JP3156700B2 - ピッチ系炭素繊維束 - Google Patents

ピッチ系炭素繊維束

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ピッチ系炭素繊維
束に関するものであり、より詳しくは改善された物性の
ピッチ系炭素繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】炭素繊維、黒鉛繊維は比強度、比弾性率
が非常に高いことから、種々の複合材料の強化材とし
て、釣り竿、ゴルフシャフト等のスポーツ用具、義手、
義足等の医療用器具などから航空機の翼、スペースシャ
トルのドア等の航空・宇宙飛翔体の部材さらにはカーテ
ンウォール等の建材まで幅広く使用されている。
【0003】高特性の炭素繊維、黒鉛繊維の種類として
はポリアクリロニトリル(PAN)系、ピッチ系とに大
別されるが、一般にピッチ系炭素繊維、黒鉛繊維は比強
度、比弾性率が高い材料で高性能複合材料のフイラー繊
維として最も注目されており、中でもピッチ系炭素繊維
は原料が潤沢である、炭化工程の歩留が大きい、繊維の
弾性率が高い、等PAN系炭素繊維に比べて様々な利点
を持っている。
【0004】この様なピッチ系炭素繊維は、工業的に
は、光学的異方性を有する石炭ピッチ、石油ピッチ、低
分子量芳香族化合物をルイス酸や超強酸を触媒として重
縮合した合成ピッチ、又は芳香族樹脂と呼ばれる物質等
を、複数の吐出口を有する紡糸口金から紡出し、牽引
し、集束し、次いで不融化、炭化及び/又は黒鉛化し、
炭素繊維が集束された炭素繊維束として製造されてい
る。一般に製造される炭素繊維の直径は、およそ10〜
30μm程度である。
【0005】従来直径7.5μm以下の炭素繊維は紡糸
が困難で切断しやすいため、ほとんど製造されておら
ず、製造されても、長繊維束と言えるものは無く、せい
ぜい短繊維の集合体としてフェルト状又は綿状に集積し
たものがあるのみで500フィラメント以上の炭素繊維
が一方向に、かつ一体に集束した50m以上の長さを有
するピッチ系炭素繊維束は製造されていない。実験室的
にはピッチ繊維を円筒に回転させながら巻きつけ500
フィラメント以上の束とし、円筒から束を切り取り、不
融化、炭化及び/または黒鉛化し炭素繊維束を製造しう
るか円筒の円周長程度の長さのものしか得られず、せい
ぜい1〜10m程度の長さにすぎなかった。従って当然
ながら直径が7.5μmより細いピッチ系炭素繊維をプ
リプレグ等の形態にしてから複合材料を効率的に作成す
ることもできなかった。
【0006】特開平1−229820号公報には直径が
6〜12μmとされるフィラメント数1000未満のピ
ッチ系炭素繊維束に関する発明が提案されている。同公
報によれば、かかる繊維束は炭素質ピッチを使用して1
000本未満のピッチ繊維フィラメントを同時紡糸し、
特定の油剤を付与して集束し繊維束を形成し、かかる繊
維束を耐熱性油剤を付与しながら合糸し、不融化、炭化
又は黒鉛化後、合糸前の繊維束に分離することにより製
造されるとされ、紡糸方法自体は特別の条件を必要とす
るものとはされていない。しかして、同公報に実際に開
示されているのは、200孔の紡糸口金を有する溶融紡
糸機を用いて押出し紡糸し、これを集束して200フィ
ラメントから成るピッチ繊維の繊維束とし、次いでこの
繊維束を15本合糸して3000フィラメントとして不
融化、黒鉛化した後、元の200フィラメントの繊維束
に分糸して糸径7〜8μm、200フィラメントの炭素
繊維束を得た例が記載されているのみであり、よりフィ
ラメント数の多い炭素繊維束を同時紡糸により製造する
