JP3155163B2 - 映像信号再生装置 - Google Patents

映像信号再生装置

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JP3155163B2
JP3155163B2 JP01283295A JP1283295A JP3155163B2 JP 3155163 B2 JP3155163 B2 JP 3155163B2 JP 01283295 A JP01283295 A JP 01283295A JP 1283295 A JP1283295 A JP 1283295A JP 3155163 B2 JP3155163 B2 JP 3155163B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気テープに長時間モ
ードで記録した映像信号を再生する映像信号再生装置に
関し、特に長時間モード専用のビデオヘッドを備えた映
像信号再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】家庭用VTR(Video Tape Recorder )
の標準モードでは、ビデオトラック幅(58μm)とほ
ぼ等しいヘッド幅のビデオヘッドが使われるのに対し、
3倍モード等の長時間モードでは、ビデオトラック幅
(19μm)よりも広い幅のヘッド(20〜30μm)
が使われている。これは再生トラッキングエラーをカバ
ーするためや、ビデオヘッド数が増大することによる構
造の複雑さを避けるために中間幅(30μm程度)のヘ
ッドで共用するためである。
【0003】しかし、トラック幅よりも広い幅のヘッド
で記録を行うと、重複記録する部分が生じ、その重複部
分の深層部に低域カラー信号の消し残りができてしま
う。その結果、再生時にこの信号がフリッカーノイズと
なって画面上に現れ、さらにYC分離で分離しきれずに
カラー信号中に残った輝度信号の残留成分や、FM輝度
信号の低域部分の低域カラー信号へのリークがクロスト
ークノイズとして画面上に現れる。また、FM輝度信号
の低域部分はアジマス効果が弱くなるのでクロストーク
量が比較的大きくなり、エッジノイズや細かなジッタと
して現れる。
【0004】そこで、最近では長時間モードの画質向上
のためにトラック幅(19μm)と等しい幅のビデオヘ
ッドを長時間モード専用ヘッドとして使用する装置が多
くなっている。しかし、そのような専用ヘッドを備えて
いない装置で記録した磁気テープを専用ヘッドで再生す
ると、図3に示すように、実線で示すビデオトラックに
対する破線で示すビデオヘッドのトレース軌跡が一致し
ない場合が生じる。
【0005】その結果、図4に示すように、ヘッド切換
信号のエッジから数100μsec 遅れたポイントにおい
て再生信号が小さくなり、垂直同期信号VDがつぶれぎ
みとなる。すると、モニタ画面上で垂直同期信号の認識
が甘くなり、垂直方向にジッタが発生することがある。
【0006】図5は、そのような不都合を考慮した従来
の映像信号再生装置のブロック図である。同図におい
て、ドラムシリンダ11には磁気テープ12上のビデオ
トラック幅と等しいヘッド幅を有する長時間モード専用
のビデオヘッド13a,13bと、ビデオトラック幅よ
りも広い幅(約1.5倍)のビデオヘッド14a,14
bとが取り付けられている。
【0007】長時間モードの再生時には、ビデオヘッド
13a,13bで磁気テープ12のビデオトラックをト
レースして記録信号を再生し、この再生信号を増幅回路
15で増幅して信号処理回路16およびDC変換回路1
7に送る。信号処理回路16はこの再生信号を映像信号
に変換して出力する。
【0008】DC変換回路17は再生信号をピーク検出
等でDC変換を行い、このDC信号をAD変換回路18
に入力する。AD変換回路18はヘッド切り換え信号の
開始時点から終了時点までの間、DC信号をある特定の
時間間隔でサンプリングし、各サンプリング点の値をデ
ィジタルデータに変換し、波形記憶回路19に入力す
る。
【0009】演算制御部20は波形記憶回路19に記憶
