JP3155209B2 - モータの端子部構造 - Google Patents

モータの端子部構造

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JP3155209B2 JP24842696A JP24842696A JP3155209B2 JP 3155209 B2 JP3155209 B2 JP 3155209B2 JP 24842696 A JP24842696 A JP 24842696A JP 24842696 A JP24842696 A JP 24842696A JP 3155209 B2 JP3155209 B2 JP 3155209B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、モータを電源部等に接
続するモータの端子部の構造に関する。更に詳述する
と、本発明は、端子部の端子基板と基板ホルダとの形状
に関する。
【0002】
【従来の技術】モータには、電源や制御回路等と接続さ
れる端子部が設けられている。図7に示すようなステッ
ピングモータ101では、巻線ボビン102の外周の一
部から端子ピン103が突出して設けられ、モータケー
ス104の端子用開口部104aから外部に突出してい
る。そして、端子基板105と基板ホルダ106とを組
み合わせたものをモータ101の外部から取り付ける。
【0003】ところで、端子基板105と基板ホルダ1
06とを組み合わせる構造として、図9から図11に示
す構造がある。この基板ホルダ106には、一端に保持
突起106aが、他端に保持爪106b,106bが形
成されている。端子基板105を保持させるときは、該
端子基板105を斜めにして一端部105bを保持突起
106aに引っ掛ける。そして、該一端部105bを中
心に端子基板105を回転させて、端子基板105の他
端の両端部に形成された切り欠き部105c,105c
を保持爪106b,106bに保持させる。ここで、端
子基板105の保持爪106b,106bへの組み付け
を容易に行うことができるように、保持爪106b,1
06bの端子基板105を保持するのと反対側の角部は
面取りされている。
【0004】一方、端子基板105と基板ホルダ106
とを組み合わせる構造としては、図12及び図13に示
す構造もある。この基板ホルダ106では保持爪106
b’が十分な剛性を有するものとされ、端子基板105
が保持爪106b’,106b’に係合された状態で基
板面と平行な方向にスライドされて組み付けられる。
【0005】そして、図7に示すように、端子基板10
5と基板ホルダ106とを組み合わせた状態で、モータ
ケース104の端子用開口部104aに装着する。この
とき、図8に示すように、端子基板105の端子孔10
5aに端子ピン103を挿入させる。また、基板ホルダ
106の取付爪106c,106cを端子用開口部10
4aの縁に引っ掛けることにより、基板ホルダ106が
モータケース104に固定される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た図9から図11に示すような保持爪106bによる端
子基板105と基板ホルダ106との組み合わせ構造で
は、端子基板105に基板ホルダ106から取り外す方
向への力が加わると、保持爪106bの先端が削れてし
まったり、また保持爪106bは断面三角形状で剛性が
小さいために、端子基板105が容易に外れてしまうお
それがある。これを防止するために保持爪106b及び
これを支持する部分の剛性を大きくすると、端子基板1
05の基板ホルダ106への組み付けの作業性が劣化し
てしまう。
【0007】また、図12及び図13に示すような保持
爪106b’による端子基板105と基板ホルダ106
との組み合わせ構造では、端子基板105の最大幅を保
持爪106b’,106b’同士の間隔よりも小さくし
なければならず、基板ホルダ106の外寸W1よりも小
さくなってしまう。このため、端子基板105の端子孔
105aの間隔を十分大きく取ることができない。これ
により、巻線ボビン102の端子ピン103の間隔も小
さくなってしまうので、該端子ピン103にリード線を
巻き付ける作業が困難となり自動巻線装置が使用できな
くなることがあると共に端子ピン103同士の絶縁性が
低下してしまう。
【0008】その一方、図8に示すように、巻線ボビン
102と端子ピン103との間に引き回されるリード線
107は、途中が支持されていないため端子用開口部1
04aの縁に接触したり極めて近接してしまうことがあ
る。これらの場合、リード線107はエナメル線やウレ
タン線であることから、大電流が流れることにより、被
膜のエナメルやウレタン被覆膜が溶解して、モータケー