ことは実証されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】かかる従来の直径10
〜30μmのピッチ系炭素繊維から釣り竿やゴルフシャ
フト等の曲率半径の小さい複合材料を作成する際屈曲率
が悪く、破断をきたしたり、作成できても曲げの内側に
残留応力が残り、僅かなひずみを与えても破断に至る場
合があった。かつ従来のピッチ系炭素繊維から熱硬化性
樹脂で複合材を作っても大きな欠陥を取り込み易く、そ
れが破断の開始点となり、高特性に成り難いという課題
があった。一方、PAN系炭素繊維では、その直径が7
ミクロン程度の連続直繊維束が得られていたがPAN系
炭素繊維の場合にはそもそも弾性率の高いものが得られ
ておらず、ピッチ系炭素繊維で得られる様な引張弾性率
が70ton/mm2 〜90ton/mm2 のものは存在していない
ので、高剛性のFRP複合材は得られていない。
【0008】又、十分な強度を持つピッチ系炭素繊維に
おいても、繊維の直径が細径品でも約10ミクロンある
為にうすい厚さのプリプレグや、大きな屈曲率を有する
形状の複合材が出来ないという課題があった。従って高
弾性率で細径のピッチ系炭素繊維を製造すればよいこと
はわかっていた。しかしながら、炭素繊維束からプリプ
レグを作る際には500フィラメント以上、好ましくは
1000フィラメント以上を一体として集束して成る
維束で、かつ長さ50m、好ましくは400mの長さを
有するものが必要である。そしてこれら炭素繊維束の前
駆物質であるピッチ繊維束を得るには、吐出孔が複数個
以上、通常100個以上の吐出孔を有する口金を単独、
又は2個以上同時に用いて紡糸し、ピッチ繊維を目的と
する炭素繊維束のフィラメント数となるように直接に
束する必要がある。ここに「直接に集束する」とは、口
金毎に先ず集束し、次いでこの集束されたものを目的と
する炭素繊維束のフィラメント数となるように再び集束
するというように、多段階で最終本数に集束するのでは
なく、一段階で最終本数に集束することを意味する。
【0009】ところがこのように吐出口の数を増すと、
必然的に口金が大型化し、口金の露出面からの放熱や紡
糸された走行糸からの放熱と、走行糸に随伴する気流
が、温度と風速に幅を持つ乱気流を引き起こす。この乱
気流は紡出されたピッチが牽引される際の紡糸張力を変
動せしめ、従来以上に走行糸の延伸を必要とする細いピ
ッチ繊維の安定紡糸を困難ならしめていた。そして吐出
孔数が多くなる程、この傾向は顕著である。
【0010】この乱気流は口金周辺の吐出孔付近では特
に強い。この乱気温は走行糸を冷却し、紡糸張力を増大
せしめるため従来以上に走行糸の延伸を必要とする細い
ピッチ繊維の紡糸では、特に乱気流の発生下で、しかも
口金周辺部の吐出孔からの安定な紡糸は困難であった。
また紡糸口金を大型化した場合、例えば1000ホール
以上の口金の場合露出面の放熱や、口金の伝熱速度の影
響で、口金の中央部と周辺部で僅かな温度差が発生する
場合があり、ときにはその温度差が10%近い吐出量の
変化を起こす場合もあり、糸切れ等を起こしやすい要因
となっていた。
【0011】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等はか
かる課題を解決すべく鋭意検討した結果、複数の吐出孔
を有する口金特有の乱気流発生下でも紡糸口金の全ての
吐出孔において吐出量と、紡糸速度と、口金温度をある
一定範囲の条件下にすることにより、細いピッチ繊維束
の紡糸ができ、次いで不融化、炭化及び/または黒鉛化
することにより、糸切れをおこすことなく、直径が7.
