JP2002370331A - 化粧フィルムおよびそのフィルムを積層した化粧板 - Google Patents

化粧フィルムおよびそのフィルムを積層した化粧板

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JP2002370331A JP2001182520A JP2001182520A JP2002370331A JP 2002370331 A JP2002370331 A JP 2002370331A JP 2001182520 A JP2001182520 A JP 2001182520A JP 2001182520 A JP2001182520 A JP 2001182520A JP 2002370331 A JP2002370331 A JP 2002370331A
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寛之 岩下
Yoshiki Takei
芳樹 武居
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幸治 田熊
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリ塩化ビニル樹脂フィルムを用いた化粧シ
ートと同等以上のエンボス加工による凹凸模様を付与す
ることが可能で、意匠性、耐汚染性、耐溶剤性などの優
れた表面物性を有し、さらに真空成形やラッピング加工
が可能な程度に軟質で、かつ耐疵付き性にも優れた化粧
フィルム、およびその化粧フィルムを積層した化粧板を
提供する。 【解決手段】 常温における弾性率が1000MPa以
上であり、70〜120℃における弾性率が5〜500
MPaである樹脂層を少なくとも最表層とする、1層ま
たは2層以上の樹脂層からなる樹脂フィルムで化粧フィ
ルムを構成し、これを基板に積層して化粧板とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種家具類や建築
内装材等に使用される化粧フィルム、およびこの化粧フ
ィルムを積層した化粧板に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、各種家具類や建築内装材等に使用
される化粧フィルムとしては、(1)基材となる樹脂層
に通常の方法を用いて印刷を施し、印刷層の表面保護の
ために、アミノアルキッド樹脂、ウレタン樹脂等のコー
ト層を設けた化粧フィルム、(2)基材となる樹脂層に
印刷を施した後、透明な2軸延伸ポリエステルフィルム
を接着剤層を介して積層した化粧フィルム、(3)ポリ
塩化ビニルフィルムの上に通常の方法を用いて印刷を施
した後、透明なポリ塩化ビニルフィルムや2軸延伸ポリ
エステルフィルムを積層した化粧フィルム、などの化粧
フィルムが知られている。
【0003】しかしながら、上記(1)の化粧フィルム
を積層した化粧板は、化粧フィルムの強度が不十分であ
るため、Vカット加工などを施す場合、加工時に化粧フ
ィルムが割れたり、コーナー部のインキが剥離し易いと
いう問題があるため、Vカット加工などを施す用途には
適していない。(2)の化粧フィルムを積層した化粧板
は、耐汚染性、耐溶剤性などの表面物性には優れている
が、表面フィルムの柔軟性に乏しく、軟化温度が高いた
めエンボス加工を施す場合に、エンボスが入り難い。
(3)の化粧フィルムを積層した化粧板は、ポリ塩化ビ
ニルフィルムが用いられているため、耐汚染性、耐溶剤
性などの表面物性が劣り、また焼却して廃棄処理する際
に、塩化水素ガスのような有毒ガスおよびそれに起因す
る有害物質が発生して環境を汚染したり、焼却する際に
焼却炉を傷めたりするおそれがあるなどの問題を抱えて
いる。
【0004】さらに、化粧板の製造方法として、3次元
の曲面を有する基板に真空成形法やラッピング加工法を
用いて、化粧フィルムを積層する方法が行われている。
この方法を用いて曲面に化粧フィルムを積層するために
は、化粧フィルムは基板の曲面に沿って追従して積層加
工が可能な程度に十分に軟質であることが必要である
が、軟質に過ぎると表面の耐疵付き性に乏しくなり、両
方の特性を幅広く満足する化粧フィルムを得ることは極
めて困難な状態にある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題を
解決することを目的として、従来のポリ塩化ビニル樹脂
フィルムを用いた化粧シートと同等以上のエンボス加工
による凹凸模様を付与することが可能で、意匠性、耐汚
染性、耐溶剤性などの優れた表面物性を有し、さらに真
空成形性やラッピング加工が可能な程度に軟質で、かつ
耐疵付き性にも優れた化粧フィルム、およびその化粧フ
ィルムを積層した化粧板を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、接着樹脂層、
基材樹脂層、印刷層、表面樹脂層が下から順次積層され
てなる化粧フィルムにおいて、基材樹脂層および/また
は表面樹脂層が、常温における弾性率が1000MPa
以上であるポリエステル樹脂(以下PESと呼ぶ)から
なることを特徴とする化粧フィルム、または、基材樹脂
層、印刷層、表面樹脂層が下から順次積層されてなる化
粧フィルムにおいて、基材樹脂層および/または表面樹
脂層が、常温における弾性率が1000MPa以上であ
るPESからなることを特徴とする化粧フィルム、また
は、接着樹脂層、基材樹脂層、表面樹脂層が下から順次
積層されてなる化粧フィルムにおいて、基材樹脂層およ
び/または表面樹脂層が、常温における弾性率が100
0MPa以上であるPESからなることを特徴とする化
粧フィルム、または、基材樹脂層、表面樹脂層が下から
順次積層されてなる化粧フィルムにおいて、基材樹脂層
および/または表面樹脂層が、常温における弾性率が1
000MPa以上であるPESからなることを特徴とす
る化粧フィルムまたは、接着樹脂層、基材樹脂層が下か
ら順次積層されてなる化粧フィルムにおいて、基材樹脂
層が、常温における弾性率が1000MPa以上である
PESからなることを特徴とする化粧フィルム、また
は、常温における弾性率が1000MPa以上のPES
からなる基材樹脂層の単層からなる化粧フィルムである
ことを特徴とする化粧フィルム、に関する。本発明の化
粧フィルムにおいては、前記基材樹脂層および/または
表面樹脂層の70〜120℃における弾性率が5〜50
0MPaの範囲であるか、または前記基材樹脂層の70
〜120℃における弾性率が5〜500MPaの範囲で
あることが好ましい。
【0007】本発明はさらに、前記表面樹脂層が、エチ
レンイソフタレートを0〜15モル%含有するエチレン
テレフタレート/エチレンイソフタレート共重合体(以
下PETIと呼ぶ)、またはブチレンイソフタレートを
10〜25モル%含有するブチレンテレフタレート/ブ
チレンイソフタレート共重合体(以下PBTIと呼
ぶ)、またはポリカーボネート(以下PCと呼ぶ)とポ
リエステルエラストマー(以下PELと呼ぶ)のブレン
ド樹脂、またはポリブチレンテレフタレート(以下PB
