JP5054424B2 - 巻線方法、巻線機及び多極電機子用ワーク - Google Patents

巻線方法、巻線機及び多極電機子用ワーク Download PDF

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本発明は、多極電機子用ワークの各極にコイル形成用の線材を巻き付けるための巻線方法に関する。また、その巻線方法の実施に直接使用する巻線機及び多極電機子用ワークに関する。
レゾルバ等の回転角度検出機器や電動機、発電機等の回転式電気機械に備えられるアウタステータ形の多極電機子用のワークに巻線する場合、例えば巻き付け用線材(ワイヤ)が繰り出されるノズルを駆動するモータと、ワークの割り出し回転をするモータとを個々に駆動し、ノズルとワークを相対的に移動させることで行われる。すなわち、ノズルは上下移動し、ワークはその中心を軸として回動運動することで線材が各極に巻き付けられるので、各極への巻線を短時間で隙間なく行うことができる。本明細書では、このような巻線方法(巻線機)をノズル・ワーク駆動式と呼ぶこととする。
近年、アウタステータ形の多極電機子では、小型化と性能向上を両立させるために、ヨーク部から半径方向内側に突出する複数の極の限られた巻線スペースに、ノズル・ワーク駆動式によっていかに多くの巻線ができるかが要求されている。その結果、線材がますます細くなり(例えば線径0.1mm以下)、多極電機子用ワークの各極への巻線時に断線しやすくなる。また、自動車等の移動車両に搭載された場合には、使用時(走行時)の振動によっても断線するおそれがある。そこで、多極電機子用ワークへの巻線時に、線材始端部又は線材終端部(線端部)を保持する端子ピン(線端保持部材)と各極の巻線部との間に架け渡される線材にたるみを持たせて、このような断線を防止する試みがなされている。
具体的には、多極電機子用ワークのヨーク部と巻線部とを電気的に絶縁するインシュレータ(絶縁部)と一体形成されたコネクタ部(線端処理部)の外縁部に複数(例えば6本)の端子ピンを立設するとともに、端子ピンと巻線部との間のコネクタ部に複数(例えば6個)の挿入孔を貫通形成する。そして、巻線治具に固定された治具ピン(巻線弛ませピン)を挿入孔に挿通し、治具ピンが端子ピンと巻線部との間に架け渡される線材に接触してたるみを付与する技術が開示されている(特許文献1,2参照)。
特許第3588455号公報 特許第3638921号公報
特許文献1,2に示す治具ピンによって、端子ピンと巻線部との間に架け渡される線材に所定のたるみを付与して断線を防止できる。しかし、次のような問題がある。
(1)治具ピンを固定した巻線治具が必要であり、多極電機子用ワークの形態が変わればそのたびに巻線治具を新たに準備しなければならないので、生産コストが増大する。
(2)小型の多極電機子用ワークでは、挿入孔の孔径及び治具ピンの軸径が小さくなる(例えば1mm以下)ので、わずかの芯ずれ(誤差)でも治具ピンが変形しやすくなり、不良品の発生率が高くなる。これを防ぐために挿入孔及び治具ピンの寸法精度を上げると、生産コストが増大する。なお、治具ピンの挿入孔への挿通作業を手作業で行う場合には、不良品の発生を抑えることができるが、作業時間の長期化によりさらにコストが増大するおそれがある。
(3)一般的に、治具ピンを挿入孔へ挿通する操作(挿通操作)が完了してからでないと、端子ピンと巻線部との間に線材を架け渡す操作(架線操作)が実施できない。つまり、挿通操作と架線操作とを同期して実施することが困難であり、サイクルタイムの短縮が困難である。
本発明の課題は、生産コストの増大及び不良品の発生を抑制しつつ、線端部を保持する線端保持部材と各極に線材を巻き付ける巻線部との間に架け渡される線材にたるみを付与することのできる巻線方法と、その巻線方法の実施に直接使用する巻線機及び多極電機子用ワークを提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
上記課題を解決するために、本発明の巻線方法は、
リング状の外周を形成するヨーク部から半径方向内側に突出する複数の極を有する多極電機子用ワークの各極に、ノズルに保持されたコイル形成用の線材を電気的絶縁状態で巻き付けて巻線部を形成するための巻線方法であって、
前記多極電機子用ワークには、前記各極に巻き付ける前に形成される線材始端部又はその各極に巻き付けた後に形成される線材終端部を線端部として保持するために、その線端部を保持することのできる線端保持部材と、その線端保持部材と前記巻線部との間に架け渡される線材をくぐって横切るように形成された凹部とを有して、前記ヨーク部から電気的絶縁状態で半径方向外側に突出する線端処理部が形成されるとともに、
前記線端保持部材と巻線部との間に架け渡される線材を前記凹部内においてその架け渡し方向と交差する方向に押圧するための押圧部材が配設され、
前記多極電機子用ワーク及びノズルがその多極電機子用ワークの周方向及び厚み方向において相対移動することにより、当該多極電機子用ワークの各極に前記線材を巻き付けて前記巻線部を形成する巻線工程と、
前記ノズルの移動により前記線材が前記凹部を通過して前記線端保持部材と巻線部との間に架け渡されるとともに、前記押圧部材が前記凹部に入り込んでその凹部を通過する線材を当該凹部内において前記架け渡し方向と交差する方向に押圧することにより、その線材に前記架け渡し方向のたるみを付与する線端処理工程とを含むことを特徴とする。
また、上記課題を解決するために、本発明の巻線方法の具体的態様は、
リング状の外周を形成するヨーク部から半径方向内側に突出する複数の極を有する多極電機子用ワークの各極に、ノズルに保持されたコイル形成用の線材を電気的絶縁状態で巻き付けて巻線部を形成するための巻線方法であって、
前記多極電機子用ワークには、前記各極に巻き付ける前に形成される線材始端部又はその各極に巻き付けた後に形成される線材終端部を線端部として保持するために、その線端部を保持することのできる線端保持部材と、その線端保持部材と前記巻線部との間に架け渡される線材をくぐって横切るように形成された凹部とを有して、前記ヨーク部から電気的絶縁状態で半径方向外側に突出する線端処理部が形成されるとともに、
前記線端保持部材と巻線部との間に架け渡される線材を前記凹部内においてその架け渡し方向と交差する方向に押圧するための押圧部材が配設され、
前記ノズルの移動により前記線材が前記線端保持部材に保持されてから前記凹部を通過して前記極に架け渡されるとともに、前記押圧部材が前記凹部に入り込んでその凹部を通過する線材を当該凹部内において前記架け渡し方向と交差する方向に押圧することにより、その線材に前記架け渡し方向のたるみを付与する第一の線端処理工程と、
前記多極電機子用ワーク及びノズルがその多極電機子用ワークの周方向及び厚み方向において相対移動することにより、当該多極電機子用ワークの各極に前記線材を巻き付けて前記巻線部を形成する巻線工程と、
前記ノズルの移動により前記線材が前記巻線部から前記凹部を通過して前記線端保持部材に架け渡されるとともに、前記押圧部材が前記凹部に入り込んでその凹部を通過する線材を当該凹部内において前記架け渡し方向と交差する方向に押圧することにより、その線材に前記架け渡し方向のたるみを付与してからその線材が前記線端保持部材に保持される第二の線端処理工程とを含むことを特徴とする。
さらに、上記課題を解決するために、本発明の巻線機は、
リング状の外周を形成するヨーク部から半径方向内側に突出する複数の極を有する多極電機子用ワークとコイル形成用の線材を保持するノズルとが、その多極電機子用ワークの周方向及び厚み方向において相対移動することにより、当該多極電機子用ワークの各極に前記線材を電気的絶縁状態で巻き付けて巻線部を形成するための巻線機であって、
前記各極に巻き付ける前に形成される線材始端部又はその各極に巻き付けた後に形成される線材終端部を線端部として保持するために、その線端部を保持することのできる線端保持部材と、その線端保持部材と前記巻線部との間に架け渡される線材をくぐって横切るように形成された凹部とを有して、前記ヨーク部から電気的絶縁状態で半径方向外側に突出する線端処理部が形成された前記多極電機子用ワークを、前記厚み方向から保持するワーク保持部と、
前記線端保持部材と巻線部との間に架け渡される線材を前記凹部内においてその架け渡し方向と交差する方向に押圧するための押圧部材とを備え、
前記ノズルの移動により前記線材が前記凹部を通過して前記線端保持部材と巻線部との間に架け渡されるとともに、前記押圧部材が前記凹部に入り込んでその凹部を通過する線材を当該凹部内において前記架け渡し方向と交差する方向に押圧することにより、その線材に前記架け渡し方向のたるみを付与することを特徴とする。