5ミクロン以下の長尺の炭素繊維束が得られることを見
い出し本発明に到達した。
【0012】すなわち、本発明の目的は、直径が7.5
μm以下のピッチ系炭素繊維が500フィラメント以上
一体として集束してなる炭素繊維束であって、その長さ
が50m以上であることを特徴とするピッチ系炭素繊維
束、によって容易に達成される。
【0013】以下、本発明を詳細に説明する。本発明者
等は吐出孔より紡出されたピッチが牽引された時に走行
糸が破断されるメカニズムを鋭意検討し、以下の結論に
達した。 紡糸張力が大きい場合に走行糸はそれに抗することが
できずに破断する。よって吐出ピッチの粘度をある一定
値以下にする必要があり、紡糸速度には吐出速度みあい
の上限が存在すること及び吐出ピッチの粘度がある一
定値以下になった場合に、溶融紡糸特有の細径化過程に
脈動状態が発生し、走行糸は切断される。
【0014】この2点に注目し、紡糸条件を検討する
と、まず、直径が7.5ミクロン以下のピッチ系炭素繊
維を製造するためには、複数個の吐出孔を有する口金を
単独又は2個以上同時に用いて紡糸し、且つ、吐出孔当
りのピッチ吐出速度と紡糸速度の関係を次式の範囲内で
紡糸することが必要条件である。 y≧9300x (I) 但しyは紡糸速度(m/分)、xは1吐出孔当りの吐出
速度(g/分)である。この条件で紡糸することができ
れば10ミクロン以下のピッチ繊維が得られ、次いで不
融化、炭化及び/または黒鉛化して直径が7.5ミクロ
ン以下の炭素繊維を製造することが可能となる。そして
紡糸速度yは上述のの理由により、吐出速度みあいの
上限が存在し、そして本発明者らの検討によれば、それ
は y≦2330x+460 (II) の不等式を満足させる必要がある。さらに y≦2330x+270 (IV) の不等式を満足する条件を選択することが好ましい。
【0015】さらに上述のの条件について検討する
と、吐出孔近傍の口金温度はピッチの剪断粘度300ポ
イズを有する温度付近±30℃以内が良く〔式(III)
〕、その下限より低温では紡糸張力が増大し紡糸でき
ない。またその上限を超えると溶融紡糸特有の細径化過
程に脈動状態が発生し安定した紡糸が困難となる。要す
るに、乱気流発生下でも紡糸張力を低く保持し、直径
7.5ミクロン以下のピッチ系炭素繊維束の紡糸を可能
にするためには、紡糸速度y(m/分)と吐出孔当りの
吐出量x(g/分)、口金温度Tを(I)(II) (III)
式の全てを満足する範囲で行なうことが必要不可欠で
ある。
【0016】 y≧9300x (I) y≦2330x+460 (II) Tη=300P −30℃≦T≦Tη=300P +30℃ (III) ここで云う紡糸速度は溶融したピッチを延伸し、紡糸す
る際のピッチが固化した段階での走行速度を示す。Tη
=300P はピッチが剪断粘度300ポイズを示す温度であ
り、Tは吐出孔近傍の口金温度を示す。
【0017】さらに長時間安定に紡糸を行なうためには
好ましくは(IV)式を満足する範囲で行なうとよい。 y≦2330x+270 (IV) かかる方法により得られる500フィラメント以上、好
ましくは1000フィラメント以上の紡糸されたピッチ
繊維を直接に集束してなるピッチ繊維束を、不融化、炭
化及び/または黒鉛化して、直径7.5ミクロン以下の
ピッチ系炭素繊維が一体に集束して成る炭素繊維束を製
造することができる。
【0018】
【実施例】以下、実施例により具体的に本発明を説明す
るが、本発明はその要旨を超えない限り実施例に限定さ
れるものではない。 実施例1 コールタールピッチを加熱処理することにより光学的異
方性相からなり剪断粘度300ポイズを示す温度が34
6℃である紡糸用ピッチを得た。該紡糸ピッチと吐出孔
数が520個を有する口金を用いて紡糸を行なった。孔
の直径が0.1mmである吐出孔を用いた。
