JP3159072B2 - シリンダ洗浄装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明が属する技術分野】本発明はオフセット印刷機、
特にオフセット枚葉印刷機のブランケット胴や圧胴、そ
の他製紙機械などの各種の紙、フィルムなどを取扱う装
置に於けるシリンダやローラ類の表面に付着する付着物
を清拭除去するシリンダ洗浄装置に係り、特に狭い幅の
設置スペースに適合する構造を持つシリンダ洗浄装置に
関する。

【０００２】

【従来の技術およびその課題】洗浄布供給ロールと洗浄
布巻取ロールとの間に懸架された洗浄布を、押圧手段に
より印刷機のシリンダ等に押付けて該表面の汚れを清拭
する自動洗浄装置が各種提案され、実用化されている。
例えば、特公昭５６ー３７０８号公報に記載されてい
る。この種の自動洗浄装置の一例について、その構成を
図１０により説明する。印刷機シリンダの一つであるブ
ランケット胴１の表面のインキや紙粉等の汚れを拭き取
って清浄にするため、ブランケット胴に対向させて自動
洗浄装置１０の洗浄布押圧手段２が設置されており、そ
の洗浄布押圧手段２には洗浄布３をブランケット胴の表
面に押圧するプレッシャパッド２３が設けられている。
プレッシャパッド２３はエア供給により膨張し、そのエ
アを排出することにより収縮する。このプレッシャパッ
ドの膨張状態において、洗浄布３をブランケット胴の表
面に押圧する。洗浄布３を供給する洗浄布供給ロール４
および使用済みの洗浄布を巻き取る洗浄布巻取ロール５
の巻取軸は作業員が乗るステップ６のシリンダ１側で安
全カバーの下方に配置されている。符号１３は本機フレ
ーム１４に渡された横梁部材としてのステーである。洗
浄布押圧手段２は、図示を省略したアクチュエータによ
り上記作動が行われるように構成されている。即ち、通
常の印刷時には洗浄布押圧手段２がブランケット胴の表
面より離脱しており、洗浄時にはブランケット胴に近接
される。洗浄時におけるブランケット胴は、緩動速度
（通常印刷時よりも遅い速度）で矢印の方向に回転され
る。プレッシャパッドは洗浄開始によるエア供給によっ
て膨張し、この膨張状態でブランケット胴の表面に洗浄
布を押し当てて汚れを拭き取る。また洗浄布は巻取軸の
駆動による洗浄布巻取ロールの回転によって連続的また
は間欠的に送られる。洗浄終了後にプレッシャパッドの
エアを排出し収縮させ、この収縮状態でブランケット胴
の表面から洗浄布を離脱させ、洗浄布巻取ロールの巻取
り動作を停止し、洗浄作業を終了する。

【０００３】近時、オフセット枚葉印刷機は小型で高性
能なものが開発され、比較的狭いスペースでも設置可能
になった。特に多色刷りの場合は複数台の印刷機が縦列
に配置される。印刷機には版胴７への版取付けや版取外
しなどの版交換、自動洗浄装置１０の洗浄布交換などの
作業を行うため、作業員の作業スペースの確保が必要で
ある。特に多色刷りのオフセット枚葉印刷機の場合、省
スペース型では隣接する印刷ユニットＡとＢの間に設け
られた作業スペース１１は、例えば約５０ｃｍ程度であ
り、必要最小限の幅しか確保されていない。作業スペー
ス１１と印刷ユニットＡとの間には安全カバー８が設け
られ、その安全カバー８とブランケット胴１との間は約
４ｃｍ程度の幅があるだけで、ここに自動洗浄装置のク
ロスユニット（洗浄布押圧部、洗浄布供給ロール、洗浄
布巻取軸等を組み付けて一体化したもの）を設置するこ
とはできなかった。多くのオフセット枚葉印刷機は、図
示のように下部にブランケット胴１、上部に版胴７を配
置した構造になっており、そのブランケット胴を洗浄す
る装置も作業スペース側に設置されている。

【０００４】従来の自動洗浄装置のクロスユニットは、
例えばブランケット胴１の表面に対する法線方向に幅広
の構造になっている。即ち、プレッシャパッド２３の背
部には洗浄布供給ロール４、洗浄布巻取ロール５が配置
されており、その洗浄布供給ロールと洗浄布巻取ロール
のそれぞれの布径が互いに干渉しないように、図示の上
下方向または左右方向にずらしている。このような構造
ではプレッシャパッド２３から洗浄布供給ロールまたは
洗浄布巻取ロールまでの距離が大きくなり、クロスユニ
ットの幅が安全カバーとブランケット胴との間の幅に収
まらなくなっている。またクロスユニットを洗浄時と非
洗浄時に移動させるのに必要なスペースも考慮しなけれ
ばならない。