このような巻線方法(巻線機)では、ノズルの移動により線材が凹部を通過して線端保持部材と巻線部との間に架け渡されるとともに、押圧部材が凹部に入り込んでその凹部を通過する線材を凹部内において架け渡し方向と交差する方向に押圧することにより、その線材に架け渡し方向のたるみを付与する。したがって、たるみ付与のための特殊な治具を要しないから、多極電機子用ワークの形態が変更されたりたるみ量が変更されたりした場合には、NC等で制御上の設定調整を行って押圧部材の作動ストローク等を調節すればよく、生産コストの増大を抑制できる。また、挿入孔や治具ピンを用いていないので、多極電機子用ワークが小型化しても生産コストや不良品の発生が増大するおそれは小さい。さらに、線端保持部材と巻線部との間に線材を架け渡すためのノズルの移動(架線操作)と凹部を通過する線材を押圧してたるみを付与するための押圧部材の移動(押圧操作)とを同期して実施することが可能であり、サイクルタイムの短縮が可能である。
なお、本発明におけるノズル・ワーク駆動式の巻線機について、「コイル形成用の線材を保持するノズル及び/又は半径方向に突出する複数の極を有するワークが該ワークの周方向に駆動されることにより、該ノズルが巻線すべき極から離間して相対移動する周方向成分と、前記ノズル及び/又はワークが前記ワークの厚み方向に駆動されることにより、該ノズルが前記巻線すべき極及びそれに隣接する極の間に形成されるスロットを通り抜けるようにして相対移動する厚み方向成分とを組み合わせた形態の軌跡を有し、前記ワークの各極に前記線材を巻き付けるための巻線機」と表わすこともできる。
つまり、本発明におけるノズル・ワーク駆動式の巻線方法(巻線機)としては、以下の4タイプのいずれであってもよい。
(1)ワークが周方向に駆動されることにより、ノズルが巻線すべき極から離間して相対移動する周方向成分と、ノズルがワークの厚み方向に駆動されることにより、ノズルが巻線すべき極及びそれに隣接する極の間に形成されるスロットを通り抜けるようにして相対移動する厚み方向成分とを組み合わせた形態の軌跡を有するタイプ;
(2)ワークが周方向に駆動されることにより、ノズルが巻線すべき極から離間して相対移動する周方向成分と、ワークが厚み方向に駆動されることにより、ノズルが巻線すべき極及びそれに隣接する極の間に形成されるスロットを通り抜けるようにして相対移動する厚み方向成分とを組み合わせた形態の軌跡を有するタイプ;
(3)ノズルがワークの周方向に駆動されることにより、ノズルが巻線すべき極から離間して相対移動する周方向成分と、ノズルがワークの厚み方向に駆動されることにより、ノズルが巻線すべき極及びそれに隣接する極の間に形成されるスロットを通り抜けるようにして相対移動する厚み方向成分とを組み合わせた形態の軌跡を有するタイプ;
(4)ノズルがワークの周方向に駆動されることにより、ノズルが巻線すべき極から離間して相対移動する周方向成分と、ワークが厚み方向に駆動されることにより、ノズルが巻線すべき極及びそれに隣接する極の間に形成されるスロットを通り抜けるようにして相対移動する厚み方向成分とを組み合わせた形態の軌跡を有するタイプ。
また、線端処理部(又は凹部)に立設され、線端部を保持する線端保持部材として、線端部を絡げるための絡げピンや線端部をかしめるためのかしめピンを用いることができる。したがって、線端処理工程には絡げ工程やかしめ工程が含まれる。さらに、第一の線端処理工程(すなわち始端処理工程)において、始端保持部材と巻線部との間に架け渡される線材はスタート線(S線)に該当し、第二の線端処理工程(すなわち終端処理工程)において、終端保持部材と巻線部との間に架け渡される線材はフィニッシュ線(F線)に該当する。
そこで、上記課題を解決するために、例えば本発明の巻線方法は、
リング状の外周を形成するヨーク部から半径方向内側に突出する複数の極を有する多極電機子用ワークの各極に、ノズルに保持されたコイル形成用の線材を電気的絶縁状態で巻き付けて巻線部を形成するための巻線方法であって、
前記多極電機子用ワークには、前記各極に巻き付ける前に形成される線材始端部又はその各極に巻き付けた後に形成される線材終端部を線端部として保持するために、その線端部を保持することのできる線端保持部材と、その線端保持部材と前記巻線部との間に架け渡される線材をくぐって横切るように形成された凹部とを有して、前記ヨーク部から電気的絶縁状態で半径方向外側に突出する線端処理部が形成されるとともに、
前記線端保持部材と巻線部との間に架け渡される線材を前記凹部内においてその架け渡し方向と交差する方向に押圧するための押圧部材が配設され、
前記ノズルの移動により前記線材が前記線端保持部材に保持されてから前記凹部を通過して前記多極電機子用ワークの最初に巻き付ける極に向けて架け渡されるとともに、前記押圧部材が前記凹部に入り込んでその凹部を通過する線材を当該凹部内において前記架け渡し方向と交差する方向に押圧することにより、その線材に前記架け渡し方向のたるみを付与しつつ、前記ノズルが前記最初に巻き付ける極の周方向及び厚み方向において相対移動することにより前記線材を1回又は複数回巻き付ける第一の線端処理工程と、
前記多極電機子用ワーク及びノズルがその多極電機子用ワークの周方向及び厚み方向において相対移動することにより、当該多極電機子用ワークの前記最初に巻き付ける極を含む各極に前記線材を巻き付けて前記巻線部を形成する巻線工程と、
前記ノズルの移動により前記線材が前記巻線部から前記凹部を通過して前記線端保持部材に架け渡されるとともに、前記押圧部材が前記凹部に入り込んでその凹部を通過する線材を当該凹部内において前記架け渡し方向と交差する方向に押圧することにより、その線材に前記架け渡し方向のたるみを付与してからその線材が前記線端保持部材に保持される第二の線端処理工程とを含むことを特徴とする。
この巻線方法によれば、第一の線端処理工程において、凹部を通過する線材へのたるみの付与(たるみ付け)と、次工程(巻線工程)で各極に形成される巻線部のうち最初に巻き付ける極の巻線部の端緒(1回又は複数回の巻き付け)とをほぼ同時に行える。これによって、継続して巻線工程に移行できるのでサイクルタイムを大幅に短縮でき、巻線部での断線を防止しやすくなるので、生産コストや不良品の発生を容易に抑制できる。
その場合、押圧部材は、多極電機子用ワークのヨーク部の回転中心に対して同心状に相対回転移動又は一体回転移動可能に配設されるとともに、
第一の線端処理工程において、多極電機子用ワークの回転移動に応じて押圧部材を回転移動させた後、その押圧部材を多極電機子用ワークの凹部に入り込ませてその凹部を通過する線材を凹部内において架け渡し方向と交差する方向に押圧することができる。
このように多極電機子用ワークの回転移動に応じて押圧部材を回転移動可能とすることによって、ワークの種別・形状・大きさ等の仕様が変更された場合でも、第一の線端処理工程での線端保持部材への線材の保持と線材へのたるみの付与(たるみ付け)とが円滑に行える。
さらに、押圧部材は、多極電機子用ワークの凹部に対してその厚み方向に進入・退避可能に配設されるとともに、
第一及び/又は第二の線端処理工程において、凹部を通過して前の工程で架け渡された線材を跨いで、押圧部材を架け渡し方向と交差する方向に移動させることができる。
このように押圧部材は、線材の架け渡し方向と交差する方向に移動する際に凹部に架け渡された線材を跨いで移動できるので、線端保持部材の形式・配置位置等ワークの仕様に応じて線端処理を幅広く適用させることができる。なお、押圧部材の先端部が細い丸棒を鉤状(例えばL字状)に屈曲形成してあると、細い線材に対しても跨いで移動しやすくなり、より精密なたるみの付与(たるみ付け)が可能になる。
そして、これらの線端処理工程において、凹部を通過して線端保持部材と巻線部との間に線材を架け渡すためのノズルの移動と、凹部を通過する線材をその凹部内において架け渡し方向と交差する方向に押圧してその線材にたるみを付与するための押圧部材の移動とは、互いに連係しかつ同期して実行されることが望ましい。このように、ノズルの移動(架線操作)と押圧部材の移動(押圧操作)とを互いに連係させ同期させて実行することによって、サイクルタイムを短縮できる。
このとき、押圧部材は、凹部を通過する線材を凹部内において架け渡し方向と交差する方向に押圧してその線材にたるみを付与するために、ノズルが凹部を通過して線端保持部材と巻線部との間に線材を架け渡す際の作動と連係しかつ同期して作動することができる。このように、押圧部材をノズルと同時作動させることで、ノズルから引き出された線材を線端処理部や凹部に接触させずに直接押圧部材で受けることもでき、一層断線しにくくなる。
例えば、線端処理工程において、押圧部材は凹部内をその底面に沿って移動することにより、厚み方向と交差する方向に線材を押圧してその線材にたるみを付与することができる。押圧部材が凹部の底面に沿って移動し、厚み方向と交差する方向(側方)に線材を押圧することにより、凹部の底面に沿う方向にたるみを形成することができる。
あるいは、線端処理工程において、押圧部材は凹部内をその底面に向って移動することにより、厚み方向に線材を押圧してその線材にたるみを付与することができる。押圧部材が凹部の底面に向って移動し、厚み方向(対面)に線材を押圧することにより、凹部の底面に向う方向にたるみを形成することができる。