ス104とリード線107とが短絡してしまうおそれが
ある。
【0009】そこで、本発明は、端子孔の間隔を基板ホ
ルダの幅に対して大きく取ることができると共に端子基
板と基板ホルダとの結合が強固になり、またモータケー
スとリード線との絶縁性を高めることができるモータの
端子部構造を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、請求項1は、モータケースの周壁に形成されると共
に巻線ボビンの端子ピンが外部に露出される端子用開口
部と、該端子用開口部に取り付けられる基板ホルダと、
該基板ホルダに保持されると共に端子ピンが挿入される
端子孔が形成される端子基板とを備えたモータの端子部
構造において、基板ホルダには端子基板を保持する保持
部と、側壁部により囲われて成ると共に端子ピンが通過
される貫通部とが形成され、端子基板には側壁部の端面
上まで拡張されて載置されることにより貫通部上に拡張
される拡張部が形成され、保持部は拡張部を側壁部の端
面に載置して離れないように保持して、尚かつ少なくと
も一部の端子孔を拡張部内の側壁部に載置された部位の
近傍に配置している。
【0011】したがって、端子基板の拡張部の幅を端子
ホルダの幅と同等にまで広くすることができると共に、
端子孔を拡張部の面積を有効に利用して配置することが
できるので、各端子孔同士の間隔を端子ホルダの幅に対
して最大限にとることができる。
【0012】また、請求項2のモータの端子部構造で
は、基板ホルダには、端子用開口部からモータ内部に突
出すると共に巻線ボビンと端子ピンとの間に引き回さ
れるリード線端子用開口部の縁との間に介在してこれ
らを絶縁する絶縁部が形成されるようにしている。した
がって、リード線は絶縁部により端子用開口部の縁から
離隔される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成を図面に示す
実施形態に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態
では、モータの端子部構造をステッピングモータの端子
部に適用した場合について説明している。
【0014】図1から図6に示すように、本実施形態の
モータの端子部構造1は、ステッピングモータ2のモー
タケース3の周壁に形成される端子用開口部3aと、該
端子用開口部3aに取り付けられる基板ホルダ4と、該
基板ホルダ4に保持される端子基板5とを備え、基板ホ
ルダ4には端子基板5を保持する保持部としての保持爪
6,6と端子ピン10が通過される貫通部17とが形成
され、端子基板5には貫通部17上に拡張される拡張部
18が形成され、端子孔1は拡張部18内の周縁部近
傍に配置している。
【0015】図2及び図3に示すように、モータケース
3の一部には端子用開口部3aが形成されている。モー
タ2の内部には巻線ボビン9が収容されている。2つの
巻線ボビン9の外周の一部には本の端子ピン10,1
,10が突出するよう取り付けられている。この端子
ピン10は、各巻線ボビン9の端子ピン10,10,1
同士が互い違いになるように配置されている。具体的
には、端子ピン10,10,10同士が二等辺三角形の
頂点の位置に配置されている。これにより、端子ピン1
0同士の間隔を大きくすることができる。端子ピン10
は端子用開口部3aからモータケース3の外部に突出さ
れている。そして、端子用開口部3aに端子基板5及び
基板ホルダ4を結合したものを取り付ける。なお、本実
施形態では1つの巻線ボビン9に本の端子ピン10,
10,10が取り付けられているが、これに限らず例え
本の端子ピンを取り付けたものであっても構わな
い。
【0016】図1及び図4に示すように、基板ホルダ4
は、絶縁性の高い樹脂等、好ましくはプラスチックによ
り一体成形され、端子ピン10が通過する貫通部17
と、端子基板5の幅広部7,7が保持される保持爪6,
6と、貫通部17上で端子基板5の先端部が保持される
保持突起11と、端子用開口部3aの縁に係合される取
付爪12,12と、絶縁部としての絶縁凸部13,13
とを有している。
【0017】貫通部17は、基板ホルダの3枚の側壁4
a,4a,4aと1枚の仕切壁4bとにより囲まれた空
間から成る。保持突起11は基板ホルダ4の一端部の1
箇所に形成され、保持爪6はその他端部に近接する両側
部に形成されている。なお、保持突起11は1箇所に形
成されているが、端子基板5の先端縁を保持するもので
あれば複数箇所に形成されていても構わない。また、取
付爪12,12は端子用開口部3aの縁に係合されるも
のとしているが、これに限らず巻線ボビン9に係合する
ものであっても構わない。
【0018】ここで、保持爪6は断面矩形状で、保持さ
れた端子基板5が基板面と垂直な方向に外れない程度の
剛性を有するものとされている。また、保持爪6を支持
