JP3152547U - ミシンの自動糸切り装置 - Google Patents

Abstract

【課題】構造が簡単で堅固で、糸切りの安定性を高めることができ、コンパクトな駆動器を採用可能なミシンの自動糸切り装置を提供する。
【解決手段】ミシンの自動糸切り装置は、回転シャトル台１中の伝動軸２上に、それと同期回転するカムユニット４を設置し、可動メス３はピボット３１により回転シャトル台１上に可動設置され、ピボット３１下方にはスイングアーム３２を備える。駆動器５はスイングアーム３２上に直接設置し、駆動器５の芯軸５０はカムユニット４へと径方向に可動伸縮し、駆動器５の芯軸５０先端とカムユニット４は接触し、カムユニット４の曲面変化を利用し芯軸５０を押し、伝動軸２の軸方向において移動、偏向させる。これによりスイングアーム３２とピボット３１は回転し、同時に可動メス３を連動し回転させ、糸掛け、糸切り動作を行なわせる。
【選択図】図３

Description

本考案はミシンの自動糸切り装置に関し、特に水平回転シャトルロックステッチミシンの自動糸切り装置に関する。

従来のロックステッチミシンは、特許文献１に示すように、糸切りメス駆動器を備え、位置保証装置を係合位置から釈放位置まで駆動し、こうして糸切りメスは釈放位置において回転することができ、これにより、糸切りメスは初期位置から糸調子位置へと移動する。位置保証装置内には、偏向回転機構を設置する。偏向回転機構は、可動スイング棒を備え、可動スイング棒は、閉鎖棒を接続する。閉鎖棒と糸切りメス駆動器の持ち上げ柱スタッフは、スライド連接し、閉鎖棒と可動スイング棒は、位置保証装置の係合位置において、偏向圧力バネの圧力を受ける。糸切りメスは糸調子位置まで回転すると、糸切りメス駆動器を動かし、持ち上げ柱スタッフは移動し、閉鎖棒と可動スイング棒を押し、釈放位置まで偏向回転させる。

しかし上記した従来の構造においては、糸切りメス駆動器が、可動スイング棒と閉鎖棒により組成する偏向回転機構を駆動し偏向回転させ、しかも偏向圧力バネを推し、その弾力を釈放するため、より大きな推進力が必要である。よって、この糸切り装置は、複雑で不安定である。しかも、より大きな推進力を必要とする糸切りメス駆動器は体積が大きくならざるを得ず、全体的な体積を縮小することができず、さらに糸切りメス駆動器は出力時に衝突音を発生する。
さらに、偏向回転機構などの連棒機構により、糸切りメスの回転を連動するため、その作動を司る電磁石は、偏向圧力バネの阻害力を克服しなければならず、さもなくば、糸切りメスが初期位置から極限位置まで回転した後に、戻って来るよう確保することはできない。糸切りメスが初期位置から極限位置まで回転した後に、戻って来るよう確保できなければ、下糸と上糸は、糸切りメスの糸調子槽中にスムーズに入れず、こうして糸切りメスは初期位置に戻った時に糸を切ることになるため、糸切り効率が悪い。

中華人民共和国特許第200710104458.1号明細書

本考案の主要な目的は、駆動器を可動メスのピボットのスイングアーム上に直接設置するため、駆動器の芯軸を利用し、カムユニットと直接接触させ、カムユニットの曲面変化により、芯軸を押して動かし、同時にスイングアーム、ピボット、可動メスの回転を駆動するため、従来の技術が採用する偏向回転連棒機構と偏向圧力バネを省くことができ、これにより装置全体を簡単にし、構造を堅固にし、糸切りの安定性を高めることができるミシンの自動糸切り装置を提供することである。

本考案の次の目的は、カムユニットの復位カムは、糸切りサイクル終了時に、駆動器の芯軸を押して復位させることができるため、従来の技術が採用する駆動器を復位させる偏向圧力バネを省くことができ、よって駆動器の芯軸が伸び出る時にも何らの抵抗を受けることがなく、そのため推進力が小さく、体積も小さい駆動器を用いて伝動可能で、これにより駆動器は明確な衝突音の発生を回避することができるミシンの自動糸切り装置を提供することである。

本考案のもう一つの目的は、カムユニットの位置制限カムは、糸切りサイクルの初期において、駆動器の芯軸先端位置を制限することで、可動メスを連動し、初期位置から糸掛かり位置まで回転させるため、可動メスは確実に極限位置まで回転した後に戻り、糸掛かり動作を確実にし、糸切り効率を向上させることができるミシンの自動糸切り装置を提供することである。