したがって、上記の課題を解決するために、本発明の多極電機子用ワークは、
リング状の外周を形成するヨーク部から半径方向内側に突出する複数の極を有し、コイル形成用の線材を保持するノズルによって各極に前記線材を電気的絶縁状態で巻き付けて巻線部を形成することにより多極電機子となることが予定された多極電機子用ワークであって、
前記各極に巻き付ける前に形成される線材始端部又はその各極に巻き付けた後に形成される線材終端部を線端部として保持するために、その線端部を保持することのできる線端保持部材と、その線端保持部材と前記巻線部との間に架け渡される線材をくぐって横切るように形成された凹部とを有して、前記ヨーク部から電気的絶縁状態で半径方向外側に突出する線端処理部を備えることを特徴とする。
このように、多極電機子用ワークの線端処理部は、線端部を保持する線端保持部材と、線端保持部材と巻線部との間に架け渡される線材をくぐって横切る凹部とを有する。したがって、ノズルの移動により線材が凹部を通過して線端保持部材と巻線部との間に架け渡されたとき、その凹部を通過する線材を凹部内において押圧すればその線材に架け渡し方向のたるみを容易に付与することができる。このように、たるみ付与のための特殊な治具を要しないので、たるみ付きの多極電機子として安価にかつ製品歩留りよく得ることができる。なお、線端処理部は、ヨーク部の少なくとも一方の端面に配置される絶縁部(インシュレータ)と、高分子材料(樹脂、エラストマー)を用いて一体成形することにより、一層コンパクトで安価に構成できる。
この凹部は、線端保持部材と巻線部との間に架け渡される線材をその架け渡し方向と交差する方向に押圧することにより、その線材に架け渡し方向のたるみを付与するための押圧部材の少なくとも一部が、進入可能かつ移動可能な空間領域として形成されていることが望ましい。押圧部材が凹部に入り込んでその凹部を通過する線材を凹部内において架け渡し方向と交差する方向に押圧することにより、その線材に架け渡し方向のたるみを容易に付与することができる。
このとき凹部が、絶縁部から突出する線端処理部の突出幅全体に形成されていると、押圧部材は、凹部の底面に沿って厚み方向と交差する方向(側方)からその凹部内に進入可能となり、凹部の底面に沿う方向にたるみを形成しやすくなる。また、凹部に対する押圧部材の移動の自由度が大きくなる。
具体的には、線端処理部には、凹部を挟んで線端保持部材の位置する側と反対側に、その線端保持部材と巻線部との間に架け渡される線材の中途部を保持する中途保持部材が配置される場合がある。線端保持部材と中途保持部材との間の線材を押圧部材により側方に押圧して、凹部の底面に沿う方向にたるみを形成できる。なお、中途保持部材は、補助絡げピンや補助かしめピンで構成することができる。
あるいは凹部が、絶縁部から突出する線端処理部の両端部に閉鎖状の壁部を有する形態に形成されていると、押圧部材は、厚み方向(対面)から凹部内に進入可能となり、凹部の底面に向う方向にたるみを形成しやすくなる。また、凹部の両端が壁部で囲まれ、治具ピンの挿入孔等が貫通形成されていない有底状態であるため、凹部に接着剤や充填材を注入・固化してたるみ付け部を保存することもできる。
(実施例1)
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例を参照して説明する。図1は本発明に係る巻線機の一例を示す全体側面図、図2は全体正面図、図3は全体平面図である。図1に示すように、巻線機100は、ベース1、ベース2、ノズル3、駆動装置であり回転駆動機構であるワーク(多極電機子)6の割出回転用モータ4及びノズル駆動用モータ5で主に構成される。ベース1及びベース2は図示しないメインベースに固定される。ベース1は割出回転用モータ4を回動不能に固定する。
ノズル3は、ノズルブラケット60(ノズル保持具)に取り付けられ、ノズルブラケット60を含むノズル回動ユニット70がタイミングベルト11に固定されている。タイミングベルト11はノズル駆動用モータ5と接続される。このノズル駆動用モータ5付近は図2にて後に説明する。ノズル駆動用モータ5は支持部材12に固定され、支持部材12はリニアガイド13が取り付けられた前後移動枠14にビス等で固定される。リニアガイド13はリニアレール15が取り付けられた移動部材16(送り部材)上をワーク6に対して進退する方向(前後方向)に移動可能となっている。移動部材16には、前後移動枠14を移動させるための前後移動用モータ17が取り付けられる。前後移動用モータ17はカップリング18を介して、ボールねじ装置18a(図2,図3参照)により回転運動を直線運動に変換し、前後移動枠14をワーク6に対して進退する方向(前後方向)に移動することを可能にする。
移動部材16には、リニアガイド19が取り付けられる。リニアガイド19はリニアレール20が取り付けられたベース2上を前後移動枠14に対して直交する方向(左右方向)に移動可能となっている。ベース2には、移動部材16を移動させるための横移動用モータ21(ノズル送りモータ)が取り付けられる。横移動用モータ21はカップリング22(図2参照)を介して、ボールねじ装置22a(図3参照)により回転運動を直線運動に変換し、移動部材16を前後移動枠14に対して直交する方向(左右方向)に移動することを可能にする。
図2はノズル駆動用モータ5付近の正面図である。この巻線機100はノズル3を2箇所に設けたいわゆる2連タイプのもので、これに伴って割出回転用モータ4、ワーク6(図3参照)、ノズルブラケット60等も2個ずつ設けられている。既述の如くノズル3はノズルブラケット60に固定され、ノズルブラケット60を含むノズル回動ユニット70はリニアガイド24及びタイミングベルト11にビス等で固定される。リニアガイド24は、リニアレール23が取り付けられた支持部材12上を、ワーク6(図1参照)が取り付けられるスピンドル軸33(図1参照)と平行な方向(上下方向)に移動可能となっている。支持部材12にはノズル回動ユニット70を上下移動させるための回転駆動機構であるノズル駆動用モータ5が取り付けられている。ノズル駆動用モータ5は回転する軸である出力軸25から支持部材12に取り付けられたプーリ27を回転させる。プーリ27にはタイミングベルト11が掛けられ、一方のプーリ28と共にタイミングベルト11を移動させる。プーリ27とプーリ28はその回転を支持する軸が平行に設けられているため、その軸間においてタイミングベルト11に取り付けられたノズル回動ユニット70は上下方向に直線移動することが可能となる。
図1に戻り、ベース1は割出回転用モータ4を回動不能に固定する。割出回転用モータ4の回転する軸である出力軸31には、回転する軸であるスピンドル軸33が直接取り付けられる。スピンドル軸33にかかる軸方向の負荷は、ベース1に装着されたスラストベアリング38にて支持されている。スピンドル軸33には、図示しないクランプ機構によりワーク6を固定するためのワーク受け40(ワーク保持治具;ワーク保持部の一例)が、ワーク受け連結部40aを介して一体的に取り付けられる。なお、スピンドル軸33とワーク受け40(ワーク受け連結部40a)とは締結部材39により一体回転可能に締結される。
図3の平面図に示すように、本実施例では、前後方向がワーク6に対して前後移動枠14が進退する方向(進出側が前方、後退側が後方)とされ、作業者が巻線前のワーク6を供給し、巻線後のワーク6を取り出すワーク供給・取出方向が前後方向に沿って設定されている。同様に、左右方向が各ノズル3に対応してワーク6が配列される方向(ワーク6の中心点を結んだ方向)とされ、線材Wを極に1周巻き付ける毎にノズル3を所定ピッチ(例えば線材Wの太さずつ)でワーク6の半径方向に送るノズル送り方向が左右方向に沿って設定されている。また、ワーク6は外周を形成するヨーク部6yから半径方向内側に突出する複数の極6pを有するインナーコアタイプ(アウタステータ形)とされ(図4参照)、ノズルブラケット60のノズル側端部61がワーク6の内側に、回動軸側端部62がワーク6の外側にそれぞれ配置されている。
図3に示すように、ノズル送り方向がワーク供給・取出方向に対して交差する(例えば直交する)ように設定されている。このとき、ワーク供給・取出作業を行う作業者から見てノズル送り方向は左右方向となる。また、ノズル送り方向はワークの配列方向に設定されている。供給・取出作業を行う作業者にとって、ノズル3部分が目視しやすく、巻線状態の確認が容易である。
次に、図4によりノズル回動ユニット70について説明する。ノズル回動ユニット70は、ユニット本体700に、2個(2連)のノズルブラケット60(ノズル保持具)が、各々のノズルブラケット60の第二軸孔62に取り付けられた2個の回動軸71と、これらの回動軸71を個別に回動駆動する2個のエアシリンダ72(駆動アクチュエータ)とにより、同時に同方向に回動可能に取り付けられる。このノズル回動ユニット70のユニット本体700は、タイミングベルト11(図2参照)に固定されている。2個のノズルブラケット60の各々の第一軸孔61には、ノズル3が取り付けられている。73はエアシリンダ72のジョイント72aと回動軸71とを連結ピン72bを介して連結する連結アーム、74は連結ピン72bが当接することによってノズル3を後述する巻線状態(巻線工程)と絡げ状態(絡げ工程)との2位置に位置決め保持するためのストッパである。
