JP3156637B2 - 自動変速機のパーキング装置 - Google Patents

自動変速機のパーキング装置

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JP3156637B2 JP15660597A JP15660597A JP3156637B2 JP 3156637 B2 JP3156637 B2 JP 3156637B2 JP 15660597 A JP15660597 A JP 15660597A JP 15660597 A JP15660597 A JP 15660597A JP 3156637 B2 JP3156637 B2 JP 3156637B2
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wedge
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H63/00Control outputs from the control unit to change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion or to other devices than the final output mechanism
    • F16H63/02Final output mechanisms therefor; Actuating means for the final output mechanisms
    • F16H63/30Constructional features of the final output mechanisms
    • F16H63/34Locking or disabling mechanisms
    • F16H63/3416Parking lock mechanisms or brakes in the transmission

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Gear-Shifting Mechanisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動変速機のパ
ーキング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図6は、自動変速機のパーキング装置を
示す概略図である。この図によると、自動変速機の出力
軸1にパーキングギヤ2が同軸に連結しており、このパ
ーキングギヤ2と近接する位置に、パーキングギヤ2の
歯溝2aに入り込む爪部3aを形成したパーキングポー
ル3が配設されている。また、車内のセレクトレバー4
は、セレクトロッド5a、マニュアルレバー5b、マニ
ュアルプレート5c等のリンク機構を介してパーキング
ロッド6と連結している。
【0003】パーキングロッド6は、図7に示すよう
に、先端部に拡径部6aを形成し、基端側のロッド外周
の一部を変形させて突起部6bを形成した棒状部材であ
り、拡径部6aと突起部6bとの間に、円錐台形状の筒
体として形成したウエッジ7を摺動自在に配設してい
る。そして、突起部6bとウエッジ7の端面との間に圧
縮コイルバネ8を配設してウエッジ7を拡径部6a側に
押圧している。
【0004】そして、セレクトレバー4を駐車レンジに
セレクトすると、パーキングサポート9に一部が支持さ
れたウエッジ7がパーキングポール3を回動させるの
で、パーキングポール3の爪部3aがパーキングギヤ2
aの歯溝2aに入り込み、出力軸1を固定して車両を確
実に停止させる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したパ
ーキング装置は、車両の走行中に誤ってセレクトレバー
を駐車レンジにセレクトしても、自動変速機の出力軸1
とともにパーキングギヤ2が高速で回転しており、パー
キングポール3の爪部3aがパーキングギヤ2の所定の
歯溝2aに入り込む前に、歯山2bが連続的に爪部3a
に接触して爪3aの入り込みを阻止するので、パーキン
グロック状態とならず安全機構が働く。
【0006】その際、ウエッジ7は、図8に示すよう
に、パーキングポール24とパーキングサポート9とに