した各サンプル点のディジタルデータを読み出し、演算
部20aで基準レベルと比較し、当該データのレベルが
基準レベルよりも低いとき、または波形のバランスが悪
いときは、制御部20bから増幅回路15に切換信号を
送る。増幅回路15はこの切換信号によってビデオヘッ
ド13a,13bからの再生信号に代えてビデオヘッド
14a,14bからの再生信号を選択して出力する。
【0010】こうして、磁気テープ12のビデオトラッ
クとビデオヘッド13a,13bのトレース軌跡とがず
れた場合は、再生出力を大きくするために幅広のビデオ
ヘッド14a,14bからの再生信号に切り換えるよう
にしている。なお、ビデオヘッドの切り換えはマニュア
ルスイッチSWで行うようにしてもよい。
【0011】図6は、他の従来例を示すブロック図であ
る。この従来例は、ドラムシリンダ11に磁気テープ1
2のビデオトラック幅と等しいヘッド幅を有する長時間
モード専用のビデオヘッド13a,13bのみが取り付
けられており、幅広のヘッドは取り付けられていない例
である。
【0012】同図において、ビデオヘッド13a,13
bは磁気テープ12のビデオトラックをトレースして得
た再生信号を増幅回路15に入力する。増幅回路15は
この再生信号を増幅して信号処理回路16に送る。信号
処理回路16はこの再生FM信号を映像信号に変換して
出力する。
【0013】演算制御部20は演算部20aに接続され
たマニュアルスイッチSWが再生中に押下されたとき、
制御部20bから信号処理回路16に制御信号を送る。
信号処理回路16はこの指令を受けて疑似垂直同期信号
を映像信号に混合して出力する。これにより、ビデオヘ
ッドのトレース軌跡がビデオトラックからずれて垂直同
期信号VDの認識が甘くなっても、疑似垂直同期信号に
よって補うことにより垂直方向のジッタを抑制すること
ができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述した図
5に示す従来例では、長時間モードの再生だけでも2対
のビデオヘッドを備える必要があり、それに応じて増幅
回路にも2対の入力部を設ける必要がある。このため、
装置が非常に高価になるという不都合があった。また、
長時間モード専用のビデオヘッドから幅広のビデオヘッ
ドに切り換えたときに、あるいは逆に幅広のビデオヘッ
ドから長時間モード専用のビデオヘッドに切り換えたと
きに、それぞれTVモニタ上に必ず切り換えノイズが発
生するという不都合があった。
【0015】また、図6に示す従来例では、再生信号の
垂直同期が外れたときにユーザーが手動で疑似垂直同期
信号の出力を指令する構成であるため、必ずしも正しく
垂直同期がかけられるとは限らないという不都合があっ
た。
【0016】そこで、本発明は長時間モードで記録した
磁気テープを長時間モード専用のビデオヘッドで再生す
る際に、簡易な構成でしかも切換ノイズの発生しない映
像信号再生装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明による映像信号再
生装置は、ドラムシリンダ上に取り付けられ磁気テープ
に長時間モードで記録されている信号を読み取る一対の
長時間モード専用ビデオヘッドと、ビデオヘッドで読み
取った信号を増幅して出力する増幅回路と、増幅した信
号を映像信号に変換して出力する信号処理回路と、増幅
した信号をDC電圧に変換するDC変換回路と、DC電
圧をヘッド切換信号の開始エッジから終了エッジまでの
間を数回サンプリングしてディジタルデータに変換する
AD変換回路と、各サンプル点のディジタルデータを記
憶する波形記憶回路と、波形記憶回路に記憶したディジ
タルデータと予め設定した基準データとを比較して疑似
垂直同期信号を出力するか否かを判断して信号処理回路
に制御信号を送出する演算制御部とを設け、信号処理回
路は制御信号を受けて再生した画像信号に疑似垂直同期
信号を重畳して出力する。
【0018】
【作用】本発明の構成において、一対のビデオヘッドに
よって磁気テープから読み取られた信号は、増幅回路で