Tと呼ぶ)とPELのブレンド樹脂、または、ポリエチ
レンテレフタレート(以下PETと呼ぶ)とPELのブ
レンド樹脂であることが好ましい。前記基材樹脂層がP
EL、またはPBT、またはPCとPELのブレンド樹
脂、または、PBTとPELのブレンド樹脂、または、
PETとPELのブレンド樹脂、または、PBTIとP
ELのブレンド樹脂、または、PETIとPELのブレ
ンド樹脂、または下層のPBTIと上層のPELの2層
樹脂、または下層のPETIと上層のPELの2層樹
脂、または下層のPETIと上層のPBTの2層樹脂で
あることが好ましい。
【0008】本発明はまたさらに、前記表面樹脂層また
は基材樹脂層にエンボス加工もしくは鏡面仕上加工が施
されるか、または選択的にその上にさらに艶調整層を設
けた化粧フィルムであり、前記印刷層が絵柄印刷層もし
くはベタ印刷層、または、ベタ印刷層の上に絵柄印刷層
が積層されてなることが好ましい。さらに、前記基材樹
脂層が着色顔料を混練したPESからなり、さらに前記
基材樹脂層がエンボス加工を施され、該エンボス加工に
より形成されたエンボス凹部にインキが充填されてなる
印刷層を有することが好ましい。本発明はまたさらに、
前記接着樹脂層が、PETI、PBTIなどのPESか
らなる化粧フィルムであることが好ましい。
【0009】さらに、本発明の化粧フィルム成形体は、
上記のいずれかの化粧フィルムを真空成形またはラッピ
ング加工により3次元曲面に成形してなることが好まし
い。
【0010】さらに本発明は、基板の少なくとも片面
に、接着剤を介して上記のいずれかの化粧フィルムを積
層した化粧板であり、前記基板が3次元曲面を有するこ
と、前記基板が金属板、木質板、無機質ボードのいずれ
かであることを特徴とする。さらに、上記のいずれかの
化粧板を用いてなるシステムキッチンの外板および扉、
室内ドア、タンスの外板および扉も発明の対象とする。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の発明者等は、従来のポリ
塩化ビニル樹脂フィルムを用いた化粧シートと同等以上
のエンボス加工による凹凸模様を付与することが可能
で、意匠性、耐汚染性、耐溶剤性などの優れた表面物性
を有し、さらに真空成形やラッピング加工が可能な程度
に軟質で、かつ耐疵付き性にも優れ、焼却時に有毒ガス
およびそれに起因する有害物質が発生して環境を汚染す
るおそれがあるポリ塩化ビニル樹脂フィルムに替わる化
粧フィルムについて鋭意検討した結果、常温における弾
性率が1000MPa以上であり、70〜120℃にお
ける弾性率が5〜500MPaであるポリエステル樹脂
層を少なくとも最表層とする、1層または2層以上の樹
脂層からなる樹脂フィルムを構成することにより、上記
の要求特性を満足する化粧フィルムが得られることを見
出した。
【0012】以下に本発明についてその内容を説明す
る。図1〜6は、それぞれ本発明の化粧フィルムの例を
示す概略断面図、図7は本発明の化粧フィルムを真空成
形により3次元曲面に成形する方法の概略図、図8は本
発明の化粧フィルムをラッピング加工により3次元曲面
に成形する方法の概略図、図9は本発明の化粧板の一例
を示す概略断面図である。図10は本発明の化粧板の真
空成形性の評価に用いる田形の型の概略斜視図である。
【0013】本発明の化粧フィルム10は、図1に示す
ように片面に接着樹脂層3を設けた基材樹脂層4の他の
片面に、ベタ印刷層5a、絵柄印刷層5bよりなる印刷
層5が設けられ、該印刷層5の上面に、図1に示すよう
に表面に選択的にエンボス加工を施した表面樹脂層6が
積層されており、ベタ印刷層5a、絵柄印刷層5bより
なる印刷層5を設けた基材樹脂層4の印刷層5と表面樹
脂層6は、接着剤層を用いずに熱接着によって積層され
る。表面樹脂層6の表面は、エンボス加工に替えて鏡面
加工を施してもよい。
【0014】また、本発明の化粧フィルム10は、図2
に示すように、基材樹脂層4の片面に印刷層5が設けら
れ、該印刷層5の上面に、図2に示すように表面に選択
的に鏡面加工を施した表面樹脂層6が積層された構成と
してもよい。印刷層5と表面樹脂層6は、接着剤層を用
いずに熱接着によって積層される。表面樹脂層6の表面
は、鏡面加工に替えてエンボス加工を施してもよい。
【0015】さらに、本発明の化粧フィルム10は、図
3に示すように片面に接着樹脂層3を設けた基材樹脂層
4の他の片面に表面樹脂層6が積層された構成としても
よい。接着樹脂層3を設けた基材樹脂層4と表面樹脂層
6は、接着剤層を用いずに熱接着によって積層される。
また、表面樹脂層6の表面にエンボス加工を施し、さら
にその上層にエンボス凹部7を消失させない程度に艶調
整層8を設けてもよい。
【0016】またさらに、本発明の化粧フィルム10
は、図4に示すように基材樹脂層4の片面に表面樹脂層
6が積層された構成としてもよい。基材樹脂層4と表面
樹脂層6は、接着剤層を用いずに熱接着によって積層さ
れる。また、基材樹脂層4の表面樹脂層6と接する片面
にエンボス加工を施してエンボス凹部7を設け、ワイピ
ング印刷法を用いてこのエンボス凹部7にインキ9を充
填して着色し、意匠性を高めてもよい。
【0017】またさらに、本発明の化粧フィルム10
は、図5に示すように片面に接着樹脂層3を設けた基材
樹脂層4の構成としてもよいし、図6に示すように片面
に選択的にエンボス加工を施した基材樹脂層4のみの単
層の構成としてもよい。基材樹脂層4は着色顔料を混練
した着色基材樹脂層4aとしてもよい。またエンボス加
工を施し、さらにその上層にエンボス凹部7を消失させ
ない程度に艶調整層8を設けてもよいし、エンボス加工
に替えて鏡面加工を施してもよい。
【0018】本発明に用いられる基材樹脂層4はPES
フィルムであることが好ましい。PESとしては、PE
LまたはPBTの他に、PC、PBT、PET、PBT
I、PETIのいずれかにPELを50%以上でかつ1
00%未満ブレンドしてなる樹脂が好ましく、また、P
BTIを下層としPELを上層とする2層樹脂、PET
Iを下層としPELを上層とする2層樹脂、PETIを
下層としPBTを上層とする2層樹脂からなり、その層
厚比が1:9〜9:1である2層樹脂フィルムを用いる
ことも好ましい。なお、これらのPBTIにおいては、
ブチレンイソフタレートのモル%が5〜20モル%であ
ることが好ましく、またPETIにおいてはエチレンイ
ソフタレートのモル%が0〜15モル%であることが好
ましく、さらに、PBTとしては1.0〜2.0の固有粘
度(IV値)を有していることが好ましいが、固有粘度
は製膜性の面から1.5以下、耐水経時性(耐水劣化
性)の面から1.2以上であることがより好ましい。ま
た、図6に示すように、基材樹脂層4は押出機を用いて
製膜する際に、着色顔料を混練して着色基材樹脂層4a
としてもよい。
【0019】表面樹脂層6としてはPESフィルムを用
いることが好ましい。PESとしては、エチレンイソフ
タレートのモル%が0〜15モル%であるPETI、ブ
チレンイソフタレートのモル%が10〜25モル%であ
るPBTIや、PC、PBT、PETのいずれかにPE
Lを50%以上でかつ100%未満ブレンドしてなる樹