各回動軸71は、これらに対応するワーク6の配列方向とほぼ直交して配置されている。また、ノズル3の送り方向が、これらのノズル3に対応するワーク6の配列方向に沿って配置されている。ただし、ワーク6の配列方向とは、ここでは図4(a)の平面視(ワーク6の軸線方向視)でワーク6の中心点を結んだ方向をいう。
ノズル3は、その先端が第二中心線O2(図5参照)の延長線上に位置する。つまり、ノズル3の先端と回動軸71の中心とが一致することにより、回動軸71周りでのノズル3の回動に伴うノズル3先端の昇降変位量はほぼ0になる。
ここで、ノズル回動ユニット70は、次の2状態に切り換え使用される。
(1)ワーク6が周方向に駆動されることにより、ノズル3が巻線すべき極6pから離間して相対移動する周方向成分と、ノズル3がワーク6の厚み方向に駆動されることにより、ノズル3が巻線すべき極6p及びそれに隣接する極6pの間に形成される隙間(スロット)を通り抜けるようにして相対移動する厚み方向成分とを組み合わせた形態の軌跡を有することにより、ワーク6の各極6pに線材Wを巻き付ける巻線状態。
(2)ノズル3をエアシリンダ72によってワーク6の端面と平行状に配置される回動軸71周りに回動させ約90°姿勢変換した形態にて、線材Wをワーク6の端面に立設された絡げピン6aに絡げる状態と、巻線部分以外の線材Wの中途部をワーク6の端面に立設された渡り線用ピン6bに対して渡り線として掛け渡す状態。
図5は図4のノズル回動ユニットに用いられるノズルブラケットを示す。ノズルブラケット60は、ノズル3を取り付けるための第一軸孔61が形成されたノズル側端部601から所定方向に延び、方向変換部603を経た後、回動軸71を取り付けるための第二軸孔62が形成された回動軸側端部602に至る門形状を呈する。第一軸孔61の第一中心線O1と第二中心線O2とは、ほぼ直交状に一点で交わっている。ここで、所定方向とは、巻線状態においてはワーク厚み方向(上下方向)、絡げ状態と渡り線形成状態では水平方向となる。
また、図5(c)に示すように、ノズル側端部601と回動軸側端部602との間の最小距離をLとし、少なくともその最小距離Lの範囲にわたって第二中心線O2と平行な平坦部603cが方向変換部603に形成され、これら第二中心線O2と平坦部603cとの間の距離をHとする。一方、ワーク6の外周半径をr、ワーク6の軸線方向の全厚さをt(ただし、ワーク6の端面に立設された絡げピン6a及び渡り線用ピン6bの突出高さを含む)としたとき、L>rかつ、H>tを満足するように設定されている。
さらに、このノズルブラケット60の第二中心線O2がノズル3の回動中心とされ、巻線機100に対して片持ち状に装着されている。この第二中心線O2は水平状に固定して配置されるとともに、第一中心線O1は巻線状態において水平状、絡げ状態と渡り線形成状態ではワーク厚み方向(上下方向)となるように配置されている。
次に、図6は多極電機子用ワークの一例を示す要部斜視図、図7は主要部を模式的に示す平面配置図である。図6に示すように、多極電機子用ワーク(以下、単にワークともいう)6は、リング状の外周を形成するヨーク部6yから半径方向内側に突出する複数の極6pを有し、例えば3相式レゾルバ用のインナーコアタイプ(アウタステータ形)に用いられる。ヨーク部6yと巻線部6w(図11参照)とを電気的に絶縁するインシュレータ6i(絶縁部)がヨーク部6yの上端面側に形成され、そのインシュレータ6iから半径方向外側に突出部6h(線端処理部)が一体的に(例えば樹脂一体成形で)突出形成されている。
突出部6hの先端部には、複数(例えば3本)のスタート用絡げピン6a1(始端保持部材;線端保持部材)と、複数(例えば3本)のフィニッシュ用絡げピン6a2(終端保持部材;線端保持部材)とが立設されている。スタート用絡げピン6a1は各極6pに巻き付ける前に形成される線材始端部(線端部)を絡げて保持する一方、フィニッシュ用絡げピン6a2は各極6pに巻き付けた後に形成される線材終端部(線端部)を絡げて保持する。なお、スタート用絡げピン6a1とフィニッシュ用絡げピン6a2を合わせて絡げピン6aともいい、いずれも導電性材料(例えば鋼製)で構成されている。
突出部6hの中途部には、絡げピン6aと巻線部6wとの間に架け渡される線材W(図11参照)をくぐって横切るように、底面が端面と平行状(例えば水平状)に形成された有底で溝状の凹部6h1が形成されている。図7及び図11にも示すように、この凹部6h1は、たるみ付け部材90(押圧部材)が進入可能かつ移動可能な空間領域として形成され、インシュレータ6iから突出する突出部6hの突出幅全体に形成されている。
たるみ付け部材90は先端に丸みを帯びた角柱状に形成され、絡げピン6aと巻線部6wとの間に架け渡される線材Wを先端部が架け渡し方向と交差(例えば直交)する方向に押圧することにより、線材Wに架け渡し方向のたるみを付与する。具体的には、たるみ付け部材90は、凹部6h1の底面に沿ってワーク6の厚み方向と交差する方向(側方;例えば水平方向)から凹部6h1内に進入可能である。そして、たるみ付け部材90は凹部6h1内をその底面に沿って移動することにより、先端面がワーク6の厚み方向と直交する水平方向に線材Wを押圧してたるみを付与する。
突出部6hには、凹部6h1を挟んで絡げピン6aの位置する先端側と反対側の基部に、絡げピン6aと巻線部6wとの間に架け渡される線材Wの中途部を絡げて保持する補助絡げピン6c(中途保持部材)が立設されている。補助絡げピン6cは、スタート用絡げピン6a1と巻線部6wとの間に架け渡されるスタート線Sの中途部を保持する複数(例えば3本)のスタート用補助絡げピン6c1と、フィニッシュ用絡げピン6a2と巻線部6wとの間に架け渡されるフィニッシュ線Fの中途部を保持する複数(例えば3本)のフィニッシュ用補助絡げピン6c2とを有する。補助絡げピン6cはいずれも絶縁性材料(例えば合成樹脂製)で構成されている。補助絡げピン6cを設けることによって、絡げピン6aと補助絡げピン6cとの間の線材W(スタート線S又はフィニッシュ線F)をたるみ付け部材90により側方に押圧しても線材Wがずれることなく、凹部6h1の底面に沿う方向にたるみを形成できる。
次に、このような多極電機子用ワーク6に巻線する場合の巻線機100の作動について、主として図8〜図14により説明する。
<始端部絡げ工程>……図8(a)
ノズル3を姿勢変換した形態(図11参照)に保持しつつ、線端クランプ部80(図3参照)に挟まれた線材Wをワーク6の突出部6hの上端面に立設されたスタート用絡げピン6a1に絡げる。
<始端部カット・捨て線工程>……図8(b)
図示しない左右(ワークの配列方向)移動用シリンダを作動させて、線端クランプ部80(図3参照)をワーク6から離れる方向に移動させ、線材Wの始端部を引き千切り、次に旋回用エアシリンダ81(図3参照)を作動させ、線端クランプ部80を旋回させて、線材Wの始端部を余り線LWとして機外に捨てる。
<引き出し工程>……図8(c)
線材Wの始端部がスタート用絡げピン6a1に絡げ保持され、ノズル3の移動によりスタート線Sが凹部6h1を通過してスタート用補助絡げピン6c1まで引き出される。
<たるみ付け開始工程>……図8(d)
たるみ付け部材90が前進して凹部6h1内にその底面に沿って水平方向から進入し、先端部で線材W(スタート線S)を押圧する。なお、たるみ付け部材90は一番奥のスタート用絡げピン6a1に絡げ保持されたスタート線Sを押圧する。
<中途部絡げ工程>……図9(e)
ノズル3により線材W(スタート線S)をスタート用補助絡げピン6c1に絡げる。
<たるみ付け終了工程>……図9(f)
たるみ付け部材90が後退して凹部6h1から退出し、先端部での線材W(スタート線S)の押圧が解除される。
<巻線工程>……図9(g)及び図12〜14
ワーク6が周方向に駆動されることにより、ノズル3が巻線すべき極6pから離間して相対移動する周方向成分と、ノズル3がワーク6の厚み方向に駆動されることにより、ノズル3が巻線すべき極6p及びそれに隣接する極6pの間に形成される隙間(スロット)を通り抜けるようにして相対移動する厚み方向成分とを組み合わせた形態の軌跡を有することにより、ワーク6の第1相の各極6p(計4個)に線材Wを巻き付ける。
この巻線工程を、巻線時のノズル3及びワーク6’の作動説明を示す図12によりさらに具体的に説明する。なお、図12はアウターコアタイプのワーク6’に関するものであるが、原理的には図9(g)と同様である。図12(a)に示すように、ノズル3内から線材Wが繰り出される。その後、図12(b)に示すようにノズル3がノズル駆動用モータ5(図1参照)により極6p間の隙間(スロット)N1を下降する。