増幅された後、信号処理回路で映像信号に変換されて外
部に出力される。
【0019】また、増幅回路で増幅された信号はDC変
換回路でピーク検波等でDC電圧に変換され、さらにA
D変換回路でヘッド切換信号の開始エッジから終了エッ
ジまで、所定のサンプリング周期でディジタルデータに
変換され、波形記憶回路に記憶される。
【0020】この記憶されたデータは演算制御部で予め
設定した基準データと比較され、疑似垂直同期信号を発
生させる必要があるか否か判断するためのデータとして
使用される。具体的には、各サンプル点の平均値が所定
の基準値よりも小さければ無記録テープと判断する。ま
た、垂直同期信号の位置に当たるヘッド切換信号のエッ
ジから数100μsec の位置のデータを重点的に比較
し、垂直同期信号がつぶれていないか否か判断する。
【0021】その結果、疑似垂直同期信号を出力する必
要があると判断した場合は、演算制御部から信号処理回
路に制御信号を送り、疑似垂直同期信号の発生を指令す
る。信号処理回路はこの指令を受けて疑似垂直同期信号
を画像信号に重畳して出力する。
【0022】
【実施例】図1は、本発明による映像信号再生装置の一
実施例を示すブロック図である。同図において、ドラム
シリンダ1には磁気テープ2上のビデオトラック幅と等
しいヘッド幅を有する長時間モード専用のビデオヘッド
3a,3bが取り付けられている。
【0023】長時間モードの再生時には、ビデオヘッド
3a,3bで磁気テープ2のビデオトラックをトレース
して記録されている信号を再生し、この再生信号を増幅
回路4で増幅して信号処理回路5およびDC変換回路6
に送る。信号処理回路5は再生信号を映像信号に変換し
て出力する。
【0024】DC変換回路6は増幅された再生信号をピ
ーク検出等でDC変換を行い、このDC信号をAD変換
回路7に入力する。AD変換回路7はヘッド切り換え信
号の開始時点から終了時点までの間、DC信号をある特
定の時間間隔でサンプリングして各サンプリング点の値
をディジタルデータに変換し、波形記憶回路8に入力す
る。
【0025】演算制御部9は波形記憶回路8に記憶した
各サンプル点のデータを読み出し、特定の位置(例え
ば、ヘッド切換信号のエッジから数100μsec 遅れた
位置)のデータを演算部9aで基準レベルと比較し、当
該データのレベルが基準レベルよりも低いときは制御部
9bから信号処理回路5に制御信号を送る。
【0026】この特定の位置は映像信号内の垂直同期信
号の位置に当たるため、重要な位置ではあるが、この位
置だけを見て判断すると、無記録テープに対しても制御
信号を出力してしまうため、演算部9aは波形記憶回路
8に記憶した各サンプル点のデータから制御信号の出力
を行うか否かを判断する。具体的には他の部分において
も予め決められた値以上のデータが有ることを確認し、
最終的に疑似垂直同期信号を出力するか否かを判断す
る。
【0027】図2は、本実施例の動作を説明するための
フローチャートである。この動作のスタートはテープ速
度判別後、サーボが安定化した条件下でなされる。スタ
ートすると、まずAD変換回路7に入力されるDC変換
した信号電圧値を、所定のサンプリング周期でヘッド切
換信号の開始時点から順次サンプリングを行う(ステッ
プS1)。
【0028】サンプリングした各点のデータ値DN (N
はサンプリング回数)は波形記憶回路8に記憶する(ス
テップS2)。次いで、データ値D1 〜DN までの総和
を回数Nで割って平均入力電圧値DAVE を求め、予め定
めた平均電圧値dAVE 以上か否か判定する(ステップS
3)。
【0029】その結果、平均値DAVE が平均値dAVE
満であれば(つまり判定がノーであれば)、無記録テー
プと判断し、疑似垂直同期信号を発生させる必要がない
ので処理を終了する。また、あまりにも小信号のときは
疑似垂直同期信号を出力しても全体の画面がノイジーと
なり、意味がなくなることを考慮してこの場合も処理を
終了する。
【0030】ステップS3において、平均値DAVE が平
均値dAVE 以上と判断すると(つまり判定がイエスであ
