JP3153908B2 - 封 書 - Google Patents

封 書

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JP3153908B2
JP3153908B2 JP25380494A JP25380494A JP3153908B2 JP 3153908 B2 JP3153908 B2 JP 3153908B2 JP 25380494 A JP25380494 A JP 25380494A JP 25380494 A JP25380494 A JP 25380494A JP 3153908 B2 JP3153908 B2 JP 3153908B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばダイレクトメー
ルなどに使用され、封筒を使用することなく、定形郵便
物として多量の情報を安価に郵送することのできる封書
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ダイレクトメールの発送にあたっては、
印刷したパンフレットを折り畳むと共に、折り畳んだパ
ンフレットを封筒に入れるという作業が必要であり、こ
れら作業は、通常手作業で行われており、かなり煩雑な
ものとなっている。
【0003】このような煩雑な手作業を解消するものと
して、例えば実開平3−36887号公報、あるいは実
開平4−53640号公報には、三つ折り、あるいは四
つ折りした用紙の周縁部を再剥離可能に貼着することに
より、封筒を不要にした封書用紙が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記公報に
記載された封書用紙は、たかだか四つ折りにしたものに
過ぎず、安価に郵送することのできる定形郵便物サイズ
(横:90〜120mm,縦:140〜235mm)と
した場合には、紙面の面積が小さくてパンフレットの記
載内容が限定されてしまうことから、さらに大きな用紙
を用いて記載内容を充実させたいという要望がある。
一方、用紙のサイズが大きくなると、それだけ折り畳み
回数が増すことになり、とりわけ縦横両方向に折り畳ん
だ場合には、各紙面の間に空気が残留することによって
封書が膨らみ、厚みが増すことから外観的に見劣りがす
るばかりでなく、発送のための整理や宛名書き、運搬な
どの取扱いにも具合の悪いものとなり、場合によっては
定形郵便物の厚さの上限値である10mmを超えてしま
うこともあり得るという問題点がある。 また、用紙の
接着部分、すなわち開封可能部分が封書の周囲に数多く
露出するようになることから、開封順序が不明確とな
り、順序を誤った場合にはパンフレットの記載内容が理
解し難いものとなり、ダイレクトメールとしての価値が
半減してしまうという問題点があって、これらの問題点
を解決することが上記のような貼り合わせ封書において
用紙サイズを大きくした場合の課題となっていた。
【0005】
【発明の目的】本発明は、貼り合わせ封書における上記
課題に着目してなされたものであって、用紙サイズが大
きく、多量の情報を定形郵便物として安価に郵送するこ
とができると共に、折り畳んだ紙面間に空気が残留する
ことがなく、厚さを薄くすることができ、さらに、一定
の順序で開封することができ、記載内容が理解しやすい
封書を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる封書は、
所定の用紙を定形郵便物サイズに折り畳んでなると共
に、折り畳み状態において開口する周縁部を不連続状に
塗布した感熱性ないしは感圧性接着剤により再剥離可能
に封緘してなる封書において、用紙の端縁と、該端縁を
巻き込んで折り畳まれる折り線との間に隙間が設けてあ
構成としたことを特徴としており、本発明に係わる封
書の実施態様としては、最初に剥離される第1開封面の
隅角部に、接着剤が塗布されていない剥し口が設けてあ
る構成、さらには渦巻き状に三つ折りされた用紙が三つ
折り方向と直交する方向に二つ折りされていると共に、
二つ折り方向にさらに二つ折りされてなる構成とするこ
とができ、このような封書の構成を前述した従来の課題
を解決するための手段としている。