図13は図12に続く巻線時のノズル3及びワーク6’の作動説明図である。図13(a)に示すようにノズル3が極6p間の隙間N1を下降した後、割出回転用モータ4(図1参照)はワーク6’を右回転させる。次に、図13(b)に示すように割出回転用モータ4(図1参照)はワーク6’を右回転させて、ノズル3を極6p間の隙間N1と隣接する隙間N2に位置するところで停止する。
図14は図13に続く巻線時のノズル3及びワーク6’の作動説明図である。図14(a)に示すようにノズル3が上昇する。そして割出回転用モータ4(図1参照)はワーク6’を左回転させる。そして線材Wは極6pの側面S2に当接する。図14(b)に示すようにノズル3は最初の隙間N1を下降する。
図14(b)に示すようにノズル3が線材Wを極6pに1周巻き付ける毎に横移動用モータ21(図1,図2参照)を作動させて、線材Wの太さ分を基準とする所定のピッチでノズル3を送る。
<引き戻し工程>……図9(h)
ノズル3によるワーク6の第1相の各極6p(計4個)への巻線が終了したら、ノズル3の移動によりフィニッシュ線Fがフィニッシュ用補助絡げピン6c2で引掛けて保持され、凹部6h1を通過してフィニッシュ用絡げピン6a2まで引き戻される。
<たるみ付け開始工程>……図10(i)
たるみ付け部材90が前進して凹部6h1内にその底面に沿って水平方向から進入し、先端部で線材W(フィニッシュ線F)を押圧する。なお、たるみ付け部材90は奥から二番目のフィニッシュ用絡げピン6a2に絡げ保持される直前のフィニッシュ線Fを押圧する。
<終端部絡げ・たるみ付け終了工程>……図10(j)
線材W(フィニッシュ線F)をワーク6の突出部6hの上端面に立設されたフィニッシュ用絡げピン6a2に絡げる。その後、たるみ付け部材90が後退して凹部6h1から退出し、先端部での線材W(フィニッシュ線F)の押圧が解除される。
<終端部カット工程>……図10(k)
図示しない左右(ワークの配列方向)移動用シリンダを作動させて、線端クランプ部80(図3参照)をワーク6から離れる方向に移動させ、線材Wの終端部を引き千切る。
<次相セット工程>……図10(l)
割出回転用モータ4(図1参照)を回転させて、ノズル3が次相(3相式レゾルバの場合、2相目)のスタート用絡げピン6a1の近傍に位置するようにセットする。以下、各相毎に図8(a)〜図10(l)の工程を繰り返す。
このように、ノズル3の移動により線材Wが凹部6h1を通過して絡げピン6aと巻線部6wとの間に架け渡される。そして、角柱状のたるみ付け部材90が凹部6h1に入り込み、凹部6h1を通過する線材Wを凹部6h1内において架け渡し方向と直交する方向に押圧することにより、線材Wに架け渡し方向のたるみを付与する。したがって、たるみ付与のための特殊な治具を要しないので、多極電機子用ワーク6の形態が変更された場合には、制御上の設定調整を行ってたるみ付け部材90の作動ストローク等を調節すればよく、生産コストの増大を抑制できる。また、従来のような挿入孔や治具ピンを用いていないので、多極電機子用ワーク6が小型化しても生産コストや不良品の発生が増大するおそれは小さい。さらに、絡げピン6aと巻線部6wとの間に線材Wを架け渡すためのノズル3の移動(架線操作)と凹部6h1を通過する線材Wを押圧してたるみを付与するためのたるみ付け部材90の移動(押圧操作)とを同期して実施しているので、サイクルタイムが短縮される。
そして、たるみ付け部材90の移動(押圧操作)をNC制御化すれば、多極電機子用ワーク6の形態が変更されたりたるみ量が変更されたりした場合でも、たるみ付け部材90の作動ストローク等を容易に調整できる。なお、図9(e)に示す「中途部絡げ工程」に代えて、線材W(スタート線S)をスタート用補助絡げピン6c1に引掛けて保持する、「中途部引掛け工程」を実施する場合がある。ただし、この場合には、「たるみ付け開始工程」(図8(d))→「中途部引掛け工程」→「巻線工程」(図9(g))→「たるみ付け終了工程」(図9(f))の順序で実施する。「中途部引掛け工程」では線材Wが固定されていないため、その後の「巻線工程」での引張力によってたるみがなくなってしまわないように、巻線が開始されるまでたるみ付け部材90で押えておく必要があるからである。
(変形例)
次に、たるみ付け部材と多極電機子用ワークの変形例を図15〜図22に示す。このうち、図15にたるみ付け部材の変形例を示す。図15のたるみ付け部材90(押圧部材)は円柱状に形成され、絡げピン6aと巻線部6wとの間に架け渡される線材Wを先端部が架け渡し方向と交差(例えば直交)する方向に押圧することにより、線材Wに架け渡し方向のたるみを付与する。具体的には、たるみ付け部材90は、凹部6h1の底面に向ってワーク6の厚み方向(例えば下向き)から凹部6h1内に進入可能である。そして、たるみ付け部材90は凹部6h1内をその底面に沿って移動することにより、外周面がワーク6の厚み方向と直交する水平方向に線材Wを押圧してたるみを付与する。
図16に多極電機子用ワークの変形例を示す。また、図17にたるみ付け部材の他の変形例を示す。図16の多極電機子用ワーク6では、突出部6hの中途部に、絡げピン6aと巻線部6wとの間に架け渡される線材W(図17参照)をくぐって横切るように、底面が湾曲状(例えば円弧面状)に形成された溝状の凹部6h1が形成されている。この凹部6h1は、たるみ付け部材90(押圧部材;図17参照)が進入可能かつ移動可能な空間領域として形成され、インシュレータ6iから突出する突出部6hの突出幅全体に形成されている。
図17のたるみ付け部材90は円柱状に形成され、絡げピン6aと巻線部6wとの間に架け渡される線材Wを先端部が架け渡し方向と交差(例えば直交)する方向に押圧することにより、線材Wに架け渡し方向のたるみを付与する。具体的には、たるみ付け部材90は、凹部6h1の底面に向ってワーク6の厚み方向(例えば下向き)から凹部6h1内に進入可能である。そして、たるみ付け部材90は凹部6h1内をその底面に向って移動することにより、外周面がワーク6の厚み方向に線材Wを押圧してたるみを付与する。したがって、たるみ付け部材90による線材Wの押圧時に絡げピン6aと巻線部6wとの間の線材Wがずれないため、補助絡げピン6cを設けていない。
図18に多極電機子用ワークの他の変形例を示す。図18多極電機子用ワーク6では、突出部6hの中途部から先端部に、絡げピン6aと巻線部6wとの間に架け渡される線材W(図11参照)をくぐって横切るように、底面が端面と平行状(例えば水平状)に形成された崖状の凹部6h1が形成されている。この凹部6h1は、たるみ付け部材90(押圧部材;図11参照)が進入可能かつ移動可能な空間領域として形成され、インシュレータ6iから突出する突出部6hの突出幅全体に形成されている。
図19は多極電機子用ワークのさらに他の変形例を示す。また、図20にたるみ付け部材のさらに他の変形例を示す。図19の多極電機子用ワーク6では、突出部6hの中途部に、絡げピン6aと巻線部6wとの間に架け渡される線材W(図20参照)をくぐって横切るように、底面が湾曲状(例えば円弧面状)に形成された溝状の凹部6h1が形成されている。この凹部6h1は、たるみ付け部材90(押圧部材;図20参照)が進入可能かつ移動可能な空間領域として形成され、インシュレータ6iから突出する突出部6hの両端部に閉鎖状の鍔部6h2(壁部)を有する形態に形成されている。
図20のたるみ付け部材90は先端部が長円柱状に形成され、絡げピン6aと巻線部6wとの間に架け渡される線材Wを先端部が架け渡し方向と交差(例えば直交)する方向に押圧することにより、線材Wに架け渡し方向のたるみを付与する。具体的には、たるみ付け部材90は、凹部6h1の底面に向ってワーク6の厚み方向(例えば下向き)から凹部6h1内に進入可能である。そして、たるみ付け部材90は凹部6h1内をその底面に向って移動することにより、外周面がワーク6の厚み方向に線材Wを押圧してたるみを付与する。したがって、たるみ付け部材90による線材Wの押圧時に絡げピン6aと巻線部6wとの間の線材Wがずれないため、補助絡げピン6cを設けていない。
図21は多極電機子用ワークのさらに他の変形例を示す。また、図22にたるみ付け部材のさらに他の変形例を示す。図21の多極電機子用ワーク6では、突出部6hの中途部に、絡げピン6aと巻線部6wとの間に架け渡される線材W(図22参照)をくぐって横切るように、底面が端面と平行状(例えば水平状)に形成された溝状の凹部6h1が形成されている。この凹部6h1は、たるみ付け部材90(押圧部材;図22参照)が進入可能かつ移動可能な空間領域として形成され、インシュレータ6iから突出する突出部6hの両端部に閉鎖状の鍔部6h2(壁部)を有する形態に形成されている。
図22のたるみ付け部材90は上部側が長円柱状、下部側が円柱状に形成され、絡げピン6aと巻線部6wとの間に架け渡される線材Wを先端下部が架け渡し方向と交差(例えば直交)する方向に押圧することにより、線材Wに架け渡し方向のたるみを付与する。具体的には、たるみ付け部材90は、凹部6h1の底面に向ってワーク6の厚み方向(例えば下向き)から凹部6h1内に進入可能である。そして、たるみ付け部材90は凹部6h1内をその底面に沿って移動することにより、外周面がワーク6の厚み方向と直交する水平方向に線材Wを押圧してたるみを付与する。