【0019】吐出孔近傍の口金温度を349℃に保持
し、1吐出孔当り0.042g/分の速度でピッチを吐
出し、520m/分の紡糸速度で牽引、紡糸でき〔式
(I)〜(III)の条件を満足する〕、得られたピッチ
繊維520本を直接に集束してピッチ繊維束を得た。こ
のものの長さは210mでピッチ繊維直径は8.8μm
であった。このピッチ繊維束から60m取り出し、空気
中310℃で不融化し、さらにアルゴン雰囲気下140
0℃で炭化し、さらに2500℃で黒鉛化して6.3μ
mの繊維520本が一方向、かつ一体に集束した55m
の炭素繊維束を得た。この炭素繊維の物性は引張強度4
21kg/mm2、引張弾性率43ton/mm2であっ
た。
【0020】実施例2 実施例1と同様に紡糸を行なった。但し、吐出口金近傍
の口金温度を347℃に保持し、1ホール当り0.03
2g/分の速度でピッチを紡出し、牽引、紡糸した。す
なわち、紡糸速度500m/分にて紡糸し〔式(I)〜
(III)の条件を満足する〕、得られたピッチ繊維52
0本を直接に集束してピッチ繊維束を得た。このものの
長さは350mであった。ピッチ繊維直径は7.8μm
であった。実施例1と同様に処理し、繊維直径が5.6
μmの繊維520本が一方向に、かつ一体に集束した炭
素繊維束を得た。物性を評価したところ単糸引張強度4
67kg/mm2、引張弾性率41ton/mm2であっ
た。
【0021】実施例3 実施例1と同様に紡糸を行なった。但し、吐出口金近傍
の口金温度を347℃に保持し、1ホール当り0.03
5g/分の速度でピッチを紡出し、牽引、紡糸した。す
なわち、ピッチ繊維径は9.3μmになる様に紡糸速度
を380m/分に固定し、31時間の紡糸を行なった
〔式(I)〜(III)の条件を満足する〕。この間に安
定に紡糸出来た。この紡糸したピッチ繊維を直接に集束
してなる繊維束を500m取り出し、実施例1と同様に
処理し、繊維径が6.8μmの繊維520本が一方向
、かつ一体に集束した炭素繊維束を得た。物性を評価
したところ、引張強度382kg/mm2、引張弾性率
44ton/mm2であった。
【0022】実施例4 実施例1と同様に紡糸を行なった。但し吐出口金近傍の
口金温度を346℃に保持し、1ホール当り0.028
g/分の速度でピッチを紡出し、牽引、紡糸した。すな
わち、ピッチ繊維径が9.3μmになる様に紡糸速度を
305m/分に固定し、59時間の紡糸を行なった〔式
(I)〜(IV)の条件を満足する〕。この間安定した紡
糸が可能で520本の炭素繊維が一方向、かつ一体に集
束した長さが1000m以上で繊維直径が6.8μmの
炭素繊維束を得た。物性を評価したところ、引張強度4
14kg/mm2、引張弾性率45ton/mm2であっ
た。
【0023】実施例5 光学異方性相100%からなるナフタレンを重縮合して
得た芳香族樹脂で剪断粘度300ポイズを示す温度が3
20℃である紡糸用ピッチを吐出孔数が1000ホール
を有する口金4個を用いて同時に紡糸を行なった。各口
金から紡出、牽引された1000フィラメントのピッチ
繊維から成るピッチ繊維の集合体4本を紡糸と同時に
接に集束し4000フィラメントから成るピッチ繊維束
とした。吐出孔のサイズは直径0.1mmであった。吐
出孔近傍の口金温度は324℃に保持し、1ホール当り
の吐出量を0.025g/分とした。ピッチ繊維径が
9.3μmになる様に紡糸速度を270m/分に固定
し、62時間の紡糸を行なった〔式(I)〜(IV)の条
件を満足する〕。この間に極めて安定した紡糸が可能で
あった。
【0024】得られた連続ピッチ繊維4000本が集束
した繊維束から500m分を取り出し、空気中310℃
で不融化し、さらにアルゴン雰囲気下1400℃で炭化
し、さらに2500℃で黒鉛化して繊維径が6.7μm