ると)、次に各サンプル点のデータ値DN が予め定めた
電圧値dN 未満か否か判定する(ステップS4)。この
場合、データ値DN と電圧値dN との比較はヘッド切換
信号のエッジから数100μsec の位置(つまり垂直同
期信号VDの位置)を重点的に比較するように設定して
おく。その結果、データ値DN が電圧値dN 以上であれ
ば(つまり判定がノーであれば)、ビデオヘッドがビデ
オトラックを正常にトレースしていると判断し、疑似垂
直同期信号を出力する必要がないので処理を終了する。
【0031】ステップS4において、データ値DN が電
圧値dN 未満であれば(つまり判定がイエスであれ
ば)、制御部9bから信号処理回路5に制御信号を送
り、疑似垂直同期信号の発生を指令する(ステップS
5)。信号処理回路5はこの指令を受けて疑似垂直同期
信号を画像信号に重畳して出力する(ステップS6)。
【0032】以後、疑似垂直同期信号の出力継続に対し
て再演算の必要性があるか否か判定し(ステップS
7)、必要であればステップS1以降の処理を繰り返
す。必要でなければ疑似垂直同期信号の停止条件か否か
判定し(ステップS8)、停止条件でなければステップ
S6以降の処理を繰り返し、停止条件であれば処理を終
了する。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、再生信号のデータ値を
予め定めた基準値と比較することによって疑似垂直同期
信号の発生が必要か否かを自動的に判断して出力するよ
うにしたので、正しい位置に垂直同期信号を重畳するこ
とが可能となり、さらにビデオヘッドは長時間モード専
用のビデオヘッドのみで構成することができるため、安
価なシステムを構築することが可能となる。
【0034】また、従来のように専用のビデオヘッドと
幅広のビデオヘッドとを切り換える必要がないので、切
り換え時に発生していたノイズや画面の乱れが発生しな
くなる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による映像信号再生装置の一実施例を示
すブロック図である。
【図2】本発明の動作を説明するためのフローチャート
である。
【図3】ビデオトラックに対するビデオヘッドのトレー
ス軌跡を示す説明図である。
【図4】再生信号の両端部がつぶれぎみとなった状態を
示す説明図である。
【図5】従来の映像信号再生装置のブロック図である。
【図6】従来の映像信号再生装置の他の例を示すブロッ
ク図である。
【符号の説明】
1 ドラムシリンダ 2 磁気テープ 3a,3b ビデオヘッド 4 増幅回路 5 信号処理回路 6 DC変換回路 7 AD変換回路 8 波形記憶回路 9 演算制御部 9a 演算部 9b 制御部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドラムシリンダ上に取り付けられ磁気テ
    ープに長時間モードで記録されている信号を読み取る一
    対の長時間モード専用ビデオヘッドと、 前記ビデオヘッドで読み取った前記信号を増幅して出力
    する増幅回路と、 前記増幅した信号を映像信号に変換して出力する信号処
    理回路と、 前記増幅した信号をDC電圧に変換するDC変換回路
    と、 前記DC電圧をヘッド切換信号の開始エッジから終了エ
    ッジまでの間を数回サンプリングしてディジタルデータ
    に変換するAD変換回路と、 前記各サンプル点のディジタルデータを記憶する波形記
    憶回路と、 前記波形記憶回路に記憶した前記ディジタルデータと予
    め設定した基準データとを比較して疑似垂直同期信号を
    出力するか否かを判断して前記信号処理回路に制御信号
    を送出する演算制御部とを備え、 前記信号処理回路は前記制御信号を受けて再生した映像
    信号に疑似垂直同期信号を重畳して出力することを特徴
    とする映像信号再生装置。
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