以上の変形例において、実施例(図1〜図14)と共通する機能を有する部分には同一符号を付して説明を省略したものがある。
(実施例2)
次に、図23は本発明に係る巻線機の他の例を示す要部の平面図、図24はその正面図、図25はその側面図、図26はその巻線機に用いられるたるみ付け部材の取付例を示す平面図、正面図、側面図及び背面図である。図23〜図26に示す巻線機200の基本構成は、実施例1(図1〜図5)に示す巻線機100の構成と共通している。
たるみ付け部材190(押圧部材)は、ワーク6のヨーク部6yの回転中心Oに対して同心状に相対回転移動可能に配設されている(図27参照)。具体的には、図23〜図25に示すように、ベース1上に固定された扇形フレーム201の外周にセクタギヤ202(扇形歯車;揺動機構)が形成されている。また、揺動アーム205の外端部側に載置(支持)された揺動用モータ204(第一のロータリアクチュエータ)にカップリング204aを介してピニオンギヤ203(小歯車;揺動機構)が固定され、このピニオンギヤ203がセクタギヤ202と噛合する一方、揺動アーム205の内端部側に下向き固定された軸筒206がベース1に形成された円弧状の長孔1aに挿通されている。さらに、扇形フレーム201の上面に形成された固定側のアールレール201aが、揺動アーム205の下面に形成された移動側のアールガイド205aと係合している。
これにより、揺動用モータ204の正逆回転に伴うギヤ202,203の噛合と、軸筒206の長孔1a内の移動と、アールレール201aとアールガイド205aとの係合とによって、揺動アーム205が回転中心O周りに円滑に揺動(可逆回転)する。なお、軸筒206の内部空間は配線用のリード線等を挿通するために用いられる。
また、たるみ付け部材190は、ワーク6の凹部6h1に沿ってその底面と平行状に移動可能に配設されている(図27参照)。具体的には、図26に示すように、たるみ付け部材190をワーク6の凹部6h1(溝)の形成方向に移動させるためのスライド用モータ210(第二のロータリアクチュエータ)と、そのスライド用モータ210の駆動軸210aと平行状に配置されたボールねじ211とがタイミングベルト212で連結され、スライド用モータ210の回転運動がボールねじ211の直線運動に変換される。また、扇形フレーム201の上面に揺動可能に載置された揺動アーム205の上面に、スライド固定側のリニアレール205bが形成され、ボールねじ211を支持する本体枠213の下面に形成されたスライド移動側のリニアガイド213aと係合している。
これにより、たるみ付け部材190は、凹部6h1を通過する線材Wを凹部6h1内において架け渡し方向と交差(例えば直交)する方向に押圧し、線材Wにたるみを付与することができる。
さらに、たるみ付け部材190は、ワーク6の凹部6h1(突出部6h)に対してその厚み方向に進入・退避可能に配設されている。具体的には、たるみ付け部材190を本体枠213に沿って上下方向に昇降移動させるためのエアシリンダ220(リニアアクチュエータ)が設けられている。なお、図26(d)において、符号221は上下方向の昇降ストロークを調整するための長孔、符号222は左右方向の位置調整のための長孔を示す。また、図26(c)において、符号223は前後方向の位置調整のための長孔を示す。
これにより、たるみ付け部材190は、線材Wの架け渡し方向と交差(直交)する方向に移動する際に凹部6h1に架け渡された線材Wを跨いで移動できるので、絡げピン6a(線端保持部材)の形式・配置位置等ワーク6の仕様に応じて線端処理を幅広く適用させることができる。
なお、たるみ付け部材190の先端部が細い丸棒を鉤状(例えばL字状)に屈曲形成した屈曲部191を有しているので、細い線材Wに対しても跨いで移動しやすくなり、より精密なたるみの付与(たるみ付け)が可能になる。
次に、図27に示す多極電機子用ワーク6に巻線する場合の巻線機200の作動について、主として図28〜図33及び図12〜図14により説明する。なお、スタート線Sを最初に巻き付ける極6pに巻き付けるので、図27に示す多極電機子用ワーク6には補助絡げピン6cを設けていない。
<始端部絡げ工程>……図28(a)
ノズル3を姿勢変換した形態(図11参照)に保持しつつ、線端クランプ部80(図3参照)に挟まれた線材Wをワーク6の突出部6hの上端面に立設されたスタート用絡げピン6a1に絡げる。
<始端部カット・捨て線工程>……図28(b)
図示しない左右(ワークの配列方向)移動用シリンダを作動させて、線端クランプ部80(図3参照)をワーク6から離れる方向に移動させ、線材Wの始端部を引き千切り、次に旋回用エアシリンダ81(図3参照)を作動させ、線端クランプ部80を旋回させて、線材Wの始端部を余り線LWとして機外に捨てる。
<引き出し工程>……図28(c)
線材Wの始端部がスタート用絡げピン6a1に絡げ保持され、ノズル3の移動によりスタート線Sが凹部6h1を通過して最初に巻き付ける極6pの近傍まで引き出される。このとき、割出回転用モータ4(図25参照)を所定角度(例えば時計回りに22.5°)駆動回転するとともに、揺動用モータ204(図25参照)を同期作動させて揺動アーム205を同角度駆動回転する。
<たるみ付け開始工程>……図28(d)
たるみ付け部材190が前進して凹部6h1内にその底面に沿って水平方向から進入し、先端部で線材W(スタート線S)を押圧する。なお、たるみ付け部材190は一番手前のスタート用絡げピン6a1に絡げ保持されたスタート線Sを押圧する。
<始端巻き付け処理工程>……図29(e)及び図31〜33
ノズル3により線材W(スタート線S)を最初に巻き付ける極6pに複数回(例えば2回)巻き付ける。
この始端巻き付け処理工程を、巻き付け時のノズル3及びワーク6’の作動説明を示す図31によりさらに具体的に説明する。なお、図31はアウターコアタイプのワーク6’に関するものであるが、原理的には図29(e)と同様である。図31(a)に示すように、ノズル3内から線材Wが繰り出される。その後、図31(b)に示すようにノズル3がノズル駆動用モータ5(図1参照)により極6p間の隙間(スロット)N1を下降する。
図32は図31に続く巻き付け時のノズル3及びワーク6’の作動説明図である。図32(a)に示すようにノズル3が極6p間の隙間N1を下降した後、前後移動用モータ17(図1参照)はノズル3を前方へ移動させる。次に、図32(b)に示すように前後移動用モータ17(図1参照)はノズル3を後方へ移動させて、ノズル3を極6p間の隙間N1と隣接する隙間N2に位置するところで停止する。
図33は図32に続く巻き付け時のノズル3及びワーク6’の作動説明図である。図33(a)に示すようにノズル3が上昇する。そして線材Wは極6pの側面S2に当接する。図33(b)に示すようにノズル3は最初の隙間N1を下降する。
図33(b)に示すようにノズル3が線材Wを極6pに1周巻き付けたとき、横移動用モータ21(図1,図2参照)を作動させて、線材Wの太さ分を基準とする所定のピッチでノズル3を送る。以上の手順をもう一度繰り返すことにより、最初に巻き付ける極6pに2回の巻き付けが終了し、スタート線Sにたるみが付けられる。
<たるみ付け終了工程>……図29(f)
たるみ付け部材190が後退して凹部6h1から退出し、先端部での線材W(スタート線S)の押圧が解除される。
<巻線工程>……図29(g)及び図12〜14
ワーク6が周方向に駆動されることにより、ノズル3が巻線すべき極6pから離間して相対移動する周方向成分と、ノズル3がワーク6の厚み方向に駆動されることにより、ノズル3が巻線すべき極6p及びそれに隣接する極6pの間に形成される隙間(スロット)を通り抜けるようにして相対移動する厚み方向成分とを組み合わせた形態の軌跡を有することにより、ワーク6の第1相の各極6p(計8個)に線材Wを巻き付ける。
この巻線工程を、巻線時のノズル3及びワーク6’の作動説明を示す図12によりさらに具体的に説明する。なお、図12はアウターコアタイプのワーク6’に関するものであるが、原理的には図29(g)と同様である。図12(a)に示すように、ノズル3内から線材Wが繰り出される。その後、図12(b)に示すようにノズル3がノズル駆動用モータ5(図1参照)により極6p間の隙間(スロット)N1を下降する。
図13は図12に続く巻線時のノズル3及びワーク6’の作動説明図である。図13(a)に示すようにノズル3が極6p間の隙間N1を下降した後、割出回転用モータ4(図1参照)はワーク6’を右回転させる。次に、図13(b)に示すように割出回転用モータ4(図1参照)はワーク6’を右回転させて、ノズル3を極6p間の隙間N1と隣接する隙間N2に位置するところで停止する。
図14は図13に続く巻線時のノズル3及びワーク6’の作動説明図である。図14(a)に示すようにノズル3が上昇する。そして割出回転用モータ4(図1参照)はワーク6’を左回転させる。そして線材Wは極6pの側面S2に当接する。図14(b)に示すようにノズル3は最初の隙間N1を下降する。