上述の目的を達成するため、本考案は下記のミシンの自動糸切り装置を提供する。
ミシンの自動糸切り装置は、回転シャトル台、伝動軸、カムユニット、可動メスを備え、
該回転シャトル台上には、固定メスを固定し、
該伝動軸は、該回転シャトル台中に設置し、
該カムユニットは、該伝動軸上に設置し、該伝動軸と同期回転し、該カムユニットは、軸方向カム、位置制限カム、復位カムを備え、該軸方向カムと該位置制限カムの隣接する面には、偏向回転曲面をそれぞれ形成し、しかも該２個の偏向回転曲面の間には、導引槽を形成し、該軸方向カムは、該偏向回転曲面に隣接する回転曲面を備え、該復位カムは、径方向に復位曲面を形成し、
該可動メスは、ピボットを経て、該回転シャトル台上に可動設置し、該ピボット下方には、スイングアームを備え、該スイングアーム上には、駆動器を設置し、該駆動器は、該カムユニットへと径方向に可動伸縮する芯軸を備え、
該可動メスが、該固定メスと相互に接続する初期位置から、糸掛かり位置まで回転すると、該駆動器は、該芯軸を、該カムユニット方向へと伸び出させ、該芯軸は該導引槽に進入し、該導引槽は、該芯軸を押し、該伝動軸の軸方向に沿って移動させ偏向させ、これにより該スイングアーム及び該ピボットは回転し、該可動メスを駆動し、初期位置から、糸掛かり位置まで回転させ、
続いて、該軸方向カムの回転曲面は、該芯軸先端を、初期位置まで押し戻すため、該スイングアーム及び該ピボットは反対方向へと回転し、該可動メスを連動し、反対方向へと回転させ復位させ、該固定メスと相互に接続し糸切り操作を完成し、
該芯軸の端面は、該復位カムの復位曲面により押され、収縮し、復位し、こうして糸切りのサイクルを完成する。

本考案は、構造が簡単で堅固であるため、糸切りの安定性を高めることができ、駆動器が伝動のために必要な推進力は大きくないため、コンパクトな駆動器を採用可能で、よって全体の体積を縮小可能である。

本考案自動糸切り装置のミシン上における位置概略図である。 本考案ミシンの自動糸切り装置を図１のa１方向から見た俯瞰図である。 本考案の立体図である。 本考案ミシンの自動糸切り装置を図１のa２方向から見た俯瞰図である。 本考案カムユニットの平面概略図（一）である。 本考案カムユニットの平面概略図（二）である。 本考案ミシンの自動糸切り装置において、スタート状態における糸切り動作の概略図(一)である。 本考案ミシンの自動糸切り装置において、糸切り動作の概略図(二)である。 本考案ミシンの自動糸切り装置において、糸切り動作の概略図(三)である。 本考案ミシンの自動糸切り装置を図１のa３方向から見た俯瞰図である。 本考案の図１０中f１−f’１における断面概略図である。 本考案の図１０中f２−f’２における断面概略図である。 本考案の図１０中f３−f’３における断面概略図である。

本考案自動糸切り装置のミシン上における位置概略図である図１、本考案ミシンの自動糸切り装置を図１のa１方向から見た俯瞰図である図２、本考案の立体図である図３に示すように、本考案ミシンの自動糸切り装置は、回転シャトル台１を備える。回転シャトル台１は、基板６上に設置する。回転シャトル台１上には、伝動軸２を設置する。伝動軸２は、伝動連動装置（図示なし）を経由し、ミシンアーム部７内に位置する上軸７０に接続される。伝動軸２は、回転シャトル台１中に位置する１組のギア伝動装置(図示なし)により、回転シャトル台１上に設置する回転シャトル１１の回転を駆動する。回転シャトル１１の片側には、固定メス１２を設置し、しかも固定メス１２は、回転シャトル台１上に固定する。

糸切り装置は、可動メス３を備える。可動メス３は、回転シャトル１１の反対側に回転可能状態で設置する。可動メス３は、回転シャトル台１中に可動設置するピボット３１上に固定する。可動メス３は、ピボット３１の回転に従い、固定メス１２と相互に接続する初期位置(図２参照)から糸掛かり位置まで回転し、反対方向に回転し復位し、固定メス１２と相互に接続し糸切り動作を完成する。

