JP2532295B2 - 磁気記録再生装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は、家庭用のVTR等の磁気記録装置又は磁気
記録再生装置に関するものであり、使用するビデオテー
プ等の性能を充分に引き出すことができるようにしたも
のである。

［従来の技術］ 一般に、家庭用VTRのビデオテープとしてノーマルテ
ープの他に該ノーマルテープよりも高性能の、いわゆる
ハイグレードテープが用いられている。

このハイグレードテープの性能を充分に引き出すため
には、記録又は再生系の特性を補正する必要がある。

この特性を補正するものとして、特開昭61−206970号
公報が知られている。

この公報のものでは、FM変調器に選択的に、振幅の変
化する「検査信号」を入力して、これを記録・再生し、
再生されたFM復調前の信号を振幅検波して「映像信号」
の周波数特性を補正する情報を得、前記振幅検波して得
られたAM検波出力により種々の補正を自動的に実施する
ものある。

［発明が解決しようとする課題］ しかし、前記公報のものでは「補正を自動的に実施」
するための構成は全く示されていなく、従ってこの公報
で開示されたものは、「補正する情報」を得るに留ま
り、仮に記録・再生系の特性を補正するとすれば、得ら
れた情報が操作者が記憶してそれを頼りに手動で補正せ
ざるを得ないものである。

また、この公報のものは、記録媒体に記録再生して特
性を調整すための信号は、FM変調器に振幅の変化する信
号を加えて得られる、周波数の変化する信号であるか
ら、振幅の変化する信号を発生させる必要があり、その
構成が複雑になる。

この発明は上記に鑑み、記録系又は再生系の特性を制
御するコントロール信号を得るための具体的な構成を有
し、しかも簡単な構成で、特性調整用の基準信号を発生
することができる磁気記録再生装置を提供することを目
的とするものである。

［課題を解決するための手段］ 上記の課題を解決するための、この発明の磁気記録再
生装置は、 記録すべき情報信号がFM変調されるFM変調器を記録系
に有する磁気記録再生装置であって、 前記FM変調器に所定レベルの直流電圧を選択的に入力
する直流電圧源と、 前記FM変調器に前記直流電圧を入力して得られる、該
FM変調器の出力である単波長の信号を基準信号として記
録し、そして再生した信号のレベルを検出する検出手段
と、 この検出したレベルを記録する記憶手段と、 この記憶されたレベルを基準電圧と比較する比較手段
と、 この比較手段から出力される比較誤差信号からコント
ロール信号を発生する信号発生手段とを備え、 このコントロール信号により、前記情報信号の記録系
又は再生系の特性を制御し、以て前記記録系又は再生系
の特性を磁気記録媒体の特性に見合ったものに設定する
ことを特徴とするものである。

［作用］ ところで、第２図のように、ハイグレードテープの出
力はノーマルテープの出力に対して、周波数が高くなる
ほど大きくなる。ちなみに、この第２図はノーマルテー
プとハイグレードテープとの周知の周波数対出力レベル
を示すものであり、ノーマルテープの出力レベルを0db
としている。

従って、前記公報のように、全周波数帯域での出力レ
ベルを検出する必要はなく、周波数の高いところの１ポ
イント（単波長）の記録再生による出力レベルからその
磁気テープの特性を知ることができる。

上記のように構成したこの発明の磁気記録再生装置で
は、前記FM変調器に所定レベルの直流電圧を選択的に入
力するので、該FM変調器の出力である単波長の信号が得
られ、この信号を基準信号として記録し、そして再生し
た信号のレベルを検出することにより、磁気記録媒体の
特性が分かる。

そして、上記の構成では、前記の再生した信号のレベ
ルを検出して、このレベルを記憶し、この記憶されたレ
ベルを基準電圧と比較し、この比較による比較誤差信号
からコントロール信号を発生する。

［実施例］ 以下に、この発明の一実施例を図について説明する。

第１図は家庭用のVTRの記録・再生系の要部の概略を
示すブロック図である。

第１図において、符号１は記録系の入力端子であり、
該入力端子にはテレビ受信機等から得られた記録すべき
ビデオ信号が入力される。この入力されたビデオ信号は
記録輝度信号処理回路２に入力され、LPF等により輝度
信号のみが取り出される。ここで分離された高域のクロ
マ信号は図示していない他の手段により処理される。前
記の取り出された輝度信号は後述するスイッチ３を介し
てFM変調器４に入力され、FM変調される。このFM変調器
からのFM輝度信号はFMイコライザ５でその低域部が持上
げられ、さらにHPF6を経て加算器７に入力される。該加
算器では端子８からの低域に変換された前記クロマ信号
と加算され、記録アンプ９及び録再切換スイッチ10を経
てビデオヘッド11により図示していないビデオテープに
記録される。

前記ビデオテープからビデオヘッド11により再生され
たカラービデオ信号は再生プリアンプを経て図示してい
ないクロマ信号処理回路及び輝度信号処理回路へ供給さ
れ、図示していないCRT等によりカラー画像が再生され
る。上記したものはスイッチ３を除いて周知の家庭用VT
Rに用いられているものである。