よって拡径部6aへの移動が阻止されて待機状態となる
が、爪部3aと歯山2bとの連続的な接触によりパーキ
ングポール3が図8の上下方向に振動し、ウエッジ7が
パーキングロッド6の軸線に沿ってパーキングポール3
と離間する方向、或いはパーキングポール3に近づく方
向に往復運動を繰り返すので、ウエッジ7の押し縮め力
が作用する圧縮コイルバネ8も巻き線どうしが繰り返し
密着する。そのため、圧縮コイルバネ8の巻き線の密着
強度を高めないとコイル耐久性の面で問題がある。
【0007】巻き線の線径を太くした1本の圧縮コイル
バネ8を使用すると、巻き線の密着強度が高くなってコ
イル耐久性が向上するが、所望のバネ特性を得るために
軸方向の寸法が長い圧縮コイルバネ8となり、それに伴
ってパーキングロッド6の軸長も増大しなければならな
いので、コンパクトなパーキング装置を提供することが
難しい。
【0008】そこで、図9に示すように、パーキングロ
ッド6の外周に内側圧縮コイルバネ10及び外側圧縮コ
イルバネ12を並列に配設してウエッジ7からの押し縮
め力を分担して受け持つ構造とすると、ウエッジ7から
圧縮コイルバネ10、12にそれぞれ作用する押し縮め
力が小さくなるので、さほど大きな密着強度を必要とせ
ず、しかもパーキングロッドの軸方向の寸法も増大しな
い。
【0009】しかしながら、この構造では、内側及び外
側圧縮コイルバネ10、12を同時に支持するためにパ
ーキングロッド6の突起部6bを径方向外方側に大きく
変形させることが不可能なので、突起部6bより外径寸
法を増大させたリング状のコイル支持スペーサ14をパ
ーキングロッド6の外周に配設しているが、ウエッジ7
によって押し縮められる際に、外側圧縮コイルバネ12
が内側圧縮コイルバネ10より先に密着してしまうと、
外側圧縮コイルバネ12の密着反力によりコイル支持ス
ペーサ14の外周側に大きな曲げモーメントが加わって
しまい、図9の破線で示すようにコイル支持スペーサ1
4が変形してしまうおそれがある。ここで、変形防止の
ためにコイル支持スペーサ14の肉厚を増大すると、所
望のバネ特性を得るために内側及び外側圧縮コイルバネ
10、12の軸方向の寸法が長くなり、パーキングロッ
ド6の軸長も増大してコンパクト化を改善することがで
きなくなる。
【0010】この発明は上記従来技術の未解決の課題に
着目してなされたものであり、ウエッジを待機状態とす
る圧縮コイルバネ及びコイル支持スペーサの耐久性を向
上させ、同時にコンンパクト化を図ることが可能な自動
変速機のパーキング装置を提供することを目的としてい
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、自動変速機の出力軸とともに回
転するパーキングギヤと、このパーキングギヤとの係合
により前記出力軸を固定する爪部を有するパーキングポ
ールと、セレクトレバーが駐車レンジをセレクトすると
前記パーキングポールに向けて移動し、前記セレクトレ
バーが走行レンジをセレクトすると前記パーキングポー
ルから離間するパーキングロッドと、このパーキングロ
ッドの先端に形成した拡径部と、前記パーキングロッド
の後端側の外周を変形して形成した突起部と、前記拡径
部及び前記突起部間のパーキングロッド上に摺動自在に
配設したウエッジと、前記突起部と比較して大径の外周
形状を有し、前記突起部により前記後端側への移動が規
制された状態で前記パーキングロッド上に配設したリン
グ状のコイル支持スペーサと、このコイル支持スペーサ
及び前記ウエッジ間の前記パーキングロッドの外周上に
配設した圧縮コイルバネとを備えた自動変速機のパーキ
ング装置において、前記圧縮コイルバネを、コイル直径
が異なる2つの圧縮コイルバネにより構成し、大径の圧
縮コイルバネを粗く巻いた巻き線により形成し、小径の
圧縮コイルバネを密に巻いた巻き線により形成するとと
もに、前記小径の圧縮コイルバネを前記大径の圧縮コイ
ルバネ内に遊挿し、前記小径の圧縮コイルバネの一端を
前記コイル支持スペーサの内周側に当接し、前記大径の
圧縮コイルバネの一端を前記コイル支持スペーサの外周
側に当接した状態で前記パーキングロッドの外周上に配
設した。
【0012】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の自動変速機のパーキング装置において、前記大径及