図14(b)に示すようにノズル3が線材Wを極6pに1周巻き付ける毎に横移動用モータ21(図1,図2参照)を作動させて、線材Wの太さ分を基準とする所定のピッチでノズル3を送る。
<引き戻し工程>……図29(h)
ノズル3によるワーク6の第1相の各極6p(計8個)への巻線が終了したら、割出回転用モータ4(図25参照)を所定角度(例えば反時計回りに22.5°)駆動回転するとともに、揺動用モータ204(図25参照)を同期作動させて揺動アーム205を同角度駆動回転する。ノズル3の移動によりフィニッシュ線Fが凹部6h1を通過してフィニッシュ用絡げピン6a2まで引き戻される。
<たるみ付け開始工程>……図30(i)
たるみ付け部材190が前進して凹部6h1内にその底面に沿って水平方向から進入し、先端部で線材W(フィニッシュ線F)を押圧する。なお、たるみ付け部材190は奥から三番目のフィニッシュ用絡げピン6a2に絡げ保持される直前のフィニッシュ線Fを押圧するために、既に一番手前のスタート用絡げピン6a1に絡げ保持されているスタート線Sを跨いで前進する。
<終端部絡げ・たるみ付け終了工程>……図30(j)
線材W(フィニッシュ線F)をワーク6の突出部6hの上端面に立設されたフィニッシュ用絡げピン6a2に絡げる。その後、既に一番手前のスタート用絡げピン6a1に絡げ保持されているスタート線Sを跨ぎながら、たるみ付け部材190が後退して凹部6h1から退出し、先端部での線材W(フィニッシュ線F)の押圧が解除される。
<終端部カット工程>……図30(k)
図示しない左右(ワークの配列方向)移動用シリンダを作動させて、線端クランプ部80(図3参照)をワーク6から離れる方向に移動させ、線材Wの終端部を引き千切る。
<次相セット工程>……図30(l)
割出回転用モータ4(図25参照)を回転させて、ノズル3が次相(2相式レゾルバの場合、2相目)のスタート用絡げピン6a1の近傍に位置するようにセットする。以下、各相毎に図28(a)〜図30(l)の工程を繰り返す。
なお、実施例2ではスタート用絡げピン6a1及びフィニッシュ用絡げピン6a2が3対(計6本)設けられている。2相式の回転式電気機械等に巻線した場合、残った1対(2本)を利用してすべての極6pに追加巻きを行って巻き数増加を図ってもよい。
このように、始端巻き付け処理工程において、凹部6h1を通過する線材Wへのたるみの付与(たるみ付け)と、次工程(巻線工程)で各極6pに形成される巻線部6wのうち最初に巻き付ける極6pの巻線部6wの端緒(2回の巻き付け)とをほぼ同時に行える。これによって、継続して巻線工程に移行できるのでサイクルタイムを大幅に短縮でき、巻線部6wでの断線を防止しやすくなるので、生産コストや不良品の発生を容易に抑制できる。
また、ワーク6の回転移動に応じてたるみ付け部材190を回転移動可能とすることによって、ワーク6の種別・形状・大きさ等の仕様が変更された場合でも、始端巻き付け処理工程でのスタート用絡げピン6a1への線材Wの保持と線材Wへのたるみの付与(たるみ付け)とが円滑に行える。例えば、上記「始端巻き付け処理工程」(図29(e)及び図31〜33)において、割出回転用モータ4によるワーク6の回転移動と、ノズル駆動用モータ5によるノズル3の昇降移動とに基づく線材Wの極6pへの巻き付けを、図12〜14の手法によって実行してもよい。その際に、揺動用モータ204及び揺動機構202,203によるたるみ付け部材190の揺動運動(回転移動)をワーク6の揺動運動(回転移動)と同調させることもできる。
さらに、たるみ付け部材190は、線材Wの架け渡し方向と交差する方向に移動する際に凹部6h1に架け渡された線材Wを跨いで移動できるので、絡げピン6aの形式・配置位置等ワーク6の仕様に応じて線端処理を幅広く適用させることができる。なお、たるみ付け部材190の先端部が細い丸棒を鉤状(例えばL字状)に屈曲形成した屈曲部191に形成してあるので、細い線材Wに対しても跨いで移動しやすくなり、より精密なたるみの付与(たるみ付け)が可能になる。
実施例2(図23〜図33)において、実施例1(図1〜図14)と共通する機能を有する部分には同一符号を付して説明を省略したものがある。
以上の説明では、3相式又は2相式レゾルバ用のインナーコアタイプ(アウタステータ形)に用いられる多極電機子用ワークを例示したが、モータ、ソレノイド等の回転式電気機械等にも適用できる。また、突出部6h(線端処理部)はリング状のヨーク部6yの1ヶ所から半径方向外側に突出形成される場合のみについて説明したが、ヨーク部6yの複数ヶ所から突出形成されていてもよい。同様に、絡げピン6a(線端保持部材)や補助絡げピン6c(中途保持部材)を突出部6hの上下両端面に分散配置してもよい。さらに、絡げピン6aや補助絡げピン6cの代わりにかしめピンや補助かしめピンを用いてもよい。
本発明に係る巻線機の一例を示す全体側面図。 図1の巻線機の全体正面図。 図1の巻線機の全体平面図。 図1の巻線機に装着されるノズル回動ユニットの平面図、正面図、側面図及び背面図。 図4のノズル回動ユニットを構成するノズルブラケットの平面図、正面図及び側面図。 多極電機子用ワークの一例を示す要部斜視図。 主要部を模式的に示す平面配置図。 図7の作動説明図。 図8に続く作動説明図。 図9に続く作動説明図。 たるみ付け部材の一例を示す作動説明図。 巻線工程におけるノズル及びワークの作動説明図。 図12に続く作動説明図。 図13に続く作動説明図。 たるみ付け部材の変形例を示す作動説明図。 多極電機子用ワークの変形例を示す要部斜視図。 たるみ付け部材の他の変形例を示す作動説明図。 多極電機子用ワークの他の変形例を示す要部斜視図。 多極電機子用ワークのさらに他の変形例を示す要部斜視図。 たるみ付け部材のさらに他の変形例を示す作動説明図。 多極電機子用ワークのさらに他の変形例を示す要部斜視図。 たるみ付け部材のさらに他の変形例を示す作動説明図。 本発明に係る巻線機の他の例を示す要部の平面図。 図23の正面図。 図23の側面図。 図23〜図25の巻線機に用いられるたるみ付け部材の取付例を示す平面図、正面図、側面図及び背面図。 図26の主要部を模式的に示す平面配置図。 図27の作動説明図。 図28に続く作動説明図。 図29に続く作動説明図。 始端処理工程におけるノズル及びワークの作動説明図。 図31に続く作動説明図。 図32に続く作動説明図。
符号の説明
3 ノズル
6 ワーク(多極電機子用ワーク)
6a 絡げピン(線端保持部材)
6a1 スタート用絡げピン(始端保持部材;線端保持部材)
6a2 フィニッシュ用絡げピン(終端保持部材;線端保持部材)
6c 補助絡げピン(中途保持部材)
6c1 スタート用補助絡げピン(中途保持部材)
6c2 フィニッシュ用補助絡げピン(中途保持部材)
6h 突出部(線端処理部)
6h1 凹部
6h2 鍔部(壁部)
6i インシュレータ(絶縁部)
6p 極
6y ヨーク部
6w 巻線部
40 ワーク受け(ワーク保持治具;ワーク保持部)
60 ノズルブラケット(ノズル保持具)
70 ノズル回動ユニット
90 たるみ付け部材(押圧部材)
100 巻線機
S スタート線
F フィニッシュ線
W 線材

Claims (14)

  1. リング状の外周を形成するヨーク部から半径方向内側に突出する複数の極を有する多極電機子用ワークの各極に、ノズルに保持されたコイル形成用の線材を電気的絶縁状態で巻き付けて巻線部を形成するための巻線方法であって、
    前記多極電機子用ワークには、前記各極に巻き付ける前に形成される線材始端部又はその各極に巻き付けた後に形成される線材終端部を線端部として保持するために、その線端部を保持することのできる線端保持部材と、その線端保持部材と前記巻線部との間に架け渡される線材をくぐって横切るように形成された凹部とを有して、前記ヨーク部から電気的絶縁状態で半径方向外側に突出する線端処理部が形成されるとともに、
    前記線端保持部材と巻線部との間に架け渡される線材を前記凹部内においてその架け渡し方向と交差する方向に押圧するための押圧部材が配設され、
    前記多極電機子用ワーク及びノズルがその多極電機子用ワークの周方向及び厚み方向において相対移動することにより、当該多極電機子用ワークの各極に前記線材を巻き付けて前記巻線部を形成する巻線工程と、
    前記ノズルの移動により前記線材が前記凹部を通過して前記線端保持部材と巻線部との間に架け渡されるとともに、前記押圧部材が前記凹部に入り込んでその凹部を通過する線材を当該凹部内において前記架け渡し方向と交差する方向に押圧することにより、その線材に前記架け渡し方向のたるみを付与する線端処理工程とを含むことを特徴とする巻線方法。
  2. リング状の外周を形成するヨーク部から半径方向内側に突出する複数の極を有する多極電機子用ワークの各極に、ノズルに保持されたコイル形成用の線材を電気的絶縁状態で巻き付けて巻線部を形成するための巻線方法であって、
