JP3157587B2 - ゴム補強用ポリアミド繊維コード - Google Patents

ゴム補強用ポリアミド繊維コード

Info

Publication number
JP3157587B2
JP3157587B2 JP05260992A JP5260992A JP3157587B2 JP 3157587 B2 JP3157587 B2 JP 3157587B2 JP 05260992 A JP05260992 A JP 05260992A JP 5260992 A JP5260992 A JP 5260992A JP 3157587 B2 JP3157587 B2 JP 3157587B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
cord
rubber
strength
latex
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP05260992A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05186926A (ja
Inventor
裕人 ▲吉▼田
則夫 稲田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP05260992A priority Critical patent/JP3157587B2/ja
Publication of JPH05186926A publication Critical patent/JPH05186926A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3157587B2 publication Critical patent/JP3157587B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • Y02T10/862

Landscapes

  • Artificial Filaments (AREA)
  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
  • Tires In General (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高強度を有するゴム補
強用ポリアミド繊維コードに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリアミド繊維コードは、タイヤを始め
とする各種ゴム製品の補強用コード材料の中でも優れた
強度、耐久性及び耐熱性を有するため、従来からトラッ
ク・バス用、建設車両用、航空機用等の大型タイヤやコ
ンベヤベルト、ホース、空気バネ等のゴム工業製品の補
強材として多く使用されてきた。
【0003】一方、タイヤ軽量化、低燃費化、省資源
化、コスト低減、生産性向上等の目的から補強材の積層
枚数の低減、コード打ち込み本数の減少、コード太さの
細糸化等による補強材量の減少が強く要請されている。
【0004】ゴム複合体としてのトータル強度を保った
まま補強材量を減少させるためには、より高強度の繊維
が必要であるが、近年、従来対比大幅に強度の向上した
超高強度のポリアミド繊維が開発され、開示されている
(例えば、特開昭61-70008号公報)。
【0005】しかし、このようないわゆる超高強度ポリ
アミド繊維コードは、繊維−ゴム間の接着に必要な接着
剤液に浸漬後乾燥熱処理し、次いで繊維融点近傍の高温
下で熱処理する、いわゆる「ディップ処理工程」を行う
とコード強度が大幅に低下してしまうという現象が問題
点として指摘された(特開昭63-17517号,同 63-203841
号各公報)。
【0006】かかる公報では、接着剤液に浸漬する際の
コード張力を0.5g/d以上とするか、または100 ℃以上の
高温下で予め前処理することにより、接着剤液をコード
内部に含浸させないようにして、かかるコードの強力低
下を防止することが提案されている。
【0007】また、以前にもこれと類似する技術が開示
されており(特開昭60-71239号, 同60-104580 号各公
報) 、接着剤処理に先だって緊張下で熱処理すること
や、3%以上の伸長下において接着剤を付与することが
提案されている。
【0008】更に、これらのディップ法を用いるとコー
ドへの接着剤付着量が少ないためゴム−繊維間の接着力
が低くなるので、接着剤液に浸漬する前の緊張熱処理工
程での温度と張力との関係と同時に、レゾルシン−ホル
ムアルデヒド/ゴムラテックス(いわゆるRFL)接着剤液
中の固形分含量やラテックスに対するレゾルシンとホル
ムアルデヒドの総重量の割合、ビニルピリジンラテック
スとスチレンブタジエンラテックスの総重量に対するビ
ニルピリジンラテックスの割合の関係をも特定して接着
性を向上させる技術も開示されている(特開平1-174627
号、同1-174628号各公報) 。
【0009】また、ディップ処理工程の後、ゴム中に埋
め込んで加硫する工程においてもやはり高強度ポリアミ
ド繊維の強力が低下することが分かっており(特開平2-
91276 号公報) 、これも同時に解決しなければならない
課題である。
【発明が解決しようとする課題】
【0010】ところで、ここで本発明者等はさらに、第
2の重要な問題点を発見した。それは、従来技術のよう
にコードを接着剤液に浸漬する際あるいはその前に、緊
張熱処理工程で熱または張力あるいは両方を加えると、
確かにディップ処理工程での強力低下は防止されるが、
その一方でゴム中の繰り返し圧縮歪下でのコード耐疲労
性が劣るという新事実であった。そこで、本発明者等
は、この原因について鋭意検討した結果、かかるコード
は接着剤液がコード内部に含浸しておらず、上撚交錯面
で裸のフィラメント同士が接触摩耗して疲労することが
主原因であるという事実を明らかにした。
【0011】従って、本発明の目的は、上記第1,第2
の問題点を全て同時に解決し、ディップ処理時および加
硫時に強力低下することなく、かつ繰り返し圧縮歪下で
の耐疲労性にも優れたゴム補強用高強度ポリアミド繊維
コードを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の2
つの重要な問題点を同時に解決すべく鋭意広範囲に亘り
検討した。まず、前記従来技術のように接着剤液浸漬前
に緊張熱処理されたコードでは、接着剤液がコード内部
に含浸していないので、伸長−圧縮の繰り返しにより裸
のフィラメント同士が上撚交錯面で接触摩耗して疲労し
てしまうことから、このコード疲労を防ぐ為には、やは
りこのような緊張熱処理工程ではなく、従来通りコード
を弛緩状態で、もしくは極めて低い張力下で接着剤液浸
漬処理を施してコード内部に十分接着剤を含浸させ、上
撚交錯面の繊維フィラメント表面を接着剤固形物で被覆
保護してやる必要性があると考えた。
【0013】ところが、このようにすると第2の疲労性
という問題は解消されるが、当然第1の問題点であるデ
ィップ処理時および加硫時のコード強力低下という現象
が現れてしまう。
【0014】そこで、この第1の問題点である強力低下
の原因について更に検討したところ、特開昭63-175179
号、同63-203841 号、同60-71239号および同60-104580
号の各公報にも触れられているように、コード内部に含
浸したディップ液がディップ処理時に高温オーブン内に
おいて乾燥樹脂化してフィラメント間を癒着させ、これ
によりコードを構成する各繊維フィラメントの自由度が
拘束され、コード伸長時の各繊維フィラメントの均一な
応力分担を妨げるので、コードが本来発揮すべき強力よ
りも低い強力で破断してしまうということを突き止め
た。また、より高強度のポリアミド繊維を製造する為に
は、一般により高倍率で延伸を行うので、高強度のポリ
アミド繊維ほど破断時のターミナルモジュラスが高くな
り、コード伸長時の各繊維フィラメントと均一な応力分
担に不利となり、ディップ処理時に強力低下し易くなる
と考えた。
【0015】そこで、本発明者等は種々の接着剤配合に
ついて広範囲に検討したところ、従来どおりコードを弛
緩状態もしくは極めて低い張力下で接着剤液に浸漬して
コード内部に十分含浸させても、その接着剤液配合をあ
る範囲のものとすることによって、コード伸長時の各繊
維フィラメントの均一な応力分担を達成し、高強度ポリ
アミド繊維の本来の強度を発揮できることを見出し、本
発明を完成するに至った。
【0016】
【数3】即ち、本発明は、1/2.3 ≦R/F≦1/1.1
、好ましくは1/2.0 ≦R/F≦1/1.3 、さらに好
ましくは1/1.8 ≦R/F≦1/1.5 (モル比) 1/10≦RF/L≦1/4、好ましくは1/8≦RF/
L≦1/5(固形分重量比) 0.05≦S≦0.8 、好ましくは 0.1≦S≦0.5 さらに好ま
しくは0.1 ≦S≦0.3 (重量%) 0≦A≦0.5 、好ましくは0≦A≦0.3 (重量%) 0.05≦S+A≦0.8 、好ましくは0.1 ≦S+A≦0.5
(重量%) 10≦C≦24、好ましくは14≦C≦22(重量%) (ただし、上式において、R/Fはレゾルシン/ホルム
アルデヒド総量のモル比、RF/Lはレゾルシンおよび
ホルムアルデヒド総量とゴムラテックス固形分の総量と
の比、SはRFL接着剤液の総固形分量に対するアルカ
リ金属水酸化物(通常はNaOH) またはアルカリ土類金属
水酸化物の重量%、AはRFL接着剤液の総固形分量に
対するNH3 水溶液のNH4OH ベースの重量%、CはRFL
接着剤液の総固形分重量%を示す)を全て同時に満足
し、かつビニルピリジン(VP)ラテックス(通常VP
含有量5〜20%)と、スチレンブタジエンゴム(SB
R)ラテックスと、天然ゴム(NR)および/またはイ
ソプレンゴム(IR)ラテックスの各々の固形分重量
の、全ラテックス固形分重量に対する重量比率%をそれ
ぞれa,b,cとしたときに、下記式、
【数4】VPラテックス:10≦a≦80、好ましくは30≦
a≦60(重量%) SBRラテックス:0≦b≦70、好ましくは10≦b≦50
(重量%) IRおよび/またはNRラテックス:20≦c≦60、好ま
しくは25≦c≦50(重量%) を同時に満足するようなRFL接着剤液を用いて接着剤
処理されゴム中に埋め込まれて加硫された後のポリアミ
ド繊維コードであって、該コードの強度が8.0g/d以上で
ある構成とする。(但し、ラテックス成分として、上記
以外のラテックスが含まれていてもよい。なお、SiO2
カーボンブラック、ホウ素化合物等を添加してもかまわ
ない。)
【0017】本発明に用いることのできるポリアミド繊
維としては、6,6−ナイロン、6−ナイロン、4,6
−ナイロン、6,10−ナイロンおよびこれらの組み合わ
せによる共重合体もしくは混合物の脂肪族ポリアミドが
挙げられるが、特には、6,6−ナイロンまたは6−ナ
イロンが80重量%以上を占める脂肪族ポリアミドが好ま
しく、さらにその耐熱性の高さから両者の内6,6−ナ
イロンが最も好ましい。また、これらのポリアミドには
通常、熱、光、酸素などに対する耐久性を付与するため
に、銅塩と他の酸化防止剤からなる安定剤が添加され
る。
【0018】また、かかるポリアミド繊維コードをゴム
補強用として使用し、例えば補強材の積層枚数の低減、
コード打ち込み本数の減少、コード太さの細糸化等によ
り充分なタイヤ軽量化、低燃費化、省資源化、コスト低
減、生産性向上等の目的を達成するためには、その強度
が8.0g/d以上、好ましくは8.5g/d以上、さらに好ましく
は9.5g/d以上である。
【0019】更に、コードの単糸繊度としては、1.5 〜
10デニールがよく、3デニール以上8デニール以下が好
ましい。1.5 デニール未満ではコードを構成するフィラ
メント本数が多く、フィラメント表面積も大き過ぎるの
で、乾燥熱処理後接着剤層の各繊維フィラメントに対す
る拘束と不均一応力分担が増大し、ディップ処理時に強
力低下し易くなる。一方、10デニールより大きいと、紡
糸時のフィラメント均一冷却が妨げられ、安定して高強
度糸を生産する上で好ましくない。
【0020】本発明のRFL接着剤液の範囲において、
R/Fが1/2.3 未満ではF量がR量に対して多過ぎ
て、R−F間での架橋が進み過ぎ、熱処理後の最終的な
RF樹脂の網目が密になり過ぎるため、結果としてRF
L接着剤層の硬さが硬くなり過ぎ、一方R/Fが1/1.
1 を超えると逆にF量がR量に対して少な過ぎて、R−
F間での架橋が少なく、RFL層の強度が弱くなり、ゴ
ムとの充分な接着が得られないし、コード表面がベタつ
いて作業性上好ましくない。
【0021】また、RF/Lが1/4を超えるとRF量
がL量に対し多過ぎて、結果としてRFL接着剤層の硬
さが硬くなり過ぎ、一方RF/Lが1/10未満では逆に
RF量がL量に対し少な過ぎて、ゴムとの充分な接着が
得られなくなる。
【0022】更に、Sが0.8 重量%を超えるとFとRの
反応触媒であるアルカリ金属水酸化物の量が多過ぎて、
R−F間での架橋が進み過ぎ、熱処理後の最終的なRF
樹脂の網目が密過ぎるため、結果としてRFL接着剤層
の硬さが硬くなり過ぎ、一方Sが0.05重量%未満では逆
にアルカリ金属水酸化物の量が少なすぎて、液がゲル化
しやすく安定性が悪い。アルカリ金属水酸化物としては
一般的にはNaOHが良いが、他のアルカリ金属水酸化物、
例えばKOH 等でもよいし、また、アルカリ土類金属水酸
化物でもよい。
【0023】更にまた、NH3 水溶液を少量添加すること
により、ゴムとの接着性がやや向上するが、Aが0.5 重
量%を超えるか、またはAが0.5 重量%未満でもS+A
が0.8 重量%を超えると、やはりFとRの架橋反応が進
み過ぎて、熱処理後のRF樹脂の網目が密となり、結果
としてRFL接着剤層の硬さが硬くなり過ぎる。
【0024】更にまた、Cが10濃度%未満では接着剤浸
漬時にゴムとの接着に必要なだけの十分な接着剤固形分
をコードに付着せしめることができず、一方Cが24濃度
%を超えると濃度が高過ぎてRFL接着剤液がゲル化し
易くなり、不安定になる。
【0025】次に、溶液中のラテックス成分についてa
が10重量%未満ではゴムとの充分な接着が得られず、一
方、80重量%を超えると接着力の被着ゴム選択性が大き
くなり好ましくなく、またRFL液のコストも高くなり
過ぎる。また、ラテックス成分としてSBRラテックス
を加えると耐熱接着性が向上し、好ましいが、bが70重
量%を超えるとゴムとの接着性が低下する。
【0026】更に、特開平2−91276 号公報に開示され
ているようにNRおよび/またはIRラテックスを適当
量使用することによって加硫時の強力低下を抑制するこ
とができるが、cが20重量%未満では充分な加硫時の強
力低下抑制効果がなく、一方cが60重量%を超えるとゴ
ムとの充分な接着が得られない。
【0027】上記の各要件は、全ての要件を同時に満た
して初めて本発明の範囲のRFL接着剤層が得られるの
であって、各要件の内一つのみを満たしても達成されな
い。
【0028】また、酸性触媒前縮合タイプのノボラック
RF樹脂を用いる場合、RとFが直線状に縮合している
ので、熱処理後の最終的なRF樹脂のR−F網目がやや
粗になり、RFL接着剤層が比較的柔軟になる傾向があ
るが、この場合でもやはりR、F、Lの量比やアルカリ
金属水酸化物量、ラテックス種および分率等の、上記要
件を同時に満たさないと、本発明の範囲に入らず、十分
に繊維の強度を発揮することができない。
【0029】ただし、前縮合タイプのノボラックスRF
樹脂を用いるとコード表面がベタついたり、液の安定性
が通常アルカリ触媒のレゾール系と比べてやや劣る等の
問題点があるので、通常アルカリ触媒のレゾール系の方
が好ましい。
【0030】また、接着剤処理するにあたり、上記RF
L液に浸漬する際のコード張力Tが0.3g/d以上では、該
コード内部に接着剤液が充分含浸せず、上撚交差面での
フィラメント接触摩耗疲労に劣る。Tは、好ましくは0.
2g/d以下、さらに好ましくは0.1g/d以下である。
【0031】本発明のRFL接着剤処理されゴム中に埋
め込まれたポリアミド繊維コードにおいては、そのRF
L接着剤層が従来のものとくらべて柔軟であり、コード
を構成する各繊維フィラメントに対する接着剤層による
拘束が少ないのでコード伸長時の各繊維フィラメントの
均一な応力分担が達成でき、該コードが本来もっている
高強力を発揮できるものと考えられる。
【0032】
【実施例】次に本発明を実施例および比較例により具体
的に説明する。試験に供するポリアミド原糸として、
(ア)従来一般強度の6,6−ナイロン1890d、単糸繊
度6d(デニール)、原糸強度9.5 g/dのもの、
(イ)高強度6,6−ナイロン1890d、単糸繊度6d、
原糸強度10.2g/dのもの、(ウ)超高強度6,6−ナ
イロン1890d、単糸繊度4d、原糸強度12.2g/dのも
の、および(エ)超高強度6−ナイロン1260d、単糸繊
度3d、原糸強度13.0g/dのもの夫々計4種を用い
た。原糸(ア)、(イ)、(ウ)については、撚り構造
1890d/2で撚数32回/10cmとし、(エ)については、
撚り構造1260d/2で撚数39回/10cmとした。
【0033】本実施例および比較例におけるRFL接着
剤液の調製法としては、まず軟水にレゾルシンを溶解さ
せた後、NaOH水溶液を添加し、次いでホルマリンを添加
し、室温下で6時間放置熟成させ、次いでNH3 水溶液を
加える配合の場合はNH3 水溶液を加えた後、ラテックス
を加え、更に室温下で24時間放置熟成させた後に接着剤
処理に用いた。
【0034】本実施例における接着剤液処理の方法の概
要を図1に示す。また、比較のために行った接着剤浸漬
前にコード緊張熱処理を行う処理方法の概要を図2に示
す。図1、図2においてプレ緊張熱処理ゾーン1、乾燥
ゾーン2、ホットゾーン3、ノルマライズゾーン4の各
ゾーンにおいて、コードにかける温度、露出時間、張力
は6,6−ナイロン繊維についてはそれぞれ190 ℃×40
秒×1.0g/d、130 ℃×120 秒×0.8g/d、235 ℃×40秒×
0.8g/d、230 ℃×40秒×0.5g/dとし、6−ナイロン繊維
についてはそれぞれ160 ℃×40秒×1.0g/d、130 ℃×12
0 秒×0.8g/d、200 ℃×40秒×0.8g/d、195 ℃×40秒×
0.5g/dとした。
【0035】なお、各物性値の測定法は、次の通りであ
る。 1)破断強力、強度 原糸、生コード、ディップコード、加硫後コードともに
全てJIS L1017 に従い、島津製作所製オートグラフにて
引っ張りテストし、破断時の強力(kg) を求めた。ま
た、強度(g/d)算出は次式に従い、このときのコー
ドデニールは、原糸についてはJIS L1017 の正量繊度を
用いた。 強度=破断強力/正量繊度 加硫後のゴム中のコードについては、採取したコードか
らフィラメントを10本抜き取り、光学顕微鏡でフィラメ
ント各1本ずつのコード径を求め、その平均フィラメン
ト径から断面を真円形とみなして、フィラメント断面積
を求めた。これと、断面観察して数えた総フィラメント
本数とから単位長さ当りの体積を求め、これをポリアミ
ド繊維の密度ρ(6,6−ナイロン、6−ナイロンの場
合ρ=1.14) を用いて単位長さあたりの重量(デニー
ル)に変換し、推定デニール数を求め、次式に従い強度
を算出した。 強度=破断強力/推定デニール
【0036】2)接着力 接着剤処理コードを下記の表1に示す未加硫配合ゴム組
成物に埋め込み、153℃×20分にて加硫し、得られた加
硫物からコードを掘り起こし、300mm/分の速度にて引っ
張って加硫物から剥離し、コード1本あたりの剥離抗力
を求めて、これを接着力(kg/本) とした。
【0037】
【表1】
【0038】3)加硫後ゴム中強力テスト ディップコードを上記表1の未加硫配合ゴム組成物中に
埋め込み、コード両端を固定して153 ℃×40分間、定長
状態にて加硫した。その後、定長状態のまま自然放冷後
に加硫サンプルを取り出し、コード引き剥がし時のケバ
立ちを避ける為、ゴムが周囲に付いたままのコードをハ
サミで切り出して、表面ゴムを出来得る限りそぎ落とし
た。かかるコードを表面ゴムが付いたままの状態で上記
の方法で破断強力測定した。
【0039】4)疲労テスト後強力保持率 接着剤処理済みコードを、1890d/2 は50本/5cm、1260
d/2 は60本/5cmの打ち込み数で並べて、前述の接着テ
ストに用いたものと同じ未加硫配合ゴムの0.4mm シート
を両側から張り合わせ、5cm幅×60cm長さのゴムトッピ
ングシートを作成した。このようなトッピングシート2
枚の間に厚さ3mmの未加硫配合ゴムシートを挟み、さら
にこの上下面にサンプル全体の厚さが15mmになるように
未加硫配合ゴムシートを張り合わせ、コード両端を固定
して定長下で145 ℃×40分、20kg/cm2の加圧下に加硫
し、耐屈曲疲労性テスト用サンプルを作成した。次に、
このサンプルを直径60mmのプーリーに掛け、両端より15
0kg の荷重を掛けて、120 ℃の雰囲気温度下で毎時5000
回の繰り返し屈曲を加えた。100 万回屈曲後に取り外
し、2層のポリアミド繊維コード層のうち、プーリーに
接する側(繰り返し圧縮歪を受ける側)のコードを取り
出し、その破断強力を測定し、その値の屈曲テスト前の
新品の強力に対する保持率(%)でコードの耐疲労性を
表わした。
【0040】
【表2】
【0041】表2の比較例1では、超高強度の6,6−
ナイロンコードを、本発明の配合範囲外である従来一般
のRFL配合を用いかつ図1にあるような従来一般の接
着剤処理工程にて処理しているので、ディップ時強力保
持率が82.2%と低下が著しかった。
【0042】一方、比較2では、同じ生コードを図2に
あるような緊張熱処理ゾーンを経た後に高張力下で接着
剤液に浸漬しているので、接着剤液がコード内部に含浸
せず、ディップ時の強力保持率も高かった。しかし、疲
労テストでの繰り返し圧縮により大幅に強力低下した。
これは、疲労後にコードを詳細に観察したところ、上撚
交差面で、裸のフィラメント同士が接触摩耗して疲労す
ることが原因であることが分かった
【0043】次に、実施例1,2では、本発明の範囲の
RFL接着剤配合液を用いているので、接着剤層が柔ら
かく、図1にあるような従来一般の接着剤処理工程にて
処理しているにもかかわらずディップ時の強力保持率が
高いことが分かる。また、加硫時の強力も高く保持され
ている。更に、実施例1,2では接着剤液浸漬時の張力
が低いのでコード内部に十分含浸し、上撚交差面の繊維
フィラメント表面が接着剤固形物で被覆保護されるた
め、疲労テストの強力保持が非常に良好であった。すな
わち、ディップ、加硫時の強力低下と低圧縮下での疲労
性という2つの問題を同時に解消し得たことが分かる。
【0044】次に、実施例3,4は、原糸強度10.2の高
強度6,6−ナイロンではあるが、やはり本発明の接着
剤液を使用しているので、強力保持と耐疲労性の2者を
両立させることができた。これに対し、比較例3は従来
強度の6,6−ナイロンであるため、従来一般のRFL
配合を用い、かつ図1にあるような従来一般の接着剤処
理工程にて処理しても強力低下が小さかった。このとき
の加硫後のゴム中強度は7.9 であった。
【0045】実施例5では、超高強力の6−ナイロンを
用いているが、本発明の範囲の配合の接着剤液を用いて
いるのでディップ、加硫時の強力保持、耐疲労性ともに
良好であった。比較例4は、前縮合タイプのノボラック
樹脂を用いているが、接着剤液の配合の範囲が本発明の
範囲外であり、RFL層の硬さが硬過ぎるためか、ディ
ップ、加硫時の強力低下が大きく、本来の強度が発揮で
きなかった。一方、実施例6はやはり同じ前縮合タイプ
のノボラックRF樹脂を用いているが、接着剤液の配合
が、本発明の範囲内となるため、良好な結果が得られ
た。
【0046】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、RFL接着剤配合を適当な範囲にコントロールする
ことにより、高強度ポリアミド繊維コードのこれまで両
立できなかった問題点である、接着剤処理時および加硫
時の強力低下の問題と、耐繰り返し圧縮疲労性の低下の
問題とを共に克服することができ、さらにゴムとの接着
性にも優れたゴム補強用ポリアミド繊維コードを得るこ
とができる。これにより補強材の積層枚数やコード打ち
込み本数の減少等による補強材量の削減を図り、タイヤ
軽量化、低燃費化、省資源化、コスト低減、生産性向上
等の目的を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】接着剤処理の方法の概要を示す工程図である。
【図2】接着剤浸漬前にコード緊張熱処理を行う接着剤
処理の方法の概要を示す工程図である。
【符号の説明】
1 プレ緊張熱処理ゾーン 2 乾燥ゾーン 3 ホットゾーン 4 ノルマライズゾーン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI D02G 3/40 D02G 3/40 D06M 15/693 D06M 15/693 // C08J 5/12 CFG C08J 5/12 CFG D06M 15/693 (56)参考文献 特開 平2−91276(JP,A) 特開 平2−206630(JP,A) 特開 昭63−175179(JP,A) 特開 平1−174628(JP,A) 特開 昭50−124972(JP,A) 特開 平3−27139(JP,A) 特開 昭60−162828(JP,A) 特開 平3−185110(JP,A) 特開 昭60−71240(JP,A) 特開 平5−279934(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D02G 1/00 - 3/48 D02J 1/00 - 13/00 D06M 13/00 - 15/715

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 【数1】1/2.3 ≦R/F≦1/1.1 (モル比) 1/10≦RF/L≦1/4(固形分重量比) 0.05≦S≦0.8 (重量%) 0≦A≦0.5 (重量%) 0.05≦S+A≦0.8 (重量%) 10≦C≦24(重量%) (ただし、上式において、R/Fはレゾルシン/ホルム
    アルデヒド総量のモル比、RF/Lはレゾルシンおよび
    ホルムアルデヒド総量とゴムラテックス固形分の総量と
    の比、SはRFL接着剤液の総固形分量に対するアルカ
    リ金属水酸化物の重量%、AはRFL接着剤液の総固形
    分量に対するNH3 水溶液のNH4OH ベースの重量%、Cは
    RFL接着剤液の総固形分重量%を示す)を全て同時に
    満足し、かつビニルピリジン(VP)ラテックスと、ス
    チレンブタジエンゴム(SBR)ラテックスと、天然ゴ
    ム(NR)および/またはイソプレンゴム(IR)ラテ
    ックスの各々の固形分重量の全ラテックス固形分重量に
    対する重量比率%をそれぞれa,b,cとしたときに、
    下記式、 【数2】VPラテックス:10≦a≦80(重量%) SBRラテックス:0≦b≦70(重量%) IRおよび/またはNRラテックス:20≦c≦60(重量
    %) を同時に満足するようなRFL接着剤液を用いて接着剤
    処理されゴム中に埋め込まれて加硫された後のポリアミ
    ド繊維コードであって、該コードの強度が8.0g/d以上で
    あることを特徴とするゴム補強用ポリアミド繊維コー
    ド。
  2. 【請求項2】 前記ポリアミド繊維コードの強度が8.5g
    /d以上好ましくは9.5g/d以上で、かつ単糸繊度が1.5 〜
    10デニールの範囲内である請求項1記載のゴム補強用ポ
    リアミド繊維コード。
  3. 【請求項3】 前記ポリアミド繊維が6,6−ナイロン
    である請求項1または2記載のゴム補強用ポリアミド繊
    維コード。
JP05260992A 1991-03-13 1992-03-11 ゴム補強用ポリアミド繊維コード Expired - Lifetime JP3157587B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05260992A JP3157587B2 (ja) 1991-03-13 1992-03-11 ゴム補強用ポリアミド繊維コード

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7212391 1991-03-13
JP3-72123 1991-03-13
JP05260992A JP3157587B2 (ja) 1991-03-13 1992-03-11 ゴム補強用ポリアミド繊維コード

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05186926A JPH05186926A (ja) 1993-07-27
JP3157587B2 true JP3157587B2 (ja) 2001-04-16

Family

ID=26393232

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP05260992A Expired - Lifetime JP3157587B2 (ja) 1991-03-13 1992-03-11 ゴム補強用ポリアミド繊維コード

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3157587B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20230058062A (ko) 2020-08-25 2023-05-02 주식회사 쿠라레 보강 섬유, 및 그것을 사용한 성형체

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05186926A (ja) 1993-07-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4565537B2 (ja) ゴム補強用ポリエステル繊維コードの製造方法
WO2006093182A1 (ja) ゴム補強用ポリエステルコードおよびその製造方法
JP2004308027A (ja) ゴム補強用ポリケトン繊維コード及びそれを用いたタイヤ
JP2006274528A (ja) ポリエステルタイヤキャッププライコードおよびその製造方法
JP5899762B2 (ja) ゴム補強用ポリエステル繊維コードの製造方法およびタイヤ
JP2006274530A (ja) ゴムとの接着性の改善されたポリエステル繊維材料およびその製造方法
JP3157587B2 (ja) ゴム補強用ポリアミド繊維コード
JP2006037251A (ja) ゴム・繊維接着用の処理液及びゴム補強用繊維材料の製造方法
JP2007154385A (ja) ゴム補強用複合コード及び繊維強化ゴム材料
JP2002226812A (ja) 炭素繊維用接着処理剤、ゴム補強用炭素繊維およびその製造方法
JP3765073B2 (ja) ゴム補強用芳香族ポリアミド繊維、その製造方法および繊維強化ゴム複合材料
JP3157590B2 (ja) ゴム補強用ポリアミド繊維コード
JP2005042229A (ja) 伝動ベルト補強用炭素繊維コードおよびこれを用いた伝動ベルト
JP3891357B2 (ja) ゴム補強用ポリエステルコードおよびその製造方法
JP2007169833A (ja) ポリエステルタイヤキャッププライコードおよびその製造方法
JP2006214043A (ja) ゴム補強用炭素繊維
JPH06210761A (ja) 空気入りバイアスタイヤ
JP3228287B2 (ja) ゴム・繊維用接着剤組成物、ゴム補強用合成繊維および繊維補強ゴム構造物
EP0506264B1 (en) Polyamide fiber cords for rubber reinforcement
JPH06207338A (ja) ポリビニルアルコール系コード及びその製造法
JP4544829B2 (ja) ポリケトン繊維コード及びそれを用いたタイヤ
JP3627390B2 (ja) ゴム補強用芳香族ポリアミド繊維の製造方法
JP2010280998A (ja) ゴム補強用コードおよびその製造方法
JPH0859846A (ja) 合成繊維との接着性を改善したゴム配合物
JPS6071240A (ja) タイヤ補強用コ−ドの製造法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080209

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090209

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100209

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100209

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110209

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120209

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120209

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130209

Year of fee payment: 12

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130209

Year of fee payment: 12