び小径の圧縮コイルバネを、それぞれプリセット荷重を
与えた状態で前記コイル支持スペーサ及び前記ウエッジ
間に配設するとともに、前記大径の圧縮コイルバネのプ
リセット荷重を、前記小径の圧縮コイルバネのプリセッ
ト荷重より小さな値に設定した。
【0013】
【発明の効果】車両の走行中にセレクトレバーを駐車レ
ンジにセレクトすると、パーキングロッド上のウエッジ
は、パーキングポールを押圧できずに後端側に移動して
待機状態となる。その際、パーキングギヤとパーキング
ポールの爪部が連続的に接触するので、ウエッジはパー
キングロッド上で往復動を繰り返し、このウエッジ及び
コイル支持スペーサ間に配設した圧縮コイルバネも、ウ
エッジから押し縮め力が作用して巻き線が繰り返し密着
する。
【0014】そのため、圧縮コイルバネの巻き線が密着
するときの強度(以下、密着強度と称する。)が問題と
なるが、請求項1記載の発明によると、コイル支持スペ
ーサ及び前記ウエッジ間において互いに並列に配置した
大径及び小径の圧縮コイルバネが、ウエッジから作用す
る押し縮め力を分担して受け持つ構造としており、これ
ら大径及び小径圧縮コイルバネにそれぞれ作用する押し
縮め力が小さくなるので、線径が細い巻き線を使用して
も密着強度を充分に確保することができ、コイル耐久性
の面で問題がない。また、大径及び小径の圧縮コイルバ
ネを並列に配設したことによりコイル軸長が短くなり、
パーキングロッドの短軸化を図ることができるので、コ
ンパクトなパーキング装置を提供することができる。
【0015】また、請求項1記載の発明によると、大径
の圧縮コイルバネを粗く巻いた巻き線により形成し、小
径の圧縮コイルバネを密に巻いた巻き線により形成した
ので、これら大径及び小径の圧縮コイルバネがウエッジ
に押し縮められると、小径の圧縮コイルバネが、大径の
圧縮コイルバネより先に巻き線が密着する。そして、本
発明では、小径の圧縮コイルバネの一端をコイル支持ス
ペーサの内周側に当接し、大径の圧縮コイルバネの一端
を前記コイル支持スペーサの外周側に当接しているの
で、コイル支持スペーサの外周側に大径の圧縮コイルバ
ネの密着反力による大きな曲げモーメントが加わらな
い。したがって、コイル支持スペーサの肉厚を増大しな
くてもコイル支持スペーサの耐久性を向上させることが
できるとともに、パーキングロッドの短軸化により装置
のコンパクト化も図ることができる。
【0016】一方、請求項2記載の発明によると、大径
及び小径の圧縮コイルバネは、それぞれプリセット荷重
が与えられた状態でコイル支持スペーサとウエッジとの
間に配設されており、ウエッジがパーキングポールを押
圧せずパーキングフリー状態となっていても、ウエッジ
が拡径部側に押圧され、コイル支持スペーサが突起部側
に押圧されているので、ウエッジ、コイル支持スペーサ
のガタツキを防止することができる。
【0017】また、小径の圧縮コイルバネのプリセット
荷重を、大径の圧縮コイルバネのプリセット荷重より大
きな値に設定しているので、これら大径及び小径の圧縮
コイルバネ巻き線が密着する前であっても、コイル支持
スペーサの外周側には大きな曲げモーメントが加わりに
くい。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を図面
に基づいて詳細に説明する。図1は、無段式自動変速機
構を組み込んだトランスアクスルを示すものであり、ト
ルクコンバータ20、前後進切換機構22、Vベルト式
無段変速機構24、差動装置26等を備えているトルク
コンバータ20の入力側はエンジン28の出力軸28a
に連結し、その出力側は前後進切換機構22の回転軸2
3と連結している。また、前後進切換機構22は、遊星
歯車機構30、前進用クラッチ32、および後進用ブレ
ーキ34を備えており、遊星歯車機構30を構成するピ
ニオンキャリア36に駆動軸38が連結し、この駆動軸
38にVベルト式無段変速機構24の駆動プーリ40が
設けられている。
【0019】Vベルト式無段変速機構24は、駆動プー
リ40、Vベルト42及び従動プーリ44により構成さ
れている。駆動プーリ40は、駆動軸38と一体に回転
する固定円錐板46と、駆動軸38の軸方向に移動可能