する部分は、保持された端子基板5に基板面と垂直な方
向に外力が加わっても保持爪6が逃げないような剛性を
有するものとされている。そして、保持爪6,6の保持
突起11と反対側には、ストッパ爪16,16が形成さ
れている。このストッパ爪16,16は、保持された端
子基板5の幅広部7,7の端部に係合して、端子基板5
の抜け落ちを防止する。
【0019】さらに、絶縁凸部13は、図6に示すよう
に、基板ホルダ4を端子用開口部3aに取り付けたとき
に、端子用開口部3aの縁よりもモータケース3の内側
に突出する形状とされている。本実施形態では、絶縁凸
部13はモータケース3に沿った形状とされているが、
これに限らず直線状に突出した形状等としても構わな
い。
【0020】図1及び図5に示すように、端子基板5
は、基板ホルダ4の幅W1と同等の幅W2を有する拡張
部18と、互いに反対側の縁に形成された切り欠き部
8,8と、各切り欠き部8,8に隣接して形成された幅
広部7,7と、拡張部18に形成されると共に端子ピン
10が挿入される端子孔14とを有している。
【0021】そして、幅広部7,7は保持爪6,6に保
持されるため、該幅広部7の幅W3は拡張部18の幅W
2よりも狭くされている。また、端子基板5の裏側には
コネクタ15が取り付けられている。但し、コネクタ1
5に代えてリード線が端子基板5に直接半田付けしコネ
クタ15が取り付けられていなくても構わないことは勿
論である。
【0022】上述した基板ホルダ4に端子基板5を組み
付ける手順を以下に説明する。
【0023】図1に示すように、端子基板5の切り欠き
部8,8が基板ホルダ4の両保持爪6,6同士の間に位
置するように、端子基板5を基板面に垂直な方向から基
板ホルダ4に当接させる。そして、この状態から端子基
板5を基板面に平行で保持突起11のある方向に摺動さ
せる。これにより、幅広部7,7が保持爪6,6に保持
されると共に、端子基板5の先端部が保持突起11に保
持される。したがって、端子基板5は、2箇所の保持爪
6,6と1箇所の保持突起11とにより基板面に垂直な
方向に対して固定される。また、端子基板5は、先端側
の辺が保持突起11に突き当たり、基端側の辺がストッ
パ爪16,16に係合するので、摺動方向に抜け落ちる
ことはない。
【0024】そして、これら結合した基板ホルダ4と端
子基板5とを端子用開口部3aに装着する。図2と図3
と図6とに示すように、装着の際は端子ピン10を基板
ホルダ4の貫通部17を通過させて端子基板5の端子孔
14に挿入させる。挿入させながら、基板ホルダ4の取
付爪12を端子用開口部3aの縁に係合させる。これに
より、基板ホルダ4及び端子基板5がモータ2に装着さ
れる。その後、端子ピン10を端子基板5にはんだ付け
する。
【0025】ここで、基板ホルダ4の絶縁凸部13が端
子用開口部3aの縁からモータケース3の内部に突出し
ている。このため、端子ピン10と巻線ボビン9との間
に引き回されるリード線19が端子用開口部3aの縁近
くに位置されてもリード線19は絶縁凸部13に当たる
ので、リード線19と縁とが接触したり極めて近接する
ことが防止される。これにより、リード線19とモータ
ケース3との絶縁性を向上させることができる。尚、リ
ード線19はエナメル線やウレタン線であることが好ま
しい。
【0026】本実施形態のモータの端子部構造1によれ
ば、基板ホルダ4の1対の保持爪6,6の間に端子基板
5の幅広部7,7を保持させるので、拡張部18の幅W
2は保持爪6,6同士の間の寸法W3と無関係に設定す
ることができる。すなわち、端子孔14が形成される拡
張部18の幅寸法W2を基板ホルダ4の外寸W1と同等
とすることができる。そして、拡張部18の面積を十分
広くとれることにより、各端子孔14を周縁部近傍に配
置して、端子孔14同士の間隔を十分に大きくすること
ができる。これにより、図3に示すように、巻線ボビン
9の端子ピン10同士の間隔も大きくすることができる
ので、リード線19の巻線作業を容易にすることができ
ると共に、端子ピン10同士の絶縁性を向上させること
ができる。
【0027】これは、1つの巻線ボビン9に例えば3本
の端子ピンを設けた場合でも同様である。このときは、
図3に示すように、2つの巻線ボビン9,9の端子ピン
を互い違いにして二等辺三角形の頂点に位置するように
配置すると共に、両端に位置する端子ピンを拡張部18
の周縁部近傍に配置すれば、端子ピン同士の間隔を最も
平均的にかつ広くとることができる。
【0028】さらに、本実施形態では、保持爪6を断面
矩形状にして摩耗や押し戻しに対して剛性を上げると共
に保持爪6を支持する部分の剛性も高めているので、端
子基板5に基板面と垂直な方向への外力が作用しても容
易に外れてしまうことはない。このため、端子基板5と