脂が好ましく、PBTは1.0〜2.0の固有粘度を有す
るものが好ましい。
【0020】基材樹脂層4の片面に設ける接着樹脂層3
としては、PESフィルムを用いることが好ましく、P
ESとしてはブチレンイソフタレートまたはエチレンイ
ソフタレートのモル%が10〜25モル%であるPBT
IまたはPETIが好適に用いられる。
【0021】本発明に適用可能なPESの例としては、
以下の組成を有する共重合PESなどが好適に用いられ
る。すなわち、樹脂を形成するソフトセグメントとし
て、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリ
コールなどのポリオキシアルキレングリコール、あるい
はポリε−カプロラクトン、アゼライン酸、セバシン
酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸などのHOOC−
[CH]n−COOHの分子構造を有する脂肪族ジカ
ルボン酸と、脂肪族および/または脂環族ジオールから
なる脂肪族ポリエステルなどが好適に用いられる。
【0022】また、PESを構成するハードセグメント
としては、エチレンテレフタレート、ブチレンテレフタ
レート、シクロへキサンジメチレンテレフタレート、シ
クロへキサンジメチレンシクロへキサンジカルボキシレ
ート、ブチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレー
トなどの芳香族および/または脂環族エステルユニット
から選ばれた少なくとも一つから構成されていることが
好ましい。
【0023】さらに、アルコール成分として、1,4ブ
タンジオール残基を含有していることが耐溶剤性の点で
好ましく、共重合PESを形成する全アルコール成分に
占める1,4ブタンジオール残基が40モル%以上、6
5モル%以下であることが好ましい。
【0024】本発明においては、図7および図8に示す
ように、化粧フィルム10を真空成形やラッピング加工
により3次元曲面に成形した化粧フィルム成形体とする
ことを特徴とする。真空成形やラッピング加工は、PE
Sを主体とする化粧フィルム10の変形が容易なガラス
転移温度以上でかつ融点未満の温度、好ましくは70〜
120℃の温度範囲で行う。したがって、化粧フィルム
10の最表面の樹脂層となる表面樹脂層6および基材樹
脂層4は、常温および上記の70〜120℃の温度範囲
における3次元の成形加工時にクラックが生じない程度
に軟質で、かつ表面に疵が付かない程度に硬いことが必
要とされる。そのため、樹脂フィルムの最表層となる表
面樹脂層6および基材樹脂層4、および表面樹脂層6の
下層に設ける基材樹脂層4は、樹脂層の常温における弾
性率が1000〜3500MPa、70〜120℃の温
度範囲における弾性率が5〜500MPaであることが
好ましい。常温及び上記の温度範囲内における弾性率が
それぞれの好適範囲の上限を超える場合は、3次元の成
形加工時に化粧フィルムの表面にクラックが生じる。そ
のため、表面にクラックを生じさせずに3次元の成形加
工を行うためには、常温における弾性率は低いほど好ま
しいが、低すぎると樹脂表面にスリ疵などの疵が付きや
すくなるので1000MPa以上であることが好まし
い。また、70〜120℃における弾性率が5MPa未
満の場合は、特に曲げ部分の曲率半径の小さな部分で化
粧フィルムが局部的に伸びるために、フィルムが白味を
帯びて色調が変化するので好ましくない。なお、ここで
言う弾性率とは、動的粘弾性測定により得られる貯蔵弾
性率を意味し、本発明においては、株式会社オリエンテ
ック製の動的粘弾性装置:RHEOVIBRON DD
V−01FP を用いて、周波数:10Hz、昇温速
度:2℃/分、初期荷重:5gの条件で貯蔵弾性率を測
定した。
【0025】印刷層5は、例えば、木目、石目、天然皮
革の表面柄、布目、抽象柄などの模様を表現した絵柄印
刷層5bと、基材樹脂層4の全面を隠蔽し絵柄印刷層5
bの印刷下地色を与えると共に、基材樹脂層4と表面樹
脂層6との熱接着性を付与する、基材樹脂層4の全面に
印刷を施したベタ印刷層5aからなり、印刷層5を形成
するインキのビヒクルとしては、例えばニトロセルロー
ス、酢酸セルロースなどのセルロース誘導体、ポリエス
テルウレタン樹脂などの公知のものが使用できるが、な
かでも密着及び熱接着性の両観点からニトロセルロース
−アルキッド樹脂系インキが好ましい。また、印刷層5
は表面樹脂層6の裏面に裏印刷することにより設けても
かまわない。
【0026】次に化粧フィルム10の作成方法につい
て、図1に示した場合を例に説明する。熱融着法を用い
て、片面に接着樹脂層3を積層した基材樹脂層4のフィ
ルムの他の片面にベタ印刷層5aと柄印刷層5bを設け
る。そして基材樹脂層4の印刷層5を設けた側の面に表
面樹脂層6を重ね合わせ、基材樹脂層4と表面樹脂層6
を重ね合せたまま1対の熱ロール間に通して挟み付けて
圧着するとともに熱融着して積層し、一枚の積層フィル
ムを製造する。加熱しながら加圧することにより、表面
樹脂層6を基材樹脂層4の印刷層面5に融着して一枚の
化粧フィルム10を作成する。
【0027】また、基材樹脂層4と表面樹脂層6を積層
する際に、上記の熱ロールとしてエンボスロールを使用
することにより、積層とエンボス加工を同時に実施する
ことができ、表面樹脂護層6の表面にエンボス凹部7が
形成された図1に示す化粧フィルム10を得ることが出
来る。そして、基材樹脂層4が寸法安定性に優れるた
め、張力や熱に起因する伸縮変動を抑えることが可能と
なり、印刷柄とエンボス柄が同調した、高意匠を有する
エンボス化粧フィルムとすることができる。また熱ロー
ルとして鏡面ロールを使用することにより、積層と鏡面
加工を同時に実施することも可能である。上記の積層作
業やエンボス加工または鏡面加工などの工程は、従来の
ポリ塩化ビニル樹脂フィルムにおけるのと同じ設備で作
業することが可能である。さらに、図3に示すように、
表面樹脂層6の表面に艶調整層8を施して、意匠性をよ
り一層向上させた化粧フィルム10とすることもでき
る。
【0028】艶調整層8は、無色透明であってもまたは
着色透明であっても、さらに艶消しの透明であってもよ
く、化粧フィルム10の表面の光沢度を調整するために
設けるものであるが、表面保護層としての役割も兼ね
る。艶調整層8は適宜のビヒクルを用いた塗料を塗布す
ることにより形成することができる。ビヒクルとしては
フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹
脂、ポリウレタン系樹脂などの熱硬化性樹脂の1種また
は2種以上の混合樹脂を用いることが出来る。艶調整層
8を形成する塗料には通常適量の艶消剤を分散させて所
望の光沢度を付与しているが、艶消剤としてはマイカ、
シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、ケイソウ土、ケイ
砂、シラスバルーンなどが用いられる。上記塗料の塗布
方法としては、グラビアコート、ロールコート、エアナ
イフコートなど、公知の塗布方式を用いることができ
る。