な可動円錐板48とから構成されている。また、駆動プ
ーリ40はVベルト42によって従動プーリ44と伝動
可能に連結されている。従動プーリ44は、従動軸50
と一体に回転する固定円錐板52と、従動軸50の軸方
向に移動可能な可動円錐板54とから構成されている。
【0020】そして、従動軸50には、パーキング56
と、駆動ギヤ58とが固着されており、駆動ギヤ58は
アイドラ軸60上のアイドラギヤ62と噛合している。
さらに、アイドラ軸60に設けたピニオン64はファイ
ナルギヤ66と常に噛合している。また、ファイナルギ
ヤ66には、差動装置26を構成する一対のピニオン6
8及び70が取付けられており、このピニオン68及び
70と一対のサイドギヤ72及び74が噛合し、サイド
ギヤ72及び74に夫々出力軸76及び78が連結して
いる。
【0021】そして、エンジン28の出力軸28aから
入力された回転力は、トルクコンバータ22及び回転軸
23を介して前後進切換機構22に伝達され、前進用ク
ラッチ32が締結されると共に後進用ブレーキ34が解
放されている場合には、一体回転状態となっている遊星
歯車機構30を介して回転軸23の回転力が同じ回転方
向のまま駆動軸38に伝達される。一方、前進用クラッ
チ32が解放されると共に後進用ブレーキ34が締結さ
れている場合には、遊星歯車機構30の作用により回転
軸23の回転力は回転方向が逆になった状態で駆動軸3
8に伝達される。そして、駆動軸38の回転力は、駆動
プーリ40、Vベルト42、従動プーリ44、従動軸5
0、駆動ギヤ58、アイドラギヤ62、アイドラ軸6
0、ピニオン64及びファイナルギヤ66を介して差動
装置26に伝達され、左右のドライブシャフト76,7
8が前進方向又は後進方向に回転する。
【0022】この動力伝達の際に、駆動プーリ40の油
圧室41、従動プーリ44への油圧室45への油圧供給
制御により駆動プーリ140可動円錐板48及び従動プ
ーリ44の可動円錐板54を軸方向に移動させてVベル
ト42との接触位置半径を変えることにより、駆動プー
リ40と従動プーリ44との回転比を変えることができ
る。
【0023】次に、図2は、トランスアクスル内部のパ
ーキングギヤ56の近くに配設したパーキング装置を示
すものであり、図3は、図2のIII −III 線矢視を示す
ものである。
【0024】本実施形態のパーキング装置は、セレクト
レバー(図示せず)とリンク機構を介して連結して軸線
S回りに回転するマニュアルシャフト80と、マニュア
ルシャフト80に固着して軸線S回りに回転するマニュ
アルプレート82と、マニュアルプレート82に連結し
て回動し、先端部にウエッジ84を配設したロッドプレ
ート86と、アクスルケース88の取付け面に固定され
てウエッジ84を下部側から支持するパーキングサポー
ト90と、シャフト92aを介してアクスルケース88
に回動自在に配設され、パーキングギヤ56の歯溝56
a間に進入可能な爪部92bを形成したパーキングポー
ル92と、パーキングギヤ56から離間する方向にパー
キングポール92を付勢するリターンスプリング94と
を備えた装置である。
【0025】また、パーキングロッド86は、図3に示
すように、短尺部86a及び長尺部86bを有するL字
状の棒状体であり、長尺部86bの先端部に拡径部86
cを形成し、短尺部86a側のロッド外周の一部を変形
して突起部86dを形成している。そして、拡径部86
cと突起部86dとの間に、円錐台形状の筒体として形
成したウエッジ84が摺動自在に配設されているととも
に、突起部86dよりウエッジ84側の外周に、リング
形状のコイル支持スペーサ88が配設されている。
【0026】また、コイル支持スペーサ88とウエッジ
84の端面との間には、内径側圧縮コイルバネ94及び
外径側圧縮コイルバネ96が配設されている。これら内
径側圧縮コイルバネ94及び外径側圧縮コイルバネ96
は、両者とも線径の細い巻き線を使用し、自由長が同一
長のコイルとして形成されている。そして、外径側圧縮
コイルバネ96のコイル直径を内径側圧縮コイルバネ9
4のコイル直径より大きく設定し、外径側圧縮コイルバ
ネ96内に内径側圧縮コイルバネ94が遊挿されてい
る。
【0027】ここで、図4に示すように、外径側圧縮コ