基板ホルダ4との結合を強固にすることができる。
【0029】なお、上述の実施形態は本発明の好適な実
施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発
明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能で
ある。例えば本実施形態ではモータをステッピングモー
タとしているが、他の種類のモータであっても構わな
い。
【0030】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1のモータの端子部構造は、基板ホルダには端子基板を
保持する保持部と端子ピンが通過される貫通部とが形成
され、端子基板には貫通部上に拡張される拡張部が形成
され、端子孔は拡張部内の周縁部近傍に配置しているの
で、端子孔を拡張部の面積を有効に利用して配置して、
各端子孔同士の間隔を端子ホルダの幅に対して最大限に
とることができる。このため、モータの端子ピン同士の
間隔を大きくすることができるので、端子ピンへのリー
ド線の巻線作業の作業性を向上させることができると共
に、端子ピン同士の絶縁性を向上させることができる。
【0031】また、請求項2のモータの端子部構造で
は、基板ホルダには、端子用開口部の縁からモータ内部
に突出すると共に巻線ボビンと端子ピンとの間に引き回
されるリード線を端子用開口部の縁に近接させない絶縁
部が形成されるようにしているので、リード線は端子用
開口部の縁から離隔される。このため、リード線とモー
タケースとの絶縁性が向上され、短絡を防止することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のモータの端子部構造の端子基板と基板
ホルダとを結合する状態を示す図であり、(A)は側面
図を、(B)は平面図を示す。
【図2】端子基板と基板ホルダとを結合したものをモー
タに取り付ける状態を示す側面図である。
【図3】モータの端子用開口部を示す正面図である。
【図4】基板ホルダを示す図であり、(A)は平面図
を、(B)は側面図を、(C)は底面図を、(D)正面
図を示す。
【図5】端子基板を示す平面図である。
【図6】端子基板と基板ホルダとを端子用開口部に取り
付けた状態を示す平面図である。
【図7】従来の端子基板と基板ホルダとを結合したもの
をモータに取り付ける状態を示す側面図である。
【図8】従来の端子基板と基板ホルダとを端子用開口部
に取り付けた状態を示す平面図である。
【図9】従来の基板ホルダに端子基板を取り付ける状態
を示す側面図である。
【図10】従来の基板ホルダに端子基板を取り付けた状
態を示す平面図である。
【図11】従来の基板ホルダに端子基板を取り付けた状
態を示す正面図である。
【図12】従来の他の基板ホルダに端子基板を取り付け
る状態を示す平面図である。
【図13】従来の基板ホルダに端子基板を取り付けた状
態を示す正面図である。
【符号の説明】
1 端子部構造 2 モータ 3 モータケース 3a 端子用開口部 4 基板ホルダ 5 端子基板 6 保持爪(保持部) 9 巻線ボビン 10 端子ピン 13 絶縁凸部(絶縁部) 14 端子孔 17 貫通部 18 拡張部

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータケースの周壁に形成されると共に
    巻線ボビンの端子ピンが外部に突出される端子用開口部
    と、該端子用開口部に取り付けられる基板ホルダと、該
    基板ホルダに保持されると共に前記端子ピンが挿入され
    る端子孔が形成されて配線が施される端子基板とを備え
    たモータの端子部構造において、前記基板ホルダには前
    記端子基板を保持する保持部と、側壁部により囲われて
    成ると共に前記端子ピンが通過される貫通部とが形成さ
    れ、前記端子基板には前記側壁部の端面上まで拡張され
    て載置されることにより前記貫通部上に拡張される拡張
    部が形成され、前記保持部は前記拡張部を前記側壁部の
    端面に載置して離れないように保持して、尚かつ少なく
    とも一部の前記端子孔を前記拡張部内の前記側壁部に載
    置された部位の近傍に配置したことを特徴とするモータ
    の端子部構造。
  2. 【請求項2】 前記基板ホルダには、前記端子用開口
    らモータ内部に突出すると共に前記巻線ボビンと前
    記端子ピンとの間に引き回されるリード線前記端子用
    開口部の縁との間に介在してこれらを絶縁する絶縁部が
    形成されていることを特徴とする請求項1記載のモータ
    の端子部構造。
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