【０００５】これらの対策として、安全カバーとブラン
ケット胴との間隔をシリンダ洗浄装置の幅以上に広げる
ことは印刷機全体の設置スペースの関係から困難であ
り、また既設の機械では前述の設置スペースやコストの
面で更に困難なものとなる。現実的には、図示のように
安全カバー８の下部からステップ６の幅を狭くして、つ
まり作業スペース側に広げて設置スペースを確保し、こ
の増設したスペースを利用してクロスユニットの取り付
けが行われている。このように作業スペース側にシリン
ダ洗浄装置の取付けスペースの一部を確保することは、
その分の作業員が乗るステップ６が狭くなり、また、つ
ま先側に設置スペースによる出っ張り１２が作られてし
まうため、作業性を損ねる場合も考えられ、好ましくな
い。更に安全カバーとブランケット胴の間以外の場所に
設置する場合も各種の機器との関係で自動洗浄装置の幅
に制約がある。本発明の目的は洗浄すべきシリンダ表面
に対峙する部材との間にある限られたスペースに対して
設置を可能にしたシリンダ洗浄装置を提供することにあ
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項１の発明は、印刷機のシリンダを洗浄するシ
リンダ洗浄装置において、折り目部および布面部を持た
せて折り畳まれた洗浄ファブリックが収容され、洗浄す
べきシリンダに平行に配置される容器からなる洗浄ファ
ブリック供給体と、洗浄ファブリック供給体から引き出
され、当該洗浄ファブリックを取り込む洗浄ファブリッ
ク取込手段と、洗浄ファブリック供給体と洗浄ファブリ
ック取込手段の間に懸架された洗浄ファブリックを洗浄
すべきシリンダの外周に押し付ける押圧手段とを備え、
容器は洗浄すべきシリンダに平行かつ対向する面の該シ
リンダの幅方向に伸びる第一の辺を有すると共に、洗浄
ファブリック供給体、洗浄ファブリック取込手段、押圧
手段は、それぞれが独立した要素として構成され、更
に、容器の断面は第二の辺と、第三の辺とを有し、前記
第二の辺が前記第三の辺より短くした扁平箱形であるこ
とを特徴とする。また請求項２の発明は、請求項１の発
明において、洗浄ファブリックの折り目部および／また
は横側部が対向する前記容器の内面または内面の近傍
に、前記洗浄ファブリックの折り目部および／または横
側部に接触し、双方の摩擦作用により該洗浄ファブリッ
クの折り畳んだ形状を維持させる形状保持部が設けられ
ていることを特徴とする。また請求項３の発明は、請求
項１の発明において、洗浄ファブリック供給体から引き
出される洗浄ファブリックにブレーキを掛ける為のブレ
ーキ手段を備えた構成にある。また請求項４の発明は、
請求項１の発明において、洗浄ファブリックを容器から
取出す洗浄ファブリック取出口に洗浄ファブリック案内
体が配設された構成にある。また請求項５の発明は、請
求項１の発明において、容器内の折り畳まれた洗浄ファ
ブリックの布面部に対して、該容器内の一方の壁側から
他方の壁側に押し力を作用させる押し手段が容器内に設
けた構成にある。

【０００７】前記発明に関連した請求項６から１１の発
明は、次の構成に特徴を有する。請求項６の発明は、請
求項１から５のいずれかの発明において、洗浄ファブリ
ック供給体と洗浄ファブリック取込手段と押圧手段はシ
リンダ周囲に設けられたスペースに応じて配列の位置変
更を可能にしたことを特徴とする。請求項７の発明は、
請求項２の発明において、形状保持部が洗浄ファブリッ
クの折り目および／または横側部との間の摩擦によって
形状を保持する摩擦付与部材によって構成されているこ
とを特徴とする。請求項８の発明は、請求項７の発明に
おいて、摩擦付与部材は洗浄ファブリックの折り目およ
び／または横側部に作用する複数の係止凸起を表面に設
けた部材によって構成されていることを特徴とする。請
求項９の発明は、請求項７の発明において、摩擦付与部
材はブラシ状部材であることを特徴とする。請求項１０
の発明は、請求項５の発明において、押し手段は洗浄フ
ァブリック取出口へ洗浄ファブリックを案内する洗浄フ
ァブリック案内部材及び容器の一方の壁側から他方の壁
側に前記洗浄ファブリック案内部材を付勢する付勢手段
からなることを特徴とする。請求項１１の発明は、請求
項１０の発明において、洗浄ファブリック取出口近傍の
容器外側に固定の洗浄ファブリック案内体が配設されて
いることを特徴とする。