イルバネ96は、巻き線間隔T2 が大きくなるように巻
き線を粗く巻いたコイルとし、内径側圧縮コイルバネ9
4は、巻き線間隔T1 が小さくなるように巻き線を密に
巻いたコイルとしている(T 1 <T2 )。そして、これ
ら内径側及び外径側圧縮コイルバネ94、96をコイル
支持スペーサ88とウエッジ84(ウエッジ84は拡径
部86cに当接している。)の端面との間に配設すると
きには、それぞれプリセット荷重を与えた状態で配設し
ているとともに、内径側圧縮コイルバネ94のプリセッ
ト荷重W1 を、外径側圧縮コイルバネ96のプリセット
荷重W2 より大きな値に設定している(W1 >W2 )。
【0028】そして、セレクトレバーを駐車レンジにセ
レクトすると、マニュアルシャフト80、マニュアルプ
レート82が軸線S回りに回転し、パーキングロッド8
6がパーキングポール92側に移動していく。そして、
パーキングサポート88に下部が支持されたウエッジ8
4がパーキングポール92を回動し、パーキングポール
92の爪部92bがパーキングギヤ56の歯溝56aに
入り込んでパーキングロック状態となると従動軸50が
固定される。これにより、従動軸50から左右のドライ
ブシャフト76,78までの駆動力伝達が遮断されるの
で、車両が確実に停止する。
【0029】また、車両の走行中に誤ってセレクトレバ
ーを駐車レンジにセレクトしても、従動軸50とともに
パーキングギヤ56が高速で回転しており、パーキング
ポール92の爪部92bがパーキングギヤ56の所定の
歯溝56aに入り込む前に、歯山56bが連続的に爪部
92bに接触して爪部92bの入り込みを阻止するの
で、パーキングロック状態とならず安全機構が働く。
【0030】このとき、ウエッジ84は、図5に示すよ
うに、パーキングポール92とパーキングサポート88
とによって拡径部86c側への移動が阻止されて待ち状
態となる。そして、爪部92bと歯山56bとの連続的
な接触によりパーキングポール92が上下方向に振動
し、ウエッジ84がパーキングロッド86に沿ってパー
キングポール92と離間する方向、或いはパーキングポ
ール92に近づく方向に往復運動を繰り返す。
【0031】そして、ウエッジ84から押し縮め力が作
用する内径側及び外径側圧縮コイルバネ94、96もそ
れぞれ巻き線の密着を繰り返すが、巻き線を密に巻いた
内径側圧縮コイルバネ94が先に密着し、その後、巻き
線を粗に巻いた外径側圧縮コイルバネ96が密着する。
【0032】上記構成のパーキング装置によると、並列
に配置した内径側及び外径側圧縮コイルバネ94、96
が、ウエッジ84から作用する押し縮め力を分担して受
け持ち、これらコイル94、96にそれぞれ作用する押
し縮め力が小さくなるので、線径が細い巻き線を使用し
ても密着強度が充分に確保され、コイル耐久性の面で問
題がない。
【0033】また、内径側及び外径側圧縮コイルバネ9
4、96を並列に配設したことによりコイル軸長が短く
なり、それにより、パーキングロッド86の短軸化を図
ることができるので、コンパクトなパーキング装置を提
供することができる。
【0034】また、内径側及び外径側圧縮コイルバネ9
4、96がウエッジ84に押し縮められると、外径側圧
縮コイルバネ96より先に、内径側圧縮コイルバネ94
の巻き線が密着するので、コイル支持スペーサ88の外
周側には外径側圧縮コイルバネ96の密着反力による大
きな曲げモーメントが加わらない。したがって、コイル
支持スペーサ88の肉厚を増大しなくてもコイル支持ス
ペーサ88の耐久性を向上させることができ、それに伴
いパーキングロッド6の短軸化により装置のコンパクト
化を図ることができる。
【0035】さらに、内径側及び外径側圧縮コイルバネ
94、96は、それぞれプリセット荷重が与えられた状
態でコイル支持スペーサ88とウエッジ84(ウエッジ
84は拡径部86cに当接している。)との間に配設さ
れており、図4に示すパーキングフリー状態となってい
ても、ウエッジ84を拡径部86c側に押圧し、コイル
支持スペーサ88を突起部86d側に押圧しているの
で、ウエッジ84、コイル支持スペーサ88のガタツキ
を防止することができる。
【0036】さらにまた、内径側圧縮コイルバネ94の
プリセット荷重W1 を、外径側圧縮コイルバネ96のプ
リセット荷重W2 より大きな値に設定しているので、内
径側及び外径側圧縮コイルバネ94、96の巻き線が密
着する前であっても、コイル支持スペーサ88の外周側
には大きな曲げモーメントが加わりにくい。
【0037】なお、パーキングポール92、ウエッジ8
4、パーキングロッド86等に関して上下方向、前後方
向により各部の位置や動作の方向を説明したが、これら
は各部品や部分の相対的な位置を示したものであり、し
たがって、他の実施形態では、絶対的な位置や動作の方
向が前記とは異なることもあり得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる無段式自動変速機構を組み込ん
だトランスアクスルを示すスケルトン図である。
【図2】トランスアクスル内に配設したパーキング装置
を示す図である。
【図3】図2のIII −III 線矢視図である。
【図4】ウエッジから押し縮め力が作用していない大径
及び小径の圧縮コイルバネを示す図である。
【図5】ウエッジから押し縮め力が作用している大径及
び小径の圧縮コイルバネを示す図である。
【図6】セレクトレバーと連結しているパーキング装置
の概略を示す図である。
【図7】従来のパーキング装置のパーキングロック状態
を示す図である。
【図8】従来のパーキング装置のウエッジが待機状態と
なっているのを示す図である。
【図9】従来のパーキング装置において圧縮コイルバネ
からの密着反力による問題点を示した図である。
【符号の説明】
50 出力軸 56 パーキングギヤ 56a パーキングギヤの歯溝 80 マニュアルシャフト 82 マニュアルプレート 84 ウエッジ 86 パーキングロッド 86c 拡径部 86d 突起部 88 コイル支持スペーサ 92b 爪部 92 パーキングポール 94 内径側圧縮コイルバネ(小径の圧縮コイルバネ) 96 外径側圧縮コイルバネ(大径の圧縮コイルバネ)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動変速機の出力軸とともに回転するパ
    ーキングギヤと、このパーキングギヤとの係合により前
    記出力軸を固定する爪部を有するパーキングポールと、
    セレクトレバーが駐車レンジをセレクトすると前記パー
    キングポールに向けて移動し、前記セレクトレバーが走
    行レンジをセレクトすると前記パーキングポールから離
    間するパーキングロッドと、このパーキングロッドの先
    端に形成した拡径部と、前記パーキングロッドの後端側
    の外周を変形して形成した突起部と、前記拡径部及び前
    記突起部間のパーキングロッド上に摺動自在に配設した
    ウエッジと、前記突起部と比較して大径の外周形状を有
    し、前記突起部により前記後端側への移動が規制された
    状態で前記パーキングロッド上に配設したリング状のコ
    イル支持スペーサと、このコイル支持スペーサ及び前記
    ウエッジ間の前記パーキングロッドの外周上に配設した
    圧縮コイルバネとを備えた自動変速機のパーキング装置
    において、 前記圧縮コイルバネを、コイル直径が異なる2つの圧縮
    コイルバネにより構成し、大径の圧縮コイルバネを粗く
    巻いた巻き線により形成し、小径の圧縮コイルバネを密
    に巻いた巻き線により形成するとともに、前記小径の圧
    縮コイルバネを前記大径の圧縮コイルバネ内に遊挿し、
    前記小径の圧縮コイルバネの一端を前記コイル支持スペ
    ーサの内周側に当接し、前記大径の圧縮コイルバネの一
    端を前記コイル支持スペーサの外周側に当接した状態で
    前記パーキングロッドの外周上に配設したことを特徴と
    する自動変速機のパーキング装置。
  2. 【請求項2】 前記大径及び小径の圧縮コイルバネを、
    それぞれプリセット荷重を与えた状態で前記コイル支持
    スペーサ及び前記ウエッジ間に配設するとともに、前記
    大径の圧縮コイルバネのプリセット荷重を、前記小径の
    圧縮コイルバネのプリセット荷重より小さな値に設定し
    たことを特徴とする請求項1記載の自動変速機のパーキ
    ング装置。
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