【0029】上記のようにして作成した化粧フィルム1
0は、次のようにして3次元曲面を有する化粧フィルム
成形体とすることができる。すなわち図7の(a)に示
すように多層の積層体である化粧フィルム10と、3次
元曲面(図では凸部13)を有する成形型12を準備
し、化粧フィルム10および成形型12をPESのガラ
ス転移温度以上で融点以下の温度、好ましくは70〜1
20℃に加熱し、真空成形法を用いて化粧フィルム10
を成形型12に押し付け、凸部13形状に合致させる。
次いで常温まで冷却した後、成形型12に密着した化粧
フィルム10を成形型12から剥離することにより、
(b)に示す化粧フィルム成形体14が得られる。
【0030】また化粧フィルム10は、ラッピング加工
により3次元曲面を有する化粧フィルム成形体とするこ
とができる。すなわち図8の(c)に示すように多層の
積層体である化粧フィルム10と、3次元曲面(図では
凸部13a)の断面を有する成形型12aとこの凸部1
3aを有する3次元曲面断面形状に合わせて鼓状の凹部
断面を有するラッピングローラ12bを準備し、化粧フ
ィルム10、成形型12aおよびラッピングローラ12
bをPESのガラス転移温度以上で融点以下の温度、好
ましくは70〜120℃に加熱し、化粧フィルム10を
成形型12aの上に置き、その上からラッピングローラ
12bを当接して成形型12aに沿ってローラを移動さ
せて化粧フィルム10を成形型12aに押しつけ、成形
型12aの断面形状に成形加工する。次いで常温まで冷
却した後、成形型12aに密着した化粧フィルム10を
成形型12aから剥離することにより、(d)に示す化
粧フィルム成形体14が得られる。
【0031】また本発明の化粧板は、例えば真空成形法
を用いて次のようにして作成することができる。すなわ
ち、図9に示すように、多層の積層体である化粧フィル
ム10の基板と接する面に接着剤31を塗布し、3次元
曲面を有する基板1を準備し、化粧フィルム10をPE
Sのガラス転移温度以上で融点以下の温度、好ましくは
70〜120℃に加熱し、真空成形法を用いて化粧フィ
ルム10を基板1に押し付け、基板1の3次元曲面凸部
に合致させる。次いで常温まで冷却して化粧板11を得
ることができる。
【0032】基板1としては、例えば、木材単板、木材
合板、パーチクルボード、MDF等の木質板、鋼板、ア
ルミニウム合金板、亜鉛めっき鋼板、亜鉛−アルミニウ
ム合金めっき鋼板や亜鉛−コバルト−モリブデンめっき
鋼板などの金属板、または石膏ボード、珪酸カルシウム
ボード、石綿スレートボードなどの無機質からなるボー
ドが用いられる。
【0033】化粧フィルム10と基板1の貼合わせに用
いられる接着剤31としては、一般的な接着剤、例え
ば、酢酸ビニル樹脂系、エチレン−ビニルアセテート樹
脂系、尿素樹脂系、ウレタン樹脂系などのエマルジョン
型接着剤が、火気に対して安全で、臭気もなく、価格的
にも安価なため好ましく用いられる。
【0034】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに詳細に説明
する。 (実施例1) (試料番号1)エチレンイソフタレートを10モル%含
有するPETIと白色顔料を20重量%混練してなるP
ELを用いて共押出製膜機により作成した厚さ85μm
(構成:PETI=15μm、PEL=70μm)の2
層フィルムのPEL面に、ニトロセルロース−アルキド
系インキを用い、絵柄印刷層をグラビア輪転機によりイ
ンラインにて印刷した。一方、20重量%のPETと8
0重量%のPELをブレンドした樹脂からなる厚さ40
μmの透明のフィルムを別途作成し、常温および70〜
120℃における弾性率を測定したところ、それぞれ1
030MPaおよび7MPaであった。次いで、この透
明のフィルムと上記の印刷を施した2層フィルムの絵柄
印刷層面とを重ね、片側がエンボスロールで他の側がシ
リコンゴムロールからなる圧着ロールを用い、圧着用ロ
ールの加熱温度:200℃、樹脂フィルムの送り速度:
20m/min、圧着用ロールのニップ圧:2.45M
Paの条件で、透明フィルム面をエンボスロール側とし
て両フィルムを圧着ロールの間に通して圧着することに
より、透明ブレンド樹脂フィルムの表面にエンボス凹部
を有する化粧フィルムを作成した。
【0035】(試料番号2)エチレンイソフタレートを
10モル%含有するPETIとPBT(IV値:1.
2)を用いて共押出製膜機により厚さ85μm(構成:
PETI=15μm、PBT=70μm)の2層フィル
ムを作成し、常温および70〜120℃における弾性率
を測定したところ、それぞれ1120MPaおよび31
MPaであった。この2層フィルムのPBT面に、ニト
ロセルロース−アルキド系インキを用い、絵柄印刷層を
グラビア輪転機によりインラインにて印刷した。一方、
厚さ40μmの透明のPETフィルムを別途作成し、常
温および70〜120℃における弾性率を測定したとこ
ろ、それぞれ2080MPaおよび280MPaであっ
た。次いで、この透明のフィルムと上記の印刷を施した
フィルムの絵柄印刷層面とを重ね、実施例1と同一の条
件で、両フィルムを圧着することにより、透明フィルム
の表面にエンボス凹部を有する化粧フィルムを作成し
た。
【0036】(試料番号3)押出製膜機により、PBT
(IV値:1.2)からなる厚さ70μmのフィルムを
作成し、常温および70〜120℃における弾性率を測
定したところ、それぞれ1140MPaおよび33MP
aであった。このPBTフィルムの片面に、ニトロセル
ロース−アルキド系インキを用い、絵柄印刷層をグラビ
ア輪転機によりインラインにて印刷した。一方、エチレ
ンイソフタレートを15モル%含有するPETIからな
る厚さ40μmの透明のPETIフィルムを別途作成
し、常温および70〜120℃における弾性率を測定し
たところ、それぞれ1080MPaおよび20MPaで
あった。次いで、この透明のフィルムと上記の印刷を施
したPBTフィルムの絵柄印刷層面とを重ね、実施例1
と同一の条件で、両フィルムを圧着することにより、透
明フィルムの表面にエンボス凹部を有する化粧フィルム
を作成した。
【0037】(試料番号4)エチレンイソフタレートを
10モル%含有するPETI、PET、PBT(IV
値:1.2)を用いて共押出製膜機により、厚さ85μ
mの3層フィルム(PETI:15μm/PET:35
μm/PBT:35μm)を作成し、この3層フィルム
の常温および70〜120℃における弾性率を測定した
ところ、それぞれ1110MPaおよび28MPaであ
った。一方、ブチレンイソフタレートを10モル%含有
するPBTIからなる厚さ40μmの透明のPBTIフ
ィルムを別途作成し、常温および70〜120℃におけ
る弾性率を測定したところ、それぞれ2430MPaお
よび360MPaであった。次いで、この透明のフィル
ムと上記の3層フィルムのPBT面とを重ね、実施例1
と同一の条件で、両フィルムを圧着することにより、透
明フィルムの表面にエンボス凹部を有する化粧フィルム
を作成した。
【0038】(試料番号5)エチレンイソフタレートを
15モル%含有するPETIとPBT(IV値:1.
2)を用いて共押出製膜機により、厚さ70μmの2層
フィルム(PETI:20μm/PBT:50μm)を
作成し、この2層フィルムの常温および70〜120℃
における弾性率を測定したところ、それぞれ1130M
Paおよび32MPaであった。一方、ブチレンイソフ
タレートを25モル%含有するPBTIからなる厚さ4
0μmの透明のPBTIフィルムを別途作成し、常温お
よび70〜120℃における弾性率を測定したところ、
それぞれ1210MPaおよび100MPaであった。
次いで、この透明のフィルムと上記の2層フィルムのP
BT面とを重ね、実施例1と同一の条件で、両フィルム
を圧着することにより、透明フィルムの表面にエンボス
凹部を有する化粧フィルムを作成した。
【0039】(試料番号6)ブチレンイソフタレートを
25モル%含有するPBTIと、50重量%のPBT
(IV値:1.0)と50重量%のPELをブレンドし
た樹脂を用いて共押出製膜機により作成した厚さ90μ
m(構成:PETI=10μm、ブレンド樹脂=80μ
m)の2層フィルムのブレンド樹脂面に、ニトロセルロ
ース−アルキド系インキを用い、着色ベタ印刷層と絵柄
印刷層をグラビア輪転機によりインラインにて印刷し
た。一方、30重量%のポリカーボネートと70重量%
のPELをブレンドした樹脂からなる厚さ40μmの透
明のフィルムを別途作成し、常温および70〜120℃
における弾性率を測定したところ、それぞれ1180M
Paおよび35MPaであった。次いで、この透明のフ
ィルムと上記の印刷を施した2層フィルムの絵柄印刷層
面とを重ね、片側が鏡面ロールで他の側がシリコンゴム
ロールからなる圧着ロールを用い、透明フィルム面を鏡
面ロール側として両フィルムを圧着ロールの間に通して
圧着する以外は実施例1と同一の条件で、両フィルムを
圧着することにより、透明フィルムの表面が鏡面である
化粧フィルムを作成した。
【0040】(試料番号7)エチレンイソフタレートを
15モル%含有するPETIと、30重量%のポリカー
ボネートと70重量%のPELをブレンドした樹脂を用
いて共押出製膜機により作成した厚さ85μm(構成:
PBTI=15μm、ブレンド樹脂=70μm)の2層
フィルムのブレンド樹脂面に、ニトロセルロース−アル
キド系インキを用い、着色ベタ印刷層をグラビア輪転機
によりインラインにて印刷した。一方、50重量%のP
BT(IV値:1.0)と50重量%のPELをブレン
ドした樹脂からなる厚さ60μmの透明のフィルムを別
途作成し、常温および70〜120℃における弾性率を
測定したところ、それぞれ3080MPaおよび480
MPaであった。次いで、この透明のフィルムと上記の
印刷を施した2層フィルムの着色ベタ印刷層面とを重
ね、片側がエンボスロールで他の側がシリコンゴムロー
ルからなる圧着ロールを用い、透明フィルム面をエンボ
スロール側として両フィルムを圧着ロールの間に通して
圧着する以外は実施例1と同一の条件で、両フィルムを
圧着することにより、透明ブレンド樹脂フィルムの表面
にエンボス凹部を有する多層フィルムを作成した。さら
に、この多層フィルムのエンボス加工面に、2液硬化型
ポリウレタン樹脂からなる艶調整用塗料を版深30μm
のグラビアロールにてコートし、意匠性に優れた化粧フ
ィルムを作成した。
【0041】(試料番号8)エチレンイソフタレートを
15モル%含有するPETIと、80重量%のPBT
(IV値:1.4)と20重量%のPELをブレンドし
た樹脂を用いて共押出製膜機により作成した厚さ80μ
m(構成:PBTI=10μm、ブレンド樹脂=70μ
m)の2層フィルムを作成した。一方、50重量%のP
ETと50重量%のPELをブレンドした樹脂からなる
厚さ60μmの透明のフィルムを別途作成し、常温およ
び70〜120℃における弾性率を測定したところ、そ
れぞれ2890MPaおよび430MPaであった。次
いで、この透明のフィルムと上記の2層フィルムのブレ
ンド樹脂面とを重ね、片側がエンボスロールで他の側が
シリコンゴムロールからなる圧着ロールを用い、透明フ
ィルム面をエンボスロール側として両フィルムを圧着ロ
ールの間に通して圧着する以外は実施例1と同一の条件
で、両フィルムを圧着することにより、透明ブレンド樹
脂フィルムの表面にエンボス凹部を有する多層フィルム
を作成した。
【0042】(試料番号9)ブチレンイソフタレートを
20モル%含有するPBTIと、50重量%のPETと
50重量%のPELをブレンドした樹脂を用いて共押出
製膜機により作成した厚さ95μm(構成:PETI=
15μm、ブレンド樹脂=80μm)の2層フィルムを
作成した。一方、80重量%のPBT(IV値:1.
4)と20重量%のPELをブレンドした樹脂からなる
厚さ60μmの透明のフィルムを別途作成し、常温およ
び70〜120℃における弾性率を測定したところ、そ
れぞれ3970MPaおよび610MPaであった。次
いで、この透明のフィルムと上記の印刷を施した2層フ
ィルムとを重ね、片側が鏡面ロールで他の側がシリコン
ゴムロールからなる圧着ロールを用い、透明フィルム面
を鏡面側として両フィルムを圧着ロールの間に通して圧
着する以外は実施例1と同一の条件で、両フィルムを圧
着することにより、透明フィルムの表面が鏡面である化
粧フィルムを作成した。
【0043】(試料番号10)ブチレンイソフタレート
を20モル%含有するPBTIと、エチレンイソフタレ
ートを12モル%含有するPETIを50重量%、PE
Lを50重量%ブレンドしてなる樹脂を用いて共押出製
膜機により作成した厚さ95μm(構成:PBTI=1
5μm、ブレンド樹脂=80μm)の2層フィルムを作
成した。一方、20重量%のPETと80重量%のPE
Lをブレンドした樹脂からなる厚さ60μmの透明のフ
ィルムを別途作成し、常温および70〜120℃におけ
る弾性率を測定したところ、それぞれ920MPaおよ
び3MPaであった。次いで、この透明のフィルムと上
記の2層フィルムのブレンド樹脂面とを重ね、片側が鏡
面ロールで他の側がシリコンゴムロールからなる圧着ロ
ールを用い、透明フィルム面を鏡面側として両フィルム
を圧着ロールの間に通して圧着する以外は実施例1と同
一の条件で、両フィルムを圧着することにより、透明フ
ィルムの表面が鏡面である化粧フィルムを作成した。
【0044】(試料番号11)ブチレンイソフタレート
を20モル%含有するPBTIと、ブチレンイソフタレ
ートを12モル%含有するPBTIを50重量%、PE
Lを50重量%ブレンドしてなる樹脂を用いて共押出製
膜機により作成した厚さ95μm(構成:PBTI=1
5μm、ブレンド樹脂=80μm)の2層フィルムを作
成した。一方、40重量%のPBT(IV値:1.4)
と60重量%のPELをブレンドした樹脂からなる厚さ
60μmの透明のフィルムを別途作成し、常温および7
0〜120℃における弾性率を測定したところ、それぞ
れ2310MPaおよび330MPaであった。次い
で、この透明のフィルムと上記の2層フィルムのブレン
ド樹脂面とを重ね、片側が鏡面ロールで他の側がシリコ
ンゴムロールからなる圧着ロールを用い、透明フィルム
面を鏡面側として両フィルムを圧着ロールの間に通して
圧着する以外は実施例1と同一の条件で、両フィルムを
圧着することにより、透明フィルムの表面が鏡面である
化粧フィルムを作成した。
【0045】(試料番号12)ブチレンイソフタレート
を20モル%含有するPBTIを40重量%、PELを
60重量%ブレンドしてなる樹脂を用いて押出製膜機に
より作成した厚さ80μmのフィルムの片面に、ニトロ
セルロース−アルキド系インキを用い、着色ベタ印刷層
と絵柄印刷層をグラビア輪転機によりインラインにて印
刷した。一方、40重量%のPBT(IV値:2.0)
と60重量%のPELをブレンドした樹脂からなる厚さ
60μmの透明のフィルムを別途作成し、常温および7
0〜120℃における弾性率を測定したところ、それぞ
れ2320MPaおよび340MPaであった。次い
で、この透明のフィルムと上記の印刷を施したフィルム
の絵柄印刷層面とを重ね、片側がエンボスロールで他の
側がシリコンゴムロールからなる圧着ロールを用い、透
明フィルム面をエンボスロール側として両フィルムを圧
着ロールの間に通して圧着する以外は実施例1と同一の
条件で、両フィルムを圧着することにより、透明ブレン
ド樹脂フィルムの表面にエンボス凹部を有する化粧フィ
ルムを作成した。
【0046】(試料番号13)ブチレンイソフタレート
を20モル%含有するPBTIと、PELを用いて共押
出製膜機により作成した厚さ100μmの2層フィルム
(PBTI:10μm/PEL90μm)のPEL面
に、ニトロセルロース−アルキド系インキを用い、着色
ベタ印刷層と絵柄印刷層をグラビア輪転機によりインラ
インにて印刷した。一方、10重量%のPETと90重
量%のPELをブレンドした樹脂からなる厚さ80μm
の透明のフィルムを別途作成し、常温および70〜12
0℃における弾性率を測定したところ、それぞれ106
0MPaおよび17MPaであった。次いで、この透明
のフィルムと上記の印刷を施したフィルムの絵柄印刷層
面とを重ね、片側がエンボスロールで他の側がシリコン
ゴムロールからなる圧着ロールを用い、透明フィルム面
をエンボスロール側として両フィルムを圧着ロールの間
に通して圧着する以外は実施例1と同一の条件で、両フ
ィルムを圧着することにより、透明ブレンド樹脂フィル
ムの表面にエンボス凹部を有する化粧フィルムを作成し
た。
【0047】(試料番号14)エチレンイソフタレート
を20モル%含有するPETIと、PELを用いて共押
出製膜機により作成した厚さ90μmの2層フィルム
(PETI:30μm/PEL60μm)のPEL面
に、ニトロセルロース−アルキド系インキを用い、着色
ベタ印刷層と絵柄印刷層をグラビア輪転機によりインラ
インにて印刷した。一方、30重量%のPETと70重
量%のPELをブレンドした樹脂からなる厚さ80μm
の透明のフィルムを別途作成し、常温および70〜12
0℃における弾性率を測定したところ、それぞれ122
0MPaおよび110MPaであった。次いで、この透
明のフィルムと上記の印刷を施したフィルムの絵柄印刷
層面とを重ね、片側がエンボスロールで他の側がシリコ
ンゴムロールからなる圧着ロールを用い、透明フィルム
面をエンボスロール側として両フィルムを圧着ロールの
間に通して圧着する以外は実施例1と同一の条件で、両
フィルムを圧着することにより、透明ブレンド樹脂フィ
ルムの表面にエンボス凹部を有する化粧フィルムを作成
した。
【0048】(試料番号15)ブチレンイソフタレート
を20モル%含有するPBTIと、PELを用いて共押
出製膜機により作成した厚さ100μmの2層フィルム
(PBTI:50μm/PEL50μm)のPEL面
に、ニトロセルロース−アルキド系インキを用い、着色
ベタ印刷層と絵柄印刷層をグラビア輪転機によりインラ
インにて印刷した。一方、50重量%のPETと50重
量%のPELをブレンドした樹脂からなる厚さ80μm
の透明のフィルムを別途作成し、常温および70〜12
0℃における弾性率を測定したところ、それぞれ183
0MPaおよび250MPaであった。次いで、この透
明のフィルムと上記の印刷を施したフィルムの絵柄印刷
層面とを重ね、片側が鏡面ロールで他の側がシリコンゴ
ムロールからなる圧着ロールを用い、透明フィルム面を
鏡面側として両フィルムを圧着ロールの間に通して圧着
する以外は実施例1と同一の条件で、両フィルムを圧着
することにより、透明フィルムの表面が鏡面である化粧
フィルムを作成した。
【0049】(試料番号16)エチレンイソフタレート
を20モル%含有するPETIと、PELを用いて共押
出製膜機により作成した厚さ100μmの2層フィルム
(PETI:90μm/PEL10μm)のPEL面
に、ニトロセルロース−アルキド系インキを用い、着色
ベタ印刷層と絵柄印刷層をグラビア輪転機によりインラ
インにて印刷した。一方、50重量%のPBT(IV
値:1.4)と50重量%のPELをブレンドした樹脂
からなる厚さ80μmの透明のフィルムを別途作成し、
常温および70〜120℃における弾性率を測定したと
ころ、それぞれ2870MPaおよび410MPaであ
った。次いで、この透明のフィルムと上記の印刷を施し
たフィルムの絵柄印刷層面とを重ね、片側が鏡面ロール
で他の側がシリコンゴムロールからなる圧着ロールを用
い、透明フィルム面を鏡面側として両フィルムを圧着ロ
ールの間に通して圧着する以外は実施例1と同一の条件
で、両フィルムを圧着することにより、透明フィルムの
表面が鏡面である化粧フィルムを作成した。
【0050】(試料番号17)白色顔料を20重量%混
練してなるPELを用いて押出製膜機により作成した厚
さ80μmのフィルムを、片側がエンボスロールで他の
側がシリコンゴムロールからなるエンボス加工ロールを
用いて、加工ロールの加熱温度:170℃、フィルムの
送り速度:20m/min、加工用ロールのニップ圧:
1.96MPaの条件で、加工ロールの間に通すことに
より、片面にエンボス模様を有する白色フィルムを作成
した。次いで、この白色フィルムのエンボス加工面に2
液硬化型ウレタン系着色インキをロールコート法により
塗工した後、ドクターブレードでエンボス凹部以外の部
分に付着している着色インキをワイピイングして除去し
た後、エンボス凹部内部に充填されたインキを固化し
た。一方、40重量%のPBT(IV値:1.4)と6
0重量%のPELをブレンドした樹脂からなる厚さ80
μmの透明のフィルムを別途作成し、常温および70〜
120℃における弾性率を測定したところ、それぞれ3
120MPaおよび490MPaであった。次いで、こ
の透明のフィルムと上記の印刷を施したフィルムの絵柄
印刷層面とを重ね、片側が鏡面ロールで他の側がシリコ
ンゴムロールからなる圧着ロールを用い、透明フィルム
面を鏡面側として両フィルムを圧着ロールの間に通して
圧着する以外は実施例1と同一の条件で、両フィルムを
圧着することにより、透明フィルムの表面が鏡面である
化粧フィルムを作成した。
【0051】(試料番号18)ブチレンイソフタレート
を20モル%含有するPBTIの厚さ15μmのフィル
ムを押出製膜機により作成した。一方、ブチレンイソフ
タレートを5モル%含有するPBTIを20重量%、P
ELを80重量%ブレンドしてなる樹脂を用いて押出製
膜機により厚さ70μmの透明フィルムを作成し、常温
および70〜120℃における弾性率を測定したとこ
ろ、それぞれ1040MPaおよび8MPaであった。
次いで、このブレンド樹脂フィルムと上記の共重合ポリ
エステル樹脂フィルムとを重ね、片側がエンボスロール
で他の側がシリコンゴムロールからなる圧着ロールを用
い、ブレンド樹脂フィルム面をエンボスロール側として
両フィルムを圧着ロールの間に通して圧着する以外は実
施例1と同一の条件で、両フィルムを圧着することによ
り、ブレンド樹脂フィルムの表面にエンボス凹部を有す
る化粧フィルムを作成した。
【0052】(試料番号19)エチレンイソフタレート
を20モル%含有するPETIの厚さ15μmのフィル
ムを押出製膜機により作成した。一方、エチレンイソフ
タレートを5モル%含有するPETIを20重量%、P
ELを80重量%ブレンドしてなる樹脂を用いて押出製
膜機により厚さ70μmの透明フィルムを作成し、常温
および70〜120℃における弾性率を測定したとこ
ろ、それぞれ1020MPaおよび6MPaであった。
次いで、このブレンド樹脂フィルムと上記の共重合ポリ
エステル樹脂フィルムとを重ね、片側が鏡面ロールで他
の側がシリコンゴムロールからなる圧着ロールを用い、
ブレンド樹脂フィルム面を鏡面側として両フィルムを圧
着ロールの間に通して圧着する以外は実施例1と同一の
条件で、両フィルムを圧着することにより、ブレンド樹
脂フィルムの表面が鏡面である化粧フィルムを作成し
た。
【0053】(試料番号20)ブチレンイソフタレート
を20モル%含有するPBTIを30重量%、PELを
70重量%ブレンドしてなる樹脂を用いて押出製膜機に
より厚さ100μmの透明フィルムを作成し、常温およ
び70〜120℃における弾性率を測定したところ、そ
れぞれ1130MPaおよび29MPaであった。次い
で、片側がエンボスロールで他の側がシリコンゴムロー