【0007】なお、本発明に係わる封書に使用される感
熱性あるいは感圧性接着剤としては、一旦接着したのち
再剥離が可能であり、しかも剥離するときに用紙が破れ
たり、印刷面がかすれたりするような重大な影響を与え
ないことが要求され、このような観点から、例えばポリ
オレフィン系共重合樹脂10〜20%、酢酸ビニル系樹
脂20〜30%、浄水50〜60%、添加剤1%以下の
組成の接着剤を使用することができる。
【0008】
【発明の作用】本発明に係わる封書においては、折り畳
んだ封書の周縁部を再剥離可能に封緘するための接着剤
が非連続状態に塗布してあるので、封緘に際して用紙の
紙面間に巻き込まれた空気が接着剤の不連続部分から容
易に排出されるので、封書が膨らむことがなく厚みの薄
い封書となる。
【0009】また、用紙の端縁とこの端縁を巻き込むよ
うにして折り畳む折り線との間に隙間が設けてあるの
で、折り畳み回数が多い場合でも、折り畳みが容易とな
るとともに隙間が空気の通路として機能することから、
空気の排出がさらに容易に行われる。
【0010】本発明に係わる封書の実施態様として請求
項2に係わる封書においては、第1開封面の隅角部に剥
し口が設けてあるので、開封が容易に行われると共に、
最初の開封位置が明確となって、封書の記載内容の理解
が容易となる。
【0011】さらに、本発明の請求項に係わる封書に
おいては、例えば横方向に三つ折りした用紙をさらに縦
方向に2回二つ折り(つまり四つ折り)しているので、
定形郵便物の約12倍もの紙面となるばかりでなく、開
封が容易になると共に、開封順序が一定のものとなるこ
とから、記載内容を紙面展開に合わせた合理的なレイア
ウトとすることにより、読む人に与える印象がより強い
ものとなる。
【0012】
【実施例】以下、本発明を図面に基づいて具体的に説明
する。
【0013】図1ないし図7は、本発明に係わる封書の
一実施例として、ダイレクトメール用の封書を説明する
ものであって、図1は当該ダイレクトメール用封書の作
成手順を示す工程図、図2は封書用紙の展開した状態に
おける表面側を示す平面図、図3はその裏面側を示す背
面図である。
【0014】この実施例において、ダイレクトメール用
封書に用いる用紙10は、定形郵便物サイズの約12倍
の面積を有し、用紙10の表面側は、図2(a)に示す
ように横2本、縦3本の折り線R1 〜R5 によって、1
2の紙面11a〜22aに区分され、裏面側は、図2に
示すように、前記折り線R1 〜R5 によって、同じく1
2の紙面11b〜22bに区分されている。 なお、こ
の実施例における各紙面の縦寸法については、h1 =1
94mm,h2 =h3 =200mm、横寸法について
は、w1 =100mm,w2 =106mm,w3 =w4
=107mmとしてあり、紙面22aが宛名書き用の紙
面となっている。
【0015】前記用紙10の表面側においては、図2
(a)に示すように、紙面17a,18aおよび19a
の図中上下周縁部に約6mmの幅に、紙面18aの図中
右側周縁部には約10mmの幅に、ポリオレフィン系共
重合樹脂16%,酢酸ビニル系樹脂26%,浄水57
%,添加剤1%からなる接着剤23が、図2(b)に拡
大して示すように間隔をおいたドット状にそれぞれ塗布
されている。 なお、前記紙面18aの図中右上の隅角
部24には、接着剤の付着していない部分が三角形に残
されており、後述するように封緘状態において剥し口2
6となるようにしてある。
【0016】また、用紙10の裏面側においては、図3
に示すように、紙面15b,19bの図中右側周縁部、
紙面18b,22bの図中左側周縁部、さらに紙面19
b,20b,21b,22bの図中下側周縁部に、約6
mm幅に接着剤23が、図2(b)に示したようにドッ
ト状に塗布されている。
【0017】なお、前記用紙10は、図1の工程図に示
すように、ロール状に巻き取られた原紙の表面および裏
面にダイレクトメールとしての商品説明や写真などの記
事が連続的に印刷されたのち、前記箇所に接着剤23が
ドット状に塗布され、化粧裁ち工程において、前述のサ
イズ、すなわち420×594mmの大きさに裁断する
ことによって製造される。
【0018】前記用紙10は、折り畳み工程において、
