップ温度は徐々に上昇し、100℃となったところで
反応を終了した。6.0gが留出した。反応時間は3時
間であった。反応混合物をエバポレーターで、減圧下に
塩酸を留去した。9.7gの褐色油分が残った。このも
のを真空条件下で蒸留し、ほとんど無色の沸点〜140
℃/1mmHgの留分8.74gを得た。ガスクロマト
グラフィー(DC−550、3m、180〜220℃
(10℃/分で昇温))分析の結果、純度は98.94
%であった。このものは放置しておくと、結晶化した。
収率93%。 実施例2〜5 実施例1の3−メチル−4−オキソ−2−ヒドロキシブ
タン酸メチル14.5g(81.5mmmol)の代わ
りに、下記のブタン酸エステル誘導体を実施例1と同じ
モル数となる量で使用して、実施例1と同様な反応操作
を行い、対応する3−置換−4−ヒドロキシ−2−ブテ
ノライドを得た。結果を表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、3−置換−4−オキソ
−2−ヒドロキシブタン酸エステルに対して水の存在下
に酸を作用させることにより、13−シス−ビタミンA
酸などの原料として有用な3−置換−4−ヒドロキシ−
2−ブテノライドを容易に製造することができる。
−2−ヒドロキシブタン酸エステルに対して水の存在下
に酸を作用させることにより、13−シス−ビタミンA
酸などの原料として有用な3−置換−4−ヒドロキシ−
2−ブテノライドを容易に製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 307/60 CA(STN) REGISTRY(STN)
Claims (1)
- 【請求項1】 式2 【化1】 で示される3−置換−4−オキソ−2−ヒドロキシブタ
ン酸エステルに水の存在下で酸を作用させることを特徴
とする式1 【化2】 で示される3−置換−4−ヒドロキシ−2−ブテノライ
ドの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02483693A JP3159413B2 (ja) | 1993-01-20 | 1993-01-20 | 3−置換−4−ヒドロキシ−2−ブテノライドの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02483693A JP3159413B2 (ja) | 1993-01-20 | 1993-01-20 | 3−置換−4−ヒドロキシ−2−ブテノライドの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06211825A JPH06211825A (ja) | 1994-08-02 |
JP3159413B2 true JP3159413B2 (ja) | 2001-04-23 |
Family
ID=12149297
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP02483693A Expired - Fee Related JP3159413B2 (ja) | 1993-01-20 | 1993-01-20 | 3−置換−4−ヒドロキシ−2−ブテノライドの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3159413B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE19510473A1 (de) * | 1995-03-27 | 1996-10-02 | Basf Ag | Verfahren zur Herstellung von 5-Hydroxy-4-methyl-2(5H)-furanon |
US6124485A (en) * | 1998-03-25 | 2000-09-26 | Abbott Laboratories | Process for producing 13-cis retinoic acid |
-
1993
- 1993-01-20 JP JP02483693A patent/JP3159413B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06211825A (ja) | 1994-08-02 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |