JP3157587B2 - ゴム補強用ポリアミド繊維コード - Google Patents
ゴム補強用ポリアミド繊維コードInfo
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- Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
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- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
Description
強用ポリアミド繊維コードに関するものである。
とする各種ゴム製品の補強用コード材料の中でも優れた
強度、耐久性及び耐熱性を有するため、従来からトラッ
ク・バス用、建設車両用、航空機用等の大型タイヤやコ
ンベヤベルト、ホース、空気バネ等のゴム工業製品の補
強材として多く使用されてきた。
化、コスト低減、生産性向上等の目的から補強材の積層
枚数の低減、コード打ち込み本数の減少、コード太さの
細糸化等による補強材量の減少が強く要請されている。
まま補強材量を減少させるためには、より高強度の繊維
が必要であるが、近年、従来対比大幅に強度の向上した
超高強度のポリアミド繊維が開発され、開示されている
(例えば、特開昭61-70008号公報)。
アミド繊維コードは、繊維−ゴム間の接着に必要な接着
剤液に浸漬後乾燥熱処理し、次いで繊維融点近傍の高温
下で熱処理する、いわゆる「ディップ処理工程」を行う
とコード強度が大幅に低下してしまうという現象が問題
点として指摘された(特開昭63-17517号,同 63-203841
号各公報)。
コード張力を0.5g/d以上とするか、または100 ℃以上の
高温下で予め前処理することにより、接着剤液をコード
内部に含浸させないようにして、かかるコードの強力低
下を防止することが提案されている。
されており(特開昭60-71239号, 同60-104580 号各公
報) 、接着剤処理に先だって緊張下で熱処理すること
や、3%以上の伸長下において接着剤を付与することが
提案されている。
ドへの接着剤付着量が少ないためゴム−繊維間の接着力
が低くなるので、接着剤液に浸漬する前の緊張熱処理工
程での温度と張力との関係と同時に、レゾルシン−ホル
ムアルデヒド/ゴムラテックス(いわゆるRFL)接着剤液
中の固形分含量やラテックスに対するレゾルシンとホル
ムアルデヒドの総重量の割合、ビニルピリジンラテック
スとスチレンブタジエンラテックスの総重量に対するビ
ニルピリジンラテックスの割合の関係をも特定して接着
性を向上させる技術も開示されている(特開平1-174627
号、同1-174628号各公報) 。
め込んで加硫する工程においてもやはり高強度ポリアミ
ド繊維の強力が低下することが分かっており(特開平2-
91276 号公報) 、これも同時に解決しなければならない
課題である。
2の重要な問題点を発見した。それは、従来技術のよう
にコードを接着剤液に浸漬する際あるいはその前に、緊
張熱処理工程で熱または張力あるいは両方を加えると、
確かにディップ処理工程での強力低下は防止されるが、
その一方でゴム中の繰り返し圧縮歪下でのコード耐疲労
性が劣るという新事実であった。そこで、本発明者等
は、この原因について鋭意検討した結果、かかるコード
は接着剤液がコード内部に含浸しておらず、上撚交錯面
で裸のフィラメント同士が接触摩耗して疲労することが
主原因であるという事実を明らかにした。
の問題点を全て同時に解決し、ディップ処理時および加
硫時に強力低下することなく、かつ繰り返し圧縮歪下で
の耐疲労性にも優れたゴム補強用高強度ポリアミド繊維
コードを提供することにある。
つの重要な問題点を同時に解決すべく鋭意広範囲に亘り
検討した。まず、前記従来技術のように接着剤液浸漬前
に緊張熱処理されたコードでは、接着剤液がコード内部
に含浸していないので、伸長−圧縮の繰り返しにより裸
のフィラメント同士が上撚交錯面で接触摩耗して疲労し
てしまうことから、このコード疲労を防ぐ為には、やは
りこのような緊張熱処理工程ではなく、従来通りコード
を弛緩状態で、もしくは極めて低い張力下で接着剤液浸
漬処理を施してコード内部に十分接着剤を含浸させ、上
撚交錯面の繊維フィラメント表面を接着剤固形物で被覆
保護してやる必要性があると考えた。
という問題は解消されるが、当然第1の問題点であるデ
ィップ処理時および加硫時のコード強力低下という現象
が現れてしまう。
の原因について更に検討したところ、特開昭63-175179
号、同63-203841 号、同60-71239号および同60-104580
号の各公報にも触れられているように、コード内部に含
浸したディップ液がディップ処理時に高温オーブン内に
おいて乾燥樹脂化してフィラメント間を癒着させ、これ
によりコードを構成する各繊維フィラメントの自由度が
拘束され、コード伸長時の各繊維フィラメントの均一な
応力分担を妨げるので、コードが本来発揮すべき強力よ
りも低い強力で破断してしまうということを突き止め
た。また、より高強度のポリアミド繊維を製造する為に
は、一般により高倍率で延伸を行うので、高強度のポリ
アミド繊維ほど破断時のターミナルモジュラスが高くな
り、コード伸長時の各繊維フィラメントと均一な応力分
担に不利となり、ディップ処理時に強力低下し易くなる
と考えた。
ついて広範囲に検討したところ、従来どおりコードを弛
緩状態もしくは極めて低い張力下で接着剤液に浸漬して
コード内部に十分含浸させても、その接着剤液配合をあ
る範囲のものとすることによって、コード伸長時の各繊
維フィラメントの均一な応力分担を達成し、高強度ポリ
アミド繊維の本来の強度を発揮できることを見出し、本
発明を完成するに至った。
、好ましくは1/2.0 ≦R/F≦1/1.3 、さらに好
ましくは1/1.8 ≦R/F≦1/1.5 (モル比) 1/10≦RF/L≦1/4、好ましくは1/8≦RF/
L≦1/5(固形分重量比) 0.05≦S≦0.8 、好ましくは 0.1≦S≦0.5 さらに好ま
しくは0.1 ≦S≦0.3 (重量%) 0≦A≦0.5 、好ましくは0≦A≦0.3 (重量%) 0.05≦S+A≦0.8 、好ましくは0.1 ≦S+A≦0.5
(重量%) 10≦C≦24、好ましくは14≦C≦22(重量%) (ただし、上式において、R/Fはレゾルシン/ホルム
アルデヒド総量のモル比、RF/Lはレゾルシンおよび
ホルムアルデヒド総量とゴムラテックス固形分の総量と
の比、SはRFL接着剤液の総固形分量に対するアルカ
リ金属水酸化物(通常はNaOH) またはアルカリ土類金属
水酸化物の重量%、AはRFL接着剤液の総固形分量に
対するNH3 水溶液のNH4OH ベースの重量%、CはRFL
接着剤液の総固形分重量%を示す)を全て同時に満足
し、かつビニルピリジン(VP)ラテックス(通常VP
含有量5〜20%)と、スチレンブタジエンゴム(SB
R)ラテックスと、天然ゴム(NR)および/またはイ
ソプレンゴム(IR)ラテックスの各々の固形分重量
の、全ラテックス固形分重量に対する重量比率%をそれ
ぞれa,b,cとしたときに、下記式、
a≦60(重量%) SBRラテックス:0≦b≦70、好ましくは10≦b≦50
(重量%) IRおよび/またはNRラテックス:20≦c≦60、好ま
しくは25≦c≦50(重量%) を同時に満足するようなRFL接着剤液を用いて接着剤
処理されゴム中に埋め込まれて加硫された後のポリアミ
ド繊維コードであって、該コードの強度が8.0g/d以上で
ある構成とする。(但し、ラテックス成分として、上記
以外のラテックスが含まれていてもよい。なお、SiO2、
カーボンブラック、ホウ素化合物等を添加してもかまわ
ない。)
維としては、6,6−ナイロン、6−ナイロン、4,6
−ナイロン、6,10−ナイロンおよびこれらの組み合わ
せによる共重合体もしくは混合物の脂肪族ポリアミドが
挙げられるが、特には、6,6−ナイロンまたは6−ナ
イロンが80重量%以上を占める脂肪族ポリアミドが好ま
しく、さらにその耐熱性の高さから両者の内6,6−ナ
イロンが最も好ましい。また、これらのポリアミドには
通常、熱、光、酸素などに対する耐久性を付与するため
に、銅塩と他の酸化防止剤からなる安定剤が添加され
る。
補強用として使用し、例えば補強材の積層枚数の低減、
コード打ち込み本数の減少、コード太さの細糸化等によ
り充分なタイヤ軽量化、低燃費化、省資源化、コスト低
減、生産性向上等の目的を達成するためには、その強度
が8.0g/d以上、好ましくは8.5g/d以上、さらに好ましく
は9.5g/d以上である。
10デニールがよく、3デニール以上8デニール以下が好
ましい。1.5 デニール未満ではコードを構成するフィラ
メント本数が多く、フィラメント表面積も大き過ぎるの
で、乾燥熱処理後接着剤層の各繊維フィラメントに対す
る拘束と不均一応力分担が増大し、ディップ処理時に強
力低下し易くなる。一方、10デニールより大きいと、紡
糸時のフィラメント均一冷却が妨げられ、安定して高強
度糸を生産する上で好ましくない。
R/Fが1/2.3 未満ではF量がR量に対して多過ぎ
て、R−F間での架橋が進み過ぎ、熱処理後の最終的な
RF樹脂の網目が密になり過ぎるため、結果としてRF
L接着剤層の硬さが硬くなり過ぎ、一方R/Fが1/1.
1 を超えると逆にF量がR量に対して少な過ぎて、R−
F間での架橋が少なく、RFL層の強度が弱くなり、ゴ
ムとの充分な接着が得られないし、コード表面がベタつ
いて作業性上好ましくない。
がL量に対し多過ぎて、結果としてRFL接着剤層の硬
さが硬くなり過ぎ、一方RF/Lが1/10未満では逆に
RF量がL量に対し少な過ぎて、ゴムとの充分な接着が
得られなくなる。
反応触媒であるアルカリ金属水酸化物の量が多過ぎて、
R−F間での架橋が進み過ぎ、熱処理後の最終的なRF
樹脂の網目が密過ぎるため、結果としてRFL接着剤層
の硬さが硬くなり過ぎ、一方Sが0.05重量%未満では逆
にアルカリ金属水酸化物の量が少なすぎて、液がゲル化
しやすく安定性が悪い。アルカリ金属水酸化物としては
一般的にはNaOHが良いが、他のアルカリ金属水酸化物、
例えばKOH 等でもよいし、また、アルカリ土類金属水酸
化物でもよい。
により、ゴムとの接着性がやや向上するが、Aが0.5 重
量%を超えるか、またはAが0.5 重量%未満でもS+A
が0.8 重量%を超えると、やはりFとRの架橋反応が進
み過ぎて、熱処理後のRF樹脂の網目が密となり、結果
としてRFL接着剤層の硬さが硬くなり過ぎる。
漬時にゴムとの接着に必要なだけの十分な接着剤固形分
をコードに付着せしめることができず、一方Cが24濃度
%を超えると濃度が高過ぎてRFL接着剤液がゲル化し
易くなり、不安定になる。
が10重量%未満ではゴムとの充分な接着が得られず、一
方、80重量%を超えると接着力の被着ゴム選択性が大き
くなり好ましくなく、またRFL液のコストも高くなり
過ぎる。また、ラテックス成分としてSBRラテックス
を加えると耐熱接着性が向上し、好ましいが、bが70重
量%を超えるとゴムとの接着性が低下する。
ているようにNRおよび/またはIRラテックスを適当
量使用することによって加硫時の強力低下を抑制するこ
とができるが、cが20重量%未満では充分な加硫時の強
力低下抑制効果がなく、一方cが60重量%を超えるとゴ
ムとの充分な接着が得られない。
して初めて本発明の範囲のRFL接着剤層が得られるの
であって、各要件の内一つのみを満たしても達成されな
い。
RF樹脂を用いる場合、RとFが直線状に縮合している
ので、熱処理後の最終的なRF樹脂のR−F網目がやや
粗になり、RFL接着剤層が比較的柔軟になる傾向があ
るが、この場合でもやはりR、F、Lの量比やアルカリ
金属水酸化物量、ラテックス種および分率等の、上記要
件を同時に満たさないと、本発明の範囲に入らず、十分
に繊維の強度を発揮することができない。
樹脂を用いるとコード表面がベタついたり、液の安定性
が通常アルカリ触媒のレゾール系と比べてやや劣る等の
問題点があるので、通常アルカリ触媒のレゾール系の方
が好ましい。
L液に浸漬する際のコード張力Tが0.3g/d以上では、該
コード内部に接着剤液が充分含浸せず、上撚交差面での
フィラメント接触摩耗疲労に劣る。Tは、好ましくは0.
2g/d以下、さらに好ましくは0.1g/d以下である。
め込まれたポリアミド繊維コードにおいては、そのRF
L接着剤層が従来のものとくらべて柔軟であり、コード
を構成する各繊維フィラメントに対する接着剤層による
拘束が少ないのでコード伸長時の各繊維フィラメントの
均一な応力分担が達成でき、該コードが本来もっている
高強力を発揮できるものと考えられる。
的に説明する。試験に供するポリアミド原糸として、
(ア)従来一般強度の6,6−ナイロン1890d、単糸繊
度6d(デニール)、原糸強度9.5 g/dのもの、
(イ)高強度6,6−ナイロン1890d、単糸繊度6d、
原糸強度10.2g/dのもの、(ウ)超高強度6,6−ナ
イロン1890d、単糸繊度4d、原糸強度12.2g/dのも
の、および(エ)超高強度6−ナイロン1260d、単糸繊
度3d、原糸強度13.0g/dのもの夫々計4種を用い
た。原糸(ア)、(イ)、(ウ)については、撚り構造
1890d/2で撚数32回/10cmとし、(エ)については、
撚り構造1260d/2で撚数39回/10cmとした。
剤液の調製法としては、まず軟水にレゾルシンを溶解さ
せた後、NaOH水溶液を添加し、次いでホルマリンを添加
し、室温下で6時間放置熟成させ、次いでNH3 水溶液を
加える配合の場合はNH3 水溶液を加えた後、ラテックス
を加え、更に室温下で24時間放置熟成させた後に接着剤
処理に用いた。
要を図1に示す。また、比較のために行った接着剤浸漬
前にコード緊張熱処理を行う処理方法の概要を図2に示
す。図1、図2においてプレ緊張熱処理ゾーン1、乾燥
ゾーン2、ホットゾーン3、ノルマライズゾーン4の各
ゾーンにおいて、コードにかける温度、露出時間、張力
は6,6−ナイロン繊維についてはそれぞれ190 ℃×40
秒×1.0g/d、130 ℃×120 秒×0.8g/d、235 ℃×40秒×
0.8g/d、230 ℃×40秒×0.5g/dとし、6−ナイロン繊維
についてはそれぞれ160 ℃×40秒×1.0g/d、130 ℃×12
0 秒×0.8g/d、200 ℃×40秒×0.8g/d、195 ℃×40秒×
0.5g/dとした。
る。 1)破断強力、強度 原糸、生コード、ディップコード、加硫後コードともに
全てJIS L1017 に従い、島津製作所製オートグラフにて
引っ張りテストし、破断時の強力(kg) を求めた。ま
た、強度(g/d)算出は次式に従い、このときのコー
ドデニールは、原糸についてはJIS L1017 の正量繊度を
用いた。 強度=破断強力/正量繊度 加硫後のゴム中のコードについては、採取したコードか
らフィラメントを10本抜き取り、光学顕微鏡でフィラメ
ント各1本ずつのコード径を求め、その平均フィラメン
ト径から断面を真円形とみなして、フィラメント断面積
を求めた。これと、断面観察して数えた総フィラメント
本数とから単位長さ当りの体積を求め、これをポリアミ
ド繊維の密度ρ(6,6−ナイロン、6−ナイロンの場
合ρ=1.14) を用いて単位長さあたりの重量(デニー
ル)に変換し、推定デニール数を求め、次式に従い強度
を算出した。 強度=破断強力/推定デニール
成物に埋め込み、153℃×20分にて加硫し、得られた加
硫物からコードを掘り起こし、300mm/分の速度にて引っ
張って加硫物から剥離し、コード1本あたりの剥離抗力
を求めて、これを接着力(kg/本) とした。
埋め込み、コード両端を固定して153 ℃×40分間、定長
状態にて加硫した。その後、定長状態のまま自然放冷後
に加硫サンプルを取り出し、コード引き剥がし時のケバ
立ちを避ける為、ゴムが周囲に付いたままのコードをハ
サミで切り出して、表面ゴムを出来得る限りそぎ落とし
た。かかるコードを表面ゴムが付いたままの状態で上記
の方法で破断強力測定した。
d/2 は60本/5cmの打ち込み数で並べて、前述の接着テ
ストに用いたものと同じ未加硫配合ゴムの0.4mm シート
を両側から張り合わせ、5cm幅×60cm長さのゴムトッピ
ングシートを作成した。このようなトッピングシート2
枚の間に厚さ3mmの未加硫配合ゴムシートを挟み、さら
にこの上下面にサンプル全体の厚さが15mmになるように
未加硫配合ゴムシートを張り合わせ、コード両端を固定
して定長下で145 ℃×40分、20kg/cm2の加圧下に加硫
し、耐屈曲疲労性テスト用サンプルを作成した。次に、
このサンプルを直径60mmのプーリーに掛け、両端より15
0kg の荷重を掛けて、120 ℃の雰囲気温度下で毎時5000
回の繰り返し屈曲を加えた。100 万回屈曲後に取り外
し、2層のポリアミド繊維コード層のうち、プーリーに
接する側(繰り返し圧縮歪を受ける側)のコードを取り
出し、その破断強力を測定し、その値の屈曲テスト前の
新品の強力に対する保持率(%)でコードの耐疲労性を
表わした。
ナイロンコードを、本発明の配合範囲外である従来一般
のRFL配合を用いかつ図1にあるような従来一般の接
着剤処理工程にて処理しているので、ディップ時強力保
持率が82.2%と低下が著しかった。
あるような緊張熱処理ゾーンを経た後に高張力下で接着
剤液に浸漬しているので、接着剤液がコード内部に含浸
せず、ディップ時の強力保持率も高かった。しかし、疲
労テストでの繰り返し圧縮により大幅に強力低下した。
これは、疲労後にコードを詳細に観察したところ、上撚
交差面で、裸のフィラメント同士が接触摩耗して疲労す
ることが原因であることが分かった
RFL接着剤配合液を用いているので、接着剤層が柔ら
かく、図1にあるような従来一般の接着剤処理工程にて
処理しているにもかかわらずディップ時の強力保持率が
高いことが分かる。また、加硫時の強力も高く保持され
ている。更に、実施例1,2では接着剤液浸漬時の張力
が低いのでコード内部に十分含浸し、上撚交差面の繊維
フィラメント表面が接着剤固形物で被覆保護されるた
め、疲労テストの強力保持が非常に良好であった。すな
わち、ディップ、加硫時の強力低下と低圧縮下での疲労
性という2つの問題を同時に解消し得たことが分かる。
強度6,6−ナイロンではあるが、やはり本発明の接着
剤液を使用しているので、強力保持と耐疲労性の2者を
両立させることができた。これに対し、比較例3は従来
強度の6,6−ナイロンであるため、従来一般のRFL
配合を用い、かつ図1にあるような従来一般の接着剤処
理工程にて処理しても強力低下が小さかった。このとき
の加硫後のゴム中強度は7.9 であった。