の繊維4000本が一体に集束した約500mの長さの
炭素繊維束を得た。この炭素繊維の物性は引張強度39
9kg/mm2、引張弾性率44ton/mm2であっ
た。
【0025】比較例1 実施例1と同様に紡糸を行なった。但し吐出口金近傍の
温度を352℃に保持し、1ホール当り0.062g/
分の速度でピッチを紡出し、紡糸速度610m/分で牽
引紡糸した。この条件は式IIを満足しない。この条件下
では安定に長時間紡糸出来ずに、520本のフィラメン
トが約30mになった状態のものが得られたに過ぎなか
った。又ピッチ繊維直径は9.6ミクロンであった。こ
のピッチ繊維束を実施例1と同様に処理し、520本の
炭素繊維が集束した約30mの炭素繊維束を得た。繊維
径は7.5μmであった。この炭素繊維の物性は引張強
度362kg/mm2、引張弾性率44ton/mm2 であった。
【0026】比較例2 実施例5と同じピッチを用い、口金温度を351℃にす
る以外は実施例5と全て同じ条件で紡糸を試みた。この
条件は式III を満足しないものである。しかしトウ切断
のトラブルが多発し安定した紡糸はできなかった。
【0027】比較例3 実施例5と同じピッチを用い、口金温度を289℃にす
る以外は実施例5と全て同じ条件で紡糸を試みた。この
条件は式III を満足しないものである。しかしすぐさま
トウ切断のトラブルが発生し、安定した紡糸は不可能で
あった。
【0028】比較例4 実施例1と同様に紡糸を行なった。但し吐出口金近傍の
温度を349℃に保持し、1ホール当り0.042g/
分の速度でピッチを紡出し、580m/分の紡糸速度で
牽引した。この条件は式IIを満足しないものである。し
かし紡糸できずピッチ繊維が500本以上集束した束が
約10m得られたに過ぎなかった。このピッチ繊維直径
は8.3ミクロンであった。
【0029】
【発明の効果】本発明の複数の吐出口を持つ口金を用い
た炭素繊維の製造方法により、従来製造できなかった細
径のピッチ系炭素繊維を提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 蓮井 博 香川県坂出市番の州町1番地 三菱化成 株式会社坂出工場内 (72)発明者 仲西 信二 香川県坂出市番の州町1番地 三菱化成 株式会社坂出工場内 (56)参考文献 特開 平1−229820(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D01F 9/12 - 9/32

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直径が7.5μm以下のピッチ系炭素繊
    500フィラメント以上一体として集束してなる炭
    素繊維束であって、その長さが50m以上であることを
    特徴とするピッチ系炭素繊維束。
  2. 【請求項2】 複数個の吐出孔を有する口金を単独又は
    2個以上同時に用いてピッチを紡糸してピッチ繊維と
    し、このピッチ繊維を500フィラメント以上直接に集
    束してピッチ繊維束とし、これを不融化、炭化及び/ま
    たは黒鉛化してなる、直径が7.5μm以下のピッチ系
    炭素繊維が500フィラメント以上集束していて、かつ
    その長さが50m以上であることを特徴とするピッチ系
    炭素繊維束。
  3. 【請求項3】 ピッチ系炭素繊維の集束数が1000フ
    ィラメント以上であることを特徴とする請求項1又は2
    記載のピッチ系炭素繊維束。
  4. 【請求項4】 ピッチ系炭素繊維の直径が5.6〜6.
    8μmであることを特徴とする請求項1ないし3のいず
    れかに記載のピッチ系炭素繊維束。
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