図４、５、６に示すように、伝動軸２上には、同期回転を行なうカムユニット４を設置する。カムユニット４は、軸方向カム４１、位置制限カム４２、復位カム４３を備える。軸方向カム４１と位置制限カム４２の隣接する面には、偏向回転曲面４１０、４２０をそれぞれ備え、しかも２個の偏向回転曲面４１０、４２０の間には、曲線状の導引槽４４を形成する。位置制限カム４２は、扇型を呈する。軸方向カム４１は、偏向回転曲面４１０に隣接する回転曲面４１１を備える。復位カム４３は、回転曲面４１１の側辺に位置し、復位曲面４３０、及び復位曲面４３０と相互に接続する譲位曲面４３１を径方向に形成する。譲位曲面４３１は、導引槽４４に隣接する(図７、８参照)。

可動メス３を設置するピボット３１下方には、スイングアーム３２を備え、スイングアーム３２上には、駆動器５を設置する。駆動器５は、カムユニット４において、径方向に可動伸縮する芯軸５０を備える。駆動器５は、電磁石で、芯軸５０先端には、ローラー５１を設置する。電磁石に通電すると、芯軸５０は、カムユニット４の方向へと伸び出す。

次に糸切り装置の通常の縫製状態である初期状態を掲示する図７に示すように、カムユニット４は、伝動軸２の連続回転に従い、ローラー５１とカムユニット４とは接触せず、可動メス３は、固定メス１２と相互に接続する初期位置に位置する。縫製が終了し糸を切ろうとする場合には、可動メス３は、糸を捕らえることができる回転し糸掛かり位置まで回転する必要がある。この時、駆動器５は、ミシンコントローラーが、伝動軸２が適当な角度位置まで回転した時に対応して発する信号を受け取り、芯軸５０は、カムユニット４の方向へと伸び出る。
次に、図８に示すように、伝動軸２の矢印方向に沿った回転に従い、芯軸５０先端のローラーは、復位カム４３の譲位曲面４３１に沿って、導引槽４４まで前進する。導引槽４４は、伝動軸２の回転に従い、ローラー５１に対して、伝動軸２の軸方向に沿った推進力を形成し、スイングアーム３２とピボット３１を押し、軸線Ｙを巡り回転させる。同時に、可動メス３を連動し、軸線Ｙを巡り回転させ、固定メス１２と相互に接続する初期位置から、矢印方向に沿って、糸掛かり位置まで回転し、糸掛け準備動作を完成する（図９参照）。
続いて、伝動軸２の継続回転に従い、ローラー５１が位置制限カム４２を離れると、軸方向カム４１の回転曲面４１１は反対方向の軸方向の推進力を生じるため、芯軸５０は初期位置まで押し戻される。同時に、スイングアーム３２とピボット３１は、軸線Ｙを巡り反対方向に回転し、可動メス３を連動し、反対に回転させ、糸掛けを行い、復位し、固定メス１２と糸切り動作を完成する。さらに、芯軸５０は、復位カム４３の復位曲面４３０に押し動かされ、徐々に収縮し復位する（図７参照）。

本考案は、駆動器５をスイングアーム３２上に直接設置し、駆動器５の芯軸５０により、カムユニット４と直接接触させる。カムユニット４曲面の変化により、スイングアーム３２を押して回転させ、こうして可動メス３の回転を駆動するため、その構造は簡単で、堅固で、糸切りの安定性を向上させることができる。しかも、駆動器５の芯軸５０が伸び出る時には、一切の抵抗を受けないため、指定位置まで簡単に到達することができる。つまり、駆動器５は大きな推進力を必要としないため、より小さな電磁石で実施可能で、よって全体的な体積を縮小することができる。

本考案ミシンの自動糸切り装置を図１のa３方向から見た俯瞰図である図１０、本考案の図１０中f１−f’１における断面概略図である図１１、本考案の図１０中f２−f’２における断面概略図である図１２に示すように、本考案は回転シャトル台１中に、可動メス３を安定させる装置を設置することができる。ピボット３１上に開口槽３１０を設置し、回転シャトル台１はピボット３１の径方向上に開孔を設置する。開孔中には、定位ネジ１３を螺合し、定位ネジ１３内には、バネ１４を設置する。バネ１４先端には、スチールボール１５を設置し、スチールボール１５は開口槽３１０に接触して固定する。定位ネジ１３は、一定の圧力をピボット３１の開口槽３１０に加えるため、可動メス３を初期位置において安定させることができる。