    前記多極電機子用ワークには、前記各極に巻き付ける前に形成される線材始端部又はその各極に巻き付けた後に形成される線材終端部を線端部として保持するために、その線端部を保持することのできる線端保持部材と、その線端保持部材と前記巻線部との間に架け渡される線材をくぐって横切るように形成された凹部とを有して、前記ヨーク部から電気的絶縁状態で半径方向外側に突出する線端処理部が形成されるとともに、
    前記線端保持部材と巻線部との間に架け渡される線材を前記凹部内においてその架け渡し方向と交差する方向に押圧するための押圧部材が配設され、
    前記ノズルの移動により前記線材が前記線端保持部材に保持されてから前記凹部を通過して前記極に架け渡されるとともに、前記押圧部材が前記凹部に入り込んでその凹部を通過する線材を当該凹部内において前記架け渡し方向と交差する方向に押圧することにより、その線材に前記架け渡し方向のたるみを付与する第一の線端処理工程と、
    前記多極電機子用ワーク及びノズルがその多極電機子用ワークの周方向及び厚み方向において相対移動することにより、当該多極電機子用ワークの各極に前記線材を巻き付けて前記巻線部を形成する巻線工程と、
    前記ノズルの移動により前記線材が前記巻線部から前記凹部を通過して前記線端保持部材に架け渡されるとともに、前記押圧部材が前記凹部に入り込んでその凹部を通過する線材を当該凹部内において前記架け渡し方向と交差する方向に押圧することにより、その線材に前記架け渡し方向のたるみを付与してからその線材が前記線端保持部材に保持される第二の線端処理工程とを含むことを特徴とする巻線方法。
  3. リング状の外周を形成するヨーク部から半径方向内側に突出する複数の極を有する多極電機子用ワークの各極に、ノズルに保持されたコイル形成用の線材を電気的絶縁状態で巻き付けて巻線部を形成するための巻線方法であって、
    前記多極電機子用ワークには、前記各極に巻き付ける前に形成される線材始端部又はその各極に巻き付けた後に形成される線材終端部を線端部として保持するために、その線端部を保持することのできる線端保持部材と、その線端保持部材と前記巻線部との間に架け渡される線材をくぐって横切るように形成された凹部とを有して、前記ヨーク部から電気的絶縁状態で半径方向外側に突出する線端処理部が形成されるとともに、
    前記線端保持部材と巻線部との間に架け渡される線材を前記凹部内においてその架け渡し方向と交差する方向に押圧するための押圧部材が配設され、
    前記ノズルの移動により前記線材が前記線端保持部材に保持されてから前記凹部を通過して前記多極電機子用ワークの最初に巻き付ける極に向けて架け渡されるとともに、前記押圧部材が前記凹部に入り込んでその凹部を通過する線材を当該凹部内において前記架け渡し方向と交差する方向に押圧することにより、その線材に前記架け渡し方向のたるみを付与しつつ、前記ノズルが前記最初に巻き付ける極の周方向及び厚み方向において相対移動することにより前記線材を1回又は複数回巻き付ける第一の線端処理工程と、
    前記多極電機子用ワーク及びノズルがその多極電機子用ワークの周方向及び厚み方向において相対移動することにより、当該多極電機子用ワークの前記最初に巻き付ける極を含む各極に前記線材を巻き付けて前記巻線部を形成する巻線工程と、
    前記ノズルの移動により前記線材が前記巻線部から前記凹部を通過して前記線端保持部材に架け渡されるとともに、前記押圧部材が前記凹部に入り込んでその凹部を通過する線材を当該凹部内において前記架け渡し方向と交差する方向に押圧することにより、その線材に前記架け渡し方向のたるみを付与してからその線材が前記線端保持部材に保持される第二の線端処理工程とを含むことを特徴とする巻線方法。
  4. 前記押圧部材は、前記多極電機子用ワークのヨーク部の回転中心に対して同心状に相対回転移動又は一体回転移動可能に配設されるとともに、
    前記第一の線端処理工程において、前記多極電機子用ワークの回転移動に応じて前記押圧部材を回転移動させた後、その押圧部材を前記多極電機子用ワークの凹部に入り込ませてその凹部を通過する線材を当該凹部内において前記架け渡し方向と交差する方向に押圧する請求項3に記載の巻線方法。
  5. 前記押圧部材は、前記多極電機子用ワークの凹部に対してその厚み方向に進入・退避可能に配設されるとともに、
    前記第一及び/又は第二の線端処理工程において、前記凹部を通過して前の工程で架け渡された線材を跨いで、前記押圧部材を前記架け渡し方向と交差する方向に移動させる請求項3又は4に記載の巻線方法。
  6. 前記線端処理工程において、前記凹部を通過して前記線端保持部材と巻線部との間に前記線材を架け渡すための前記ノズルの移動と、前記凹部を通過する線材をその凹部内において前記架け渡し方向と交差する方向に押圧してその線材に前記たるみを付与するための前記押圧部材の移動とは、互いに連係しかつ同期して実行される請求項1ないし5のいずれか1項に記載の巻線方法。
  7. 前記線端処理工程において、前記押圧部材は前記凹部内をその底面に沿って移動することにより、前記厚み方向と交差する方向に前記線材を押圧してその線材に前記たるみを付与する請求項1ないし6のいずれか1項に記載の巻線方法。
  8. 前記線端処理工程において、前記押圧部材は前記凹部内をその底面に向って移動することにより、前記厚み方向に前記線材を押圧してその線材に前記たるみを付与する請求項1ないし7のいずれか1項に記載の巻線方法。
  9. リング状の外周を形成するヨーク部から半径方向内側に突出する複数の極を有する多極電機子用ワークとコイル形成用の線材を保持するノズルとが、その多極電機子用ワークの周方向及び厚み方向において相対移動することにより、当該多極電機子用ワークの各極に前記線材を電気的絶縁状態で巻き付けて巻線部を形成するための巻線機であって、
    前記各極に巻き付ける前に形成される線材始端部又はその各極に巻き付けた後に形成される線材終端部を線端部として保持するために、その線端部を保持することのできる線端保持部材と、その線端保持部材と前記巻線部との間に架け渡される線材をくぐって横切るように形成された凹部とを有して、前記ヨーク部から電気的絶縁状態で半径方向外側に突出する線端処理部が形成された前記多極電機子用ワークを、前記厚み方向から保持するワーク保持部と、
    前記線端保持部材と巻線部との間に架け渡される線材を前記凹部内においてその架け渡し方向と交差する方向に押圧するための押圧部材とを備え、
    前記ノズルの移動により前記線材が前記凹部を通過して前記線端保持部材と巻線部との間に架け渡されるとともに、前記押圧部材が前記凹部に入り込んでその凹部を通過する線材を当該凹部内において前記架け渡し方向と交差する方向に押圧することにより、その線材に前記架け渡し方向のたるみを付与することを特徴とする巻線機。
  10. 前記押圧部材は、前記凹部を通過する線材を前記凹部内において前記架け渡し方向と交差する方向に押圧してその線材に前記たるみを付与するために、前記ノズルが前記凹部を通過して前記線端保持部材と巻線部との間に前記線材を架け渡す際の作動と連係しかつ同期して作動する請求項9に記載の巻線機。
  11. リング状の外周を形成するヨーク部から半径方向内側に突出する複数の極を有し、コイル形成用の線材を保持するノズルによって各極に前記線材を電気的絶縁状態で巻き付けて巻線部を形成することにより多極電機子となることが予定された多極電機子用ワークであって、
    前記各極に巻き付ける前に形成される線材始端部又はその各極に巻き付けた後に形成される線材終端部を線端部として保持するために、その線端部を保持することのできる線端保持部材と、その線端保持部材と前記巻線部との間に架け渡される線材をくぐって横切るように形成された凹部とを有して、前記ヨーク部から電気的絶縁状態で半径方向外側に突出する線端処理部を備え、
    前記凹部は、前記線端保持部材と巻線部との間に架け渡される線材をその架け渡し方向と交差する方向に押圧することにより、その線材に当該架け渡し方向のたるみを付与するための押圧部材の少なくとも一部が、進入可能かつ移動可能な空間領域として形成されていることを特徴とする多極電機子用ワーク。
  12. 前記凹部は、前記絶縁部から突出する線端処理部の突出幅全体に形成され、
    前記押圧部材は、前記凹部の底面に沿って前記厚み方向と交差する方向からその凹部内に進入可能である請求項11に記載の多極電機子用ワーク。
  13. 前記線端処理部には、前記凹部を挟んで前記線端保持部材の位置する側と反対側に、その線端保持部材と前記巻線部との間に架け渡される線材の中途部を保持する中途保持部材が配置されている請求項12に記載の多極電機子用ワーク。
  14. 前記凹部は、前記絶縁部から突出する線端処理部の両端部に閉鎖状の壁部を有する形態に形成され、
    前記押圧部材は、前記厚み方向から前記凹部内に進入可能である請求項11に記載の多極電機子用ワーク。
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