第１図において、符号13は直流電圧源であり、前記し
たように記録系・再生系の特性を使用するビデオテープ
に見合うように設定する際には、前記スイッチ３を介し
て前記FM変調器４に所定の直流電圧を入力するものであ
る。この所定の直流電圧が入力されることにより、FM変
調器４からはこの直流電圧に応じた単波長の基準信号
（例えば3.8MHZ）が出力され、この基準信号が前記ビデ
オヘッド11により前記のビデオテープに記録される。

この記録された基準信号はビデオヘッド11により再生
され、前記再生プリアンプ12を経て再生レベル検出器14
に供給される。この再生レベル検出器14で検出された基
準信号の再生レベルはメモリ15に記憶される。該メモリ
に記憶された基準信号の再生レベルは比較器16において
直流電圧源17の基準電圧と比較され、比較誤差信号がコ
ントロール信号発生器18に供給される。

因に前記の基準電圧は標準テープに前記基準信号が記
録されてこれが再生されたときのメモリ15から出力され
る再生レベルと等しくしてある。

前記コントロール信号発生器18では前記の比較誤差信
号に応じたコントロール信号が発生され、該コントロー
ル信号は端子19を経て記録系の図示していないディテー
ルエンファシス回路、FMイコライザ５、再生系の図示し
ていないFMピーキング回路又は図示していないノイズキ
ャンセラに供給され、記録系又は再生系の特性が制御
（設定）される。

前記のような構成を有するVTRでは、前記スイッチ３
により直流電圧源13をFM変調器４に接続して記録系又は
再生系の特性が設定された後、前記スイッチ３を記録輝
度信号処理回路２側に接続して前記したようにしてビデ
オ信号の記録又は再生を行なう。このビデオ信号の記録
又は再生では記録系又は再生系の特性が使用するビデオ
テープの特性に見合ったものとなっているので、該ビデ
オテープの性能を充分に引き出すことができる。

［発明の効果］ この発明は上記したように、基準信号として記録さ
れ、そして再生された信号のレベルを検出し、この検出
したレベルを記憶し、この記憶されたレベルを基準電圧
と比較し、この比較誤差信号からコントロール信号を発
生する信号発生手段を有するので、前記特性をコントロ
ールするコントロール信号が得られる。

これに比較して、従来の前記公報のものでは、コント
ロール信号を得るための構成は開示されていない。

そして、この発明では単波長の信号を基準信号として
用いるので、前記したようにFM変調器に所定レベルの直
流電圧を選択的に入力すればよく、周波数の変化する信
号を用いる従来の前記公報のものに比較して、その構成
が簡単になる。

さらに、この発明では、前記の効果に加え、次のよう
な効果もある。

即ち、記録系又は再生系の特性を設定するために、前
記公報の検査方法では記録媒体の性能そのものを調べる
べく、まずはじめに検査信号を記録し、そして記録され
た検査信号を再生して信号レベルを測定し、この測定結
果に基づいて前記特性を設定する。そのために、予め映
画等の情報信号が記録されているソフトテープであって
も、検査信号を記録することなく、前記再生系の特性を
設定することができなかった。レンタル等のソフトテー
プでは数十回と再生されていて、相当減磁し、実際には
記録媒体の持つ性能をキープできていない。

この発明では、検査信号（基準信号）として、具体的
には3.8MHZの単波長の信号を用いている。この3.8MHZと
は、PAL信号がVHS方式でFM変調されるシンクチップレベ
ルの周波数であり、上記単波長の検査信号を用いるよう
にすることによって、前記検査信号の記録を行なわず
に、前記ソフトテープの再生時にシンクチップの信号レ
ベルを測定すれば、これが検査信号と同一周波数のた
め、記録媒体上の記録状態を判断することができ、再生
のみで記録状態を判断して再生系の特性を設定できる。

また単波長の周波数をシンクチップと同様に映像内容
で変化しないペデスタルレベルに設定しても良い。

ちなみに、前記した公報のものには、検査信号として
単波長のものを用いることについての記載はなく、また
これを示唆する記載もない。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例を示すものであり、VTRの
記録・再生系の要部の概略を示すブロック図、第２図は
周知のノーマルテープとハイグレードテープとの周波数
対出力レベルを示す図である。 3:スイッチ、4:FM変調器、13:直流電圧源。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】記録すべき情報信号がFM変調されるFM変調
   器を記録系に有する磁気記録再生装置であって、 前記FM変調器に所定レベルの直流電圧を選択的に入力す
   る直流電圧源と、 前記FM変調器に前記直流電圧を入力して得られる、該FM
   変調器の出力である単波長の信号を基準信号として記録
   し、そして再生した信号のレベルを検出する検出手段
   と、 この検出したレベルを記録する記憶手段と、 この記憶されたレベルを基準電圧と比較する比較手段
   と、 この比較手段から出力される比較誤差信号からコントロ
   ール信号を発生する信号発生手段とを備え、 このコントロール信号により、前記情報信号の記録系又
   は再生系の特性を制御し、以て前記記録系又は再生系の
   特性を磁気記録媒体の特性に見合ったものに設定するこ
   とを特徴とする磁気記録再生装置。