【０００８】上記の構成によれば、洗浄布供給体を扁平
な箱形容器とし、その容器に多重折りされた洗浄布を収
容したので、印刷機などの機械への設置スペースが幅狭
であっても、少なくとも洗浄布供給体の第二の辺と第三
の辺のいずれか短辺側の幅が確保できれば、洗浄布供給
体の配置が可能となり、機械の作業を行うために設けら
れているステップ側に大きく突出させることなく洗浄装
置の設置が可能となる。容器に収容された洗浄布は容器
内に設けられた形状保持部によって多重折り状態が維持
されるため、容器から洗浄布を取り出す際に引っ掛かる
ことなく円滑に行われる。また洗浄布が形状保持部によ
って保持されているので、洗浄布供給体を縦置き（図１
に示す配置）、横置き（図４に示す配置）ができ、装置
構成のレイアウトの自由度が大きくなる。このような洗
浄布供給体を用いることにより、洗浄布供給体や洗浄布
取込手段をシリンダ回りの空きスペースに任意に配置す
ることができるので、既存の機械においても特別な加工
を施すことなく、空きスペースに適合させた装置構成を
容易に設計することができる。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図１に本発明の１つの実施形態を
印刷機に設置した状態の構成を示す。なお、図１０に示
す対応部分には同一の符号を付し、その部分の説明を適
宜省略する。本実施形態は安全カバーとブランケット胴
との間のスペースにシリンダ洗浄装置を設置したもので
ある。シリンダ洗浄装置は、基本構成として、折り畳ま
れて収納された洗浄布３を供給する洗浄布供給体２０、
この洗浄布供給体２０から引き出される洗浄布３を巻き
取る洗浄布巻取部２１、この洗浄布供給体２０と洗浄布
巻取部２１との間に懸架された洗浄布３をシリンダ１の
外周に押し付けるプレッシャーパッド２３を有する洗浄
布押圧部２２を備えている。

【００１０】洗浄時にはプレッシャーパッド２３により
ブランケット胴１の表面に押し付けられている洗浄布３
が、ブランケット胴の回転に引きずられて洗浄布供給体
２０から出されるのを防止するために、プレッシャーパ
ッドに対し洗浄布供給の上流側に洗浄布ブレーキ部２４
が設けられている。本例では洗浄布供給体２０と洗浄布
押圧部２２の間に、互いに連結された２つのローラ２４
ａおよび２４ｂを洗浄布３の供給方向を横切るように回
動自在に設け、この２つのローラに洗浄布３をＳ字に通
し、ローラ２４ａ，２４ｂの連結角度を変えてローラと
洗浄布との接触面積を大きくし、そのときの摩擦により
ブレーキ力を発生させるものである。

【００１１】ここで、洗浄布巻取部２１は洗浄布供給体
２０から引き出された洗浄布３を処理するために取り込
む洗浄布取込手段、プレッシャーパッドを有する洗浄布
押圧部２２は洗浄布供給体２０と洗浄布巻取部２１との
間に懸架された洗浄布３をシリンダ１の外周に押し付け
る押圧手段をそれぞれ構成する。洗浄布供給体２０と洗
浄布巻取部２１と洗浄布押圧部２２はそれぞれが独立し
た構成部品とすることにより、シリンダ洗浄装置を設置
するためのスペースに合わせて配置することができ、印
刷ユニット毎のシリンダ洗浄装置の配置レイアウトがし
易くなる。本例では洗浄布供給体２０と洗浄布巻取部２
１と洗浄布押圧部２２が、図示の如く、上下方向に直線
的に一列配置され、本機フレーム１４に直接取付られて
いる。