用いているが、本発明の範囲の配合の接着剤液を用いて
いるのでディップ、加硫時の強力保持、耐疲労性ともに
良好であった。比較例4は、前縮合タイプのノボラック
樹脂を用いているが、接着剤液の配合の範囲が本発明の
範囲外であり、RFL層の硬さが硬過ぎるためか、ディ
ップ、加硫時の強力低下が大きく、本来の強度が発揮で
きなかった。一方、実施例6はやはり同じ前縮合タイプ
のノボラックRF樹脂を用いているが、接着剤液の配合
が、本発明の範囲内となるため、良好な結果が得られ
た。
ば、RFL接着剤配合を適当な範囲にコントロールする
ことにより、高強度ポリアミド繊維コードのこれまで両
立できなかった問題点である、接着剤処理時および加硫
時の強力低下の問題と、耐繰り返し圧縮疲労性の低下の
問題とを共に克服することができ、さらにゴムとの接着
性にも優れたゴム補強用ポリアミド繊維コードを得るこ
とができる。これにより補強材の積層枚数やコード打ち
込み本数の減少等による補強材量の削減を図り、タイヤ
軽量化、低燃費化、省資源化、コスト低減、生産性向上
等の目的を達成できる。
処理の方法の概要を示す工程図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 【数1】1/2.3 ≦R/F≦1/1.1 (モル比) 1/10≦RF/L≦1/4(固形分重量比) 0.05≦S≦0.8 (重量%) 0≦A≦0.5 (重量%) 0.05≦S+A≦0.8 (重量%) 10≦C≦24(重量%) (ただし、上式において、R/Fはレゾルシン/ホルム
アルデヒド総量のモル比、RF/Lはレゾルシンおよび
ホルムアルデヒド総量とゴムラテックス固形分の総量と
の比、SはRFL接着剤液の総固形分量に対するアルカ
リ金属水酸化物の重量%、AはRFL接着剤液の総固形
分量に対するNH3 水溶液のNH4OH ベースの重量%、Cは
RFL接着剤液の総固形分重量%を示す)を全て同時に
満足し、かつビニルピリジン(VP)ラテックスと、ス
チレンブタジエンゴム(SBR)ラテックスと、天然ゴ
ム(NR)および/またはイソプレンゴム(IR)ラテ
ックスの各々の固形分重量の全ラテックス固形分重量に
対する重量比率%をそれぞれa,b,cとしたときに、
下記式、 【数2】VPラテックス:10≦a≦80(重量%) SBRラテックス:0≦b≦70(重量%) IRおよび/またはNRラテックス:20≦c≦60(重量
%) を同時に満足するようなRFL接着剤液を用いて接着剤
処理されゴム中に埋め込まれて加硫された後のポリアミ
ド繊維コードであって、該コードの強度が8.0g/d以上で
あることを特徴とするゴム補強用ポリアミド繊維コー
ド。 - 【請求項2】 前記ポリアミド繊維コードの強度が8.5g
/d以上好ましくは9.5g/d以上で、かつ単糸繊度が1.5 〜
10デニールの範囲内である請求項1記載のゴム補強用ポ
リアミド繊維コード。 - 【請求項3】 前記ポリアミド繊維が6,6−ナイロン
である請求項1または2記載のゴム補強用ポリアミド繊
維コード。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP3-72123 | 1991-03-13 | ||
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-
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- 1992-03-11 JP JP05260992A patent/JP3157587B2/ja not_active Expired - Lifetime
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