JP3153685B2 - 紙を基材とする焼却可能な造作材用化粧シート - Google Patents
紙を基材とする焼却可能な造作材用化粧シートInfo
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Description
成材、パーティクルボード、MDF(中密度繊維板)等
からなる基材に被覆して造作材とするための、木目調模
様等を印刷した紙を基材とする焼却可能な造作材用化粧
シートに関する。
築用造作材として天然の木材を製材したものが用いられ
てきたが、近年、表面の意匠性や耐久性の向上さらには
手入れの容易性などから、合板、単板積層材、集成材、
パーティクルボード、MDF等からなる基材の表面を、
木目模様等が印刷された塩化ビニル樹脂フィルム(塩ビ
フィルム)で被覆した造作材が多用されるようになっ
た。
ニル樹脂は紙や木材のようにはリサイクルが容易ではな
く、燃焼させると人体に有害な塩素ガスを発生するため
に、その使用を制限する動きにある。近年の住宅建替え
需要の増大により、建替え時に発生する塩ビ壁紙や塩ビ
フィルムの貼着加工時に発生する残渣の処分などが大き
な問題となっている。
ーな化粧シートとして、紙を基材とする化粧シートの開
発が試みられているが、耐摩耗性、耐汚染性、変色し難
さ、耐老化性、耐水性、印刷性などの表面性能の点で塩
ビフィルムに劣るほか、基材に貼着すべく水性エマルジ
ョン系接着剤を用いると、破れ、紙間強度低下、水分に
よる膨潤を招くといった問題を生じる。さらに、曲げた
り折ったりする加工性の点でも塩ビフィルムに及ばず、
未だ塩ビフィルムの代替シートは完成されていない。
ビフィルムと同等の特性を備えた、紙を基材とする焼却
可能な造作材用化粧シートを提供することにある。
焼却可能な造作材用化粧シートは、可撓性があり耐久性
に優れた合成樹脂による上塗り層が表面に形成された、
原紙の重さが23g/m 2 〜200g/m 2 の印刷紙の
裏面に、ドライベースで前記印刷紙の原紙重量の約50
%の塗布量で、可撓性、水分非透過性を有する皮膜とし
て機能する、上塗り層と同種の合成樹脂からなる接着剤
層を形成し、該接着剤層下面に前記印刷紙の原紙と重量
が同等の裏打紙を貼り合わせたことを特徴とする。
薄いほど印刷が鮮明で見掛けの良い印刷紙となるが、薄
すぎると貼り合わせにくくなる。一方、厚すぎると印刷
が不鮮明となる他、紙間剥離や層間剥離を生じ易くな
る。従って、原紙の重さは、23g/m 2 〜200g/
m2、好ましくは30g/m 2 〜80g/m2の範囲で
ある。この原紙の表面に各種模様がグラビア印刷やオフ
セット印刷によって印刷され、印刷紙とされる。
は、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ダップ樹脂、ポリエ
ステル樹脂など耐久性や可撓性があり、紙に対する浸透
性に優れた合成樹脂からなる塗料を、ドライベースで2
0g/m 2 〜100g/m2の塗布量で塗布することに
よって形成される。
は、基本的には印刷紙の原紙と重量や材質が同等のもの
を使用する。なお、水分非透過性を良くするために、浸
透性に優れた未晒しの原紙を用いるか予め樹脂を混抄し
紙間強度を向上させた原紙を用いることが好ましい。
は、それ自体が可撓性を有し、且つ、水分非透過性であ
る必要があり、液状の樹脂接着剤を紙に塗布して形成し
たもの、或いは厚さ、5μm〜100μmのフィルム状
の皮膜を用いることができる。皮膜形成に際しては、紙
に対する浸透性が良く、且つ、印刷紙の上塗り層を形成
する合成樹脂と相溶性に優れていることが好ましい。そ
のための樹脂としては、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、
ダップ樹脂、ポリエステル樹脂などを好適に使用でき
る。その皮膜は連続的に形成されておればよく、その厚
さは格別問題にならない。なお、皮膜形成に接着剤を塗
布する場合の塗布量は、ドライベースで原紙重量の約5
0%程度が好ましい。
着剤を塗布し印刷紙と裏打紙を接着した後、乾燥機を通
過させて溶剤分を揮発させるか、接着性能を有する水分
非透過性の皮膜を印刷紙裏面に形成した後、裏打紙を下
から重ねて加熱ロールプレス間を通過させて貼り合わせ
ることによって製造することができる。
れ、焼却可能であるという特長を有する。しかも、可撓
性において塩ビフィルムには劣るものの、耐摩耗性、耐
汚染性、変色し難さ、耐老化性、耐水性、印刷性などの
表面性能は、基材に貼着すべく水性エマルジョン系接着
剤を用いても、水分非透過性被膜が存在するために、破
れ、紙間強度低下、水分による膨潤を招くといった問題
を生じることもな い。さらに、曲げたり折ったりする加
工性の点でも基材に被覆する造作材用の化粧シートとし
て十分である。
トの断面構造を示す。図1において、1は印刷紙、2は
上塗り層、3は可撓性を有する非透水層、4は裏打紙で