本考案の図１０中f３−f’３における断面概略図である図１３に示すように、本考案はスイングアーム３２中に、駆動器５芯軸５０を安定させる装置を設置することができる。駆動器５芯軸５０には、環状の弧状槽５０１を設置し、スイングアーム３２は、駆動器５芯軸５０の径方向に開孔を設置する。開孔内には、弧状槽５０１に接触して固定するスチールボール３２０とバネ３２１を設置する。バネ３２１の外側は、定位ネジ３２２により、開孔内に螺入され、固定される。定位ネジ３２２は、一定の圧力を、芯軸５０上の弧状槽５０１に加えるため、駆動器５芯軸５０を初期位置において安定させることができる。

１ 回転シャトル台
１１ 回転シャトル
１２ 固定メス
１３ 定位ネジ
１４ バネ
１５ スチールボール
２ 伝動軸
３ 可動メス
３１ ピボット
３１０ 開口槽
３２ スイングアーム
３２０ スチールボール
３２１ バネ
３２２ 定位ネジ
４ カムユニット
４１ 軸方向カム
４１０ 偏向回転曲面
４１１ 回転曲面
４２ 位置制限カム
４２０ 偏向回転曲面
４３ 復位カム
４３０ 復位曲面
４３１ 譲位曲面
４４ 導引槽
５ 駆動器
５０ 芯軸
５０１ 弧状槽
５１ ローラー
６ 基板
７ アーム部
７１ 上軸

Claims (7)

1. 回転シャトル台、伝動軸、カムユニット、可動メスを備え、
   前記回転シャトル台上には、固定メスを固定し、
   前記伝動軸は、前記回転シャトル台中に設置し、
   前記カムユニットは、前記伝動軸上に設置し、前記伝動軸と同期回転し、前記カムユニットは、軸方向カム、位置制限カム、復位カムを備え、前記軸方向カムと前記位置制限カムの隣接する面には、偏向回転曲面をそれぞれ形成し、しかも前記２個の偏向回転曲面の間には、導引槽を形成し、前記軸方向カムは、前記偏向回転曲面に隣接する回転曲面を備え、前記復位カムは、径方向に復位曲面を形成し、
   前記可動メスは、ピボットを経て、前記回転シャトル台上に可動設置し、前記ピボット下方には、スイングアームを備え、前記スイングアーム上には、駆動器を設置し、前記駆動器は、前記カムユニットへと径方向に可動伸縮する芯軸を備え、
   前記可動メスが、前記固定メスと相互に接続する初期位置から、糸掛かり位置まで回転すると、前記駆動器は、前記芯軸を、前記カムユニット方向へと伸び出させ、前記芯軸は前記導引槽に進入し、前記導引槽は、前記芯軸を押し、前記伝動軸の軸方向に沿って移動させ偏向させ、これにより前記スイングアーム及び前記ピボットは回転し、前記可動メスを駆動し、初期位置から、糸掛かり位置まで回転させ、
   前記軸方向カムの回転曲面は、前記芯軸先端を、初期位置まで押し戻すため、前記スイングアーム及び前記ピボットは反対方向へと回転し、前記可動メスを連動し、反対方向へと回転させ復位させ、前記固定メスと相互に接続し糸切り操作を完成し、
   前記芯軸は、前記復位カムの復位曲面により押され、収縮し、復位することを特徴とするミシンの自動糸切り装置。
2. 請求項１記載のミシンの自動糸切り装置において、前記復位カムは、前記導引槽と相互に連接する譲位曲面を備えることを特徴とするミシンの自動糸切り装置。
3. 請求項１記載のミシンの自動糸切り装置において、前記位置制限カムは、扇型を呈することを特徴とするミシンの自動糸切り装置。
4. 請求項１記載のミシンの自動糸切り装置において、前記駆動器は、電磁石であることを特徴とするミシンの自動糸切り装置。
5. 請求項１記載のミシンの自動糸切り装置において、前記駆動器芯軸の先端には、ローラーを設置することを特徴とするミシンの自動糸切り装置。
6. 請求項１記載のミシンの自動糸切り装置において、前記ピボット上には、開口槽を設置し、前記回転シャトル台は、前記ピボットの径方向上に開孔を設置し、前記開孔中には、定位ネジを螺合し、前記定位ネジ内には、バネを設置し、前記バネ先端には、スチールボールを設置し、前記スチールボールは、前記開口槽に接触して固定することを特徴とするミシンの自動糸切り装置。
7. 請求項１記載のミシンの自動糸切り装置において、前記駆動器芯軸上には、環状の弧状槽を設置し、前記スイングアームは、前記駆動器芯軸の径方向に開孔を設置し、前記開孔内には、前記弧状槽に接触するスチールボールとバネを設置し、前記バネの外側は、定位ネジにより固定されることを特徴とするミシンの自動糸切り装置。

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