まず図3に示した裏面側から、図4(a)に示すように
折り線R1 によって折り畳まれ、紙面11b〜14bが
紙面15b〜18bの上にそれぞれ折り重ねられる。
これにより図4(b)に示すように、紙面11b〜14
bの表面側紙面11a〜14aが現れると共に、紙面1
1a〜14aの縦寸法h1 よりも紙面15b〜18bの
縦寸法h2 の方が長いので、用紙10の端縁E1 と折り
線R2 との間に6mm幅の隙間25が形成されることに
なる。
【0019】次に、用紙10は、図5(a)に示すよう
に折り線R2 により折り畳まれ、紙面11a〜14aが
紙面19b〜22bの上にそれぞれ折り重ねられる。
これによって用紙10は、三つ折りされたことになり、
図5(b)に示すように紙面15b〜18bの表面側紙
面15a〜18aが現れる。
【0020】三つ折りされた用紙10は、図6(a)に
示すように、折り線R3 によってさらに二つ折りされ、
紙面17a,18aの上に紙面15a,16aが折り重
ねられ、これによって図6(b)に示すように、紙面1
9b,20bの表面側である紙面19a,20aが現れ
る。 このとき、紙面19a,20aの横寸法の合計w
1 +w2 は、紙面17a,18aの横寸法の合計w3 +
w4 よりも短いので、紙面19aの左側端縁E2 (図3
における用紙10の右側端縁)は、紙面18aの左側端
縁E3 (図3における用紙10の左側端縁)から約8m
mだけ内側に位置することになる。
【0021】次いで、図7(a)に示すように、折り線
R4 とこれに重なる折り線R5 によってさらに二つ折り
することにより、当該用紙10は、107×200mm
の定形郵便物サイズに折り畳まれ、宛名書き用の紙面2
2aが現れる。
【0022】そして、定形郵便物サイズに折り畳まれた
用紙10を加熱しつつ加圧することによって、四周に開
口している紙面の周縁部が接着剤23によって封緘さ
れ、図7(b)に示すようなダイレクトメール用の封書
1が完成する。
【0023】このとき、用紙10の端縁E2 は、前述の
ように端縁E3 の内側に位置しているので、紙面18a
と紙面20aとの間に挟まれて外部には露出せず、図5
(b)における紙面15aの右側周縁部と図6(b)に
おける紙面20aの右側周縁部とが紙面18aの図5
(b)中左側周縁部に広幅に塗布された接着剤23によ
って、当該紙面18aに接着されると共に、前記紙面1
8aの隅角部24に三角形に残された接着剤の付着して
いない部分によって剥し口26が形成されることにな
る。
【0024】また、このとき、各紙面間に残存する空気
は、用紙端縁E1 と折り線R2 との間に形成された隙間
25を経て、図2(b)に示したようにドット状に塗布
された接着剤23の不連続部分から、矢印のように容易
に排出されるので、封書としての厚みが減少して、外観
上および取扱上の不都合を解消することができる。
【0025】一方、封書1の開封に際しては、前述のよ
うに紙面18aと20aとの間に剥し口26が形成され
ており、しかも紙面15aが紙面18aの上下および左
側周縁部に塗布された接着剤23によって3辺で接着さ
れているのに対し、紙面20aは紙面19aの上下周縁
部に塗布された接着剤23によって2辺で接着されてい
るに過ぎないので、前記剥し口26に指先を当てて開封
することにより、紙面18aがまず剥離して、紙面19
aが紙面15aとともに紙面18a上に残り、紙面19
aおよび20aが必ず最初に展開されて、図6(b)に
示した状態となる。
【0026】図6(b)の状態から、先に説明した折り
畳み工程とは逆の手順によって、封書1を順次展開して
行くと、図5(b),図4(b)のように新しい紙面1
5a〜18a,11a〜14a,19b〜22bが次々
と展開され、最後に図3に示した状態となって、紙面1
1b〜22bが連続したひとつの広い紙面が現れること
になる。
【0027】このように、この実施例に係わる封書1に
おいては、用紙サイズが大きく、多量の情報を安価に郵
送することができると共に、必ず一定の順序で開封がな
されるので、ダイレクトメールの記載内容を開封時の紙
面展開に合わせて合理的にレイアウトすることができ、
ダイレクトメールの記載内容をより強く印象づけること
ができる。