【００１２】洗浄布押圧部のプレッシャーパッド２３は
洗浄布供給体２０、洗浄布巻取部２１、洗浄布押圧部２
２の配列方向に対してほぼ直角方向に面している。洗浄
布供給体２０は洗浄布３を折り畳み収納する扁平箱形の
容器２５を備えており、この扁平箱形の容器は洗浄すべ
きシリンダ１に平行かつ対向する面の該シリンダの幅方
向に伸びる第一の辺と、該辺に直角な第二の辺と、前記
二つの辺に直角な第三の辺を有し、第二の辺と第三の辺
はいずれか一方が他方より短くした構造になっており、
短辺側を上下方向にして配置（縦置き配置）し、上部の
洗浄布取出口２５ａから洗浄布を引き出す。例えば、オ
フセット枚葉印刷機の場合、洗浄布供給体に蓄えられて
いる洗浄布３の量は通常約１３ｍであるが、これを長さ
１００ｍｍで折り畳むと１３０層になる。洗浄布の厚み
を０．２ｍｍとすると、折り畳まれた洗浄布の全体の厚
さは約３ｃｍとなる。

【００１３】図２に洗浄布巻取部の配置を変えた構成を
示す。洗浄布巻取部をブランケット胴１の下方かつステ
ー１３の側方にスペースが確保できる場合、このスペー
スに洗浄布巻取部２１を設置する。その他の構成部品、
つまり洗浄布供給体２０、洗浄布押圧部２２、洗浄布ブ
レーキ部２４の配置は図１に示す実施形態と同様であ
る。

【００１４】図３に洗浄布巻取部の配置を変えた他の構
成を示す。本例はステップ６の下方に設置するスペース
を確保し、このスペースに洗浄布巻取部２１を配置す
る。その他の構成部品の配置は図１の実施形態と同様で
ある。このような洗浄布巻取部の配置を採用することに
より、洗浄布供給体上方の安全カバーとブランケット胴
の間にスペースが広く確保できる。

【００１５】図４に洗浄布供給体を水平に配置した実施
形態の構成を示す。本実施形態は洗浄布供給体を構成す
る扁平箱形の容器の長辺側を上下にした横置き配置に特
徴を有する。洗浄布は多重折りされ、その折り目が上下
方向に揃えられるように容器に収容されており、容器上
部の洗浄布取出口２５ａから引き出される。洗浄布取出
口２５ａには回転可能なガイドローラまたは低い摩擦抵
抗の表面を有する、回転しないシャフトで構成される洗
浄布案内体４０が配設されている。

【００１６】次に洗浄布供給体の構造を詳しく説明す
る。図５は多重折りされた洗浄布を容器に収納した洗浄
布供給体の断面を示す。容器２５は断面長方形の扁平構
造になっており、多重折り洗浄布３０はその折り目部３
１を容器２５の短辺２５ｂ側に対向するようにして位置
させ、収納する。容器２５の内部には洗浄布の多重折り
状態を維持させるための形状保持部２６が設けられてい
る。洗浄布取出口２５ａ近傍の容器２５の内側および／
または容器２５の外側には洗浄布案内体４０が配設され
ている。尚、「維持」とは使用前の容器に収納した多重
折り状態の洗浄布の形状を崩さないように保つこと、お
よび容器から引き出して使用する過程で容器内に残って
いる洗浄布がその変化した多重折り状態の形状を保つこ
とである。

【００１７】形状保持部２６は、図５に示すように内面
の近傍に、または図６に示すように洗浄布の折り目部３
１に対向した容器の内面に設けられている。容器の短辺
側に設けられる形状保持部２６は図５に示す面状ファス
ナー２７、図６に示すブラシ２８等のブラシ状部材で構
成され、洗浄布の折り目部３１に接触し、双方の摩擦作
用にて洗浄布の多重折り状態を維持する。ここで、面状
ファスナー２７は、布の表面にフック状又はパイル状の
繊維を設けたもので、例えば登録商標「マジックテー
プ」，「ベルクロ」等で知られている商品を用いること
ができる。また多重折り洗浄布の布面部を押して形状保
持する場合、洗浄布を取出口２５ａ方向（図７（ａ））
または取出口とは逆方向（図７（ｂ））に押すようにス
プリング２９ａにより付勢された押し部材２９によって
構成される。