ある。
の表面に、透明なウレタン樹脂塗料を70g/m2塗布
して上塗り層2を形成した。次いで、この印刷紙1の裏
面に溶剤型のウレタン樹脂接着剤を15g/m2塗布し
て乾燥機中を通過させて溶剤分を揮発させ、可撓性を有
する非透水層3を形成した。続いて、印刷紙1に用いた
のと同じ原紙である30g/m2の未晒し原紙を裏打紙
4として可撓性を有する非透水層3に重ね、ロールプレ
ス間を通過させて加圧下に貼り合わせて、全体厚みが
0.08mmの化粧シートを得た。
ン型接着剤を塗布後、ラッピングマシンを用いてMDF
を基材とする幅木に貼着した。従来の塩ビフィルムシー
トと同様に連続的に貼着でき、破れたり皺が生じること
はなかった。
被覆した幅木と比較して、同等の見掛けを有し、表面性
能も見劣りしなかった。
に透明なアクリル樹脂塗料を100g/m2塗布して上
塗り層2を有する印刷紙1を得た。次いでこの印刷紙1
の裏面に、厚さが0.05mmの熱可塑性アクリルウレ
タン樹脂系フィルムを可撓性を有する非透水層3として
介在させて、印刷紙1に用いたのと同じ 原紙である50
g/m2の未晒し原紙を裏打紙4として重ね、130℃
の加熱ロールプレス間を通過させて加圧下に貼り合わせ
て全体厚さが0.12mmの化粧シートを得た。
溶性エマルジョン型接着剤を介して貼着後、Vカットマ
シンにより合板裏面から複数のV溝を形成した。つい
で、化粧シートを表面側に折り曲げてV溝を接着し、求
める扉枠材を得た。この扉枠材は、従来の塩ビフィルム
シートを被覆した扉枠材と比較して、表面性能も見掛け
上も見劣りしなかった。
性の合成樹脂皮膜で貼り合わせて化粧シートとしている
ので、化粧シートは紙で構成されているにもかかわらず
可撓性や強度を有し、従来のラッピングマシンやVカッ
トマシン等の化粧シート貼り合わせ機械での作業に十分
適用できる。
脂皮膜で貼り合わせているので、中間層に非透水層が形
成され、水系の接着剤を用いて木質系の基材に貼着する
場合も化粧シートは膨潤せず、従来の塩ビフィルムと同
様に使用できる。
を用いないので、燃焼させても塩素ガスは発生しない。
そのため、火災時も人体に対する安全性は高く、化粧シ
ートの残滓の焼却にも特殊な装置を必要としない。
を示す。
Claims (1)
- 【請求項1】 可撓性があり耐久性に優れた合成樹脂に
よる上塗り層が表面に形成された、原紙の重さが23g
/m 2 〜200g/m2の印刷紙の裏面に、ドライベー
スで前記印刷紙の原紙重量の約50%の塗布量で、可撓
性、水分非透過性を有する皮膜として機能する上塗り層
と同種の合成樹脂からなる接着剤層を形成し、この接着
剤層下面に前記印刷紙の原紙と重量が同等の裏打紙を貼
り合わせた紙を基材とする焼却可能な造作材用化粧シー
ト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22918793A JP3153685B2 (ja) | 1993-09-14 | 1993-09-14 | 紙を基材とする焼却可能な造作材用化粧シート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22918793A JP3153685B2 (ja) | 1993-09-14 | 1993-09-14 | 紙を基材とする焼却可能な造作材用化粧シート |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0781006A JPH0781006A (ja) | 1995-03-28 |
JP3153685B2 true JP3153685B2 (ja) | 2001-04-09 |
Family
ID=16888172
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22918793A Expired - Lifetime JP3153685B2 (ja) | 1993-09-14 | 1993-09-14 | 紙を基材とする焼却可能な造作材用化粧シート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3153685B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100364621B1 (ko) * | 2000-10-17 | 2002-12-16 | (주)두일 | 문짝 장식용 시트 및 그 제조방법 |
-
1993
- 1993-09-14 JP JP22918793A patent/JP3153685B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0781006A (ja) | 1995-03-28 |
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