ルからなるエンボス加工ロールを用いて、加工ロールの
加熱温度:200℃、フィルムの送り速度:20m/m
in、加工用ロールのニップ圧:2.45MPaの条件
で、加工ロールの間に通すことにより、片面にエンボス
模様を有する単層フィルムを作成した。さらに、この単
層フィルムのエンボス加工面に、2液硬化型ポリウレタ
ン樹脂からなる艶調整用塗料を版深30μmのグラビア
ロールにてコートし、意匠性に優れた化粧フィルムを作
成した。
【0054】(樹脂フィルムの特性評価)上記のように
して作成した試料番号1〜20で作成した化粧フィルム
を、下記の特性について評価した。 (耐汚染性)試料番号1〜20の化粧フィルムの最表面
(エンボス加工を施した試料においては、エンボス加工
部以外の部分)に、黒色の油性マジックインキで描画し
24時間放置した後、エタノールを含浸させた布で清拭
し、樹脂フィルム面に残存するマジックインキの程度を
肉眼観察し、下記の基準で評価した。 ◎:マジックインキは全く認められない。 ○:実用上問題ない程度の極くわずかなマジックインキ
の残存が認められる。 △:実用上問題となる程度のわずかなマジックインキの
残存が認められる。 ×:かなりの程度にマジックインキの残存が認められ
る。 上記の評点において、◎および○は使用上の問題はな
い。なお、この試験は10枚の試験片について実施し
た。
【0055】(耐溶剤性)試料番号1〜20の化粧フィ
ルム面に、メチルエチルケトンを含浸させたスポンジを
載せ、24時間放置した後、フィルム表面の変色および
膨れの発生の程度を肉眼観察し、下記の基準で評価し
た。 ◎:変色および膨れの発生は全く認められない。 ○:実用上問題ない程度の極くわずかな変色または膨れ
の発生が認められる。 △:実用上問題となる程度のわずかな変色または膨れの
発生が認められる。 ×:かなりの程度に変色および膨れが認められる。 上記の評点において、◎および○は使用上の問題はな
い。なお、この試験は10枚の試験片について実施し
た。
【0056】(真空成形性)試料番号1〜20の化粧フ
ィルムを、Formech International
Co. Ltd.製の真空成形機 Formech 450
を用いて、12秒で100℃まで昇温させる条件にて、
縦:15cm×横:15cm×高さ:3cm、凸部の
幅:1cm、凹部の深さ:2cm、凸部の角部の曲率半
径:3mmの図10に示す田形の型により真空成形加工
し、真空成形フィルムを肉眼観察し、下記の基準で評価
した。 ◎:フィルムのしわは全く認められない。 ○:コーナー部に実用上問題ない程度の極くわずかなフ
ィルムのしわが認められる。 △:コーナー部に実用上問題となる程度のフィルムのし
わが認められる。 ×:全体的にかなりの程度のフィルムのしわが認められ
る。 上記の評点において、◎および○は使用上の問題はな
い。
【0057】(耐疵付き性)試料番号1〜20の化粧フ
ィルムを平らな定盤の上に置き、その上にコピー用紙
(70g/m)を載せ、その上から3.92Nの荷重
を載荷した状態で2000回のラビングを実施し、フィ
ルム表面に発生した疵の程度を肉眼観察し、下記の基準
で評価した。 ◎:疵の発生は全く認められない。 ○:実用上問題ない程度の極くわずかな疵の発生が認め
られる。 △:実用上問題となる程度のわずかな疵の発生が認めら
れる。 ×:かなりの程度の疵が認められる。 上記の評点において、◎および○は使用上の問題はな
い。なお、この試験は10枚の試験片について実施し
た。なお、表1と2において、高温での弾性率は70〜
120℃で測定した結果を表す。これらの樹脂フィルム
の特性評価を表3に示す。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
【表3】
【0061】表3に示すように、本発明の化粧フィルム
は、耐汚染性、耐溶剤性、真空成形性、耐疵付き性のい
ずれにおいても優れた特性を示す。
【0062】(実施例2)厚さ0.5mm の電気亜鉛め
っき鋼板(めっき量:20g/m、めっき後の化成処
理としてクロメート処理を行い、Crとして40mg/
付着させた)にプレス加工法により、幅:8mm、
深さ:10mmの溝を、縦横それぞれ7cmの間隔で正
方格子状に設けた。なお、溝の角部は曲率半径:6mm
の丸みを設けた。この溝を設けた電気亜鉛めっき鋼板に
ポリエステル系接着剤を5g/mの塗布量で塗布し、
前記の真空成形性の評価に用いたのと同一の真空成形機
を用い、真空成形性の評価と同一の条件で試料番号1の
化粧フィルムを電気亜鉛めっき鋼板に加熱圧着したが、
フィルムの皺の発生や、角部のフィルム部分における白
化は認められなかった。
【0063】(実施例3)厚さ15mmの木材合板に、
1辺の長さ:12mm、高さ:7mmのピラミッド状の
凸部を縦横連続的に並ぶように彫刻した。この彫刻を施
した木材合板にポリウレタン系接着剤を50g/m
塗布量で塗布し、前記の真空成形性の評価に用いたのと
同一の真空成形機を用い、真空成形性の評価と同一の条
件で試料番号1の化粧フィルムを木材合板に加熱圧着し
たが、フィルムの皺の発生や、ピラミッド状凸部の頂点
におけるフィルム部分の白化は認められなかった。
【0064】(実施例4)最大高さ:8mmで風景像を
レリーフした厚さ18mmの石膏ボードに、ポリウレタ
ン系接着剤を80g/mの塗布量で塗布し、前記の真
空成形性の評価に用いたのと同一の真空成形機を用い、
真空成形性の評価と同一の条件で試料番号1の化粧フィ
ルムを石膏ボードに加熱圧着したが、フィルムの皺の発
生や、レリーフの角部におけるフィルム部分の白化は認
められなかった。
【0065】
【発明の効果】本発明においては、単層または多層の樹
脂層からなる化粧フィルムの最表面層となる表面樹脂層
や基材樹脂層、および表面樹脂層の下層として設ける場
合の基材樹脂層を、常温における弾性率が1000MP
a以上であり、70〜120℃における弾性率が5〜5
00MPaである樹脂で構成したことを特徴としてお
り、軟質でかつ耐疵付き性にも優れているため、従来の
ポリ塩化ビニル樹脂フィルムを用いた化粧シートと同等
以上のエンボス加工による凹凸模様を付与することが可
能である。また、真空成形法やラッピング加工法を用い
て三次元曲面の化粧フィルムに成形することが可能であ
り、さらに三次元曲面を有する基板に密着して積層する
ことも可能である。またさらに意匠性、耐汚染性、耐溶
剤性などの優れた表面物性も有しているため、システム
キッチンの外板および扉、室内ドア、タンスの外板およ
び扉に適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化粧フィルムの一例を示す概略断面図
である。
【図2】本発明の化粧フィルムの他の一例を示す概略断
面図である。
【図3】本発明の化粧フィルムの他の一例を示す概略断
面図である。
【図4】本発明の化粧フィルムの他の一例を示す概略断
面図である。
【図5】本発明の化粧フィルムの他の一例を示す概略断
面図である。
【図6】本発明の化粧フィルムの他の一例を示す概略断
面図である。
【図7】本発明の化粧フィルムを3次元曲面に成形する
方法の概略図である。
【図8】本発明の化粧フィルムを3次元曲面に成形する
他の方法の概略図である。
【図9】本発明の化粧板の一例を示す概略断面図であ
る。
【図10】本発明の化粧板の真空成形性の評価に用いる
田形の型の概略斜視図である。
【符号の説明】