【００１８】図８に押し部材の変形例を示す。本例は図
５に示す回転可能なガイドローラ４１を取出口２５ａか
ら多重折りされた洗浄布の折重ね方向に移動可能に配置
したものである。容器２５の取出口２５ａに隣接する両
側壁には取出口２５ａから離れる方向に伸びるガイド穴
２５ｃが形成されている。このガイド穴２５ｃにローラ
軸４１ａが案内されて移動可能に取付けられかつこのロ
ーラ軸に回転可能なガイドローラまたは低い摩擦抵抗の
表面を有する、回転しないシャフトで構成される可動式
洗浄布案内体４１が設けられている。可動式洗浄布案内
体４１の軸４１ａと側壁との間にはスプリング４２が設
けられ、可動式洗浄布案内体４１を常時多重折りされた
洗浄布３０の折重ね方向に付勢し、洗浄布の布面部を押
している。洗浄布取出し口２５ａ近傍の容器外側に固定
の洗浄布案内体４０を配設してもよい。また洗浄布案内
体４０の固定方法としては容器外側に直接、または本機
フレームや本機フレームに取付ける別フレームに取着さ
れる。形状保持部を面状ファスナー２７で構成する場
合、容器内部の両短辺側の全面または一部には取出口２
５ａから離れる方向に、短辺側の内面に対して傾斜させ
た形状保持部２６が設けられる。それぞれの保持部の傾
斜は図５（ａ）のように平行四辺形の対向する２辺をな
す配置構造、あるいは図５（ｂ）のように台形の側辺を
なす配置構造がある。

【００１９】図９に形状保持部の他の実施形態の構成を
示す。形状保持部２６は洗浄布３０の折り目部３１に直
交する横側部３２に対向した容器内面またはその内面の
近傍に配置され、横側部３２に接触する構造になってい
る。この形状保持部２６は図５および図６に示したもの
が適用可能である。このような形状保持部を多重折りさ
れた洗浄布の折り目部または／および横側部が対向する
容器の内面またはその内面の近傍に配置することによ
り、洗浄布が容器から引き出されても残っている洗浄布
の折り目部および／または横側部に形状保持部が常に作
用しているので、残量に応じた洗浄布の折り畳み状態が
維持され、洗浄布を使い切るまで円滑な引き出しが行わ
れる。

【００２０】本発明の実施形態には上記の例に限定され
るものでなく、次のような構成が包含される。 （１）洗浄布の折り畳み方向は縦て方向（積み重ねる方
向）に折り畳んでも良い。 （２）短辺側の内面またはその内面の近傍に形状保持部
を配置し、更に洗浄布の取出口とは反対側、つまり多重
折り洗浄布の背面を洗浄布の取出口方向に押すように押
し板を設けても良い。 （３）容器内に洗浄布の折り目部に作用する形状保持部
と洗浄布の横側部に作用する形状保持部の双方を設けて
も良い。 （４）形状保持部は洗浄布の折り面部や横側部に摩擦接
触する作用を有するものであれば、表面がジャバラ状に
形成されている構造や細かい突起が比較的密に形成され
た構造などでも良い。 （５）洗浄布取込手段として、洗浄布巻取部に代えてカ
ッターによる切断処理する構成でも良い。 （６）洗浄布ブレーキ部は洗浄布にブレーキ作用を働か
せるものであればどのようなのものであっても良い。例
えば洗浄布の両面をブレーキシューで押えてブレーキを
掛けるものでも良い。 （７）洗浄布供給体を構成する扁平な容器は縦型配置や
水平配置のいずれでも適用可能である。 （８）洗浄布押圧部、洗浄布供給ロール、洗浄布巻取軸
を本機フレームに間接的に配置した構造、即ちこれらの
構成部品を別フレームに組み付け一体化し、これを本機
フレームに取り付けるようにしても良い。 （９）洗浄布は通常の布、不織布、紙、プラスチックフ
ィルムおよびそれらに処理を加えたもの、あるいは類似
のもので形成されている。処理を加えた洗浄布として
は、例えば予め液を含浸させたもの、あるいはゼリー
状、ペースト状等の洗浄剤を塗布したものも含む。 （１０）洗浄布を洗浄液で湿潤させる構成として、洗浄
布に対して洗浄液を噴射するスプレー装置を設置する
か、あるいは予め洗浄液を含浸させた洗浄布を使用する
など適宜選択可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の実施形態を印刷機に設置した状態の
構成図である。

【図２】 洗浄布巻取部の配置を変えた構成図である。

【図３】 洗浄布巻取部の配置を変えた他の構成図であ
る。

【図４】 洗浄布供給体を水平に配置した実施形態の構
成図である。

【図５】 洗浄布供給体の断面図である。

【図６】 洗浄布の折り目部に作用する形状保持部の他
の実施例を示す洗浄布供給体の断面図である。

【図７】 形状保持部と押し部材を設けた洗浄布供給体
の断面図である。

【図８】 押し部材を可動式ローラで構成した断面図で
ある。

【図９】 洗浄布の横側部に作用する形状保持部の構成
図である。

【図１０】 従来の自動洗浄装置の説明図である。

【符号の説明】

１…ブランケット胴、２…洗浄布押圧手段、３…洗浄
布、４…洗浄布供給ロール、５…洗浄布巻取りロール、
６…ステップ、７…版胴、８…安全カバー、１０…自動
洗浄装置、１３…ステー、２０…洗浄布供給体、２１…
洗浄布巻取部、２２…洗浄布押圧部、２４…洗浄布ブレ
ーキ部、２５…容器、２６…形状保持部、２９…押し部
材、３０…多重折りされた洗浄布、３１…洗浄布の折り
目部、３２…洗浄布の横側部、４０…洗浄布案内体、４
１…可動式洗浄布案内体