【0028】なお、上記実施例においては、用紙10の
サイズを定形郵便物の約12倍にした場合について説明
したが、本発明において用紙のサイズはとくに限定され
ず、例えば、8倍サイズや16倍サイズの用紙を使用し
てもよい。 また、図8(a)および(b)に示すよう
に、5倍サイズ、あるいは7倍サイズの用紙を一方向に
のみ折り畳むようにしてもよい。
【0029】また、接着剤23の塗布パターンについて
も、上記実施例において例示したドット状のものの他
に、例えば図9(a)ないし(c)に示すような縞状の
ものや網目状のものでもよく、空気の流通を可能にする
不連続部分が形成されていればよい。
【0030】さらに、上記実施例においては、本発明に
係わる封書をダイレクトメールとして利用する例を示
し、用紙に記事を印刷したものとして説明したが、白紙
のまま、あるいは淡い地模様や罫線のみを印刷した用紙
を用いることによって、一般用の手書き封書用紙とする
ことも可能である。 この場合には、通信文を手書き
(もちろんタイプやワープロでもよい)したのち、例え
ば家庭用のアイロンを用いて封緘することができる。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係わる封
書は、上記構成、とくに折り畳み状態において開口する
紙面の周縁部を非連続状態に塗布した接着剤によって封
すると共に、用紙端縁と折り線との間に隙間を設けた
ものであるから、紙面間に残留する空気が容易に排出さ
れるので、封書の厚みが減少し、外観が向上すると共
に、整理や運搬などの取扱いが容易になるという優れた
効果がもたらされる。 また、第1開封面の隅角部に接
着剤の塗布されていない剥し口を設けたり、用紙の折り
畳み状態を規定したりすることにより、一定の順序で開
封することができるようになり、封書の記載内容が理解
しやすいものとなるという優れた効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としてダイレクトメール用封
書の作成手順を示す工程図である。
【図2】(a) 封書用紙の展開した状態における表面
側を示す平面図である。 (b) 図2(a)における楕円内の拡大説明図であ
る。
【図3】図2(a)に示した用紙の裏面側を示す背面図
である。
【図4】(a)および(b)は用紙の最初の折り畳み要
領およびその折り畳み状態を示すそれぞれ斜視図および
平面図である。
【図5】(a)および(b)は用紙の2回目の折り畳み
要領およびその折り畳み状態を示すそれぞれ斜視図およ
び平面図である。
【図6】(a)および(b)は用紙の3回目の折り畳み
要領およびその折り畳み状態を示すそれぞれ斜視図およ
び平面図である。
【図7】(a) 用紙の4回目の折り畳み要領を示す斜
視図である。 (b) 封書の完成状態を示す平面図である。
【図8】(a)および(b)は本発明に係わる封書の他
の形状例を示すそれぞれ斜視図である。
【図9】(a)ないし(c)は接着剤の塗布パターンの
他の例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 封書 10 用紙 23 接着剤 E1 端縁 R2 折り線 25 隙間 26 剥し口

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の用紙を定形郵便物サイズに折り畳
    んでなると共に、折り畳み状態において開口する周縁部
    不連続状に塗布した感熱性ないしは感圧性接着剤によ
    り再剥離可能に封緘してなる封書において、用紙の端縁
    と、該端縁を巻き込んで折り畳まれる折り線との間に隙
    間が設けてあることを特徴とする封書。
  2. 【請求項2】 最初に剥離される第1開封面の隅角部
    に、接着剤が塗布されていない剥し口が設けてあること
    を特徴とする請求項記載の封書。
  3. 【請求項3】 渦巻き状に三つ折りされた用紙が三つ折
    り方向と直交する方向に二つ折りされていると共に、二
    つ折り方向にさらに二つ折りされてなることを特徴とす
    る請求項記載の封書。
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