1 : 基板 3 : 接着樹脂層 4 : 基材樹脂層 4a: 着色基材樹脂層 5 : 印刷層 5a: べタ印刷層 5b: 絵柄印刷層 6 : 表面樹脂層 7 : エンボス凹部 8 : 艶調整層 9 : インキ 10 : 化粧フィルム 11 : 化粧板 12 : 真空成形用の型 12a: ラッピング加工用の型 12b: ラッピングロール 13 : 凸部 14 : 化粧フィルム成形体 31 : 接着剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) E04F 13/08 E04F 13/08 A Fターム(参考) 2E110 AA26 AA57 AB04 AB23 BA02 BA12 BB02 BB23 GA32W GA33X GB42W 4F071 AA46 AA47 AA50 AE09 AH03 BB06 BC01 4F100 AK01A AK01B AK01D AK41A AK41B AK41D AK42B AK42D AK45B AK45D AL01A AL01B AL01D AL05B AL05D AR00E BA01 BA02 BA03 BA04 BA05 BA07 BA10A BA10B BA10D CA13B DD01D DD20B GB08 GB81 HB31C JB07 JK07B JK07D JK13 JK14 JK15B JL06 JL11A JN21E YY00B YY00D 4J002 CF06W CF07W CF10X CG00W FD096 GF00 GL01

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 接着樹脂層、基材樹脂層、印刷層、表面
    樹脂層が下から順次積層されてなる化粧フィルムにおい
    て、基材樹脂層および/または表面樹脂層が、常温にお
    ける弾性率が1000MPa以上であるポリエステル樹
    脂からなることを特徴とする化粧フィルム。
  2. 【請求項2】 基材樹脂層、印刷層、表面樹脂層が下か
    ら順次積層されてなる化粧フィルムにおいて、基材樹脂
    層および/または表面樹脂層が、常温における弾性率が
    1000MPa以上であるポリエステル樹脂からなるこ
    とを特徴とする化粧フィルム。
  3. 【請求項3】 接着樹脂層、基材樹脂層、表面樹脂層が
    下から順次積層されてなる化粧フィルムにおいて、基材
    樹脂層および/または表面樹脂層が、常温における弾性
    率が1000MPa以上であるポリエステル樹脂からな
    ることを特徴とする化粧フィルム。
  4. 【請求項4】 基材樹脂層、表面樹脂層が下から順次積
    層されてなる化粧フィルムにおいて、基材樹脂層および
    /または表面樹脂層が、常温における弾性率が1000
    MPa以上であるポリエステル樹脂からなることを特徴
    とする化粧フィルム。
  5. 【請求項5】 接着樹脂層、基材樹脂層が下から順次積
    層されてなる化粧フィルムにおいて、基材樹脂層が、常
    温における弾性率が1000MPa以上であるポリエス
    テル樹脂からなることを特徴とする化粧フィルム。
  6. 【請求項6】 常温における弾性率が1000MPa以
    上のポリエステル樹脂からなる基材樹脂層の単層からな
    る化粧フィルム。
  7. 【請求項7】 前記基材樹脂層および/または表面樹脂
    層の70〜120℃における弾性率が5〜500MPa
    の範囲であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれ
    かに記載の化粧フィルム。
  8. 【請求項8】 前記基材樹脂層の70〜120℃におけ
    る弾性率が5〜500MPaの範囲であることを特徴と
    する、請求項5または6の化粧フィルム。
  9. 【請求項9】 前記表面樹脂層が、エチレンイソフタレ
    ートを0〜15モル%含有するエチレンテレフタレート
    /エチレンイソフタレート共重合体、ブチレンイソフタ
    レートを10〜25モル%含有するブチレンテレフタレ
    ート/ブチレンイソフタレート共重合体、ポリカーボネ
    ートとポリエステルエラストマーのブレンド樹脂、ポリ
    ブチレンテレフタレートとポリエステルエラストマーの
    ブレンド樹脂、あるいはポリエチレンテレフタレートと
    ポリエステルエラストマーのブレンド樹脂である、請求
    項1〜4、7のいずれかに記載の化粧フィルム。
  10. 【請求項10】 前記基材樹脂層がポリエステルエラス
    トマー、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネー
    トとポリエステルエラストマーのブレンド樹脂、ポリブ
    チレンテレフタレートとポリエステルエラストマーのブ
    レンド樹脂、ポリエチレンテレフタレートとポリエステ
    ルエラストマーのブレンド樹脂、ブチレンテレフタレー
    ト/ブチレンイソフタレート共重合体とポリエステルエ
    ラストマーのブレンド樹脂、エチレンテレフタレート/
    エチレンイソフタレート共重合体とポリエステルエラス
    トマーのブレンド樹脂、下層のブチレンテレフタレート
    /ブチレンイソフタレート共重合体と上層のポリエステ
    ルエラストマーの2層樹脂、下層のエチレンテレフタレ
    ート/エチレンイソフタレート共重合体と上層のポリエ
    ステルエラストマーの2層樹脂、あるいは下層のエチレ
    ンテレフタレート/エチレンイソフタレート共重合体と
    上層のポリブチレンテレフタレートの2層樹脂である、
    請求項1〜9のいずれかに記載の化粧フィルム。
  11. 【請求項11】 前記表面樹脂層にエンボス加工もしく
    は鏡面仕上加工が施された、請求項1〜4のいずれかに
    記載の化粧フィルム。
  12. 【請求項12】 前記表面樹脂層の上にさらに艶調整層
    を設けた、請求項1〜4、11のいずれかに記載の化粧
    フィルム。
  13. 【請求項13】 前記印刷層が絵柄印刷層もしくはベタ
    印刷層からなる、請求項1または2に記載の化粧フィル
    ム。
  14. 【請求項14】 前記印刷層がベタ印刷層の上に絵柄印
    刷層が積層されてなる、請求項1または2に記載の化粧
    フィルム。
  15. 【請求項15】 前記基材樹脂層が着色顔料を混練した
    ポリエステル樹脂からなる、請求項1〜6のいずれかに
    記載の化粧フィルム。
  16. 【請求項16】 前記基材樹脂層がエンボス加工を施さ
    れ、該エンボス加工により形成されたエンボス凹部にイ
    ンキが充填されてなる印刷層を有する、請求項1〜4の
    いずれかに記載の化粧フィルム。
  17. 【請求項17】 前記基材樹脂層がエンボス加工または
    鏡面仕上加工が施された、請求項6または8に記載の化
    粧フィルム。
  18. 【請求項18】 前記基材樹脂層の上にさらに艶調整層
    を設けた、請求項6、8、または17のいずれかに記載
    の化粧フィルム。
  19. 【請求項19】 前記接着樹脂層がポリエステル樹脂か
    らなる、請求項1、3、または5のいずれかに記載の化
    粧フィルム。
  20. 【請求項20】 前記ポリエステル樹脂がエチレンテレ
    フタレート/エチレンイソフタレート共重合体あるいは
    ブチレンテレフタレート/ブチレンイソフタレート共重
    合体である、請求項19に記載の化粧フィルム。
  21. 【請求項21】 請求項1〜20のいずれかに記載の化
    粧フィルムを真空成形あるいはラッピング加工により3
    次元曲面に成形してなる化粧フィルム成形体。
  22. 【請求項22】 基板の少なくとも片面に、接着剤を介
    して請求項1〜20のいずれかに記載の化粧フィルムを
    積層した化粧板。
  23. 【請求項23】 前記基板が3次元曲面を有することを
    特徴とする、請求項22に記載の化粧板。
  24. 【請求項24】 前記基板が金属板、木質板、あるいは
    無機質ボードである、請求項23に記載の化粧板。
  25. 【請求項25】 請求項22〜24のいずれかに記載の
    化粧板を用いてなるシステムキッチンの外板および扉。
  26. 【請求項26】 請求項22〜24のいずれかに記載の
    化粧板を用いてなる室内ドア。
  27. 【請求項27】 請求項22〜24のいずれかに記載の
    化粧板を用いてなるタンスの外板および扉。
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