Claims (11)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 印刷機のシリンダを洗浄するシリンダ洗
   浄装置において、 折り目部および布面部を持たせて折り畳まれた洗浄ファ
   ブリックが収容され、洗浄すべきシリンダに平行に配置
   される容器からなる洗浄ファブリック供給体と、前記洗浄ファブリック供給体から引き出され、当該洗浄
   ファブリックを取り込む洗浄ファブリック取込手段と、 前記洗浄ファブリック供給体と洗浄ファブリック取込手
   段の間に懸架された洗浄ファブリックを洗浄すべきシリ
   ンダの外周に押し付ける押圧手段と、を備え、 前記容器は洗浄すべきシリンダに平行かつ対向する面の
   該シリンダの幅方向に伸びる第一の辺を有すると共に、 前記洗浄ファブリック供給体、洗浄ファブリック取込手
   段、押圧手段は、それぞれが独立した要素として構成さ
   れ、 更に、前記容器の断面は第二の辺と、第三の辺とを有
   し、前記第二の辺が前記第三の辺より短くした扁平箱形
   である ことを特徴とするシリンダ洗浄装置。
2. 【請求項２】 前記洗浄ファブリックの折り目部および
   ／または横側部が対向する前記容器の内面または内面の
   近傍に、前記洗浄ファブリックの折り目部および／また
   は横側部に接触し、双方の摩擦作用により該洗浄ファブ
   リックの折り畳んだ形状を維持させる形状保持部が設け
   られていることを特徴とする請求項１記載のシリンダ洗
   浄装置。
3. 【請求項３】 前記洗浄ファブリック供給体から引き出
   される洗浄ファブリックにブレーキを掛ける為のブレー
   キ手段を備えていることを特徴とする請求項１記載のシ
   リンダ洗浄装置。
4. 【請求項４】 前記洗浄ファブリックを容器から取出す
   洗浄ファブリック取出口に洗浄ファブリック案内体が配
   設されていることを特徴とする請求項１記載のシリンダ
   洗浄装置。
5. 【請求項５】 前記容器内の折り畳まれた洗浄ファブリ
   ックの布面部に対して、該容器内の一方の壁側から他方
   の壁側に押し力を作用させる押し手段が前記容器内に設
   けられていることを特徴とする請求項１記載のシリンダ
   洗浄装置。
6. 【請求項６】 前記洗浄ファブリック供給体と洗浄ファ
   ブリック取込手段と押圧手段はシリンダ周囲に設けられ
   たスペースに応じて配列の位置変更を可能にしたことを
   特徴とする請求項１から５のいずれかに記載のシリンダ
   洗浄装置。
7. 【請求項７】 前記形状保持部が洗浄ファブリックの折
   り目および／または横側部との間の摩擦によって形状を
   保持する摩擦付与部材によって構成されていることを特
   徴とする請求項２記載のシリンダ洗浄装置。
8. 【請求項８】 前記摩擦付与部材は洗浄ファブリックの
   折り目および／または横側部に作用する複数の係止凸起
   を表面に設けた部材によって構成されていることを特徴
   とする請求項７記載のシリンダ洗浄装置。
9. 【請求項９】 前記摩擦付与部材はブラシ状部材である
   ことを特徴とする請求項７記載のシリンダ洗浄装置。
10. 【請求項１０】 前記押し手段は洗浄ファブリック取出
    口へ洗浄ファブリックを案内する洗浄ファブリック案内
    部材及び容器の一方の壁側から他方の壁側に前記洗浄フ
    ァブリック案内部材を付勢する付勢手段からなることを
    特徴とする請求項５記載のシリンダ洗浄装置。
11. 【請求項１１】 洗浄ファブリック取出口近傍の容器外
    側に固定の洗浄ファブリック案内体が配設されているこ
    とを特徴とする請求項１０記載のシリンダ洗浄装置。